競走馬カルテ

2・3歳重賞の出走馬を分析・記録していくブログです。

シンザン記念(GⅢ) 出走馬カルテ 2024【修正あり】

 

こんにちは。

 

フェアリーSほどではないですが、このシンザン記念も堅く収まらない重賞です。中京で行われた近3年分も含んでの事ですが、1番人気の入着は18年1着アーモンドアイが最後で現在5年連続圏外を継続中。また、7番人気以下の伏兵もこの10年で7度(2勝2着4回3着1回)と結構な割合で来ています。中波乱傾向のあるやや難重賞です。だから、馬連配当も結構つくんですよね。3桁配当は10年前と昨年の2年だけ。アーモンドアイが勝った時でさえ、2620円もついています。

 

伏兵で入着した7頭中、中京開催で来たのは3着に1度だけ。激走したのはほとんどが京都の時で、しかも全て連対していますから、京都に戻る今年からまた難度が高くなるのかもしれません。こちらの重賞も馬連要注意になります。

 

なお、中京開催だった近3年では毎年前走1400mの距離延長組が連対しましたが、京都で行われた14~20年の7年間では前走1400mからの入着馬はなく、16年3着シゲルノコギリザメが前走1200m(500万条件勝ち)から参戦していただけです。京都に戻る事で距離延長組の好走可能性が低くなるケースは考えられるでしょう。同距離組、距離短縮組を中心と考えて良いかもしれません。

 

シンザン記念は8日(月)に行われます。前日の7日(日)には更新を完了します。

 

予想案は各ページの最下部にある専用ページにまとめてあります。ブログカードを貼っておきますのでそちらをご覧ください。

 

▼文章が別馬のものになっていましたので、修正しています。

ケーブパール

 

京都1400mで新馬勝ち。新馬戦にしてはテン、ナカ速く、ペースが速い。序盤から出たなりの競馬をして後方追走だったこの馬に展開は向いていた。人気を背負った馬が先行して失速したところで追い込みが決まった。ペースは速いと言っても勝ち時計は標準よりやや遅いぐらいで、展開ハマりで勝った馬の評価を補填するような材料がない。2ケ月経過して次戦を済ませた馬は多いが、ほとんどが負けており、下位入線馬が砂で1頭勝ち上がっただけ。相手も恵まれた印象。なので、次戦の白菊賞で伸びを欠き負けている。スローの前残りした馬を交わせ無かったのはまだしも、さらに後方の馬に交わされてしまったのはいただけず、それなりの脚は使ったが末脚は際立たない。控える競馬で後半に脚を使う事には長けているようだが、レースなりな脚しか使えず、態勢を覆すような脚は使えていない。この馬以上の脚を使える馬は少なくないと思う。展開が味方にした上で、相手次第という感じ。特別な事情があれば考慮もするし、この中間に大きな成長でもあれば見直しもするが、それが無ければ強調する様な馬には感じなかった。

 

アルトゥーム

 

12月の中京1400mで新馬勝ち。3F36.6秒通過でマイル戦でもスローに入る遅い流れで勝ち時計も遅い。最後は上位2頭の物凄い死闘。ラスト3Fは11.9-11.2-10.9の猛烈な加速ラップ。ラスト1Fで10秒台のラップはほとんど見る事のないキレ味。3着以下とは快速と各駅ぐらいの見た目の違いで、突き放される一方だった。使った上がり33.4秒はインパクトのあるものではないが、ラスト2Fぐらいから見せたキレ味は極上だった。スロー展開だったので、タイトなペースの時にこのようなキレ味を発揮出来るかは分からないが、切れ味鋭い瞬発力は目を引いた。そういう展開になるなら面白い存在になる。レース中は中団で流れに乗れていたが、気合をつけながらと言う感じで前進気勢の強さは感じない。1F延長で苦労するようには思えない。ペースもマイル戦並みのものだったので、今回もレースの流れには普通に乗って来ると思う。さすがにこの新馬戦程のスローにはならないと思うので、ペースが上がった際に置かれずについて行くことや、脚を溜められるかが課題になる。

 

ウォーターリヒト

 

4走目の前走で勝ち上がり。全戦で2000mに出走している。2・3走目で4k減を器用して早期の勝ち上がりを目論んだようだがそれが裏目に出た感じ。幸騎手に変った途端にすぐ勝てた。3走目までは控えすぎて負けていたが、勝ち上がった前走はペースが緩んだ区間で位置取りを押し上げ、勝負処では逃げ馬に並びかけ抜け出し、叩き合いを凌いで勝利している。負けていた頃も直線で差を詰める末脚は使えていた。脚を余して負けていただけで、乗り方次第でもっと早く勝てていただろう。序盤に位置を取れるようなレースセンスはないが、流れに合わせて位置取りを調整出来る自在性があるのでレースの流れには乗れる馬。ただ、それも中距離での話。テンが速くなるマイル戦だとこの馬には忙しい印象。また、ここまでは前半より後半に時計がかかるレースが多く、消耗戦の経験ばかり。序盤のスピードがラストまで持続するマイル戦で末脚を繰り出せるだろうか?持ち時計も無いので速力不足の印象もある。マイルを走って良さが出るようにはちょっと思えない。

 

エコロブルーム

 

きさらぎ賞勝ちなどOP3勝のラーゴムの下になる。10月デビューで府中マイルを2戦して3・1着。初戦は重馬場、2走目はスローのため持ち時計に見るべき所はないが、軽く促して、追われることなく勝っており、本気で追えばもっと時計は詰められていたと思う。この勝ち方からまだまだ上がありそうな感じはするる。鞭も使わずに11.0-11.1で走った上がりも優秀。4馬身差で未勝利クラスでは力が全然違っていた。初戦も直線で進路が無く、追い出しが遅れた分負けたが、その際も瞬時に加速して前を追っており、GOサインが出てからの反応は抜群に速い。スタートも良く、先行ポジションを楽に取れるセンスも好印象。レースから受ける印象は総じて良い。相手次第で勝ち負けが期待出来そうな良い馬。京都までの輸送に問題が無ければ上位に顔を出して来そう。

 

キャプテンシー【除外】

 

GⅠ馬アドマイヤリードの2番仔。4戦目の前走で勝ちあがったが連対率100%を維持している。新馬戦は札幌1800mを使われ2番手で進めるも、1角手前から2角過ぎまで折り合いを欠いていた。13秒台の連続ラップに堪えかねていた感じ。手応え良く最終コーナーで逃げ馬に並びかけたが、4馬身と突き放されて力負け。このレースを見ると心身ともに中距離が長い印象。以降は1500m、1600mとマイル中心に使われていく。この距離だと他も速いので差しポジションで折り合える。負けても新馬戦程の着差はなく、接戦に持ち込めている。マイル適性があるのは確かだろう。ただ、前進気勢が強い割にスタートがもっさりしていて3走目はそれで負けた感じ。序盤から促して先行ポジションを獲る必要がある。先行しても終いの脚はしっかりと使える(全戦で上位上がりを記録)ので、先行ポジションをちゃんと取ることが重要そう。阪神マイルの前走の勝ち時計は優秀で翌週行われた朝日杯FSと全くの同タイム(1:33.8)。これを逃げて記録しているのだから大したものである。タイトなペースで逃げて、ラスト3F区間に10秒台まで加速したのはエラく、凄い。スピードを持続させる力と、瞬発力の両方を兼備する良い馬。まだ目を引くような圧倒的なパフォーマンスはないが、ポテンシャルは随所に感じられるので重賞に入ってもそこそこ通用しそうな印象は受ける。

 

シトラール

 

ルージュバック、ポタジェと言ったGⅠ級兄弟の下になる。6月の府中開催にルメール騎手鞍上でデビューしているようにノーザンF系の素質馬の扱いを受けている。2戦目までは1800mを使っていたが善戦止まりだった。いずれも直線の叩き合いに持ち込んでいるが、脚が上がるのはいつもこの馬の方。距離が長いようで最後は毎度甘くなる。よって、3走目の前走でマイルに短縮して勝ち上がっている。意外だったのはマイルで位置取りが良かったこと。中距離では中団待機だったが、この距離で先行策で走れたのは適性の高さか。最速上がりを記録した末脚は抜けて素晴らしいものではなかったが、まぁまぁのペースを先行して33.5秒なら悪くない。追い出しが遅れたというのもあり、2・3着馬も弱くなかったので圧勝までは出来ていないが、包まれていた際も持ったままで待機出来ていたし、余力は感じられ、鞭を抜かずに交わせたレース内容は悪くなかった。時計、着差やレースの見た目も地味だったが、まだ上がありそうな感じは残しており、マイル慣れすればパフォ向上の余地はありそう。抜けた評価までは出来ないが、候補には入れた方が良いと思われる。

 

ショーマンフリート

 

9月の中山マイルを新馬勝ち。速い馬が数頭いたことと、外枠だったことで位置取り争いで少し遅れて中団ぐらいになりそうと思えた。ここで画像から漏れたのでどのように動いたかが分からないのだが、次にこの馬が画像に映った際には2番手の馬に並びかけていた。どうやって来たの?という感じ。このワープからすると相当速い二の脚を持っている。2F目以降も速かったので逃げ馬と距離を取った3番手を追走。道中はモレイラ騎手の手綱はピクリとも動かない。自然とスピードに乗れる推進力ある走りは見た目にほも惚れ惚れする。勝負処からも持ったままで先頭に並びかけ、前の馬を交わす際に手綱を激しく動かしたが、鞭まで抜く事はなかった。坂を登ってからは手綱を押さえて流し気味の入線。2馬身半差で楽勝だった。しかも、ラスト2Fは11.6-10.9の加速ラップだから凄い。これだけ速いラップを楽に叩き出せるのだからスピード能力が段違いである。中間に少々緩んだが、テン、終いに10秒台を2度も含むレース。緩急の大きい展開にも対応出来ているのは良く、折り合い面は全く問題がないし、コントロール性もある証拠。新馬戦の内容からつける注文はない。坂を登る時に手綱を動かしていたのが気になったが、直線平坦の京都なら心配も無用。余力を残して勝っているので時計も詰まるはず。上位の一角だろう。

 

ゼルトザーム

・函ダ1000mを新馬勝ち。1000mをほぼ全力疾走したようなレースだったが追えばもっと伸びそうなところもあり、距離が伸びても大丈夫そう。

ヘニーヒューズ産駒なので芝を如何に効力するかが鍵になるのだろう。

函館2歳S勝ちは最終週の力のいる馬場がこの馬に向いており、重馬場だったコンディションもプラスだった。にも関わらず、芝のペースについて行けず置かれ気味。

・ダート戦で見せたような機動力もなく、全体的にスピードの乗りも悪い。厩舎の認識もダート馬で芝適性は見込めない。

 

上記が京王杯2歳S出走時のカルテ。

 

ブービー11着だった京王杯2歳Sを見ると高速馬場は全くダメ。スタートが良く、序盤こそ好位をとったがそのポジションをキープする事が出来ず、レースが進むにつれ番手は下がっていく。気合をつけてキープしようにもスピードに乗っていく感じがなかった。直線も同じようなもので入れらた鞭も虚しい。加速せずに、雪崩れ込んだだけ。函館2歳Sこそ勝ったが、洋芝の道悪がこの馬に向いただけで、厩舎評価もダートでこそ。浜中騎手も良馬場の芝は厳しいという見立て。その後に交流重賞を2戦したようにダートこそこの馬の適性。とは言え、兵庫GJP(1400m)が0.8秒差3着、全日本2歳優駿(1600m)が4.5秒差8着とタイム差を大きくして負けている。勝負処は良く動けていて、立ち回りは良いのだが、直線で伸びを欠く。この負け方は距離だろう。そもそもダ1000mをスピード負けせに勝ったような馬で根が短距離馬なのだと思う。1400mのレースを見ていると1200mぐらいが限界の様に感じる。今回は芝適性以前に距離適性の方が厳しく感じられる。

 

タイキヴァンクール

・1400mの近2走で2・1着と距離短縮してパフォーマンスを上げている。前進気勢のある馬なので1400mの方が向いているように思う。

・10月の復帰時に馬体を大幅に増やし、500kを超えた大型馬に。走りも力強くなり、脚も威力を増している。

・重馬場だった2走前と良馬場だった前走で走破時計がほとんど変らないのは気になる。パワータイプの道悪巧者かもしれない。

 

上記が朝日杯FS出走時のカルテ。

 

朝日杯FSが11着。外差し馬場をイン突きしたので伸びを欠いた感じ。手応え良く、直線を向けていて、勝負処までのレース運びは良かった。上位3頭とは力差を感じるが、外伸びした4着以下とはそう差は無く、タイム差もわずか。通ったコースが違えば着順も違っていた可能性はありそう。前進気勢の強い馬で1400mで走りが良いので、距離延長の重賞挑戦に懐疑的な所があったが、レースでは中団から後方とむしろ置かれていたぐらいで、折り合いを欠いたり、脚が溜められなかったりなどは無く良かった。この走りならマイルでもやれそうで、収穫のある1戦ではあった。GⅠから相手が弱まるなら好走の可能性は上がりそう。ただ、朝日杯FS自体が1勝馬の集まりだったので、相手関係はそう変わらないかもしれない。今回も強気になれるまでの材料はなく、他馬よりロスの無い立ち回りをしてレースを有利に進める必要はあると思う。押さえる価値のある馬とは思うが、主軸での狙いまでは立たない。なお、パワータイプの大型馬なので厩舎からは道悪希望の声が出ていた。天気・馬場次第で評価を調整すると面白いかもしれない。

 

タイセイレスポンス

 

札幌1800mでデビューするも、直線でばったりと止まってしまい、如何にも距離が長いという感じの負け方をしている。以降は距離を縮めて、近2走は1400mを連戦している。中距離の新馬戦でも折り合えていたし、距離短縮してからも走りはスムーズ。気性的な問題点は見られず。また、4走中3走が道悪で、良馬場のレースは前走が始めて。良馬場のタイトな展開にも楽に先行出来、時計もここで十分詰まっている。道悪での走りがとても力強いのでパワータイプの印象も、時計の速い持続戦でも特に問題はなかった。昇級した近2走で勝ち切れていないが、2走前はスロー競馬を出遅れて3着、前走は差し有利の展開で3番手追走で2着と、展開に逆行したレースを強いられており、中身は濃い。展開向けば好走のある馬だと思われる。見た感じ1400mという印象も受けないので1F延長が障害になるとは思えない。ただ、キレ味のあるタイプにも見えないので、決め手勝負になると厳しい印象も。早めの競馬をした際の残り目なら可能性があるかもしれない。

 

テイエムリステット

 

新馬戦で芝を使って全くだめで、砂で3・1着と言う成績。使われながら段々と動けるようになっている。追ってもまるで伸びなかった芝だが、前走の芝スタート部分で二の脚を使えていて、当時とは馬が変っている感じもする。だからもう一度芝を試そうとなったのかもしれない。その可能性にBETするのはリスキーだが、本質的な適性はまだわからないので走られてしまうこともあるのかも。ダート戦に限れば、2戦とも最速の脚を使えていて、重馬場だった2走目に36.4秒とかなり速い脚を使えていて、決め手はある。前走も着差は僅かで辛勝に映るが、狭い所で動けず、こじ開けて抜け出したものなので根性のあるところも見せている。出負け続きだったスタートも前走でまともな発馬が出来て来たので、この馬なりの進化は確認出来て、マイナスなイメージも徐々に減ってきた。今の状態なら新馬戦の様などんくさい競馬にはならないと思われる。消耗戦で強い体力型なので、時計の速い決着に対応出来るかが鍵。

 

デルシエロ

 

1400m~1800mと幅広い範囲で使われている。近2走の1400m戦を見ると、追走は忙しく、エンジン点火に時間を要していて、忙しい印象。また、2走目の1800m戦では手応えの割にグンと来るとこが無く、雪崩れ込んだだけになってしまい、距離が長かった印象。結局、新馬勝ちした1600mが一番フィットしている感じ。位置取りも、追っての反応もこの距離が一番良かった。その時の勝ち時計も良く、0.1秒差の接戦で降した2着馬も次戦で勝ち上がっている。この距離で走れば、1勝馬同士なら差のない走りが期待出来そう。ただ、確実に出遅れる馬でスタートは安定して悪い。抜けた存在ではないので、スタートのロスは小さくなく、同等の相手と走ればその分だけ隙になる。4着以下の無い成績でいつもそこそこ走れているが、出負けの分だけ落としているレースもあるので、積極的に買える馬ではない。また、400k台を何とかキープしている小柄な馬な上、使いすぎな印象。9月からの月イチ出走で今回で5走目になり、上がり目を期待するのは難しいかもしれない。

 

ナイトスラッガー

 

京都マイル2着→中京マイル1着。新馬戦では直線で前の馬がヨレて切り替えるロス、前走は包まれて抜け出しが遅れる不利と、先行馬なのに不利を受けやすい。それでいて2着時はタイム差無し、前走が3馬身半差の圧勝とパフォーマンスが良い。不利を受けても直ぐにトップスピードに速力を上げられる点が凄い。先行出来るセンスも良いし、折り合いにも難がない。また、操縦性は良く、勝負所からの動きも良い。競馬センスは総じて高い。時計も前走で大幅に詰め、及第点な勝ち時計。普通に良い馬で、減点材料、不安材料共になく、印象はかなり良い。自己条件なら勝ち負けだが、ここも相手次第だろう。2戦ともスムーズだったらより上の走りをしていたと思われ、もっと強い馬の可能性がある。強さを隠したまま挑戦してくるので不気味な存在。連闘で朝日杯FSに登録したが、自重してここに備えたのも好感。侮れない1頭。

 

ノボリショウリュウ

 

12月の阪神開催でデビューして1400mで新馬勝ち。2歳戦にしてはペースの速い流れを2番手追走。直線では手応え良く、逃げ馬を交わし、一旦は完全に抜け出している。本馬以外の先行馬は総崩れしており、差し・追い込みが2着以下を占めるなか、半馬身差で振り切っている。角田河騎手の1k減が最後に効いた感じもあるが、同斤でも2・3着は合った走りで悪くない。最後も大きく失速したわけではないので、持続性のあるところは見せたと思う。また、ハナ争いをしての結果でもあるのでモマれても力を発揮しそうな忍耐強さも感じられる。同距離のレースなら高い評価も可能なパフォーマンスだった。1Fの延長をどうこなすかと言う所になるが、このレース振りからはスピードの勝っているワンペース型に映るのでマイルへの適性は未知数。ハイペだったので折り合いに難しいところはなかったが、前進気勢の強さは見て取れる。この時よりは1秒半ぐらいスローになるのでそれでも平常心を保てればやれそうだが、その辺はやってみないと分からない。良い内容で勝ち上がってきているので怖いところはある。

 

ノーブルロジャー

 

府中マイルを新馬勝ち。一番良いスタートを決め、2番手を楽に追走。逃げ馬と最後までマッチレース。3着以下は4馬身差で2頭が抜けていたレース。ラスト2Fまで馬なりで、促しただけで10.7秒までキレている。良い瞬発力を持っているようだ。ただ、ペースも38.1-63.4秒と中距離戦でもドスローな部類に入る低レベル戦で、競り合っていた2着馬は次戦でタイム差を大きくして負けている。1:36.8の勝ち時計も遅く、見た目ほどの強さは発揮していない。ペースを踏まえれば33.3秒の末脚も物足りなく感じる。もう少し直線で脚を伸ばせても良かったように思う。重い印を回せるほどのパフォーマンスとは言えず、もう少し様子を見てからでないと地力の程は測れない。立ち回りは良く、本気で追っていれば時計は詰まっていただろうから、まだ上がありそうな感じもあるのだが、どうだろうか?

 

バレルターン

 

マイルを2戦して阪神で2着、京都で1着。走破時計はいずれも1:34.5だった。新馬戦は出遅れて、挽回しようと動かしていったらかかる。序盤に2Fぐらいはかかり通しだったよう。勝った前走も行きたがる素振りがあり、前進気勢は強い。新馬戦のハナ差負けは折り合いを欠いた分だと思われる。3着以下は4馬身と着差を大きくしいるので力そのものは上ではある。ただ、勝った前走も突き抜けは甘く、直線で末脚がグンと上がることはなく、走りはどこかワンペース。完全に抜け出していたところ2着馬に詰め寄られている。2戦を見ると、マイル向きの気性ではないように思われ、脚を溜めずに走っている印象。現状はスピード任せな競馬になっている。決め手のある馬の恰好の的になりそうな走りになってしまうように思う。地力は高そうだが現状は気性がネックとなりそう。

 

フェリーニ

 

新馬戦(京都1400)は1番人気の支持を受けたが振るわなかった。スタートを決めながらも好位をキープ出来ずに追い通し。重馬場で追走に苦労していた感じ。直線でも一瞬動けただけで後はズブズブ。道悪は全くダメなのだろう。良馬場の未勝利(京都1600)は逃げ切り勝ちしていて、行きっぷりからして全然違う。走りがまるで違うので馬場状況にはシビアな馬のよう。ただ、勝った前走についてはあまり良い内容とは言えない。2・3着した1・2番人気が意識しあって、5番人気だった本馬の逃げは甘く見られていたよう。36.1-61.2秒のペースで上がり34.9秒は物足りないもので、後半の加速が弱く勝ち時計も1:36.1と低調。これで突き抜けて3・4馬身でも差が開いていれば評価のしょうもあったが、一杯に粘り込んでの内容だと平凡にしか見えない。持続性が足りていないように感じる。また、、500kを越す大型馬だがどこかこじんまりとした走りでスケール感がない。見た目より小さく見えて印象は高くならない。

 

メイショウサチダケ

・発馬上手くスタートダッシュで1・2馬身抜けてしまい、そのまま逃げ切り。単騎でリズム良く行けたので、展開に恵まれていたのは否めない。

・先行力とか、立ち回りの上手さはあるが、勝ち時計が遅いので地力の程はまだ分からない。

・最後は流し気味で力を出し切らずに勝っているので、まだ上がありそうな感じもあるが、評価は難しくなってしまう。

 

上記がデイリー杯2歳S出走時のカルテ。

 

デイリー杯2歳S5着。3~5着馬は同タイム入線しており、アタマハナと3着までもう少しだった。3頭併せの逃げ争いを引いてイン3番手と控える形を一旦は取ったが、前を行く2頭が力不足で3F通過したぐらいでハナを奪っている。スローになりそうなところでこの馬が先手をとったので、ミドルな流れになり、この馬の走りがレースの中身を締まったものにした。勝ち馬ジャンタルマンタルにはあっさりとやられたが、それ以外は直線で振り切っていて、渋太く粘る。力を出し切っての走りでレース内容は悪くなかった。ただ、直線でグンと加速することはなく、ワンペースな走りになってしまった。決め手発揮とまではいかなかった。1400mを勝ち上がった馬だけに距離は1F長い印象も。勝ったジャンタルとの力差は明白であり、このクラスが相手になると、マイルで勝負するのは厳しい印象。条件戦ならこなせても、重賞だと地力勝負でちょっとキツイかも。展開に恵まれたい。

 

ラーンザロープス

 

札幌1500mを2戦して2・1着で勝ちが立っている。初戦は立ち回り良く、スムーズな競馬で好走したが2走目から折り合いの難しいところを見せた。逃げ馬のすぐ後ろにつけたところで首を上げて反抗し、そのまま1Fぐらいは折り合いを欠いて追走。これで良く勝てたという感じ。3走目の中山のサフラン賞でもレース序盤に危なっかしい面を見せたので、鞍上は控えて後方ポツンしている。段々と乗り難しい馬になってきた印象。それでも、それなりの脚は繰り出していて、この2走で最速上がりを記録している。気性の不安だけで軽視のデキない力を秘めている。サフラン賞は位置取りが極端になり過ぎたので負けたが0.3秒差には詰めていて、位置取りが少しでも改善されれば入着してくるのかも。鞍上がどう乗るかにかかっている。ここまでの全戦で横山典騎手が騎乗しているが、前走を見るともう教育モードになっているので、今回も勝ちを意識した競馬はしてこないかもしれない。馬の気分に任せて乗って、終いの脚を引き出すしか今は出来ないのではないかと思われる。前走から3ケ月経つので気性面が改善されているといいのだが。なお、消耗戦で脚が使える馬なので持久戦になれば強味が発揮されるが、持ち時計がなく、速い上がりを使った事がないので、スロー戦でどういう脚を見せるかは未知数である。

 

シンザン記念(GⅢ)の予想案はこちら▼