競走馬カルテ

2・3歳重賞の出走馬を分析・記録していくブログです。

アルテミスステークス(GⅢ) 出走馬カルテ 2023

 

こんにちは。

 

アルテミスS牝馬の登竜門。昨年の2着馬リバティアイランドが4つあるGⅠ全て勝ち、ついにこのレースからも三冠牝馬が誕生しました。12年2着アユサン桜花賞、14年2着レッツゴードンキ桜花賞、15年2着メジャーエンブレム阪神JFNHKマイルCのGⅠ2勝。2着馬からもこれだけのGⅠホースが誕生しているアルテミスSは本当に凄いレースです。

 

先に行われたサウジRCもそうでしたがこちらも社台系の素質馬っぽいのが多く参戦予定です。この中に将来のGⅠ馬が含まれている可能性は高いかもしれません。今年のメンバーには1800mを勝ち上がった馬が多いのが気になりました。ちょっと調べてみたところ、

 

前走1600m【5・7・5・58】
∟勝率:6.7%、連対率:16.0%、複勝率:22.7%

前走1800m【5・1・2・19】
∟勝率:18.5%、連対率:22.2%、複勝率29.6%

 

と、こんな感じです(過去10年)。

 

馬券実績は前走1600mの距離維持組が優勢ですが、勝ち数は前走1800mの距離短縮組も同じ。また、距離維持組は出走数も多く、ハズレも多いため、距離短縮組の方が各指標の%が高くなってます。どちらから狙っても良いと思いますが、格が高めのレースでは施行距離より長い距離実績がある事がプラスに働く場合があるので有利なのかもしれません。

 

今年はどちらの組に有利なのでしょうか?

 

アルテミスSは28日(土)に行われます。前日の27日(金)には更新を完了します。出走予定の分かった馬を五十音順で更新していきます。それ以外は随時追加していきます。

 

予想案は各ページの最下部にある専用ページにまとめてあります。ブログカードを貼っておきますのでそちらをご覧ください。

 

エリカリーシャン

 

新潟1800mを新馬勝ち。ゲートをポンと出て、気合を付けてハナに立ち逃げ切り。最後に差は詰められたが2馬身半の完勝で一旦は独走状態で抜け出していた。ただ、直線で人気馬の故障によるアクシデントがあり、それで後続が少々ゴチャついていて、その隙にセーフティリードを拡げた感じもある。1000mを62.2秒でマイぺ逃げ。これで上がり34.9秒はちょっと情けない。このペースならせめて34秒台前半では走っていて欲しかった。最後1Fの失速も大きく、脚を持続出来なかった印象がある。ラストに速い脚を使えないのかもしれない。勝ちタイムも遅く、平凡な内容。印象点は低い。気性面に悪いところはなさそうだったが前進気勢もマイルを走るには弱く感じた。距離が短縮されるのは良いと思うが流れに乗れる保証はない。いろいろと物足りない内容で2戦目の変わり身が大きくないと重賞で即通用とはならないない様に思う。

 

ショウナンマヌエラ

・ゲートが開いた瞬間に飛び出して1馬身ほど抜けていた。スタートセンスは高そう。

・周りが一杯に追いながら先行するところを拳を動かすこともなく持ったままでスイスイ進んでいく推進力ある走りには好感。

・直線で突き放していたが最後は詰められてしまう。遅いペースだったので最後はもう少し伸ばして欲しいところ。

 

上記が新潟2歳S出走時のカルテ。

 

新潟歳S2着。勝ち時計1:33.8はGⅠ2着馬ロードクエスト(15年)、GⅠ馬セリフォス(22年)と同タイムで過去10年で2番目の好タイム。本馬の走破時計はセリフォスの時の2着馬アライバルと同タイム。過去10年の逃げ馬の中では最速の走破タイムを記録したことになる。スピード持続性能を示した内容で評価が高い。

 

新馬戦もそうだったがスタートセンスがいいので開いた瞬間にポンと飛び出していける。競りかけて来る馬がいないのはたまたまなのだろうが、二の脚もそこそこ速いので早期にハナを奪えている。ここまでの2戦は楽な単騎に持ち込めているので余力を残して逃げれている。そのため、直線に向く前から早めに仕掛ける事が出来ていて完全に抜けだす競馬が出来ている。前走は勝ち馬の決め手には屈指てしまったがなかなか渋太い。道悪だった1戦目から時計も大幅に詰めたし、良馬場の方が良さそう。現状は逃げ馬として問題点はない。今回の直線もこの馬をめがけた攻防が繰り広げられると思われる。

 

2戦目は多少行きたがっているように見えたが、推進力のある走りの質は相変わらず良い。10番人気での激走だったが、この内容、この時計で走られてしまうとフロックとは言えない。同様の逃げが可能な組み合わせだったり、枠の並びが有利であったならここも警戒する必要がありそう。

 

ティールブルー

 

新潟マイルを新馬勝ち。一番良いスタートを決めたが行く事はなく馬なりで中段8番手。以降もスムーズな追走で気難しい面を見せる事も無かった。直線長い新潟らしく直線に入るまではほとんど動かずにいた。追い出しからの反応も申し分なく、スッと加速し、5馬身以上は合った差を簡単に詰めてきた。ラスト2目に10.9秒までラップが速まっているのだがこの区間のキレ味は絶品。この馬自身はそれ以上に加速出来ていたであろう。結構なキレものである。32.9秒の上がり最速で2馬身半も突き抜けてしまう。力は何枚も抜けていた感じで好印象。1番人気だった3着馬が次走を済ませているがあっさりと勝ち上がっていてこれに0.5秒差も付けているのだから高い評価が出来る。ペースが遅かったので時計が遅いのが気になるが不安材料はそれぐらい。アルテミスS向きの良い末脚が使えていたので、今回は特に問題点がなく、良い走りが期待出来そう。

 

チェルヴィニア

 

サウジRC2着ボンドガールが勝った新馬戦で2着。1人気はこちらだった。馬なりでハナに立ち、好時計を演出する流れで逃げて、11.2-11.0-11.1のほぼ加速ラップの高速上がりで差されてしまったのだから相手を褒めるしかない。が、ルメール騎手も楽に勝てると思ったようで直線は追い出しを遅らせていた。油断もあったかもしれない。2ケ月空けて新潟1800mを使い、馬なりで6馬身差の圧勝。2番手の競馬だったが、逃げた馬も2着に粘っているので弱い馬ではなかったよう。これを楽に交わして突き抜けてしまうのだから、スピードの絶対値が違い過ぎている。軽く促しただけでラスト2F目に10秒台を刻めてしまうのだから天性のスピードがある。スタートも上手く、出たなりで先行出来てしまう。2走ともほぼ馬なりで走っているので、速力はかなり高く、現状は非の打ち所がない。まだ本気で走っていないところがあり、それでこのパフォーマンスは相当な器かもしれない。本気で追えばどれだけ凄いか?と言う話になってしまう。走っていてもおっとりしているとさえ思えるほどで気性も全く問題がない。ここも勝ち負けなのではないだろうか?

 

なお、毎年お馴染みなことだが、夏の新潟にスポット参戦するルメール騎手にあわせてノーザンFサイドは素質馬を調整し、宛がう。この馬もそういう1頭。生産者サイドの期待が高い馬なのだろう。

 

ニシノコマチムスメ

 

新潟マイルで新馬勝ち。36.6秒-63.0秒とテンナカ遅く、上がりの競馬。使った末脚33.5秒はもう少しキレてもいいのかな?とも思うが、先行馬の上がりとすればこんなものかもしれない。上がりは最速であったが、2着馬も同タイム上がりを記録しているので末脚は際立つものではない。スローを前付け出来ていたのが勝因の展開勝ち。レースぶりやその内容から強調出来る材料はない。スタートは滑らかに出てゲートのセンスは好印象。一番良いスタートから行きたい馬に行かせた3番手で折り合う。良く動けていたし、追い出してからの反応も良かった。積極的に推していける材料はなかったが、走りの質は良く、折り合いも問題無さそう。1度使ったや上積みや変わり身次第という感じ。時計や末脚の強度をどこまで高められているか?ただ、420k台と馬体が小さく、非力な牝馬?という気はする。良馬場の方が扱いやすい。

 

ミエノブラボー

 

新潟1800m3着→中山マイル1着。テンのダッシュは安定して遅い。2戦とも後方から。もさっとゲートを出るので急にスタートが良くなるとは思えない状況。今回も後方からの競馬になりそう。新馬戦はペースも時計も遅いのだが、先行激化したレースだったので差し追い決着。1・2着馬とほぼ同タイミングで仕掛けて差されたのだから力負け。ラスト1では伸びも止まっていた。この止まり方を見ると距離が長かった印象。その末脚はマイルに短縮した2走目で威力を増した。ラスト3Fが加速ラップになったレースを直線ゴボウ抜きの競馬で交わし、さらに1馬身1/4差突き抜けた。末脚の変化からマイル適距離と言う事で良さそう。終いの脚をちゃんと使えているので現状は特に問題が無さそうだが、そこまで速い脚を使えている訳ではない。レースのペースを踏まえるともう少し速い脚を使えていても良かったなぁと言うのはある。位置取りが後ろになるのでその末脚で足りるか?と言うことになってしまう。脚比べでどこまでやれるだろうか?勝ち上がった前走も相手に恵まれていたのは否めないし、時計も遅い。相手強化の重賞で強調出来る根拠は見いだせない。

 

ライトバック

 

新潟1800mを新馬勝ち。ゲートを出て行かない感じで出遅れる。道中も前進気勢が弱く、63.9秒の超スローでも前との差を詰めていけないほどで追走力が弱い。終始最後方付近でそのまま直線を迎える。進路が取れずに少々もたついたが、追い出してから一気に切れて上がりは次位を0.7秒も上回る32.8秒。切れ味は極上。ただ、追い出してからも外に逃げたり、内にキレ込みそうになったりと直線はフラフラ。スタートの件も含めて、まだまだ粗削り。馬群が一塊だったので差しやすかっただろうし、それでなんとか差しが間に合ったという感じ。立ち回りに安定感はなかった。また、関東馬ばかりのレースを狙って遠征して来た関西馬と言う感じで、相手には恵まれていたと思う。時計もとても遅いので、鮮やかだった末脚以外に評価出来る材料は思い付かない。また、ズブい面は目立っていたのでマイルへの短縮がプラスとはならないかもしれない。

 

ラヴスコール

 

札幌1500mの新馬戦を1.8倍の断然人気で勝利している。それだけの支持を受けただけあって初戦からよく動けていた。好発進から先行態勢と序盤の立ち回りは合格点。序盤が遅かったので行きたがるところを見せたのは少々気になった。それでも後半は持ったままで勝負所まで進出していて力強い走り。直線入り口で父典弘騎手が騎乗していた2着馬に被せられ進路が無くなり、一端は間を空けられてしまったが、武史騎手は冷静に外に導き、GOサインから一気に弾けた。洋芝戦では珍しい加速ラップのレースでこれを最速上がりで差し切った。全体的な内容は悪くない。時計は少々遅いが気になるレベルではないし、レースでの見た目も良い。次戦を済ませた2・3着馬も既に勝ち上がっていて負かした相手も弱くない。折り合いに不安を残しているので半Fの延長は気になるがそれ以外に気になる点はなく、概ね好意的になれる馬。府中の高速馬場をこなせればとなるが、洋芝を加速ラップで走れるのだから多分大丈夫だと思う。

 

サフィラ

 

サラキア、サリオスの下になる。新潟マイルでデビューして3着。調教から動いていたので評判になっていたが、目一杯には追っておらず、途上の状態で新馬戦を使っていたのが影響したのかもしれない。ただ、騎乗していた松山騎手の乗り方もヒドイ。インポケットの3番手追走と位置取りは良かったが広々した新潟コースで進路を取れなかったのは情けない。その間にスムーズに抜け出した勝ち馬に差を付けられてしまい、それを詰め切れなかった。また、内ラチに結構激しくぶつかっていたのだから馬も可哀想だった。それでも4着馬には3馬身差をつけているのでやはり上の力は感じさせていた。その後、中7週の間隔を取り阪神1800mであっさり勝ち上がった。6頭立てで、スローの競馬なのでレースの中身に強調材料はなかったが、立ち回りに問題はなく、直線外から差し切っている。坂を上ってから一伸びしており、3馬身半差で勝ち方は良かった。大して強そうなメンバーでも無かったが、ただ1頭33秒台の脚を使っており、2位上がりに0.7秒差と脚力は抜けていた。2走の走りを見ると、ゲートも出るし、位置も取れるし、立ち回りに問題点はなく、追ってしっかり反応する良い馬である。血統的に良くなるのは先だと厩舎は話しているが、現状これだけ動けて、脚も使えるので重賞でも十分にやれそうである。なお、距離短縮になるが、1800mの前走を見るとマイルの方がキレそうな印象を受けた。アルテミスSでの適性は高いと思う。

 

シュシュトディエス

 

中山マイルを新馬勝ち。高速馬場だった秋開催の4日目に行われたれたレースなので勝ち時計1:38.4はかなり遅い。これだとどこまでアテに出来るか分からない。が、ラスト2Fが113-10.8と最後だけギュンと加速したレース。この区間を持ったままで先頭に立ち、ラスト1Fでさらに加速したこの馬の瞬発力は優秀だと思った。決め手勝負になる秋の府中2歳重賞には対応可能な走りは示した。後は時計をどれぐらい詰められるか。ただ、2着馬が次走で勝ち上がり時計を3.6秒も詰めているので、この馬もそれぐらいに走れる可能性はある。見た感じ走りの質は良く、追走力もあったし、特に問題点は見られない。まだ本気で走っていないところもあったので、上がありそうな感じがあり、そんな悪い馬ではないと思う。速いペースに対応し、前走で見せた末脚を引き出せればと言うところ。

 

トーアアイギス

連闘になるため回避。

 

アルテミス(GⅢ)の予想案はこちら▼