競走馬カルテ

2・3歳重賞の出走馬を分析・記録していくブログです。

阪神ジュベナイルフィリーズ(GⅠ) 出走馬カルテ② 2023

 

こんにちは。

 

こちらは、

の、続きになります。↑ではアルテミスSファンタジーSなど重賞出走組を更新しています。こちらのページでは2勝馬と抽選組を更新します。阪神JFは10日(日)に行われます。前日の9日(土)には更新を完了します。

 

予想案は各ページの最下部にある専用ページにまとめてあります。ブログカードを貼っておきますのでそちらをご覧ください

 

 

2勝馬

 

キャットファイト(アスター賞)

 

府中、新潟、中山のマイル戦を3戦して6・1・1着。異なるコースで崩れずに走れているのは印象が良いところ。3戦全戦でペースは流れていて、そこで使っている末脚の質感も良い。前走のアスター賞は稍重ながら2歳レコードを記録。2着に5馬身差の圧勝。スピード勝負で強い。上がりは33.7秒~33.8秒と末脚が均一化しているが、2走目は追い出しが遅れたもので、前走は最後に流して入線といずれも脚を使い切っていない。もう少し上がりを高速化出来る感じがある。ただ、スピードが勝っている印象で、レースの序盤に必ず行きたがっており、前進気勢は強いよう。直ぐに収まるので気性難と言う事はないが、この辺が改善されればもっと攻めたレースも出来ると思う。2連勝の内容・パフォーマンス共に良いので、評価は高くして良さそう。こうなると、新馬戦の6着が物足りなく感じるが、上位3頭は重賞2着・重賞1着・重賞1着とその後重賞で活躍していて、伝説の新馬戦と呼ばれそうなハイレベル戦だったから仕方ない。ただ、この時はこの3頭と比較して末脚がジワジワしていて、瞬発力に差を感じさせた。決め手の重要なレースだけに、この差は大きいように思う。この時の何頭かと再戦になるので、どれだけ詰められているだろうか?

 

コスモディナー(クローバー賞)

 

福島1800mの新馬戦を12番人気でいきなり勝ち、札幌のOP戦で2着、1着と好走を続けている。人気薄で勝ち上がった馬だが3戦全てで力上位な所は見せており、OPでも通用している。唯一負けたコスモス賞(1800M)は相手が強すぎただけであり、この馬も標準級の時計で2着している。完璧に乗っての結果だけに力負けであったように思うが距離も微妙に長かったようだ。次戦で1500m(クローバー賞)に距離を縮めているのはそのせいだろう。マイル中心の馬という事になりそうか?道悪のレースが多く、福島・札幌と時計のかかる条件で走っているので時計の裏付けがない点で評価は難しい。クローバー賞の勝ち時計も稍重を考慮しても少々遅い。また、このレースは道営馬が多く出走していたレースで相手も楽だった点は留意したい。重賞の根拠になるようにはちょっと思えない。11秒台のタイトな流れは未経験なのでこれまでの3戦とは全く別のレースになり、対応し、乗り切れるかが鍵になる。立ち回りは上手く、折り合いに気難しさい面はないので、走り自体は良いのだが、それ以外に好走を確信させるような材料には乏しい。成績は立派だが、重賞レベルの期待を持たせるようなパフォーマンスは示されていない。現状は試金石以上の評価が出来ない。

 

ステレンボッシュ(赤松賞)

 

札幌1800mで新馬勝。インにいた馬が最初のコーナーで外に大きく膨らんできてとても大きなロスを序盤から背負いこんでいた。これでポジション取りに失敗し、中段からレースを進めることに。不利をリカバーする際も馬は落ち着いていて、アクシデント以降も持ったままで楽に追走しいて、勝負所での手応えも余裕十分。鞭もくれずに加速ラップで突き抜けている。不利を受けてこの立ち回りは素質・能力がだだ洩れしていた感じで明らかに強い。3ケ月空けて、中山のサフラン賞が2戦目となったがこの際に馬体が16kも増えていた。既に成長著しい。ここではハナ差の2着だったが、マイルへの短縮に対応しきれずに負けた感じ。五分の発馬だったが、序盤が少々速かったので控えた際に置かれ過ぎてしまった。馬群から大きく離れた後方2番手はよろしくなかった。直線でもインを付けなかったので大外を回すことになってしまい、インを上手に立ち回ったスプリングノヴァ(再戦)に僅かに遅れてしまった。これは力負けではないだろう。後方から動いて行く競馬も出来た点で収穫はあり、自在性を確認出来た事で逆に印象を良くしたように思う。3戦目の赤松賞はあっさりと勝ち上がっていて、やはり能力が高い。中団でレースの流れに乗せて来たのは良く、マイル2戦目でレース振りは良くなっていた。4コーナー手前で楽に上げていった機動力もあり、やはりレースで自在に動く。どんな流れにも上手に対応出来る賢い馬。叩き合いから抜け出せなかったのは物足りなく映ったが、重賞レベルの走りはちゃんと出来ているので心配ない。この時の勝ち時計はサウジRC2着ボンドガールに0.1秒だけ劣り、アルテミス2着サフィラより0.1秒速い。むしろボンドやサフィラよりもレースでの立ち回りは上手くこれらとは全然差を感じない。有力馬の1頭に数えて良いと思う。

 

スプリングノヴァ(サフラン賞)

 

札幌1500mを新馬勝ち。逃げ切り勝ち。単勝は3,130円もついた人気薄だった。稍重だったので後続の末脚が削がれていた点は否めないが、逃げたペースは標準的で最速上がりで振り切った内容に評価を下げる理由はない。2馬身半差の完勝。スタートは出負け気味に出ていたが、すぅっと加速してハナを奪った二の脚は印象に残った。ただ、その二の脚も馬場がよかった中山のサフラン賞では見られず、速い流れに置かれ気味となってしまった。序盤に速いと新馬戦の様な立ち回りは出来ないのかもしれない。結果、インの内々の良い所で競馬が出来て、置かれたことが勝因になったと思う。おかげでロス無く勧められたので脚を溜めやすかった。また、2着ステレンボッシュがさらに置かれていたのも勝因の一つに上げておく方が良いと思う。ステレンは本馬の倍ぐらいの距離で脚を使っていたが、こちらには余裕があり、それでハナだけ残せた感じ。勝負所でもややズブい感じがあったし、突き抜けるような力強さは感じられない。それに、レースの格はキャットファイトが勝ったアスター賞より上だったが勝ち時計は3秒近くも遅く、一杯々々で凌いだ内容だと評価は上げづらい。2戦2勝は立派だが、速力や持続性に疑問を残した内容でプッシュ出来る材料は結構少ない。

 

ナナオ(もみじS)

・先行集団に混じって競馬が出来ていて、序盤で良いところを獲れるセンスは感じられる。

稍重だった未勝利を2番手で運び、加速ラップを刻んで3馬身差の内容は悪くない。

・410k前後と馬格がないので好走した2走は減量騎手の恩恵は大きかったかもしれない。定量戦でどうか?

 

上記が函館2歳S出走時のカルテ。

 

函館2歳S2着→もみじS1着。臨戦間隔はゆったりしていて今回も2ケ月弱ぶりのレース。これならちゃんと仕上がりそう。これは相当な道悪巧者で、道悪だったらどんなレースでも強い。消耗戦だった函館2歳Sでも伸びるし、上がりの競馬に持ち込んだもみじSではラスト2F目に10秒台まで加速して、重馬場で33.8秒まで上がりを速く出来る。良馬場での経験が少ないの評価しづらいが、当日の馬場が渋るなら印を回した方が良いかもしれない。1200mから始めた短距離馬のようだが、1400mまでクリアしている。もみじSではハナに立ってレースを主導出来ていて、距離延長に問題はなかった。重馬場だったからと言うのもあるが、序盤からペースが遅く、マイル戦でもドスロー扱いできるような展開。これだけペースを落とせて逃げていれば、距離延長しても折り合いを欠くような事はないだろう。タフな条件で好走を続けているように1Fの延長が堪えるとは考えらづらい。身体・体力的にこなせて良いと思われる。問題はタイトな持続戦を乗り切れる心配機能があるか?スピードを持続できる根拠は残念ながら見当たらない。速さが問われた時にどこま粘れるだろうか?新馬戦からレースセンスの良さは目立っていて、逃げて良し、先行しても、差しに回っても大丈夫。操縦性も自在性も高いので、レースの流れには問題無くのるだろう。

 

プシプシーナ(白菊賞)

 

新馬、白菊賞と京都マイルで2連勝の無敗馬。ゲートが上手く、ダッシュがつくので安定した先行力がある。新馬が2番手から押し切って、白菊賞が逃げ切り。ただ、同条件の2戦目で時計を落として負けている点が引っかかる。新馬戦の内容を見るに、騎乗していた永島騎手の追い方が物足りなく、騎手が変わればもっと伸ばせそうな印象を受けたが、西村騎手が騎乗した白菊賞の伸び脚はより物足りないものだった。新馬よりスローで行けているのに、上がりがかかっているのはおかしい。2戦目の上積みがまるでない。追える騎手が一杯に追っているのにより物足りなさが際立っているのは違和感しかない。410kでデビューした馬なので初戦は永島騎手の3k減がプラスに作用したと考えるしか辻褄が合わない。定量戦だと際立ったパフォーマンスを発揮するのは難しいのかもしれない。2歳の秋である事や、馬場状況を考慮すると時計的には標準級だと思うが、強調材料には欠けているように思われる。理由はあるのかもしれないが、追っての迫力がないのでGⅠの追い比べでは強気になれない。また、中1週の参戦もあまりよろしくないと思う。

 

ルシフェル(萩S)

 

1800m~2000mを3戦している中距離馬。2着だった新馬戦は展開や位置取りが悪く、勝たれたエコロヴァルツは札幌のOPを圧勝したような馬で相手も悪かった。未勝利を4馬身、牡馬に交じったリステッド勝ちと力のある馬と認識して良い。基本的に追走力が弱く、中距離でも置かれそうになるのが常。ペースが遅ければ道中で動けるが、常識的な流れだとちょっと忙しい印象。機動力もまだ足りていない現状である。これではマイル短縮にあまり良い印象は持てない。牝馬でもホープフルSに回った方がレースがしやすいのではないだろうか?ただ、全戦で上がり最速を記録していて、追えば追うほど伸びるような脚があり、脚力は高い。直線の短い1周回るコースよりは前走萩Sの様な外回りコースの方が良いと言うのはある。直線ズドン型の感じもあるので、阪神の外回りで末脚を爆発させるのも悪くないのかもしれない。距離適性を採るか、コース適性を採るかで評価は変わってくるだろう。

 

抽選突破組

 

スウィープフィート

 

昨年のシンリョクカも抽選対象で、朝日杯FSに登録していたが、この馬も牡馬GⅠに登録を済ませていた。今GⅠに出走する事に強い意欲があるようだ。新馬戦は小倉1200mで3着。上手に立ち回れていたが、この馬には忙しかった印象。気合をつけながらの追走だったので直線で伸びる余力は失くしていた。これならと言う事でマイルに延長したのだろうが、逆に今度は折り合いを欠いてヒドい。3コーナーの手前まで行きたがっている。このレースはハイペースな流れで2・3F目が10.5-11.3と一番速く流れていたが、このハイラップ区間で最も行きたがっている。初戦に1200mに出走した影響が大きかったのかもしれないし、気性的なものかもしれない。ただ、この状態で消耗戦の厳しいレースを勝ち切るのだから馬はタフ。3走目の白菊賞は同じ京都のマイル戦。リズム重視で後方から運んでいる。マイル2戦目で流れに慣れた分もあるのだろうが、出して行かずにソロっと乗ったことで、馬にスイッチは入らなかった。折り合い重視で乗れば力は出し切れる。また、この乗り方で引き出された末脚が凄かった。前残りのスローを直線入り口で最後方の並びから追込み、クビ差の2着は勝ちに等しい。33.1秒の末脚はかなり抜けていた。展開的に速い上がりを出しやすいレースではあったが、この馬は2戦目のタフな展開に耐えているので、上がりがかかる展開でもある程度の末脚を期待出来る。それこそ昨年のシンリョクカの様にインを突ければ、面白い。ただ、乗り方に注文が付く現状なので、シンリョクカの様な不気味な感じは受けない。GⅠだと前走の様に他馬は簡単に止まってくれない。もう少し出して行けるといいが、馬が耐えられるだろうか?

 

テリオスルル

・スタート上手く、二の脚も使えるので先行力は安定していて、新馬戦では逃げ切り勝ちをしている。序盤の立ち回りが上手い馬。

・後半に速い脚は使えないかもしれない。現状は序盤のアドバンテージを生かし切る競馬が向いており、末脚比べで評価は上げられない。

・2走目のサフラン賞は先行勢が崩れるハイペ戦。3番手から3着に粘ったこの馬の持続力は評価出来る。簡単に止まることは無いと思う。

 

上記が東スポ杯2歳S出走時のカルテ。

 

牝馬ながらに牡馬の登竜門東スポ杯2歳Sにチャレンジ。果敢に逃げたが10着の最下位。ただ、勝ち馬シュトラウスに1.5秒差でそこまで派手に負けていない様に思える。直線で速い脚を使えない馬なので、こういう積極的な競馬は悪くはなかったが、5・6馬身も離した逃げで1000m59.1秒はさすがに速すぎたと思う。もう少し息を入れる所があったらもっと粘れる馬だと思う。それでもラスト2F目辺りまでは残れそうな感じもあったし、よく走ったと思う。牝馬同士、1F短縮と条件は好転するので前走の様な負け方はしないだろう。先行力は安定していて、元来が逃げ無くても良い馬。人気はかなり低くなりそうだが、それ以上の着には走れるはず。そこまでプッシュする馬でもないが、成績ほど弱い馬でもない。前が速くなりやすいレースでも展開・ペースに合わせて乗れる馬なので入着ぐらいには走れて良いような。

 

ニュージェネラル

 

新潟1400mを新馬勝ち。不良馬場のレースで評価が難しいが、この馬場でハイペな流れだったので先行馬には厳しいレース。2番手から押し切ったこの馬の頑張りは評価したい。しかし、このレースは減量騎手を器用した馬が12頭も出走していたレースで、そう言う馬ばかりが集まったレベルの低い1戦。1番人気も含めて2~4着馬は次戦で大きく着を落として負けている。また、関東ローカルは基本的に関西陣営の狩場。弱い馬を求めて遠征してくる関西馬が多い。管理する武英厩舎もその傾向は強く、こういう使い方自体がこの馬の評価を物語っているように思われる。負かした相手は相当弱く、これでGⅠと言われても扱いに困る。

 

ミライテーラー

 

ダートを2戦して1200m1着、1400m3着。先行して渋太い馬で初戦は逃げ切った。前走は3頭によるハナ争いを譲って3番手、逃げなくても競馬は出来ていた。鞍上の乗り方からすると、先行意識が高く、馬もそれに応えてレース序盤からよく動いている。ゲートは上手いが、それだけでハナを奪えることはないので主張して出して行っている。スピード任せに攻めて、押し切りを図りたいようだ。前走はかなりのハイペースに付き合っているが、粘り強く、交わされそうな態勢だったが、凌いで入着している。かなりタフな印象を受けた。ただ、こういう馬なので直線に入ってグンと加速するようなところがない。前走も先手を譲った1・2番手の馬がバテてるまで交わす事が出来なかった。後半に加速出来るような力強さはない。現状はダート馬としか評価しようがないので、芝適性は分からない。自分の競馬をするしかないと思うので、ハナを主張してくる事も考えられる。逃げ候補が何頭かいるが、強烈な逃げ馬はいないので、この馬がレースを主導する事はあるかもしれない。特にやることもないので行くだけ行ってしまう可能性はあるだろう。推定ペースは読めないが前掛かりなレースのきっかけを作るかもしれない。

 

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