競走馬カルテ

2・3歳重賞の出走馬を分析・記録していくブログです。

京成杯(GⅢ) 出走馬カルテ

 

こんにちは。

 

ホープフルS組、葉牡丹賞組を中心に前走中山組が有利なレースです。この10年では【6・5・4・52】と言う成績で馬券になった半数は前走で中山コースを走っていた馬でした。ですが、今年は前走中山組は3頭しか出走がなく、うち1頭は前走がマイル戦でした。中山の中距離を走っていたのはホープフルSに出走して6着だったセブンマジシャンと9着だったシーウィザードの2頭のみになります。また、中山初出走と言う馬も結構いるので他場の経験から中山2000mの適性を推し測る必要があります。分析力や想像力が重要になって来ますので今年の京成杯は予想が難しくなりそうです。

 

ちょっと前に同じ条件でホープフルSが行われていますがここ4年はこのレースの勝ち時計に0.5秒ぐらい足すと京成杯の勝ち時計と言う感じになります。優勝馬ドゥラエレーデの走破時計は2:01.5でしたから、京成杯の勝ち馬は2分2秒前後で駆ける事になります。ただ、今年は時計が出やすい馬場になっていますのでホープフルSよりも好時計の決着があるかもしれません。例年通りの想定時計で決着するなら61秒前後のスローペースとなりますが、ホープフルSより速い決着となると前後半イーブンに近いペースかややハイペと言う事になり、後半も極端に失速しない持続性能の問われるレースとなります。土曜の競馬を参考に走破時計・ペースを想定するのが重要になってくるかもしれません。

 

京成杯は15(日)に行われます。前日の14日(土)には更新を完了します。

 

予想案はページの最下部にある専用ページにまとめてあります。ブログカードを貼っておきますのでそちらをご覧ください。

 

オメガリッチマン

 

1200m~2000mの範囲で全て違う距離のレースを使っていて、陣営も距離適性を定められない感じ。1200mからスタートしたが全然ダメで中距離へ。中距離で勝ち上がったらまたマイルへ短縮している。短距離の方が良いと考えられているのかもしれない。そうでも無ければジュニアC後に連闘で京成杯にエントリーする理由がない。中距離馬と言う評価が最初からあればジュニアCに使わずに京成杯と言うローテが普通だろう。現状はどこに適性があるかが判別としない。さすがに1200mの馬と言う感じはないので、1600m~2000mの間で弾力を持たせて解釈しておくしかない。ただ、勝った1800m戦の内容は悪くなかった。ハイペを4番手から上がり3位の走りで押し切った。地力勝負で結果を出せているので中距離がダメと言う事は少なくともないと思うが。ただ、これも2年目松本騎手の2k減が利いていた可能性はあり、その他の3戦は定量を背負って脚を使えずに負けている点で印象が良くならない。また、前進気勢も弱い馬なのでなにもしないと自然と後方からの競馬になりがち。後方から進めても機動力の無い走りで、勝負所で射程圏に持ってくる事が出来ない。その上、脚も短い。上位上がりは度々記録しているが他馬よりちょっと速いだけでその他と大して変わらないので末脚に優位性がない。後方待機を常としている割に脚を使えないのだから成績は当然悪くなる。未勝利を勝った時のように気合をつけて前付けしていかないと勝機は訪れないだろう。そもそも本当に使ってくるのだろうか?関西馬が中山で連闘だし、騎手もまだ決まっていない。少頭数だから登録してみた感じだろうか?

 

ラニット

・決め手に乏しい。末脚の性能がガラっと変わるようなら好走もあるが、失速率の大きい消耗戦で好走して来たクチでキレる脚が使えるようには見えない。

・サウジRCを大逃げして逃げ粘り2着。決めて負けする馬だし、こういう乗り方はベストかもしれない。

・大逃げ戦法は所詮奇襲でしかないが、ヨーイドンの競馬を回避出来れば良いだけなので、脚を使い切る競馬さえしていればハナにこだわるような馬ではない。

 

上記が朝日杯FS出走時のカルテ。

 

朝日杯FSで10着。戦前から逃げへの拘りは無かったがこの条件でタメてもキレ負けするだけだからと積極的なレースを陣営は想定していた。2走前のサウジRCから積極策をするようになっているがその走りも安定してきた感はある。発馬がいい馬は何頭かいたがこの馬もその1頭。内にドルチェモア、オールパルフェなど速い馬がいたのでハナは取りきれなかったが枠が逆ならこの馬が先手を取っていた可能性もあった。結局2番手で終始逃げたオールパルフェに馬体を合わせた雁行状態で行った。やはりサウジRCの様な大逃げ態勢はとれなかったようだ。厳しいレース運びだったことから1400mを通過した当たりで試合終了。後は後続の邪魔にならないようにするだけで追う事もなく沈む。さすがにGⅠでは厳しかった。3歳初戦は2000mの京成杯。マイル路線からの距離延長になるが、距離適性に関しては何とも言えない。ただ、決め手勝負を避けたいクチなので中山2000mならそう言う競馬は適う。この距離なら控えた2・3番手でも良いと思うし、スタートが良くなっているので楽にハナを取ることも出来るだろう。レースプランに幅が出るのは利点になる。距離適性が未知数なので推し切れないところだが、消耗戦で好走するタイプなので体力はあるから意外とやれるのかもしれない。マイぺで行けた時の残り目には注意したい。

 

サヴォーナ

 

前傾戦で上がりがかかる展開が得意であるよう(3着、1着)だ。逆に上がりの競馬だった新馬戦(5着)では勝負所でズブさを見せていた点が気になる。勝負所の流れが速くなると機動力に影響が出てくるかもしれない。最初から中距離を中心に使われているので距離適性に問題はないだろう。また、コーナー4つの1周条件も走り慣れているのでコースを攻略する器用さはある。ジワジワだが末脚を伸ばすことも出来ているので条件戦なら常に印がいる馬だと思う。ただ、末脚上等なタイプではないので重賞では立ち回り次第となるだろう。気性や道中の走りには気になる点が無いので、ある程度のポジションを取る事は可能なので付かず離れずで回ってきたい。それで紛れ込めればというところ。強烈な決め手を発揮して勝ち切るシーンは想像しづらい。なお、新馬戦はセブンマジシャンに、2走目はオメガリッチマンにと京成杯出走の馬に完敗の内容。また、前走も減量騎手を器用しての勝利であり、かつローカル場所で相手が弱そうなレースでもあった(2着馬が次走で大敗している)。斤量・相手関係など恵まれていた点は否めない。今回の相手関係は厳しそうである。

 

シャンパンカラー

 

新馬、ベコニア賞と府中マイルで2戦2勝の無敗馬。初戦が中位から、2戦目が逃げ切りとなっている。折り合いを欠く馬ではなさそうだが程よい前進気勢が出ていて前向きな印象を受ける。だから2戦目で行ってしまったのかなと思った。この辺は距離が伸びて気になるところ。距離が長くなると前向きな分だけ身体的なロスが生じるので後半に響いて来る。中距離を目指すならもう少しリラックスして走れる必要があるので気性的な成長は欲しい。だが、幸い2戦とも36秒台のスロぺだったのでペースその物は2000m戦でもそう変わらない。流れに戸惑う事はないと思われる。それ故に、上がりの競馬しかしていないのが今回の不安材料となるところ。後半1000mを乗り切れる持続性がまだ担保出来ていないのでここは試金石と言わざるを得ない。それ以外の走りは概ね良好。発馬は良いので序盤から良い位置を取れる。差し、逃げと良い意味で脚質が定まっていないのでどんな競馬も出来そうだ。操縦性も良さそうな印象で追い出してからの反応もとても良い。そして、末脚もしっかりとしていた。逃げ切りした前走は2番手の馬に並ばれながらゴール前でグイっと差し返しており、良い勝負根性も持っている。印象点は高得点。ただ、502kの大型馬でトビが大きく走りに雄大さがある。スケール感ある走りをするのは良いのだが、内回りで器用に走れるイメージが持ちづらい。また、同時期に行われている同条件重賞サウジRCやアルテミスSと比較すると勝ち時計が1秒ぐらい遅いのも気になるところだ。クラスは違うがいずれも1勝馬同士のレースだったのだから時計面で少々物足りない。それを証明しているかもしれないのが2戦の相手関係。新馬戦の上位馬は次走を済ませてなお勝ち上がった馬がいない。ベコニア賞2着のヒップホップソウルもフェアリーS11着と着を大きく落とした。2連勝したのは相手が弱かった可能性を考慮した方が良い気がする。良い馬という評価は出来るが、まだ未知数領域も大きい。重賞競走でどこまで評価すべきかは言いかねる。

 

シルヴァーデューク

・1800mを2戦して勝ち上がったが中距離馬としては前進気勢がやや強い。マイルへの短縮は適していると思われる。

・ゲートの出も良く、スッと好位に取り付けるスピードがある。競馬センスは高い。

・地力はそれなりに高いが末脚の航行距離がそう長くない。重賞に入るとそれが決め手不足になってしまっている。

 

上記がデイリー杯2歳S出走時のカルテ。

 

サウジRC3着からデイリー杯2歳S4着と着は下げたがタイム差は縮まっていた。瞬発力勝負ではなくラスト4Fからの持続戦になったのでこの馬向きの展開ではあった。パフォーマンスが低下したというのは無く、走りは相変わらず安定していた。ただ、決め手の無さにも変化がないのでどうしても善戦止まりになってしまう。現状はこれが弱点になっているのでこれ以上脚を使えないならマイル戦に留まる理由はもう無いのかもしれない。決め手が削がれる条件を求めた距離延長は前進のきっかけとなるのでは?新馬、未勝利で1800mを使っていたので延長そのものは特に問題にならないだろう。ただ、2走前のカルテでも触れたが中距離馬としては前進気勢が強めに出ていた。だからマイルへの短縮もプラスになると当時指摘したがあながち間違いではなかったなと近2走を見る限り思う。この距離で折り合いがスムーズだったという可能性は高い。2000mでも極端に折り合いを欠く事はないと思うが、力んで走ると最後の失速に繋がる。気性的な成長はあって欲しい。中距離をやっていたのはまだ夏だったので精神面に変化が合っても良いだろう。そうなっていれば入着はありえる。新馬戦の勝ち馬は重賞勝ちのラヴェルだし、近2走はドルチェモア・ダノンタッチダウンと2歳GⅠの1・2着馬と走り好走した。戦って来た相手はいつも上等だった。その経験値は今回のメンバーでは抜けて高い。それを生かせれば面白いところではある。

 

シルバースペード

・良馬場でも不良馬場でも同じ脚を使う馬。3走前が34.9秒(不)、2走前が34.9(良)、前走(良)が34.8秒と上がりタイムは大体いつも同じ。

・上がりがかかる展開ではどうにかなるが、上がりが速いレースでは出番はないだろう。

 

上記が東京スポーツ杯2歳S出走時のカルテ。

 

11頭立て11番人気だった東スポ杯2歳Sが6着。だからと言って好走したという感じは無くて、0.1秒差に5~8着の4頭がひしめき合ったその中にいただけ。上位とは決定的な差は出てた。とは言え、この馬としては脚が使えた方で頑張ったとは思う。今年の東スポ杯2歳Sはペースが速めに流れてラストは消耗戦となっていたので、上がりの速さが問われなかったのが要因だと思われる。それでも6着までが精一杯なのだから力不足な評価を修正する必要はない。1~3着馬と同じ後方集団から進めていたので上位との脚力の差がより鮮明になってしまった。前回も指摘したが、末脚性能が問われる府中重賞では基本的に出番はない。そう言う意味では上がりの速さが問われない中山コースは変わり身が見込める条件。34秒台までなら何とか使えるので立ち回り次第で入着の可能性は出て来る。中位、後位で控えるのがこの馬のスタンスなのだが、位置取りを覆すような圧倒的な脚力はこの馬の末脚にはない。中山でも同じ競馬をするなら厳しいままだろう。未勝利勝ちした時のように積極的な先行策をした方が良い。前に行っても同じ末脚を使えるのだからその強味を生かすべきだ。前に行ければ何かが起こる。いつも通りならどこさもない。

 

シーウィザード

・瞬時にトップスピードに乗れる馬であるようで行き脚がついてからの脚が良い。それが安定した先行力となっていて、末脚を引き出す瞬発力性能も良い。

・成績表の見栄えは良いが、全てスローの上がりの競馬でのもの。タイトな展開や持続性能に関しては担保がない。地力の問われる展開に対応出来るかは未知数。

 

上記がホープフルS出走時のカルテ。

 

前走のホープフルSが9着。レース当日はテンションが高くなっていたそうだが、確かに序盤から少し力んでいたのでそれが後半に響いたかもしれない。逃げ馬と2番手の馬がそのままワンツー決着したGⅠで3番手にいたのが本馬。2枠3番だったのでスタンド前ではラチ沿いを確保し、外から先行してきた1・2着馬に包まれるようにインポケットの絶好位を確保出来た。力がある馬がこのポジションを取れていれば勝ち負けだったろうと思うほどに超ハマっていたと思う。レース運びはいつも上手い馬だがホープフルSでもセンス抜群の走りは出来ていた。レースが動き出した3~4コーナー区間でも持ったままで前の2頭を常に射程圏に入れられていた。立ち回りは本当に上手い。が、直線に入る頃には手応えが怪しくなっている。そこまでは流れに併せる程度の追いがされていたが、急に鞍上のアクションが激しくなり、直線に向いたところで鞭が入る。それでも前との距離を維持できなくなり徐々に置かれていった。やはり序盤に行きたがっていた影響が出たのだろう。不本意なレースとなったかもしれない。地力の担保の無かった馬なので、レベルの高いGⅠで現在地がはっきりすると思っていただけに残念。評価保留となる。番付的な力関係は依然高く出来ないままだが、敗因ははっきりとしているのでホープフルSの内容は度外視にして良いと思う。久々を叩いた今回は2走目で変わり身も期待出来る。同じ条件だった前走の立ち回りも上手かったし、勝ち鞍のある条件でコース適性は高い。持ち時計のない馬だが前走程度の時計で走ればGⅢなら入着の可能性はまだある。相手弱化の分だけ巻き返しの余地もあり、落ち着いて回って来れれば無くはない。

 

セブンマジシャン

・コーナー4つの1周条件での経験値が豊富で内容も悪くない。コース適性は高そうだ。

新馬戦が2番手から上がり最速。2戦目が最後方から進めて上がり最速。真逆のレースで2勝した自在性は良い。脚質に幅があり、どんなレースも出来そうだ。

 

上記がホープフルS出走時のカルテ。

 

ホープフルSが6着。ペースはサートゥルナーリアが勝った18年に近いスロー競馬だった。その18年はインでポジションを取れていた馬が1~3着を独占したレースで、逃げ馬と2番手の馬がイッタイッタした昨年のホープフルSと同じような展開だったと言えそう。それを思うと、4コーナーでマクりをかけたこの馬の乗り方は展開に逆行していたと言える。内々をロス無く乗れていれば、もう少しやれていたかもしれない。また、最終コーナーではインを回っていた馬に接触され外に弾かれる不利もあった。それでも差を詰めて来れたように力は示していたと言えるだろう。スローに嫌気を出して向こう正面では口を割って行きたがっていて折り合い面も十分だったとは言えず、この内容で0.4秒差なら悲観する程でもない。また、結局のところ多頭数を捌けずモマれて負けたと言う感じになもなっている。出走数が半減するので立ち回り的な不利も受けにくいだろう。操縦性高く、自在性もある馬で、京成杯のような条件も走り慣れている。間隔が短いので状態次第になるがここは普通に巻き返して来ると思う。近2走で手綱を取ったクリスチャン騎手の評価も非常に高かったので素質のある馬だと思われる。ある程度の結果は期待を出来そうだ。

 

ソールオリエンス

 

府中1800mで新馬勝ち。39.5秒-65.0秒ととんでもない低速ラップとなったレースで勝ち時計も1:50.8と遅い。同じ条件の重賞東スポ杯2歳Sより4.2秒も遅いものだった。ラスト3Fを加速ラップで勝ち切った点は良いがこのペースならそれぐらいは当たり前である。33.3秒の上がりはまぁまぁだったが、中山戦では評価の対象になりえない。時計面で評価を上げる事は不可能である。ただ、レースの見た目やレース振りが恰好が良く、素質馬らしい感じも見せている。出負け気味のスタートから3・4番手までリカバーして折り合いをつけた。ちょっと行きたそうなところを見せていたがちゃんと我慢出来ていた。走りのリズムもずムースで追い出してからの反応も良い。2着馬とはクビ差だったが3着馬には5馬身も差をつけていた。この2着馬もキャロットの素質馬で次走で圧勝している。それを競り潰しての内容からこの馬の評価も低くはならないだろう。510kの大型馬で走りも雄大。スケール感は隠しようがなかった。大型馬だけに叩いた効果も大きいと思われる。距離延長とはなるがこの新馬戦よりペースが遅くなることはあり得ないので折り合いもつけやすくなる面がある。新馬戦よりはレースの中身が厳しくなるので経験値の分だけ負ける事はあるが、あっさり超えてしまう可能性も否定できない。人気になりそうだし、どう扱うかは難しくなる。それでもポテンシャルの高さは認める必要があり、どんな走りをするかは注目して置かなければならないだろう。クラシックの新星となるか?そうなれば面白い。とは別に、新馬戦で手綱を取った戸崎騎手がシャンパンカラーに乗っているのは気になってしまう。戸崎騎手の評価も検討材料になってきそう。

 

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