競走馬カルテ

2・3歳重賞の出走馬を分析・記録していくブログです。

チューリップ賞(GⅡ) 出走馬カルテ

 

こんにちは。

 

チューリップ賞を予想するにあたり重要なのは同じ条件で行われた2歳GⅠ阪神JF組の評価です。チューリップ賞における成績は【9・1・6・12】と馬券内のシェア率は50%以上。昨年も阪神JF4着だったナミュールが優勝しました。今年も阪神JF組から評価をしていけば正解に近づけるはずです。

 

でも、本当ならそうなのですがチューリップ賞の出走予定馬(10日前段階)に阪神JFに出走していた馬は6着ドゥーラと14着キタウイングしかいません。キタは既にフェアリーSに出走していますので純粋な阪神JF組はドゥーラのみとなっています。主力のこの組からここまで出走が無いのは珍しいですね。

 

他路線組からの出番が必然的にやってくる状況です。中には新馬、未勝利を勝ち上がったばかりの馬も多数いますので、昨年2着ピンハイ(13番人気)みたいな馬には十分注意する必要があります。今年も一筋縄ではいかないのかもしれません。

 

チューリップ賞は4日(土)に行われます。前日の3日(金)には更新を完了します。

 

予想案はページの最下部にある専用ページにまとめてあります。ブログカードを貼っておきますのでそちらをご覧ください。


アリスヴェリテ

・現状はワンペースな走りでギアがグンと上がる感じはない。重賞だと決め手で劣るような気がする。

・早めの競馬で脚を使い切る競馬が現状はあっていそう。

・マイルの距離もちょっと忙しい様に思う。

 

上記がアルテミスS出走時のカルテ。

 

アルテミスSは逃げて0.1秒差の3着。GⅠ馬となった2着馬とはクビ差だった。逃げ馬と言う個性は兄達と同様。管理する中竹厩舎は母ルミエールヴェリテの産駒7頭全てを管理していてこの兄弟の事を知り尽くしている。リアンやキメラといった兄達みたいに本馬も逃げてなんぼの馬と考えている。ここまで決め手負けの戦績になっているので早めの競馬で脚を使い切るスタイルは確かにあっていると思う。だた、リアンやキメラとは違いスタートからビュッと飛ばしていく逃げ馬ではない。本馬の出脚はこの2頭程速くなく徐々にスピードに乗せてハナに立つソフトな逃げ馬。だからマイルは基本的に忙しいと思われる。4着だったつわぶき賞の1400m戦だとテンに速い馬はいくらでもいるし、フェアリーSを除外されて使った菜の花賞でもフィリーズrvに出走するような短距離タイプのトラベログにハナを譲り勝てれてしまった。本質が逃げることにあるならマイル路線は早めに諦めた方がいいのではないかと思う。牡馬相手に2着に粘った野路菊Sは2000mだったので楽にハナが取れた。先手を取りやすい中距離の方がレースはしやすくなるはずだ。牝馬なので桜花賞を目指すのは仕方ないが、この距離でやっていくには適性や脚質の面でズレがあると思う。逃げれないと脆い訳ではないのだが、既に触れたように決め脚を使えるようなタイプでもない。バテずに雪崩れ込むのが関の山ではなかろうか?桜花賞路線がひと段落し、オークスを目指すような事があればそのトライアル辺りが狙い目だと思う。

 

アンリーロード

 

シンザン記念勝ちのライトクオンタムが勝った新馬戦の2着馬。府中マイルで最速上がりで浮上していた。出負け気味のスタートだったのが悔やまれる。相手には余裕があったので逆転していていたとは思えないが、五分に出てればより際どい勝負が出来ていただろう。内容は悪くなく、次戦であっさりと勝ち上がった(阪神1800m)。今度はスタートが決まり、先行集団後ろの5番手を進む。新馬戦は末脚勝負で好走したが、この時は立ち回りで勝って脚質に幅があるところを見せた。レースセンスの有りそうな馬。2戦とも2歳戦にしては流れた展開で、特に勝ち上がった前走は1000m通過59.5秒の速いペースを前目で追走していたので内容は濃い。坂で他馬の勢いが鈍ったところでこの馬だけがグイっと伸びた。2戦の内容から平均点は高く、地力の有りそうな馬だと感じた。距離が伸びても大丈夫そうな馬ではあるが、マイルだった新馬戦の内容も優秀だと思うので条件戻りは悪くないと思われる。極端なスローになった時には分からないがタイトな展開になるなら出番があって良いと思う。なお、クイーンCを抽選漏れしてここに回ることになった。

 

エクローサ

 

有馬記念当日の阪神1400m戦をデビュー勝ち。93.6倍の14番人気だった。このレースはちょっと変なレースで中間ハロンに12秒台が2度も記録されていてラップ間の緩急が目立ったレース。最後の1Fも加速していて、およそ1400m戦らしくないラップ構成だ。緩みのあるレースだったので勝ち時計も1:23.1と凄い遅い。ただ、本馬は内枠からラチ沿いの中位をそつなく立ち回っていて、直線も外に出すことなくラチ沿いから差して来た。前日の阪神Cがそうであったように外差し馬場だった馬場をインから差し切ったのは味のあるところ。しかし、どうもこの新馬戦はレベルが引くいようで掲示板に載った4頭に勝ち上がった馬はいない。2走、3走と数戦済ました馬もいるので相手関係に恵まれた感も強い。鞍上は2k減の角田騎手で斤量差を踏まえると0.1秒差程度のタイム差では評価を大きくする事は出来ない。結局のところ、強くないメンバー相手に新人騎手が真面目に乗ったら勝ってしまったという内容だと思う。大穴開けた角田騎手以外に評価出来るものはない。本馬に関しては発馬、折り合い、操縦性など競走馬として問題な点は見られない。ただ、その地力を感じ様がないので推せる材料もない。重賞でどこまで通用するかと言ったところ。

 

カフジキアッキエレ

 

新馬戦大敗後の未勝利で激変を見せる。11番人気で勝ち上がってしまった。新馬戦(中京マイル)は出遅れて、レースについて行くのも難しい感じで離された最後方。追走するので精一杯だった。レースの流れにも乗れずに直線で追っただけと言う内容でしかなかった。ただ、この時に上がり最速の末脚を使っていて、しかも2位上がりを0.8秒も上回る強烈なもの。レース映像にほとんど映らなかったのでその末脚の全貌は確認出来ないのだが、際立つ脚力をここで見せていたことになる。大穴が開く根拠は示していたと言えそうだ。2走目(阪神マイル)ではレース振りがよくなった。発馬も決まり、馬群の中でレースの流れには乗れていた。そこから下げて後方待機となったがついて行けなかった新馬戦よりは格段に良い。使った末脚は新馬戦と同じ34.0秒だったが、道中の通過タイムは1.5秒も速くなっていたので末脚の精度も上がっていたことになる。このレースで特に目を引いたのは馬群をスイスイと捌きながら進出して来た器用な脚と、抜け出してから一気に突き抜けてしまった圧倒的な末脚。2・3着に先行馬が残ったレースを4角13番手から差し切り、さらに2馬身半も抜けていて力が違っていた印象。減量騎手を乗せていた訳でもないし、展開もハマっていない。純粋にこの馬が強かっただけと言うレース内容である。これはフロックではなさそう。とにかく弱い馬ではない。今年の「ピンハイ」はこの馬かもしれない。

 

キタウイング

・生来的に前進気勢が弱いのか後方からの競馬が定着している。末脚の確実性は高い。追えば追うほど伸びる馬で使える脚は長く、切れ味もある。

・上手い事先行出来てしまった阪神JFだったが終いは逆にかったるくなってしまった。厩舎ではこれまでのスタイルに戻り末脚勝負に徹する構え。

 

上記がフェアリーS出走時のカルテ。

 

フェアリーSで重賞2勝目。だが、さすがにドハマりと言わざるを得ない。過去10年では3F通過で最速、1000m通過でも2番目に速いハイペース。こういう厳しい展開を勝った事はエライが、レースの流れに乗って地力でねじ伏せた訳でもない。馬群から離された後方2番手を追走していたので展開は大いに味方していた。かつ、奇跡的にラチ沿いを突けたので距離ロスもない。ここまで噛み合うレースもなかなかないというレベルのハマり具合。なお、先行して失速した阪神JFを教訓とし、今後は控える競馬で末脚勝負に徹していく方針が決まっている。フェアリーSも自分の競馬に徹した結果に過ぎない。ただ、やはりハマった時の末脚は際立ってくる。展開想定上必要ならその末脚に注意がいる。地力で勝ちに行くことは今後ないので余程の事が無い限り△以上の印は回せないが。また、今回はフェアリーSよりも相手関係が厳しくなり、前も簡単に止まるようなメンバーではなさそう。仮にハマったとしてそれで決まるとまでは言えないと思う。なお、賞金十分ながらトライアルを経由するのは使いながら馬を作って行くという厩舎方針による。完成しきれてない部分を多分に残しており、使いながら仕上げて行く方が良いとの判断からそうなっている。使うごとに強くなっていく可能性はあるので、その末脚もより強力になっていくことも頭には入れておきたい。

 

コナコースト

 

小倉1800mで新馬勝ちして、中京マイルのエルフィンSが2着という戦績。距離を短縮してパフォーマンスが下がったというのは無かったと思う。むしろ行きたがるところがあるので現状はマイルの速いペースで流れに乗せていく方が良いと思われる。2走の走りを見るとまだ若さを残した立ち回り。操縦性も良いとは思えないし、折り合いに集中させる必要がまだある。この馬の良い所は末脚をしっかりと使えるところ。新馬戦では11秒台の加速ラップを外から差し切る脚を使っていたし、厳しそうだったエルフィンSでも進路が取れてからは一瞬で加速して着を上げて来た。それだけにこの末脚を如何に有効的に引き出すかで着は前後してしまうと思う。行きたがる気性やコントロール性等内面の進化が伴えばそこそこやれる力がありそうである。そこに課題があるので現時点だと条件付きな評価が妥当で重い印では推し切れない。ただ、鮫島騎手では御しきれていないように見えるので騎手が変われば現状でも成績を上げていける可能性がある。現状は鞍上未定なようだがどうだろうか?なお、清水久調教師は自身が管理したキタサンブラックの産駒の活躍を見るたびに歯がゆく思っているそうだ。この産駒で重賞を勝ちたいと思っているからだ。故にキタサン産駒の本馬への期待は非常に高い。無意味に重賞を使う調教師がそうしていないのも慎重さの現れかもしれない。この手の厩舎情報には要注意。

 

サーマルソアリング

 

中京と阪神のマイル戦を2戦づつして4走目の前走で勝ち上がり。経緯としては先行して決め手で負ける、追い比べで劣って負けるという感じ。要するに力負けだった。中には狭いところで追い切れないなんてこともあったが、クリスチャン騎手が絶好の立ち回りをして負けたレースもある。とにかく行って甘い馬で決めきれる脚がない。勝ち上がった前走で控える競馬にチェンジして末脚を引き出すことに成功。外からまとめて差し切った。脚質の転換で勝機をつかんだ。ただ、控える競馬をするにしても問題はあって中団に構えたことで馬が行きたがり、道中の半分はかかっていた。先行していた時は折り合い面に問題は見えなかったが、前進気勢の強いタイプなので前で運んだほうがレースはしやすいとは言えると思う。行くと甘い、控えるとうるさいとめんどくさいところのある馬である。控える競馬に慣れてくれないと安定性を欠く要因となる。また、控える競馬で結果を出せた時も飛び抜けた末脚を繰り出した訳でもない。脚力上位といえるほど魅力的ではないと思う。レースもラスト3Fが全て失速ラップになっていたから差し切れたというのも言えること。最高に上手く乗れたとしても重賞で際立つ末脚を引き出せるのは微妙な感じがする。それに、負け続けた3戦の勝ち馬はいずれもクラスが上がって凡走しているのも気になる点。少なくともブランド力(ノーザンF×キャロットF×藤原秀厩舎)ほどの凄みは感じなかった。

 

ダルエスサラーム

 

4戦2勝で3着以下の無い成績。1600mの未勝利を勝ったが1勝クラスに上がってからは中京1400mの特別戦を使い2着、1着。スタートが上手くないので負けた2戦もこれが原因みたいなところはある。五分に出てれば勝ち負けの競馬をしていた。レースを使う度に徐々に改善傾向だが抜群のスタートを決めるタイプの様には現状思えない。OPに上がりゲートが脚を引っ張る事は考えられる。1400m中心に使われているだけあって走りはワンペースだが、スピードを持続させる能力は標準以上にあると思う。スピードに乗ってからの末脚はかなり渋太い。ハロン毎にスピードを蓄積していき、長く脚を使うタイプの様に思う。ただ、全戦の内容はペース的に遅く、レース内容は全体的に淡泊なものばかり。地力を証明できるものは少ない。時計が遅くても余力を持って突き放していたら評価のしようもあるが、一杯に負いまくって僅差の競馬が多いとなると抜けた存在として扱うのは難しい。レース振りは安定しているので大きく崩れるタイプではないが秀でた何かがある訳でもない。現状は相手次第の評価まで。

 

ドゥーラ

新馬戦から時計を3秒も縮めた未勝利は勝ち時計が1:49.1。ジオグリフが勝った昨年の札幌2歳と全くの同タイム。タイトな展開を2番手から上がり最速で突き抜けた内容はとても濃い。

・余裕たっぷりに勝ってしまった札幌2歳S。追い出しを遅らせていたにもかかわらず、4番手から最速上がりを繰り出した。確実に詰めてくる末脚は信頼感がある。

 

上記が阪神JF出走時のカルテ。

 

有力馬3頭が同居した8枠3頭全てが出遅れた阪神JF。その中で最もスタートが悪かったのが本馬で直線に向くまで最後方を追走していた。他2頭が外に行き伸びを欠くなか、インを突いた本馬は上がり最速を記録して詰めて来た。スタートを失敗した鞍上の責任は軽くないが、ウンブライルの横山武騎手、ラベルの坂井瑠騎手よりはずっといい競馬をした斎藤新騎手のレース振りは良かったと思う。爪痕は残せた。もう少しで掲示板と言う6着だったが、2着馬とは0.3秒差。スタートのミスを除けば絶望的なレースではなかった。レース上がり36.1秒のレースで35.0秒の末脚は脚力の高さを証明しているし、これで全戦で最速上がりを記録したことになる。末脚の発動率は極めて高い。極端な競馬を強いられたが戸惑うことなく対応した馬も偉い。能力面の評価を下に修正する必要はなく、この先も牝馬路線のトップクラスとして扱って良いと思う。ただ、レースがレースだっただけにマイル適性は確認出来なかったのは残念。マイルの流れに乗れるのか?スピード負けしないのか?など不安材料を抱えたままになる。タフなレースでは強いがスローの上がりの競馬になった時にこの距離で同じように最速脚を繰り出せるだろうか?そういう面をチューリップ賞で確認する必要があると思う。この考えは陣営も抱くのではないか?レースの流れにまともに乗って、どういう競馬が出来るのか?賞金的にも試走が出来る馬。馬券的には頭でがっつりと言うレースにはならないかもしれない。

 

バースクライ

 

2歳11月の阪神マイル戦でデビュー勝ちを収めるが、折り合い面に難しいところを見せた。2F目の200m区間はほぼかかり通しでクビを上げて行きたがってしまう。2戦目に1400m戦を使ったのもこの気性を考慮してだろう。ただ、この距離でも行きたがる感じは色濃く出ていて前進気勢の強さが目立っている。それで取りこぼしたようにクラスが上がるとこの気性はネックになってしまう。ただ、折り合いを欠いている割にラストの末脚は目を引くものがある。新馬戦では10.8秒まで加速した7F目でグングンと加速して前との差を詰めていた。かかり通して良くこれだけのものを使えるなと感心してしまう。2戦目の紅梅Sに至っては大きく出遅れていて、かつ直線大外ブン回しのロスの大きい競馬ながら、直線では勝ち馬(上述のダルエスサラーム)をクビ差まで追いつめている。ラストの脚は凄いものがある。末脚だけなら重賞に交じっても通用しそうな感じはする。この武器を効率良く使うためにも気性の成長は絶対に欲しい。レースの流れに乗って、折り合いをつけた時に桁違いの脚を使いそう。この馬の末脚には注意が必要だと思う。

 

ペリファーニア

 

兄ヴァンガーズハートがそうだったように、本馬も有馬記念前日の新馬戦でデビューしている。2つ上の兄エフフォーリアの有馬記念へ弾みを突けるべくこの日に拘ってデビューが決められた。よって、本馬も勝ち負けのデキに仕上げられていた。その思惑通り中山1600mの新馬戦を圧勝する。新馬戦にしてはペースは流れていたので内容的にも悪くない。発馬良くスタートは決めたが控えて中団馬群の後方を馬なりで追走していた。ラスト3F標を待たずして早めに動き出し、3~4コーナーをマクり上げた。直線入り口では先頭にに並びかけ抜け出した。機動力ある走りで印象点は良い。直線では突き放す一方で2着馬に2馬身、3着馬に5馬身と着差を大きくして後続を完封。ラスト3Fは最後に0.2秒失速しただけで差し馬に向いた展開でもなかったが、11.5-11.7の速いラップを突き抜けて強さを示したと言える。標準以上の強さは持っているだろう。新馬戦からよく動けていたので仕上げも進んでいる印象。蛇足だが、横山武騎手は兄ヴァンガーズが油断騎乗で差されていたから、直線で一杯々々に追っていた姿はちょっと滑稽に映った。でも、この乗り方で良いのだと思う。直線手前から追いまくって先頭に立つスタイルは兄エフフォと同じで、この兄妹はこういう乗り方が合っているのかもしれない。チューリップ賞はそのエフフォの鬼門となった阪神競馬場なのでいろいろ言われそうだが、牝馬ならばそれは避けられない。妹はどう乗り切るのだろうか?

 

マラキナイア

・気合をつけてようやく3番手と言う位置取りでマイルをやるには少々ズブイ。道中もほぼ追い通しだった。

・エンジンがかかってからは力強く伸びる。兄ステイフーリッシュ同様にタフな展開で強さを見せる。地力その物は高い。

 

上記がアルテミスS出走時のカルテ。

 

6月の新馬戦を勝ち上がりアルテミスSまで待機したようにこの馬も暮れのGⅠを狙ってローテが組まれたクチ。そのアルテミスSは0.3秒差5着と恰好をつけていたが、12月に使ったひいらぎ賞では0.8秒差6着と着差を大きくして負けている。結論から言ってしまうとこの馬はマイル向きではない。前走時も指摘したことだがこの距離を走るにはズブい新馬戦も促しながらようやくエンジンが掛かったほどだった。アルテミスSも向こう正面から徐々にスピードに乗せて行く進め方で、瞬発的なスピードが弱い。前走のひいらぎ賞ではついに流れに乗ることも出来なくなり、促しながら進めても後方に置かれてしまう。直線に向くまでに前との差を詰める事が出来ずに脚を余してゴールを迎えてしまった。新馬戦や秋頃なら厳密的な距離適性は問われないが、暮れぐらいになると徐々に適性が問われ始めるのでその差が出初めているなと思う。この距離でやっていくにはスピードが足りていないのではないか?また、こういうタイプなのでマイル戦の決め手比べでも見劣ってしまう。アルテミスSがそう言う負け方。牝馬なので桜花賞を目指すのはしょうがないが、忘れな草賞フローラSなど中距離路線へシフトした方が力を発揮しやすいのではないかと思う。兄がステイフーリッシュだし、距離は合った方が良いのではないだろうか?チューリップ賞だとちょっと狙いづらくなった。ハイペの展開やタフな流れにでもならないと浮上のきっかけはつかめないかもしれない。

 

モズメイメイ

 

新馬(府中1600)1着、つわぶき賞(中京1400)3着、こぶし賞(阪神1600)1着と堅実に走り、凡走はない。3戦全てが0.1秒差以内のタイム差で常に接戦だが決勝点には必ずいる。タイプとしては先行ポジションで自在に立ち回れる馬で3・4番手ぐらいで控えたり、前走は逃げ切り勝ちだった。先行馬ながら鞭が入るとしっかりとギアが上がる馬でゴール前で一脚使って勝ち負けに加わる。レース運びに信頼感がある。使い出した頃はスタート後に軽く促す必要があったが3走目の前走では自ら進んで行けるようになり、好位取りも楽に行えるようになっている。それ以外のレース振りに問題点は無く、操縦性も良い。レース中に変な挙動をするような馬でもない。強いて言えば、ここまで枠番に恵まれていて常にラチ沿いの絶好位で運べているので、外枠から運んだ時の立ち回りや終いの脚などが未知数である。2走目の敗戦は1400mの適性で負けた感じ。ワンペースな展開が合っていなかったとか、短距離のスピード比べで劣ってしまったように思う。それでもゴール前でシッカリと反応していたのでやはり自身の力は使ってくる。マイルで巻き返したように、この距離の方がリズム良く行けている。チューリップ賞は勝って同条件なので適性的に何ら問題がない。1秒は時計を詰める必要が出て来るが、1400m戦で標準並みな時計で走れていることから時計が速くなっても対応出来る下地は確認出来る。重賞実績馬や素質馬との対戦になるので本当に力関係次第だが、挑戦者としては十分な資格を有している馬だと考えて良い。

 

ルカン

 

2戦2着2回の未勝利馬。また、森秀厩舎かぁ?と思ったが、安田翔厩舎。たぶん、鞍上の横山典騎手が何か言ったのだと思う。この調教師は横山典騎手を神のようにあがめているから。だとすると、森秀厩舎の様な出走手当が目当ての出るだけ出走ではなさそう。そう考えると本馬は確かに悪い馬ではない。阪神と中京のマイル戦を2戦したが、いずれもスローの前残り競馬で脚を余して負けているだけ。上がりは当然最速脚を記録している。序盤の立ち回りがあまりうまくないので中団から徐々に進出して行くようなレース運びになっているので、位置取りの差で負けてしまっている。最後にいい脚をちゃんと使えるようなので乗り方次第でいつでも勝てる感じはする。勝ち上がったばかりの1勝馬とは同等ぐらいの評価をしておくのも良いかもしれない。ここまでの2戦は鮫島騎手が手綱をとったが騎手が変わるのも鞍上強化。パフォーマンスがあげる余地がある。また、前走は行きたがっていたので前進気勢も程よく強い。こういう馬に横山典騎手が乗るのは悪くないと思う。ちょっと買いにくいけれど可能性はゼロではなさそう。

 

ルミノメテオール

 

府中、中京の1400mを2走して無敗。とくに前走のつわぶき賞はレベルが高く、2着ダルエスサラームが次走で紅梅Sを勝ち、3着モズメイメイが次走でこぶし賞を勝つなど1勝クラスをあっさりと勝ち上がっている。これらを外からまとめて差し切ったつわぶき賞の勝ち方は良かったし、評価は自然と高くなる。この2頭とはチューリップ賞で再戦となる。特徴としては瞬発性能が高いこと。新馬戦の瞬発力は特に凄かった。37.9-63.0の超ドスローだったので最後は加速ラップになっているが、それが12.0-11.1-10.9という構成。13秒台の4F目から一気に流れが速くなった超加速ラップ。最後の1Fに10秒台が刻まれるのは千直競馬以外には見た事が無い。これを5番手から差し切っているのだから凄いことだ。この決め手の優秀さは2走目のつわぶき賞でも如何無く発揮されていた。狭いところからで追いづらい所があったが進路が取れてからの反応がとにかく速い。鞭が入るとビュッと加速した様は見た目にも鮮やか。この瞬発力はマイルでも十分に通用すると思う。短距離馬の割に前進気勢が強くないので折り合いとかは大丈夫だと思うし、新馬戦はマイル戦より遅い流れで走りもスムーズだった。身体的な適性は分からないが、気性的には対応出来るように思う。なお、スタートがあまり良くないがそれもデムーロ騎手のせいだと思うので、この馬自身に問題は感じない。むしろ、すぐにリカバー出来てしまう二の脚の速さも強調点かもしれない。今回も中団ぐらいで折り合っていると思う。そこからどんな脚を繰り出すか?

 

レミージュ

・何もかもが標準級という感じ。強烈なパフォーマンスを発揮して2連勝した訳ではない。

・逃げ切ったエリカ賞の内容は展開に恵まれたもの。逃げ馬としても力は並みで逃げれば常に勝ち負けと言うタイプではない。

・良くもないが悪くもないという評価で妥当。入着の可能性は展開や相手関係による。

 

上記がきさらぎ賞出走時のカルテ。

 

きさらぎ賞を逃げて5着。とはいえ、競走中止の馬を除けばケツから数えて3頭目。力が抜けていた1・2着はともかく、1勝馬にも交わされてしまった2勝馬の内容は強調材料が乏しい。ペース的には逃げ切り勝ちしたエリカ賞とそれほど変わらないものだが、スタートが平凡だったのでハナに立つまでに2Fも要してしまった。ここで余計な力を使ってしまった感はある。自分のリズムで行けなかった事が敗因と考えられる。もう少しスムーズだったらと言うのはあるがそれでも入着は厳しそうだった。牡馬相手で仕方ない。段々と前進気勢が強くなって来ているので中距離では気性的にも長い気がする。マイルへの短縮はレースをしやすくするかもしれない。ただ、1800~2000mを使われてきているので速い流れに乗れる保証はない。スタートからビュッと行く馬でもないし、これまでの経験から2~3秒はテンが速くなる。初マイルの今回ではかなり忙しくなりそうだ。また、これまでの4走で速い上がりを使った事が無く、34秒台すら記録した事が無い。スロー戦が多かったのだからもう少し速い上がりを使えていてもよかったのではないかと思う。決め手を期待出来そうな馬ではないのだろう。控えに回ったところで良いイメージは持てない。やはりどうにかしてでも逃げた方が良い。粘れるところまで粘った方が着は良くなっているだろうと思う。

 

ワレハウミノコ

 

芝2000mを4戦して勝ち上がれずダートで勝ち上がった。芝の4戦を見るとやはり決め手に甘い印象でそれをダート替わりで補ったということだと思う。また、結果的に距離も長かったようで小倉ダ1700mで走りそのものは一変していた。さらに短縮してマイルになるのもこの馬には悪くないだろう。5戦の内容を総合すると地力その物が弱いのではないかと思う。基本的にどれもスロー戦なのだが、後半1000mが速くないレースは3着以内に来ているが、後半がタイトな持続戦になった4走目では早々に手応えを失い0.9秒と差を大きくして負けている。地力の問われる展開で弱さを見せたのだろう。それは入線タイムにも現れていて最も時計が速くなった時がこの4走目。時計の速い決着に対応出来ていないのは印象が悪くなるところ。その時計も2:01.8と特別速い訳ではなく、この程度の時計で失速するような馬はそもそもが弱いと言う事になる。時計不足な馬がダートでパフォーマンスを上げるのも理解できる話だ。距離が短いマイル戦ならもう少しやれるかもしれないが、地力に課題がある以上は距離とか条件とかはあまり関係がない。

 

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