競走馬カルテ

2・3歳重賞の出走馬を分析・記録していくブログです。

ニュージーランドトロフィー(GⅡ) 出走馬カルテ 2024

 

こんにちは。

 

近年はレースの度にGⅡ降格の危機が話題に上るNZTですが今年もGⅡの格を維持してレースが行われるようです。グレード降格の危機にあるという事はそれだけ弱い馬が集まるという事であって、そこに目を付ける陣営が毎年参戦して来ます。一昨年にはシンザン記念勝ちのマテンロウオリオンが、昨年は最優秀2歳牡馬に輝いたドルチェモアが参戦して来ました。

 

これらの陣営の目に映ったのは相手が弱くなりやすいレースの特徴と、その割には高いGⅡの賞金です。ちょっとうろ覚えなのですが、賞金を持っていたのでNHKマイルCには直行出来る身でありながら、予定を変更してNZTに出走して来ました。「相手弱い+賞金高い=ただ貰い」みたいな考えだったと思います。確かに行きかけの駄賃として5400万円は高額ですね。

 

あいにくマテンロウもドルチェもその高額賞金を拾っていく事は出来ませんでしたが、そう言う陣営が今年もいれば単なる叩き台ではなくなります。勝負気配そのものは高いはずなので注意したいですね。

 

それと、桜花賞を除外になった牝馬も度々このレースに参戦して来ます。GⅠ仕上げに作られているのでこれが結構勝負になります。19年にはメイショウショウブが2着しています。今年はGⅠ級の逸材と言われたボンドガールが桜花賞とダブル登録する模様。三分の二の抽選に漏れればこちらに回ってきますから人気を集めることになるでしょう。

 

NZT(GⅡ)は6日(土)に行われます。前日の5日(金)には更新を完了します。出走予定馬を把握しきれていないので、出走意図の確認が取れた馬から更新していきます。

 

予想案は各ページの最下部にある専用ページにまとめてあります。ブログカードを貼っておきますのでそちらをご覧ください。

 

エコロブルーム

・促して流しただけで4馬身差も付けた未勝利勝ちの内容は超優秀。鞭も使わずに11.0-11.1の上がりも凄い。GOサインが出てからの反応は抜群に良い。

・スタートも良く、先行ポジションを楽に取れるセンスも好印象。レース振りの印象は総じて良い

 

上記がシンザン記念出走時のカルテ。

 

2着だったシンザン記念はハイペでバテた先行馬を1・3着馬が外から差した追込み競馬。4番手先行と不利な展開から2着した内容は負けて強しで良い。直線ではバテた馬が壁になり追い出しも遅れ、脚も余しているのでスムーズなら勝ち負けもあった。スローの経験しかなかったので、タイトでキツい展開でも力を発揮したのは評価を高くするところ。1・3着馬もその後の重賞で好走していることからこの馬も能力は重賞級。先行力があり、馬群の中で器用に立ち回れるので中山替わりも問題なさそう。輸送が無いのもプラスになるだろう。引き続き高評価としておきたい。デビューより厩舎の評価も高いが、ノーザンF天栄場長の評価が非常に高い事は特記事項としておきたい。

 

エンヤラヴフェイス(アーリントンCと両睨み)

新潟2歳Sは周りに馬がいたことでヤル気を失ってしまったそう。デイリー杯2歳S2着の好走要因は揉まれない8枠発走によるもの。スムーズに立ち回れれば力は出せるが、メンタル面に不安あり。

・タフな流れが向いている。瞬発力や切れ味はないのでラストが加速する上がりの競馬は好ましくなく、ワンペースな流れが向いている。

 

上記がファルコンS出走時のカルテ。

 

ファルコンS8着。馬群が密集したまま直線を向いてきて、進路がなく脚を余した有力馬が多くいたなか、勝ったダノンマッキンリーがそうだったようにスムーズに立ち回れて末脚全開に出来た馬が上位に来たレース。このダノンの2馬身前で外目をスムーズに立ち回れていたこの馬も勝ち筋に乗った競馬をしていたのでこの8着は痛い。伸び脚を欠いたのは力負けとするしかない。直線の肝心なところで加速出来ず、決め手負けを続けている現状は厳しいと言わざるを得ない。マイルもダメで、1800mもだめで、1400mもダメ。もう手を尽くした感じ。条件面から好走の可能性を見出すことが最早出来ない。新馬勝ち以降重賞ばかり5戦もしたが能力不足と判断する頃合いだろう。相手も強かったが、弱い馬にも先着を許している現状は弁解の余地がない。最終的には相手次第としておきたいが、積極的に印回せる馬ではなくなってしまった。

 

オーサムストローク

・2・3番手の先行ポジションを楽に取れたり、未勝利勝ち時は逃げ切りだったり、安定した先行力が魅力。

・折り合いに問題もないので、終いの脚もしっかりと引き出せる。追い出してからグンと加速出来た点も印象の良いところ。

・操縦性も良く、スロぺ・ハイペと流れに左右されずに好走を続けている。

・持ち時計がなく、持続戦を経験していないので強さまで保証する材料は少ない。展開や相手に恵まれて来たという可能性は否定できない。

 

上記が朝日杯FS出走時のカルテ。

 

朝日杯FS14着。特に不利もなく、レースの流れに乗ったポジションから脚を使えず直線反応なし。力負けな印象になる。2・3F目に10秒台が2連発した激流区間を無理に好位に乗せていた感じで追走に余裕も無く、これが堪えた可能性がある。持ち時計も弱く、質の高い持続戦の経験がなかったので、これだけ速い流れに馬が戸惑っていたのかもしれない。経験不足が出た印象。今回はGⅠの厳しい流れを経験したことで馬がどれだけ変われるかというところになる。基本的には良い馬であり、レース巧者で立ち回りが上手いので中山は向くタイプ。全くの軽視までするのは怖く、ペースや相手次第でまだやれる可能性は残されている。しかしながら、厩舎の話では完成度が高く、それを武器にGⅠでもと期待していたとこがあった。そこからさらに成長出来ているかが課題になるが、他馬も成長が進んでいる頃合いで完成度の差は縮まっている可能性もあり、その辺に不安材料があるかもしれない。

 

カズミクラーシ

 

1800mを4戦して凡走なく前走で勝ち上がった。未勝利では常に力上位の内容で3着以下はない。全戦で出遅れているのでその出遅れ分をどう回収するかで着が決まる。位置取りは自然と後方になるので末脚を使って入着してくるのだが、控えて直線勝負だと脚を余して負けてしまい、早めに動いてマクって動くと終いが甘くなり勝ち味に遅い。良い脚は毎度使うが、決めきれるほどの圧倒的な末脚にはなっていない。勝利を収めた前走は中盤にペースが緩んだ区間があり、これをうまく利用して位置を押し上げ出遅れの不利を解消した感じ。直線の叩き合いに持ち込み、突き抜けた。川田騎手の好騎乗で騎手のセンスが勝因と言える。操縦性の良さは全戦で見せており、動かしたいように動いてくれる賢い馬。騎手次第な印象。発馬以外に弱味はない。その前走は1:46.3の好時計決着で後続を離して入線しているので強い内容。これだけ走れれば上のクラスでもそこそこの上位に顔を出すことが出来る。ただ、1Fの短縮は課題になる。追走が忙しくなるマイル戦ではあまり置かれたくないところ。少しでも良いのでマシなスタートを決めたい。器用さはあるので中山マイルのコースには対応は出来ると思う。

 

キャプテンシー

 

デビュー後の3戦を全て2着と走り、現在連勝中の連対率100%。折り合いを付けるのが難しく、逃げ馬になってしまった。前進気勢が強いというか、前の馬を交わそうと一生懸命追いかけてしまう感じ。負けた3戦の中でも気分よく走れていた2戦目の走りが良かったので、逃げ馬になってしまったのも納得出来る。リズム重視で逃げさせたほうがこの馬自身のパフォーマンスは良くなる。また、そのように逃げた前走のジュニアCが好内容。翌日に行われたフェアリーSを1.5秒も上回る好時計で逃げ切ってしまう。1月の中山で1:32.5は超速く、同開催の古馬OPニューイヤーSに0.2秒しか劣らない。速いラップを持続させ後続を疲れさせて逃げ切った勝ち方は強かった。持続性の高いスピード馬の印象もあるが、新馬戦では1800m戦が選択されたように中距離ぐらいをこなす体力は持ち合わせている。スピード一辺倒の短距離馬でもない。速さもスタミナもあるのがこの馬の強味。同型の存在や道中の絡み次第とは思うが、気の強いタイプなのでそれでも怯まない可能性を感じる。クラスが上がったり、古馬になった時にどうかとは思うが、この時期の3歳重賞なら相手が揃う事もないので当面の間は勝ち負けに加わって来そう。

 

クリーンエア

・ビュっと加速出来る。瞬発力は相当高いほう。追い出されるまで待っていられる賢さも印象的。末脚の質感も悪くない。

・不利を受けやすく、騎手がスムーズに導いていたらより濃い内容を記録していたと思われ、新潟2歳Sも2着は合った内容。

・デ杯2歳Sではタフ展開・条件でそれまでのような脚が使えなかった。上がりのかかる展開や持続戦に不安を残した。地力面に問題が出始めている。

 

上記が朝日杯FS出走時のカルテ。

 

朝日杯FSは3着馬と、前走の自己条件(中山マイル)では勝ち馬と、それぞれ併走していたが直線に入るタイミングで突き放されて負けていて、力差が出ている。朝日杯FSは激流を先行していたので仕方ない面もあるが、相手も弱く、ペースも緩かった前走の負け方は厳しい。3着に走った新潟2歳S以降は他馬との力差が出始めていて、パフォーマンスが上がってこない。この馬自身の成長が足りていないのかもしれない。発馬が向上し、立ち回りは良くなっているのだが、レース後半の脚に魅力がなくなりつつある。新馬戦や新潟2歳Sで見せていた末脚が発揮出来ていない。決め手の弱さが目立ってきているので大逃げするぐらいに積極的に運んで粘り込むぐらいしか好走の目がなくなっている。重賞で再び相手が強くなるので、厳しい評価になってしまう。

 

グローリーアテイン(アーリントンCと両睨み)

・ドスローの新馬戦はポジション利で押し切っただけで、中身が薄い。上位人気馬が牽制しあっていたのも功を奏している。

・上がりは最速だったが、ペースを踏まえると物凄い脚を使ったという印象はない。勝ち時計も遅く平凡。

・地力の高さは保証出来ないが悪い点も特に無く、発馬、ポジショニング、折り合い、追っての反応、切れ味などパーツ毎に見れば良い馬ではあった。

 

上記が京成杯出走時のカルテ。

 

京成杯は7馬身差の最下位。レース前から気合が入りすぎていたとのことで、スタンド前から折り合いを欠いている。この状況では位置を取りに動いていけないので終始後方追走で、3角から動かそうにも無反応。レースになっていなかった。レースを経験したことで調教でも行きっぷりが強くなっていたそうで、気性の問題を抱えている模様。1800m→2000mと使っていたが、3走目でマイル(中山)に短縮しているのもこの気性を考慮してのことだろう。このレースでは序盤こそ中団ぐらいで折り合えそうな雰囲気だったが、1F標ぐらいから抑えきれなくなり、前へ。2F標手前ではハナに立ち、そのまま逃げることになった。距離を短縮しても折り合えず、前向きすぎる前進気勢は今後も課題となりそうだ。しかし、距離を短縮したことと、この馬のリズムで行けたことでゴール前では反応して追い比べには持ち込めていた。標準的なペースから12.1-11.6-11.6の失速なしの上がり3Fも悪くなかったと思う。この気性でこれだけ走れればマイルの距離は向いている。気性の問題が解決するまでこの路線を行くべきで、安定勢力として活躍出来そう。ただ、0.2秒差3着と言う結果からやはりもう少しリラックス出来ればとは思う。力んで走っていた区間が長かった分、差された感じは強い。折り合いさえつけばいつでも勝ち負けと言う感じはある。戸崎騎手曰く、重賞級の感触までは無かったと話していたが、暴走せずに走れれば2・3着にはこれそうな感じはあった。

 

トミノキラリ

・1200m~1400mを3戦して2勝2着1回。ここまでは短距離馬として成功しているが、対戦成績やレース内容、走破時計からGⅠで評価出来るような材料がない。

・スピード色は強いが、最後の失速の大きいタイプで、突き抜けるまでの走りは出来ていない。距離延長も歓迎出来る材料ではなさそう。

・末脚で勝負するようになり随分と様になってきた。GOサインから瞬時に加速しており、操縦性は上がっている。

 

上記がファルコンS出走時のカルテ。

 

ファルコンS11着。ハイペースでも各馬が一塊で進み、馬群も崩れなかったため進路を取れずに力を出し切れなかった人気馬は多かった。スムーズに立ち回れた追込み馬と逃げ馬で決まったレースにはフロック性がある。本馬も力を出し切れなかったクチで内にも外にも進路取れず脚を使い切れずに負けている。力負けと言うことは無いと思われ、見直しは必用。ただ、完全なる短距離馬と言いう評価に変化はなかったのでマイルに延長してプラス出来る材料は少ない。朝日杯FSぐらい走れれば通用しても良いと思うし、距離の誤魔化せる中山マイルなら全くダメと言う事はいえないが、ドンと来いと言える条件ではなさそう。現状末脚で勝負していて、距離適性の無い馬が直線だけで飲み込めるほど甘くはないと思う。展開には恵まれたい。また、好走したレースは展開ハマりであったり、時計的価値の薄いものだったりで、地力を高く評価出来る材料は少ないままである。

 

シャインズオンユー(アーリントンCと両睨み)

 

1400m(阪神)・1600m(中山)・1400m(府中)と走り、2・1・4着。これと言った強調材料はないが、未勝利勝ちの時計が同日メインのフェアリーSより0.6速かった点は評価出来そう。34.4-57.2秒のハイペースを3番手追から勝ち切った内容は悪くない。前とは離れて追走し、失速せずに走り、後続の追撃を凌ぐ。このようなワンペースな走りの方が良いようで、次走の1勝特別はスロー逃げして瞬発力勝負で負けている。ギアチェンジの無いタイプのようで、直線での加速が弱いように感じられる。ワンペースに走り雪崩れ込む競馬が今は向いているのだろう。緩急のある展開だと決め手のある馬に交わされてしまうのではないだろうか?展開に左右されそう。また、阪神では外にヨレて、中山ではラチに寄っていきゴール前は追いづらくなっている。府中では最後まで真っすぐ走っているのだが、右回りのゴール前はどこか危うい。この点もちょっと気になる不安材料。

 

スパークリシャール

 

7月にデビューして7戦を消化して2勝。1800mを3戦して全て2着まで。距離を短縮して勝ち上がる。1400~1800mと幅広く経験したが全戦で立ち回りが良く、全て馬券絡みで凡走無し。どの距離でもスタートを決めて2・3番手に行ける先行センスがウリ。折り合いにも問題が見られないので終いまで頑張れる。道悪経験も3度あり、時計のかかる展開でも、持続戦でも、瞬発力勝負でも対応出来る。距離・コース・天候と条件を選ばないオールラウンダーな馬。ラスト1Fに甘くなるところがあるので、勝ち味に遅いところはあるが、概ね良く走れている。マイルは2戦2勝で、ここは勝って同条件。不安材料は少なく、この時期のマイル重賞なら通用しておかしくない馬だと思われる。なお、デムーロ騎手が騎乗して2戦2勝。妙に手があっており、毎度持ったままで先頭に立ち、鞭を抜かずに凌ぎ切っている。この方が乗ると別馬の様にパフォーマンスが良くなる。のだが、どうやら今回はキャプテンシーに騎乗するようで残念。その背にデムーロ騎手がいない事がマイナス材料になりそう。

 

スマートスピア

 

デビッドテソーロ

 

ドリーミングアップ

 

ブライトマン

 

ボンドガール(桜花賞と両睨み)

 

メイショウヨゾラ(自己条件と両睨み)

 

ユキノロイヤル

 

ルージュスエルテ

 

NZT(GⅡ)の予想案はこちら▼