競走馬カルテ

2・3歳重賞の出走馬を分析・記録していくブログです。

青葉賞(GⅡ) 出走馬カルテ

 

こんにちは。

 

権利を取ってもダービーでは2着まで。青葉賞は未だにダービー馬を輩出出来ないでいます。しかし、2着馬も11年前のフェノーメノが最後でこの10年では3着馬が3頭いるだけ。しかも、最後に馬券になったのは17年のアドミラブルが最後。この5年は馬券にすら絡めなくなっています。ダービーで上位に来る本当に強い馬は早めに賞金を加算してダービー優先のローテを組んでいますから、1ケ月後に迫ったこの時期にトライアルなんか使わなくなりました。このトライアルにもそろそろ形骸化の感じが出て来ているように思います。

 

でもですねぇ。ダービーと同じ条件で行われるレースなので青葉賞で強い勝ち方をした馬って恰好いいんですよね。痺れる強さを見せる馬もしばしば出てくるので印象操作されてしまいます。結果、頭では理解していてもダービーで余計な印となってしまうのが青葉賞馬だと言えるでしょう。

 

今年こそその勝ちっぷりに騙されないようにしようと私は心を決めているのです。が、いるんですよね、今年も。結構強そうなのが。これが勝ったらまたやっちゃうんだろうなと半ば観念している自分もいます。

 

青葉賞は29日(土)に行われます。前日の28日(金)には更新を完了します。

 

予想案はページの最下部にある専用ページにまとめてあります。ブログカードを貼っておきますのでそちらをご覧ください。

 

アサカラキング

 

年明けデビューで2月開催の府中で1800mを2戦した。新馬戦は動ききれていない感じで負けたが、2走目には上がりを最速化して2着。いずれも出負けぎみなスタートで位置取りが少々悪い。道中で押し上げるなどしているが、その分だけ負けているところがある。また、追い出してから反応はするものの加速率が高くないようでいずれもトップスピードに至った頃がゴールと言う感じである。少々ズブいかもしれない。こういうタイプの距離延長は良いし、決め手の問われない条件の中山の2000mで勝ち上がったのは説得力がある。しかも、スタートを決めて逃げ切り。府中戦では見せれなかったようなレースが出来たのも面白い。稍重だったので時計は遅いが後続に3馬身半差の圧勝だった。1000m通過60.5は稍重の未勝利なら速かったと思われ、12.2-12.3-13.0の消耗戦に持ち込んで後続を疲弊させて突き放した。体力勝負で強いところを見せる。上がりの競馬で勝ち上がれなかった馬なのでこういう勝ち方も納得させられるところ。決め手勝負でもそれなりに対応出来ていたが、タフな展開に持ち込んだ方がパフォーマンスが上がる馬と言えそう。府中の走りも悪くはなかったのでコース変わりは問題ない。距離延長で1800mよりはやれる条件になるだろう。スタートも改善していて負けた2戦の敗因は解消されるていのでその時以上には走れると思う。相手が格段に強くなるので強気には押せないが、展開がハマれば来ても良さそうな気がしている。

 

アームブランシュ

・序盤から後方で待機する競馬で控えて溜めての直線勝負に徹している。ただ、それで繰り出す末脚は並み。

・この脚力でこのスタイルの競馬は厳しい。また、自在性もなく、機動力も弱いので1周条件のレースは厳しい。

・時計をもっていないので速さが求められる好時計決着では微妙。

 

上記が弥生賞DI記念出走時のカルテ。

 

DI記念で4着。3着とはクビさで皐月賞までもう少しだった。最後方待機、コーナーの加速が弱くもたつくなどレース振りはいつもと変わらずだったがそこから繰り出した末脚は今まで見せた事もないほど鋭かった。GⅡ重賞で上がりを最速化させるとは思えなかったので、この馬の末脚にはかなりビビった。どうしてこうなったのかは分からないが、次走の山吹賞(中山2200m)でも上がり最速馬に0.1秒劣っただけの2位上がりを記録出来ている。末脚の強度が上がっているのはもう認めざるを得ない。ただ、山吹賞でも最後方待機とそのスタイルに違いはないので勝ち切るまでには至らなかった。末脚性能は高まっているようだが、この位置の競馬を止めない限りこういう事は度々起こる。もう少しポジションを取れるといいのだが。府中に変わるのはおそらくプラスになる。勝ち星を挙げているコースだからと言うのはあるが、コーナーでモタつく馬なので広々とした大箱コースで機動力が生まれる可能性がある。事実、マクりが決まりやすい外回り中山2200mの山吹賞では4コーナー2番手まで押し上げる機動力を発揮していた。コーナーが緩やかな府中なら取りこぼしの可能性が軽減されるだろう。2400mに延長しても大丈夫な感じはあるので、パフォーマンスはあげて来るかもしれない。後は乗り方だけ。ただ、持ち時計がない不安材料は依然解消されていない。近2走の好走も時計が速くなかったことがそもそもの理由かもしれない。高速決着になりやすい春の府中はこの馬に向いていない可能性がある。

 

オープンファイア【回避】

・スタートが下手で全戦で出遅れている。前進気勢がないので進んで行く力が弱い。

・成績は良いがまだ馬がズブくて動けていない。現状は父譲りの瞬発力だけで勝負しているに過ぎない。

・自在性も機動力も無いので直線勝負の競馬しか出来ない。

・反面、ラストの脚には見どころがある。新馬戦は普通の馬には差せないレースだったし、アイビーSも1頭だけ桁違いの末脚を使っている。末脚性能だけはとにかく高い。

 

上記がきさらぎ賞出走時のカルテ。

 

きさらぎ賞の中間にムルザバエフ騎手が跨ったことで馬に変化が見られたという。馬に行く気が見え始めたのだとか。ムルザバエフ騎手もこれならポジションが取れると従来よりも積極的な競馬が出来るだろうと手応えがあったそうだ。実際、レースではそうなった。スタートが悪く、自主性の無い馬が五分の発馬で馬群に取り付いて競馬をする事が出来た。以降の道中も促すことなく自ら進んで競馬をして中団ぐらいで回ってこれた。そして、位置取りが改善されても直線に入ってからの伸びはこれまで通り。ただ1頭33秒台のキレ味を発揮して勝ち馬をアタマ差まで追いつめた。こういう競馬が出来れば取りこぼしは今後少なくなって来るだろう。ただ、ムルザバエフ騎手だったらかそう言う競馬出来たという感じも厩舎にはあるよう。大丈夫だとは思うが、乗り替わる川田騎手がこの馬の良さを引き出せるかが鍵になりそう。厩舎ではクラシックを意識していると話ているが、成長が遅いので本格化は先になるだろうことも認識しているそう。この中間の成長度も把握しておく方が良い。距離は長い方が良さそうとのことで2400mはこなせそうな話だった。ズブっ気のある馬に距離延長は確かに悪くない。条件的にはやれて良さそうである。この時期の府中だと後方待機の手は採らない方がいいので、きさらぎ賞の様なレースが出来るかで結果が左右するだろう。

 

グランヴィノス

新馬戦で記録した上がり33.8秒は阪神の2000m戦でなかなか出せない。この条件で切れ味を発揮して勝ち上がったのは評価が高い。

・瞬時に凄い脚を繰り出せる訳ではなく、直線でかなり強引に押しまくってようやくエンジン全開だったという感じ。助走区間はあった方が良い。

・瞬発力が弱い程度で他は概ね良好。ゲートも、立ち回りも、気性も新馬戦では問題が無かった。

 

上記が京都2歳S出走時のカルテ。

 

ヴィルシーナ、シュバルグラン、ヴィブロスの下になる。関係者曰く、これが一族の最高傑作という評価。大きな期待がかけられている。ここを勝っても2歳GⅠなんか使わないとか、賞金加算をして弥生賞からクラシック制覇を目指すとかレース前からとにかく威勢が良かった。が、その京都2歳Sでは掲示板にも乗れなかった。このレースは4角から2重、3重の接触事故があって不利を被った馬が多かった。が、この馬は一切影響を受けずに回って来れた数少ない馬。それだけに結果は重く受け止めなければならない。最後の末脚が逃げて勝ったグリューネグリーンと同じ上がりだったのも情けない。全然脚が使えなかったので期待外れもいいところ。レース振りに問題点は無く、ただ追って伸びなかっただけの内容である。普通の馬だったという印象しか残らなかった。イン前優勢の状況だったので馬場の恩恵を受ける事が出来なかったが、それだけでこれほど負けるのか?というぐらいに負けているので見直せる余地は小さい。新馬戦の内容は良かったし、関係者の期待からも強いは強いのだろうが、そう言うところはレースでは見られなかった。前走から間隔が空いているので成長次第で評価を改める必要はあるのだが、DI記念を使えなかった誤算があり順調さを欠いた点に良い印象も持てない。ただ、阪神2000mを33秒台の末脚で差し切った馬なので府中の方が走りやすい可能性は感じる。追って追ってのタイプなので直線が長くなり、距離が延長されるのも良いだろう。コース変わりによるプラスαは計算しておきたい。

 

クレオメデス【回避】

 

菊花賞2着のアリストテレスの下となる。1月下旬のデビューで中京、阪神の2000mを2戦。3着、1着と言う成績。2戦ともかなり遅い流れの競馬だった。どちらも2・3番手の競馬で立ち回りの上手さは安定している。新馬戦で負けたのは上がりの競馬に対応出来ずに負けてしまった感じ。追い出してからが鈍く、一端は後続に交わされて4・5着争いぐらいの勢いになってしまった。加速したのはラスト1Fを過ぎてからでそれでようやく3着に差し返したという内容。逃げた2着馬も交わせていなかったので2000mでも距離が忙しかったかもしれない。決め手も物足りなく映る。次走でもそう言う点は変わらなかった。直線の入り口では逃げ馬を視野にした2番手だったが、突き放されてしまい中々交わせないまま3着馬の追撃も受けた。やはりラストの決め手に強味を見いだせない。稍重だったのも決め手のないこの馬に味方していたように思う。逃げ馬が失速したところでようやく勢いがついて前に出れた。直線でのモタモタ感は新馬戦と同様だった。現状は詰めの甘さが気になる材料となる。兄アリストも3歳春は動ききれずに負けていたが、本馬にも同じような感じがある。デビューも遅かっただけに、馬はまだ動ききれないのだろう。成長度が足りていないように思う。ただ、こういうズブいタイプの距離延長はプラスになる。追って追ってのタイプなので直線が長くなるもの良いだろう。条件変わりで物足りないところを補えれば。

 

サヴォーナ

・上がりの速い競馬よりも前傾戦で上がりがかかる展開が得意であるようだ。

・条件戦なら印は常にいるタイプだが、末脚上等なタイプではないので重賞では立ち回り次第となる。

 

上記が京成杯出走馬カルテ。

 

4着だった京成杯の頃からゲートが遅くなっていて最後方付近がマイポジションとなり、それで取りこぼしている感じ。近3走は2400mに拘った使われ方で2着・2着・1着と成績を安定させている。また、その上がりも2位・1位・1位と常に上位の末脚を使えるようになってきた。距離延長で末脚の優位性を得ている。中距離では機動力に欠けたり、終いの反応が鈍かったり、キレ味が無かったりと物足りなかったが、長距離でその辺が解消された。終いの反応が格段と良くなっていて、今はちゃんと弾けるようになっている。この距離に適しているようでリズム良く追走し、脚を溜めれるようになっている。適性面なら今回のメンバーでも上位にはいあるであろう。後は相手次第となる。例えば、ここで人気になるスキルヴィングとは3走前に対戦している。2頭の通過順はどちらも⑨⑨⑦⑦と併せ馬で競馬をしていたが、直線で3馬身も突き放されてしまった。末脚の性能はスキルの方が上であるようだし、他に強い馬がいれば末脚の優位性を失う可ことになる。この時が府中戦だったのでコース変わりは問題にならないが結果は相手次第となってしまうだろう。

 

サトノトルネード【回避】

 

10月の府中2000mでデビューして6着。直線で追い出されてから反応出来ずに伸びを欠く。レースの流れには乗れていたが良いところがなかった。2月の府中開催まで間隔を取った。+10kで成長らしいものはあったが、500kを越す大型馬なのでそれでよいのかどうかは微妙。走りに機敏さが加わった訳でもないのでまだ動ききれていないように感じる。重いのではないか?とさえ思う。一応、この2400m戦で勝ち上がった。未勝利レベルなら悪くない内容だが、強烈な印象に欠け、相手なりに走ったら勝ったという感じで強調材料らしいものは感じられない。追い出してから伸びれた点で新馬戦から変わり身を見せたが、その勢いもグーンと言う感じはない。重賞のメンバーに入るとこの末脚では際立ってこないのではないか?距離延長で強かったということもなく、この脚を見ると2400mへの適性も微妙に感じる。上のミラアイトーン、ギルデッドミラーはマイルまでだったし、この距離でドンと来いという感じではない。実際、昨年3番人気だった馬が先週のマイラーズCに出走していたし、4年前の3着馬も今はマイル重賞の常連。ダービーを目指して距離適性を無視している馬はいるのでこの馬もそうじゃないとは言い切れない。将来的には変わってくるのかもしれないが、ブランド力ほどの凄みはこの条件では感じなかった。同条件のレースを勝ったことぐらいしか評価出来るものはない。まだ2戦目でキャリア不足な感じは強く、レース巧者と言う感じも弱い。前走から2ケ月以上の間隔があるので大幅な成長、変わり身が必要になると思う。

 

シャドウソニック

 

6走目の前走で初勝利をあげる。大きく負けたレースはないが中距離では好走止まり。近2走で2200mを走るようになりタイム差無しの2着、2馬身半差で勝利と距離延長で勝ち負け出来るようになってきた。しかし、この距離のスローペースに折り合いを欠きそうになる。距離は合った方がいいのだろうが、折り合い面の不安が解消されていない。この距離でやっていくにはもう少し慣れが必要かもしれない。2戦とも2分15秒台で時計が遅いのは気になるところ。スローばかりなので仕方ないが、だとしたらもう少し速い上がりを記録して欲しい。これでは重賞級の決め手を発揮出来るようには思えない。地力の高さを感じさせる材料はなく、前で運んでどこまで粘れるかと言うことぐらいしか言えない。

 

スキルヴィング

 

2歳秋の府中開催でデビューして2000mを2戦した。2着、1着。中距離でもしっかりと走れていたがこの距離をやるには前進気勢が弱い。新馬戦では6番手で運んでいたが気合をつけていないとポジションキープが出来ない。向こう正面では常に追っていた感じ。それでも直線で力強く抜け出すのだから力はある。新馬戦で脚があるのが認識出来たので2走目では最初から後方待機を選択。最後はインを切り分けて4馬身差で圧勝。推定で後半1000mを57秒前半の脚を使っている。持続性はかなり高そうである。時計面も優秀な部類。この馬だけが一方的に強かった印象で中距離適性も高く評価出来た。が、2歳戦をここで切り上げて2月の府中開催の2400m(ゆりかもめ賞)まで待機していた。この勝ち時計が異常に速い。過去10年では断トツで近年の標準的な走破時計よりは2秒以上速い。3歳のこの時期にこれだけの時計で走れた馬は史上いないのではないか?と言うぐらいの好時計である。また、3馬身千切られた2着馬がそれ以降に2400mを連戦して結構強い。2着馬がこの馬の強さを証明している感じになっている。レースでは後方2番手で後方待機の形が出来上がってしまった感じになっている。やはり序盤に少しモタつくのでしばらくはこの形が続くかもしれない。ただ、この馬にはそれを覆すだけの脚がある。使った末脚は34.0秒。このペースでこれだけの脚が使えるのはかなり凄い。どの角度から見てもこの馬のパフォーマンスは完璧。まず本物であろう。3ケ月振りのレースなのでさらなる成長もありそうだが、仮に成長が無かったとしてもゆりかもめ賞だけ走れば青葉賞は勝ててしまえる。順調に来れればそれで十分。青葉賞の主役はこの馬になる。

 

ティムール

・内回りと外回りでは走りが違った。機動力も良くないので内回りで強気に推せる材料は見えてこない。

・後方待機から未勝利戦を差し切ったが末脚が切れたとか、ラストの脚だけで圧倒したという風には映らない。失速率が大きかったので届いたという内容。

・特に目立ったパフォーマンスは無く、相手なりな評価で十分。なので、重賞では荷が重い。

 

上記が京都2歳S出走時のカルテ。

 

勝ち上がった2走目の未勝利戦から後方待機策を徹底していて脚を溜めて末脚勝負のスタイルを崩していない。その割には使える末脚は弱く、位置取りを挽回出来るような末脚は使えていない。不利があった京都2歳Sはノーカウントで良いと思うが、その後のつばき賞8着、若葉S3着は決めきれていない。決め手の重要度が高い阪神外回りのつばき賞ではレース上がり33.8秒の展開に末脚不発。キレる脚も無いのでこういう展開や条件だと末脚は際立たない。結局は他と同じ脚しか使えなかいので待機型としては末脚に魅力がない。3着で走ったように取れる若葉Sも前とは決定的に負けている。温存していた分だけ4・5着馬をギリギリ交わせたに過ぎない。一応、上がりは最速だったが出走していた8頭中の6頭が34.0~34.3秒の末脚を使っているのでこの馬の末脚が飛びぬけていたという事はない。やはり周りと同程度の末脚しか使えていない。この程度の末脚で待機策を採るのは意味が無いように思う。使える脚も短いので距離を延長しても末脚の威力が増す事はないだろう。決め手重視の府中コースも適しているとは思えない。ここも厳しい。

 

ナイトインロンドン【回避】

 

2歳12月から使い始めて3戦目で勝ち上がっている。レースを使う度に変わり身が大きく、成長曲線が急上昇している。中山2000mでデビュー。ゲートをもっさりと出て、後方をポツン気味に追走。追走力も弱く、騎手もソロっと乗って、直線でどのぐらい脚が使えるかを試しただけだった。全然動けていないし、鞍上には勝つ気もみえない。使ってからと言う意図だったのだと思う。次走に2月の府中2400mを使うがここで大きな変わり身を見せた。ここでも最後方を追走していたが、前進気勢は出ていて行きっぷりは良くなっていた。ここからチークが装着されるようになり馬具の矯正もプラスに働いたようだ。インを掬って、一気に差を詰めて来て、勝ち馬(ここで再戦)を一端は交わす程の末脚を見せる。差し返しはくらったが上がりを最速化出来たのは大きな変化だった。3走目は春の府中開催まで待機して同条件を4馬身差で圧勝する。先頭から離れた4番手と位置取りを大きく改善させた。また、向こう正面から押し上げる機動力も見せた。別馬と思うほどレース振りが向上した。末脚も相変わらずしっかりとしていて1頭だけ違う脚色で突き抜ける。レース内容や時計的な価値、相手関係など重賞で通用する根拠は見いだせないが、1戦毎の変わり身が大きいので前走以上のパフォを発揮してくる可能性は高い。目に見えない部分にプラス材料がありそうなので注意が必要。ここは連闘だが天井知らずに伸びている現状は評価を低く出来ない。

 

ニシノレヴナント

 

2歳8月にデビューして5走目だった前走(府中2400m)で勝ち上がる。2走目の後に去勢されていて3走目から騙馬になっている。騙馬になってからラストに脚をしっかりと使えるようになっている。距離が忙しかったマイルでも終いの脚は使えていて後方から良く詰めてきた。末脚の発動率は安定している。使っている脚も長い印象。術後間もないのに変わり身がはっきりと現れている。追走力が弱いので中距離以下では決めきれなかったが、2400mの前走はリズム良く追走出来ていて余裕を持って周って来れた。仕掛けてからの反応も良くなっていて、3角過ぎから動いていける機動力も見せるなどこの条件で上手に動けていた。直線での走りも力強い。抜け出してからソラを使って内を掬われそうになるが並ばれてからまた伸びて勝ち切った。虚勢効果もあるのかもしれないが、距離延長で走りが良くなっていて適性の高さを感じさせた。重賞級の担保は無いが、この条件2走目になるのでまだ上の有りそうな感じもある。時計的には足りていない馬だが案外馬鹿に出来ないかもしれない。

 

ハーツコンチェルト

新馬戦で8馬身差の大楽勝。これは相手が弱かったから。この着差は過大評価に繋がるのでそこは気を付けた方が良い。

東スポ杯2歳Sで使った上がりは33.8秒で最速。このペースでこれだけの脚を使えるなら末脚の精度は向上している。末脚の性能だけなら重賞級の評価で良い。

・騎手の導き通りに動ける自在性があり、コーナリングも速いので機動力も良い。

 

上記がホープフルS出走時のカルテ。

 

ホープフルSの7着はしょうがないと思う面がある。1枠2番がアダとなり、インから抜け出してこれなかった。思うような進路も取れずに脚を余していた感もある。スムーズさを欠いているので力を出し切れたとは思えない。ホープフルSの結果は度外視にしておきたいが、弱メン相手の若葉S4着は言い訳出来ない情けなさ。ただ、これも松山騎手の乗り方一つだったと思われる。ホープフルSの様に内で包まれるのを嫌って2番枠から最後方まで下げている。そこから外目を中団まで押し上げていた乗り方は悪くなかったと思う。が、8頭立ての少頭数ならそこまでする必要はなかったんじゃないかとも思う。安全策が過ぎた印象。また、64.0秒通過の超ドスロー展開だったのでもう少し早めに動くべきだった。ラスト3Fの上がりの競馬にまるっきり付き合ってしまったのは感心出来ない。長く持続性のある末脚がこの馬の良さなのでヨーイドンの競馬に付き合ってしまったらこうもなる。消化不良のレースで若葉Sの結果がこの馬の力の限りと見る事は出来ない。勝ち方が衝撃的だった新馬戦以降はいいところがないが、厩舎の評価は依然高いままである。以降の3敗にも明確な理由がある。まだ見限るには早く、ダービーに間に合う可能性は残されていると思う。まずは力を出し切る事が肝要。なお、若葉Sの1週前には2400mのゆきやなぎ賞に登録をしてこれを使うつもりだったようだ。距離は問題視しなくてもよさそうである。脚を余して3連敗なので延長条件がよいきっかけとなるかもしれない。ただ、若葉Sのメンバーを見てこちらの方が勝ちやすいという算段の元に出走レースを変更した経緯がある。ゆきやなぎ賞のスキルヴィングを避けた可能性は高い。だとすると、ちょっと厳しいのかもしれない。

 

ヒシタイカ

 

昨秋の府中2000mで新馬勝ち。2着馬はここで人気のスキルヴィングで、3着馬はNZTの勝ち馬。負かした相手は上等である。スタートしてから最初のコーナーまでに口向きの悪さが目立っていて2度3度と首を振って苦しそうだった。そこからは馬の後ろでリズム重視のレース運びとなる。向こう流しからは落ち着いて走れていたのでレース慣れして来ればスムーズに走れるようになりそう。道中は外にスキルヴィングが併走していたが、こちらは馬群に包まれていたので直線で追い出しが遅れてしまう。進路を確保した時はスキル、エエヤンが勢いよく伸びていたので劣勢だったが追い出してからビュンと加速して残り1Fを切ってからグングン来てクビだけ差し切った。馬群の中で脚は溜まっていたのだろうが序盤の力みがありながらこれだけの決め手を発揮したのはエライと思う。瞬発力だけならスキル以上で中距離適性でコチラが上回っていたようだ。序盤の立ち回りだけが気になるが、良い内容で勝ち上がっており評価を低くする材料はない。追ってしっかりと伸びているのも好印象で好素材ということで良い。ただ、青葉賞はこの時以来のレースとなるので経験値が足りない。直線のキレ味を見ると中距離の方が良さそうな印象もある。力があることは認めても詳細な適性や成長度など判然としないことが多いので評価が難しい。この馬に関しては情報戦になる。

 

マイネルエンペラー

 

2歳10月に阪神でデビュー勝ちしてから3戦を消化している。皐月賞5着馬ショウナンバシットに連敗中でいずれも0.3秒づつ負けている。立ち回りや操縦性は高いので大きく崩れた事はないが勝ち切れない。2000mだと脚を使い切れずに負けていて、前で運んでも控えて脚を溜めてもダメ。最後の1F・2Fで速い脚を使えないのでジワジワと差を詰めるだけの現状である。よって、陣営も近走では道悪歓迎のスタンスを取っている。バテない馬なので他の馬が苦しむ状況でないとこの馬の強味を発揮出来ないようだ。以上の理由でレース振りが良いにもかかわらず好走止まりになっている。要するに決め手がない。新馬戦も勝つには勝ったが、外差し馬場で各馬が外を回るところをイン突きしたのがハマった感じで、距離ロスを省けたことが勝因であった。中距離ではスピード不足と言う事だと思う。脚を使い切れていないので距離が延びる分には問題がないと思うが、府中で速い脚を繰り出せるイメージは今のところない。現状は早めの競馬で後続の不発を待つしか手が無いのではないかと思う。

 

マサハヤウォルズ

 

未勝利勝ちも含め3走目までダートを使われていたがダート向きと言う感じはなかった。力のいる馬場で追走しきれていないシーンが目立ち常に追い通しだった。追走力が弱く、安定した競馬振りとは言えない。また、走って来たレース内容もペースも遅いものばかりなので純粋に評価が低い。4走目の前走で初芝。こんな馬が芝で逃げる競馬をするのだから芝向きという事だろう。軽い馬場の方が走りがスムーズだった。結果もいきなり4着と恰好をつけている。逃げて34.2秒の脚が使えるなら悪くない。芝馬として扱うべきだろう。その4走目は阪神2400mのアザレア賞。1000mを67.1秒の超スローで逃げた。こんなペースで逃げているのでこの馬自身もバテてはいないが、上がりの競馬で決め手のある馬にあっさりと負けた。初芝でこの内容なら悪くないのだが、やはりペースを考えるともう少し頑張ってほしかった。仮に青葉賞で同じペースで逃げれたとしても、勝ち馬とは再戦となるのでまた同じ事になるだろう。また、この勝ち馬を子ども扱いにした強い馬も出走するのでこの馬がどんなに頑張っても3着までとなる。決め手勝負を誘発しないようにペースをあげて消耗戦に持ち込んだ方が活路は残されているかもしれない。ダートを走っていた頃からスタミナ面の強い感じはあったので我慢比べのレースに持ち込んだ方が可能性はあると思う。もっとも、重賞で通用する根拠は残せていないので可能性の話でしかないが。

 

メイテソーロ

 

6戦2勝。使いながら強くなってきている。同じ馬に2度負けているが2戦目で0.6秒差付けられた馬に5走目で0.1秒差まで詰めていたり、新馬戦で僅差負けした相手を破って2勝目をあげていたり。成長度で負けていたところがあったがその差を詰めてきているように思う。それ以外にも中山ではモタついたところがあったがそう言う点も解消されていて自在に動けるようになり、レース振りも向上している。2000mの走破時計も確実に詰めれている。数は使っているがその成長がはっきりと出ているのでさらに上がありそうな馬だと思われる。また、これは本質的な問題かもしれないが府中だと走りの質が良く、弾け方が最初から良かった。中山のコースより広々としたコースの方が力を発揮出来るというのはあると思う。2400mの経験はないが、2100mのダ戦を圧勝していたり、2200mの水仙賞で僅差負けだったりと距離をこなせそうな下地はある。走りの質が良い府中の2400mはこの馬のやれる条件の可能性が高い。クラシックを目指して好走して来た馬や、素質馬が出走してくるので相手関係はかなり厳しいが力差次第という評価はしておいた方が良さそう。この馬自身が凡走する事は無いと思う。

 

ヨリマル

・段々と良くなって来ているが走りがバラバラしている感じで追い出してスピードに乗り切れない感じがある。

・スタートだけは良く、前めのポジショニングは安定していそう。

・自己条件ならそこそこ走れそうな感じはあるが、現状は流れに乗って力を出し切るのが精一杯

・スピードがある、瞬発力がある、持続性が高いなど強調出来るポイントはない。

 

上記が弥生賞DI記念出走時のカルテ。

 

弥生賞DI記念は10頭立ての9着。少し消極的なレース運びだった感じはあるがこれと行ったロスも無く、ラチ沿いで経済コースを走っての結果。力があれば来れない立ち回りではない。追い出したら伸びなかっただけと言う負け方は力がなかったからだろう。ラストに速い脚が使えない点や、持ち時計が無い点などこの馬の個性どうりに負けた印象である。重賞で厳しいという評価に変わりはない。次走の大寒桜賞を勝っているが、不良馬場で行われた事がプラスに働いたのだろう。スピードも決め手も求められないレースはこの馬に向いている。道悪への適性か、バテないスタミナがあれば良いというレースだった。厩舎の話では本馬は後者の部類に入るようだ。ハードな調教してもへこたれる事がなく、豊富な体力がこの馬の長所とのこと。先行ポジションから押し切っているが、加速して突き放した訳ではなく、差して来た組の切れ味が削がれた事で前残りしたと言う結果。前で運んでバテない強味を発揮する事が出来たのでこの馬にしてみればかなりハマっていた。この内容では評価は高まらない。DI記念時の評価をそのまま信用して良いと思う。距離が延びるのでスタミナを活かせるのは良いと思うが、それでもスピードを持続させる性能は必要で春の府中なら尚更。青葉賞がこの馬に適しているとは思えない。

 

ロゼル

・スタートも上手くないので後方から進める形が板についている。また、道中ちょっとズブいところがある

・距離は長い方が良い。

・脚を溜める競馬をするようになって3戦連続最速上がりを使い2・2・1着と成績を上げてきた。急かすことなくリズム重視で運ぶ方が良い。

 

上記がきさらぎ賞出走時のカルテ。

 

きさらぎ賞4着、若葉S最下位、山藤賞8着。2000mを3走続けている。きさらぎ賞までは良かったが、近2走は失速して最後は歩いている感じになっている。きさらぎ賞と比べてそこまで相手が強くなっている訳でもないので明らかに負け過ぎ。若葉S稍重、山藤賞が重と道悪競馬の適性で負けているのかもしれない。また、きさらぎ賞の様に広々としたコースの走りは良いが、近2走の様な内回り条件では勝負所で忙しくなっている。2200mで勝ち上がっている馬なので道中の追走がゆったりとしていた方が良いタイプなのだと思う。その方が脚も溜まるのでしっかりと末脚を使える。2400mの距離はプラスになるだろう。良馬場でレースが出来れば近2走の様な惨敗はないと思う。とは言え、好走したきさらぎ賞も出走馬のレベルが低いものなのでこの馬に力があったわけではない。重賞級に交じって着を上げられるような地力はこれまで示していない。未勝利クラスまでずっと上位だった末脚もその優位性を失っていて3位以内の上がりは使えていない。控えてもこの脚では前との差を詰める事は出来ない。自身の適性に合った条件戦を選んで勝ち負けするようなタイプだと思うので、ダービートライアルで好走出来るとは考えづらい。

 

青葉賞(GⅡ)の予想案はこちら▼