競走馬カルテ

2・3歳重賞の出走馬を分析・記録していくブログです。

スプリングステークス(GⅡ) 出走馬カルテ 2024

 

こんにちは。

 

スプリングS三冠馬(ナリタブライアン・オルフェーブル)や、皐月賞・ダービーの春2冠馬(ネオユニヴァースメイショウサムソン)や、皐月賞馬(アンライバルドロゴタイプ)などを輩出。このレースもまたクラシックの登竜門です。また、GⅠ7勝馬キタサンブラックはこのレースで父子制覇しています。後にGⅠを勝つ優勝馬を上げればいくらでも出てくる出世レースでもあります。

 

しかしながら、18年優勝ステルヴィオを最後にこの5年間GⅠを勝つような優勝馬は出て来ません。2・3着馬に拡げてもGⅠで入線する馬さえいない。いつのまにか随分と小粒な重賞になってしまっていたようです。以前は隔年ぐらいで後のGⅠ馬が優勝していたのですがそう言う期待を持てる馬の出走が少なくなった印象で、それは今年のメンバーにも言えるような気がします。予想は難しそうですね。

 

スプリングS(GⅡ)は17日(日)に行われます。前日の16日(土)には更新を完了します。出走登録の分かった馬から更新していき、最終登録確認後に追加更新していきます。

 

予想案は各ページの最下部にある専用ページにまとめてあります。ブログカードを貼っておきますのでそちらをご覧ください。


アレグロブリランテ

 

7月の福島1800mを新馬勝ちしているが、サンデーRが福島を使っている時点で胡散臭い。この時期なら素質馬は新潟を使うのが定番。逆に福島を使ってくるタイプは弱い相手を求めている場合が多い。事実、この新馬戦の2・3着馬は半年経過した現在も未勝利(それぞれ5戦消化)のままである。勝ち時計1:51.2もとても物足りないもの。3ケ月空けて萩S(京都1800)を使っているが最下位で負けている。2・3番手で進めながら直線の追い比べで速い上がりに対応デキずに負けた感じ。走破時計は1:48.9と時計を大幅に詰めたが、勝ち馬から1.0秒も離されたもの。時計勝負で良いところはなさそうだ。3走目の若竹賞を2着と走ったのも不良馬場だったことがこの馬に向いていたのではないか?立ち回りそのものは悪くないが、追走力がないようでいつも気合をつけながら先行位をキープしている感じ。自ら進んでいく感じがない。見た目の印象もまだパンとしておらず、緩い印象で実は入っていないように思う。現状は速さを持続させる能力に欠けており、タフな展開を頑張れる持久性の方にバロメーターは振れている。ただ、それも抜けて凄い訳ではない。当日の馬場コンディションが時計のかかるものであったり、道悪だったりしたら再考したいが、逆の状況だったらちょっと厳しいのかもしれない。

 

ウォーターリヒト

・4k減の新人を器用して早期の勝ち上がりを目論んだようだがそれが裏目に出た感じ。ベテランに変った途端に勝ち上がり、重賞でも好走の連続。力はあったという事になる。

・序盤に位置を取れるようなレースセンスはないが、自在性があるので、レースの流れには乗れるタイプ。

シンザン記念の末脚は強烈。ラストが加速ラップの展開を直線入り口最後方から差し込むのは力がないと使えない末脚。

・小回り・内回りの中距離戦よりも、外回りワンターンのコースで末脚勝負する方が強さが際立つのかもしれない。

 

上記がきさらぎ賞出走時のカルテ。

 

17番人気3着だったシンザン記念に続き、きさらぎ賞も10番人気2着。やはり力があるということだろう。きさらぎ賞はタイム差なしの入線でその走破タイムは1:46.8。この開催の京都は時計のかかる馬場であり、そこを踏まえると優秀な時計であり、サトノダイヤモンドが勝った16年を0.1秒上回るもので価値がある。

 

レースは各馬が内を空けて馬場の中ほどで一塊になっていた。本馬も3番枠から向こう正面では一番外に進路を取っていた。勝ち馬と本馬は後方2・3番手とほぼ同じ位置で競馬を進めていたが、勝ち馬は外、本馬はインと進路取りは左右に分かれ、その結果がハナだった。一見すると距離ロスのあった勝ち馬の力が上の様にも映るが馬場の悪いインを突いている事を考えればどっちもどっちで力差無しとしておきたい。

 

末脚も0.1秒劣っただけの33.8秒なので、この2頭の脚力ははっきりと抜けていた。ラスト3Fは12.0-11.1-11.3と最後の2Fでグンと加速しており、こういうレースは基本的に前にいる馬に有利で、後方追走の馬が勝って良いレースではなく、2頭の力が抜けていた事は数字面からも確認出来る。またしても人気薄で大激走した事になるのだが、フロックと片付けられる内容ではなく、本馬の力は本物である。

 

近2走はワンターンコースを後方待機して直線勝負で好走し、この形も板についてきた。この乗り方だと中山1800mで強気に推せるものではないが、4走目までコーナー4つの2000mを走っていて凡走と呼べるものはない。今回のコースも十分に走れるはず。後はどう末脚を引き出すかにかかっているが、幸騎手は完全に乗りこなしているので、上手く調整してくると思う。

 

走りの質も徐々に良くなっていて、力強く追走して、しっかりと脚を溜められ、際立つ末脚を発揮出来ている。印象点もかなり良くなった。GⅡになり、相手が強くなるのかもしれないがこの馬も何かが劣っている訳でもないのでそこそこやれて不思議ない。

 

なお、本馬の賞金は1200万で皐月賞出走は難しい。河内調教師は今年が最後のクラシックになるのでその意欲が強い。とりわけダービーだけはまだ出走すらしたことがない。ので、前走時に「ダービーへ」とはっきりと口にしている。最低でも3着だが、理想は賞金加算の2着以上だろう。臨戦過多で使い過ぎではあるが、後先考えていられない状況でもある。

 

コスモブッドレア

・ポジションを取れる先行馬であり、コーナー4つのコースも上手に対応している。立ち回りの上手さを生かせる条件は向いている。

・勝負処や最終コーナーも手を動かすことなく周って来れる機動力があるのも良い。

・直線を向いてから使える末脚が殆どない。決め手が弱く、直線で加速するようなところがない。

 

上記が京成杯出走時のカルテ。

 

京成杯3着。まず良かった点は重賞の標準的な流れに即応できたこと。序盤は少々忙しかったが、外目の枠からポジションを獲りに行き、2番手を確保出来たのは良かった。また、これまでスローを先行していただけなので持続性を確認しづらかったが、手綱を緩めて追走出来たのも良く、余裕を持って回って来れ、追走力は重賞でも通用した。

 

元々立ち回りが良く、機動力もあるのでこういう条件は向いており、スプリングSの条件でも適性の高さを十分に発揮すると思う。厩舎の評価だけは結構高いので、勝ち上がり後も無理せず間隔を空け成長を促している。関係者はこの先の活躍を期待しているので今回も侮れない馬かもしれない。

 

ただ、京成杯のレース内容そのものは淡泊で、道中1~5番手以内で先行していた馬がそのまま6着までに雪崩れ込んでいる。直線の攻防に見どころがない。この馬自身、直線で加速する事がないので逃げ馬を交わすのに手間取り、後続の追撃をどうにか凌いだというもので、競走能力そのもにあまり進化が見られない。

 

京成杯は時期的に有力馬が集まりにくいため好走できたが、この決め脚のなさだとレースグレードが上がって来るこの先厳しくなって来ると思う。今回も同様の競馬をして、出来るだけ早く後続を引き離しておかないと追い比べで厳しくなると思う。

 

シックスペンス

 

中山マイルを2戦して無敗。いずれも先行策から上がりの競馬で抜け出している。初戦は超スローで時計はかなり遅いもの。2戦目で1秒半ほど詰めたが、それでもまだ1:35.5。同開催では1分34秒台が出ているので、時計面では物足りない。2戦とも上がりの競馬を先行位から抜け出しているだけなので強い競馬をしている訳でもない。上がりも3位止まりで突き抜けたレースにはなっていない。楽に勝っている印象もあるので、未だ上がありそうだが、客観的な根拠は見いだせない。現時点での推しポイントは先行センスと追い出してからの反応の良さ。序盤から楽に先行位に収まるスピードがあり、折り合いもスムーズで気性面に問題がない。器用さも見られるので、1800mの条件になっても上手に立ち回れそうな可能性は感じる。また、追い出してからビュっと切れるのでポジション利を生かして瞬時に抜け出すことが出来る。スピードや持続性など地力を証明出来ていないので評価を高くは出来ないが、立ち回りの上手さや中山向きの末脚は魅力ではある。

 

ジュンゴールド

・コントロール性が高く、行けと行けばすぐ行くし、抑えればすぐに収まる。ちょっと出負けした新馬戦ではそれが二の脚となったし、途中から動いていった紫菊賞では機動力となって現れた。

・2戦とも最速上がりを記録して、昇級しても末脚の優位性を保てている。新馬戦は瞬発戦を、紫菊賞は持続戦を制しており、どんな流れでも上位の脚を使える末脚には万能感がある

 

上記が京成杯出走時のカルテ。

 

京成杯は1番人気で12着。ケツから3番目だった。坂井瑠騎手による敗因は力んで走っていたので失速したとのこと。確かに大外枠から難しいレースで、前に壁を作れていないので馬は行きたがり折り合いも難しそうだった。

 

とは言え、結果的に前残りのレースなので行きたがっていたなら行かせてしまえばよかっただけの話でもある。勝ち馬をマークしていたのでと言う理由らしいが、中団で我慢させるようなレースではないのだから騎手が悪い。

 

坂井瑠騎手はミスタージーティーホープフルS&共同通信杯キャットファイトフェアリーS、そして本馬の京成杯と関東の重賞で人気馬を飛ばし続けている。上手い騎手とされているが、乗り慣れていないコースでは引き出しが無く、臨機応変に馬の力を引き出せない。この辺が若手のモロさなのだと思う。20代の騎手には往々にこういう事があるので気を付けたい。

 

なお、本馬は友道厩舎の中でかなり評価が高く、クラシックを強く意識している1頭。なので、確実に賞金加算が出来るようにとホープフルSではなく、京成杯を使っていた。それだけに馬の仕上がりは良く、前走からの成長もあったと良い状態で京成杯を使っていた。名門厩舎がこれだけイレ込んでいる馬なので京成杯だけで見限るのは怖い。今回も騎手次第となる。

 

スティンガーグラス

 

年明け7日の中山2000mを新馬勝ち。まだ動ききれていない感じはあったがレースは上手だった。テンに速い区間があり、そこで前との差を空け中団ぐらいで最初のコーナーを回っていたっが、コーナリングで差を詰める巧みなレース運び。3~4角も騎手の指示通りに動き、機動力を発揮して直線入り口射程圏の競馬が出来ていた。2着馬の勝ちパターンだったが加速ラップを最速上がりを記録して差し切った内容は良い。3着以下は離されていたので力上位の勝ち方だったと思う。ペースや時計的に評価を高められるものではないので扱いは慎重にした方が良いが、楽に勝った感じもあるし、使って良くなりそうな緩さも感じたので上積みは大きくなると思う。

 

チャンネルトンネル

 

昨秋の府中1400mで新馬勝ち。ペースの遅いレースで11.6-11.4-11.5と失速率の低いタイトな上がり3Fで前残りの展開。中団後ろの後方よりで競馬をしていたが直線弾けて差し切った内容は脚力上位だった。

 

1月のジュニアC(中山マイル)では、2番手から進めるなどして2着。控えても行ってもパフォーマンスが落ちない。ただ、ラストの末脚は新馬戦の時の方が良かったので先行して末脚が甘くなり、逃げ馬に突き放されてしまった点は気になった。じっくり乗った方が良いのかもしれない。

 

前走の自己条件(府中マイル)は1番人気4着とまさかの敗戦と言った感じだが、直線で前が壁で追い出しが遅れ、僅かな隙を突こうと追い出すもまた詰まりとチグハグな内容。2度目の追い出しで差を詰めて来たが3着争いにも敗れて敗退。内容的には度外視可能でよく、これで良く際どい所まで来たと言う印象。あと、やはり控えた方が脚がビュっとなる。末脚の特徴を再確認出来た。

 

1Fの延長は未知数でわからないが、3走の内容からすると直線勝負が出来る府中の方がこの馬の良さを引き出す条件かな?と言うのはある。立ち回りの上手さもあるが、末脚で勝負した方が良さそうなので中山1800mの攻略が鍵となる。新馬戦の内容から能力の高さは感じれるのでコース攻略が上手く行けば上位進出もあるとは思うが。

 

ドリーミングアップ

 

7戦して1勝。当初は着差を大きくして負けていたが、4走目から走りが変わり好走するようになる。追走力や機動力が変にあったので道中中途半端に動いてしまい、末脚を使えないレースを続けていたが、脚をタメて末脚勝負するようになり、常に上位上がりと言う末脚特化型の馬になっている。

 

発馬が良すぎた2走前はたまたま4番手で競馬をするハメになったが、末脚不発で伸びを欠く。やはり後方待機から末脚を使う方が勝負になる可能性が高い。また、必然的にじっくりと乗れる府中の方が末脚の質が良くなっている。この好走パターンは中山1800mで求められる適性から逸脱したもの。どう乗るだろうか?

 

好走パターンが確立した経緯からすると、この条件に合わせて乗り方を変えて来るのは想像しづらく、仮に乗り方を変えて来たとしても2走前の先行策で末脚の威力が落ちることが分かっている。中途半端に位置を取っても脚は使えなくなるだろう。距離は問題ないと思うが、好走するには余程展開がハマらないとこの馬の良さは出しにくいのではないだろうか?

 

ペッレグリーニ

 

新潟・府中の1800mを走っている。似たようなコース形態ばかり4走していて、成績は2勝2着2回の連対率はパーフェクト。2連敗後に2連勝している。追い込み、逃げ、差しと脚質が定まった感じはない。スタートがいつも良い訳ではないので位置取りが定まらないためである。

 

ただ、近走はペースを見こして位置取りを修正するなど道中で動いていけていて、乗り手の指示通り動けている印象。大体のレースで直線入り口までに射程圏に持って来れていて、追い出してからしっかりと脚を使う事が出来るので大きく崩れなかった。粗削りな面も若干あるが、道中の立ち回りは上手い方だと思う。

 

コース形態的にスロー戦ばかりになっているが、その割に速い上がりを使えていない印象がある。出遅れて後方だった新馬戦こそ最速上がりを使えていたが、ポジションが取れている近3走は末脚の優位性は下がっている。全戦で33秒台を記録してはいるが、スローペースを踏まえればそれで凄いと言うものではない。

 

この事から推測するに本来は末脚で勝負する馬ではない可能性を感じる。大箱コースの経験ばかりだが、自在性があり、道中で動いていける機動力もあるので案外中山の様なコースを立ち回りで勝負する方がこの馬には向いているような。コースは未経験も潜在的な適性がありそうだ。コーナーで上手に加速する事が出来れば結構イケるかもしれない。

 

ルカランフィースト

・ゲートが開いた瞬間に飛び出してそのまま2番手を取り、終始キープしてレースを進める。先行するセンスは良さそうな印象を受ける。

・ラスト3F目で13.0→11.8秒で急加速する瞬発戦となったがこれも持ったままで対応し、反応は良い。最後は11.0-11.0秒の速い流れを持続させた内容は良い。

・ラスト100mぐらいで鞭1発でしっかりと抜け出し、追えばもっと伸びそうな感じはあった。余裕のある勝ち方でまだ上がある走りをしていた。

 

上記が京都2歳S出走時のカルテ。

 

京都2歳Sブービー。道中の行きっぷりが悪く、追走中に一度もガツンと来なかった。3角に入る頃には手応え怪しく、この時点で最後方。全く競馬になっていない。松山騎手のレース後談話では内枠でモマれてしまった事が原因と話している。

 

また、新馬戦時に美浦から府中に輸送しただけでかなり煩かったとのことで、陣営は長距離輸送に不安を抱えていた。輸送でレース前に消耗していた可能性もある。中山の次走であっさりと勝っているので輸送は一つの課題となりそう。

 

ただ、3走目の若竹賞の行きっぷりも悪く、馬群から離された後方3番手。新馬戦の行きっぷりが良かっただけに、近2走のレース振りは物足りなく映る。このまま追い込み馬としてやっていくのだろうか?もう少し具体的な話を聞かないと良く分からないが、新馬戦の内容がとても良く、鞍上の評価も高かったので重賞でもやれる力はあると思われ、取捨は慎重にしたい。

 

なお、物足りないレース振りだったが若竹賞ではソールオリエンスの皐月賞と同じような勝ち方だった(勝負服も鞍上も同じでレースの見た目は瓜二つ)。不良馬場を直線後方から怒涛の追い込みを決め、2馬身差突き抜けている。不良馬場で上がりはかかる展開だったのに、レースラップは加速ラップが刻まれていて前有利な展開だった。これをぶっこ抜くのだからやはり力はある。特に坂を上る時の脚の回転は凄まじかった。こんな芸当が出来るのだから、やはり能力面は高いのだろう。評価をあまり下げたくない1頭である。

 

ログラール

 

11月にデビューして月イチ出走で1800mを3戦して5・3・1着。序盤に必ず折り合いを欠く。クビを直角に上げて騎手に反抗している感じ。全戦でこの調子なので騎手はポジショニングに苦労している。

 

成績が右肩上がりに良くなっていたのはペースによるものと思われる。超スロー・スロー・ハイペと徐々に流れが速くなったことで落ち着くタイミングが早くなってきている。結果、脚の溜まり方も徐々に良くなってきたので直線での伸びもよくなっていった感じ。なので今回もペース次第。60秒前後くらいなら良いと思うが、62秒台だとかなり厳しくなりそう。

 

ただ、折り合えたとしても抜けた脚を使える訳ではなく、上位上がりをほとんど記録出来ていない。立ち回りで勝負出来るような馬ではないので、中山1800mを攻略出来る武器はないと言って良いだろう。力強い走りはしているので、能力はあるかもしれないが、気性面が能力を妨げている。

 

今回は1ケ月間隔があいたので気性が少しでも改善していることを祈るばかり。また、スタートが良くないので、2走目までは出遅れているから余計にポジショニングが出来ていない。前走は比較的に良いスタートだったが、それでも発馬はドタバタしていた。この気性で出遅れたらポジションなんて取れるはずもなく、レースの流れに乗せるのはとても大変そうである。

 

スプリングS(GⅡ)の予想案はこちら▼