競走馬カルテ

2・3歳重賞の出走馬を分析・記録していくブログです。

スプリングステークス(GⅡ) 出走馬カルテ 2024

 

こんにちは。

 

スプリングS三冠馬(ナリタブライアン・オルフェーブル)や、皐月賞・ダービーの春2冠馬(ネオユニヴァースメイショウサムソン)や、皐月賞馬(アンライバルドロゴタイプ)などを輩出。このレースもまたクラシックの登竜門です。また、GⅠ7勝馬キタサンブラックはこのレースで父子制覇しています。後にGⅠを勝つ優勝馬を上げればいくらでも出てくる出世レースでもあります。

 

しかしながら、18年優勝ステルヴィオを最後にこの5年間GⅠを勝つような優勝馬は出て来ません。2・3着馬に拡げてもGⅠで入線する馬さえいない。いつのまにか随分と小粒な重賞になってしまっていたようです。以前は隔年ぐらいで後のGⅠ馬が優勝していたのですがそう言う期待を持てる馬の出走が少なくなった印象で、それは今年のメンバーにも言えるような気がします。予想は難しそうですね。

 

スプリングS(GⅡ)は17日(日)に行われます。前日の16日(土)には更新を完了します。出走登録の分かった馬から更新していき、最終登録確認後に追加更新していきます。

 

予想案は各ページの最下部にある専用ページにまとめてあります。ブログカードを貼っておきますのでそちらをご覧ください。


アレグロブリランテ

 

7月の福島1800mを新馬勝ちしているが、サンデーRが福島を使っている時点で胡散臭い。この時期なら素質馬は新潟を使うのが定番。逆に福島を使ってくるタイプは弱い相手を求めている場合が多い。事実、この新馬戦の2・3着馬は半年経過した現在も未勝利(それぞれ5戦消化)のままである。勝ち時計1:51.2もとても物足りないもの。3ケ月空けて萩S(京都1800)を使っているが最下位で負けている。2・3番手で進めながら直線の追い比べで速い上がりに対応デキずに負けた感じ。走破時計は1:48.9と時計を大幅に詰めたが、勝ち馬から1.0秒も離されたもの。時計勝負で良いところはなさそうだ。3走目の若竹賞を2着と走ったのも不良馬場だったことがこの馬に向いていたのではないか?立ち回りそのものは悪くないが、追走力がないようでいつも気合をつけながら先行位をキープしている感じ。自ら進んでいく感じがない。見た目の印象もまだパンとしておらず、緩い印象で実は入っていないように思う。現状は速さを持続させる能力に欠けており、タフな展開を頑張れる持久性の方にバロメーターは振れている。ただ、それも抜けて凄い訳ではない。当日の馬場コンディションが時計のかかるものであったり、道悪だったりしたら再考したいが、逆の状況だったらちょっと厳しいのかもしれない。

 

ウォーターリヒト

・4k減の新人を器用して早期の勝ち上がりを目論んだようだがそれが裏目に出た感じ。ベテランに変った途端に勝ち上がり、重賞でも好走の連続。力はあったという事になる。

・序盤に位置を取れるようなレースセンスはないが、自在性があるので、レースの流れには乗れるタイプ。

シンザン記念の末脚は強烈。ラストが加速ラップの展開を直線入り口最後方から差し込むのは力がないと使えない末脚。

・小回り・内回りの中距離戦よりも、外回りワンターンのコースで末脚勝負する方が強さが際立つのかもしれない。

 

上記がきさらぎ賞出走時のカルテ。

 

17番人気3着だったシンザン記念に続き、きさらぎ賞も10番人気2着。やはり力があるということだろう。きさらぎ賞はタイム差なしの入線でその走破タイムは1:46.8。この開催の京都は時計のかかる馬場であり、そこを踏まえると優秀な時計であり、サトノダイヤモンドが勝った16年を0.1秒上回るもので価値がある。

 

レースは各馬が内を空けて馬場の中ほどで一塊になっていた。本馬も3番枠から向こう正面では一番外に進路を取っていた。勝ち馬と本馬は後方2・3番手とほぼ同じ位置で競馬を進めていたが、勝ち馬は外、本馬はインと進路取りは左右に分かれ、その結果がハナだった。一見すると距離ロスのあった勝ち馬の力が上の様にも映るが馬場の悪いインを突いている事を考えればどっちもどっちで力差無しとしておきたい。

 

末脚も0.1秒劣っただけの33.8秒なので、この2頭の脚力ははっきりと抜けていた。ラスト3Fは12.0-11.1-11.3と最後の2Fでグンと加速しており、こういうレースは基本的に前にいる馬に有利で、後方追走の馬が勝って良いレースではなく、2頭の力が抜けていた事は数字面からも確認出来る。またしても人気薄で大激走した事になるのだが、フロックと片付けられる内容ではなく、本馬の力は本物である。

 

近2走はワンターンコースを後方待機して直線勝負で好走し、この形も板についてきた。この乗り方だと中山1800mで強気に推せるものではないが、4走目までコーナー4つの2000mを走っていて凡走と呼べるものはない。今回のコースも十分に走れるはず。後はどう末脚を引き出すかにかかっているが、幸騎手は完全に乗りこなしているので、上手く調整してくると思う。

 

走りの質も徐々に良くなっていて、力強く追走して、しっかりと脚を溜められ、際立つ末脚を発揮出来ている。印象点もかなり良くなった。GⅡになり、相手が強くなるのかもしれないがこの馬も何かが劣っている訳でもないのでそこそこやれて不思議ない。

 

なお、本馬の賞金は1200万で皐月賞出走は難しい。河内調教師は今年が最後のクラシックになるのでその意欲が強い。とりわけダービーだけはまだ出走すらしたことがない。ので、前走時に「ダービーへ」とはっきりと口にしている。最低でも3着だが、理想は賞金加算の2着以上だろう。臨戦過多で使い過ぎではあるが、後先考えていられない状況でもある。

 

コスモブッドレア

・ポジションを取れる先行馬であり、コーナー4つのコースも上手に対応している。立ち回りの上手さを生かせる条件は向いている。

・勝負処や最終コーナーも手を動かすことなく周って来れる機動力があるのも良い。

・直線を向いてから使える末脚が殆どない。決め手が弱く、直線で加速するようなところがない。

 

上記が京成杯出走時のカルテ。

 

京成杯3着。まず良かった点は重賞の標準的な流れに即応できたこと。序盤は少々忙しかったが、外目の枠からポジションを獲りに行き、2番手を確保出来たのは良かった。また、これまでスローを先行していただけなので持続性を確認しづらかったが、手綱を緩めて追走出来たのも良く、余裕を持って回って来れ、追走力は重賞でも通用した。

 

元々立ち回りが良く、機動力もあるのでこういう条件は向いており、スプリングSの条件でも適性の高さを十分に発揮すると思う。厩舎の評価だけは結構高いので、勝ち上がり後も無理せず間隔を空け成長を促している。関係者はこの先の活躍を期待しているので今回も侮れない馬かもしれない。

 

ただ、京成杯のレース内容そのものは淡泊で、道中1~5番手以内で先行していた馬がそのまま6着までに雪崩れ込んでいる。直線の攻防に見どころがない。この馬自身、直線で加速する事がないので逃げ馬を交わすのに手間取り、後続の追撃をどうにか凌いだというもので、競走能力そのもにあまり進化が見られない。

 

京成杯は時期的に有力馬が集まりにくいため好走できたが、この決め脚のなさだとレースグレードが上がって来るこの先厳しくなって来ると思う。今回も同様の競馬をして、出来るだけ早く後続を引き離しておかないと追い比べで厳しくなると思う。

 

シックスペンス

 

中山マイルを2戦して無敗。いずれも先行策から上がりの競馬で抜け出している。初戦は超スローで時計はかなり遅いもの。2戦目で1秒半ほど詰めたが、それでもまだ1:35.5。同開催では1分34秒台が出ているので、時計面では物足りない。2戦とも上がりの競馬を先行位から抜け出しているだけなので強い競馬をしている訳でもない。上がりも3位止まりで突き抜けたレースにはなっていない。楽に勝っている印象もあるので、未だ上がありそうだが、客観的な根拠は見いだせない。現時点での推しポイントは先行センスと追い出してからの反応の良さ。序盤から楽に先行位に収まるスピードがあり、折り合いもスムーズで気性面に問題がない。器用さも見られるので、1800mの条件になっても上手に立ち回れそうな可能性は感じる。また、追い出してからビュっと切れるのでポジション利を生かして瞬時に抜け出すことが出来る。スピードや持続性など地力を証明出来ていないので評価を高くは出来ないが、立ち回りの上手さや中山向きの末脚は魅力ではある。

 

ジュンゴールド

・コントロール性が高く、行けと行けばすぐ行くし、抑えればすぐに収まる。ちょっと出負けした新馬戦ではそれが二の脚となったし、途中から動いていった紫菊賞では機動力となって現れた。

・2戦とも最速上がりを記録して、昇級しても末脚の優位性を保てている。新馬戦は瞬発戦を、紫菊賞は持続戦を制しており、どんな流れでも上位の脚を使える末脚には万能感がある

 

上記が京成杯出走時のカルテ。

 

京成杯は1番人気で12着。ケツから3番目だった。坂井瑠騎手による敗因は力んで走っていたので失速したとのこと。確かに大外枠から難しいレースで、前に壁を作れていないので馬は行きたがり折り合いも難しそうだった。

 

とは言え、結果的に前残りのレースなので行きたがっていたなら行かせてしまえばよかっただけの話でもある。勝ち馬をマークしていたのでと言う理由らしいが、中団で我慢させるようなレースではないのだから騎手が悪い。

 

坂井瑠騎手はミスタージーティーホープフルS&共同通信杯キャットファイトフェアリーS、そして本馬の京成杯と関東の重賞で人気馬を飛ばし続けている。上手い騎手とされているが、乗り慣れていないコースでは引き出しが無く、臨機応変に馬の力を引き出せない。この辺が若手のモロさなのだと思う。20代の騎手には往々にこういう事があるので気を付けたい。

 

なお、本馬は友道厩舎の中でかなり評価が高く、クラシックを強く意識している1頭。なので、確実に賞金加算が出来るようにとホープフルSではなく、京成杯を使っていた。それだけに馬の仕上がりは良く、前走からの成長もあったと良い状態で京成杯を使っていた。名門厩舎がこれだけイレ込んでいる馬なので京成杯だけで見限るのは怖い。今回も騎手次第となる。

 

スティンガーグラス

 

年明け7日の中山2000mを新馬勝ち。まだ動ききれていない感じはあったがレースは上手だった。テンに速い区間があり、そこで前との差を空け中団ぐらいで最初のコーナーを回っていたっが、コーナリングで差を詰める巧みなレース運び。3~4角も騎手の指示通りに動き、機動力を発揮して直線入り口射程圏の競馬が出来ていた。2着馬の勝ちパターンだったが加速ラップを最速上がりを記録して差し切った内容は良い。3着以下は離されていたので力上位の勝ち方だったと思う。ペースや時計的に評価を高められるものではないので扱いは慎重にした方が良いが、楽に勝った感じもあるし、使って良くなりそうな緩さも感じたので上積みは大きくなると思う。

 

チャンネルトンネル

 

昨秋の府中1400mで新馬勝ち。ペースの遅いレースで11.6-11.4-11.5と失速率の低いタイトな上がり3Fで前残りの展開。中団後ろの後方よりで競馬をしていたが直線弾けて差し切った内容は脚力上位だった。

 

1月のジュニアC(中山マイル)では、2番手から進めるなどして2着。控えても行ってもパフォーマンスが落ちない。ただ、ラストの末脚は新馬戦の時の方が良かったので先行して末脚が甘くなり、逃げ馬に突き放されてしまった点は気になった。じっくり乗った方が良いのかもしれない。

 

前走の自己条件(府中マイル)は1番人気4着とまさかの敗戦と言った感じだが、直線で前が壁で追い出しが遅れ、僅かな隙を突こうと追い出すもまた詰まりとチグハグな内容。2度目の追い出しで差を詰めて来たが3着争いにも敗れて敗退。内容的には度外視可能でよく、これで良く際どい所まで来たと言う印象。あと、やはり控えた方が脚がビュっとなる。末脚の特徴を再確認出来た。

 

1Fの延長は未知数でわからないが、3走の内容からすると直線勝負が出来る府中の方がこの馬の良さを引き出す条件かな?と言うのはある。立ち回りの上手さもあるが、末脚で勝負した方が良さそうなので中山1800mの攻略が鍵となる。新馬戦の内容から能力の高さは感じれるのでコース攻略が上手く行けば上位進出もあるとは思うが。

 

ドリーミングアップ

 

7戦して1勝。当初は着差を大きくして負けていたが、4走目から走りが変わり好走するようになる。追走力や機動力が変にあったので道中中途半端に動いてしまい、末脚を使えないレースを続けていたが、脚をタメて末脚勝負するようになり、常に上位上がりと言う末脚特化型の馬になっている。

 

発馬が良すぎた2走前はたまたま4番手で競馬をするハメになったが、末脚不発で伸びを欠く。やはり後方待機から末脚を使う方が勝負になる可能性が高い。また、必然的にじっくりと乗れる府中の方が末脚の質が良くなっている。この好走パターンは中山1800mで求められる適性から逸脱したもの。どう乗るだろうか?

 

好走パターンが確立した経緯からすると、この条件に合わせて乗り方を変えて来るのは想像しづらく、仮に乗り方を変えて来たとしても2走前の先行策で末脚の威力が落ちることが分かっている。中途半端に位置を取っても脚は使えなくなるだろう。距離は問題ないと思うが、好走するには余程展開がハマらないとこの馬の良さは出しにくいのではないだろうか?

 

ペッレグリーニ

 

新潟・府中の1800mを走っている。似たようなコース形態ばかり4走していて、成績は2勝2着2回の連対率はパーフェクト。2連敗後に2連勝している。追い込み、逃げ、差しと脚質が定まった感じはない。スタートがいつも良い訳ではないので位置取りが定まらないためである。

 

ただ、近走はペースを見こして位置取りを修正するなど道中で動いていけていて、乗り手の指示通り動けている印象。大体のレースで直線入り口までに射程圏に持って来れていて、追い出してからしっかりと脚を使う事が出来るので大きく崩れなかった。粗削りな面も若干あるが、道中の立ち回りは上手い方だと思う。

 

コース形態的にスロー戦ばかりになっているが、その割に速い上がりを使えていない印象がある。出遅れて後方だった新馬戦こそ最速上がりを使えていたが、ポジションが取れている近3走は末脚の優位性は下がっている。全戦で33秒台を記録してはいるが、スローペースを踏まえればそれで凄いと言うものではない。

 

この事から推測するに本来は末脚で勝負する馬ではない可能性を感じる。大箱コースの経験ばかりだが、自在性があり、道中で動いていける機動力もあるので案外中山の様なコースを立ち回りで勝負する方がこの馬には向いているような。コースは未経験も潜在的な適性がありそうだ。コーナーで上手に加速する事が出来れば結構イケるかもしれない。

 

ルカランフィースト

・ゲートが開いた瞬間に飛び出してそのまま2番手を取り、終始キープしてレースを進める。先行するセンスは良さそうな印象を受ける。

・ラスト3F目で13.0→11.8秒で急加速する瞬発戦となったがこれも持ったままで対応し、反応は良い。最後は11.0-11.0秒の速い流れを持続させた内容は良い。

・ラスト100mぐらいで鞭1発でしっかりと抜け出し、追えばもっと伸びそうな感じはあった。余裕のある勝ち方でまだ上がある走りをしていた。

 

上記が京都2歳S出走時のカルテ。

 

京都2歳Sブービー。道中の行きっぷりが悪く、追走中に一度もガツンと来なかった。3角に入る頃には手応え怪しく、この時点で最後方。全く競馬になっていない。松山騎手のレース後談話では内枠でモマれてしまった事が原因と話している。

 

また、新馬戦時に美浦から府中に輸送しただけでかなり煩かったとのことで、陣営は長距離輸送に不安を抱えていた。輸送でレース前に消耗していた可能性もある。中山の次走であっさりと勝っているので輸送は一つの課題となりそう。

 

ただ、3走目の若竹賞の行きっぷりも悪く、馬群から離された後方3番手。新馬戦の行きっぷりが良かっただけに、近2走のレース振りは物足りなく映る。このまま追い込み馬としてやっていくのだろうか?もう少し具体的な話を聞かないと良く分からないが、新馬戦の内容がとても良く、鞍上の評価も高かったので重賞でもやれる力はあると思われ、取捨は慎重にしたい。

 

なお、物足りないレース振りだったが若竹賞ではソールオリエンスの皐月賞と同じような勝ち方だった(勝負服も鞍上も同じでレースの見た目は瓜二つ)。不良馬場を直線後方から怒涛の追い込みを決め、2馬身差突き抜けている。不良馬場で上がりはかかる展開だったのに、レースラップは加速ラップが刻まれていて前有利な展開だった。これをぶっこ抜くのだからやはり力はある。特に坂を上る時の脚の回転は凄まじかった。こんな芸当が出来るのだから、やはり能力面は高いのだろう。評価をあまり下げたくない1頭である。

 

ログラール

 

11月にデビューして月イチ出走で1800mを3戦して5・3・1着。序盤に必ず折り合いを欠く。クビを直角に上げて騎手に反抗している感じ。全戦でこの調子なので騎手はポジショニングに苦労している。

 

成績が右肩上がりに良くなっていたのはペースによるものと思われる。超スロー・スロー・ハイペと徐々に流れが速くなったことで落ち着くタイミングが早くなってきている。結果、脚の溜まり方も徐々に良くなってきたので直線での伸びもよくなっていった感じ。なので今回もペース次第。60秒前後くらいなら良いと思うが、62秒台だとかなり厳しくなりそう。

 

ただ、折り合えたとしても抜けた脚を使える訳ではなく、上位上がりをほとんど記録出来ていない。立ち回りで勝負出来るような馬ではないので、中山1800mを攻略出来る武器はないと言って良いだろう。力強い走りはしているので、能力はあるかもしれないが、気性面が能力を妨げている。

 

今回は1ケ月間隔があいたので気性が少しでも改善していることを祈るばかり。また、スタートが良くないので、2走目までは出遅れているから余計にポジショニングが出来ていない。前走は比較的に良いスタートだったが、それでも発馬はドタバタしていた。この気性で出遅れたらポジションなんて取れるはずもなく、レースの流れに乗せるのはとても大変そうである。

 

スプリングS(GⅡ)の予想案はこちら▼

フラワーカップ(GⅢ) 出走馬カルテ 2024

こんにちは。

 

前の週でトライアルがひと段落していますので、桜花賞を目指そうとい馬は大体出尽くしています。昨年優勝のエミュー桜花賞に出走しましたが、近年は珍しいローテでフラワーCをステップに桜花賞を狙う馬は多くはありません。よって、GⅠを狙うような有力馬の参戦が少なり、どんぐりの背比べ的なメンバーになりがちで予想は混沌としてきます。

 

また、このレースから牝馬路線は別な様相を呈して来ます。距離も中距離になるのでどちらかと言うとオークスへと言う馬のステップ競走になりがちです。3年前にユーバーレーベンが優勝、2年前にスタニングローズが2着と近年はオークスで結果を残せている重賞ですので、そう言う視点で見ていく方が良いのでしょう。桜花賞前ですが、うかうかしているとオークスへの出走も適いません。賞金加算したい陣営の勝負度合いが馬券のヒントになりそうです。

 

フラワーC(GⅢ)は16日(土)に行われます。前日の15日(金)には更新を完了します。出走登録の分かった馬から更新していき、最終登録確認後に追加更新していきます。

 

予想案は各ページの最下部にある専用ページにまとめてあります。ブログカードを貼っておきますのでそちらをご覧ください。

 

エルフストラック

 

なぜかダ1400mでデビューしているが、2走目以降は芝の中距離で4走している。新馬戦を含めてここまでの5戦において、直線で差した事がほとんどない。後ろから交わせた馬は2走目の4着馬ぐらい。凡走と呼べるものはないが、決め手不足で、インパクトが弱い。3ケ月ぶりで+12kだった若駒Sを叩き台として牝馬限定の前走デイジー賞を狙っていた感じ。8枠からロケットスタートを決めてすんなり2番てにつけ、最高に上手く立ち回ったが、逃げ馬とマッチレースになり、2着まで。逃げ馬と同タイム上がりを記録してるところがこの馬らしい。直線で加速することは基本的に出来ないので、逃げ切るか、前の馬がバテるのを待つしかない。また、道悪の経験が多いので持ち時計がないのは仕方ないが、それだけに持続性の強弱も読み取れないので地力の高さも測りかねる。立ち回りは上手いがそれも普通の域で、自在性、機動力と言った特別強調する走りも見られない。強さより旨さが重要な条件だけが、どんなに上手く立ち回れたとしてもそれだけで勝ち負け出来るのは難しいように思われ、展開に相当恵まれないと厳しいような。トップクラスの参戦がないだけに紛れて△ぐらいの評価が妥当に思う。

 

カニキュル

 

2000mを2戦して中山で2着、府中1着。初戦は64.9秒の超スローを3番手先行しながらも2番手追走だったシュバルツクーゲル(重賞2着)に離されてしまった。序盤に少々行きたがる素振りが出ていたので、その分弾けなかった感じ。物足りなさも感じたが後ろの馬に差されず伸びてはいたので許容範囲か?2戦目は後方よりのポジションから差し切っている。後方で折り合いつけて運べたのは良かった。このレースはラスト3Fで加速ラップとなっているが、ラスト1Fでこの馬が突き抜けたことで加速ラップが維持されたものであり、レースの中身を引き上げる好走で印象をよくする。59.6→59.9と前後半ミドルな流れでこのパフォーマンスは悪くないし、2歳のこの時期に2分を切れているので評点を良くして良さそう。控えて繰り出した末脚が鮮やかだったので府中のレース振りの良さが印象に残るが、使った事での変わり身もあっただろうから、今なら中山の中距離でパフォーマンスを上げる事はありうる。ゴリ押しするほどの馬ではないのだが、普通に良い馬で無視して良い材料もない。

 

カンティアーモ

・2歳レコードを記録した新馬勝ちが圧巻の内容。最下位入線した逃げ馬と雁行し大逃げ、後続に並ばれてからも持ったまま、2着馬とのマッチレースで3着以下に7馬身差。破天荒な内容で強烈な印象を残す。

・終始締まったタイトな展開を全力疾走した感じで、持続性が相当高い。恐ろしいほどの心肺機能。

・スピードが勝っている印象なので走りはワンペース。奥がなさそうな感じも同時に受けた。

 

上記がデイリー杯2歳出走時のカルテ。

 

デイリー杯2歳S6着。後方追走で、4角で手応えを失くし最後方。からの追い込みで6着に浮上。良く分からないレース振り。本気を出したのは直線だけで新馬戦の内容からすれば走っていない。最後はしっかりと伸びていたのでそれなりに余力もあったという事になるから、道中真面目に走っていなかったという事かもしれない。ただ、後方で折り合いがついていたのでこの馬にしてみればこれは収穫と言える。新馬戦で騎乗していた川田騎手から「コントロールが難しい」と気性面を辛口評価をされていたので。そういう馬が力まずに走れた点は良かったのかもしれない。新馬戦でスピード任せに押し切って2歳レコードを記録していたが、控えた競馬をこれでが覚えてくれれば先に繋がる1戦だったと言えるかも。また、フットワークの大きい馬だから、稍重だったことがこの馬には堪えた可能性がある。良馬場なら違った走りをする可能性は考慮しておきたい。新馬戦を素晴らしい持続力を発揮して勝っているので、能力は高いはずであり、敗因は確認した方が良く、敗因次第で見直すべき。

 

なお、レガレイラ、チェルヴィニア、ガルサブランカと同じ木村哲厩舎の牝馬だが、本馬も含めたこの4頭はGⅠを勝てる能力があると2歳時から評価されている。

 

スティックバイミー

 

9月の中山1800mで新馬勝ち。レースとは先行争いのある2F目が速くなりやすいものだが、その2F目に13.3秒の超低速ラップがこの新馬戦では刻まれていて、最初から締まりがなかった。38.6-65.0秒の超スロー戦を1・2番手の馬がワンツー決着したレース。2番手から進めて逃げ馬を交わしただけで、展開を味方にして前残りしただけであり、特に見るべき点がない。ペースが遅くとも後半にそれなりに加速出来ていれば別の見方も出来るがそれもなく、このペースから上がり36.0秒はあまりにも物足りない。時計の出やすい開催で勝ち時計持1:54.0(良)は情けないの一言に尽きる。持続性皆無の速力不足。それを証明するように2月の同条件デイジー賞を殿入線している。稍重だったのでダメだったのかもしれないが、1・2番手の馬が前残りしたレースを3・4番手だった馬が記録して良い着ではない。4角前には手が激しく動いていて、失速する一方で完全に脱落していた。鞍上デムーロ騎手の諦めも早く最後は流していたが見直せる材料にはならない。ただ、この内容でさえ新馬戦の勝ち時計を上回る時計で走ったのだからこの馬なりに上積みはあったのだろう。力は出し切っているのかもしれない。特別な事情でもあれば考慮もするが、新馬戦の勝ち方、前走の負け方を見るとさすがに手が出せない感じ。

 

テリオスサラ

・スローの決め手勝負の展開よりも、タイトな流れの持続戦や時計勝負で強い。程よいペースを先行して渋太く、瞬発力勝負は避けたい。

・2000mから使われ始め、1Fづつ短縮しながら3戦している。3・1・2着と全戦で好走しているのでどの距離が一番良いというのは言い難い。

・出遅れたフェアリーSで末脚勝負をすることになったが、終いの脚に魅力が無い事を改めて露呈。上がりの速いラストに対応出来なかったのもこれまでのキャラ通り。

 

上記がクイーンC出走時のカルテ。

 

出遅れたフェアリーSは7着だったが、自分の競馬に徹したクイーンCでも7着だった。タイム差も0.4秒差から0.7秒差と大きくなっている。どこかで触れたがフェアリーSにはそこまで強い馬の出走がなかったのでメンバーの質が良かったとは言えず、クイーンCはGⅠを意識するような馬の出走がチラホラあってそれらが上位に入線している。レースが変わり、レベルも高くなり、相対的にパフォーマンスが下がったと見るべき。また、この馬が強いとされていた根拠が同条件で行われた赤松賞の2着だったが、クイーンCでは赤松賞時の走破時計を0.1秒上回っており、ある意味この馬の力通りに走ったとも言える。外枠だったので難しい面もあったが、この馬の競馬は出来ていた。強い馬相手に力負けした格好だろう。

 

なお、この馬を物差しにすると、クイーンCの着差から上位馬は桜花賞へ直行するステレンポッシュより全然強いという事になる。

 

さて、フラワーCだが今回はメンバーレベルがクイーンCよりもグンと弱まる。相対的な力関係に結果が左右されている現状からすれば、今回は買いのタイミング。桜花賞を目指していたので近3走はマイル戦を走っているが、デビュー戦が2000mで3着、フラワーCと同じ中山1800mで勝ち上がった馬である。もともとの中距離資質は高く、決め手勝負を回避できる中山1800mは良い。脚質的にも向いているので条件的には好転するはずで、重賞で揉まれた経験が適条件で生きるかもしれない。

 

テリオスルル

・スタート上手く、二の脚も使えるので先行力は安定していて、序盤の立ち回りが上手い馬。

・後半に速い脚は使えないかもしれない。現状は序盤のアドバンテージを生かし切る競馬が向いており、末脚比べで評価は上げられない。

・先行勢が崩れるような展開でも粘れる持続力は評価出来る。他馬がしんどいところでひと踏ん張りできる。行かすと渋太い。

 

上記が阪神JF出走時のカルテ。

 

阪神JFは11着も先行馬の中では頑張っていた方だったが、前走のデイジー賞(中山1800m)も同じような負けかをしており、相手なりに走ってはいるが、上位に残り切れない。相手が強かったGⅠはまだしも、自己条件の前走は1・2番手の馬がワンツーを決める展開の3番手追走とこの馬も上位に残れていないといけない展開で、力負けの印象を強くする。3着辺りとは0.3秒差だったが、この展開で後続にどんどん差されていたので言い訳の付かないところがある。立ち回りの上手さで勝負するタイプだが、立ち回りが上手い上にこの馬より地力のある先行馬は珍しくない。地力で勝利するのは難しく、相当展開に恵まれないと。テリオスさんはサラと2頭出しだが、脚質が被っているのでどういう戦略だろうか?サラの方が力上の評価で良いと思うけど。

 

フォーザボーイズ

 

ここまで3戦消化して2・1・2着。レースセンスが良いので大崩れのなさそうな立ち回り。2戦目までは府中1800mを走っていて悪くない内容で好走していたが、求められる適性がまるで違う中山マイルでも良い立ち回りで2着好走。現状どんな条件でもレース振りは安定しており、対応力の高い馬である。中山1800mは初めてだがこれも難なくこなすのではないだろうか?負けた新馬戦は相手が強かったので仕方ない面があり、その馬がいなければ完勝と言う内容。前走の敗因は不利な中山マイルの大外枠で楽な位置を取れなかったことと、1k軽い減量騎手に逃げ切られてしまったもので、半馬身差なら勝ちに等しい。中団で控えて機動力で押し上げる事も出来るし、先行して突き抜ける走りも出来る。時計的には標準級であり、相手関係から強さを保証出来るものもないので、積極的な推し材料はないが、相手次第で重賞でもという印象。折り合いスムーズで、操縦性も良く、追ってしっかり伸びる馬だから常に自分の力は出し切れる。本当に力関係だけであるが、強さより上手さが生きる条件でもあるので、1勝馬同士なら上位に採るのも吝かではない。

 

ホーエリート

 

3・1着と勝ち上がるまでは良かったが昇級して壁にぶつかり6・7着と1勝クラスで良いところがない。前走のフリージア賞はタイム差0.2秒と好走したとも取れるが。好走したレースに共通しているのはスローだったり、道悪だったりと時計のかかる状況だったこと。逆に大きく負けた2走前の百日草特別は1:59.4の好時計決着でラスト4Fの持続戦に対応デキずに負けている。各馬が直線で伸びるなか、この馬だけがジワジワしてしまい、上がりタイムの差も大きくなってしまった。スローラップでも追走に余裕がないように映るので11秒台のラップがこの馬には忙しいのかもしれない。時計決着や高速上がりになる展開に不安がありそう。

 

今回も中山コースの馬場次第。今開催は極端に時計の出る条件ではなさそうだから、この馬にも走れる条件ではありそう。しかし、好走するのが時計がかかる時ばかりなので、パフォーマンスが高いという事にはならないから強調材料がなく、取捨は難しいところ。

 

強いて言えば、勝ち上がった際が重馬場で道悪での走りがとても良かったこと。直線に入って早々に2着馬とのマッチレースになり、2頭で後続をグングン離す(3着以下は5・2・5・大・大差)。最終的にはハナ差競り落として辛勝だったが、この2着馬が直ぐに2連勝しているので負かした相手も上等だった。良馬場では見られない走りで、道悪でパフォーマンスが上がるタイプなのだろう。道悪になるなら増し評価しておく方が良いかもしれない。

 

マルコタージュ

 

府中1800mを新馬勝ち。5番人気だったが単勝配当は1,120円もついていた。1~3番人気の3頭だけが人気になっていたレースでそれ以下はオッズがかなり下がっていた。それら3頭は2~4着と人気に違わず走ったが、この馬がまとめて抑え込んだ結果になっている。

 

レース内容を見ると、スローの前残りであり、この馬は2・3番手の競馬で展開を味方に出来ていた。直ぐ後ろに2・3着馬がついていたが牽制でもしていたのか、追い出しがこの馬の方が少し早く、それで勝負あったという感じ。2着馬に馬体を併せられ交わされそうな感じも、アドバンテージを生かして差し返し。ハナ差勝ち出来た。展開を味方にしていたクチであり、相手も脚を余した感じだったのでフロック性を帯びているような気がする。

 

1:50.1の勝ち時計も1月下旬であることを思えば随分と遅いし、63.2秒のペースから使った上がり33.9秒も平凡に感じる。強いから勝ったという内容ではないので、積極的な買い材料はない。

 

馬良く先行し、リズム良く追走していたレース振りに気になる点はなかったので、まずは標準級の評価ぐらいにしておきたい。追い出してからモタモタした感はあったので使ったことでその辺に変化が見られれば上のパフォーマンスを発揮する事は可能だと思う。積極的な評価材料はなく、地力勝負では厳しいと思うが、先行馬で操縦性も良いので中山コースが向いている可能性はある。消して良いとは言い切れない。

 

ミアネーロ

 

中山1800mを新馬勝ちした際に、ラスト100mぐらいで外にヨレて0.2秒差に負かした2着馬と接触し、大きく外へ押しやってしまった。この2着馬はその後2連勝した素質馬で、直線の伸び脚からみても本来はこの2着馬が勝つレースだった。

 

逆に今度は2走目に使った中山マイルの菜の花賞で前の馬がヨレたことでてゴチャつき、手綱を引っ張る致命的なロスを受けた。それでもラスト50mで力強く伸び0.2秒差で5着入線。スムーズだったら勝ち馬とも際どかったかもしれないが、0.2秒の因果応報が絶妙で面白い。

 

時計的な価値を見出せなかった新馬戦はまだしも、好時計決着した菜の花賞から一定の持続性は感じられる。2走のレースを見ると、1800mの方が楽に追走出来ていた。マイル戦でも中団には付けれていたが、テンに置かれ気味になっていたし、常に促しながらの追走で走りに余裕がない。

 

1800mではスローを見越して向こう正面で動いて前に取り付いていたし、最終コーナーも持ったままでマクれていた。自在に動けて力強い走りが出来ている。直線ヨレたのも内から忍び寄られた馬の影にびっくりした感じで飛び跳ねたものであり、苦しかったとか距離が長かったとかではないだろう。終いもそれなりに伸ばせるので条件的には1800mの方が計算出来ると感じた。前走の負けや新馬戦でヨレたことで評価を下げ過ぎないようにしたい。

 

ラビットアイ

 

5戦消化して1勝4着4回。当初、小倉の中距離や阪神内回りの条件を走って中途半端だったが、外回りのワンターンを走るようになりパフォーマンスを上げている。コーナー4つのコースでは行きっぷりの見栄えがあまり良くなく、コーナーでの加速も弱く、機動力のない走り。勢いをつけて最終コーナーを回ってこれないので伸びもイマイチ。着差も大きかった。

 

3走目から外回りを走るようになり、走りの感じが大きく変わった。追走力は上がり、力強く走れるようになり、脚も溜められるようになった。結果、直線で末脚を使えるようになり、前との差を詰められるようになって着差も小さくなる。コーナーが少ないことでじっくりと進められるようになっている。位置取りも先行位で立ち回れようになり、勝ち上がった時は逃げ切り圧勝だった。

 

このように走りの質が内回りと外回りでまるで違う。中山1800mには疑問が残る。また、末脚が良くなったとは言え、物凄い脚を使えるようになった訳ではない。昇級した前走も4着までだったし、末脚上等と言うキャラではない。勝ち上がった時が逃げ切りだったので早めの競馬で脚を使い切る競馬をした方が良い。中山1800mでそう言う競馬が出来れば、違った面を見せる可能性は多少ある。

 

ヒラボクミニー

 

年明けデビューで1月の中山マイルを新馬勝ちした。勝ち時計はフェアリーSや好時計が出たレースより1.5~2秒近く遅く、3F通過37.0秒でペースも遅い。これを先行して前残りした恰好なので内容的な評価は難しい。

 

レースでの振る舞いには気になるものはなかった。ワンテンポ遅れてゲートを出たが、二の脚踏んで楽にリカバー、ポジショニングや先行するセンスは悪くなかった。加速ラップ気味なレースだったので4番手から差し切った点も評価して良いと思う。追い出してからの反応も俊敏だったし、最速上がりを記録した内容は良い。一旦交わした2着馬の差し返しをくらいかけたが、ゴール前で再び加速してクビをグイっと前に出して凌ぐ。勝負根性もなかなかである。全体的な立ち回りは悪くなかった。

 

クラスが上がった今回は相手関係、ペース等に対応出来るかによる。パフォーマンスをどれくらいあげれるだろうか?1Fの延長になるが1800m戦でもスローに分類出来るペースで折り合えているので気性的には問題ないだろう。ただ、父ミッキーアイルなので血統的にはどんなもんだろうか?

 

レリッシュ

 

12月に門別からJRAに転入している。1月から使われ始め3走したが、ブビー、殿、殿と負けまくり、その着差も大きい。全戦で1秒以上負けている。逃げてダメ、中団待機でダメ、後方待機もダメだった。特にダメだったのが3.1秒も離された後方待機策だった時。ラストに速い脚を使えないので芝の高速上がりに対応出来ないので差を詰めれず待機した分だけ着差が大きくなっている。かなりの能力不足な馬であり、重賞で検討のテーブルに上がるような馬ではない。そもそもデビュー戦を勝っただけで門別でも下位常連。中央のみならず、地方でもかなり厳しそうである。

 

フラワーC(GⅢ)の予想案はこちら▼

 

ファルコンステークス(GⅢ) 出走馬カルテ 2024

 

こんにちは。

 

1400mで行われるファルコンSは前走1200mの距離延長組がほとんど馬券になれない重賞です。昨年時の過去10年では3着が1回あるだけだったのすが、その昨年は1・3着と走り、4・5着馬も距離延長組でした。来ないと言われた距離延長組が2着以外の掲示板を占めるというとんでもない結果になり惨事となりました。

 

その要因をはっきりとは言えませんが、昨年は出走14頭中7頭が前走1200m組で最大勢力だったことが影響したのかもしれません。それでレースの流れが1200mっぽくなったとかで不利なデータを出走数の多さで覆したのかもしれません。データーにそぐわない結果は常に起こりうるものです。

 

ただ、条件そのもは変わらないですし、今年は若干1400m以上を走っていた馬の方が多い(3/7現在)ので、昨年とは情勢も違います。前走1200m組は昨年の数値を足しても1勝2着3回と圧倒的なマイノリティに変わりありませんから、積極的な重用はやはり避けた方がよろしいのではないかと思います。

 

ファルコンS(GⅢ)は16日(土)に行われます。前日の15日(金)には更新を完了します。出走登録の分かった馬から更新していき、最終登録確認後に追加更新していきます。

 

予想案は各ページの最下部にある専用ページにまとめてあります。ブログカードを貼っておきますのでそちらをご覧ください。

 

オーキッドロマンス

・マイルを2戦して勝ち上がれず、1200mで2連勝だが、マイル戦でもレースには対応出来ていたので短距離馬として決めつけるのは早計。

・ゴンバテカーブース、コラソンビートなどマイル戦の勝ち馬はいずれも重賞馬で相手が強かっただけで良いレースはしていた。中間距離の1400mなら。

・キツイレースの経験が豊富で消耗戦で強い。我慢比べの展開で差して来る。短距離馬にしては体力のあるタフな馬。

・先行力も追走力もあるのでレースの流れにはちゃんと乗れており、2歳馬にしては完成度が高そう。

 

上記が京王杯2歳S出走時のカルテ。

 

適性が無かったと思われるダート交流戦を間に挟んでいるが、府中1400mのOPを続けて走っている。序盤のペースに1秒ほどの違いがあるが、逃げていた馬も、負けた相手も、道中の位置取りもほぼ同じ内容。前走も0.1秒時計を詰めて、レコード決着した京王杯2歳Sと同タイム入線している。この条件で走りにブレがなく、パフォーマンスが高いレベルで安定している。大きな変化は見られなかったが、斤量が1k重くなってもいたので相応の上積みが確認出来たと捉えて良い。

 

ゴンバテカーブース、コラソンビート、ロジリオンなど必ず強い馬がいるので勝ち切れていないという印象だが、並みの馬と比べれば全然強い。また、先行馬の宿命みたいなところもあって、目標になって差されている。瞬発力の要求度が高い府中コースでは仕方ないところか。中京1400mはコース的に似ているが、府中程大箱コースではないので、瞬発力の要求度は下がり、立ち回りの上手さ、先行力の高さで抵抗可能。三度ロジリオンと対戦することになるが、ここまではいずれもタイム差無しで力差がない。コースが変る事で相手の決め手を封じる事は出来るかもしれない。

 

エイムフォーエース

 

船橋所属の地方馬JRAアーカイブに登録があり、デビュー前はこちらに登録していたよう。馬主は大井の三冠馬ミックファイアも所有していて、JRAにも馬主登録がある。

 

地方での4戦は1200m2勝。1500mと1600mも使っているが、コントロールの難しい馬なようで距離の長いところへの適性は弱そう。1200m戦も逃げ切ったり、最後方から差し切ったりとレース振りが定まっていない。近2走はJRAでリステッド競走を走っているが確実に通用している。0.8秒差6着だったジュニアCは10馬身ぐらい離れた最後方ポツンだったので脚を使っても詰め切れなかったが良い脚は使えていた。クロッカスSは後方2・3番手も馬群に取り付いけていたので、0.1秒差4着に接戦できた。2走とも上がりは当然最速で、ちょっと抜けた脚を使っている。ジュニアCも大外から物凄い脚を使っていたし、並みの中央馬よりは末脚が際立っている。距離も1400mが最も良い感じ。

 

3走前の船橋戦からこの戦法が取られていて、後方待機の末脚勝負は板についている。脚は確実に使って来るので印を回す価値はあると思う。とは言え、0.1秒差の接戦だった前走は4コーナーでインを突けた事で前との差をあっという間に縮められていたハマり走でもある。同じような競馬が再び出来れば再現もあるが、多頭数の重賞で捌ききれるかどうか?後方待機のスタイルは崩さないだろうから、スムーズに詰めて来れるかが課題になるだろう。ちなみに、船橋戦を見る限りだと器用さがあるようには思えなかったが。

 

エンヤラヴフェイス

新潟2歳Sは周りに馬がいたことでヤル気を失ってしまったそう。メンタル面に不安あり。

新潟2歳Sでは後方から末脚を繰り出すことが出来ていない。新馬戦でもそうだったが、ラストに速い脚を使えない模様。

・デイリー杯2歳S2着の好走要因は揉まれない8枠発走によるもの。スムーズに立ち回れれば力は出せる。

・タフな流れが向いている。瞬発力や切れ味はないのでラストが加速する上がりの競馬はあまり好ましくないと思われる。

 

上記が共同通信杯出走時のカルテ。

 

共同通信杯9着。リズム重視でソロっと乗って初手最後方から向こう正面で徐々に位置取りを押し上げていった。レースの立ち回りとしては良く、ゆったり進められるこの距離も合っていた印象。直線に入った時も手応えは残っていたし、バタっと止まるようなところも無かった。力は出し切れていたと思われ、純粋な力負けとして良い。ここは相手が強すぎた。共同通信杯は62.7秒→11.4-10.9 -10.8と、スローからの上がりの競馬であり、恐ろしい程の超加速ラップが記録された。1・2着馬が32.6秒でとても速い上がりを記録して後続を振り切っている。この馬はこれに対応出来ずに負けたという事で、速い上がりを使えない弱味がモロに出た。新潟2歳Sでも同様にキレ負けており、ラストに速い上がりが記録されるレースではいいところがない。

 

今回は初の1400mになるが、1800mの走りがフィットしていただけに、ここまで短縮するのは忙しい印象も。反面、タフな展開で渋太い末脚を使うのが好走のパターンなので、ハードな流れになるこの距離の方が末脚が生きて来る可能性もある。直線でグンとした加速をする馬ではなく、ワンペースな流れが向いているので、意外といける条件かもしれない。

 

クリスアーサー

 

新馬戦で1400mを大敗し、以降は1200mに特化。新馬戦の内容だけで距離に壁があるとするのは早計だと思うが、1200mの走りが良い事は間違いのないこと。この距離で4戦し、2勝2着1回でOP特別まで勝利している。好走した3走ではスピードを生かして押し切っている内容で33秒台の速い流れを持ったままで追っていけるスピードがあり、4コーナーではマクり、突き放せる態勢を取れている。良い速さを持ち、それを全面に出せた時は凡走がない。前走のマーガレットSは1.1秒差と大きく負けてしまったが、恐らく道悪が良くなかったのではないかと思う。スタートで躓いているし、4コーナーではインの進路がありながら、外に切り替えて馬場の良いところを選んでいるように見える。外に切り替える際の捌きで前とは差がついてしまったのも敗因。重賞好走馬多数で相手も強かったが、いろいろと噛み合わなかった印象でこの1戦で評価を下げられない。

 

スプリント戦なら印を回した方が良い馬だと思うが、1Fの延長をこなせるか?になる。1200mでも折り合いを欠くシーンが何度かあり、気性的にも歓迎とはならないかもしれない。負けた2戦は差す競馬で伸びを欠いていたので、距離延長に慎重になり控えてしまうと味が無くなる可能性も。

 

トミノキラリ

・1200m~1400mを3戦して2勝2着1回。ここまでは短距離馬として成功しているが、対戦成績的やレース内容、走破時計からGⅠで評価出来るような材料がない。

・スピード色は強いが、最後の失速の大きいタイプで、突き抜けるまでの走りは出来ていない。距離延長も歓迎出来る材料ではなさそう。

 

上記が朝日杯FS出走時のカルテ。

 

朝日杯FSは0.4秒差の6着と大健闘。インを突き抜ける勢いで圏内突入もありそうだったが、外伸びした追い込み馬にごっそりと交わされてしまった。この馬も外に進路が取れていたらとは思うが、そういう競馬は選択出来なかっただろう。厩舎評では短距離馬とされており、マイルははっきりと長いらしい。距離適性のない馬にインをセコク乗る以外に選べる方法はなく、外を回していたらあの脚は使えていなかったと思う。結局、これが精一杯だったということで、良く頑張ったとしか言えない。

 

2走前から控えて末脚で勝負するようになっているが、このスタイルも随分様になってきた。朝日杯FSもGOサインから瞬時に加速しており、操縦性は上がっている。インを器用に周った立ち回りも良く、使った上がりは2位上がり。不適正のレースでこれだけ走ったのだから評価は高くしないと行けないところ。ただ、展開はハマっていたので実力以上に走れた可能性はある。上がり1位だった2着馬は共同通信杯で正攻法のレースでパフォーマンスを落としている。本馬も地力勝負でどこまでやれるだろうか?GⅠのレース内容は素晴らしかったが最高にかみ合ったていた印象も。評価を高めすぎ事には慎重になりたい。

 

戦前の話を確認しておくと、マイルGⅠは荷が重いと話しながら「ファルコンSや葵Sなら重賞でもヤレる」との事だった。今回はその名指しされたレースであり、厩舎サイドの意欲は高まっているはず。適距離の重賞なので強気な競馬も出来るが、府中1400mだった2走前の内容もそこまで優秀なものではないため、重い印で扱うにはまだ何か足りない気がする。

 

シュトラウス

・不良馬場の新馬戦を9馬身差の圧勝。2番手から一方的な競馬で圧勝していて、相当な馬力型。厩舎では「体力おばけ」と言う言葉で評価している。

・2戦目のサウジRCまでは何とか我慢させていたが、東スポ杯2歳Sで折り合いが厳しくなってきた。59.1秒と速めの流れでも御しきれていなかった。

・この気性では1800m以上の距離は厳しく、クラシックは難しい。折り合いに気を使わないマイル路線への転戦は吉となりそう。

 

上記が朝日杯FS出走時のカルテ。

 

東スポ杯2歳Sの勝ち馬がここなのかぁと言う残念感はあるが、この馬の事を考えれば悪くない選択にも思う。朝日杯FSは見たまんまの内容だが、補足しておくて2・3F目に10秒台が連発した激流であり、3F通過は34.1秒だが、出遅れ最後方の馬が3F標識前にはハナにたっているのだからこの馬自身は3Fまでに33秒前半で走り切っていると思われる。ペースがスローであったならこんな乗り方でも押し切れてしまえたかもしれないが、この流れをこんな競馬で押し切れる馬はそうそういるものではない。

 

マーカンド騎手の乗り方が非難を浴びたが、そう言う問題ではなく、これだけ速い流れでも折り合えなかった方が問題。それでも直線でバッタリ止まっていないのがこの馬の凄いところ。10着とは言え、0.8秒差とそう大きく負けていないのだから、やはり力があるのは間違いない。

 

この馬の悪いところは折り合えないだけでなく、常時テンションが高いところにあるよう。東スポ杯2歳Sを勝たせたモレイラ騎手もコントロールが難しいと苦笑いしていたそう。現状、誰が乗っても乗り難しい。

 

だったらレース選択で調整するしかなく、1400mへの短縮も仕方なしだろう。皮肉な話だがスピードのあるところは朝日杯FSで証明されているし、それを持続させるパワーもあるので、この距離でも普通に対応出来ると思う。息を入れなくても走り切れる1400mなら押し切れるかもしれない。スタートがまともなら上位には顔を出すのだと思う。2歳秋は使い詰めになったので使う毎に折り合いが難しくなってきた経緯がある。間隔を空けてリフレッシュ効果でもあれば良いのだが。

 

ソンシ

 

1400mを3戦し、府中で2勝、阪神は2着。負けたとは言っても阪神の万両賞はハイパフォーマンス。3F通過33.8秒の激流を2番手から押し切りにかかっている。クビ差交わされたが、ラスト1Fの失速も小さく、心臓面は相当強い。逆に府中の2勝はスローだったが、この流れならノーステッキで勝ててしまう。加速ラップで突き抜けており、ペースが遅いなりに良いパフォーマンス毎度発揮している。ハイペでも、スローぺでも折り合いに難しいところを見せないのも素晴らしい。ある程度先行する事が多いが、中団に控える競馬でも結果を出せており、脚質に幅を見せ始めた。どんな流れでも、どんな競馬でも出来るレースに注文の付かない良い馬だ。持続性も瞬発力も優秀で重賞でも通用しそうな馬だろう。立ち回りに欠点もなく、能力も高いので、勝ち負けになりそうな1頭。いつも行儀の良い馬なので敢えて言う事がないくらい問題がない。

 

ダノンマッキンリー

・2戦2勝。新馬戦は2番手から突き抜けて、秋明菊賞は後方からぶっこ抜いてと見た目のパフォーマンスも良い。いずれも力上位の走り。ここまでは抜けて強い印象。

新馬戦で持続性の高さを、秋明菊賞で瞬発力の高さを見せているので高評価。

・使ったことで気難しい面が出ている。目に見えてクビが高くなり、コントロール性を失っている。直線もかなり外を回した安全策。馬群での中のレースに不安あり。

 

上記が朝日杯FS出走時のカルテ。

 

デビューから手綱を取っていた川田騎手はマイルGⅠでこの馬には騎乗したくないと朝日杯FSの騎乗を断っている。どうも怖くて乗ってられないということらしく、気性に難がある模様。

 

朝日杯FSでも序盤から行きたがり、ルメール騎手も押さえるのに苦労しており、ずっと麒麟走法で走っていて折り合いの付かない様は目立っていた。ルメール騎手による敗因分析もこれに尽きていて、気性的に距離が長かったという事らしい。

 

それで0.5秒差なら適距離ならとも思うところだったが、次走クロッカスS(府中1400m)の内容は朝日杯FSと変わらなかった。ルメール騎手が続戦していたが腰を落として押さえるのに必死。これでは脚が溜まらないので末脚はジワジワとなり、決め手ないまま雪崩れ込んで5着と言う内容。

 

折り合いを欠いたまま押し切れるのは1勝クラスまでという事か?相手が強くなるとしっかり御せていないと勝ち負けまで持ち込むのは難しいかもしれない。2戦目までのパフォーマンスは高いので力のない馬ではないと思うが、現状はその能力を思うように発揮出来ていない。気性次第としておきたいが、短期間で根本的な改善に至るかは疑わしい。なお、厩舎でも将来的には短距離馬と言う評価もされていて、現状では1400mでも長いのかもしれない。

 

ナムラアトム

 

ナムラクレアの弟になる。鞍上は浜中騎手。新馬戦を3着に負けたが、勝ち馬は4k減の馬で、2着馬もこの馬同様にその後2連勝しているので、弱い馬に負けた訳ではなさそう。有馬記念週の阪神1400mを1:21.3で走れていれば時計面は合格だと思う。3番手の積極策から追い出したら末脚がジワジワしてしまったからか、2走目からは中団ぐらいで控える競馬をして2連勝している。いずれも最速上がりで差し切っており、末脚は際立っている。未勝利(小倉1200)は次位を0.5秒上回る末脚だったし、前走の自己条件(京都1400)は直線入り口最後方の一線から大外を豪快に差し切った。控えて末脚を繰り出す形が現状合っている模様。特に前走は前有利な加速ラップをねじ伏せた格好になっているので、脚力の高さは十分に評価出来る。時計的にも標準以上で走れているし、短距離で流れに乗っていけるスピードもある。適性は高そうに思う。まだ騎手に動かされているようなところがあり、持ったままで上がってこれるような力強さはないが、それだけ成長の余地がある。前走以上のパフォを期待しておく方が良いと思う。ただ、姉同様に1200mの方がより強いかな?と言うのはあるので、1400mの重賞はやっぱり試金石だろう。

 

フェンダー

 

2歳戦開幕2週目にデビューしたノーザンF産のシルクの馬で、阪神マイルで1番人気に支持されていた。素質馬の評価がなされていたのだと思われる。ところがこのデビュー戦で殿負け。ゲートを出ないし、追走力も無く、情けない負け方だった。2戦目からブリンカー装着し、行きっぷりは激変し、4馬身差で逃げ切り圧勝。これで修正出来たと思われたが、9月に復帰してからも勝ち切れず、大事に使われるノーザン系の馬には珍しい秋に4戦も消化されている。近3走はルメール騎手が騎乗しているが着をを下げながら成績をさらに低下させている。前走でブリンカーを外したところ新馬戦の時のように前進気勢がなくなり後方に置かれ、直線で追っても伸びず、ブービー入線。馬にヤル気を感じられなかった。全体的に良いところが無く、能力以前の問題である気がする。好走時の走りを見ても、終いに競馬を止めてしまっている感じ。勝った未勝利もラスト1Fの失速が大きく、最後まで脚を持続させることが出来ていない。終いの甘さを距離が長いと考えたのか、1600→1400→1200と距離を短縮しながら使われているが、結局そう言う事ではなくて、馬が真面目に走っていないだけの様に感じる。これはさすがにアテに出来ない。当初の期待も無いに等しいのではないかと思う。こういう馬はいつ走るかわからないので怖いところもあるがかなり狙いづらい。

 

ジリオン

1400mで勝ち上がっているがズブい処があるのでこの距離では忙しい印象。道中で気合をつけていかないと位置取りは下がり、序盤、前半の自主性は弱い。

・その気になってからの走りはいつも良い。直線で追い出されてからはグイグイ来れる末脚には見どころあり。息の長い末脚が武器になっている。

・どんな競馬でも出来るタイプではないが、順々で操縦性は高い。乗り方一つで勝ち負けに加われそうな感じはある。

 

上記が京王杯2歳S出走時のカルテ。

 

京王杯2歳S2着→クロッカスS1着と府中1400mで好走を続けている。ここ出走のオーキッドロマンスとはいずれもタイム差無しの接戦でいずれも差し切っている。

 

京王杯2歳Sの頃までは気合をつけないと位置をキープ出来ない感じだったが、年が明けた前走では道中の行きっぷりが良くなっていたので、道中の運びが楽になり、ポジショニングは向上している。追い出してからの反応も変わらずよく、上がりもキレる。それまでは位置取りの差で負けていた感じだったがそれもなくなり、しっかりと差し切る事が出来た。

 

京王杯2歳Sではコラソンビートを上回る末脚は繰り出していたが、そのコラソンにGⅠで先着したアスコリピチェーノの主戦騎手北村宏騎手は京王杯2歳S時にロジに騎乗した際に、乗っている感触はアスコリと同等レベルという言葉を残している。GⅠ級の評価が必要な馬かもしれない。

 

前走時に+14kと目方を大きくし、馬体的な成長も感じられ、京王杯2歳S時を上回る時計で走れていることから、3歳になり馬が強くなったと解釈できる。皐月賞という事はないだろうが、既に賞金面をクリアしているのでどんなGⅠにも行ける。タイトル欲しさにファルコンSを勝ちに行くか?それとも先を見越した叩き台か?陣営の勝負度合いが印を決めることになる。

 

なお、器用そうなタイプではないのでコーナーがタイトになる中京で府中の様に乗れるかが課題になると思う。

 

ミルテンベルク

新馬戦では先行策も、小倉2歳Sでは五分の出から中団待機策。ペースに合わせて変わる自在脚質。

・厩舎の先輩、メイケイエールより素質が高いと厩舎は期待している。

・この馬も前進気性は強いので距離延長もプラス材料にはならないと思う。1400m以上を走るようになってからは力負けが続いている。

 

上記が朝日杯FS出走時のカルテ。

 

3走前の京王杯2歳Sの頃から、とにかく抑えてくれとのオーダーが出されるようになっており、折り合い面の課題が大きい。しかし、モレイラ騎手、ムルザバエフ騎手とがっちり抑えられる騎手が騎乗しても完全に御す事が出来ていない現状。特にマイルの朝日杯FSは序盤にずっと首を上げており、折り合いはついていなかった。これでは脚は溜まらないので直線で殆ど抵抗出来ずに最後は流して入線し、最下位となっている。

 

よって、年明け初戦は1200mのマーガレットSが選ばれた。ここで4着と一応は巻き返した感じ。やはり短いところだとそれなりに走れる。マーガレットSの敗因は出遅れ。スタートで2・3馬身は遅れを取っている。リカバーするにも出して行くとかかる心配があるからじっくり乗るしかなく、後方2・3番手に控えることに。前残りしたレースなのでこれは苦しい。

 

ただ、これはこれで収穫であり、終い勝負の競馬で最速上がりを記録して、末脚を引き出すことが出来たのは良かったのではないかと思う。後方追走で折り合いがつくならその方が良い。1Fの延長は歓迎材料とはならないが、同じような乗り方で脚を使えるなら侮れないところはまだ残されているのかも。ハマれば凄い脚を使ってくれるかもしれない。

 

アンクルクロス

 

未勝利脱出に5戦、1勝クラス卒業に4戦と9戦を消化。当初は凡走を続けたが未勝利勝ちの時から走りが変わる。そのきっかけは長岡騎手への乗り替わり。前任者たちは行きたがるのを押さえてしまい脚を溜めきれないでいた。長岡騎手の場合、馬の気分にまかせて先行させる事でむしろ脚は最後まで持続するようになってきた。気分よく行かした方がいいのだろう。長岡騎手はよく乗りこなしていて以降は主戦騎手を任されており、凡走と呼べるレースは無くなった。また、こういう気性なので距離短縮路線を採るようになったこともプラスに出たのだろう。気性を気にしすぎる必要が減少したことも連続好走の背景にあると思われる。

 

なので1200mの方がより良いと言うのは言えることで、この距離だと上がりはいつも最速の末脚。1400mも走れている部類だがこの距離だとやはり気性の面で少々ネックとなってくるので終いの脚が少しかったるくなる。1400m戦の上がりは全て3位と末脚の優位性が1200m戦に劣っているのもその表れだろう。やれない距離ではないのだが、ベストパフォーマンスと言う訳にはいかないと思う。

 

ヴァルドルチャ

 

5戦して前走で勝ち上がり、その間2着3回。5戦全てで1番人気だったように当初から評価が高く、走りも悪くなかった。スタート上手くポンと飛び出すので初手2番手の競馬を常にしている先行センスの高い馬。最終コーナーもほぼ同様の位置取りをキープしていた。それでも勝てなかったのは瞬発力がないので一瞬で前との差が開いてしまったり、後続に交わされてしまっている。この馬の末脚もじわじわしているので勝ち馬に抵抗出来ずに2着が精一杯と言う感じが続いた。

 

よって、近2走は4角先頭の競馬をしており、直線長い府中では差されたが、直線短い中山では一早く抜け出せて後続を凌いだ。決め手不足がこの馬の弱点という事になりそうだ。1800m2戦、マイル3戦という臨戦過程だが、どの距離でも折り合えてはいた。が、使う毎に前向きさが出ているのでさらなる距離短縮も悪くないように思う。

 

スピードを持続させる能力も高いほうなので、1400mでも流れには乗れるのではないかと思う。中京のこの条件なら決め手の要求度は府中ほどではないので条件的には悪くなさそう。ただ、3度記録された2着時の勝ち馬は漏れなく昇級後に壁にぶつかっていて、こんな馬に負けていたのかぁと言う処はあるので、能力的には評価しづらい。

 

キャプテンネキ

・スピードが勝っている印象で、2戦とも同じ立ち回りでレース振りに奥がない。

・1400m2連勝の馬だけにワンペースな走り。マイルに伸びて良い感じはしない。

・タフな競馬で強さを発揮している点は評価して良いと思う。スピードを持続させる能力は標準以上。

ファンタジーSは控えて競馬をしたところ末脚がぱっとしなかった。それまで持ったままで上がって来れた勝負処で手が激しく動いていた。→持続性・持久力があるのでギアを上げる運び方をするよりもスピード任せに運んだ方が好走するのではないか?

 

上記がフェアリーS出走時のカルテ。

 

ファンタジーSが0.5秒差、フェアリーSが0.4秒差。どちらも極端に負けている訳ではないので重賞で通用していないということはない。新馬戦で負かしたロゼフレア、りんどう賞で負かしたセキトバイーストはトライアルでそこそこ走れており、対戦比較からも重賞で通用する可能性はまだある。

 

ファンタジーSは位置取りが後ろ過ぎたこと、フェアリーSはワンペースなこの馬にはつらい加速ラップの展開になっていることなど敗因らしいものはある。どちらもバテてはおらず、この馬の勝ちパターンから逸脱したものだったので力を発揮しづらかっただけかもしれない。自分の形に持ち込めたら好走の可能性はまだ残っていると思う。

 

スピードが勝っているタイプなので直線で加速して突き放すというのは難しい。タフな競馬で強味があるので、消耗戦になれば頑張れる。距離短縮も本来の適性距離に戻るので条件好転としておきたい。

 

ただ、チューリップ賞にも、フィリーズrvにも登録が無かった牝馬。それまでの使い方からしてなんでここ?と言う疑問は残る。調整が間に合わなかったのかもしれない。ここ出走の意図は把握しておきたい。

 

タイキヴァンクール

・1400mの近2走で2・1着と距離短縮してパフォーマンスを上げている。前進気勢のある馬なので1400mの方が向いているように思う。

・10月の復帰時に馬体を大幅に増やし、500kを超えた大型馬に。走りも力強くなり、脚も威力を増している。

・重馬場だった2走前と良馬場だった前走で走破時計がほとんど変らないのは気になる。パワータイプの道悪巧者かもしれない。→厩舎からも同様の評価がされていて、道悪希望の声が出ている。天気・馬場次第で評価を調整すると面白いかもしれない。

 

上記がシンザン記念出走時のカルテ。

 

シンザン記念10着。テンに速かったレースを積極的に追いかけていたので終いの脚を残せなかった感じか?控えて乗った朝日杯FSよりはしんどいレースになったのでその分パフォを落としてしまった。バタリと止まりはしなかったが雪崩れ込むだけになってしまった。本質的な距離適性が出てしまった印象。1400m向きの前進気勢がり、この距離なら差しポジションから力強い末脚を使える。強調出来るほどの結果は残していないが、近2走よりはこの馬向きの条件になるだろう。前走以上にはやれそうである。なお、厩舎からは道悪歓迎の話は良く出るので、天気次第で評価を調整した方が良い。

 

ハクサンイーグル

 

マイル戦と1400m戦を交互に2戦づつ消化して、前走の1400m戦で勝ち上がる。ここまで馬券圏入着3回、5着1度と掲示板を外す事はなかったが、マイル戦ではどちらも1.1秒差と着差を大きく負け、1400mでは僅差の競馬となっている。このことからも分かるように1400m戦の方が最後まで脚が持続しており、適性はこちらの方にある。緩急のある走りは出来ていないので、マイル戦ではジワジワとしか伸びず、瞬発力のある馬に交わされていったり、詰め切らなかったりとしている。スピードを持続させるだけで良い1400mの方が勝ち負け出来る公算が大きい。

 

しかしながら、1400mで強い競馬をしているかと言えばそんなこともない。前走は3馬身差の圧勝だったが、府中戦なのでペースは遅く、その割には後半の伸びが平凡で時計は標準よりちょっと良い程度のもので特記するまでのスピードや持続性を発揮してはいない。

 

また、ここまでの3F通過タイムは1・3・4走目が全て35.3秒で、2走目も35.6秒と同じような通過タイムになっている。この区間で2・3番手の先行ポジションに落ち着けてくるので、この馬はいつも同じリズムで競馬をしているに過ぎない。ファルコンSでは33秒台の通過がざらにある前傾ラップになりやすい傾向があり、遅かったとしても34秒前半で推移する。これまでのペースよりも1~2秒は速い流れに確実になるので、それに対応して、なお強さを示すことが出来るか?ということになる。恐らく置かれた位置取りになると思うが、そうなると末脚が際立つタイプではないので直線で巻き返して来る姿はちょっと想像できない。

 

ファルコンS(GⅢ)の予想案はこちら▼

フィリーズレビュー(GⅡ) 出走馬カルテ 2024

 

こんにちは。

 

本番よりもこちらで勝負。トライアルあるあるですね。フィリーズrvはこの傾向が最も強いレースだと思います。今年も京王杯2歳S勝ちコラソンビート、ファンタジーSの1~3着馬など1400m重賞の好走馬がフィリーズrvに多く登録して来ます。阪神JFの負け方からコラソン辺りは、本番度外視とまで考えていないと思いますが、ファンタジーSの1~3着馬はこちらの方で勝負しそうな感じは強そうですね。

 

昨年は外差し決着のレースでしたが、例年の傾向は内差しが決まりやすいものであり、3枠と4枠が毎年セットで馬券になっていました。それ以外も1・2枠の好走があり、基本的には内枠有利な傾向です。馬群の中をタイトに周って来れる馬が良さそうです。極端な力差があれば別ですが、そうでなければ内枠の馬を優先的にチョイスしていくのが良いと思います。

 

じゃぁ、なぜ昨年は外差し決着になったかと言うと、理由は簡単です。内枠の馬が純粋に弱かったからと考えて良いでしょう。1~4枠の馬の人気は、3・5・8・10・14・16・15・17番人気となっていて、その結果も5・8・9・12・14・15・17・18着となっていました。この通り、下位人気の馬が下位を独占しています。いくら良い枠を引いても、弱い馬では好走するのは難しいですからね。程々の人気馬が内枠に入った場合は信用して良いと思います。

 

 

フィリーズrv(GⅡ)は10日(日)に行われます。更新は前日の9日(土)に完了します。

 

予想案は各ページの最下部にある専用ページにまとめてあります。ブログカードを貼っておきますのでそちらをご覧ください。


エトヴプレ

 

1200mを5戦していて、この路線の安定勢力。当初はスピード任せの競馬で差されて2着を続けたが、ペースに合わせた位置取りで競馬をするようになってから未勝利・OPを連勝。控える競馬も板について来た感じで、勝負争いには必ず加わってくる。ただ、結局のところ走りがワンペースであるため、末脚が際立たない。勝ち上がりに3戦を要したのも、末脚で劣っていたからであり、OP勝ちの2走前も消耗戦でなんとかハナだけ間に合ったという接戦、前走の4着にいたっては展開がハマっていながら差しが届かなかった。直線でグンと加速する感じがないのでOPで圧勝のシーンは想定しづらい。現状は消耗戦の我慢比べを根性で差して来る感じ。なので距離が伸びる1400mぐらいが走り頃かもしれない。テンのスピードはあるので、好位を取って粘り込めれば可能性はありそう。瞬発力はないが、一定のスピードを持続させる力はあるので、距離延長は新味を期待出来る条件だと思う。

 

オアシスドール

 

京都のダ1400mを2戦して2・1着。初戦はスピードに乗り切れない感じで、失速率が大きくそれでで2着に浮上した感じで物足りなかった。1度使ったことで素軽くなり、2走目ではハナに立ち逃げ切ったが、それでも速力不足な印象で、ペースの割に後半の伸びが無い。持ち時計も弱く平凡。速いラップを刻んだりすることが出来ず、スピードを持続させる力が弱いように見受ける。芝スタートでダッシュはついていたが、2F目以降も速さを持続させていけるかは疑問で、芝戦で大きく変わるようには思えない。迫力不足な印象が強い。なお、1つ上の兄はダートばかり使われ14戦1勝でまだ1勝クラスを勝ち上がれていない。

 

オメガウインク

 

ここまで5戦2勝。関東馬なのでで中山・府中だけという戦績。中山もよりも府中の方が走りの質が良い。府中で未勝利を勝ち上がり、2勝目も府中の春菜賞。間に赤松賞を走っているが3着とそこそこに走り、GⅠ2着ステレンポッシュと同タイムで最速上がりを記録しており、つまり位置取りの差で負けただけと言うこと。府中3戦の走りは安定して良い。方や中山では、逃げて差されて、差して届かずともどかしい。この違いはんんだろうか?右回りがダメと言う可能性もあるが、コース形態による違いとも取れる。追い出してから直ぐにビュンと切れないので、中山の新馬戦では瞬発力のある馬に一瞬で交わされているし、差して届かなかった菜の花賞はエンジンに火がついた頃には先頭はゴール前と言う感じで詰め切れない。府中でもジワジワ加速していたので、長い直線の方がこの馬の末脚をよりよく引き出せるのではないか?と思う。まだ右回りがダメと言う可能性も捨てきれないが、だったら右回りのフィリーズrvなんか使わず、1週待ってファルコンSを使うと思うので、深刻的な問題ではないのだと思う。だとすると、広々としたコースがこの馬の良さを引き出すきっかけになっているので、阪神内回りは条件的にどうなんだろうか?レース振りは特に問題点がなく、鞍上の指示通りに動けていて、馬群を捌ける器用さもある。デビュー前から厩舎の評価も良く、素材は良い。ただ、時計面で突出していたり、飛び抜けたパフォーマンスを発揮している訳ではないので、重い印を付けるまでの根拠には乏しい。△ぐらいは必要そうだが、それも相手次第という感じと、輸送をこなせればというところ。

 

カルチャーデイ

・追い出してからの反応がとても良く、一気に加速して前を捉える。瞬発的なスピードがあり、短距離でも決め手を発揮出来る。

・二の脚が良く、新馬戦の時から序盤の立ち回りが上手い。先行ポジションに楽に収まっている。先行センスが高い。

新馬戦もファンタジーSもタフな流れで差しきったり抜け出したりしているので、短距離馬としては体力のある馬で持久性がある。

ファンタジーS優勝はハイパフォーマンス。先行馬に苦しい消耗戦を前受けしていったんは完全に抜け出している。ここでも終いの反応は素晴らしかった。

 

上記が阪神JF出走時のカルテ。

 

阪神JF16着。自分の競馬に徹しての結果。2番手でレースを進め、ラスト100mぐらいまでは渋太く粘っていたが、坂の途中でパタリと止まってこの着まで一気に下がる。マイルが長かったのかもしれないし、坂がダメだったのかもしれない。また、序盤に折り合いを欠いている。マイル戦では速い流れであったが、それでもこの馬のリズムではなかった模様。気性的にもマイルでは長いという事だろう。こういう内容なのでトライアルは当然こちらになる。本番で巻き返せる余地は感じられなかったので、1400mのフィリーズrvを勝ちに来たのだろう。ただ、前走時に厩舎から阪神の坂を気にしていた話が出ており、平坦の方が良い可能性もある。ファンタジーS勝ちがハイパフォーマンスだったのでこの距離ならと言うのはあるが、平坦京都と阪神の坂コースとの違いが今回はあり、ファンタジーSと同様には扱えないかもしれない。また、ファンタジーSで負かした2・3着馬も阪神JFでは通用はしなかったが、距離が長いなりに健闘しており、タイム差僅かで接戦していることを思うと、勝ち馬だったこの馬だけがちょっとだらしない。この2・3着馬が阪神をこなしている事を鑑みると、ファンタジーSでつけた0.1秒差は無いに等しいかもしれない。

 

キャンシーエンゼル

・34.2-56.7のペースを2番手から押し切った新馬戦のスピード能力は優秀だと思う。失速率も小さく留めて、上がり2位で後続に差をつめさせなかった。

・小倉2歳S3着の内容からもスピードを持続させる能力は保証できる。

・スタートセンスも良く、前進気勢も程よい感じで、立ち回りに問題点は見られない。

・厩舎からはスピードがありすぎると評価されていて、スピード色が強い。1Fの延長は手放しで歓迎出来ない。

 

上記がファンタジーS出走時のカルテ。

 

新馬勝ち、小倉2歳S3着と1200m戦で良いパフォーマンスを見せたが、1400mに延長した近2走は良いところがない。距離延長に際し、それまで先行策だった脚質を中団待機に変えている。距離延長しても折り合いを欠くことなく、控える競馬も出来ていたが、肝心の末脚が発揮されない。激流だったファンタジーSは全くの無反応で16着に。前走の春菜賞はペースが1秒半ぐらい遅くなったので楽に追走出来て、その分末脚も余っていたが、直線で差を拡げられてしまいまたしても末脚不発の3着同着。控える競馬で結果が出ていないので末脚で勝負する馬ではないのかもしれないが、1400mを攻略出来ているとは言い難い。厩舎曰く、スピードがあり過ぎると評価されている馬なので1200mをスピード任せに走らせた方がいいように感じる。ただ、1400mで先行策を試した際に近2走とは違う走りを見せる可能性はある。近2走は直線長いコースであったが、阪神内回りなら直線も短く、先行して一脚使えれば粘り込めたりするのかも。積極的には推せないが、以前の脚質に戻した際に可能性が僅かに残っている。

 

ラソンビート

・2勝目のダリア賞、3勝目の京王杯2歳Sの勝ち時計は過去10年でいずれも最速。中段追走で大外からまとめて差し切っており、決め手優秀。

・ここまでの4戦全てが優秀な走破時計で、速い流れでもしっかりとした脚を使える末脚は評価が高い。行って良し、差してよしと競馬振りは自在。

・マイルでも十分強い内容だったが、1400mでもパフォーマンスは落ちなかった。しっかりと動けていて、立ち回りに不安な点がない

・折り合い良く、鞍上のGOサインを待てる。操縦性も良く、自在性がある。逃げ切り勝ちの経験もあり、極端な後方待機以外はどんなレースでも出来そう。

 

上記が阪神JF出走時のカルテ。

 

阪神JFは3着。結果的にアスコリピチェーノも、ステレンボッシュもコラソンの内を掬っているので、横山武騎手は外を回り過ぎた。道中も積極的でちょっと強気に乗り過ぎてしまったかもしれない。北村宏騎手、ルメール騎手と言ったベテラン騎手に若手の有望株が遊ばれてしまったようにも見える。また、5枠の馬が3・4枠の馬に経済コースを取られて負けたとも取れるので、枠が違えばまた違った乗り方も出来ていただろう。目に見える敗因は結構あるが、それでいて0.2秒差なのだからこの馬も世代のトップクラスに数えて大丈夫。力差は軽微としておきたいところだが・・・。

 

関係者の間ではやっぱり1400mがベストだろうというのが共通の見解としてあって、ベストパフォ―マンスを期待するには1F長かった。フィリーズrv出走の選択は当然で、本番を見据えたとしても通過点にしたいところ。阪神JF組ではレース内容から2・3枚抜けた相手関係。普通に考えれば未対戦馬との力関係だけだが、賞金持ちの叩き台になるなら、隙が生じる恐れは否定できない。陣営の勝負度合いをチャックするのは必須である。なお、2/20には既に栗東入りしており、桜花賞までこちらで調整される模様。

 

シカゴスティング

・先行するセンスがあるので2番手の競馬をずっとしていたが、中団で控える競馬から末脚を引き出して重賞2着と脚質の幅を広げている。

・1200mのレースが最もパフォーマンスが良かったが、1400m、マイルでもそれなりに走れるようで距離適性の幅も広い。

・決め手優秀と言う感じまではまだなく、ファンタジーSも溜めて弾けたというよりはワンペースに走り切ったという印象なので決め手勝負でどうだろうか?

 

上記が阪神JF出走時のカルテ。

 

この馬もテンションに課題があるそうで、阪神JF時の当日の気配から鮫島騎手は逃げた方が良いと腹を決めていたとのこと。スタート上手く、初速も速く、初めての逃げにも簡単に対応した。これまでも序盤の立ち回りはいつも上手く、先行センスの高い馬。気分良く逃げた結果はGⅠ5着。思っていた以上に頑張ったし、レコード決着を誘発する速い流れを演出しており、展開を味方にしたものではなく、力がないと出来ない芸当ではあった。これは評価して良い内容。直線では後続を一旦は突き放していたので強かったと思う。

 

ただ、結局は決め手負け。ワンペースな馬で直線で最加速出来ない。これまでも直線の長かった中京の新馬や京都のファンタジーSでは負けており、直線短い新潟・小倉では勝利を収めている。マイルの距離はこなしていたが、決め手のある馬に先着された負け方はこの馬のキャラ通りとも言える。なので、阪神内回りは条件として最適。距離短縮も後押しになるので、条件は好転するだろう。ただ、この時点では非力さがまだあったとのことで陣営は戦前坂を気にしており、その懸念の通り阪神JFでは坂で勢いが鈍っている。その点は今回も懸念されるところになる。間隔が空いており、中間の成長で非力さが解消されていれば良いが。事前情報で評価を変化させたい。

 

ジューンブレア

・自然と流れに乗っていけるスピードがあり、追走も滑らか。折り合いや操縦性の高そうな印象も受ける。短距離でも瞬発力を発揮でき、直線で再加速出来る。

・トビの大きい走りなので広々としたコースの方が走りの質は上がりそう。

・勝ち時計は遅いが、楽に勝った印象であり、奥の深そうな良い印象を受ける。

 

上記がデイリー杯2歳S出走時のカルテ。

 

デイリー杯2歳S7着。序盤に行きたがっていて、少々折り合いを欠いていた。それでも3番手に控えて直線に入る時の手応えは十分だったように思う。が、止まった訳ではないが、直線で加速する事が無く、伸び負けてしまった。折り合いを欠いた気性面、伸びを欠いた直線の様を見ると距離が長かったのだと思う。1200mを良い内容で勝った馬なので、やはりマイルは長かったいう感じか。条件戦ぐらいならこなしても、重賞だとちょっと厳しいのだろう。厩舎としても1200mの福島2歳Sを使う事も考えていたようで、そっちに使っていればまず勝てると話していた。この事からも短距離馬という認識で良いと思う。デイリー杯2歳Sは牡馬相手だったし、良く頑張っていたから、牝馬同士の1400mならまだ頑張れそう。新馬戦の内容や走りっぷりは良い印象を残していたし、その時騎乗していた武豊騎手の評価も良い。適条件で見直してみると面白いかも。

 

シュシュトディエス

・ラスト2Fが113-10.8と最後だけギュンと加速したレース。この区間を持ったままで先頭に立ち、ラスト1Fでさらに加速したこの馬の瞬発力は優秀だと思う。

・高速馬場だった開催で勝ち時計1:38.4はかなり遅く、どこまでアテに出来るかは分からない。

 

上記がアルテミスS出走時のカルテ。

 

アルテミスSブービー赤松賞(1勝特別)が下から3番目、黒松賞(1勝特別)が下から4番目。着差を大きくしながら負け続けている。先行しても、控えても直線でほぼ無反応なので差が開く一方。近2走は出遅れたり、折り合いを付けれなくなったりと、使う毎にチグハグさが目立ってきた。マイル畑を歩んできたが、前走で1200m戦に短縮した。この際、一応最速上がりは記録したが同タイム上がりが他に2頭いたり、その他とも脚色は基本的に一緒。勝ち負け出来るような末脚は引き出せないまま。ワンペースで走れる短距離だと瞬発力の必要性が薄れるので今回の1400mぐらいなら位置取り次第で好走出来るのかもしれない。が、決め手は無いし、出遅れが続いているので理想の競馬は難しいかも。能力的には力不足な印象で無理して可能性を追求する必要もなさそう。デビュー2週目の騎手を乗せるぐらいだから推して知るべしか。

 

ステラスプレンダー【回避】

 

中京と阪神の1400mで3戦している。中京戦は1・4着と走れているが、阪神戦では6馬身差の圧倒的な最下位。コース適性や右回りに不安でもあるのだろうか?スタートは良いが、二の脚が弱く、序盤のポジショニングが安定していない。好位にいてもそれを維持出来ずに徐々に位置取りを下げてしまう。また、追い出してからの迫力もなく、失速率の大きい消耗戦では粘っているが、上がりが速い展開だと伸びを欠いてしまう。テン悪く、終いにも良さがない。7月の新馬戦を勝っているが当時の2・3着馬は5~8戦を消化して未だ未勝利であり、パフォーマンスは低下していく一方である。新馬勝ち出来たのは相手に恵まれていた可能性が高い。OP特別のききょうSは1.6秒差、1勝特別のつわぶき賞が0.6秒差と昇級後の2戦は純粋な力負け。あれ?と思うような弱い相手にも負けており、この馬自身もちょっと弱い。コース適性以前に力不足な印象。チューリップ賞と違い素質馬ばかりが集まった一戦ではないが、それでもこのメンバーにどうすれば好走出来るのか?そのイメージは持ちにくい。

 

セシリエプラージュ

 

3戦を消化して10・1・4着。新馬戦では1枠で馬群に包まれ何もできずに負けたが、2戦目では8枠からスムーズに立ち回り叩き合いを制して勝ち上がる。後方よりに控えて徐々に進出しながら4角射程圏の競馬で競馬振りは良い印象だった。ただ、手応え良く直線を向いたが、弾けるまでは至らず、後続に詰められていた。伸びあぐねた様からマイルは若干長い印象を受ける。次戦で1400mに短縮したのも距離適性が重視されたからかもしれない。母もマイルよりは1400mだったアットザシーサイドであり、距離適性は母譲りかも。その前走は外差し馬場でインを突き、外から伸びた馬に差されてしまったが、0.1秒差の接戦で通ったコースの差と考えて良い。自己条件ではあったが、昇級しても力は通用していた。いい意味で前進気勢が強く、走る姿にはスピード感があり、それでいていつでも弾けそうな力強さを感じる。短距離の忙しい流れをリズム良く走っていて、1400mへの適性は高そうに見える。ここで権利を取り、桜花賞3着と走った母の足跡を辿れるかもしれない。

 

余計なことだが、母はここで2着と賞金加算していたが、この時代はまだ降級制度があったので、古馬になって1000万から出直していた。あぁ、懐かしいなぁと思った。

 

ドナベティ

・2戦目の1500m戦でも距離が長かった印象があり、本質的にはスプリンターと言う感じ。

・脚のある短距離馬だが、6F戦では約5Fを追い通しで末脚を伸ばしていたが、その末脚も距離には敏感で7F以上では末脚の威力を失くしている。

・自在性はある方だが、出して行くと行きたがるので2走前から始めた控えて差す競馬が現状合っているよう。

 

上記が阪神JF出走時のカルテ。

 

阪神JFは8着は健闘の部類。厩舎ではファンタジーSの内容から1400mでも距離はギリギリだったとのこと。マイル戦は明らかに距離が長かった。それでいてこの着なら馬は大いに頑張っており、大外枠から良く乗ったと思う。スタートからソロっと乗って、後方3番手、道中でインに潜り込む事に成功し、距離ロスを省いた鞍上の好騎乗。直線でインを突いたら詰まってしまい脚を余した感すらあった。距離適性の無い馬なのでこの乗り方は仕方ないし、違う乗り方をしてもこの時以上の着には来れなかったと思う。また、ファンタジーSで先着した5着シカゴスティングには0.1秒差で馬体を併せて入線しており、この2頭に力差は感じない。が、脚を余していただけにスムーズだったらやっぱりこちらの方が少し上なのかもしれない。双方適距離での再々戦だからここで白黒つくことになる。ファンタジーSの内容だけなら1400mはこなせる範囲でベストではないにしろ、前走よりは乗りやすく、今回はもっと積極的な乗り方も可能になるだろう。乗り方一つだと思う。特に近2走はイン差しで結果を出していることも吉で、フィリーズrvはインを付ける差し馬が毎年のように着に来る。枠に恵まれるようなら面白い存在になりそう。

 

バウンシーステップ

 

5戦2勝で一番負けたのが4着で大崩れがない。その4着は新馬戦で使ったマイル戦であり、伸び負けている。ので、以降は1400m専門で使われている。1・2走目でシカゴスティングと対戦し、2戦2敗の対戦成績で再戦は分が悪い感じ。ただ、いずれも僅差であり、2戦とも本馬の出遅れが敗因で、スタートセンス抜群のシカゴにアドヴァンテージを取られていた。3走目以降は改善しており、今では五分以上に出れている。いずれも僅差だったので今やれば逆転の可能性は小さくない。昇級しても力は通用していて、1勝特別を2戦して2・1着。負けた2走前も不利を受けて追い切れなかっただけであり、それでもハナクビの3着と勝ち負けの内容。GⅠ級というイメージまではないが、トライアルなら存在感を発揮出来る力量は感じる。1400m適性馬にありがちなワンペースな馬ではなく、直線で加速出来るタイプで末脚に魅力あり。常に3位以内の上がりを使っており、最速上がりの記録も多い。ので、直線長いコースの方が力を発揮していて、中京・新潟の走りが良い。前走(中京)のつわぶき賞は2馬身半差で圧勝だった。内回りの阪神1400mにも勝ち鞍はあるが、府中や外回りの京都の方が力を発揮しそうな感じはある。ここでも差し脚の生きる展開になれば出番はありそう。

 

ビーグラッド

 

ここまで3戦を消化していて、全戦で逃げている。新馬戦(1600m)1着、萩S2着(1800m)と走り、前走つわぶき賞(1400m)では1番人気の支持を裏切り1.0秒差の9着と大きく着を落としてしまった。敗因は2つ考えられ、1つ目は1400mの流れが忙しかったこと。それまでの2戦は36秒のスローで逃げれていたが、前走では34.7秒だったのでこの馬にはラップが速すぎたように思う。手応え良く直線を向いたがほぼ無反応のまま失速している。スピードは通用していたが逃げのリズムが変わった事で対応出来なかったように思う。2つ目は純粋に能力面が考えられ、ただ単に弱かっただけの可能性もある。新馬戦を随分物足りない内容で勝ったなぁと思い知らべてみたら、この新馬戦の2着以下は10着馬がダートで勝ち上がっただけで、半年経過した現在でも未勝利馬がほとんど。萩Sも勝ち馬以外は相当弱く、この馬の後塵を拝した組は微妙な馬ばかりだった。2走目までの好走歴は相手に恵まれていたり、完成度の問題で優位だっただけかもしれない。それを証明するかのようにつわぶき賞の負けっぷりはひどく、ラストの伸びが上位と別次元に見えるほど弱い。数字面にも秀でたものはなく、平凡であり、強調材料がない。

 

ポエットリー

 

ここまで4戦1勝。新馬戦から永島騎手を起用していた。初戦から減量特典を期待しているような馬なので素材的に疑問が残る。永島騎手もまだそこまでの馬を負かされることは無いので馬のポテンシャルは評価しづらい。初戦は朝日杯FSで人気が集またダノンマッキンリーの2着だが斤量差がありながら突き放されていた。勝ち上がった2走目も出走馬のレベルが著しく低下する10月の新潟でのもので、展開ハマリでクビ差勝ちと目立るつものではなかった。昇級した3走目のこうやまき賞は4着も、朝日杯FS4着馬ジューンテイクに0.6秒差と着差を大きくして負けている。強い処には大体力負けしており、やはり力差を感じる。前走のこぶし賞は0.1秒差の2着。スロー逃げの展開利があったもので高評価とはいかない。それに後方待機馬に差されてしまったのも感心出来ないとこであり、この馬には2戦続けて負けているからこれも力差なのだろう。また、この時は坂井瑠騎手に乗り替わっていて、最高に上手く乗っていただけに、永島騎手に戻ってどうか?と言うのもある。乗り替わったことでパフォは向上しただけに、鞍上弱化と言わざるを得ず、前走以上は期待しづらい。1400mは新馬戦で1度だけ経験していて、速いペースを中団で控えられていた。今ならもっと楽に追走出来るのかもしれないが、全戦を見た印象だと速いラップをガシガシ踏んでいくよりも、ゆったりめのペースをリズム良く運ぶ方が走りが良いように見える。距離短縮でプラスになるだろうか?

 

マーシーラン

 

有馬記念週の阪神1400mで新馬勝ち。開催時期を考慮すれば1:21.0の勝ち時計は好時計。テンからまぁまぁ速い流れを3番手の積極策で押し切っている。結果的には2・3番手を追走していた3頭の前残り決着も、一歩後ろに構えていたので前の2頭を差し切って勝利している。交わす時の末脚はキレ味があり、鮮やかな差し切りだった。この内容なら評価を高くしたいところだが、河原田騎手の4k減の影響も大きかったよう。最速を記録した末脚は、次走のエルフィンSでは目立つことがなく、他馬と同じ脚色になってしまっていた。マイルに延長していたので距離適性による可能性もあるが、失速せずにジワジワと来ていたのでそんな事もないと思う。定量で走った事でアドバンテージを失ったのだろう。新馬戦も斤量差が無かったら際どかったのかもしれない。新馬勝ちと同条件だが、平等な斤量で新馬戦のパフォを維持出来るかは微妙なところ。ただ、走りの質は良く、折り合いもスムーズ。操縦性のある良い馬なので印象は悪くない。鞍上が和田騎手になるので見習い騎手に引き出せなかった力を引き出してくれるかもしれない。

 

レディマリオン

 

福島・小倉の1800mを使って2・1着。この2場の同条件は親和性があるのでレース内容は全く一緒のものになっていた。2戦とも1000m通過62.9秒の流れから、どちらも1:51.4の同タイムで走破している。また、いずれも3枠から先行する形で1・2コーナーを3番手で回っている。小倉戦は稍重だったから馬場を考慮すれば同タイム決着もこの馬なりの上積みだったのかもしれない。ペース・勝ち時計から速さの問われない内容となっているので、1400m好走の根拠を見出す事は出来ない。スローを先行していただけなので、テンが2秒近くも速くなる流れに乗れるか?とか、ワンペースに流れる展開を息も入れずに走り切れるだろうか?など、未知数な事ばかり思い付く。また、秋の福島、冬の小倉に強い馬はやってこないので、それらを相手に勝ったところで評価を高くする材料は出て来ない。目を引くようなパフォーマンスを発揮していたなら考えようもあるのだが。怖い材料はムルザバエフ騎手が騎乗することぐらい。評価材料に乏しく、取捨に困る。

 

 

ロゼフレア

 

1400mばかり6戦消化している。2・2・2・1・1・4着と言う成績。僅差負けを続けたが枠の差とか、スローの前残りで届かなかったとかちょっとしたことで負けていただけで、いつも上手に走っていた。スタート良く飛び出して、ポンと好位を取ってそのまま流れに乗って行ったり、ペースが速いと中団で進めたりとペースに併せた位置取りで自在性良く1400mを走れている。自己条件の万両賞まで好走を続けたが、前走紅梅Sが4着とこれが最も着差が大きくなっている。リステッド競走で相手が強くて負けた感もある。ただ、この1戦が最もスロー(3F通過36.1)でヨーイドンの瞬発力勝負で負けたと考えるのが妥当ではないかと思う。3走目もスロー戦で負けたがこの時の着差が前走の次に大きくなっている。2勝が前傾ラップの消耗戦であり、タイトな展開で強味があるタイプのようだ。フィリーズrvは四歳牝馬特別の時代からハイペと相場は決まっていて、後傾ラップになるような事はないから、この馬向きな展開になるはず。阪神1400mも一番走っているコースで特に走り慣れている。条件が大幅に好転するので狙って面白い。立ち回り上手く、操縦性も高い。持ち時計もある方なので、力は通用すると思う。凡走のイメージは持ちづらかった。

 

フィリーズrv(GⅡ)の予想案はこちら▼

弥生賞ディープインパクト記念(GⅡ) 出走馬カルテ 2024

 

こんにちは。

 

サートゥルナーティア、コントレイルが2歳GⅠから直行して皐月賞を優勝し、ローテションの概念に変化があった頃、弥生賞上位馬が皐月賞で好走する例がほとんどなくなりました。伝統のトライアルも存在感が薄まっていくのかなぁなんて思っていたことがあります。

 

それがレース名をディープインパクト記念と改名したとん、21年優勝タイトルホルダーが2着、22年2着ドウデュースが3着、23年優勝タスティエーラが2着と皐月賞で好走するようになりました。また、後者2頭はダービー馬に輝き、タイホも秋には菊花賞を勝ち該当馬は皆クラシックホルダーとなりました。

 

DI記念入着→皐月賞入着→後の二冠のうちどれかを勝てると、GⅠ馬誕生の方程式が出来つつあるのかもしれません。とにかく、このレースから強い馬が再び現れるようになっています。弥生賞と言いうレースは無くなりましたが、重みのある存在感は取り戻しつつあります。

 

今年も無敗馬や2歳GⅠ好走馬などかなりの素質馬が集結したなという印象。このレースを足掛かりに3歳牡馬路線の勢力図が形成されていくのではないかと思われます。ヒーロー誕生の予感がする1戦です。

 

ディープインパクト記念は3日(日)に行われます。前日の2日(土)には更新を完了します。

 

予想案は各ページの最下部にある専用ページにまとめてあります。ブログカードを貼っておきますのでそちらをご覧ください。

 

アドミラルシップ

新馬戦は時計も遅く、スローのよーいドンで評価材料に乏しい。

・立ち回りや、レース振りに問題点は無く、操縦性も良さそうな印象はあった。悪い馬ではなさそうだが。

 

上記がホープフルS出走時のカルテ。

 

ホープフルSは低評価を覆して4着と好走。ただ、各馬が外に拡がった横一線の最終コーナーをインを器用に立ち回り、巧みなワープで上位に浮上出来ただけ。ドイル騎手のファインプレーであったが、末脚はジワジワだったし、追い比べで突き抜けるような感じまではなかった。器用さや立ち回りの上手さで好走した感じ。なので、末脚性能の問われる府中の自己条件で1番人気で大敗を喫している。2400mのゆりかもめ賞で7着。ゴールドシップ産駒なので距離で負けたというのではないだろう。直線での追い比べで速い脚を使えずに負けたという感じ。上がりの速い競馬に対応出来なかったのだと思う。末脚が切れるタイプではなく、35秒そこそこの脚しか使えていない馬で、ゆりかもめ賞もなんとか34.7秒で上がれたという感じ。34秒台だとこの馬にはまだ厳しく、中山に変ったとしても34秒前半を求められた時に不安が残る。洋芝の重賞を勝ったブラックホールや、道悪適性の高いライラックの下になるので高速上がりの適性は血統的にも期待出来ない。ただ、レース運びの巧みさは感じられるので、天候の助けでもあれば穴に一考したいかも。なお、厩舎の話では完成度は低く、まだまだこれからという状況らしい。ゆりかもめ賞の内容を見ると、完成にはもう少しかかりそう。

 

エコロレイズ

 

6月の府中マイルでデビューしたが動ききれずに、箸にも棒にも掛からずに負けた。その後は9月まで待機し、以降は中山2000mに特化して3戦目に勝ち上がる。復帰のタイミングで10k増え、それからも馬体は増え続けており、デビューからもう30kも重い。成長期と噛み合ったからか、2戦目以降から凡走と呼べる走りがない。馬は充実しているようだ。そう思うと全体的には物足りない印象になる。序盤と勝負処の立ち回りの上手さは強調出来て、レース巧者のイメージは持てるが、どうも決め手がない。ペースの速い遅いにかかわらず、直線での伸び弱い。3~4角での機動力は目を引き、直線を良い手応えで回ってくるのだが、そこからの加速が無く、決め手の無さが際立ってしまう。競り合いで強い印象を持てない。未勝利勝ちした時のようにマクり切って、直線抜け出せれば良いが、クラスが上がるとそう言う事も簡単ではなく、前走は4着と馬券圏から漏れてしまった。これまで最速上がりを記録したことがなく、末脚に魅力が感じられない。中山経験は豊富で、馬も自然と動けている感じがあり、直線中ほどで圏内にいる事は可能だと思うが、そこから3着以内に残せるかどうかは相手次第で、重賞だと展開に恵まれるか、枠に恵まれてインをコスく回って粘り込めるかと言ったところ。地力で権利をもぎ取るのは難しいように思われる。

 

コスモキュランダ

・時計がかかる条件、状況の方が成績が良く、良馬場の標準的な流れでは力不足な感がある。

・速い脚を使えるタイプでもなさそうで、後続に並ばれたらそこから盛り返して行く力は弱い。

・スタート悪く、序盤の立ち回りも上手いとは言えない。この区間に無理してポジションを取るようだと、重賞だと厳しい。

・自分の形に持ち込むまでに力を使ってしまうタイプ。

 

上記が京都2歳S出走時のカルテ。

 

京都2歳S8着。人気の割には走ったが、それまで通りの内容で重賞では大いに弱味を見せたと思う。スタートが安定して悪いのでこの時も出負けし、後方2番手で最初のコーナーを回っていった。いつもはこの時点でリカバーして、勝負圏内に取り付いて行くが、重賞で同じ事をやっても通用しなかった。早めに動いて行ったが4角前に手応えは既に怪しい。ジワジワと伸びて来たが、失速した馬を交わしたに過ぎない。そもそも末脚に優位性がないので末脚勝負で良い処などなく、重賞なら尚更。1月に同じような条件の中山2000mの自己条件を使ったが、立ち回りは全く同じ。ただ、道中動かず、後方2番手のままじっとしていた。ラスト2F評前から動きだしたぐらいで、脚を良く溜め込んでいた。その分、ラストに脚を使えており、先に抜け出した勝ち馬をクビ差まで追いつめた。相手が弱くなっていたことも関係がありそうだが、しっかりと脚を溜める事でちゃんとした脚を使える。ただ、やはり重賞になるとその位置をそこから追い込んでも無駄だろう。序盤のポジショニングが出来るようになり、追走力を高めないと上位進出はやっぱり難しいと思う。

 

サンライズジパング

・芝のデビュー戦は大器と評判のダノンエアズロックの4着とまぁまぁだったが、以降はダート戦。

・ダート戦でのパフォーマンスは結構高く、JBC2歳優駿ではフォーエバーヤングに0.3秒差2着で、3着には8馬身差をつけている。

・ラストに速い脚を使えるタイプではない模様。中距離なら先行出来る馬なので早めの競馬から雪崩れ込むのが理想の形。

新馬戦の内容から芝でも問題なさそうに思うが、速力不足な印象もちょっとある。

 

上記がホープフルS出走時のカルテ。

 

近2走の力は本物。サンライズの馬が芝でこんなに強くていいの?と言う感じ。音無厩舎はラストクラシックに良い馬が出た。

 

ホープフルSは13番人気で3着の大激走。しかし、フロック性が無く、地力の高さが滲み出ている。1・2着馬には力差を感じさせたが、よく見るとそんな事もない。大外強襲の1着馬とラチ沿いにいた2着馬がゴール前で接触するいう珍妙なレースで、本馬はこれに挟まれて引いてしまった。それが無ければ馬体を併せた入線で2着もあったのかもしれない。また、4コーナーで内の馬が大きく膨れて来たので、かなり外まで脹れて、5・6頭に内をすくわれてしまう。そこから差し返す脚を使っているのだから凄い。また、1・2番手の馬が雁行状態で先行して行ったため、テンが速くなり、先行馬に厳しい流れ。本馬はスタートから気合をつけてこれら2頭に並びかけていったのだから展開的にかなり厳しい立ち回りである。しかも、この流れからラスト3Fは加速ラップになっているので、この区間で脚を伸ばせた馬は相当力が抜けていたことになる。強さが数字面にも現れていて、先行位から押し切りを図ったこの馬の立ち回りは文句なく凄い。直線で不利ばかりを受けたのにこの内容は恐れ入る。スムーズだったら勝ち馬の強襲も凌げたのではないだろうか?とさえ思ってしまう。幻のGⅠ馬かもしれない。

 

次走の若駒Sもこりゃないだろう?と言う所から差し切ってしまった。積極性が無く、馬が進んで行かない感じで後方追走と、先行したホープフルSとは180度違う位置取り。坂の登り辺りから手応えが怪しく、3~4角では完全に置かれており、普通なら万事休す。最後方で直線に入っている。それでも鞭が入れられてから反応し、ラスト1Fを通過してエンジン全開、グングンと差を詰め、最後は流して0.3秒差で勝利。最後1Fのキレ味は抜群で、追えばもっと伸びた感じもあり、とび抜けた末脚性能。2・3着馬も素質馬で通っており、それらを子ども扱いする一方的な強さだった。

 

ダートもそれなりに走れていたし、前走も重馬場でここまで時計のかかかる条件ばかりなため、高速馬場に不確定要素があるが、中山で走っている限り皐月賞までは気にする必要がない。素質馬や実績馬が多く参戦するようだが、この馬中心で考えるのも無理筋ではない。なお、陣営の話では心配機能は高く、心臓の強さは相当らしい。

 

シャンパンマーク

新馬戦では37.9-64.4の超スローを5番手から最速上がりで差し切る。距離、ペースから33.1秒の末脚の質感は良い。

・道中での追走もスムーズで、追ってからの反応も良い。操縦性も高そうで、気性が気になるような素振りはない。優等生なレース運び。

・現状は良く動けており、仕上げは順調に進んでいた印象。

 

上記が東スポ杯2歳S出走時のカルテ。

 

東スポ杯2歳S7着。離して逃げた逃げ馬を除けば、前残りで決着しているので差されてはいけないレース。5番手で進めていたが、追い出してからの反応が鈍く、末脚がジリジリ。後続に差された内容はいただけない。ドスローの新馬戦では33.1秒の良い切れ味を発揮していただけに、よーいドンの競馬で遅れを取ったレース振りに物足りなさが残る。もっと末脚を使える馬かと思っていた。新馬戦の内容と違いが大きく、走り切っていないような気がする。特別な理由があるなら追及した方がいいかもしれない。上積みがあり、状態は良かったと蛯名調教師は話しており、賞金を加算して暮れのGⅠに進むつもりでいたから、状態面の理由は考えづらいところだが。レースの見た目通りなら新馬戦よりタイトな流れになったことで、末脚を発揮出来なかっただけになるので力負けとせざるを得ず、評価ダウンになる。もっとスローでないと脚が溜まらないという事なら、この先厳しくなってくる。前走敗因はしっかりと確認して再評価しておくべき。

 

シュバルツクーゲル

・中山2000mで新馬勝ち。超スローを2番手から押し切っただけで、評価材料に欠ける。このペースで後半1000mが59.1秒ではかなり物足りない。

・上がりは最速だったがラストに35.0秒しか加速出来ていないので評価の対象にならない。一杯に押しての結果だから末脚に魅力は感じられない。

・この程度の持続性と瞬発力では府中の脚比べで強気にはなれない。

・13秒台連発のペースでも折り合って走れているのは、別な意味で評価は出来る。気性に問題はないようである。

 

上記が東スポ杯2歳S出走時のカルテ。

 

東スポ杯2歳Sを8番人気で2着。逃げ馬が後続を離していたレースを2番手で進める。映像から察するに1秒ちょっと逃げ馬と差があったようなので、59.1秒だった通過タイムからすると60秒ちょっとで1000mを通過した模様。実質逃げていたような競馬をマイペースで進めた利はあったと思う。実際、2~4番手の馬がそのまま1~3着した前残りの決着。展開は向いていたはず。また、1・3着馬がその後の重賞でだらしなく負けており、レースのレベルにも疑問が残る。重賞2着の実績を鵜呑みにしづらい状況。新馬戦の中身もドスロー競馬を2番手から押し切ったものであり、ここまでの2走は地力の問われない展開で好走したに過ぎず、強気になれる材料はないままである。行きっぷりや、追走力は2走目で良くなってはいて、変わり身はあった。徐々にレースに慣れて来ていて、上積みはそれなりに確認出来る。少なくともレースの流れには乗って来ると思う。後はタイトな展開になった際にどこまで持続性を発揮出来るか?次第である。なお、厩舎の話では、時計勝負や高速馬場の条件は基本的にこの馬に向かないとのこと。DI記念はスローで流れることも多々あるので、今回も本馬の好走ゾーンでの競馬になりそうだし、また道悪になれば評価を少し上げた方が良さそうである。新馬勝ちもこの条件であるし、強い馬である保証はないがレース適性とは合致している。

 

シリウスコルト

・1200mから始めてマイル、2000mと走っているが、短いところでは追走が忙しく、中距離のリズムがあっており、初めて中団位で競馬を進めることができた。

芙蓉S勝ちはペースに合わせて位置取りを調整出来る賢い一面を見せ、勝負所も促しただけで動けており、先行勢を飲み込む力上位な勝ち方。

・自在性があり、操縦性も高いので普通に良い馬。

芙蓉Sの勝ち時計は2:03.0と遅く、62.2→60.8と前半のペースの割に、後半の加速が弱いので持続性、時計面で価値は見いだせない。GⅠ通用の根拠はまだない。

 

上記がホープフルS出走時のカルテ。

 

ホープフルS6着。勝ち筋に乗った最高の立ち回り。中団待機は展開的にも良かったし、10番枠からインをソツなく立ち回る事も出来た。最終コーナーもスムーズに追い出し態勢をとれ、インから絶妙なタイミングで掬っている。三浦騎手は完璧に乗っており、これで勝てなかったのだから仕方い。追い出したら力差があったというだけの話。9月の同条件芙蓉Sの勝ち時計を大幅に詰めてこの馬なりの上積みも見せている。中山2000mの適性は高いが、この先はもう相手次第。重賞級に交じってしまうと相対的に評価が下がる。厩舎側もこの相手ならやれるかもと出走馬のレベルが高くない事に希望を見出しており、クラシックを意識出来るほどの評価ではなかったようだ。DI記念はホープフルSよりメンバーが揃っている印象なので、前走以上はどうだろうか?立ち回りは上手いので有力馬が力を出し切れない際に紛れ込むこともありそうだが、押さえの評価の域を出ない。

 

シンエンペラー

新馬戦では追い出してからの反応鋭く、抜け出すときの脚はこの馬だけ目立っていた。11.9-11.1-11.0の加速ラップを楽々突き抜けて3馬身差の圧勝。

・中距離馬としては前進気勢も程よく、スピードが勝っていることもない。溜めも作れていて、終始余裕のある立ち回りだった。

京都2歳Sの1:59.8はこのレース史上初めて2分を切る好時計。59.1秒と前半は速めに流れ、かつラスト3Fの失速率の小さいレースの中身は濃い。

・失速率が小さいため基本前残りしたレースだが、それを後方から差すのだからモノは違っている。

・直線で追い出されてからグンと加速出来るので本当にシッカリとした脚が使え、末脚に確実性があるのは良い。速い上がりも、タフな上がりも上位の末脚を繰り出せて万能的な末脚性能で評価は高い。

 

上記がホープフルS出走時のカルテ。

 

ホープフルS2着。まず強調しておかなければいけないのは仕上げ途上でこのレースを使っていたこと。京都2歳Sの疲れが残っていたので当初は出走のつもりが無く、予定変更により急仕上げ気味な状況だった。皐月賞への試走的な意味合いがあったようで、トライアルの叩き台の様な体。この状態で2着なのだからやはり力がある。メイチに仕上げていたレガレイラとは雲泥の差でありながらあの着差なのだから勝負付けはまだ済んだとは言えなそうである。負けて強しで良いと思う。

 

先行不利な流れを3・4番手から抜け出していたし、レガレイラと並んでからまた一伸びする根性を見せていて、見どころがある。世代トップクラスの1頭と認識して良いと思う。しかしながら、4コーナーで本馬が膨らんだことにより多くの馬に被害をもたらしており、ゴール前ではラチ沿いにいたにも関わらず、大外強襲のレガレイラと接触するまで外に大きくヨレている。ヨレた件についてだが、新馬戦でも同様に振る舞っており、調教でもそう言う点が見られるそうで、生来的なものであるそう。ここまでは恰好がついているが、相手が強くなっていくこの先はヨレ癖はどこかでこの馬の脚を引っ張るかもしれない。

 

また、コーナーで膨らんだ点も気になるところでタイトなコーナーで器用さを見せれなかった。京都2歳Sも内回り条件を器用に乗った印象は持てず、コーナー4つの条件を攻略出来ているとは言い難い。近2走は鞍上の功績が大きく、モレイラ騎手、ムルザバエフ騎手と言った名手が腕でカバーしていた。日本人騎手にそんな芸当が出来るだろうか?→厩舎的に坂井瑠騎手かと思っていたが、川田騎手が騎乗とのこと。ベテランなら上手く乗りこなしてくれるだろう。基本的に中山より府中向きと思うが、この方が鞍上ならこの条件でも評価は落とせない。

 

ストーンズ

 

12月の阪神2000mを1着し、1月の若駒Sを5着(8頭立て)。立ち回りは良く、先行出来るセンスもあるのでレースの流れにはちゃんと乗せて来る。が、とにかくスケール感がなく、モノはあまり良くなさそう。目立っている欠点は追い出してからの脚が無いこと。2・3番手から進めた新馬戦は、62.5秒→61.9秒と前半スローから後半スローと言う感じで印象が悪い。持続性のある馬なら60秒は普通に切れるはずで、0.6秒しかレースを加速させられなかった点は大いに物足りない。4角で前を飲み込んで、そこから突き抜けていれば恰好良かったが、ジワジワとして伸びきれず、鞭を連打されても加速出来ない。前残りの展開であったはずだが、後ろの馬に詰められてハナ差凌いだ辛勝は評価出来るものではない。2走目の若駒Sの1・2着馬は重賞級の評価のある馬で、それらに着差を大きくして負けているので純粋に力が足りていない印象。良いところに付けて直線を向いて来るとは思うが、そこから加速する事が出来ないので、前も交わせないだろうし、後続にも差されて負けるだろう。ただ、2戦で騎乗していたモリス騎手の乗り方は馬への負担が大きかったように映り、デムーロ騎手に乗り替わることで、違った面を見せる事はあるかもしれず、そこに不確定要素がちょっと残っているかもしれない。

 

ダノンエアズロック

 

この馬が一番強いのかなぁ?なんて漠然と思っていたが、レースの内容や数字面を見てみるとそんな事も言えないようだ。新馬戦の2着馬は7戦して未勝利、3着馬はシンザン記念18着、アイビーSの2着馬は京都2歳S9着と負かした相手は結構弱い。ちなみにアイビーS3着時のレガレイラだが、当時皮膚病を発症しており、内臓面が整っておらず、「万全とは程遠い状態だった」とホープフルS時に当時の敗因を語っている。エアズロックの無敗にはこういう理由もあるのかもしれない。

 

府中1800mを2戦して2戦2勝。前走アイビーS(良馬場)の勝ち時計は稍重だった新馬戦の勝ち時計より0.1秒遅い。それだけ遅いペースだったということなのだが、時期的馬場的に見ても少々違和感がある。同時期におこなわれた東スポ杯2歳Sの勝ち時計よりも1秒半は遅いし、時計的に評価を高める材料に欠けている。それでも楽に勝っているのなら評価のしようもあるが、2戦ともラストは一杯に追われたものであり、その時点での力は出し切っている感じ。後のGⅠ馬を完封しているので下馬評は高くなりそうだが、レースの内容を見るとそこまでのパフォを発揮しているとは言い難い。本当のところはどうなんだろうか?

 

レース振りを見ると発馬の上手い先行馬。2戦とも抜群のスタートを切り、1・2番手にすぅっと落ち着く。前進気勢が強い訳でもなく、中距離のリズムでテンポよく進んでいき、道中の走りは良い。新馬戦では道悪だったので弾けっぷりはイマイチも、前走では63.1秒のスローからレガレイラと同タイムの32.7秒の最速上がりを記録。こういう末脚を使える辺りやはり素質はあるという事か?

 

府中を2戦しているので中山への対応が鍵も、末脚で勝負している馬ではないのであまり気にしなくても良く、DI記念でも普通にレースの流れには乗れていると思う。あとはこの馬がどれだけ強いか?と言う事になるのだが、その点に関しては未知数としておくべきと思う。果たしてどうだろうか?

 

トロヴァトーレ

 

新馬葉牡丹賞と中山2000mを2戦して無敗。33.8秒、33.9秒と中山で確実に33秒台の上がりが使えるのだから相当な脚持ち。しかも、1度も鞭を使わずにこれだけキレているのだからちょっと抜けて強いかもしれない。中団に付けて、3~4角で差を詰めて、直線入り口射程圏と立ち回りも安定してこのコースの勝ち方を熟知しているよう。走り慣れたコースで特に不安要素がない。道中の追走も力強く、いつでも弾けそうな感じで脚を溜めて回って来れている。

 

開幕日と最終日の違いはあるが葉牡丹賞ホープフルSより0.2秒劣るだけであり、時計的な価値は十分にありそう。また、直線で前が壁で追い出しが遅れてのものなのでスムーズだったら、時計も詰められていただろうと考えるのは無理筋ではない。かつ、そこから直線短い中山で2馬身抜けるのだから凄い瞬発力である。GOサインを受けてからトップスピードに至る反応がとにかく早く、追えばしっかり伸びるのでよほどの不利が無い限り、力は出し切れる。

 

2戦のレースを見ると全力を出し切らないまま連勝を続けているように思われ、まだまだパフォは上げられると思う。ルメールビュイックと名手によるリレーで今回ルメール騎手に手綱が戻る。一連の鞍上配置からも関係者の期待は小さくないだろう。当然有力視すべき存在で、牡馬クラシックの主役になれる可能性もあるかもしれない。

 

ニシノフィアンス

・中山1800mを逃げ切り。ハナに立ち自身に有利なペースメイクで前残りした。ペースは超スローで時計も超遅く、数字面は大いに物足りない。

・ラスト1000mも60秒を切れておらず、持続性に疑問が残る。

・直線を向いてからの伸びも力弱く、後続の追撃を何とかしのいだという感じで末脚に魅力がない。

 

上記が京成杯出走時のカルテ。

 

前走の京成杯は後方から猛烈な末脚で浮上した2着馬を除き、1~5番手でレースを進めた馬がそっくりそのまま6着までに収まっているイッタイッタの決着。本馬は4番手から5着している。年明けにCコース変更がされたため、中山は時計の出やすいイン前馬場。前付けしとかないといけなかったレースであり、本馬の5着もその勝ち筋に乗っての好走で、特別評価を高める内容ではない。新馬戦の時計が大いに物足りなかったので、標準級の時計で走れたことは良かったと思うが、一枠を利したコース取りも恵まれていたことは認識しておきたい。直線での脚色は他馬と同じで見どころが無い。前の馬も交わせず、後ろの馬に差されて負けた内容はインパクトに欠ける。重賞5着の割に評価材料は少ない。直線で一伸び出来なかったあたりに、底力の乏しさを感じさせる。新馬勝ちした中山1800m戦も同様で、スロー先行から雪崩れ込んだだけで後続にかなり詰められている。ラストに使える脚がないので、とにかく前で運んで粘り込むしか権利を獲る手段はないが、相手が強まるGⅡ競走でそう言う事が出来るだろうか?よほど展開に恵まれないと厳しいと思う。

 

ファビュラススター

 

府中マイルを新馬勝ちし、中山2000mの条件戦を連勝中。前走の勝ち時計は先に行われたホープフルSや、後に行われた京成杯よりも速い1:59.8の好時計。ホープフルSとはコース変更により、時計の出やすい環境だったことを考慮すべきだが、年明けの1戦であったことで1k重い57kを背負っての走りだったことを踏まえれば相殺可能でもある。

 

脚質は序盤はもっさりしていて最初のコーナーまでに中団ぐらいにつける待機策。テンからガシガシ行くタイプではなく、前走では向こう正面で後方3番手まで下げて進めている。レース中盤くらいから早めに動き、機動力を駆使しして直線までに射程圏に押し上げて来るのがこの馬の形。コーナーでの加速が速いのが良い点で勢いをつけて直線に向いて来れる。追い出してからの脚も俊敏であり、新馬戦では稍重でありながら33.9秒まで加速出来ていた。

 

ただ、キレる脚は一瞬と言う感じ。新馬戦では最後は他馬と同じ脚色になってしまったし、前走も完全に抜け出しながらクビ差まで詰められ、あと50mあれば差し切られていただろう。また、左回りだった新馬戦は最後まで真っすぐと走ったが、右回りの前走は大外から抜け出しながらラチ沿いまで一気に切れ込んでいる。左回りの方に適性が強いのかもしれない。今回は勝って同条件だが、その点が気になる材料となりそう。

 

控えて脚を使うタイプなのでこの条件で紛れて入着と言うキャラではなく、地力で上位に入線できるかどうかが問われる。横山武騎手はかなり気にいっているようで、力は通用しそうだが、展開に左右される可能性はある。条件戦までは地力の高さでこなせたが、相手が強まる重賞で同じように立ち振る舞えるかはまだ分からない。

 

レッドテリオス

 

1月の中山2000mを新馬勝ち。不良馬場で勝ち時計2:07.9というレースは評価のしようがなく、判断材料に欠ける。不良馬場でも64.6→63.3秒とレースは後傾しており、ペースはスローだったのだろう。よって、1~3着は2・3番手の馬が前残りしている。それでもレース上がりは37.8秒とかかっており、本馬の上がりも37.7秒と抜けた末脚を披露出来た訳ではない。最後は2馬身差と抜けていたが、この上がりからして伸びたというよりは2・3着馬がバテて止まったという感じ。4コーナー手前ではむしろ手応えが怪しかったぐらいで、よく辛抱したと思う。勝負処のズブさを見ると、道悪巧者と言う感じも希薄に感じられ、出走馬のレベルによる可能性も考慮しておく方が良いかもしれない。良馬場で強いのかもしれないが、現状は未知数な存在で扱いが難しい。

 

ディープインパクト記念(GⅡ)の予想案はこちら▼

 

チューリップ賞(GⅡ) 出走馬カルテ 2024

 

こんにちは。

 

12月に行われた阪神JFはレコードで決着しました。勝ち時計が1:32.6でレシステンシアが19年に記録した0.1秒上回っています。これによって現3歳世代の牝馬は歴代最強と話す人が多いですね。なぜなら昨今行われている斤量増加の流れから2歳戦もそれまでより1k重い斤量を課せられています。レシステが54kで記録した時計を、1k重い55kで上回るのですから根拠としては成り立っています。

 

歴代最強と定義づけるのにそんな簡単な話でいいのかなぁなんて思ったりもするのですが、3歳牝馬のレベルが高いというのは確かに言える事ですね。無敗の2歳女王アスコリピチェーノ、牡馬なで斬りで中距離GⅠを勝ったレガレイラ、ルメール騎手がGⅠ級の素質と惚れ込むチェルヴィニアなどサンデーR牝馬の布陣は実に強力です。これらが桜花賞の中心的存在となるでしょう。

 

これに対抗する勢力があるとしたらやはり牝馬の国枝厩舎だと思います。GⅠ2着のステレンボッシュ桜花賞に直行します。また、先日のクイーンCでは3着と賞金加算に失敗したルージュスエルテも桜花賞出走を目論んでいたようです。そして、今回は2戦2勝のミラビリスマジックで桜花賞出走の権利を狙います。姉にマジックキャッスル、兄にソーヴァリアントがいるソーマジックの一族で、先日行われた京都牝馬Sを1つ上のソーダズリングが優勝したばかりですね。キャッスル、ダズリングは春のクラシックに駒を進めていましたが、ミラビリスもそれに続きたいところです。チューリップ賞の結果・内容次第で桜花賞の惑星に躍り出るかもしれません。

 

チューリップ賞は3月2日(土)に行われます。前日の1日(金)には更新を完了します。

 

予想案は各ページの最下部にある専用ページにまとめてあります。ブログカードを貼っておきますのでそちらをご覧ください。

 

エポックヴィーナス

 

阪神、京都のマイル戦を3戦して前走で勝ち上がる。リズム良く走り、前進気勢も程よくある。中団ぐらいで控える競馬をするタイプの様だが、レースの流れに合わせて位置取りを調整出来る処が良い。まだはっきりとは言えないが、スローの上がりの競馬よりも、タイトな展開や消耗戦で末脚が際立つタイプのよう。他が苦しいところを差し込んで上位に食い込んでいるので、上がりの速い競馬だと前を捉えきれないイメージ。それだけに距離が伸びて良さそうな印象を受ける。権利獲り目的のトライアルは厳しいレースにはなりにくいので、桜花賞トライアルには向かないかもしれない。弱い馬ではないので、厳しい展開になるようなら一考したい。

 

エラトー

 

7月にデビューして4着。以降は1つづ着を上げて4走目で勝ち上がる。マイル戦は新馬戦のみで、2戦目以降は中距離を走っている。ノーザンF系の素質馬と言う感じだったが、出世街道には乗れず。立ち回り上手く、追走力も良いので安定して力を発揮するが、残念ながら直線での加速が弱く、勝ち切れない。負けていた時は未だに勝ち上がれていないような馬にも差されて着を落としていたほど。2戦目までは加速ラップに対応デキず、上がりの競馬やキレ味勝負で弱味を見せている。ので、3戦目以降から逃げるようになっている。この馬の脚力からすれば当然こうなるだろう。逃げていると言っても、中距離のマイルドな流れをリズム良く走っているので、マイルへの短縮だと自分の競馬が出来ないかもしれない。2・3番手でも競馬は出来るだろうが、そうなると決め手の乏しさが脚を引っ張ることになる。いずれにせよ、前々で運んで雪崩れ込むしかなさそう。目立った時計もなく、際立つパフォーマンスも見られないし、推す根拠に乏しい。現状では条件戦をコツコツやっていくタイプの様に思う。

 

ガルサブランカ

 

イクイノックスの妹で厩舎は木村、鞍上ルメールのコンビ。2戦1勝2着1回。いずれもスローから上がりの競馬。新潟マイルで32.8秒、府中マイルで33.2秒と上がりはしっかりとキレている。ただ、その末脚は他馬と比べて飛び抜けている訳でもなく、着差も僅かで前走は前を捕まえきれず負けている。能力だけで高速上がりを記録しているが、それでも脚を使い切れていない感じがあって、もう少し流れたペースの方が末脚は際立つような印象がある。2戦とも37秒台-63秒台の通過で超スロー。地力の問われない展開に付き合っている感じで、馬も走りにくそうに映る。力を出し切っている感じがなく、結果圧倒的なパフォーマンスを発揮出来ないでいるような感じ。もう少し流れたレースでパフォを上げるのではないだろうか?また、気性的に難しいところがあるようで新馬戦の3コーナーではがっつりとかかる。2戦目も前進気勢の強いところがあり、ルメール騎手も手綱を引っ張り位置を取りに行けなかった感じ。結構なスロー戦だから、折り合いが難しくなるのは仕方ないとこだが、現状は粗削りな印象が強い。ものは良さそうだが、まだまだこれからという感じである。

 

ショウナンマヌエラ

・ゲートが開いた瞬間に飛び出して1馬身ほど抜けていた。スタートセンスが高い。

・周りが一杯に追いながら先行するところでも拳を動かすことなく、持ったままでスイスイ進んでいく。推進力ある走りで好感。

・余力を持って直線を向けているので最後は結構渋太い。

 

上記がアルテミスS出走時のカルテ。

 

アルテミスSが5着。先手の取り方は相変わらず上手く、ポンと出て、ポンと行けてしまう。ハナの取り方に無理がなく、いつも楽に逃げれている。これで3戦連続で逃げたことになり、早くも自分の形が出来上がってしまった。似たようなコースの近2走は比較がしやすい。新潟2歳Sが35.4-59.8のペースで1:34.0、アルテミスSが35.9-60.0のペースで逃げて1:34.5。0.5秒遅く走ったら、0.5秒遅くなったという単純な話。この馬自身の走りに変化はない。ただ、もう少しレースを後傾させても良かったのにと思うところもあり、その点でちょっと物足りない。せめてレース上がりは2走前より速いものを記録してほしいとこだった。また、この2走の勝ち馬は2歳女王と幻のGⅠ馬的な馬。トップクラスとの力差は認めざるを得ない。前走で着が下がったのも相手強化によるもので、トライアルとは言え、桜花賞路線が本格化して来ると相手も強くなり、パワーバランスの面であまり強気な評価が出来ない。賞金がありながら阪神JFを回避したのは好感で、間隔があいた分成長や強さが増し、能力や強さが更新されているといいのだが、それがないならちょっと厳しい。事前の厩舎情報をしっかりと吟味して、良化の有無で取捨を決める。

 

なお、この馬を物差しにした時、アスコリピチェーノよりチェルヴィニアの方を上に評価した方が良さそうであった。

 

スウィープフィート

・気性面に幼さがり、折り合いが難しい。かと言って、1200mは身体的に忙しく、距離はマイルの方が良い。心身の適性が噛み合わない。

・折り合い重視で乗れば末脚はかなりキレ、他を圧倒出来る脚を使える。スローでも、タフな展開でも末脚は引き出せる。

・乗り方に注文が付く現状で、操縦性もかなり低い。

 

上記が阪神JF出走時のカルテ。

 

阪神JFは出遅れて初手最後方。外を回して進出する大味な競馬。良い脚を使っていたようにも見えたが、上がりは上位に入らず、意外と平凡な伸びだった。また、前走のエルフィンSも同様で上がりは4番目。3走前に物凄い末脚を発揮した末脚巧者の印象もあったが、相手強化の近2走では末脚の優位性を失っている。特に前走はインコースの利があった開催3日目で、イン突きしながら外から差されたのはがっくりとなる。相手が強くなったことで相対的にパフォーマンスを落としている様に思われ、このままでは桜花賞出走は厳しそう。今回はその為の乗り替わりなのだろうか?もともと乗り難しそうな馬なので永島騎手には手に余る感じだったので、ベテランの武豊騎手へと乗り替わるのはプラスになりそう。溜めれば脚を使える馬ではあるので、こういう馬にこの鞍上は合い、今までより一つ上の末脚を引き出すことも出来るかもしれない。分かりやすい鞍上強化で、これがカンフル剤になる可能性を感じる。また、馬の方にも良化は見られる。折り合いの難しさを2走目までは見せていたが、近3走ではその点が改善されている。エルフィンSもレースぶりそのものは良く、使う毎に良化は見られた。前走以上を引き出す余地はなくもない。

 

この陣営は暮れの2歳GⅠでは阪神JFを除外された時のため朝日杯FSに登録していたほどで、GⅠ出走の意欲がとても高い。桜花賞出走を目指す為にはここがラストチャンスであり、その為に鞍上も変えたし、状態メイチで使って来ると思われる。

 

ティールブルー

・追い出してからの反応は申し分なく、スッと加速する。結構なキレもの。新馬戦では32.9秒の上がり最速で2馬身半も突き抜けてしまう。

・気難しい面もなく、折り合いスムーズ。発馬も上手く、レースの流れに乗って追走面にも問題は見られなかった。

新馬戦では中団待機策だったが、アルテミスSでは3番手の積極策。鞍上の意のままに動けているのだろう。操縦性がよく、自在性を発揮出来ている。

 

上記がフェアリーS出走時のカルテ。

 

フェアリーSが1番人気を裏切る4着。ルメール騎手の話では位置取りが後ろ過ぎたとのこと。確かに4コーナー手前で後方3番手ではそうだろう。ただ、1・2を争うぐらいの好スタートを決めながら、好位をキープすることなく、道中で徐々に下がりながら勝負処であの位置。ルメール騎手にしては不可解な乗り方だった。序盤にポジションキープの競馬をすればインのポケットで良い立ち回りが出来たのではないかと思うとこの判断は理解し難い。ただ、こうも言っていて、レース前にうるさいところがあったとのこと。その感触からリラックスさせることに重点を置いたのかもしれない。いずれにせよ敗因はレースでの位置取りだけで、最後はちゃんと反応し、0.1秒差まで詰めてきているので力負けの感じはない。より明確な敗因が今回で分かるであろうから、それ次第で見直せる。でも、やっぱりフェアリーSのメンバーレベルは1枚落ちる印象があり、相手は今回の方が強いと思う。あのメンバーだから僅差の競馬が出来たが、同じような立ち回りになると今回も苦しいことになる。勝ち筋を見誤らない乗り方が求められる。

 

セキトバイース

 

ここまで5戦を消化している。1勝馬だが取り口は安定していて連対率は8割と大きく崩れないタイプ。程よい位置取りから終いはいつもしっかりとしている。2着が多いがタイム差は小さい。そう悪い馬ではないのだろう。ただ、結局勝ち切れないのはこの馬が弱いからで、いつも何か強いのがいるという感じ。唯一馬券から漏れたのが勝ち馬がGⅠ2着した赤松賞。ここで伸びを欠いて5着となっている。相手強化で相対的に着を下げたと見る事が出来る。成績に安定感があるのは相手に恵まれていた可能性を否定できない。ここまでのレースを見ると、前進気勢が程よくあり、走りはワンペース。マイル戦では直線でグンとした加速が出来ていない。折り合いを気にするシーンもあったので、気性的にマイルは長く感じられ、1400mベストと言う印象。そう悪い馬ではないが、マイルの重賞だと強調材料を欠き、相手も強い。

 

タガノエルピーダ

・京都1600mの新馬戦を1:34.3の好時計で勝利。2歳の新馬にはタイトな流れを3番手で力強く追走、逃げ馬との叩き合いを制している。

・まぁまぁのペースから、ラスト2Fは11.0-11.0と優秀なレースラップ。このペースを刻んだ逃げ馬も次走をあっさり。これを2着に負かした本馬は強い。

・ゲート良く、初速も速いので、楽に先行出来ていて不安のない立ち回り。勝負所でも加速ラップを持ったままで追走出来ていて、反応、機動力共に申し分ない。

・1戦1勝の牝馬が牡馬相手のGⅠは厳しいかもしれないが、ここがダメでも桜花賞までのどこかで存在感を発揮しそうな馬だとは思う。

 

上記が阪神JF出走時のカルテ。

 

牡馬相手の朝日杯FSに出走し、牝馬ながらに3着と気を吐く。展開的には最も強い競馬をした評価が出来る。2・3F目に10秒台が連続した激流でこれを3番手で追走。ラスト1Fの失速は1.1秒と大きく、基本的には追込み有利な流れ。事実、先行勢力は直線中ほどでは後続に飲み込まれており、この馬自身も馬体を合わせられて、交わされそうな情勢であった。が、そこから再度伸びるのだから超強い。展開ハマりの4着馬に抜かせなかった勝負根性は実に立派。相当タフな競馬を強いられており、新馬を勝ったばかりの牝馬がここまでやるか?と言うハイパフォーマンスである。心臓面の強さや、持続性の高さなど重賞級の評価を与えるべき。新馬戦ではスローの上がりの競馬を最速上がりで対応しているし、GⅠのタフな展開でも脚を持続させており、どんな展開でも崩れないのは信頼性を高める。現状は安定して前で運べる先行馬で、序盤の立ち回りに上手さがある。現状の欠点は少ない。ただ、勝ち時計は0.3秒詰めたに過ぎず、レコード決着した阪神JF組とは持ち時計の面で強気になれない。牝馬同士ならとも思うが、その辺に落とし穴があるかもしれない。

 

なお、2歳GⅠでは阪神JF朝日杯FSの両方に登録。関係者はGⅠに使う事に強い拘りがあるよう。GⅠ3着馬とはいえ賞金加算の無い1勝馬権利取りへの意欲は高くなっているはずで、勝負仕上げに近い状態で出走してくると思われる。

 

ハワイアンティアレ

 

新馬勝ち後にエルフィンSに出走して7着。どちらも京都のマイル戦で、1000mの通過も大体同じ。新馬戦では中団待機から加速ラップを差し切り、良い瞬発力を見せたが、エルフィンSでは末脚は際立たなかった。それでも新馬戦より速い上がりを使えており、末脚の質感も良くなっていた。それで負けたのだから相手が強かったというほかない。道中に目立った不利もなく、鞍上の指示通りに反応しているので特別な理由がない限り実力通りなのだと思う。430kと馬体も小さく、現状は馬力不足なのではないだろうか?

 

フルレゾン

・スティールブルー(アルテミスS3着)が勝った新馬戦で3着だった。出遅れ分を回収できず負けたが、末脚は勝ち馬と同タイムで重賞級の評価も可能かも。

・未勝利勝ちは展開的にハマっていたが未勝利レベルで1:33.3は好時計(阪神は高速馬場だった)。それなりに価値がある。

・ここまでの2戦を見ると少々行きたがるところがある。我慢出来ているので問題視する必要はないと思うが、馬が一生懸命過ぎる感じで、走りに滑らかさが無い。

 

上記がデイリー杯2歳S出走時のカルテ。

 

デイリー杯2歳S10着(11頭立て)。スタートしてすぐ行きたがり、最終コーナー手前まで折り合いを欠いていて、ずっと首を上げたままのレース。これでは脚もたまるはずがない。ムーア騎手なので最後まで一杯々々に押していたが、弾ける気配は無く、ジワジワ伸びる感じも無い。新馬・未勝利の内容から能力があるのは間違いないのだが、この時から行きたがるところは見せていて、気性面に課題あり。普段の調教からもムキになるところがあるようで、厩舎も工夫しながら改善に努めている。気性面が能力を妨げており、早期に改善しないとクラシックが見えてこない。その後、1月下旬の白梅賞に出走も、馬場入り後に放馬して出走は回避。テンションの高さはより悪くなっているよう。常識的に考えると約1ケ月で根本的な解決に至るとは思えない。一応確認してから取捨はするが、ちょっと厳しそう。無印にしたとしても他馬に影響を与えそうで、いずれにしても怖い馬。

 

ブルーアイドガール

 

新馬勝ち後にエルフィンSに出走して7着。どちらも京都のマイル戦で、1000mの通過も大体同じ。新馬戦では中団待機から加速ラップを差し切り、良い瞬発力を見せたが、エルフィンSでは末脚は際立たなかった。それでも新馬戦より速い上がりを使えており、末脚の質感も良くなっていた。それで負けたのだから相手が強かったというほかない。道中に目立った不利もなく、鞍上の指示通りに反応してタイミングを逸することなく追い出せているから力は出し切っている。特別な理由がない限り実力通りなのだと思う。430kと馬体も小さく、現状は馬力不足なのではないだろうか?

 

ミラビリスマジック

 

母は重賞馬を多く輩出するソーマジック新馬勝ち後に菜の花賞に出走して、中山マイルで2戦2勝。序盤に少々い行きたがるが直ぐに収まり、以降は騎手の指示通りに動く。レースを覚えてくれば解消してくるレベルで気性難と言いう事はない。勝負処ではGOサインを待てる余裕があり、追い出す際の反応も鋭敏。ゆっくりめのペースから楽に抜け出して勝った新馬戦は特筆するべき内容ではなかったが、タイトな展開を5・6番手から差し切った菜の花賞の内容は力上位だった。中弛みがなく、11秒台が最後まで持続した流れでも脚を溜めながら進められており、末脚を使えた点は評価を高くして良いところ。この際の勝ち時計1:33.4は1週前に行われた同条件重賞フェアリーSのそれを0.6秒上回る好時計。レース内容も、時計面もフェアリーSを上回っているので重賞級の評価が可能。見た感じまだ緩さが残っているように思うが、パンとして来れば血統通りの活躍を期待して良いと思う。良くなる余地を多分に残している現状だとは思うが、今の状態でも権利ぐらいは獲れるかもしれない。中山の経験しかないため、強さより上手さが目立つレース振りなので、末脚勝負の要素が高い阪神マイルで強烈な脚を使えるかが課題となる。が、マジックキャッスル、ソーダズリングのふた姉も終いの脚は使えていたのであまり気にしなくて良いかもしれない。

 

ラヴァンダ

 

4戦を消化しており1勝3着3回で負けた時でも接戦になっている。成績が安定しているように、競馬振りに注文が付かず、常に力を出し切っている。それだけに僅差とは言え負けた3戦は結局力負けなのだろう。いつも不利を受けずにスムーズな立ち回りで直線を向いて来るが、追い比べで劣ってしまうので脚力不足という印象。控えて差す競馬をしてダメだったの、前走で先行策を試したところ、結果は同じだった。どんな競馬でも力を出せるのだから悪い馬でないが、現状は力不足の評価が妥当なように思われる。自己条件なら勝ち負けに数えて良い1頭だが、トライアルでは相手も強い。これまで以上に末脚は目立たないと思う。有力馬のコケ待ち。

 

ラーンザロープス

・2走前から折り合い面に難しいところが出始めているが、それでいて常に最速上がりを記録して好走を果たしている。気性難だけで軽視できない馬。

・消耗戦で脚が使える馬なので持久戦になれば強味が発揮されるが、持ち時計がなく、速い上がりを使った事がない。

 

上記がシンザン記念出走時のカルテ。

 

シンザン記念の4着は強い内容。テンが34.3秒と速くなり、先行総崩れになったレースを2・3番手の積極策。周りが失速するなか、ラスト1Fで最加速出来ており、内容が濃い。加えて、外差し馬場をラチ沿いから伸びたのだから実にエライ。牡馬に混じった重賞で牝馬のこの馬が一番強い競馬をしたと言っても過言ではない。馬場を味方にした3着馬に競り落とされたが、その後きさらぎ賞で僅差の2着と走っており、この馬の評価も相対的に高まる。速い上がりを記録したことがないので、上がりのかかる馬場状況や展開が味方した可能性は否定できないが、ひとまずタフな競馬で強味を発揮する馬と見て間違いない。また、収穫もあった。テンションが高い馬だったので折り合い重視に乗られていた馬が先行策で破綻しなかったのは良いこと。休み明けのフレッシュな時の方が力を出すのかもしれない。弱かった体質も改善されたとのことで、加減しながらの調整が、負荷をかけれるようになりフィジカル面の成長・強化も伴った。気性面についてはもう数戦見る必要がありそうだが、馬は上昇曲線に入った模様。前走以上に注意したい。

 

イツモニコニコ

・いつも出遅れるが二の脚良く、リカバーして先行位で競馬が出来、未勝利勝ちは逃げ切りだった。

・追い出してからの反応も良い。沈み込んでから良いフォームで力強く伸びている。終いの脚が使える先行馬という感じ。

・9月の阪神は高速馬場で時計が出やすかったので鵜呑みに出来ないが、この馬の1:21.2はかなり速い。昨年のバーラの勝ち時計を上回っている。

 

上記がファンタジーS出走時のカルテ。

 

ファンタジーSも出遅れ、前走の自己条件も(阪神1400)出遅れ。ここまで4走全てで出遅れている。どうもスタートが良くない。近2走は出遅れた瞬間に温存策に切り替えてしまっていて、いずれも直線入り口最後方。ファンタジーSは全くの無反応で、前走は反応こそ良くなっていたが末脚は際立たず。2走目まではリカバーし、速いペースを先行して一脚使えていただけに、この乗り方は不可解。デムーロ騎手は全戦で騎乗しているが、近2走の乗り方はサボタージュの様に思えてならない。力をまるで出し切れていない。1・2走目の評価は高かっただけに、これが本当の姿ではないと思うのだが。今回はマイル戦なので、1400mしか走っていないため自然と評価は辛くなってしまう。フィリーズrvなら見直すべきと思うが、この馬の評価材料とマイル戦で求められる適性は合致しない。事実、近2走で末脚不発が続いているので阪神外回りのマイル戦は厳しいと思う。厩舎サイドも瞬発力勝負は向かないと話しているので、この条件で良さが出るとはちょっと考え難い。

 

ワイドラトゥール

・序盤の立ち回りが上手く、初手がスムーズ。初速もあるので、ポジショニングもすんなりと出来ている。

・序盤からそこそこ流れていた展開を楽に追走。周りがバテるなか、この馬だけ持ったままで、いつでも抜け出せる手応え。追い出して楽勝。持続力が高そう。

・終始余力十分で、大人び立ち回りは印象が良く、力上位の走りで勝ち上がっている。本気を出さずに勝った印象でまだ上がありそうな馬。

 

上記がファンタジーS出走時のカルテ。

 

近2走はファンタジーS10着、紅梅S1着と京都1400mを連戦している。共通しているのは、テンに置かれて後方待機していることと、上がり最速を記録していること。ファンタジーSではフルゲートの8枠だったので位置が取れず、控えた格好。最後方待機から直線勝負をしたが届かなかった。ただ、上がりのかかる展開で33.6秒の末脚を使えた点は評価しておきたい。前走は出遅れてやはり後方からとなったが、今度は流れもゆっくりだったので馬群に取り付いた競馬が出来た。先行有利な展開でも差し切っており、終いの脚は良かった。これらを見ていると1400mは少し忙しい印象で、内容の良かった新馬戦のマイルの方が流れに乗れて、かつ脚も使えるのではないかと思う。全戦で最速上がりを記録しているように末脚が生きる舞台もこの馬には合うはず。チューリップ賞の条件はこの馬にとって悪くないと思う。負けたレースも含めて、良く動けていて、追い出されてからの反応はいつも良い。今のところ安定して脚を使っているので、位置取り次第でいつでも上位に食い込める可能性はある。新馬戦では初手がスムーズだったし、ファンタジーSも序盤はちゃんと走れていて、本来はポジショニングも上手い馬だと思う。追走が楽になるマイル戦ならレース振りはより安定すると思われ、チャンスの無い馬とは言えない。

 

チューリップ賞(GⅡ)の予想案はこちら▼

3月の予想案【9戦4的中・回収率21.8%】

・このページは3月の予想案を1つのページにまとめたものです。

・新しい予想案を上書きしていきます。

・3歳重賞はカルテを作成し、予想案をこちらのページに公開します。

・GⅠ競走は大阪杯はカルテを作成しますが、高松宮記念はカルテの作成は行いません。レースの予想案はこちらのページに公開します。

古馬重賞のGⅡ競走は優先レースが重なるので金鯱賞阪神大賞典日経賞の予想案の公開はありません。

・3月は3歳重賞とGⅠレースのみになります。

 

大阪杯(GⅠ)

 

こんにちは。

 

ドバイへ遠征出来たのに大阪杯を優先させた馬と騎手がいます。馬は③タスティエーラ、騎手は池添騎手。③タスティはドバイから招待状が届いていましたが賞金額が半分にも満たない大阪杯を優先しました。池添騎手はドバイに遠征したドンフランキーの騎乗依頼がありましたが⑧プラダの騎乗を優先しました。この馬とこの騎手、勝負気配が強そうです。

 

確たる逃げ馬不在のメンバー構成ですが、行く馬がいない場合に逃げる想定をしているのが⑦ハーパー、⑨ステラヴェローチェ、⑪ベラジオオペラの3陣営。話的にはリズム重視の競馬がしたいという⑨ステラが逃げるのかなぁと思いました。どの馬が逃げるにしても、先行有利のBコース変わり週ですから馬場バイアスに沿った競馬が可能になりそうです。

 

以上のことと、Bコース変わりの馬場バイアス、枠の並び、脚質を考慮した展開想定から⑧プラダに◎、③タスティを〇とします。

 

乗り替わりが多いですが⑧プラダは主戦騎手が騎乗しているのが良いですね。その池添騎手は自分がドバイを自重したのに「学くんはドバイにいっちゃってぇ」と管理調教師の弟に皮肉をチクリ。兄弟GⅠ制覇を夢みてやって来たのに大事な時にいないなんてと思ったのかもしれません。それだけ今回はチャンスだと考えています。土曜の競馬ではインの狭い処から差し切り勝利を上げており、池添騎手の馬場読みも期待出来ると思います。

 

状態はとにかく良いようで担当さんは「バキバキに仕上がったよ」と自身を持った仕上がりです。完成の域に入って来たと見て良いと思います。競馬振りにも充実感は現れていてポジションを獲りに動けるようになっています。外枠だった有馬記念でも先行ポジションを確保出来た先行力は今回の条件でもアテに出来ると思います。勝ち鞍のない2000mはちょっと短いようにも感じますが、今の立ち回りの上手さならこなしてくれるだろうと祈ります。

 

③タスティの状態にネガティブ発言をした堀調教師ですが、実際の仕上がりはダービー時には及ばないものの菊花賞以上と言う話。それだけデキていれば大崩れの無い馬なので今回も好走してくれると思います。同じダービー馬ワグネリアンもラチ沿いべったりで僅差の3着に。ワグネも黒帽子でしたから同じように再現出来ればいいなぁと思います。ワグネ世代も弱い世代でしたがドバイ組のいない大阪杯で好走。そう言う点もワグネの雰囲気に被るような気がします。

 

▲には⑦ハーパー。枠の並びからベスポジ確定の様な気がします。インの2・3番手に収まる馬が一番有利だと思うのでこの馬の激走は期待十分。枠の並びからすれば⑤スタニングローズがこのポジを獲るかとも考えたのですが、逃げの手も想定しているなら⑦ハーパーがそこに収まることになるでしょう。前走有馬記念は急遽の出走で態勢整わずに不完全燃焼でした。仕上げの面で今回は雲泥の違いがあり、また馬も4歳になり成長を遂げたとのこと。展開次第で勝ち負けも。

 

あと、名前が挙がった⑤スタニングですが、高野調教師はナミュール出走のドバイへ行っております。が、ナミュールより期待を高くしていたのが⑤スタニング。ナミュールはドバイで僅差の2着と走っていますからデキは相当良かっただろうと思われます。期待値でそれを上回る⑤スタニングのデキは推して知るべきかもしれません。△を回しておいた方が良さそうです。その他に②ローシャムパーク⑨ステラヴェローチェ⑩ソールオリエンス⑪ベラジオオペラの5頭に△をつけます。

 

買い方は◎の単複2点。◎〇▲の馬連・ワイドを箱で3点づつ×2で6点。◎から△へワイド5点。◎〇-◎〇▲-◎〇▲△の3連複フォーメション16点。全部で29点になります。

 

<印一覧>
◎:⑧プラダリア
〇:③タスティエーラ
▲:⑦ハーパー
△:②ローシャムパーク⑤スタニングローズ⑨ステラヴェローチェ⑩ソールオリエンス⑪ベラジオオペラ

 

高松宮記念(GⅠ)

 

こんにちは。

 

GⅠの基本レーティングは115とされていて、これを3年連続で下回ると降格が審査され始め、改善無ければグレードが下がります。昨年終了時点で115を2年連続で下回ったGⅠはフェブラリーS高松宮記念スプリンターズSフェブラリーSのレベル低下は別な理由もありそうですが、スプリント路線は長く低迷が続いていますからGⅡになってしまっても仕方ない気もします。そんな訳で今年はGⅠを維持するための存亡をかけた戦いとなります。

 

さて、高松宮記念ですがこのレースにはいろいろと面白いデータがあるんですね。私も聞いて初めて知りましたけど

 

高松宮記念はGⅠレースの中で最も勝率が低い

→1番人気の平均着順は6.4着と悪い

・前年の最先着馬は全滅で翌年馬券絡みなし

 

とか。

 

前者はともかく後者はなるほどなぁと思い、ちょっと感心してしまいました。ですが、そんなデータを私が打ち破ってみせましょう!◎に1番人気⑥ルガル、〇に前年の最先着馬③ナムラクレア。これで行きたいと思います。

 

⑥ルガルの強調材料は現5歳世代の勢力図に風穴をあけたことですね。昨夏以降のスプリント重賞は現5歳世代が圧倒的で全部この世代が勝利して来たのですが、シルクロードSで遂に4歳世代の突破を許してしまいました。それがこの⑥ルガルです。ハンデ重賞でしたがトップハンデより0.5k軽いだけの57.5kで突き抜けています。実に強い内容でした。他世代からの新興勢力は魅力的に映ります。ゲート不安の馬ですが、スタートが決まればこうも強いのか?と驚くばかりです。不安が解消したかはまだ分かりませんけど、西村騎手はスタート良いですし、後入れの偶数枠も陣営は歓迎しています。これならちょっとした出負け程度で大きく出遅れることもないでしょう。

 

管理する杉山厩舎は好調でこの先のGⅠを賑わしてくれるはずですが、杉山調教師が最も期待しているGⅠがこの高松宮記念です。そんな期待を持たせるほど⑥ルガルのポテンシャルを高く評価しています。曰く、左回りが良いとのことで高松宮記念は絶対に使いたいレースだったそうです。だとしたら、中京コースでパフォーマンスを上げて来ることも考えられ、加えて馬場不問の道悪巧者でもあります。スタート以外にこれと言った不安がないですね。勝ち負けしてくれるでしょう。

 

③クレア陣営ですが状態、能力はおそらく今がピークだと思われます。と言うのも、5歳になり加齢が進んだことで競走生活も終わりに近づいてきたからです。厩舎の見立てでは今年の秋には枯れ始めるだろうと考えられています。今年に入りこういう話が出始めました。だとしたらMAX状態で走れるのは今回が最後になりますね。ある意味引退レースをメイチで使う状況に似ています。なので完璧に出来上がっているようです。能力やコース・馬場の適性は昨年証明済みですから、これで走らないと考える方が不自然になります。データ屋のこじつけにびびって印を低くしたくないですね。

 

▲は2頭同時評価で②マッドクール⑧ソーダズリング。2頭とも状態が凄くいいですね。

 

②マッドは中京得意。暑さに弱いタイプでこの時期の方が走りが良いそうで、調教にもそれが現れています。陣営曰くパワータイプの見立てで時計がかかる条件は好都合とのこと。

 

⑧ダズリングは昨秋から気性を抑えきれなくなり距離短縮路線へ。1F短縮したタイミングでしっかりと勝利を収めているように、初距離の方が走りそうな気がします。あとは道悪適性がどれだけか?

 

高松恒例の大穴もなにか買っておきたいですね。これは引退が決まっている牝馬のメイチ走に期待したい。1400m戦で崩れず、僅差の競馬を続けた⑫ロータスランドが激走してくれないでしょうか?今回は次がないからオツリ残さずに仕上げたそうで、雨もじゅぶじゃぶ降って欲しいと土砂降り希望。近走はポツン後方の追い込み系ですが展開的にも向いていそう。何気に好走条件が揃っているような。岩田騎手必殺のイン差しが決まれば面白い。

 

他には①ビッグシーザー⑩ビクターザウィナー⑯ウインマーベルに△を。

 

買い方は◎の単複2点。◎から〇▲へ馬連3点・ワイドを3点づつ×2で6点。〇▲のワイドを箱で3点。◎〇から△へワイド4点×2で8点。◎〇から▲△へ3連複2頭軸流し6点。全部で25点になります。

 

<印一覧>
◎:⑥ルガル
〇:③ナムラクレア
▲:②マッドクール⑧ソーダズリング
△:①ビッグシーザー⑩ビクターザウィナー⑫ロータスランド⑯ウインマーベル

 

毎日杯(GⅢ)

 

こんにちは。

 

上がり最速候補=関東馬(天栄調教馬)という図式で予想を組み立てたいところでしたが、あいにくの天気で馬場は重。良馬場だったら⑩ニュージーズで良かったと思うのですが、この馬場でどうなんでしょうか?素質は高く評価されていますが、気性面に課題があるそうで陣営は慎重。毎日杯によくあるダービーの秘密兵器的な感じまではないですね。馬場の事もありますし、キャリア1戦馬のこういうケースは扱いを慎重にした方が良いと思いました。△の押さえまでにします。

 

ここは実績重視で本命(◎)は①ノーブルロジャー。前走後は放牧を挟んでいて、ここはGⅠへの叩き台かもしれません。でも、トライアル戦の様な権利を賞金をと言う陣営は少ないのでこの相手関係なら格や実績がモノを言うと思います。状態面は普通に良いようなので力通り走れば勝ち負けの存在と言えそうです。

 

シンザン記念は内容的に強く、3着馬が次走で重賞好走と相手もそこそこでした。当時は力のいる馬場でしたから道悪にも対応出来るのではないかと期待しています。自在性があり、末脚もしっかりとしているようなので大きく崩れる事はなさそうです。距離もこの時期なら厳密に考える必要はありませんから、1Fの延長もあまり気になりません。

 

トライアルではありませんが、毎日杯をステップにGⅠ出走を目論んでいるのが牝馬の②ルシフェル。中7週のゆとりローテでオークスを目指しています。キャロトFは3頭出しですが、牝馬をあえて毎日杯にぶつける辺り算段あっての采配と言う気がします。斎藤崇調教師も管理していたクロノジェネシスを彷彿させるとこの馬のポテンシャルの高さに期待しています。上がり最速キャラですが、未だ33秒台の末脚を使えたことがなく、そう言う意味では道悪も味方になるのでは?切れ味不足ですから府中のフローラSよりも開催が進んだ阪神の方が良いと思います。結構イケるのではないかと思いました。この馬を対抗(〇)にしたいと思います。

 

▲には道悪の未勝利を圧勝した⑨サトノシュトラーセ。陣営も他が苦にするならウチにはプラスと馬場悪化に前向きです。勝負根性の強いところを見せているのでタフな根性勝負は向いていると思います。小回り・内回りの経験ばかりですが大型馬なのでワンターンの方が良さそうと陣営はジャッジしているそうです。

 

その他は出来れば全頭に印を回したいのですがさすがにそうもいかず、強調材料のない馬から消すしかありません。△には③ベラジオボンド④メイショウタバル⑥ナイトスラッガー⑦ファーヴェントまでとします。

 

買い方は◎の単複2点。◎〇▲の馬連・ワイドを箱で3点づつ×2で6点。◎から△へワイド5点。◎〇-◎〇▲-◎〇▲△の3連複フォーメション16点。全部で29点です。

 

<印一覧>
◎:①ノーブルロジャー
〇:②ルシフェル
▲:⑨サトノシュトラーセ
△:③ベラジオボンド④メイショウタバル⑥ナイトスラッガー⑦ファーヴェント⑩ニュージー

 

スプリングS(GⅡ)

 

こんにちは。

 

現在の1番人気は国枝厩舎の④シックスペンス。国枝調教師もあと2年ですからダービー制覇に時間がありません。また、それ以上に時間がないのが2番人気③ウォーターリヒトの河内調教師。クラシックは今年でラストイヤー。以前から話しておりますように皐月・菊へ管理馬を出走させたことはありますが、ダービーは未だ未出走。これでは終われないと力が入っています。2人の御大がかける思いは強いですね。

 

でも、ダービーを勝つことが悲願の国枝調教師に対し、河内調教師はダービーに出れれば目標達成です。達成するなら飛び越えるハードルは低い方がいいですね。最終的にダービーに出れさえすればいいいので、次を考えるより今結果を出す方が重要です。河内厩舎からは本番度外視みたいなムードが漂います。

 

3着で権利を獲っても、皐月賞で上位に入らないとダービーへの優先出走権は手に入りません。しかしながら、臨戦過多な現状から皐月賞へ余力が残るとは考えづらく、そこで好走するのは難しい。それだと目標のダービー出走が叶いません。要するに、ここで2着以上じゃないと河内調教師の夢は立たれるも同然なのです。勝負するならここしかないのという状況ではないでしょうか?その執念に乗りたいと思います。③ウォーターを本命(◎)にします。

 

なお、河内調教師の都合だけを予想の根拠にした訳ではありません。③ウォーターに中山1800mへの適性が無いとは思えないからです。近2走はワンターンコースで脚を溜めて末脚勝負をしていますが、もともとはコーナー4つの中距離を主戦場としていて、そこで凡走はありませんでした。シンザン記念きさらぎ賞の様なコースの方がベストだとは思いますが、決してやれない条件ではありません。また、頭数10頭の少頭数も願ったり叶ったり。これで勝負所が捌きやすくなると思います。不利なくマクってこれるでしょう。近2走の重賞で使った末脚はここに入れば断然抜けていると思うので、末脚発揮に支障がないなら普通に狙える有力馬だと思います。

 

と、本命は決まりましたが相手は絞れないですね。どれもこれもピンときませんでした。また、10頭中7頭が一桁オッズの混戦ですし、どの陣営もこの相手なら権利は獲れると躍起になっています。どの馬も軽視し難い状況です。なので、少頭数だから相手は絞れ!みたいな体裁よりも、「少頭数は荒れる」と言う格言の方に賭けた方が良いと思いました。

 

それでも一応、上位の印はつけておきましょう。対抗(〇)には先行利が期待でき、逃げもありうる⑨コスモブッドレア、▲には上積みが大きそうな⑩スティンガーグラス。中山の中距離を器用に立ち回った実績がある事を評価してこの2頭を上位評価とします。

 

⑨コスブの石川騎手は④シックスにも騎乗して勝利を上げているのですが、これには先着出来るだろうと自信を持っています。⑩スティンガは良くなるのは先っぽいのですが、徐々に成長していて調教の負荷を上げて調整されています。前走以上の走りを期待出来るでしょう。混戦模様のレースなら2頭とも狙い目は立つと思います。

 

買い方は◎の単複2点。◎〇▲の馬連・ワイドを3点づつ×2で6点。◎から△へワイド5点。◎から〇▲△へ3連複1頭軸流し21点。全部で34点です。

 

<印一覧>
◎:③ウォーターリヒト
〇:⑨コスモブッドレア
▲:⑩スティンガーグラス
△:①ジュンゴールド②ルカランフィースト④シックスペンス⑤チャンネルトンネル⑥ペッレグリーニ

 

フラワーC(GⅢ)

 

こんにちは。

 

1~3番人気にノーザンF系クラブのそれっぽいのが並びました。人気順に⑤ミアネーロ、②カンティアーモ、⑥カニキュルの3頭です。これらはもれなくここをステップにオークスを狙っています。その為には最低でも2着以上の賞金が必要ですが、出走を確実にするには勝利するのが望ましいですね。

 

②カンティと⑥カニの2頭が強かったのは、新潟だったり、府中だったりの大箱コース。それに引き換え⑤ミアネは2戦とも中山であり、負けた前走もアクシデントによる不利で脚をあました僅差でした。この中山実績を評価するべきでしょう。この馬から入るのが最も安全でそうです。

 

シルクRは②カンティと⑤ミアネの2頭出しでルメール騎手が騎乗しているのは②カンティ。セオリーに従えば関係者が力を入れているのはこちらなのでしょう。しかしながら、⑤ミアネがルメール騎手に捨てられたという事ではないそうです。厩舎関係者も津村騎手の方がルメール騎手より合っているとの認識です。前走はクラブの都合でルメール騎手となっていますが、本来の鞘に戻ったと考えて良く、乗り替わりはむしろプラス材料のようです。

 

またその前走はルメール騎手が乗れるからマイル戦を使ったのですが、本来は今回と同じ条件の若竹賞を使う予定でした。厩舎ではもともと中山1800mの方が良いと考えていたので、やはりこの条件に適性があると考えて良いでしょう。調教もかなり動いていたとの事で状態面は申し分ありません。オークスへ駒を進める最有力候補として期待したいと思います。この馬が本命(◎)です。

 

2・3番手評価は②カンティと⑥カニでも良いのですが、②カンティはコントロールが難しいと言った川田騎手の言葉が気になり、⑥カニは中山2000mでコーナリングの差で負けたことから適性面に不安を感じます。いずれも中山コースで強気になれないところがあるので思い切って△にする事にします。

 

ちょっと不確定な要素もありますが⑩ラビットアイを対抗(〇)に、⑫フォーザボーイズに▲を付けて上位評価にしたいと思います。

 

⑩ラビットは横山典騎手がお気に入りで、わざわざ関東に乗りに来ているのもそのため。今週の乗鞍はこの1鞍だけですから渾身騎乗をきっとしてくれるでしょう。逃げ候補としても期待しています。⑫フォーザは器用なレース振りで、レースセンスの高さに惹かれます。この条件は初めてですが対応力が高いので上手に立ち回ってくれると思います。終いもしっかりとしているので最後に詰めてくれるのではないでしょうか?

 

他は①ヒラボクミニー②カンティアーモ④テリオスサラ⑥カニキュルの4頭に印を回します。

 

買い方は◎の単複2点。◎〇▲の馬連・ワイドを箱で3点づつ×2で6点。◎から△へワイド4点。◎から〇▲△へ3連複1頭軸流し15点。全部で27点になります。

 

<印一覧>
◎:⑤ミアネーロ
〇:⑩ラビットアイ
▲:⑫フォーザボーイズ
△:①ヒラボクミニー②カンティアーモ④テリオスサラ⑥カニキュル

 

ファルコンS(GⅢ)

 

こんにちは。

 

先週の中京競馬場の1400戦4鞍をチェックしたところ、土曜の中盤以降は良馬場となり、以後のレースは11秒台が持続するスピードの出やすいレースが多かったです。結果、ハイペとなりやすく3Fを33秒台で通過するものが多く、最後の1Fで失速し、差しが決まるというレース展開になっています。先週は開幕週でしたがこの条件に限れば内有利の傾向はそれほど強くなかったようです。

 

また、全体的に締まったレースになりやすいので地力が問われ易く、実質的な距離適性も問われ、1200mベストと言うタイプには厳しいレースになっていたのではないかと思います。以上を踏まえまして、差し馬中心の予想立てが良いのではないかと思います。

 

この想定で行くと、何かと話題の⑤シュトラウスに展開が向くかもしれません。今回は控える競馬で差す競馬を試みるそうです。陣営の話からすると暴走した朝日杯FSからあまり変わってないようです。だから流れの速いここで我慢させることを学んで欲しいという希望があります。大きいところを狙える馬であり、賞金面をクリアしていますから、次走のGⅠに向けて少しでも良い方向にもっていく事の方が大事なのでしょう。だとすると、ここは内容重視のレースになりそうです。勝ちに来た1戦ではないですね。展開は味方しそうですが、有力馬の叩き台的な感じですから隙もあるということになります。ピンもパーもあるなら主軸で扱う訳にも行きません。その能力を評価して4番手ぐらいの☆印に留めたいと思います。

 

現在1番人気になっている⑨ソンシは、⑤シュトラ陣営が今回試みようとしている事を既に前走で済ませています。それまでは先行策でしたが、先の事を考え控える競馬をしています。前と距離を置いた5番手に控え良い末脚を引き出すことに成功しました。出来るかどうかは分からない⑤シュトラよりも、脚質転換に成功している⑨ソンシの方が計算しやすい人気馬となります。

 

また、勝負気配の面でも⑤シュトラを上回りそうです。一応目標ははNHKマイルCなんですけど川田騎手の感覚ではマイルはちょっと長いと感じているようでして、本番よりもここで結果を出しておきたいような気配が陣営から感じられます。差す競馬を前提にすると5枠9番もレースがしやすく、力を発揮しやすいところだと思います。本命(◎)はこの馬が良いと思います。

 

対抗(〇)には朝日杯FSでもラチ沿いから伸びて0.4秒差に走った③サトミノキラリ。前走時からファルコンSは視野に入っていてここを目標に調整されています。前走は先約があったので乗れませんでしたが、鞍上の横山武騎手もデビューの頃から評価が高く、一発狙っているようです。力を出し切ってくれれれば差し切りあっても良さそうです。

 

▲にも差せる①ロジリオン。14k増だった前走を叩き台として、ここは狙ったレースです。余力残しで勝った前走はこの馬の強さを表すものでしょう。ただ、開幕2週目と言っても内にそれほどの恩恵はありませんし、この馬自身器用と言うタイプでもないので最内枠は少々気になています。

 

他は⑤ナムラアトム⑥オーキッドロマンス⑮ダノンマッキンリー⑬エイムフォーエース⑫エンヤラヴフェイスの5頭を△で押さえます。

 

買い方は◎の単複2点。◎〇▲の馬連・ワイドを3点づつ×2で6点。◎から☆△へワイド6点。◎-〇▲☆-〇▲☆△の3連複フォーメション18点。全部で32点になります。

 

<印一覧>
◎:⑨ソンシ
〇:③サトミノキラリ
▲:①ロジリオン
☆:⑤シュトラウス
△:⑥オーキッドロマンス⑪ナムラアトム⑮ダノンマッキンリー⑫エンヤラヴフェイス⑬エイムフォーエース

 

フィリーズrv(GⅡ)

 

こんにちは。

 

前走逃げているのは⑥シカゴスティングと⑬ポエットリーの2頭。ゲートが開いてからの判断になるのでしょうが、2頭とも控える競馬を考えているので先導役がいない展開も想定されます。ガンガン行くタイプもいないので案外流れは速くならないかもですね。ある程度は流れるでしょうが、激流想定まではしなくて良いかなぁと思っています。

 

本命(◎)②ロゼフレア。来週のファルコンSなんですが、私は3戦2勝2着1回のソンシが勝つのではないか?って思っているんですけど、この馬に唯一土を付けたのが②ロゼフです。これを能力的担保に出来るのではないかと考えました。阪神1400m実績はメンバー一番だと思いますし、レースの流れに合わせて競馬が出来ますからスローなら前付けする事も可能です。

 

本来は1番人気だった前走紅梅S桜花賞までの賞金を確保しておく予定だったのですが、展開向かずで差し不発。また、月イチ出走で5走していたので本調子にありませんでした。立て直せればもっと走れるというのが前走後の関係者の評価であり、今回しっかりと立て直してきました。早い段階から桜花賞を見据えていたようなので権利意欲も高いでしょう。一発狙ってみたいと思います。

 

力は抜けている①コラソンビートは対抗(〇)以下には落とせません。本番度外視と言いう訳ではないですが、フィリーズrvは勝ちに来た1戦なのでそれなりに調整された状態で出走しています。膝の調子がおかしいとエコー検査しているのが不安材料と取り上げられているようですが、陣営は大丈夫との判断。進路が左側しかない1番枠だと馬群を捌くのに苦労するかもしれませんが、僅かなスペースでもあれば抜けて来てくれると思います。

 

▲には③バウンシーステップと⑤カルチャーデイの2頭を同評価しておきたいと思います。③バウンシ陣営もマイルまでは持たせようと意識的に控える競馬をしてきましたが、それも桜花賞を見据えての事だと思うので権利を採っておきたい1頭です。末脚の安定感は増して来ましたし、使う毎にレース振りも安定してきたので期待の出来る1頭だと思います。⑤カルチャのファンタジーSの内容はハイパフォーマンスでした。この馬も明らかにフィリーズrvが本筋で狙っています。前走から一つ完成度が上がって来たとの事なので今なら坂のある阪神コースにも対応出来ると思います。

 

他は⑥シカゴスティング⑨レディマリオン⑪マーシーラン⑫ジューンブレアの4頭に△を回します。

 

買い方は◎の単複2点。◎〇▲の馬連・ワイドを箱で6点づつ×2で12点。◎から△へワイド4点。3連複は①コラソンを軸にした〇-◎〇▲-◎〇▲△のフォーメション15点です。全部で33点になります。

 

<印一覧>
◎:②ロゼフレア
〇:①コラソンビート
▲:③バウンシーステップ⑤カルチャーデイ
△:⑥シカゴスティング⑨レディマリオン⑪マーシーラン⑫ジューンブレア

 

ディープインパクト記念(GⅡ)

 

こんにちは。

 

⑤シンエンペラー、⑥トロヴァトーレ、⑨ダノンエアズロックの3頭は土曜夜の段階で3.0~3.3倍の間で人気を分け合っていました。人気順は見る度に変っているのでほとんど差がない評価になっていますね。3強対決の様相です。この3陣営はそれぞれ勝ち負けを期していますが、多少の温度差があるようでして、

 

⑨エアズロック:まず勝ち負けでしょう

 

⑥トロヴァ:勝ち負けになるでしょう

 

⑤シンエンペ:勝って本番に向かいたい

 

と、下に行くほど願望度が大きくなっています。賞金的に本番出走が確定している⑤シンエンペ陣営は叩き感が滲み出てたのかもしれません。軽視材料となりそうです。また、⑤シンエンペには他にも軽視出来そうなネタがあります。4番人気⑩ファビュラススター騎乗の横山武騎手は⑤シンエンペの新馬戦に騎乗していてその背中を知っているのですが、⑤シンエンペならなんとか出来るかもしれないと逆転の可能性を感じているようです。

 

横山武史騎手のこの感触を裏から読めば、⑥トロヴァと⑨エアズロックには力差を感じているとも取れます。だとしたら、DI記念は⑥トロヴァか⑨エアズロックと言う事にになりそうですね。どちらも権利を獲らないと話になりませんから。

 

この3頭でほぼ決まりそうな雰囲気ですが、昨日のチューリップ賞の様なこともありますから1頭、2頭が脱落する可能性は考慮しておいた方がいいですね。そこは展開面と今の馬場バイアスから考えるのが良いと思います。

 

DI記念はスローになりやすいので近年は前々の馬で決まるケースが顕著です。8~10年前は差し・追込みの好走もありましたが、この7年間はほぼ4角5番手にいないと馬券になる事ができません。21頭中18頭が該当し、例外の3例中2例は重馬場だった20年で、残りの1例も4角6番手でした。良馬場なれば極端な後方待機に出番はなく、先行力を持って前に陣取るか、機動力で4角前に射程圏に取り付くかしないといけません。かつ、今の中山は逃げ馬が残りやすく、イン前バイアスが強く働いているので、この傾向を後押しするでしょう。

 

以上を踏まえまして、機動力があり、重賞級の力も備えている⑩ファビュラの食い込みは計算出来ると思います。東スポ杯2歳S2着の③シュバルツクーゲルは2番手の競馬が板についていて安定した先行力で中山も向きです。この2頭は押さえておくべきだと思います。堅く収まりそうなので印はこれぐらいにしておきたいですがもう1頭だけ。大穴として逃げる可能性を示唆しており、状態面がとても良い⑪ニシノフィアンスまで手を拡げたいと思います。この3頭を△で押さえます。

 

肝心の上位評価の印ですが、当初は⑥トロヴァ本命でこの馬が抜けて強いと思っていたんですけど、調教で動き過ぎてしまったようですね。調教後に大丈夫との判断になっていますが、予定していたメニューより4秒近くも速かったとのこと。4秒はさすがに大違いだと思うので、見えない反動とか当日のテンションとかは気になります。それでも権利は獲れると思っていますけど、今回は対抗(〇)にします。

 

よって、本命(◎)は⑨エアズロック。ここまでの2戦は正直疑わしいなぁと思っているのですが、そう言えば昨年優勝のタスティエーラも共同通信杯(4着)でダメ出しして評価しませんでしたが、DI記念で本命にしたら成功しました。タスティと同じ堀厩舎ですから縁起も良いし、ここは自分を否定してこの馬を中心視することにします。それに府中戦の内容が物足りないと感じたなら、中山の方が良いという事だと思うので私が思う以上に強い競馬をしてくれるかもしれません。

 

既に先を見こしているのでメイチではありませんが、師曰く、皐月賞を120点としたら今回は100点とのこと。要するに満点の仕上げという事です。泣きの多い堀調教師がここまでいうのですから、これは信用に足ります。また、騎乗するキング騎手は今日が短期免許最終日。今回の来日で良い成果を十分残したと思いますが、その集大成と気合が入る1戦です。身元引受厩舎は掘厩舎、身元引受馬主はダノンさん。これで⑨エアズロックに恩義を感じない訳がありません。渾身騎乗は確実でしょう。

 

▲に⑤シンエンペ。状態は前走以上との話ですが、その前走が底に近かい状態ったので前走以上は当たり前の話です。まだまだ子供と完成度が足りていないと厩舎では評価されていますし、ここもメイチではありません。それでも勝ち負けしているのですから能力は間違いないですけど、隙があるならこの馬なので3番手評価は妥当だと思います。

 

買い方は◎の単複2点。◎〇▲の馬連・ワイドを箱で3点づつ×2で6点。◎から△へワイド3点。◎-〇▲-〇▲△の3連複フォーメション7点。全部で18点です。

 

<印一覧>
◎:⑨ダノンエアズロック
〇:⑥トロヴァトーレ
▲:⑤シンエンペラー
△:③シュバルツクーゲル⑩ファビュラススター⑪ニシノフィアンス

 

チューリップ賞(GⅡ)

 

こんにちは。

 

3歳初戦が桜花賞と言うパターンが当たり前になったので賞金クリアの実績馬が出走して来ませんでした。なので、今年は全馬に権利が必要です。どの陣営にもその意欲がありますね。それだけにその意欲だけで優先順位を決められません。稍重であることや、開幕2週目でイン前有利など、馬場の特徴を考慮して展開上有利な馬を見極めたいところです。

 

また、最近だとナミュール、ちょっと古いとダノンファンタジーなどがそうでしたが、直線で馬群から抜け出すの手間取りました。こういうシーンが目立つのがチューリップ賞の特徴なんじゃないかなぁ?と思います。権利意識が強いのでどの馬もロス無くタイトに周って来るのでインガゴチャつきやすいからそうなるのだと思います。出来るだけスムーズな競馬が出来る馬の方が力を出し切れるのではないかと思いました。

 

その点を考慮すると、枠が内過ぎず、外すぎない⑨スティールブルーと⑩ガルサブランカの5枠2頭は良いですね。この枠ならイン前馬場の恩恵も受けれそうですし、包まれることなくスムーズに追い出すことが出来ると思います。この2頭を中心視したいと思います。

 

本命(◎)はイクイノックスの妹を6倍台で買えるならお得感があるなぁと思うので⑩ガルサにします。ここまではスロー競馬しか経験が無いので内容的に物足りませんが、カルテでも触れたように地力の問われない展開に付き合っている感じで、馬も走りにくそうに感じました。相手が強く、レース内容がシビアになった方がこの馬の秘めたる力が発動するのではないかと思います。厩舎でもポテンシャル的には一番かもしれないとの話。つまり、レガイラやチェルヴィニア以上の可能性を厩舎も感じているという事です。ルメール騎手もいずれ走ってくるからと期待は小さくありません。前走よりは完成度も上がってきているとのことなので、これまで以上のパフォーマンスを発揮するのは確実だと思います。先物の狙いで行きたいと思います。

 

対抗(〇)に⑨スティール。フェアリーSは位置取りの差で負けただけなので見直す余地があります。位置取りが下がったのも他馬との接触でリズムを崩したことが原因とのこと。それなら力負けではないですね。本来は自在性があり、操縦性も高いので、こういう馬に川田騎手が乗るのは凄く良いと思います。その川田騎手の評価もまぁまぁ良くて、トライアルなら勝負になると期待しています。中山よりも広々とした阪神外回りの方がレースもしやすく、追い比べで上位に迫ってくれるのではないでしょうか?

 

▲にはそのフェアリーSを時計面、内容面で上回る⑤ミラビリスマジックがいいでしょう。本当は本命筋で期待していたのですが3枠では馬群に包まれそうだったので踏み切れませんでした。ただ、本馬は既に馬群を割る競馬が板についていて、進路を切り替える際も器用な小脚を使えます。この馬なら馬群から抜け出して来てくれると思います。指揮官の国枝調教師は権利を取れば栗東に居残るプランを考えていて、それはつまり桜花賞出走へ具体的なイメージを持っているということです。この路線における師の見極めは一流ですからやはり侮れないですね。

 

それ以外では⑯タガノエルピーダ陣営、④ワイドラトゥール陣営の権利意欲の高さは目につきます。前者は大外枠を、後者は追込み脚質の問題がネックになったので△までとしましたが、勝ち負けまで見込める仕上げだと思います。

 

あとはイン前馬場の恩恵がありそうな逃げ馬を警戒して⑫ショウナンマヌエラと⑬エラトーの2頭に△をつけておきたいと思います。

 

買い方は◎の単複2点。◎〇▲の馬連・ワイドを箱で6点。◎から△へワイド4点。◎〇-◎〇▲-◎〇▲△の3連複フォーメション13点。全部で25点です。


<印一覧>
◎:⑩ガルサブランカ
〇:⑨スティールブルー
▲:⑤ミラビリスマジック
△:④ワイドラトゥール⑫ショウナンマヌエラ⑬エラトー⑯タガノエルピーダ

 

▼10月~2月の回収率は55.3%でした。

月毎に予想をまとめていますので参考の目安になるよう掲載しておきます。資金配分まで公開するつもりはないので実際はそんな事もないんですが計算や表示方法の関係で単複も含めた全点を均一で計算すると回収率はこうなります。

☆22年10月~23年9月の回収率は84.7%でした。