競走馬カルテ

2・3歳重賞の出走馬を分析・記録していくブログです。

シンザン記念(GⅢ) 出走馬カルテ

 

こんにちは。

 

翌日に行われるフェアリーSが最大9頭の除外が発生する登録数でそれが影響しているのかシンザン記念に登録している牝馬が6頭も。ダブル登録の馬もいますが、そうでない馬もいます。牡馬が相手であることに臆さない陣営もいるようです。シンザン記念牝馬と言えば、ここで馬券になった場合その馬はほぼ桜花賞馬になるという強力なデータがあります。歴史上7頭の牝馬シンザン記念で3着以内の成績を残しましたが、このうち2頭の三冠牝馬を含めた5頭が桜花賞馬となっています。これだけ牝馬の登録があるとこのデータを意識したくなります。今年のシンザン記念桜花賞の前哨戦となってしまうかもしれませんね。登録している牡馬のメンツを見てもそう言う話になってしまうのではないかと思います。

 

なお、中京で行われた近2年のシンザン記念ではイン前優勢な結果が続いています。2年前のピクシーナイトは逃げ切り勝ち、昨年のマテンロウオリオンはインの3番手から直線ラチ沿いをこじ開けて優勝しています。この2頭は戦前までは控えて差し追いの競馬をしていましたがトラックバイアスに即した乗り方にチェンジして結果を出しました。開幕4日目のレースでもありますし、良馬場ならある程度同じような結果になるのではないかと思います。脚質、乗り方、枠番などは重要な予想ファクターとなるでしょう。ちなみに、2枠3番と6枠10番は中京で行われたこの2年でどちらも馬券になっています。③-⑩の馬連・ワイドはおススメですよ。

 

シンザン記念は8日(日)に行われます。前日の7日(土)に更新を完了します。

 

予想案はページの最下部にある専用ページにまとめてあります。ブログカードを貼っておきますのでそちらをご覧ください。

 

クファシル

 

阪神1600mで新馬勝ち。良いスタートを切った馬は何頭かいてこの馬もその1頭。そこから主張してハナを奪い逃げ切り勝ちする。序盤から結構押し込んでいたので馬がエキサイトした感じで折り合いを少々欠いてしまう。それが影響したのか最後は少々失速していて後続の追撃を許し3/4差まで詰められてしまった。リラックスして走れていたらもう少し余裕があったように思う。1度使ったことでガス抜きが出来ているといいのだが。また、鞍上のムーア騎手が最後まで一杯一杯に追っており、それで勝てたという所はあるかもしれない。最後は馬も疲れていた感じだったので違う騎手だったら保たせる事は出来なかったかもしれない。主張して先手を取っていた序盤の立ち回りも含め、新馬戦は騎手に動かされていた感が強い。勝ち時計や道中のラップは標準級ではあるのである程度やれる馬ではありそうだが、スケール感は感じなかった。馬も若い印象があるので、現状は高い評価までする事は出来ない。相手次第としておきたい。なお、ムーア騎手が帰国しているので今回はイーガン騎手。鞍上面の戦力ダウンはそれほどないと思う。

 

クルゼイロドスル【回避】

・府中1600mで未勝利勝ち。サウジRCより0.1秒遅く、アルテミスSより0.3秒速い走破時計で府中のマイル重賞と比べて遜色ない時計で走れている点は良い。

新馬戦は先行して雪崩れ込む競馬で2着。2戦目は後方から長く脚を使って決め手を発揮して優勝。レース振りには幅がある。

・ゲートを出てからの二の脚があるのでポジション取りに苦労するタイプではない。気性面の問題も現状は見えない。ラストに脚も使えている。ここまでの2戦の平均点は割と高い。

 

上記がデイリー杯2歳S出走時のカルテ。

 

デイリー杯2歳Sを5着。このレースは朝日杯FSの稿で時計的な価値が高いレースという事で話したが、そのGⅠはこのデイリー杯2歳Sより1秒以上も遅い決着だった。馬場差もあるので単純比較は出来ないが、やはりデイリー杯2歳Sのレベルは高かったという事で良いと思う。そのレースで5着だったらこの馬の成績も悪いという事は言えない。ただ、3番手の競馬から1・2番手だった馬に突き放されて負けた内容は重い。コースは違えど本馬の未勝利勝ち時とレース内容はそれほど変わらないものであり、走破時計もほぼ同じものだった。自分の時計しか走れなかったという見方が可能で、力は出し切れた結果だったのだろうと思う。これは純粋にレースレベルが上がり強い相手に敵わなかったという事になってしまいそうだ。ゴドルフィンの馬で馬主、厩舎の期待は高い馬なのだがデイリー杯2歳Sの結果は物足りないものとなってしまった。ただ、シンザン記念デイリー杯2歳Sよりもやや小粒という印象で相手関係は楽になっていると思う。レースレベルは高いレースだったし、そこで5着なら力上位の評価は出来ると思う。勝ち負けはともかく、入着級の力はあるはずだ。

 

サンライズピース

 

稍重だった阪神1800mの新馬戦を勝った後に、エリカ賞、万両賞と1勝クラスの特別戦を連敗中。この3戦の上がりは1位、2位、1位と末脚は常に上位を記録している。それでも勝ち負けに加われていないのは位置取りが後ろになっているため。ポジションを取れる馬ではないようで序盤は全戦で後方からのレースとなっている。控えた馬が上がり上位を記録するのは当たり前の話なのでそんなにエライものではない。差し追いの馬なのでラストの失速率が高い方が着は上に来る。上がりが速い後傾戦よりも消耗戦で末脚が生きてくるのが特徴。1800m→2000m→1400mと全て違う距離を走っていて適性距離を探っている感が強い。中距離2戦の上がりはレース上がりとそれほど違わないもので他馬とそれほど変わらない上がりしか繰り出せていなかった。が、1400m戦だった前走はレース上がりを0.5秒も上回る事が出来た。距離が短い方が末脚の威力は上がっているので、中距離よりは短距離よりな馬とは言えそうだ。1600mも今回が初めてとなるがこのぐらいが適性と言う事はありえると思う。前走並みかそれ以上の末脚を使える可能性がちょっとあるのではないか?と思う。ただ、それでも今回はちょっと厳しいかもしれない。中京で行われたシンザン記念はイン前決着が続いていて、この馬の脚質からするとコースバイアスが味方しないだろう。馬場傾向を覆せるほどの末脚までは引き出せないと思う。自在性はないので今回も直線勝負となる可能性は高い。道悪や上がりがかかる展開にでもならないと好走は難しい気がする。

 

シンゼンイズモ

・函館の1200m戦を2戦して未勝利勝ち。ラスト800mから動き出して徐々に進出し、スプリンターとしては脚が長い印象。

・落ち着いて追走しており折り合いがつく馬の様だ。騎手の指示にも従えていて操縦性は高そう。

・前が止まる流れで展開的にはハマっていたため評価を高くするのは難しい。今回も展開や立ち回り次第。

 

上記が函館2歳S出走時のカルテ。

 

後方から進めた函館2歳Sはハイペの消耗戦で展開ハマリだったが、追い比べて劣ってしまい7着。3位上がりを駆使してはいたが同じ位置から本馬より鋭い脚を使った馬が3着となっていてスピードで負けたという感じ。この1戦で短距離適性に疑問が生じたのかもしれない。陣営は次戦に1800mのコスモス賞を選択した。距離が伸びた分だけ追走は楽になっており好発から3番手を追走していく。内枠も幸いしてインポケットの絶好位で運び方としては完璧だった。が、レースが動いた勝負所で追走が忙しくなってしまった。この時の1・2着が阪神JFの上位人気馬と上位入線馬。これらと比較すると重賞級との力差がはっきりと出ているレース内容だったと言える。また、頑張ってはいたがラスト1Fで完全に止まっているので距離も長かった感じ。5着と函館2歳Sから着は上がっているがタイム差は1.2秒と逆に大きくなっている。コスモス賞は距離を延長しすぎたようだ。マイルまでは頑張れていたのでシンザン記念ぐらいの距離ならこなせる可能性がちょっとある。とは言え、決め脚に見どころがある訳でもないので、先行してどこまで頑張れるかと言う事になる。入着の可能性があるとしたら自分の競馬をした上で後続の末脚不発があった時だろう。5ケ月ぶりのレースなので中間の成長次第だが、それも大幅なものでない限り地力勝負では厳しいままと言う気がする。

 

スズカダブル

・1勝クラスでは目立ったパフォーマンスを発揮出来ていないし、先着された馬との力差も大きく感じた。

・距離短縮で多少粘りを増すこともあるが、持続性能が特別高い訳でもないので大幅な戦力UPが望める馬ではないと思われる。

 

上記が朝日杯FS出走時のカルテ。

 

朝日杯FSが13着。1800m戦を2戦していたが逃げて決め手負けを続けたので厩舎は馬の後ろで脚を溜める競馬がしたかったそう。しかし、中団の競馬は出来たが外目を追走していたのでこの時も結局脚を溜める事が出来なかった。直線に入っても末脚を繰り出す事が出来ず、インから何頭も交わされていった。力差も大いにあったと思うが、7枠13番が良くなかったのもあったと思う。GⅠは厳しい1戦だった。相手が弱くなり1勝馬が大半の組み合わせなので良い枠に恵まれればもう少しやれるのかもしれない。前走はポジションを取れなかったが本来は先行センスのある馬。内目の枠に入ってスムーズに運べた時に噛み合う可能性はちょっとある。強く推せる馬ではないが、条件次第・相手次第で評価を上げて見るのは面白いかもしれない。距離もマイルがベストと言う話だし、まるでダメとは言えない。

 

トーホウガレオン

 

デビューから3戦連続で2着。初戦は最後方付近から追い込んで届かず、2・3戦目は先行して抜け出したところを差される。決め手不足とも言えるが、戦ってきた相手もそれなりな馬ばかりだったので負けて強しだったところもある。勝ち上がった前走も2着馬を交わすのに手間取り、着差も僅か。見た目は辛勝に映り圧倒的に強い訳ではない。が、これも相手が4k軽い減量騎手器用の馬だったので仕方ない面もある。派手さはないが地味に強い感じはある。新馬戦で脚を余して負けたことから2戦目以降は先行策を採るようになっている。レースを経験するごとにゲートが速くなっており、出たなりで1・2番手のポジションを楽に取れる。先行力がかなり安定してきた。直線ではしっかりと抜け出せてくるので常に上位争い。レース巧者のイメージがどんどん強くなっている。勝ち切れないレースは多かったが3着以下は完封してきたので未勝利クラスでは力が違っていたと思う。1勝馬同士ならそこそこやれる馬ではありそうだ。ここまでの4戦は1800m~2000mの中距離を使われていて、マイルは今回が初めてとなる。先行するようになった2戦目以降から前進気勢が強くなって来ている。折り合いを欠いている訳ではないが、逃げ馬を追って常に一生懸命走っている感じはある。力んで走っていた事も差されて負けてきた要因かもしれない。この気性ならマイルへの短縮はハマると思う。

 

ペースセッティング

・福島の新馬戦は後手を踏んで取りこぼしたが、小倉の未勝利を同日の小倉2歳Sより速い時計で勝つ。

・2歳重賞より古馬北九州記念に近い猛ラップだった。そんなレースを逃げ切りするのだからシンプルに強い。ラスト100mは流して勝ったほど。

・スピードだけで圧倒してしまったのでレース振りに遊びが無い。スピード以外に強調出来る点は案外少ない。

 

上記が京王杯2歳S出走時のカルテ。

 

自己条件でしっかりと賞金加算して来年に繋げたいと言いながら確勝を期した前走が2着。それが有馬記念の前日。中1週でシンザン記念に使ってくるあたり関係者の焦りを感じる。メンバーが集まらないのを理由に予定にない1戦という感じだろうか?そもそも短距離馬で1400mだった近2走が守備範囲という厩舎の評価。マイルまで延長して良いものなのか?と言う疑問は残る。臨戦過程、距離適性などあまり良い印象を持てない。控えて競馬を教え込むよりもスピード負けせに伸び伸び走らせた方が良いと厩舎では考えている。先々を見こさずに使っているところがいかにも外国馬と言う扱いで、だから中1週で使ってしまうのかもしれない。レース振りを確認しておくと、ゴチャついて先行ポジションを手放してしまった京王杯2歳S不本意な競馬だったろう。意図しない差しポジションからの競馬となってしまった。道中を通してワンペースな走りで直線でもジワジワと伸びただけ。2着馬に体を合わす4着までしか詰め切れなかった。前走の万両賞も3番手の先行策は取れていたがやはり直線でジワジワとしか詰められず2着に上がるのが精一杯。直線でギアが上がる感じが無いので決め手を発揮する事が出来ていない。厩舎は1400mを守備範囲と言うが、近2走はまさにそんな感じ負けている。これではマイルに延長しても微妙な感じになってしまいそう。決め手がないというなら厩舎の言うように行ってしまう方がいいのだろう。未勝利勝ちした時のような強い競馬がまだ出来るかもしれない。年始の中京開催はイン前バイアスが強くなるので残り目を期待してレースを運ぶ方が可能性は大きくなると思う。

 

ライトクオンタム

 

府中1600mを新馬勝ち。逃げ切りである。牝馬ながらフェアリーSではなく、シンザン記念にぶつけてきた。五分のスタートだったが行きっぷりはこの馬が一番良く、スピードの違いでハナに立つ。1F目に13.2秒のラップを刻んだだけで以降はゴールまで11秒台の速めのラップを刻んで逃げ切った。デビュー戦の2歳馬には楽な展開とは言えないが、直線に向いても持ったままで1~2馬身のリードを保ちながら常に余裕のある走り。後続が必死で追い出しているなか鼻歌交じりにスイスイと加速していく感じ。気合を付けた程度で鞭も使わずに2馬身半差の楽勝。この時の2着馬が次走であっさり勝ち上がっていて弱い馬相手に圧勝した訳ではない。数字的な評価も、見た目の印象も十分合格点。しかも、全力を出さずに記録した内容。これならまだまだ上があるだろう。重賞級の評価も可能だと思う。今回は有力馬として扱われることになりそうである。強いて言えば、折り合いに難しい面は見せていないが前進気勢の高そうな走りはしていたのでその辺は少し気になった。1度使った事でガス抜きが出来ていると良いと思う。

 

シンザン記念(GⅢ)の予想案はこちら▼