競走馬カルテ

2・3歳重賞の出走馬を分析・記録していくブログです。

阪神ジュベナイルフィリーズ(GⅠ) 出走馬カルテ① 2023

 

こんにちは。

 

昨年はGⅠ4勝馬リバティアイランドが優勝しました。戦前からムード満点な感じで勝つべくして勝った印象でした。今年はそこまで雰囲気のある馬は現状ではいないように思います。

 

でも、2着シンリョクカの様な1勝馬はいるかもしれないですね。抽選を突破して12番人気で激走しました。今年も1勝馬が11頭もエントリーしています。抽選で出走出来るのは現時点で3頭だけなのですが、どんな馬が突破して、そして昨年の様な波乱を巻き起こすのでしょうか?

 

阪神JFは10日(日)に行われます。前日の9日(土)には更新を完了します。更新順は重賞競走を経て出走可能になっている馬を1枚目に更新します。2枚目で2勝馬と抽選組を更新します。

 

予想案は各ページの最下部にある専用ページにまとめてあります。ブログカードを貼っておきますのでそちらをご覧ください

 

新潟2歳S(GⅢ)

 

勝ち時計1:33.8は過去10年で2番目に速い。1分35秒前後で決まる事が多いレースだが、そういう標準的な時計で決まった年の勝ち馬や上位入線馬はGⅠで案外な結果が多い。今年のように1分33秒台で決まったレースはこの10年で3例あり、うち15年1着ロードクエスト(NHKマイルCS2着)、21年1着セリフォス(朝日杯FS2着)がいる。クエストもセリフォスも勝ち時計が同タイム優勝だったが、今年もこれらと全くの同タイム。今年の2・3着馬は秋重賞で成績を落としているので絶対的な扱いはしない方が良さそうだが、勝ち馬に限ってはクエスト、セリフォスの様な活躍を期待して良いかもしれない。

 

1着:アスコリピチェーノ

・二の脚がなく徐々に後方にさがり、36.4秒のスローでも置かれ気味で前進気勢は弱く、追走力はない感じだった。1400mも忙しい印象。

・追い出してからの反応は良かったので瞬発力はある。スロー展開をこの位置から差し切ったのは評価して良い。

・ラスト2Fで失速ゼロの流れを最後は流す感じで2馬身半は優秀。脚力は高い。

 

上記が新潟2歳S出走時のカルテ。

 

1400mだった新馬戦では置かれて後方からレースを進めていたが、新潟2歳Sでは5・6番手のポジションでレースの流れに乗れていた。マイルで追走が楽になったのかとも思ったが、ペース自体は新馬戦とほぼ同じであったのでこの馬の追走力が良くなったという事になる。2戦目で変わり身を見せた。使った末脚は33.3秒で最速上がり。上述したセリフォスは32.8秒とかなりキレた脚を使ったが、各所の通過タイムがはこちらの方が0.5~0.8秒速いものなので末脚の質感はセリフォスに劣らない。この時の上がりは新馬戦のそれと全くの同タイムであるが、5・6番手からこの脚を繰り出しているので十分評価出来、末脚の精度も上がっていた。新馬戦で手綱を取ったルメール騎手もマイルの方が良いとの話で距離適性は名手も保証している。過去年比較から能力的な担保も取れるので、相手関係次第でここでも十分に戦える。折り合い面に問題はないし、レース振りも良化が見られたので不安材料は右回りや輸送と言った条件面ぐらい。

 

サウジRC(GⅢ)

 

勝ち時計はドルチェモアが勝った前年と全くの同タイム。昨年はグラニットが大逃げしたレースなので、公表されているラップに差異があるが、特に問題点は見られない。サウジRCを1分33秒台で走ればGⅠ当確レベル。過去10年これを記録した優勝馬は14年クラリティスカイ、16年ダノンプレミアム、19年サリオス、22年ドルチェモアの4頭。いずれも2・3歳のマイルGⅠを優勝している。ただ、これは勝ち馬に限ったデータ。2馬身差完敗の2着馬が今回出走するが絶対的なパフォ―マンスを見せたかと言うとそんな事もない。牡馬混合だったことを踏まえると良く走った結果と言えるが、3着馬が本来の競馬を出来なかった事も大きいのでGⅠで支持を高くするほどの内容だったとは言えそうにない。

 

2着:ボンドガール【回避】

新馬戦はペースの割には勝ち時計が良い。上がり3Fを高速化して時計を一気に吊り上げてしまった内容は悪くない。

・進路を失くし、追い出しが遅れていたが、その際も持ったままで加速区間を楽に追走出来ていて、余力を感じさせた走り。

・スムーズな追走で立ち回りは上手く、センスは感じさせる。道中で気になるような点はなく、騎手の指示通りに動けていて操縦性は良さそう。

・加速して失速していない相手を差し切った内容は良く、切れ味ある末脚。

 

上記がサウジRC出走時のカルテ。

 

各所の通過タイムは34.9-59.2で、サリオスが勝った19年の35.1-59.2と類似しているがこの時の2着が牝馬のクラヴァシュドールで阪神JFで3着に走っていた。このペースでクラヴァシュは最速上がりの33.1秒を記録したが、今年のボンドガールは34.1秒と終いの脚は明らかに物足りない。勝ち馬と同じように後方から進めていたのでもう少しインパクトのある脚を使えたのではないか?と思う。新馬戦で見せた33.0秒の強烈な末脚を使えなかったのは、末脚の質感によるものかもしれない。新馬戦はスローの上がりの競馬でキレ味勝負のレースだったが、サウジRCは持続的な展開で脚が溜まらず、新馬戦の様な脚を使えなかった可能性がある。持続力が問われる展開では末脚の性能は高くならないのかもしれない。実際、レース当日の仕上げはとても良い状態で瞬発力勝負なら勝てるだろうと陣営は踏んでいたが、そんなことは無かった。地力が問われる展開、相手強化などでパフォーマンスを低下させたと見る事が出来そう。スローの決め手比べが良いというスタイルは同じ牝馬でもクラヴァシュではなく、21年2着だったステルナティーア(阪神JF7着)の方に近いかもしれない。なお、新馬を勝ってから前進気勢が強くなってきたとのことなので、気性面も今後課題となる可能性がある。

 

アルテミスS(GⅢ)

 

名牝がゴロゴロ湧いて出るアルテミスS。そんなレースで過去最速の勝ち時計を記録した今年のレースの価値が低いはずがない。35.9-60.0秒の流れは至って標準的なものだが、11.4-11.2-11.0とラスト3Fで加速ラップを記録している。過去のどのレースよりも優ったのはこの点。これまで加速ラップを踏めた年はない。標準的な展開のなか各馬が余力を持って回って来た証拠で、上位入線馬のレベルは高く見積もれる。速力とそれを持続させる性能に長けていたという事だと思う。1~3着馬は道中3頭並びで進んでいて、直線では切れ味比べ。瞬発力の優劣が勝負を決した。勝ち馬が回避したのは非常に残念で、出ていれば当確レベルの評価が出来たかもしれない。ただ、2着馬も勝ち馬に0.1秒劣っただけの上がり2位。勝ち馬チェルヴィニアの代役を務められるポテンシャルは有していると思われる。

 

2着:サフィラ

新馬戦は騎手の失策。未勝利勝ちは力が違った印象で良血なりの良さがある。

・2走の走りを見ると、目立ったパフォーマンスは無かったが、ゲートも出るし、位置も取れるし、立ち回りに問題点はなく、追ってしっかり反応する良い馬。

・距離短縮になるが、1800mの前走を見るとマイルの方がキレそうな印象を受けた。

・1頭だけ33秒台を記録して突き抜けた末脚から脚力が高そうな印象はあった。

 

上記がアルテミスS出走時のカルテ。

 

勝ち馬チェルヴィニアをマークしたような乗り方で、直線も外から蓋をして相手の追い出しを遅らせているのだが。本馬が追い出している区間でもチェルヴィは持ったままで追走しており、ギアを入れたら瞬時に突き抜けて一気に置かれてしまった。もう完全な力負けで瞬発的な性能が段違い。スピードを持続させる能力も相手が上。あれ以上はもうどうしようもなく、相手が悪かったとしか言いようがない。ガチンコ勝負で勝てる相手ではないと思う。陣営にとってこの勝ち馬が回避してくれたのは有難いのではないか?とは言え、この馬のパフォーマンスもそれ以外と比べれば抜けていて、評価を下げる理由は見当たらない。この馬も追い出したらしっかりと反応するタイプでキレ味はある方。それまでの2戦はスローの上がりの競馬でどちらも33.7秒のキレ味だったが、よりタイトな展開だったアルテミスSで33.4秒とさらにキレているのは印象が良い。末脚の精度は上がっていた。勝った馬が強すぎただけで目立たないかもしれないが、この馬も十分重賞レベルの評価が可能。新馬戦からレース振りは安定していたし、操縦性も高く、折り合いに問題もない。騎手次第でどうにでも動かせるので勝ち筋を見誤らなければゴール前では大体来ているだろう。4戦目で使いすぎな感はあるが、カイ食いは良く、精神的に落ち着いいるとのことで、扱いやすいと厩舎は言う。阪神JFを見据えてアルテミスSを使っているので、勝負を賭けた1戦になるだろう。馬体が減り続けて前走が442k。中間に馬体を戻せていれば不安材料もほぼ無くなる。阪神コースに勝ち鞍もあるのでプラス材料もそれなりにあり、有力候補の1頭に数えて良さそうである。

 

京王杯2歳S(GⅡ)

 

このレースで馬券になった牝馬は過去10年で4頭。うち阪神JFに出走したのは2頭。16年2着レーヌミノルが3着、20年3着ラブリイユアアイズが3着。母数は少ないが複勝率は100%のデータがある。京王杯2歳Sの同日裏に牝馬限定のファンタジーSがあり、これには向かわず牡馬に挑ん出来るような牝馬は弱くなく、結果を出した馬ならいわんをや。牝馬同士なら格上な扱いが可能かもしれない。

 

そもそもこのレースを牝馬が勝ったのは98年のウメノファフィバーまで遡り、特記事項的に扱える偉業である。阪神三歳Sから阪神3歳牝馬S(現阪神JF)と牝馬限定GⅠに替わってから勝ち馬がこのGⅠに出たのもファイバーに次ぐ2例しかない。ファイバーは阪神3歳牝馬S6着だったがコラソンビートは阪神JFをどう走るだろうか?

 

アルテミスSも同様だったが京王杯2歳Sも過去10年で最速の勝ち時計。天皇賞(秋)があんなレコードだったから時計が出やすいというのはあると思うのだが、サウジRCや東スポ杯2歳Sではそこまで突出した時計にはなっていないので過去10年の最速を記録する事にそれなりの意味はあるのだろう。それに府中の2歳コースレコードを記録したレースなので深く考えるまでもなく価値が高い。

 

1着:コラソンビート

・3着・1着・1着と言う成績だが、負けた新馬戦の評価が一番高いかもしれない。勝ち馬はサウジRCで2着だったボンドガールで、2着がアルテミスS勝ちのチェルヴィニア。レベルの高い新馬戦の3着は自慢になる。

・2勝目は府中のマイル。逃げでスピードで圧倒し、3馬身差の圧勝。

・3勝目の勝ち時計はダリア賞の過去10年で最速。中段追走から大外からまとめて差し切った。決め手勝負でも強い。

・3戦全てが優秀な走破時計で、速い流れでもしっかりとした脚を使える末脚は評価が高い。行って良し、差してよしと競馬振りは自在。

・マイルでも十分強い内容だったが、1400mでもパフォーマンスは落ちなかった。しっかりと動けていて、立ち回りに不安な点がない。

 

上記が京王杯2歳S出走時のカルテ。

 

レコードが出るような速い流れだったがラスト3Fは完璧な加速ラップ。レースの中身は非常に濃い。ゴール前は弾けた感じに映らなかったが、速いラップが連続して前も止まらない展開だったので、モタついて見えたのは目の錯覚。鞭にしっかりと応えて反応はよかった。中団から差し切ったその末脚は立派である。もともとレースに注文が付く馬ではないが、京王杯2歳Sでも中団で折り合い良く、鞍上のGOサインを待てる。操縦性も良く、自在性があるのもこの馬の良さ。3走前は逃げ切り勝ちしているし、極端な追い込み以外はどんなレースでも出来そう。レベルが上がってもポジションを取り、末脚の優位性を保てている。4戦全てで力上位な走りはしており、立ち回りはいつも安定。持続性も瞬発力も兼ね備えていて現状は本当に欠点がすくない。始めての右回り、始めての輸送競馬と言ったところはハードルとなるだろうが、気性や走りの質からどれもこなしてしまいそうな感じはある。ちなみに、新馬戦でチェルヴィニアに0.5秒差だったが、アルテミスS2着サフィラは0.3秒差だった。ただ、サフィラの稿で触れているようにチェルヴィは追い出しが遅れた不利が合ってのものだけに、実質的なタイム差はコラソンと同等ぐらいに見積れてしまう。使った上がりも遜色ないのでこの2頭はほとんど力差が無いと思われる。なお、鞍上の横山武騎手は新馬戦3着時に騎乗していたが、その時の手応えが良かったことから、京王杯2歳Sでの騎乗依頼を喜んで受けたそう。素質の高さを感じているようだ。

 

ファンタジーS(GⅢ)

 

15・9・12番人気で決まった今年の3連単は230万を超えた大波乱。そんなレースの結果は鵜呑みに出来ない。が、勝ち時計は過去10年で1番速く、あのレシステンシアを0.3秒も上回る1:20.4(阪神開催分を除く)。これは過去20年でも2番目に速く、17年も更新されていない06年アストンマーチャンの2歳レコードに0.1秒差まで迫る超好時計。これだけの時計を出されてフロックと言うのはさすがに無理がある。人気馬総崩れとなったが、短距離馬としての速力・地力は問われているので力のない馬から脱落したレースと見る必要がある。戦前から何でもアリなメンバー構成だったし、1~3着馬もそれなりの内容で勝って来てこのレースに挑んでいる。結局見誤ったファンが悪いということになる。

 

今回出走の4頭は0.5秒差以内に走っているので大きな差は見いだせないが、位置取りが前だった馬から上位に入選している。そこにヒントがあるのではないか?レースの当日は開幕週の開幕日で馬場状況がいいことから前が止まらなかったという事は十分考えられる。ペースがかなり速かったのでそれで控えてしまった馬の差し脚が届かなかったという事だろう。位置取り次第で結果は違っていたと解釈しておく必要はあるのかもしれない。

 

なお、好時計の要因に開幕週の馬場が考えられるが、アストンの06年からこのスケジュールは固定されているので、今年だけ馬場の恩恵を受けたと言う事は言えず、好時計を否定する根拠にはならない。

 

1着:カルチャーデイ

・小倉1200mを新馬勝ち。先行集団に交じってのレースだが、まだ気合を付けて追走しているので自ら進んで行く感じはなかった。

・前が壁で追い出しはかなり遅れたが、進路が取れて追い出してからの反応がとても良く、一気に加速して前を捉える。

・瞬発的なスピードがあり、短距離でも決め手を発揮出来る。

 

上記がファンタジーS出走時のカルテ。

 

新馬戦の時から序盤の立ち回りは上手く、ファンタジーSでも先行ポジションに楽に収まっていた。初手4番手、先頭とは距離を取っていたが直線入り口3番手とハイペースの消耗戦を前受けしていったんは完全に抜け出し、凌いだ内容は15番人気の馬がする芸当とは思えない。文句無しに強い内容。2着以下は中段より後ろから差してきたクチで展開を味方していたが、これらに抜かせなかったのは実にエライ。人気薄の大激走で片付けて良いパフォーマンスではなかった。短距離色は強めに出ているので1Fの延長が大歓迎とはならないだろうが、新馬戦もファンタジーSもタフな流れで差しきったり抜け出したりしているので短距離馬としては体力のある馬で持久性がある。2歳GⅠならこなしてしまう可能性を考慮しておく方が良いかもしれない。また、追い出してからの反応の良さも長所の1つとなるだろう。GOサインが出てからグンと伸び、決め手のある先行馬という認識になる。先行馬なので末脚上等までにはならないが、直線で加速出来るギアがある。先行しながら脚を溜められているのだろう。これは2戦で共通しているこの馬の良さ。緩急のあるレースにもそれなりに対応出来るかもしれない。ファンタジーS組なので積極的に買いたい馬ではないが、侮り難いところは多分にあった。

 

2着:ドナベティ

・2戦目のクローバー賞(1500m)は新馬戦同様一番良いスタートで2番手追走だったが、新馬戦の様には抜け出せず5着。いかにも距離が長いという負け方。

・3戦目のすずらん賞(1200m)は超ハイペースに置かれて後方2番手。行き脚が付いてからグングンと進出し、直線大外ブン回しで豪快に差し切る。1000mぐらいをほぼ全力疾走しており、短距離馬にしては脚が長く持続する。

・2戦目までは先行馬だったので、脚質に自在性があるのは強味。どんな競馬でも出来るが、距離延長の際は控えて差し脚を繰り出す方が良さそう。

 

上記がファンタジーS出走時のカルテ。

 

中団の内々で控えて乗っていて、直線も内から末脚を伸ばしたが、ラスト100mぐらいで勢いが陰り勝ち馬と同じ脚色になってしまった。2戦目の1500m戦でも距離が長かった印象があり、距離には限界があるように感じられる。本職スプリンターかもしれない。短距離馬としては脚は長い方だが、その末脚も距離には敏感で7F以上では末脚の威力を失くしている可能性がある。今回の1F延長は強気になれる所ではないような気がする。開幕週の1枠で馬場の恩恵はあり、展開もハメていただけに、先行から馬場の中央を伸びた勝ち馬と比べると物足りなく感じ、2着でも評価を低くしたくなる。半馬身差の着差以上に差があるように思えた。この馬の強味としては終いの脚をしっかりと使えるところ。出して行くと行きたがるので2走前から始めた控えて差す競馬が現状合っているよう。ファンタジーSも上がりは一応2位なので終いに良い脚が使えている。今回も同様の競馬になるだろうと思われ、この距離でそれがどこまで通用するかと言う点が焦点。なお、鞍上の評価はよく、北海道3戦で騎乗していた武豊騎手は気にいっていて、素質はありそうな話はしていた。

 

3着:シカゴスティング

・マイルから始めて1Fづつ短縮してきたが、1200mの前走が最も強い内容。短距離適性は高そうである。

・スタートが良く、ポンと出て先行態勢が取れ、全戦で逃げ馬をマークする2番手の競馬、その位置からいち早く抜け出して2連勝。競馬のスタイルがもう確立されている。

・直線でグンと加速する感じはなく、ワンペースな走りで決勝点まで走り切っている。なので、直線長い中京で負け、直線短い内回り条件で2連勝中である。

・現状の走りは単調で持ち時計もなく、ペースも遅い。フェニックス賞の勝ち時計は九州産限定のひまわり賞より勝ち時計が1.0秒も遅いのはいかがなものか?

 

上記がファンタジーS出走時のカルテ。

 

一番良いスタートを決めたが、急かすことなく出たなりで中団に。それまでの3戦では常に2番手の競馬をしていたが、それまでのペースよりも1~2秒序盤が速くなっていたので、馬なりで追走させたらそうなったという感じ。結果、馬群の中で狭苦しいレース運びとなったが、器用に走り、直線手前まで手綱を動かすことなく馬なりで上がってきていた。この馬も2位と同タイム上がり(33.9秒)で前を追ったが、3着まで。勝ち馬には届かなかったが、あと数完歩あれば2着ドナベティは交わせた手応えだった。距離を縮めてパフォーマンスを上げた馬だが、こういう競馬が出来ればマイルでも通用しそうな感じはある。新馬戦で3着に負けたマイル戦でもそこそこの相手に0.2秒差に走っているので距離は案外持ちそうな感じも。ただ、決め手優秀と言う感じはまだなく、ファンタジーSも溜めて弾けたというよりはワンペースに走り切ったという印象で、それで展開がハマったという感じもする。瞬発力があったようには思えなかった。決め手の重要性が増す阪神JFでは少々厳しく感じる。上位争いに加われそうな可能性も多少は感じるが、ゴール前で決め手のある馬の強襲には屈しそうな感じもある。

 

7着:クイックバイオ

・2勝とも好時計で勝っておりスピードを活かす競馬が向いている。2歳戦にしてはペースは流れたレースを制しており、スピードを持続させる能力は高そうである。

・ワンペースな走りでも、ラストの失速を軽微に留めて、ゴールまで伸びて勝っている点は好感が持てる。

・先行出来る速力もあり、勝負所で持ったままで先頭に並びかけられる機動性も良い。時計的な裏付けもあるので重賞でも通用しそう。

・使う毎に前進気勢が強くなり始めている感じがある。追ってギアがグンと上がる感じも無い。マイルでは評価が下がりそう。現状は1400mベストなように思う。

 

上記がファンタジーS出走時のカルテ。

 

安定した先行力がある馬だがファンタジーSでは後方から。スタートで両脇から挟まれて位置取りを著しく下げてしまった。初手は後方2番手。3F目辺りでリカバーしていたがそれでも12・3番手と馬群に取り付くまでだった。結果的にはこれでハマったはずなのだが、末脚は際立たなかった。馬群を捌くロスもあったが、上位入線馬が繰り出したような脚にはなっていない。序盤の立ち回りは上手い馬だが、勝負所の立ち回りにそんな感じは無い。これまでも直線でギアが上がる事はなかったし、この時も瞬発力を発揮したという感じは見られなかった。バテた馬を交わして雪崩れ込んだら7着だったという感じ。位置取りを問わず走りがワンペース。敗因ははっきりとしているが、マイルで必要な適性をこのレースから感じる事はできなかった。後半に速い脚を使えないようなので、やはりスタートをしっかりと決めて、2連勝した時のように先行ポジションにいないと好走は難しいと思う。

 

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