競走馬カルテ

2・3歳重賞の出走馬を分析・記録していくブログです。

フェアリーステークス(GⅢ) 出走馬カルテ

 

こんにちは。

 

有馬記念も終わったばかりの年始の3歳重賞は注目度が低くなりがちですが、そんな中でもフェアリーSの注目度は最も低いものでしょう。かつてはこのレースから出世していく馬もいませんでしたから余計に興味を持ちにくいものでした。でも、近年は活躍馬が目白押しと言う感じになっていますね。17年2着アエロリットがNHKマイルC優勝、20年1着スマイルカナが桜花賞3着、21年1着ファインルージュが桜花賞秋華賞で入着、そして昨年は勝ち馬がエリザベス女王杯2着、2着馬が二冠馬となりました。マークの薄いファンタジーS組が同年のGⅠで確かな成績を納めるようになっています。私たちも今までの態度を改めなければなりません。GⅠ戦線に直結するレースである事を肝に銘じて予想していく必要がありますね。

 

それにしても今年は参りました。登録で25頭もいて出走が確定していたのは3頭に過ぎませんでした。ほとんどの馬が抽選対象だったので準備の進め方に私は非常に苦労しました。抽選後に準備をしたら絶対間に合わないので取り合えず15頭の分析をしておいたんですけどこのうち8頭も除外となりました。この徒労感は痛すぎます。レースまで3日しかないのに半数以上の分析がこれからです。年明けからしんどいサイト運営になりました。

 

ファンタジーSは9日(月)に行われます。カルテの更新は8日(日)に終了します(たぶん)。いつもなら更新順はアイウエオ順ですが、今回は出走確定馬→過去に重賞競走に出走していた馬→新馬勝ちした馬→その他と言う順序で準備していました。なので、今回は準備が出来ているものから順に更新していく事にします。

 

予想案はページの最下部にある専用ページにまとめてあります。ブログカードを貼っておきますのでそちらをご覧ください。

 

キタウイング

新馬戦も後方からとなり、未勝利勝ちのレースも発馬は五分だったが出たなりで追走したら最後方だった。生来的に前進気勢の弱い馬なのであろう。

・追えば追うほど伸びる馬で使える脚は長い。稍重でも33.4秒とキレている。ここまでの2戦も脚力上位の内容で末脚の確実性は高い。

新潟2歳Sの出走馬の質やレース内容に物足りなさはあったが、上がりの競馬を最後方から差し切ったレース振りは良かった。やはり末脚はしっかりと使ってくる。

 

上記が阪神JF出走時のカルテ。

 

阪神JF14着。好スタートを決めインポケットの3・4番手。位置取りは最高。常に出遅れる馬で後方マイポジな馬だったが、ゲート、ポジショニングなど序盤の立ち回りが大幅に改善された。馬の成長もあったのだろうが、これは大きな収穫である。折り合い面はもともと不安のない馬であったが、先行ポジションで運んでも折り合いを欠くようなシーンはなく、流れに乗ってレースをする事が出来た。レース振りは良くなったと言える。ただ、惜しむらくはその流れがハイペースであったこと。先行策が裏目にでた。阪神JFはインから追い込んでくる馬が有利なレースだったので、新潟2歳Sの様な後方追走からインを突けていたら逆に好走出来たのかもしれない。しかし、それにしてもラスト1Fはぱったりと止まっていて最後は無反応のまま着をどんどん落としていった。直線の失速は不自然な印象を受ける。レース前の厩舎は坂コースが初めてなこと、多頭数が初めてなことなどやってみないと分からない点を不安材料としていた。多頭数はこなしたが、坂コースはこなせなかったと見る事は出来そうだ。阪神の坂はラスト200mから上がり始めるコースで、この馬が止まった点と合致する。坂を苦にした可能性は高いと思う。だとすると、フェアリーSは中山なので再び坂コースとなる。立ち回りが良くなったこと、相手関係が楽になることなどフェアリーSは面白いと思っていたが、坂を攻略できるかが鍵となりそうだ。厩舎の評価ではまだ成長の余地を大きく残しているとのこと。実際、馬体は小さく、夏から目立った成長はない。本格化は先の可能性はあり、早熟馬という事ではないと思う。

 

ミシシッピテソーロ

スタートダッシュは弱いので中位、後方で折り合って進む。2勝したレースは減速ナシ、加速ラップといずれも前が止まらない展開をねじ伏せている。末脚性能は良い。

・気性面に難は感じず、目立った悪癖はスタートぐらい。それを補う末脚もあるので現状は欠点はない。

アルテミスSは上がりの競馬で決め手負け。33秒台の末脚は使える馬だと思っていたがいつもと同じぐらい末脚しか引き出せなかった。上がりの速さには限界があるのかもしれない。

 

上記が阪神JF出走時のカルテ。

 

阪神JF5着。16番人気の大激走だった。レースはいつものように中位後ろ、もしくは後位前という10番手。リバティアイランドの直ぐ後ろを終始回ってくる事が出来た。直線に向いてからもリバティの追い出しに併せてこちらも進出開始。一端はリバティとワンツーしそうな勢いであったがインを立ち回った馬にすくわれて、3着ドゥアイズにも差し返されてしまった。しかし、イン差しが目立ったレースを外を回っての内容なら褒められて良い結果だと思う。GⅠ初騎乗だった原騎手も好騎乗だった。好走の要因は2つ考えられる。1つはリバティを目標にスムーズに回って来れたこと。リバティに引っ張られるようにレースが出来たのでこの馬のパフォーマンスも上がってしまった感がある。2つめはハイペースだったので上がりがかかる展開になったこと。アルテミスSの様なラスト3Fの瞬発力勝負は上がりの速さに限界があるこの馬には向かない。が、1・2戦目で最速上がりを駆使し2連勝していたように末脚自体は使える馬。速い上がりが求められないレースでパフォーマンスを上げたと見る事が出来る。だとすると、フェアリーSが行われる1月の中山はこの馬に向いてる条件。厳冬期の中山の芝は上がりがかかり33秒台の末脚はまず必要ない。この馬の末脚性能にはフィットしていると思われる。立ち回りはいつも上手いのでトリッキーな中山マイルも悪くなさそう。ここは重賞勝ちのチャンスかもしれない。関西遠征で14kも減っていたので、地元開催で馬体が回復すれば上積みがある。

 

メイクアスナッチ

 

札幌1200m→府中1400mを連勝中。短距離の無敗馬。とは言え、6F戦の新馬は36.1秒、7F戦の2戦目は36.9秒とどちらもマイル戦並みの低速戦。スピードが全面に出ていたレースではないから距離延長にも対応出来そうな感じはある。少なくともマイルの流れに戸惑うことはないだろう。1F延長した前走でもパフォーマンスは上がっていたし、マイルも守備範囲であるように思う。スタートセンスがあり初戦が2番手、2戦目が逃げ切りと安定した先行力がウリである。ただ、逃げた前走を見ると馬がヤル気になってしまった感じ。折り合いを欠くか欠かないかのギリギリのところだったように見えたのでもう逃げない方がいいと思う。2勝ともスロー競馬だったので時計的な価値はないから地力の高さは測りきれない。また、目立ったパフォーマンスでもないのでスケール感も感じない。悪い馬でなさそうだが普通の馬の可能性もある。しかし、今回のメンバーなら足りていると思うので取捨は慎重に。

 

アンタノバラード

・すんなりと先行していけるセンスはあるし、折り合いもつくタイプ。

・操縦性が高いので乗り方に注文を突くようには思えず、動きたい時にちゃんと動いていける。

・1800mを2戦して好走止まり。マイルに短縮して勝ち上がる。マイル戦では初めて最速上がりを記録。1800mで使えなかった脚をマイルで使えた事が距離適性の高さ。

・加速ラップのラスト3Fを外から差し切った内容は強く、地力でねじ伏せた未勝利勝ちの内容は良い。

 

上記が京王杯2歳S出走時のカルテ。

 

10着だった京王杯2歳Sは不可解なレース。好スタートを決め良い位置取りを取れそうだったがポジションに固執せず馬なりのまま追走して後方待機。直線を向くまで動くこともなくそのままのポジションで4コーナーを回った。直線勝負と思いきや大して追う事も無く、鞭を使う事もない。ただ流して入線しただけ。ヤル気をまるで感じさせないレース振りで強い違和感を感じる。どういう意図かは知らないがこれは使っただけだろう。度外視すべきレースだと思う。今回は強い内容で勝ち上がった中山のマイル戦。この時ぐらいに走れれば通用して不思議ない馬だと思う。本来は動きたい時に動ける操縦性の高い馬。距離もマイルぐらいが一番良いし、この距離なら脚もしっかりと使える。時計のかかる厳冬期の中山も向いているだろう。前走の敗因次第ではあるが入着があっても驚けない。もっと良い馬であるはず。

 

エナジーチャイム

・7月の新潟の1600mで新馬勝ち。マイペースのタメ逃げで程よい前進気勢で上手く折り合えていた。33.7秒で上がれているので脚もあるのだろう。

・着差がわずかだったり、逃げ切りだったりと見た目ではわかりづらいがかなり強い競馬だったと思われる。

・素質馬と言う事で良いが、デビュー前はテンションが高いところがあると慎重に調整されていた経緯もあるので当日の気配は確認した方が良い。

 

上記が京王杯2歳S出走時のカルテ。

 

京王杯2歳Sは実質的に最後方からレースを運ぶことになった。新馬戦を逃げ切りした馬の位置取りとは思えない。デビュー前から気性がキツめに出ていて懸念されていたが、1度使った事でさらに気性面の難しさが大きくなっていたという。スタート自体も良くなかったので、出たなりで後方に下がり直線勝負に徹していた。ルメール騎手の舵取りからも折り合い重視の競馬だったと見てよさそうだ。出していくと御せなくなる可能性があったのだろうと思う。不甲斐ない結果であったがこの時はしょうがなかったのかもしれない。しかし、素質馬の片鱗はしっかりと見せた。馬群を切り分けながら直線で差を詰める。33.3秒の末脚は最速上がりだった。0.5秒差の8着でそれほど負けていたわけではない。このレースはイン前バイアスが強く働いていたので、結局位置取りの分だけ負けたということ。ポジションを取れていたら上位入線は十分考えられた。今回もそう言う競馬が出来るかどうかだろう。もしくは、後方追走からでも展開ドハマりならなくはない。フェアリーSは大外強襲が珍しくないので前走みたいな競馬でも出番はあるかもしれない。結局は当日のテンション次第だが、前からでも後ろからでもどちらでも良いと思う。暴走を押さえられるなら入着の可能性は十分にある。2ケ月の間隔があるので気性の改善があると良いと思う。

 

スピードオブライト

新馬戦(中山1200M)で負けした2着馬も、3着馬も次走で勝ちあがっているレベルの高い1戦を勝ち上がる。手応えばっちりで直線を迎え、もったままで抜け出し完勝した内容は良い。

・ラスト4Fが加速ラップとなっているので高い持続性能を見せた。これなら1F程度の延長はこなせて良いと思う。

 

上記が京王杯2歳S出走時のカルテ。

 

京王杯2歳Sの3着馬。好時計決着のレースを先行しての結果だから内容的に悪いはずがない。1・2着馬は内枠からロス無く立ち回った組であり、この馬は8枠16番からとてもうまく乗っていたと思う。枠が違えば結果もまた違うものとなっていたかもしれない。外からし一気に2番手を取りに行った二の脚は速く、外枠の不利を最小限に留めた石川騎手のファインプレー。本馬は中山1200mの新馬戦も同様の立ち回りで勝利しており、重賞のレベルが上がった1戦でも同じようなパフォーマンスを発揮出来たのは素晴らしい。距離延長もこなしての話なので前走から評価は高くなった。スピードの持続力は重賞級の評価で間違いがない。マイル戦は緩急のある流れになる事もあるが、その際は自らレースを動かすことも出来る脚質なので自分の競馬に徹する事も出来るだろう。今回も通用して不思議ない馬だと思う。なお、京王杯2歳Sの1・2着馬は朝日杯FSで7着、16着といずれも大敗しているが、オオバンブルマイもフロムダスクも出遅れて後方追走の競馬だった。京王杯2歳Sとは真逆のポジションの競馬となり、力を出し切って負けたとは思えない。この2頭のGⅠ成績を理由に京王杯2歳S組の評価を下げるのはよした方が良い。

 

ディナトセレーネ

・ここまでの2戦はわりと良いペースで流れていて、それにしっかりと対応出来ていた。標準の力は持っているだろう。

・目立ったパフォーマンスがあった訳ではないので強調材料は特にない。

・不良馬場で勝ち上がったので体力面には不安がなさそう。タフな条件になれば浮上してくることもあるのでは?

 

上記がアルテミスS出走時のカルテ。

 

アルテミスS6着。逃げたアリスヴェリテがハナに立つまで先頭だったのが本馬。交わされてから2番手をキープして直線を向く。これが3戦目だったが近2走はレース振りが安定してきた。ラチ沿いから進んでいたので直線入り口で包まれてしまい追いづらいシーン。追い出してからは失速せずにジワジワと脚を伸ばしていたが決め手のある馬に負けてしまった。ヨーイドンの競馬には向かない感じで脚を使い切れなかった印象。それで0.4秒差なら悲観するほどではない。いち早く抜け出せていればもっと走れていた可能性は高いと思われる。スムーズな立ち回りが出来ればやれるのではないか?未勝利勝ちした中山マイルに戻るのも良い材料。不利なく脚を使い切れれば入着の可能性はある馬だと思う。

 

ディヴァージオン

 

12月の中山2000mで新馬勝ち。大外枠からダッシュがついて、ロス無く3番手のポジションが取れた。コーナリングで5・6番手まで下がるが先行集団の一角としてレースを進める。中間に13秒台が4連発したスロー戦。3~4角から徐々に進出するが加速がついていたという感じはなく、機動力があるようには見えない。ペースを考えると持ったままで上がって来てほしかった。結局、マクり切れなかったので直線に入る前から手を動かしてなんとか先頭を奪った感じ。勝負所での手応えにあまり良い印象を受けない。直線ではいち早く抜け出していたが、ペースを考えればそのまま突き抜けて圧勝という流れになるところだが、それも出来ず後続に詰められてしまいアタマ差の辛勝。走破時計2:05.0が物語るように全体的に物足りない。クセのない乗りやすそうな感じはあり立ち回りそのものは上手いが、決め手が問われてくる上級クラスでは慣れが必要な感じがする。現状は高評価と言う訳にはいかない。2戦目で大きな変わり身が求められる。

 

ヒップホップソウル

 

中山1600mを新馬勝ち。39.3-64.1の超スローで先行していた1・2・4番手の馬が2~3着。こんなレースで本馬は出遅れてしまい最後方からのレースとなった。2F目を通過したぐらいから徐々に動き始めて、ラスト800mぐらいから一気に3番手まで押し上げてきた。動きたい時に動ける自在性は目を引いた。ペースが遅かったので自分の走りをしたら番手が上がったという感じで高い推進力が備わった走りをする。走りの質が他馬とは違っていた。3番手を取ってからは前の2頭を可愛がる余裕を見せて3馬身ぐらいまた離されるのだが、それも直線入り口で簡単に詰めてしまう。直線突き抜けて4馬身差の圧勝は圧倒的な力差の表れ。坂を上ってからは手綱を押さえる余裕を見せていた。出負けしたことや、終始外目追走のレースだったのでさらに評価を高く出来る。稍重の上、超低速戦のため勝ち時計は1:38.6だったが、次戦の府中マイルのベコニア賞で3.9秒時計を詰めている。スピード能力にも特に問題はない。このレースは2着に負けたが、逃げ切りした勝ち馬と2番手だった本馬とのマッチレースで内容は濃い。クビだけ負けたが通ったコースの差とか、松山騎手と戸崎騎手の腕の差とかの些細な敗因しかないと思う。悲観する内容ではない。それよりも36.1秒-60.7秒のペースを先行して33.8秒で上がれた事を評価しておきたい。今回は機動力を発揮して勝ち上がった中山マイルに戻る。レースはしやすくなりそうで有力候補になる。

 

ブルーイングリーン

 

府中1400mを新馬勝ち。15番人気の勝利で単勝は1万6千円を超えていた。3F通過が35.7秒と遅い流れを単独の3番手で追走出て来ていた展開面、Bコース変わり週の馬場でラチ沿いを進める事が出来たこと、2k軽い減量騎手器用の斤量面、上位人気馬の不発などいろいろと噛み合たことが勝因と考えられる。好発進から楽に先行ポジションを取れていた立ち回りや、折り合いを欠くことなく平常心が保てていた精神面など良い走りをしていたのでこの馬自身が頑張ったというのも言えるのだが、展開面や進路取りの有利さからすればもっと突き抜けていて良いレースでもあった。アタマ差まで詰められた辛勝だったし、このペースから使えた34.7秒の末脚も甘い。最高に恵まれたらこうなったという感じでやはり全体的に物足りない。強調材料は特に無く、15番人気だったことを真摯に受け止めるべきだろう。

 

イコノスタシス

 

31.4秒の切れ味で話題になったリバティアイランドの新馬戦で2位上がりを記録したのがこの馬。リバティと変わらない位置取りから追い出したが瞬発力に大きな差があったのは否めない。出遅れが響いていたのでこの時は4着までだった。姉に昨年のフィリーズrvを勝ったサブライムアンセムがいるのでサンデーRの期待も当初より高い。福永→ルメールルメール→レーンと常に鞍上にはトップジョッキーを配置してきたのがその現れ。そんな馬が勝ち上がるのに4戦も要してしまったのは2・3戦目で1800mを使っていたからだろう。この2戦のレースを見ると如何にも距離が長いという負け方をしている。姉のサブライムも1400ベストでマイル守備範囲と言う馬なので中長距離以上でパフォーマンスが低下したというのが実情だと思われる。そして、前走でマイルに戻り楽に勝った。このレース内容が割と良い。最内枠からハナを切り、タイトなラップを刻んで後続を疲弊させるペースで逃げ切った。直線で追い出されてからは後続はついてこれずに差が開き、鞍上レーン騎手がラスト100mで追うのを止めてしまったほどの楽勝。やはりこのぐらいの距離が良いのだろう。新馬戦では究極レベルの瞬発戦に対応、2・3戦目には道悪競馬をそれなりにこなし、前走は持続戦で強い競馬。様々なレース内容を経験し結果も出ている。ここまでの平均点は結構高い。1勝馬同士なら力は上の方だろう。ここも十分通用する。なお、4戦中馬券になった2戦が逃げで、圏外になった2戦がスタートで失敗。ゲートに関しては良いのか悪いのか良く分からない。スタートが決まる時は本当に良いスタートをするので基本的には大丈夫だと思うが安定したスタートはまだ保証しかねる。

 

ブラウンウェーブ

 

新潟1400mの新馬戦を15番人気で勝った。単勝は9,450円だった。ただ、そんな弱い馬の様には思えない。1・2・4番手を行っていた馬が2・3・4着しているように前残りの展開だったはずで、それを先行集団の後ろから差し切っているのだから内容的には悪くない。2k減の横山琉騎手が騎乗していたので斤量的な恩恵はあったが恵まれたのはそのぐらい。評価を下に見積もる理由は思いつかない。2戦目の福島2歳Sが7着と馬脚を露したように着を下げたがそれは違う。これはスタートで失敗し、ゴチャつき、後方からの競馬を余技なくされたから。直線では器用に内をすくって脚を伸ばしていた。このレースは34.7秒の上がりを使った馬が3頭いてこれが最速上がりなのだが、本馬は34.8秒とこれらと変わらない末脚は使えている。新馬戦でも2位上がりを使っていたし、現状は脚も使えている。やはりそう悪い馬とは思えないのだが。また、定量戦でもそれなりに走れた点でも2戦目の収穫は大きい。地味なプロフィールから印象は高くならないが弱い馬と断定出来るような馬ではないと思う。距離に関しても1400mから短縮した1200mの前走が忙しかった印象を受けるので短縮するよりは良いと思う。2戦とも時計のかかるレースだったのでスピード要素に強調点はなく、高速馬場では心許ないとこだが1月の中山ならそれで構わない。1勝馬同士なら変な競馬にはならないのではないだろうか?強気に推奨する気は全然ないが極穴でいいなら面白いかもなぁとちょっと思う。

 

マイレーヌ

 

勝ち上がるのに5戦を要した。負けても4着まででほぼ馬券圏は確保して来た。が、負かされた相手が強かったということはなく、それらの馬の大体が上のクラスで成績を下降させて良い所がない。この馬の場合は順番待ちで勝ち上がれた感じであり、馬が力をつけて未勝利を脱出して来たのではないと思う。大きく崩れてはいないようにレースは上手い。先行力が安定している馬で近3走は逃げている。ペースの割に終いに使える脚がない。そんな脚しかないの?と言う負け方が目立っているので決め手を繰り出せる馬ではないのだろう。そう言う所が勝ちあがれなかった要因で地力に劣ると言わざるを得ない。その割に昇級戦の白菊賞3着は良く走た。このレースはまぁまぁ速いペースで逃げて、ラストは消耗戦になっているのだがこれがこの馬の好走パターンだと思われる。未勝利勝ちしたレースも速いペースで失速率の大きい内容だった。後続を疲弊させて体力勝負に持ち込んでいた。最後の1Fは未勝利勝ちが1.4秒、白菊賞が1.1秒も失速していた。決め手の無い馬がこういうレースでパフォ―マンスが上がるのは自然な流れ。スローの上がりの競馬ではまず負けるだろうが、きつめのペースを自ら刻んで後続も潰すようなレースで良い。捨て身の肉切骨断の戦法が向いている。行ってどこまでの競馬をするしか浮上の目はないだろう。この馬がそう言うレースを演出する事が出来たらフェアリーS自体が厳しいレースとなる。だとするとマギレは生じにくくなるので、地力の高い馬から選んでいくのが良いだろう。その中に本馬を含めるかは難しいところだが。

 

ミタマ

 

4戦目の前走で勝ち上がった。1400m~1800mの範囲を走り、全戦で0.2秒差以内に駆けている。2戦目まではフラフラしていたり、出遅れたりでスムーズさを欠くシーンが目立ったが、3・4戦目の近走はレースの流れに乗って競馬が出来るようになっている。どうも決め手が甘く僅差負けの要因はこういう所にあるのだろう。前走も勝つには勝ったがインをソツなく回ってロス無しの競馬が出来た事が大きい。抜け出してからはやはり甘くなっており後続の追撃をギリギリ凌いだという感じ。いつもいい手応えで直線に入ってくるのだが伸び脚は案外。ラストに強力な脚を駆使する事が出来ない。現状は立ち回りで勝負して紛れ込む競馬しか期待出来そうにない。地力でねじ伏せるようなレースは出来ていないので、枠や展開に恵まれた方が良いだろう。ただ、この陣営はシンザン記念にも登録していた程で、休み明けのこのタイミングで重賞に出走する意図は大きかったようだ。厩舎内では重賞にチャレンジさせたい程の評価があるのかもしれない。成長途上でまだ動ききれていない可能性は確かにあるので、約2ケ月空いていたことで馬が変わっていることも。中間の調整具合はチェックしておきたい。今回の評価はそれからで良い。

 

リックスター

 

府中1600mで新馬勝ち。五分のスタートから二の脚が利いて2番手で運ぶ。新馬戦なのでペースや時計が遅いのは仕方ないが、番手から抜け出しただけの内容に目立った強調材料はなかった。11.3-11.4-11.3とほぼイーブンなラスト3Fもペースを考慮すれば少々物足りない。強い馬が1頭いたり、レールレベルが高ければ、このペースならどこかで10秒台が記録されるもの。スローならスローなりに良いところはあるものだ。本馬もワンペースから雪崩れ込んだだけという内容で、さらにギアが上がる感じはなかった。勝ったことはエライが評価を高く出来るようなものはない。また、1番人気だった2着馬と2番人気だった4着馬はその後数戦を済ましているが好走止まりで勝ち切れていない。相手にも恵まれていた感がある。パフォーマンス的には至って普通のもの。今回は相手なりな評価が妥当であろう。ただ、これは10月中旬のレースで前走後にしっかりと間を空けている。この中間の成長次第で評価を上げられる材料は出てくるかもしれない。レース振りに変なクセは無く、目立った弱点もないので馬が良くなっているようならその時は注意したい。

 

チハヤ(地方馬)

 

地方競馬のラップは読めないので一概に言えないが、1400mをマイル並みの時計で駆けるのが精一杯と言う感じ。フェアリーSをダートでやっても厳しいのではないか?2勝馬ではあるが現地の強い所が集まった前走のOP戦では圧倒的に負けている。この前走ではそれまでの4戦で手綱を取っていた森泰斗騎手が別な馬に騎乗していた。つまりそう言う馬なのだろう。オグリキャップライデンリーダーの様な特別な馬がやって来たという事ではなさそうだ。ダッシュがつかない馬のようでいつも後方から競馬をしている。実は芝馬でしたと言う事でもない限り後方儘尽だと思う。

 

フェアリーS(GⅢ)の予想案はこちら▼