競走馬カルテ

2・3歳重賞の出走馬を分析・記録していくブログです。

サウジアラビアロイヤルカップ(GⅢ) 出走馬カルテ 2023

 

こんにちは。

 

ドルチェモアの現状を見ると悲しい気分になっちゃうんですけど、それでもサウジRCの勝ち馬として2歳GⅠ馬になりました。サウジRCの出世レースという一面を再認識させてくれました。今年もこのレースから暮れのGⅠを盛り上げてくれる馬が出ると良いなと思います。

 

2歳戦開幕早々に勝ちあがった馬がこのレースから暮れのGⅠを目指して始動してきます。今年も目が離せません。現時点で把握出来た出走馬は7頭だけなのですが、その中でも社台F・ノーザンF系産駒×レーン騎手の組み合わせで新馬勝ちした馬が3頭もいます。いかにも素質馬と言う感じ。今年も良い馬が集結しているようです。

 

サウジRCは7日(土)に行われます。前日の6日(金)には更新を完了します。更新順は出走が確認出来ているものから五十音順で更新。それ以外は順次追加・更新していきます。

 

予想案はページの最下部にある専用ページにまとめてあります。ブログカードを貼っておきますのでそちらをご覧ください。

 

ウインアクトゥール

 

410kの小柄な馬なため仕上げは進んでいて新馬戦から勝ち負けになるという厩舎の評価だったが、3着、2着、1着と勝ち上がるのに3戦も要してしまった。ただ、捌けず追い出しが遅れたとか、勝ち馬がヨレて追いづらくなったなどスムーズさがなくて負けていただけで、確かに新馬戦からよく動けていた。厩舎曰く、器用なので小回りコースは合うという見立てで福島、新潟の小回りコースを上手に走っていた。コーナリングも上手で立ち回りを活かして短い直線で一差しで決まるレースに適性がありそうに思う。逆に新潟外回りでは直線が長かった印象で脚を早めに使い切ってしまい差されてしまった。最後の1Fで1.1秒も失速していて末脚の必要性のあるレースに適性の高さはあまり感じられない。1800~2000mの中距離戦を中心に使われていてマイル戦はここが初めて。やってみないと分からないのでマイル適性は未知数としておくが、決め手があるようには現状思えない。末脚勝負になりやすい秋の府中2歳重賞でピンとくる感じがない。標準級の時計では走れているので先行してどこまで粘れるかと言うところ。

 

クリーンエア【回避】

・タートよく、すんなりと2番手に行けた序盤の立ち回りは良い。

・直線で進路を失くし外に切り替える大きなロス。前との差はひらいていたが追い出したらまとめて差し切った。助走区間無しに一気にキレた感じで瞬発力がある。

 

上記が新潟2歳S出走時のカルテ。

 

新潟2歳Sは3着。8枠に同居していた勝ち馬アスコリピチェーノとスタートからほぼ同じような位置取りでレースを進めてきたが3~4角でこちらは馬群の中に入ってしまい、直線でアスコリに進路を先に奪われてしまった。進路を確保するのにも手間取り追い出しが完全に遅れてしまう。アスコリとの上がり差は0.3秒差だがこれは入線時のタイム差と全く同じ。追い出しがスムーズだったらもっと脚を使えていたと考えるのはおかしなことではないから勝負はもっと際どかったはず。乗り方一つでこの馬が勝っていた可能性は十分にあると思う。それにしても、この馬の2戦はいつもこういう競馬でかわいそう。新馬戦でも好位で運びながら進路を取れず、直線で絶望的なところまで下がっていた。この時は馬の力で勝てたが、重賞だとそうもいかない。2戦続けて馬に不利をもたらした大野騎手の責任は重いと思う。それだけにスムーズさを欠きながら勝ち負けの競馬を続けるこの馬の末脚性能は本物だろう。新潟2歳Sでも進路が取れ次第直ぐに反応していたし、ビュっと加速出来る瞬発力は相当高い。進路が開かなくても持ったままで馬なりで追走しを溜められているのも良い。こういう末脚を使えるなら秋の府中2歳重賞でも十分対応出来る。今回は素質馬がやって来るのでそれらとの力差次第となるが、この馬自身に欠点はない。

 

ゴンバデカーブース

 

6月2週目の府中マイルで新馬勝ち。五分の発馬から二の脚でハナを奪い逃げ切り。35.9-60.1の通過はこの時期の2歳戦にしたら速い方で勝ち時計も1:34.8は悪く無い部類。スローで逃げた訳ではなく、タイトな展開で地力は感じさせる。このペースで後続もそれなりに疲弊しており、早めに本馬を追いかけた馬はゴール前で脚があがっており後方待機馬の末脚に屈していた。相手の力を削ぐ走りで強い逃げ方だったといえそう。また、2着馬は2戦目で勝ち上がり、3着馬は既に2賞馬。負かした相手もそれなりに強い。特に目立った内容ではないが、良く動けていたし、仕掛けてからの反応も良く、印象は良い方。標準以上の走りでこの段階の重賞なら印を回すのはやぶさかではない。調教でも2歳馬らしからぬ好時計を連発して初戦から良い状態であった。管理する堀厩舎からは完成するのは先でまだいろいろな課題があるとしながらも、現時点で通用する力はあると話していた。3ケ月振りの実戦でさらなる進化を期待したい。

 

シュトラウス

 

2歳戦開幕の日にデビューした関東で最初に勝ち上がった馬。不良馬場の府中マイル戦を9馬身差で一方的な強さで圧勝している。好スタートを切って、主張した逃げ馬を行かして2番手。3コーナー手前ではスピードの違いでハナに立ってしまい、そのまま馬なりで突き抜けてしまう。場内アナウンスもゴール前で「持ったままだ」と言う楽勝振りを伝えていた。前進気勢が強そうな感じは受けたが、折り合いに問題がありそうな感じはしない。2番手でいた際もちゃんと折り合えていた。不良馬場なので時計的な評価が出来ないので判断は難しいが、走りの質は悪くなかった。ただ、この新馬戦から3ケ月以上経過したが出走馬のほとんどが次走を済ませながら、勝ち上がっているのは3着馬のみ。しかも、ダ1000mと畑違いのレースを勝ったに過ぎない。どうやら相当な弱メンを相手にしていたらしい。9馬身と言うインパクトのある着差も、ハナ唄混じりで勝ってしまったレース振りもこの相手だからと言うのは認識しておく方が良さそう。課題評価には気を付けたい。

 

ボンドガール

 

2歳開幕週の2日目の府中マイルで新馬勝ち。稍重で1:34.6なら優秀な方。ちなみに同じローテだったグランアレグリアは良馬場で1.0秒速く走り、サリオスは2秒以上も遅かった。馬場差を考慮すれば2頭のGⅠ馬とそう変わりがない。このレースは37.1-61.3の流れはスローで本来はここまで良い走破時計にはならないのだが、上がり3Fを高速化して時計を一気に吊り上げてしまっている。上がりの競馬ではるがラストの速さは評価が可能。本馬はすんなりと3番手を追走しスムーズに立ち回っていた。道中で気になるような素振りはなく、上がりの速いラスト3区間も持ったままで追走出来ていた。鞍上の指示にも従順でGOサインを待てる余裕もあった。レーン騎手の指示通りに動けていて操縦性は良さそう。インポケットから進路を失くし、外に切り替える際に踏み遅れていたが、ルメール騎手が乗る1.8倍の1番人気をキッチリと差し切ってしまう。この馬も次走で6馬身差の圧勝で勝ち上がっていて負かした相手はとても上等。11.2-11.0-11.1の失速がほとんど無い高速上がりでこの相手を差し切った内容は評価が高い。この馬自身はラスト1Fで10秒台で走っていたはずで末脚は結構キレる。稍重なら尚更。着差が僅かなのでインパクトはないが素質馬の片鱗は随所で見られる。もとよりダノンベルーガの全下で関係者の期待は高い。藤田氏のGⅠ制覇も夢ではないかもしれない。人気になるだろうがこの馬に逆らってでも買うべき馬はそんなにいないんじゃないだろうか?

 

マリンバンカー

 

中山1200mで新馬勝ち。11番人気の逃走劇だった。2~4着馬には3・1・2番人気の馬が入っていて強いとされた馬を抑え込んでの勝利なので、あまり文句は言いたくないが、ペースも時計も遅いので強調材料に欠ける。35.8-59.2の流れはマイル戦よりちょっと速いというぐらいで1200mならはっきりとスロ―。単騎なうえに後続の動き出しも遅く、かなりの楽逃げで余裕はたっぷり。ラストは加速ラップに持ち込んでまんまと逃げ切った。このペースならもう少し上がりを速くすべきだったと思うし、後半の加速はむしろ弱いと感じた。1:10.5の勝ち時計も秋の中山の良馬場ならもっと速くないといけないところで強調しづらい。短距離馬として見てものスピードを持続させる力が高いとは思えない。キャリア1戦なのでこれだけを持ってダメと決めつけられないところだが、積極的に評価する材料がないのも事実。余裕を持って入線しているのでこの馬自身はまだ上がありそうだが。果たしてどうだろうか?距離に関しては分からないので保留にしておくが、折り合いを欠いて逃げていた訳でもなく、マイル並みのラップを刻めていたことから気性的には問題なさそう。フィジカル的な理由がなければマイルはこなせるのかもしれない。

 

レーヴジーニアル

 

函館1800m9着→札幌1500m1着。1番人気だった新馬戦は2番手ににつけながらスムーズに流れに乗っていた。が、直線に入る頃には手応えが怪しく、ガツンと来ることが一度もないまま失速して終了。行きっぷりがあまり良くないようには見えたので仕上げの問題もあったかもだが、そう言う馬が1番人気に支持されることはないので考えづらい。純粋に距離が長いということだろう。次戦で1500mに短縮していることからもそう思える。マイルぐらいがよさそうだ。勝ち上がった前走は主張してハナに立ち逃げ切り。ついて来た馬は振り切ったが、直線で脚は鈍り追い込んで来た1番人気にクビまで詰められている。重馬場で力のいるコンディション。ペースも勝ち時計も遅いが馬場状況からすると流れはキツイ。この馬を追いかけていた先行勢力は脱落しており、後方待機組の末脚は封じている。タフなレースを凌いだ内容は悪くない。この馬自身は失速率を軽微に留めて走破していることからも良く頑張っている。現状はタフな条件で強いと言う事しかいえないが、レースの当日に道悪になるようなら押さえておいた方が良さそう。しかし、新馬戦も道悪だったので良馬場の経験もなく、高速馬場へは適性も測りかねる。スピードを持続させる力が試されるのでそれがあるかどうか?良馬場で評価を上げる材料は無いので取捨は難しい。

 

エコロマーズ

 

福島1800mを新馬勝ち。暴走気味に先行していって最初のコーナーを2番手で回っていった。向こう正面に入るころには折り合えていたが、3コーナー手前からハナを奪いそのまま押し切った。粗削りな面は目立った。稍重だったので仕方ない面もあるが、1000m通過63.8秒のペースでラストが消耗戦になっているのはちょっと情けないと思う。もう少し突き抜けて勝ててないと評価を高くしづらい。次走に2歳レコードだったアスター賞に出走。スタートで内隣の馬に強烈なタックルをくらい最後方からレースを進めることになる。新馬戦とは両極端なレース運びとなったのは興味深い。その新馬戦では行きたがっていたが、前走は最後方でも落ち着いて追走出来ていたし、控えても競馬が出来たのはよかった。ラスト4Fから動きだし先行した馬達を射程圏にして直線を向く。良い立ち回りだったが坂を前にして止まってしまった。レコード決着したレースなので流れが速く展開はハマっていたと思うので、もう少し突き抜けても良かったのではないかと思う。上がりも3位までだったし、新馬戦での突き抜けも甘かったので際立った末脚を使えるタイプではないのだろう。使える脚は短い。新馬戦の様に先行して早めに脚を使い切る方がいいように思う。そういう競馬をしてどこまでというところ。2戦の内容を見るにそう目立つパフォーマンスは無かったと思われ、末脚の優位性が問われる重賞で強調出来る材料はあまりない。

 

ハッピーサプライズ

 

福島1200mで新馬勝ちしたがお世辞にも良い内容とは言えない。マイル戦でも遅いようなペースで流れた前半3Fだったがが、ラスト3Fはそれより0.8秒も時計が遅く、これは全くいただけない。出負けして後方から進めていた本馬が間に合ったのもスローなのに後半の加速が弱かったから。開催最終週とは言え、良馬場で1:11.8では話にならない。この内容で僅差勝ちではクラスが上がってもかなりきつい。この後にダリア賞、カンナSとOPを2戦したが1.9秒差、1.2秒差とタイム差を大きくして凡走している。これだと1勝クラス突破も難しいのではないかと思う。また、この新馬戦の出走馬は2~3走済ませた馬が多くいるが未だ1頭の勝ち上がりもない。相当レベルの低い面々と走っていたよう。3戦した全戦で言えることは速力が致命的に足りていない。スタートで必ず出遅れているのもあるが、レースはいつもポツンぎみな最後方。ダッシュ力がないので短距離のペースについて行く事が出来ない。終いの脚も使えないので直線でバテた馬を何頭交わせるかと言うのが実情。マイル戦は初めてだが距離適性以前の問題で、重賞に出ていい馬とは言えない。

 

マイネルブリックス

 

福島1800m6着→新潟1800m1着。この馬はアブナイ。新馬戦の4コーナーでは急に暴れ出し制御不能。前走で芙蓉Sに出走したが馬場入り後に放馬。疲労が著しいため競走除外。勝ち上がった2戦目でも騎手に反抗する仕草があり、乗り難しそうだった。馬は良く動けているのだが操縦性はとても悪い。勝ち上がった時の映像を見るとラチに頼って走らせた方がいいように思った。放馬除外から中1週なので状態面も気になる材料。勝ち上がった未勝利の内容はそう悪くないのでまともに走れば良いところもあるのかもしれないが、とにかく危なっかしいのでまともな評価が出来ない。特別な事情でもあれば考慮するのだが、特に無ければこれで印は回すのはつらい。

 

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