競走馬カルテ

2・3歳重賞の出走馬を分析・記録していくブログです。

共同通信杯(GⅢ) 出走馬カルテ 2024

 

こんにちは。

 

世代の中心を担うべき東スポ杯2歳Sの勝ち馬は朝日杯FSでボロ負けし、ホープフルS牝馬レガレイラが勝ってしまい。牡馬クラシックは確たる主役が不在のまま年を越してしまいました。そうはいってももう2月。皐月賞まであと2ケ月。そろそろクラシックの勢力図が出来上がって欲しいところです。

 

出世レースの共同通信杯ですが、朝日杯FSホープフルSと言った2歳GⅠ出走組の参戦が目立ちます。朝日杯FSの1・2着馬がそろって参戦予定。ホープフルSからも上手く乗っていれば勝ち負けだったとレース後の矢作調教師がお冠だった5着馬ミスタージーティーが参戦。ハイレベルメンバーが一同に会します。

 

マイル組が中距離戦線を席捲する事になるのか?中距離馬が適性の強味を活かすのか?皐月賞に向けてどの路線がイニシアティブを握るのでしょう?興味深い1戦です。それ以外にも重賞好走馬や良い内容で新馬を勝ち上がって来た馬もいて今年のクラシックに期待が持てるメンバーが集まったと思います。

 

共同通信杯皐月賞との関連性が高いことで知られています。後の皐月賞馬がこの中にいるのかもしないですね。

 

共同通信杯(GⅢ)は11日(日)に行われます。前日の10日(土)には更新を完了します。

 

予想案は各ページの最下部にある専用ページにまとめてあります。ブログカードを貼っておきますのでそちらをご覧ください。

 

エコロヴァルツ

コスモス賞の勝ち時計1:48.8はかなり速い。6馬身離された2着馬の時計で標準級なので、この馬の速力だけが抜けていた。

・ゲートが速く難なく2・3番手のポジションが取れる先行センスは好印象。

・道中の走りにも余裕が感じられ、待ったままで最終コーナーを回ってこれる。

・2戦目で前進気勢が強めに出ており、レースを使ったことでちょっとうるさくなってきたのかもしれない。

 

上記が朝日杯FS出走時のカルテ。

 

朝日杯FS2着。スタートをソロっとでて、そこからジワジワ先行態勢に入ろうと武豊騎手も促していたが、そこで接触があり、ズルズルと下がる不利。本来はこれで終了するところ。最後方まで下がり、直線だけで2着まで浮上して来た勝負根性はエライ。これも力がないと出来ない芸当であろう。ただ、それも展開ハマりであり、相手にも恵まれた印象をぬぐえない。2・3F目に10秒台が連発した前掛かりなレースで前傾戦。ラスト1Fの失速は大きく、1.1秒もラップを落としていて、全馬が伸びを欠いていた。前が止まったからあそこまで来れたというのはあり、加えて馬群も一塊だったので交わしやすかったという事情は考慮すべき。よく2着まで来たとは思うが、この走りを持ってして絶対的な存在とするのは気が引ける。キツイペースを先行位置から押し切った勝ち馬の方がパフォーマンスは高いであろう。とは言え、不利なく、スムーズに立ち回っていたらより好走していた可能性もまた高く、地力の高さは素直に評価しておくべき。外回りに不安がない事は分かったし、走り慣れた距離に戻るので条件変わりは悪くない。ただ、厩舎の話では前進気勢が強いタイプとのことで、ホープフルSではなく、朝日杯FSに回ったのもそのため。折り合いを欠くタイプには見えないが、スピードタイプではあるので、再度の中距離で注意が必要かもしれない。

 

エンヤラヴフェイス

新潟2歳Sは周りに馬がいたことでヤル気を失ってしまったそう。メンタル面に不安あり。

新潟2歳Sでは後方から末脚を繰り出すことが出来ていない。新馬戦でもそうだったが、ラストに速い脚を使えない模様。

・デイリー杯2歳S2着の好走要因は揉まれない8枠発走によるもの。スムーズに立ち回れれば力は出せる。

・タフな流れが向いている。瞬発力や切れ味はないのでラストが加速する上がりの競馬はあまり好ましくないと思われる。

 

上記が朝日杯FS出走時のカルテ。

 

朝日杯FS15着。8枠から先行する形。ハイペースが堪えて直線では余力なし。諸条件が厳しかった。が、負け過ぎな印象も。モマれ弱い馬なので8枠から追走するのは陣営が望んだことであり、瞬発力勝負に弱いのでタイトな流れで上がりがかかるのもこの馬向きの展開であったはず。展開や諸条件はこの馬の好走条件だったのでそれなりに走ってないといけないところ。力なく脱落した負け方は力負けを印象付ける。GⅠレベルが相手になると恵まれないとかなり厳しいと言えそうだ。もともと抜けた存在ではないので、素質馬の揃う共同通信杯でどうだろうか?実際、前走より相手は揃っている印象で厳しそうである。せめて怖がりな気性が改善し、内々でロス無く回れるようにならないと重賞だとこの先しんどいことになる。

 

ジャスティンミラノ

 

11月の府中2000mを新馬勝ち。外枠から先行し向こう正面に入る頃には2番手に付けられた先行センスは良かった。折り合いに問題もなく、追走もスムーズ。追ってからの反応も良く、立ち回りに問題点は見られない。63.1秒のスローから繰り出した末脚33.4秒はやや物足りない感じもするが、2番手から早め先頭にたった馬の上がりとしては優秀だろう。ラスト2F目に10.8が記録されたがこの馬が先頭に立ったのはこの区間。切れ味もあるという事。2歳戦でも2分を切る時計が出たコースなので勝ち時計2:02.0は地味だが、後半1000mを58.9秒で走っているので一定の持続性は備えていると思われる。騎乗していたマーカンド騎手は圧をかける騎乗だったので、もっとソフトな騎手が騎乗すればラストの弾け方も違っていたように思う。変わり身が期待出来る状況で勝ち上がっているので、評価は低く出来ない。なお、友道厩舎はきさらぎ賞にシヴァースを回し、本馬と使い分けているが、使っているレースからするとこの馬の方が評価が高いのかもしれない。

 

ジャンタルマンタル

・スタートも、序盤のポジショニングも良く、仕掛けてからの反応も機敏で、直線で鞭が入ってからグンと加速しており、勝負所からの立ち回り上手く、決め手あり。

・距離は違っていたが、新馬戦もデ杯2歳Sも立ち回りに齟齬がなく、走りは常に安定。着差タイム差もほぼ同様。重賞でも力の優位性を保てている。

・インをロス無く回って、いつも楽に勝っている。全力全開と言う感じにはなっていないので、まだ上のパフォーマンスを引き出せそう。

・2戦目でクチを割って折り合い面い難しいところを見せたのは気になる。厩舎の話でも気難しい面が少々ある模様。当日のテンション注意。

 

朝日杯FS出走時のカルテ。

 

ハイペースの消耗戦を早めに抜け出して押し切った内容は優秀。地力で勝ちに動いて結果を出した内容なのでケチのつけようがなく、メンバー中1・2を争うハイペフォ―マンスであった。が、勝ち時計はギリギリで客観的に見るとそこまで優秀であった訳ではなさそう。ラスト1Fの1.1秒の失速は大き過ぎで、本馬も最後は余力がなかったようだ。この点において、レースそのものに物足りなさを残している。

 

同等のペースだった19年サリオスや21年ドウデュースの年はここまで失速していないし、さらにハイペースだった20年グレナディアガーズは0.2秒の失速に留めていた。3歳以降もそれなりに走ったこれらの名馬と比較するとジャンタルの突き抜けは甘く映る。このメンバーだから勝てたという可能性はありそうで、歴代と比較するとそこまでの存在には現状なり切れていない気がする。

 

また、この馬は全戦で同じ立ち回りをしており、今となってはこれが不確定要素の元になっている。いつも2~3枠から発走し、インでロス無く立ち回り、直線で抜け出すという王道パターン。楽な立ち回りばかりでここまで来た。外枠を引いた際など違った競馬を強いられた時にどの様に振る舞えるかが未知数である。陣営もそこは気になっているようで、破綻があるとしたらそう言う時だと話している。

 

また、近2走は折り合い面に怪しい場面があったので距離延長は不安材料にもなりえる。そして、全3走の上がりは34.6~34.8と同程度の上がりである点も気なる材料。平坦、坂コースの違いであったり、良・稍重と馬場状況にも左右されない末脚は上がりの速さに限界があるのではないかと思わせる。この程度の上がりだと、近年の共同通信杯では3着までが精一杯。せめて34秒前半で上がれないとちょっと厳しいかもしれない。高速馬場の府中に対応出来るかも鍵となるかも。

 

距離延長、初コース、初輸送、高速上がりへの対応、枠など未知な材料が多い。成績的には絶対王者だが、ここは試金石と言う感じ。GⅠ馬で賞金に不安がない存在だし、皐月賞に目途立てばそれで良さそうな雰囲気。

 

ショーマンフリート

・自然とスピードに乗れる推進力ある走り。持ったままで進んでいける二の脚は速く、手綱ぴたりと折り合える追走力は素晴らしい。

・中間に少々緩んだが、テン、終いに10秒台を2度も含むレース。緩急の大きい展開にも対応出来るのは良く、コントロール性が高い証拠。

・積極的なレース運びだったが、最後まで余力たっぷり。ラスト2Fは11.6-10.9の加速ラップで突き放す。脚力上位でしっかりとした末脚を使える。

 

上記がシンザン記念出走時のカルテ。

 

シンザン記念が2番人気で5着。人気を裏切った。8枠だったので外々追走はしかたなかったが、レース振りは良く、先行集団の後ろで折り合いをつけて進めていた。4角手前では先行勢力を射程に入れるところまであがって来れており、勝負処の立ち回りも完璧。あとは弾けるだけという状況ながらそこから伸びを欠いた。戸崎騎手のレース後コメントだとじりっぽくなったということ。追い出してからの反応が鈍く、新馬戦の様な末脚を見せることはなかった。これといった敗因は見受けられないが、レース前の陣営からは輸送競馬に不安を感じているようだったので、これが影響したのかもしれない。また、+18kだった馬体増の影響も考えられる。前走も末脚以外はちゃんとしており、レースに注文の付かない良い馬。新馬戦のモレイラ騎手も絶賛した高素材。具体的な敗因次第だが、それがわかるまでは見限るのは早計。4ケ月振りを叩いた効果もあるだろうし、今度は輸送のない関東圏。変わり身の余地は大きいのではないかと思う。1Fの延長に問題がないならまだ侮れない。

 

ディマイザキッド

 

中京・中山の中距離戦を3戦して2・2・1着。負けていた際もタイム差小さく、接戦の内容。敗因はおっとりしていた気性ではないかと思う。テンにもっさりするので後方追走を余儀なくされてしまう。道中で急かしているシーンも度々あり、自ら進んでいく気勢がない。この立ち回りでいつも接戦に持ち込むのだから能力そのものはあるという事になる。後半の立ち回りだけで上位に顔をだすのだから、脚力上等というのは言えそうである。が、ここまでの3戦は上がりのかかる展開だから間に合っていたというのはあり、高速上がりになりやすい府中だと前は簡単に止まってくれないし、相手も格段に強くなるので、余計そうなる。勝ち上がった前走では積極性のある横山武騎手がなんとか動かして中団に馬を導いていたのが功を奏したが、そういう競馬が出来ないと府中の重賞ではかなり苦しいことになる。出来るだけ位置を取って競馬をする事が求められるだろう。

 

パワーホール

・折り合いはついていたがリズムよく、小気味良い前進気勢。それでいながら脚を溜めながら逃げれていたのは印象が良い。

・ここまでの2戦はいずれもスローの上がりの競馬で、持続性が問われていない点で強気な評価が出来ないまま。重賞2着馬にしては経験値が浅い。

 

上記が京都2歳S出走時のカルテ。

 

京都2歳S12着。このレースは勝ち馬がGⅠ2着、4着馬がGⅢ勝ちとその後の活躍が目立つレベルの高いメンバー構成。2歳戦で2分を切る好タイムであり、ペースも速く、先行馬が崩れるようなタイトな持続戦となっていて、レース内容を高く評価出来るもの。しかし、重賞2着馬だった本馬はそのハイレベル戦に対応出来ずに負けた感じである。直線でバランスを崩したことで鞍上は無理をしなかったとレース後に話しているが、そこに至るまでの手応えが既に劣勢であり、経験のないタイトなペースで力をすり減らした感じだと思う。限りなく力負けであるように思われ、中央場所の重賞だとちょっと厳しいのかもしれない。これまで評価していたのは立ち回りの上手さとか追い出してから反応などに過ぎず、地力を担保出来るようなレース経験はなかった。持続性や速力を評価出来る材料は全くない。京都2歳Sの立ち振る舞いはこの馬のも足りなさが全て出たという印象である。そして今となっては札幌2歳Sの評価も微妙で、評価を高める材料が今はほとんどない。京都2歳SはGⅠの叩き台のつもりでいたらしく、仕上げ面に酌量の余地が若干あるが、それどころの話ではなかったようだ。一からまた出直すしかないだろう。

 

フォスターボンド

 

府中2000mを2戦して2・1着。前にではなく上に向かってゲートを出るので2戦とも出遅れて、後方マイポジションになっている。この立ち回りで成績が安定しているのは末脚性能が高いから。長く脚を使って、追えば追うほど伸びる感じ。上がりの競馬ばかりなのでキレているようには見えないが、ラップが速い区間を詰めてきているのだからこの馬も十分にキレている。勝った前走は11.9-11.6-11.5の加速ラップを後方2・3番手から差し切るのだから脚力の高さは間違いない。ただ、2戦の上がりは33.3秒、33.8秒で末脚勝負だったことを踏まえるともう少しキレ味がある方が良いと思う。強敵揃いの共同通信杯で同じような立ち回りをした場合、この程度の上がりでは後方からでは届かないかもしれない。32秒台の末脚を使うか、スタートを改善し序盤から中団ぐらいで運ばないと入着は難しい気がする。追って、追ってと言うタイプの末脚なので1Fの短縮もプラスではない。条件戦では勝ち負け濃厚でそれなりの強さを備えているが、ここは相手が強く差して届かずのシーンは想定しておきたい。

 

ベラジオボンド

 

23年最終日の阪神1800mで新馬勝ち。馬っぷりの良い馬で、走りにスケール感を感じる。初手2・3番手とセンスある立ち回り、楽についていける力強い追走力も良い。道中折り合えていたし、鞍上も拳だけで意思疎通が取れており、操縦性もとても高い。それでもややズブい感じがあり、まだ動ききれていないようにも見受けられた。追ってからの反応も俊敏とまでは行かなかったし、ノーステッキで勝ってはいる岩田望騎手はゴールまで追い通しだった。3馬身差なので結果的にそこまで追う必要はなかったが、直線の加速力には物足りなさを感じる。ただそれも仕上げ切っていないという感じのかったるさで、叩いた効果は大きそうに思う。この状態でもただ1頭33秒台の末脚を使っていたし、能力上位だったのは間違いない。いきなりの重賞で相手も相当骨っぽいが通用しても良さそうな印象は残した。もっと良くなる馬だと思うのでこの先の重賞戦線のどこかで入着する可能性のある馬だろうし、今回も良いところに来ていそう。

 

ミスタージーティー

・矢作厩舎で最も評価の高い2歳馬。GⅢ勝ち&GⅠ2着のシンエンペラ―より期待度がでかい。

・スタートで出負け、最初のコーナー最後方、勝負処での手応えは劣勢、直線で外に出した際にヨレて追い出しも遅れてと、粗削りな面が目立った。

・口を割って追走し、序盤は前進気勢の弱そうな感じもあったし、勝負処ではズブいしと、所々で馬のやる気に違いがあって、乗り難しそうな印象を受ける。

・63.4秒-58.6秒の後継持続戦を不利な立ち回りから追い込んで勝つのは相当力が抜けていた証拠。ラスト100mでの切れ味は秀逸。

・8頭立てだったのでクリア出来た点も否めず、この馬の立ち回りの雑さは気になる。フルゲートで捌けるか?

 

上記がホープフルS出走時のカルテ。

 

ホープフル5着。大外枠からの発走で位置取り争いには参加せず、出たなりで初手後方4・5番手。最初から末脚勝負に徹した感じ。勝負処の動きで明暗が分かれた。勝ち馬が動いて行った時に動かず、インからインの競馬でドン詰まり。同じような位置にいた勝ち馬が大外強襲で戴冠したように、素直に外に出しておくべきだったのだろう。直線中ほどでは馬群の真ん中を狙うもそこも入れず、進路を切り替えるチグハグさ。ほぼ追えないまま坂を上り、追い出したのはそれから。届く訳がない。脚を大幅に余した入線で、坂井瑠騎手の決め撃ちはハマらなかった。力負けとはならないが、もったいない競馬だった。当初の不安通りフルゲートで後手を踏む形になったと言えよう。新馬戦と同様で立ち回りは上手くない印象だが、ラスト1Fは良い脚を使えていた。長く脚を使うシーンはここまでないが、レース終盤のゴール前でもビュっと切れるのでまだ余力があるのだろう。末脚の量は多いと思う。追っての反応も新馬戦よりは良くなっていたので、スムーズに運べれっばもう少し長い脚を使う事は可能だと思われる。器用さが見られないので、府中替わりはプラスに働くだろうし、少頭数で捌きやすくなるのも良い。長い直線でどれだけの脚を使うのかは見ものである。

 

共同通信杯(GⅢ)の予想案はこちら▼

 

クイーンカップ(GⅢ) 出走馬カルテ 2024

 

こんにちは。

 

2歳女王アスコリピチェーノ。そのアスコリ最優秀2歳牝馬の座を競ったGⅠ馬レガレイラ。そして本当は一番強いかもしれないアルテミスS勝ち馬チェルヴィニア。3頭ともサンデーRの牝馬でとても層が厚い。これらはクラシック第一冠に直行するとのこと。レガレイラは皐月賞ですが、桜花賞戦線はこれらに対抗出来る素質馬の出現が待たれます。出世レース的な重賞クイーンCからそう言った馬は出てくるでしょうか?

 

シルクRからはサリオスの妹が、キャロットFからはナミュールの妹が、サンデーRからはグレナディアガーズの妹が出走します。ノーザンF系クラブから良血馬が目白押しで目移りしそうな面々。本命選びに苦労しそうです。

 

素質高いと評価されているアルテミスS4着馬ライトバックがクイーンC出走を撤回し、エルフィンSに変更したのも、これらの馬を避けての事かもしれません。それら以外にも2勝馬や良い内容で新馬勝ちした馬が出走予定。今年のクイーンCはレベルが高いレースとなりそうです。

 

クイーンC(GⅢ)は10日(土)に行われます。前日の9日(金)には更新を完了します。

 

予想案は各ページの最下部にある専用ページにまとめてあります。ブログカードを貼っておきますのでそちらをご覧ください。

 

アルセナール

 

ナミュールの妹になる。府中マイルを新馬勝ち。1:36.1と勝ち時計も遅く、ペースもゆっくりめ。全体的に楽な流れであったはずだが、こんなペースでもズブさが目立ち、前進気勢の弱さが気になった。スタートも抜群と言えるものではなく、ルメール騎手が何とか中団を取ったという感じ。テン36.0秒のペースでも気合を入れながらどうにか位置をキープしていた感じ。直線を向くまでに4番手まで押し上げていたのは悪くなかったが、そこから追い出したらなかなか前との差が詰まらない。ルメール騎手も持ったままで勝ちたかったようだが、慌てて追い始める始末。それですら加速は弱く、3着も厳しい?と言う手応え。坂を上ってようやくエンジンがかかり一気に交わして、どうにかこうにか間に合った。しかし、上がりは34.2秒と物足りないもので、素質馬だったら33秒前半の末脚を見せるはずの展開。ノーザンFの素質馬としては物足りない内容で、全然動けていない印象。このままでは他の素質馬を相手にした時に厳しくなりそう。良い馬だと思うけど、素軽さや、行きっぷりなど変わり身は大きくあって欲しい。新馬戦の内容だけだと強調材料に欠けてしまうので、評価しづらい。

 

ガビーズシスター

 

中山ダ1200mを2戦して2・1着。初戦は11番人気だったが力上位の立ち回りで実力と評価に齟齬でもあった模様。前走は4馬身差で圧勝しており、この条件で走っていれば上まで行ける能力がありそう。府中のマイル重賞はカテゴリーが違い過ぎるので、通用の目途はない。参戦理由は中野栄厩舎の引退祭りの一環とかではないか?現状はスピードが勝っている印象も、序盤の立ち回りを見ると1200mだと忙しい感じもあり、距離が伸びても大丈夫そう。それが1400mなのかマイルなのかはわからないが。2戦とも道悪で不良だった前走の勝ち時計は速く、時計的には合格点。芝適性に関しては、芝スタートの部分だけで推測するしかないが、二の脚が利いていてスピードにはちゃんと乗れていた。ただ、いずれも道悪だったので芝部分も力のいる状況であっただろうから、高速馬場への適性まではとても測れない。2戦の内容を見る限り、先行して粘り込む競馬になるだろう。好走の根拠は考えても出てこないが、こういう馬が馬券になるとしたら後続の末脚不発以外にありえない。差しタイプの有力馬の状態に問題がなく、そう言う馬が3頭以上いればこの馬が馬券に絡む事はないと思う。

 

カレンナオトメ

・操縦性は高く、機動力も自在性あるのでレースの幅は広く、どんな競馬も出来るタイプ。

・終いの脚はしっかりとしていて末脚には良い所がある。

・マイル戦だと大事に乗り過ぎているところがあり、それで差し損ねている感じ。

・1400mで勝ち上がったようにこのぐらいの距離なら末脚も際立つ。

 

上記がフェアリーS出走時のカルテ。

 

フェアリーS11着。後方3番手といつも通りの後方追走。発馬後に完全に置かれてているので重賞レベルで速力不足を露呈したように思う。また、前の馬に乗り上げてしまい菅原騎手は制裁を受けていて、その接触の際に余計に後退してしまった。それで馬群から離れた後方追走になった点は気の毒であった。それでもラチ沿いを掬って進出しており、勝負処での立ち回りは相変わらず上手い。が、それもラスト1Fで止まってしまう。距離で止まったのか、坂で止まったのかはわからないが最後は余力無く敗れた。ただでさえマイルは微妙に長いのに、雑な競馬でロスが大きくなり、それが響いた感じもある。力以上に負けていたと思われる。府中マイルは中山よりも本質的な適性が問われるので、さすがに厳しいと思われ、1F長い。大事に乗ればフェアリーSよりは走りそうだが、相手は前走より強くなっているので着順はそれほど変らないかもしれない。

 

クイーンズウォーク

 

グレナディアガーズの妹。父がフランケルからキズナに変り、前進気勢の強さは鳴りを潜め中距離でデビューしている。むしろこの距離でも若干ズブく、京都の新馬戦(1800)はそれで負けた感じ。立ち上がるスタートで稍出負け、中団から徐々に押し上げていく。急かさないと進んで行かない感じで序盤はもっさりとしていた。ので、スローで逃げた勝ち馬に上手く乗られてしまい、1馬身差届かなかった。ただ、追ってからの反応は良く、前との差を詰める末脚をちゃんと使えていた点は良かった。次戦の未勝利(阪神1800)で変わり身を見せた。新馬戦で物足りなかった行きっぷりは良化して、スタートからスムーズにミドルな流れに乗れていた。また、追い出されてからの反応もさらに良くなっており、GOサインから瞬時に追い出し態勢に入れている。11.8-11.4-11.2の加速ラップを4角4番手から差し切り、2馬身差をつける内容は文句なく優秀。時計も詰めて標準級の時計で走れていた点も良かった。2戦とも最速上がりで末脚を効率よく引き出せている。ある程度のポジションから33秒台の脚をコンスタントに使える、脚力上位な馬。520kの大型馬、雄大なフォームで力強さを感じさせる。中距離でのパフォーマンスが良く、気性もマイルドななので、マイルへの短縮は歓迎とは思えないが、直線長い府中ならこの馬の末脚は武器になるし、瞬時に反応出来る加速力があるので対応は出来るだろう。輸送をクリアし、体調面に問題なくレースに挑めれば、最後は必ず詰めてくるはず。

 

コスモディナー

・人気薄で勝ち上がった馬だが3戦全てで力上位な所は見せており、OPでも通用しそうな感じはある。

・道悪のレースが多く、福島・札幌と時計のかかる条件で走っているので、11秒台のタイトな流れは未経験。これまでの3戦とは全く別のレースになり、対応出来るか?

・立ち回りは上手く、折り合いに気難しさないので、走り自体は良いのだが、それ以外に好走を確信させるような材料には乏しい。

 

上記が阪神JF出走時のカルテ。

 

阪神JF9着。敗因は-22kの馬体減。輸送競馬が良くなかったのだろう。8月のコスモス賞で賞金加算が出来て、GⅠまで成長を促すために間を空けたが思うような成長がなかったと厩舎も泣いていた。この大幅減はかなり堪えたようだ。レースでの走りっぷりも良くなかったし、これは度外視で良さそう。今回は減った馬体重をどこまで回復出来ているかによる。ただ、福島や札幌の時計のかかったレースの経験しかないので、時計の速いレースへの適性がまだ見えていない。その点を前走で見極めたいところだったのだが。時計面に担保がない馬なので今回も積極的な評価が出来ない。

 

サクセスカラー(自己条件両睨み)

 

年明けの中山マイルを新馬勝ち。発馬だけでハナが取れてしまった好スタート。そのまま逃げる事も出来たが、行きたい馬に行かせて3番手のインで絶好位。この馬自身が速く、これを交わす為に行かせた馬のつくった流れはハイペとなった。よって、レース自体はスピード性能が問われるレースとなり、持続性の担保が取れる好内容になっている。また、この流れを3番手から抜け出して快勝したこの馬のパフォーマンスはとても良い。デビュー戦で34.4-58.7の流れを前受けして突き抜けるのだから大したものである。直線で追い出されてからの反応も良く、タイトな展開でも脚を温存出来ていたのだから能力値は高い。時計の出やすい開催だったので1:33.9の好時計は鵜呑みに出来ないが、前日に行われたGⅢより0.1秒速いのだから文句なし。道中の仕草に気になるところも無かったし、操縦性も良かった。高評価して良い馬だと思う。

 

サフィラ

・目立ったパフォーマンスは無かったが、ゲートも出るし、位置も取れるし、立ち回りに問題点はなく、追ってしっかり反応する良い馬。

・1800mよりもマイルの方がキレそうな印象を受けた。

・未勝利勝ち時、1頭だけ33秒台を記録して突き抜けた末脚から脚力が高そうな印象はある。

・スローの上がりの競馬しか経験していなかったが、タイトな展開だったアルテミスSでより速い脚を使えていたのは良い。末脚の精度が上がっている。

新馬戦からレース振りは安定していたし、操縦性も高く、折り合いに問題もない。騎手次第でどうにでも動かせるので勝ち筋を見誤らなければいいところ。

 

上記が阪神JF出走時のカルテ。

 

朝日杯JFが4着。道中は1・2着馬と大体同じところにいたが、7枠14番と外目が響いた感じ。インに潜れなかったし、コーナー毎に外を回されていたのはきつかった。枠に恵まれた上位馬と比べれば脚を溜められなかったし、コナーごとの距離ロスが響いている。それでもじわじわ伸びて4着だから力がないという事はない。道中のふるまいは相変わらず上手かったし、折り合い面も大丈夫。巻き返し注意の有力馬であろう。池添厩舎は晩成だった姉サラキアも管理していたので、この血統への造詣が深く、本馬もこれから良くなると見ている。手間のかからない従順な馬とのことで、いつも思い通りの調整が出来ている。成長速度に合わせて順調に良化している模様。前走よりも成長した姿を常に見せている。今回も良い走りをするのではないか?アルテミスSで輸送もコースもクリア済み。不安材料は特になく、相手関係だけになる。

 

サンセットビュー

 

前走京都2000mの1勝平場で競走中止。2コーナーを回り切れずに外へ大きく逸走して終了。新馬、未勝利でも折り合いに苦労していてコントロールの難しい馬。ルメール騎手でどうにか初勝利を上げているが、彼でも御しきれていたとは言い難い。勝ち上がった2走目の内容を見ると折り合いを欠きながら良い勝ち方をしているので一定の能力はありそうに思えるが。やはり最低限の理に適った競馬が出来ていないと。マイルに短縮するのは良いけど、こういう馬の遠征競馬は余計に怖い。

 

テリオスサラ

・スローの決め手勝負の展開よりも、タイトな流れの持続戦や時計勝負で強い。タイトな持続戦で強味が発揮されており、先行馬としては実に渋太い。

・2000mから使われ始め、1Fづつ短縮しながら3戦している。3・1・2着と全戦で好走しているのでどの距離が一番良いというのは言い難い。

 

上記がフェアリーS出走時のカルテ。

 

フェアリーS7着。飛び上がるようなスタートで立ち遅れ。発馬時に3~4馬身の差が出来てしまい大きく出遅れる。最後方待機の終い勝負に。目の前にいた2着馬が機動力を発揮して最速上がりで進出したのに対し、こちらは追い出しを遅らせた上に直線でジワジワ。2位上がりだったが末脚は際立たなかった。見た感じでは12.2-11.5-11.4とラスト2Fで急激にラップが速くなり、ここで対応出来なかったように映る。瞬発力で劣ったと見て良いだろう。タイトな持続戦で強味が出るタイプであり、瞬発戦では遅れをとっていた。フェアリーSの物足りなさはそれまでの戦績と合致する。上がりのかかる展開が理想で、今回のような加速ラップになるレースならやはり先行策を取れていないと入着は厳しかったように思う。本来は先行して渋太さを発揮するスタイル。まぁ、度外視と言う事で良いだろう。ここまでの4戦、コース・距離と様々な条件を走っているが、比較的安定して力を発揮している。条件を選ばないタイプで競走馬としての信頼性は高い。中距離から始めて来たが、前走でマイルベストとの厩舎評も確認出来た。GⅠ2着馬を追い詰めた赤松賞の府中マイルに戻るのは良い材料。ただ、少しテンションが上がりやすいところがあり、厩舎もそこは気になる模様。前走の出遅れもそう言う所が影響したのかも。当日の気配は要注意。そこに問題がないのなら見直してみる手。

 

モリノレッドスター

 

ここ出走のアルセナールが勝った府中マイルの新馬戦で2着し、中山マイルの未勝利戦で1着。発馬から位置を取れる馬でポジショニングが上手く、立ち回りはスムーズ。勝負処の反応も良く、追ってしっかりと抜け出せる。印象は悪くなく、相手次第で重賞でもやれそうな感じはある。ただ、使える脚は短い。新馬戦ではスローで先行有利の展開ながら、最後に0.1秒失速し、それで差された。加速ラップを維持できなかったあたりに地力の程が垣間見え、決め手が弱い。力を出し切って最後は一杯と言う内容は力負けである。末脚の持続生が弱いように思う。未勝利戦は速い流れだったので、最後に失速しているのは許容範囲だが、苦しくなってインに切れ込み、制裁を受けている。地力の問われる展開で余力がなくなったのだろう。ここでも末脚が最後まで持続出来ていないから綺麗に決めきれなかった。また、インから迫った手応え抜群の1番人気がこの馬の斜行で追えなくなり、手綱を押さえたままゴールして3着に。本当はこの馬が勝つレースであったのは明白。持ち時計的にも弱く、地力はそう高くない。恐らく普通の馬の域。末脚が持続しない馬なので、立ち回りを生かして紛れ込むぐらいがいいところ。悪い馬ではないが末脚の優位性が重要な府中重賞で強気に推せる馬ではないのではないだろうか?

 

ルージュサリナス

 

府中マイルで新馬勝ち。2歳新馬としてはタイトな持続戦。地力の問われたレースを勝利している。11秒台が続いた淡々と速い展開を5番手と先行集団の一角に交じってのレース。後方追走から直線詰めてきた2・3着馬を退けた内容は評価を高くして良いところ。ただ、ワンペースな走りで雪崩れ込んだだけとも言えるレース振り。直線で末脚を繰り出した訳ではなく、その辺が少々物足りなく映る。標準的な時計で走れているので減点材料はないのだが。見た感じまだ仕上げ途上という印象も強く受けた。馬なりで追走していた訳ではなく、促してタイトな流れに乗せていたところもあったので、自然と乗れるほどの行きっぷりや前進気勢は感じなかった。初戦で動ききれていないように感じられるので、使った効果は大きいかもしれない。428kと馬体面も小さいので、良くなりそうな点は多い。結果はともかく、この馬自身のパフォーマンスは上がって来ると思う。

 

ルージュスエルテ

 

6月の1800m戦を1番人気で使われたが随所で折り合いを欠き、チグハグなレース。秋開催まで休養を取り、1400mに短縮して2連勝中。2勝はいずれも逃げ切りで、いずれも5馬身差。極端にパフォーマンスを上げている。現状は折り合いを気にせず乗れるこのぐらいの距離が良いのかもしれない。未勝利勝ち時はハイペで押し切り、自己条件勝ち時は3秒もペースを落として上がりの競馬に持ち込んでいる。タフな競馬でも、ゆったりした流れでも結果を出しているのは条件適性の高さを裏付けている。2戦とも加速ラップで突き抜けていて、ペースを問わず余力を持って競馬が出来ている証拠。これなら1F延長しても大丈夫かも?と思ったりもするが、やはり前進気勢は強味に出ているのが現状であり、距離延長は素直に喜べない条件の様に思われる。相手次第でもあるが、それ以前に気性次第というところ。もう少しリラックスして走れないとマイルへの延長は厳しいし、素質馬相手に楽ではないと思う。

 

アドマイヤベル

 

姉にGⅠ馬アドマイヤリード、このレース3着のベルクレスタ。その割にはセリの価格が3,520万とあまり値がついていない。その程度の馬なのか?ここまでの2戦の内容は悪くない。新潟1800mを新馬勝ちしているが出遅れて後方3番手の競馬。ラスト900mぐらいからじわりと動き出していて、スローの上がりの競馬を差し切っている。使っていた脚は長くて良い。2走目の百日草特別(府中2000m)ではちゃんと発馬出来ているので出遅れ癖ではなさそう。勝ち馬が京成杯で2着しているようにこの百日草特別のレース内容は良く、60.8-58.6秒でテン良し、終い良しのハイレベルのもの。その勝ち馬には追い比べで劣り3着までだったが、この流れから追い出してしっかりと伸びた内容はこの馬の強さをある程度担保している。重賞に入ってもやれそうに思う。常に上位上がりだが、直線の伸びを見るとジワジワ伸びている感じで中距離で末脚が目立たないように思う。距離を縮めた方がキレ味が増してくるのではないだろうか?初マイルで新味を発揮する可能性に期待したい。

 

ブライトアゲイン

 

キーファーズ関連クラブインゼルRの所有馬ながらこれまで武豊騎手が1度しか騎乗していない。つまりそういうことだろう。さすがにクラブ側も気を使っている模様。デビューから芝を3戦し、3・3・5着。4・5戦目でダートを走って4・7着。タイム差は芝戦より大きくなった印象。結局中央では勝ち切れず、高知の交流戦(特別R)を使って勝ちあがる。1度マイルを芝で3着しているが、1200~1400m中心に使われている短距離馬。共通しているのは直線での伸びが無く、雪崩れ込んだ結果でしかないこと。前を交わす力が弱いので着順はいつも相手次第。中央戦では流れに乗った競馬をしているが、毎度差す形なので勝ち負けになるイメージがない。地方交流ではさすがに速力上位だったので4角先頭で押し切れたが、クラシックにつながるレースでそう言う競馬が出来るはずがない。なお、前走は地方所所属馬が0.4秒差3着と好走、2着の中央馬は中央の次走で勝ち馬から1秒半も離された4着と成績を低下させ、未だ未勝利。このように弱い相手と走ってなんぼなところがある。このメンバーで何か出来るとは思えない。

 

クイーンC(GⅢ)の予想案はこちら▼

 

きさらぎ賞(GⅢ) 出走馬カルテ 2024

 

こんにちは。

 

京都の外回り重賞は意外と上がり最速馬の需要が高くないのですが、このきさらぎ賞はそう言う事は無く、ラスト3Fにどれだけ速い脚を繰り出せるかが重要で、そう言う点で府中の2歳重賞と共通しています。京都で行われた11年~20年の10年間では上がり最速馬が必ず3着以内に好走しました(4勝2着2回3着4回)。これはさらに遡っても同様でその先の10年間(01年~10年)で01・02・08年を除く7ケ年で上がり最速馬が馬券圏内に入着しています。末脚勝負の重賞と捉えて良さそうです。

 

まだ、出走馬の全体像は見えていませんが、分かっているメンバーで際立った末脚を披露しているのはシンザン記念3着ウォーターリヒト。力量不足の減量騎手を乗せていたので勝ちあぐねていましたが、ベテランの幸騎手に乗り替わったらあっさりと勝ち上がり、次々に新味を見せてこの馬の評価を高めています。展開や馬場はハマっていた印象もありますが、直線ゴボウ抜きで3着まで押し上げた末脚は良かったと思います。

 

また、きさらぎ賞はクラシック常連の池江厩舎が毎年のように馬券に絡むレースでしたが、最近はクラシックと縁遠くなり、近年は鳴りを潜めています。変わって台頭してきたのが、21年ヨーホーレイク、22年ダンテスヴューで連続2着した友道厩舎です。

 

23年の昨年は出走馬がいませんでしたが、今年は新馬勝ちしたシヴァースをエントリー。ヴィブロスの第2子ですね。新馬戦の内容も良かったと思います。ルメール騎手鞍上でいい勝ち方をしています。第1子のヴィンセドリスは未勝利を勝ち上がれませんでしたが、登録抹消されずに休養中となっています。引退させずに中央にとどまっているという事はそれだけ素質があるのでしょう。ヴィブロスは良い子を出しているようですね。シヴァースは兄の分もここでクラシック路線に乗っておきたいところでしょう。

 

きさらぎ賞は4日(日)に行われます。前日の3日(日)には更新を完了します。

 

予想案は各ページの最下部にある専用ページにまとめてあります。ブログカードを貼っておきますのでそちらをご覧ください。

 

インザモーメント

新馬戦で先着された馬や未勝利勝ち時に降した馬のその後を見ると結構イケていないので相手に恵まれた可能性もありそう。

・前進気勢は強くない印象があり、速い流れよりは、ゆったり運んで脚を溜める競馬の方が良い印象を受ける。

・追い出して凄い脚を使う訳ではなく、末脚上等と言う感じは今のところない。

 

上記がホープフルS出走時のカルテ。

 

ホープフルS8着。スタートを決めてポジション争いに加わる先行策。それなりに気合をつけていたが行きっぷりが他の馬の方が良く、最初のコーナーでは6番手の中団。序盤の力強さが少々弱く感じられ、完成度で劣っている感じ。厩舎評では奥手となっているので強くなるのはこれからの様。以降の立ち回りは良く、同ポジションで流れに乗っていて、追走力は合格点。3~4角でも徐々に押し上げる競馬が出来ており、最終コーナーを5番手で回っていた点はよかった。コーナリングで脹れ気味となり、ここで後手を踏んだ感じ。そこから盛り返して良い脚を使うのだが、その脚も短く、ラスト1Fでは伸びは止まり、坂を登れなかった感じ。全体的な立ち回りは良かったが現状力負け。敗因には完成度を上げておくべで力強さが備わってくれれば前哨戦ぐらいなら善戦可能な馬と思われる。が、コーナー4つのコースを攻略出来なかった感じは残ったので、現状はワンターンのコースの方が良さそう。脚を溜めて直線を向く方が良いと思われるので、コース替わりは良く、ラストの失速を見ると距離短縮もプラスな材料になる。きさらぎ賞の条件は好転と見て良い。ただ、GⅠと言っても弱メンであり、GⅢの今回の方がむしろ相手は強そうな印象もあり、相手次第で△と言う感じ。

 

ヴェロキラプトル

・無敗の2勝馬。初戦はスローで逃げて上がりの競馬。前走はタイトなラップが持続した速い展開を中団待機から上がり最速で差し切り。展開に左右されない強さあり。

・どんな展開でもそれに合わせたレースが出来て、終いの脚もシッカリと使える。持続性、瞬発力兼備の良い馬。

・飛び抜けたパフォーマンスは見せていないが、2歳のこの時期に阪神で1:46.0は滅多に出る記録ではない。

・地味な印象もあるが、現状は良く動けていてレースセンスも良い。クビが上手く使えていなかったり、走りに滑らかさも無く、良くなる余地が多分にある。

 

ホープフルS10着。発馬を決めて、コーナリングでハナに立った感じ。ただ、引き出しの無い騎手が騎乗した2番手の馬が今時珍しく執拗に絡む。スピードも無いダート馬のクセに1~2角のコーナリングでも外からハナを主張するヒドイ競馬で、これに突き合わされてしまったのが敗因。2F目に10秒台を踏んでいるし、中距離の逃げとしては厳しかった。それでも道中は折り合えて走れていたし、厳しい競り合いでも破綻することなく直線を向けていたので改めて良い馬と言う印象を強くした。2連勝で負かした馬は素質馬ばかりで、持ち時計も優秀であり、本来は終いの脚も使える、良い馬である。展開次第で見直しは必用。厩舎の話では、ホープフルSまでの3ケ間で急成長したとの話。その姿を見せることは無かったが、休み明けを叩いた効果も期待出来る。また、不器用なタイプとのことなので外回りワンターンは良く、2連勝した1800mに短縮されるのも良い。条件好転で見直しの余地が大きい1頭である。ただ、このレースにも出走していた同厩のショウナンラプンタ(同厩の2歳王者と素質は同等とされている)よりは評価が落ちるそう。絶対的な評価までには及んでいない模様。

 

ウォーターリヒト

・勝ち上がりに4戦を要したが常に力を出し切らずに負けていた印象。4k減の新人を器用して早期の勝ち上がりを目論んだようだがそれが裏目に出た感じ。

・序盤に位置を取れるようなレースセンスはないが、自在性があるので、レースの流れには乗れるタイプ。距離短縮が忙しくなければ。

・速力不足な印象も。

 

上記がシンザン記念出走時のカルテ。

 

シンザン記念ブービー人気で3着と大激走。ハイペの展開を最後方待機で、直線入り口も最後方の一戦。直線だけで多くを飲み込んで浮上した。展開が向いたこと、馬群が一塊だったことで交わしやすかったことなどいろいろと噛み合っているが追い込んだ末脚は見事。レースラップのラストは加速しているので力がないと使えなかった脚でもあり、意外と馬鹿に出来ない。また、ここで初めて末脚を最速化させた。2000mを4戦して末脚が際立ったことはなかったから、初マイルで激変という事になり、これは適性かもしれない。もしくは乗り方。馬なり追走で最後方まで下がり、最初からポジション意識の無い乗り方に映る。幸騎手は最初からこういう競馬をするつもりだったのだろう。道中溜めて末脚を引き出す乗り方が合っているのかもしれない。だとしたらマイルに限らず、1800mも走れる可能性が高くなる。2000も十分こなせていたのでやれる範疇だし、前走もあと50mあれば2着馬を交わす勢いだった。距離延長はマイナスにならない。17番人気のフロック走と決めつけるのは早計になると思う。なお、ペースに合わせて位置取りを調整出来る自在性があるので、今回も最後方とは限らず、もう少し前に陣取ることも考えられる。最後方待機の追い込み馬と決めつけない方がい。

 

シヴァース

 

京都マイルを新馬勝ち。超スローの上がりの競馬を中団から加速ラップで差し切った末脚は優秀。最後は詰められているが、稍重の外差し馬場をインから伸びて押し切った内容には味がある。ただ1頭上がりを33秒台に高速化している点も評価材料。飛び抜けたパフォーマンスにはなっていないが、楽に勝った印象で悪くない。最内枠からスタートを決め、レースの流れにはスムーズに乗っており、折り合いも問題がなさそう。レースぶりは良く、気になる点はなかった。追ってからの反応も良く、仕掛けてからビュっとしたキレ味も見せた。良馬場だったらもっと伸びていたのではないかと思わせる。1Fの延長でこの脚を使えるならここも圏内まで来れそう。馬場、ペースから時計は評価材料にならないので、地力を高くするまでには至れない。タイトな展開や、時計勝負になった時が試金石でそれをクリア出来れば。強いか並みかを見定める1戦となる。ただ、まだ上がありそうな感じはする。

 

ジャスティンアース

 

京都2000m3着、京都1800m1着。初戦は折り合いに苦労して最後方から進める羽目に。追い出してからはちゃんと反応し、前を追ったが、超スローの展開で前残りを許してしまう。距離短縮した2走目は目立った折り合い難はなく、スムーズに先行3番手。前付けして最速上がりで押し切っているので悪くはないが、中距離馬にしては前進気勢が強めに出ている印象。走りは力強いが前のめりな気性のようで脚を溜めきれていない感じも。追い出してからの脚もそんなに長くない。道中でもう少しリラックスして走れればもっと走れて良い感じはするので、2ケ月ぶりの今回は気性面の成長が欲しい。標準的な時計では走れているので1勝馬同士なら入着の可能性はあるが、目立ったパフォを見せている現状ではないので強調出来る材料まではない。

 

テイエムリステット

新馬戦で芝を使ってまるでダメであったが仕上げや完成度の問題の可能性がある。近走ダートで好走しているが、芝スタート部分で二の脚を使えていて、当時とは馬が変っている感じもする。

・ダート戦に限れば、2戦とも最速の脚を使えていて、重馬場だた2走目には36.4秒とかなり速い脚を使えていて、決め手はある。

・この馬なりの進化は確認出来て、マイナスなイメージも徐々に減ってきた。

・消耗戦で強い体力型なので、時計の速い決着に対応出来るかが鍵。

 

上記がシンザン記念出走時のカルテ。

 

シンザン記念6着。やはり新馬戦より馬が良くなっていたようで、芝は問題なく走り、好走と言える内容。最内枠から流れに乗って中団待機。直線に入ってから狭いところからジワジワと伸びもう少しで掲示板だった。それだけに芝の決め手勝負に弱さを見せたように思う。追い出してからもビュンと加速せず、走りはワンペースで直線で加速した感じはなく、枠、位置取りを生かして雪崩れ込んだという内容。条件戦なら入着ぐらいはあるだろうが、重賞だと決め手の無さが際立ってしまう。再び芝重賞にチャレンジとなるが、末脚で勝負してはダメだろう。前付けして消耗戦に持ち込んだ方が入着の可能性は上がると思う。なお、シンザン記念は外差し傾向が出てていた馬場で、イン枠、イン差しが裏目に出た可能性は考慮しておきたい。時計のかかるコンディションなら一発注意か?

 

ナムラエイハブ

・夏の休養で馬体に実が入る(+16k)。これで馬は変わり、全体体に力強さを感じさせ、馬そのものがバージョンアップした感じ。

・比較的速いペースを楽に追走して、4角は待ったままの手応えで上がり、直線は外から簡単にマクってしまう。追い出してからはワンサイド。未勝利は良い勝ちっぷり。

・高速馬場だったので鵜呑みに出来ないが好時計で勝った点は評価出来る。

 

上記がデイリー杯2歳S出走時のカルテ。

 

デイリー杯2歳Sの4着は稍重が堪えた感じで伸び負ける。ベタ爪なので陣営からは良馬場希望が出ていた。末脚自体は3位上がりで重賞でも通用の目途は立った感じ。その次走は京都2000mの1勝クラスで2着に負けた。勝ち馬が強かったというのはあるし、最後方追走が裏目にもなった。最速上がりを記録しながらも2馬身半と着差は大きい。内回りの勝負所で動ききれなかった印象でほぼ直線勝負になっている。直線短いこの条件で3~4角で動けないと最後方からではキツい。器用さや機動力の無さが敗因に感じられ、適性はズレていたかもしれない。それでもマイルまでの経験しかなかった馬が2000mで脚を余して負けた点は評価しておきたい。この距離で上位の末脚を使えているなら1800mは全く問題がなく、ワンターンなら末脚も使いやすい。条件は好転する。4着以下の無い成績で1勝馬同士なら通用する馬であろう。近4走が全て8枠であったので少なからずロスのある立ち回りをしている点に酌量の余地もある。良い枠を引いた際の巻き返しには注意したい。ただ、近走は後方待機が板についていて、その辺は気になる。脚は使える馬だが圧倒的な末脚ではないので直線だけで飲み込むのは難しいと思う。もう少し位置取りを改善しないと差してもまた届かないかもしれない。

 

エナオルフェ

 

基本的に速力不足だが、パワー不足も相まってダ戦で2秒差、3秒差と話にならない結果が続いた。2戦して芝に転向。全戦で1秒差ぐらいに走れているので力の問われない馬場で良化が見られたが、速力不足は変らない。こういう個性なので追走する力も弱い。道中は最後方が常で砂芝問わずに後方追走を余儀なくされている。近2走は2200mに距離延長することで追走面が楽になっており、中団後方ぐらいの位置で走れるようにはなった。ので、1800mへの短縮は厳しいと言わざるを得ない。脚力も大してなく、直線だけで挽回出来るような脚はない。普通に力不足だし、このままなら中央での2勝目はかなり厳しい。良く勝てたなぁと前走は奇跡視している。「お見事!」とはゴール入線時にされた実況アナウンス。そう叫ばせるほどに奇襲がぴしゃりと決まっている。鞍上のファインプレーだったが、この馬を評価出来る材料は皆無のままである。

 

ビザンチンドリーム

 

阪神2000mを新馬勝ち。もっさりしたスタートで出負け。ムルザバエフ騎手も気合をつけて促していたが、進んで行かず。最初のコーナーを後方3番手で回っていった。時計の速かった阪神開催の開幕日、展開スローと先行馬に利のある状況で、実際1~3番手の馬が2~4着と前残りしている。出負けした後方追走の馬が勝って良いレースではないのだが。レース映像を見れば分かるがこの馬だけ脚色が飛び抜けている。2位上がりの馬が34.8秒を記録した以外殆どの馬が35秒台と上がりはかかっていたレースだったが、最速上がりの本馬が記録した上がりは33.9秒と文字通り桁違いである。11.7-11.5-11.3の加速ラップを楽々と差し切り、さらに3馬身差なのだから脚が違い過ぎていた。どちらかと言えば不器用な印象も感じさせていて、コーナー4つのコースが良かったとは思えない。ワンターンで末脚をバーンと爆発させた方が良さそうだし、末脚の優位性が武器になるきさらぎ賞は良い条件になるだろう。ただ、競走馬としては粗削りな面も残している。特に序盤のズブさは気になり、前進気勢も弱い。立ち回りも上手かったとは言い難く、きさらぎ賞は良くてもその先を展望した時に物足りないところは結構ある。素質は間違いなさそうだが、2戦目で馬が良い方向に変化しているのが良い。

 

ファーヴェント

・ラスト2F目が10.9秒まで加速しており、本馬はこの区間でさらに加速している。相当な切れ味であり、瞬発的な性能はかなり高いだろうと推測できる。

・スタートダッシュが良く、楽に好位を取る動きが良い。折り合い面も問題無く、スムーズに立ち回れている。

 

上記が東スポ杯2歳S出走時のカルテ。

 

東スポ杯2歳Sが3着。新馬戦では超スローから33.4秒と高速上がりを記録していたが、東スポ杯2歳Sでは59.1秒の速い展開で34.7秒の上がり。新馬戦の末脚はペースの割に物足りなさを感じさせていたのが気になったが、やはりタイトな展開で末脚は際立たなかった。圧倒的な脚力までは有していない模様。逃げ馬を交わせなかったのもちょっと情けないところ。とは言え、レースの流れにはスムーズに乗れており、折り合い面に不安も見せなかったのは良く、レースに注文はつかない良い馬で立ち回りは相変わらず上手い。労せず先行ポジションを獲れる馬なので末脚勝負の馬ではそもそもないのかもしれない。ゴール時に脚は余っていた感もあるので、結果的にもう少し積極的に動いていればと言う所もあり、乗り方が違えば結果も違っていたかもしれない。ハイペのレースを前付けした重賞3着なら評価を落とす必要は感じない。どうやら抜けた存在ではないようだが、ここも相手次第というところ。重い印を打っても良さそうな馬ではある。

 

エナオンダ

 

京都2000mを2戦して、新馬1着、若駒S3着と成績は悪くないが、全体的にインパクトに欠ける。2走とも無難な走りを見せてはいるが、勝負所の反応はいつも悪く、鞍上は手を激しく動かしながら直線に向いてくる。新馬戦がスローの加速ラップ、若駒Sが道悪の消耗戦と上がりが速くても、遅くてもこの馬の反応は変わらない。勝負処のズブさは生来的なものであろう。既にOP特別の前走で遅れを取っているように、この反応では重賞では厳しいと感じる。使っている末脚も並みの域で際立った末脚を使えるようには現状思えず、これで差す競馬はつらい。510k台の大型馬だからまだ動ききれていない印象で、良くなるのに時間がかかりそう。10月に走った新馬戦こそ4馬身差の圧勝を飾っているが、このレースの2着以下の10頭に勝ち上がった馬いず、それどころか3走、4走と済ました馬が多数いるにも関わらず、掲示板に載れた馬がほとんどいない。どの馬もパフォーマンスを大きく低下させていて、相当な弱メン相手であったことが判明している。新馬戦の圧勝はアテにならない。細かいパーツ毎に見ても目を引くような点がなく、至って平凡な存在。推せる理由は見いだせなかった。なお、今回は中1週。前走は大型馬の休み明けだったので酌量の余地がなくはない。使い込んで変わる可能性は考慮しておく方が良いかもしれない。それで激変したらお手上げだが。

 

レガーロデルシエロ

 

6月の早い段階でデビューして3戦。3・1・2着と凡走なくここまで来ている。勝ち上がりは1800mだったがレースを見ると前進気勢は強めに出ていて、中距離馬というよりはマイラーという印象も。きさらぎ賞は勝ち鞍のある距離でも本質的な適性はまだわからない。負けた2戦はワンターンコースのマイル戦。末脚勝負で取りこぼしている現状。逆に、勝った2走目はコーナー4つの札幌1800mで4馬身差の圧勝。直線長いコースで末脚ズドンの競馬よりは立ち回りを生かした1周コースの方がパフォーマンスが良かった。京都の外回りでどうだろうか?とは言え、前走負けた相手はその後朝日杯FSを僅差の4着と走った馬で相手も上等だった。それに0.1秒差なら悲観する内容ではない。また、ここまでの上がりは1・1・2位と常に上位脚。追い出してからしっかりと脚を使えて末脚は安定している。強気に推せるまでの材料はないが、欠点も少ない。強いえて言えばスタートがあまり良くないが、改善傾向にあり徐々に良くなっているところ。常に前走以上の走りを想定しておく方が良いと思われる。また、使う毎に馬体を増やしていて、今は500kを越す大型馬。これだけ大きいと4ケ月ぶりだった前走は休み明けの影響もあったであろう。今度も2ケ月振りだが間隔が短くなっていることで良化が期待出来る状況かもしれない。

 

きさらぎ賞(GⅢ)の予想案はこちら▼

 

2月の予想案【5戦1的中・回収率22.1%】

・このページは2月の予想案を1つのページにまとめたものです。

・新しい予想案を上から順に上書きしています。

・3歳重賞はカルテを作成し、予想案をこちらのページに公開します。

・G1フェブラリーSはカルテの作成は行わず、予想案をこちらのページに公開します。

古馬重賞はGⅡ競走の予想案をこちらのページに公開しますが、優先レースが重なるので京都記念の予想案は公開しない予定です。2月の対象レースは中山記念のみになります。

 

中山記念(GⅡ)

 

こんにちは。

 

降り出しが遅かったので馬場はどこまで悪化するのかなぁ?と思っていたんですけど、10時頃には降り出して、12時過ぎには稍重に悪化。雨はこれからが本降りなので重ぐらいまでの悪化がありそうですね。

 

道悪は嫌だと話しているのは⑤ヒシイグアス、⑦ドーブネ、⑩ラーグルフ、⑮テーオーシリウスと結構います。昨年の1~3着馬が揃って泣いています。リピータも来やすいレースなのに天気一つでどこまで影響するでしょうか?

 

本命(◎)は天候に左右されず、最も不安材料がない⑨エルトンバローズから行きたいと思います。マイルCSの負け方を見るとキレ負けした感じで、末脚で勝負するタイプではないのでしょう。厩舎曰く、最大の長所は操縦性の高さとのこと。直線長いコースで脚力勝負するよりも、コーナー4つのコースを立ち回りで勝負する方が向くのだと思います。また、重賞2勝はどちらも開幕週のレースでしたから、今回の条件も適していると思われます。道悪でも問題がないとの話なので、不安があるとすれば、先を見据えて仕上げが9割しかない事。ですが、ドバイの招待を受けたいようなのでここを勝てば僅かに可能性が残ります(2年前のパンサラッサも中山記念勝ちで招待が届きました)。勝負度合いは高いと思います。

 

道悪がプラスになりそうなのが④ジオグリフ。時計の速い馬場よりは、力のいる馬場の方がこの馬には良いとの話。前走鞍上のビュイック騎手からダメ出しが出た事でようやくダート路線に諦めが付いたよう。昨年1年を不本意に過ごしましたので今年は取り返していきたいところです。脚質も近2走は先行位で競馬が出来ていますし、2走前の南部杯ではレモンポップを負かせると陣営が自信を持っていた程で、状態はずっと良かったですね。

 

③ソールオリエンスも叩き台であり、脚質的な問題から敬遠したいところでしたが、この雨で扱いを変更した方が良さそう。この天気で開幕週の恩恵も軽減されますから差しも決まるかもしれません。それに、先行したい馬は多いですし、それらは道悪を苦にして早めに失速するかもなので展開が味方する可能性は大きくなりました。重馬場の皐月賞をぶっこ抜いたこのコースで豪脚復活もありえます。

 

印は④ジオを対抗(〇)に、③ソールオを▲とします。中山記念にはこの10年、4頭の皐月賞馬が出走していますが、ロゴタイプドゥラメンテ2頭が馬券圏内に好走し、イスラボニータエポカドーロの2頭は惨敗と言う歴史。つまり、確立は50%です。だったらどちらか1頭は来てくれるでしょう、多分。

 

他は①レッドモンレーヴ②ソーヴァリアント⑥イルーシヴパンサー⑤ヒシイグアス⑧マテンロウスカイの5頭に△を付けます。

 

買い方は◎の単複2点。◎〇の馬連・ワイドを箱で3点×2で6点。◎から△へワイド5点。◎〇-◎〇▲-◎〇▲△の3連複フォーメション16点。全部で29点です。

 

<印一覧>
◎:⑨エルトンバローズ
〇:④ジオグリフ
▲:③ソールオリエンス
△:①レッドモンレーヴ②ソーヴァリアント⑥イルーシヴパンサー⑤ヒシイグアス⑧マテンロウスカイ

 

フェブラリーS(GⅠ)

 

こんにちは。

 

トップクラス不在でフェブラリーSの存在意義は?等といろいろ言われておりますが、私にとって専門外であるダート重賞ですから、そんな議論に興じる余裕はありません。レースの本質を見極める事の方が重要です。が、やはり専門外なのでなかなかピンと来ませんでした。こういう時は考えすぎても当たらないと思うので、出来るだけ単純に考えたいと思います。

 

展開面を軸に予想してみました。逃げると思われる⑮ドンフランキーの平均的なペースは大体34秒台で3Fを通過して、5F目を58秒台で通過していくものです。そしてこのペースはフェブラリーSの標準的な展開とも重なっていて、近4年は概ねこのような流れでレースが進んでいます。⑮フランキーが逃げれば今年も例年同様の展開になると考えて良いと思います。

 

また、この流れになると差し馬が好走しやすいというのも例年の傾向。カフェファラオ、ソダシと言ったGⅠ級が前々で押し切ってしまった22年を除けば、ほぼ差し差し決着となっているのが実情です。今年も同様な流れが濃厚ですから、差し、追込みの馬に重い印を打ってみるのははどうでしょうか?この展開を前提に考えますと、やはり⑩タガノビューティーと⑬レッドルゼルは気になる存在です。

 

⑬ルゼルは4年連続の出走。今年で8歳馬になりましたが、能力落ちの気配がありません。昨年2着時と前走武蔵野S3着の走破タイムが全く同じ。斤量も同じだけ背負っていますから、昨年時の力を保持していると考えて良いでしょう。しかも、前走は夏負けが長引いて本調子に至っていなかったとのことで上がり目は大きい。この中間は元気がよく、押さえるのに苦労するほど。これは調子が良い時に出る兆候なんだとかで好走のサインだとされています。状態が良いのは間違いなさそうで、前走以上は確実です。

 

これなら安田隆厩舎のラストGⅠを勝利で飾る可能性はありそうです。リピーターが走るレースでもあり、メンバーは昨年より物足りない面々。この馬が繰り上がりで優勝なんてこともあって良いでしょう。順当に走れば優勝も夢ではなさそうで、想定通りの展開になるなら結構やれそうな気がします。本命(◎)を打ちたいと思います。

 

そして、この1年2走しかしなかった⑬ルゼルに先着経験のある馬が上述した⑩タガビューだけと言うのも面白いですね。5勝を挙げ、18度走った複勝率は72.2%。府中でこそその末脚が際立ちます。これまでは賞金不足で出れませんでしたがフェブラリーSには毎年登録していました。フェブラリーSはどうしても出走したかったGⅠです。ようやく出走を果たしたのですから力が入らない訳がありません。この馬も押さえておきたいですね。△をつけておきたいと思います。

 

なお、短距離の追い込み馬⑯アルファマムにも需要がありそうですが、1400mより1200mで末脚が際立つように思うので、さらに延長したこの距離で⑬ルゼル、⑩タガビューを上回る末脚を使えるとは思えなかったのでマークはしません。

 

有力馬からはやはりルメール騎手が乗る⑤オメガギネスが気になります。水面下でいろいろと動いた様で勝負気配が高い事は間違いがなく、素質だけで語るならこの馬が最優先でしょう。ただ、58kは初めてですし、中3週も初めて。いつもと違う競馬になるのは少し気になります。成長して充実して来たと厩舎は話していますが、本格化という言葉は使われていませんから、絶対的な評価まで下せる状況ではまだないと思います。▲ぐらいが妥当でしょう。

 

中距離組からの参戦も目立っていますが、⑪キングズソードと⑭ウィルソンテソーロの2頭はいずれも面白いですね。マイルでもやれそうな根拠が十分にあります。

 

⑪キングズはJBCクラシックを勝っていますが、陣営にしてみればこれは想定外。鞍上モレイラ騎手の功績が大きく、適性以上の走りをしたと見るべきです。実際の話、本来は武蔵野Sを予定していたところ、モレイラ騎手を確保出来たのでだったらGⅠに挑戦しようとなったに過ぎないのです。同条件の東京大賞典であっさりと負けているようにこれがこの馬の本当の姿なのでしょう。実は、以前騎乗した川田騎手が距離は短くしていく方が良いと進言されていて、陣営は距離短縮の機会をうかがっていたのです。それに、兄は1400mベストだったキングズガード、血統的にもマイルぐらいが最適な可能性があります。この距離で強いかもですし、どちらかと言えば差すタイプなので展開も味方しそうです。

 

なお、一部言われておりますが、左回りで結果が出ていないのは確かに気になる材料です。が、騎乗していたのが全て今村騎手でしたから度外視可能。ちゃんとした騎手が騎乗するなら気にならず、陣営も気にしていない模様です。

 

⑭ウィルソンも中距離実績十分で、この路線で出世街道に乗りました。それだけ中距離適性が高いのでしょう。ですが、府中マイルは2戦2勝とこのコースでパーフェクト。また、さらに短い1500mのかきつばた記念ではマイルで強いドライスタウトを競り落として優勝しています。これだけの実績ならマイルを理由に評価を下げない方がいいですね。この馬の強味は自在性にあり、追い込んで良し、逃げて良しの真逆な走りで現役トップクラス相手に接戦した近2走がそれを証明しています。この馬の自在性は恐ろしい程に優秀です。マイルの距離にもアジャストしてくることでしょう。

 

これら2頭は対抗(〇)評価で勝ち負けありの印にしておきます。そして、今回の印は以上になります。人気の④ドゥラエレーデの勝負気配は高いので重い印も許されるのですが、初マイルに先行不利な展開想定なので評価を上げきれませんでした。情報的には地方からなら①イグナイター、芝馬からなら⑦ガイアフォース辺りにも印を回しておくべきかもしれません。でも、本命が絶対来る保証はないですし、自信もないので手を拡げすぎない方がいいだろう考え、思い留まりました。今年は印5コで勝負します。

 

買い方は◎の単複2点。◎〇▲△の馬連・ワイドを箱で10点づつ×2で20点。◎から〇▲△へ3連複1頭軸流し6点。全部で28点です。無欲に徹し、出来るだけ箱買いしております。

 

<印一覧>
◎:⑬レッドルゼル
〇:⑪キングズソード⑭ウィルソンテソーロ
▲:⑤オメガギネス
△:⑩タガノビューティー

 

共同通信杯(GⅢ)

 

こんにちは。

 

この年齢になってあれなんですけど、今二郎系のラーメンにハマっておりまして3店舗ぐらいをローテションで週一ぐらいで通っております。その内の一店でのことですが、スタッフさんが厨房で「今週から競馬場店始まりますね」と話していました。私はピンと来ました。この店は府中競馬場にも出店している「俺の生きる道」と言う店です。私は縮れた極太平打ち麺をすすりながらニヤっとしました。ここ本当に美味いです。スープと麺のバランスが絶妙です。機会のある方は是非ご賞味下さい。

 

でも、予想中に食すにはリスクがあるかもです。麺量300gがデフォで、それにとんかつなみの豚一枚、野菜がたっぷり乗っています。完食後には腹パン必死、脳内は思考停止に陥るでしょう。そうなると予想どころではありません。メイン前にではなく、最終前ぐらいに食べるのが適当だと思います。それに夕方の方がスープが濃くなりより旨く美味くなるでしょう。美味しく召し上がるためにも今日はしっかりと当てておきたいですね。

 

さて、共同通信杯ですが。このレースは末脚の優位性が重要ですけど、差し追い込みに有利な重賞とは言い難いですね。スローのよーいドンになることがほとんどで、先行して速い脚を使える馬に有利なポジションゲームです。よって、先行力or機動力があり、かつ末脚の確実さがある事が最も望ましいと言えるでしょう。とにかく直線入り口で射程圏にいる事が重要です。

 

無敗の2歳チャンピオン⑨ジャンタルマンタルがちょっと抜けた1番人気。この馬は上記の適性を満たしているでしょうか?同じく無敗の2歳チャンピオンだったアドマイヤ―マーズはこのレースで2着でしが、この2頭の朝日杯FSは0.1秒しか変わらない勝ち時計で⑨ジャンタルの方が若干速い。マーズぐらいに走れる資格はあるのでしょう。しかしながら、マーズが日常的に33秒台の末脚を発揮していたのに対し、⑨ジャンタルは34.6~34.8と同じような上がりしか記録した事がなく、その末脚に速さがありません。3連勝は立ち回りの上手さで勝ったようなもので、末脚勝負の経験は浅い。レース適性を満たしているとは現状言えないと思います。陣営に試走とか叩き台の意思はなく、無敗を継続させていくつもりの様ですが、この馬向きのレースとは思えず、ここは▲ぐらいに留めて様子を見るべきでしょう。

 

積極的に狙いたいのは④ミスタージーティーと⑤ショーマンフリートの2頭。前者は厩舎の出世頭シンエンペラ―より強いという評価がされており、前走は明らかな騎手のヘグリ。矢作調教師がレース後に激怒したほどで、期待の高さが垣間見えます。後者は新馬戦で「あの馬ヤバい」とこの馬との対決を避けた馬がいたと言う逸話があり、モレイラ騎手も重賞を勝てると絶賛した逸材で、そういう馬にルメール騎手が乗るのですから期待が高まります。

 

着はともかく、④ミスジは今回の上がり最速を記録する馬だと思います。最後は必ずキレる末脚巧者。見るからに不器用でコーナー4つのコースに適性が感じられず、多頭数だった前走は捌けずに脚を余して負けています。ここまでの2戦はいずれも脚を使い切っていない印象で、もっと凄い脚を使える馬だと思います。厩舎ももとより府中向きと言う考えで、かつ捌く労力が軽減した10頭立て。潜在能力を発揮するにはこれ以上ない条件です。直線長いコースでそのヴェールを脱ぐのではないかと思います。時期的に賞金加算をしておかないと厳しい頃合い。ここは勝負度合いも高いことでしょう。凡走は許されないと思います。

 

テンに遅いこの④ミスジより先行力があるのが⑤ショーマンです。持ったままで最終コーナーを回ってこれる機動力もあるので直線入り口ではまず射程圏にいるでしょう。新馬戦では12.1-11.6-10.9の加速ラップを鞭も抜かずに突き抜けており、本来は終いの脚もしっかりしています。前走に関しては、輸送競馬だった、力のいる馬場が合わなかった、久々だったなどが具体的な敗因とされていますが、それらは全て今回解消されました。状況証拠からするとこの馬もようやくベストなレースにたどり着いたなという感じ。なお、1800mは初めてですが、新馬戦後に東スポ杯2歳Sを使うつもりで調整されていた(熱発回避)ので少なくとも関係者からネガティブな話はないですね。

 

印は人気を考慮して2番人気④ミスジを本命(◎)に、朝一6番人気の⑤ショーマンを対抗(〇)にします。他は京都記念のベラジオオペラと共に馬主&厩舎(二人とも京都にいます)が同日重賞制覇を狙っている①ベラジオボンド、GⅠ2着の⑥エコロヴァルツ、府中の新馬戦を好内容で勝った⑧ジャスティンミラノと△は3頭。印はこれで十分だと思います。

 

買い方は◎の単複2点。◎〇▲の馬連・ワイドを箱で3点づつ×2で6点。◎から△へワイド3点。3連複はいつものフォーメションと1頭軸流しでは点数が変わらないので◎から〇▲△への10点で。全部で21点です。

 

<印一覧>
◎:④ミスタージーティー
〇:⑤ショーマンフリート
▲:⑨ジャンタルマンタル
△:①ベラジオボンド⑥エコロヴァルツ⑧ジャスティンミラノ

 

クイーンC(GⅢ)

 

こんにちは。

 

連軸候補ならやはり④サフィラの安定感が一歩リードしています。立ち回りが上手く、追ってからの反応もしっかりとしていて末脚を確実に引き出せています。折り合いが気になるタイプでもありません。強い処には大体負けて来ましたが、強敵相手に崩れていない点は評価すべきでしょう。コースも輸送もアルテミスSで克服済み。外枠に泣いた阪神JFから内めの良い処を引けたのも好材料阪神JF組は【3・3・4・12】とローテとしても一番相性が良く、データ的にも問題がありません。

 

陣営曰く、当日のテンション以外に不安材料がないそうです。また、2歳GⅢ2着程度の賞金では桜花賞は安泰とは言えず、賞金加算を目論んでの参戦。勝負度合いもまぁまぁ高い。晩成傾向にあると厩舎筋ですが、だとしたら常に前走以上の評価が必用す。今回もしっかりと仕上がっているそうなので、スムーズに立ち回れれば勝ち負け濃厚な1頭と言えそうです。本命(◎)なら④サフィラが最適解だと思います。

 

対抗(〇)に⑬クイーンズウォーク。3歳世代の牝馬路線はサンデーR一色で、桜花賞にもアスコリピチェーノ、チェルヴィニアと2頭のGⅠ級がスタンバイと強力布陣。だからだと思うのですが、「勝ったらオークスに直行してもいいかも」なんて話が厩舎から出ています。父が変わり、兄とは違って長距離志向が強くなっています。それだけにマイルへの短縮はあまり良いとも思えませんが、ここへの出走は川田騎手の進言によるもの。曰く、昨年勝ったハーパーと似たような馬とのことで勝ち負け出来るという算段。騎乗者がイメージ出来ているのは有難いですね。なお、サンデーRはこのレースと相性がとても良く、過去5年で5勝の一人勝ち状態。馬名も被っていることですし、この馬の逆転があってもいいのかもしれません。

 

▲には③アルセナール。木村厩舎×ルメール騎手のコンビにはホープフルSを勝ちのレガレイラ、アルテミスS勝ちのチェルヴィニアといて、ルメール騎手も桜花賞はチェルヴィニアに騎乗が決まっています。それでも③アルセにルメール騎手を乗せていることに意味がありそうです。桜花賞出走の目途を立てたい。同厩のレガ、チェルヴィと比較しても成長度で劣っているだけで、ポテンシャルで劣っていないという厩舎評。やはりこの馬も良血らしい能力を保持しているようです。ズブい面のあった前走からの変わり身もあるとの話なので好走期待。

 

押さえは①サクセスカラー⑦コスモディナー⑧ルージュスエルテ⑪ルージュサリナス⑫テリオスサラの5頭に△を付けます。

 

買い方は◎の単複2点。◎〇▲の馬連・ワイド3点づつ×2で6点。◎から△へワイド5点。◎〇-◎〇▲-◎〇▲△の3連付くフォーメション16点。全部で29点です。

 

<印一覧>
◎:④サフィラ
〇:⑬クイーンズウォーク
▲:③アルセナール
△:①サクセスカラー⑦コスモディナー⑧ルージュスエルテ⑪ルージュサリナス⑫テリオスサラ

 

きさらぎ賞(GⅢ)

 

こんにちは。

 

きさらぎ賞で上がり最速馬の需要が高いのはスローの直線勝負になりやすいからでしょう。最初のコーナーまで900mもあるので序盤からゆったり進む事が多い。京都で行われた直近10年間(11~20年)で前半1000mで60秒を切ったのは稀で61~62秒台が標準的なペースと言って差し支えありません。

 

また、同10年間で上がり3位以内を記録しないで3着以内に好走した馬が11年~20年の10年間で7例あり、うち逃げ馬が4頭、2番手だった馬が2頭と前目から雪崩れ込んだ馬が6頭を占めます。基本的に前残りしやすい傾向の重賞なので中途半端な位置から脚を使っても差しは届きづらいのです。

 

これはつまりスローの上がりの競馬になっていると考えて良く、末脚勝負の重賞と言っても

 

15年ルージュバック(③③)
16年サトノダイヤモンド(⑤④)
17年アメリカズカップ(③③)
18年サトノフェイバー(①①)
19年ダノンチェイサー(②②)
20年コルテジア(③③)

 

と、優勝馬のほとんどが先行策から上位脚を繰り出していました。今年の展開も同じようになるのではないかと思います。なぜなら、逃げ切り勝ちしたことがあるのも、前走逃げているのも④ヴェロキラプトルだけでレースを引っ張る馬はこの馬ぐらいしかいないからです。その④ヴェロキラ陣営も前走絡まれて厳しい結果になったことで逃げに拘りがなく、積極的に行く気配を見せていません。メンバー的にもコース的にスロー競馬が濃厚と言えるでしょう。

 

だとしたらイメージするのは後方から直線一気で猛烈な脚を使う上がり最速馬ではなく、先行ポジションから速い脚を使える馬だと思います。安定して先行出来て、かつラストの末脚がしっかりしている馬に狙いを定めるのが良いと思います。

 

1番人気⑫ビザンチンドリームは脚力の高さは証明済みで、不器用なレース振りからワンターンコースで末脚爆発の可能性が非常に高いと思われます。が、その新馬戦では序盤のモタつきも同時に目立っていて安定した先行力と言うのは現状持ち合わせていません。あっさりの可能性も十分ありますけど、ポジショニングの不安から差して届かずは想定しておくべきだと思いました。また、精神的に幼く気難しさもあるようでして、今回は厩舎装鞍にするなど厩舎側も慎重です。不安材料もそれなりにあるなら対抗(〇)評価が丁度良いのではないかと思います。

 

それ以外で本命候補を探すとぴんとくるのが⑦レガーロデルシエロ。先行力も安定してきましたし、ここまでの上がりも1・1・2位と常に上位脚。追っての反応もいいですし、前目のポジションから脚が使えるなら狙い目は立ちます。どうも左回りが良くないという話で騎乗していたルメール騎手の進言で右回りのレースを優先しきさらぎ賞を目標に調整されました。それだけにデキは良く、適性もあるというなら狙って面白いと思いました。僅差負けの前走の勝ち馬がGⅠで接戦をしていますから重賞級の評価をしても大丈夫ではないでしょうか?⑦レガーロを本命(◎)にします。

 

なお、鞍上のルメートル騎手は年明けに多く来日した外国人騎手の中では当初から期待されていたジョッキーです。クリスチャン・デムーロ騎手が絶賛するほどの腕を持ち、そのクリスチャン騎手を担当していた通訳さんがエージェント的な役割をしています。信頼出来る筋からの紹介と言うことでノーザンFの信頼を既に勝ち得ており、実際年明け来日組では勝ち頭。重賞勝ちこそキング騎手に先を越されましたがここで結果を出せばNO1の評価を不動にするでしょう。⑫ビザンのピーヒュレク騎手よりは期待して良いのかな?と感じています。

 

3番手にはきさらぎ賞と同じ条件を2番手から上がり最速で勝ち上がった⑨ジャスティンアースが良いと思います。前向きすぎる所があるのでスローで折り合えるかが懸念されるところですが、3戦目で馬が良くなっているようなので気性面もマシになっているかもしれません。前走で負かした2着馬も次走で圧勝していて負かした相手も上等でした。勝って同条件も良く、勝ち時計もきさらぎ賞でも勝ち負け可能な好時計。未勝利を勝ち上がったばかりですけど、2勝馬は1頭だけでほぼ1勝馬同士の1戦なら問題ないですね。この馬が▲です。

 

他は③ウォーターリヒト④ヴェロキラプトル⑤シヴァース⑥ナムラエイハブ⑧ファーヴェントの5頭に△を付けます。

 

買い方は◎の単複2点。◎〇▲の馬連・ワイドを箱で3点づつ×2で6点。◎から△へワイド5点。◎〇-◎〇▲-◎〇▲△の3連複フォーメション16点。全部で29点です。

 

<印一覧>
◎:⑦レガーロデルシエロ
〇:⑫ビザンチンドリーム
▲:⑨ジャスティンアース
△:③ウォーターリヒト④ヴェロキラプトル⑤シヴァース⑥ナムラエイハブ⑧ファーヴェント

 

▼10月~11月の回収率は64.2%でした。

月毎に予想をまとめていますので参考の目安になるよう掲載しておきます。資金配分まで公開するつもりはないので実際はそんな事もないんですが計算や表示方法の関係で単複も含めた全点を均一で計算すると回収率はこうなります。

☆22年10月~23年9月の回収率は84.7%でした。

京成杯(GⅢ) 出走馬カルテ 2024

 

こんにちは。

 

京成杯は2週間ちょっと前に行われたホープフルSと同じ条件です。その2歳GⅠを牝馬レガレイラが優勝し、皐月賞・ダービーへと話題になっています。この点、関係者が最初からそのつもりだったことは既に申し上げた通りです。ほぼ通過点なレースでした。今年は牝馬が牡馬クラシックを牽引していく事になりそうです。

 

しかし、皐月賞はまだしも、ダービーの本命は牡馬を狙っておくべきかもしれません。なにしろルメール騎手が皐月賞には前向きでしたが、ダービーに関してはそうではありませんでした。強い馬がいるならオークスにした方が勝てると思うと口にしているのです。

 

これを聞いて私は思いました。ここまで騎乗して来た牡馬にダービーを意識出来る馬がいるんだろうなぁと。ただでさえ、素質馬・有力馬の背中を任される方ですから、それらの中にこれはと思う逸材が既にいたのでしょう。この先、ルメール騎手の騎乗馬には常に注意が必要です。

 

京成杯では国枝厩舎のバードウォッチャーに騎乗予定です。母アパパネ、姉アカイトリノムスメと厩舎ゆかりの血統馬です。それっぽい馬が他に何頭かスタンバイしていますから、ルメール騎手の心をつなぎとめるような好走が出来るといいですね。

 

京成杯は14日(日)に行われます。前日の13日(土)には更新を完了します。出走意図のある陣営が少なく、原稿作成の段階で7頭しか分かりませんでした。最終登録後に追加する事になると思います。

 

予想案は各ページの最下部にある専用ページにまとめてあります。ブログカードを貼っておきますのでそちらをご覧ください。

 

 

エコロマーズ

・福島1800mの新馬戦は63.8秒通過のスロー戦にも関わらず、最後は消耗戦となっており、レースの中身はかなり薄い。

・突き抜けが甘く、際立った末脚を使えるタイプではなさそう。新馬戦の様に先行して早めに脚を使い切る方がいいように思う。

・行きたがるところがあり、気性に難がある。

 

上記がサウジRC出走時のカルテ。

 

サウジRC5着。五分の発馬から先行集団を前にして中団ぐらいから進める。序盤に少々行きたがっている。厩舎の話ではその辺の気性はまだまだ幼いようで、新馬戦では暴走気味に先行していた。この頃と比べれば抑えが利くようになってきたので進化は見られるが、折り合いには常に注意が必要。折り合いのせいで末脚が弾けないのかもしれないが、直線で追い出されてもギアが上がる感じがない。逃げた4着馬と同タイム上がりであり、脚は使えておらず、ジワジワと走るだけだった。2戦目までも末脚に見るべき所がなかったので、後半の末脚勝負は向いていないのだろう。結局、新馬勝ちしたコーナー4つの条件を立ち回りや、早めの競馬で乗り切った方がいいのだと思う。1600mを2連戦しているので距離は短い方がいいのかもしれないが、コース設定は今回の方がいいように思う。

 

ジュンゴールド

 

新馬戦(小倉1800)も紫菊賞(京都1800)も2着に3馬身半差で圧勝している無敗の2勝馬新馬戦は中団から加速ラップを差し切っており、しかもラスト1F地点ではまだ5番手で最後の1Fだけで伸びる先行馬をまとめて差し切り、そこから着差を大きくしている。瞬時にビュンとキレる末脚は凄い瞬発力。紫菊賞では当初後方2番手だったが、途中から一気に上がってハナを奪い逃げ切る。こちらは持続戦に持ち込んで他を圧倒した。とにかくコントロール性が高い。行けと行けばすぐ行くし、抑えればすぐに収まる。ちょっと出負けした新馬戦ではそれが二の脚となったし、途中から動いていった紫菊賞では自在性となって現れている。気性の従順性は2歳馬離れしている。かつ、2戦とも最速上がりを記録して、昇級しても末脚の優位性を保てている。新馬戦では瞬発戦を、紫菊賞では持続戦を制しており、どんな流れでも上位の脚を使える末脚には万能感がある。スタートがちょっともっさりしているが、それ以外に不安材料は無く、評価は満点に近い。1Fの延長で能力が損なわれる事はまず考えられないし、ここでは有力な1頭になる。

 

ダノンデサイル

・馬場状況によって行きっぷりが違っていて、良馬場の方が良いタイプ。

・見た感じは末脚上等と言うタイプではなく、2走目の様に早めの競馬から雪崩れ込む方が良さそうな印象を受ける。

・スタートが上手では今のところないので序盤のポジショニングが鍵となりそう。

・コーナー4つの条件は未知数だが器用な感じはあるので対応出来そう。

 

上記が京都2歳S出走馬のカルテ。

 

京都2歳Sでハナ差の4着。2走目までは末脚が並みの印象だったが、重賞で最速上がりを記録出来たのは収穫。この馬を含めた4~6着馬が同タイム上がりを記録している。それらの中では追い出しての反応がこの馬が最も遅く、その分だけ脚を使い切れなかった感じ。もう少し機敏に反応出来れば2・3着に食い込める脚はあったように思える。全戦を通じて二の脚がなく、スタートダッシュが上手くない。勝負所でも少々ズブく、瞬時に加速する必要があるところで鈍い面が目立つ。立ち回りや追走中の走りは悪くないが、反応面が良くならないと。機敏さが欲しい。こういう場合、馬体の成長が伴っていない事が原因だったりするので、安定した強さを発揮するのはまだ先になりそう。今は騎手の扶助が必要で、横山典騎手も序盤や勝負処で手を動かしている。しばらくは追って追ってと言う競馬を続けるのだと思う。ダノンの馬はどの馬も高額でこの馬も安くはないが、周囲の話からすると現状の評価はまだ高くない模様。今回も相手次第となるのだろう。

 

バードウォッチャー

 

府中2000mを新馬勝ち。ゲートがもっさりしていてやや出負け。初手後方3番手。見た感じ前進気勢が弱く、ズブさも目立った。63.3秒のスローでも促していないと後方ポジションすら維持出来ない感じで、道中常に気合をつけられていた。ラスト4Fぐらいから動きだそうとするも大して位置取りは上がらず、そのまま直線勝負になっている。だた、本気で追われ始めてからの反応はさすがで、追うほどに加速を強め、11.6-11.5-11.3の加速ラップを差し切り、共に伸びた2着馬も振り切って0.2秒差をつけてフィニッシュ。この末脚は良血馬のそれで1頭だけ脚色が違っていた。トビも大きく、走る姿は飛んでいる感じ。脚力、瞬発力の性能が高い事は間違いない。この末脚を中山2000mでどう使うかが課題となるだろう。道中の走りに自在性や機動力と言ったものは感じられなかったので、今回の条件に必要な要素は欠けている。ただ、気を付けておきたいのはこの馬が国枝厩舎の管理馬であること。初戦から仕上げ無い事で有名な厩舎で、2戦目にしっかりと馬は変わってくる。本馬も物足りなかった部分が解消される可能性が全然ある。むしろ仕上がり途上のレースをこの内容で勝てたことがこの馬の素質を物語るかもしれない。上積みは大きくなるはずで、見えない部分を想定して増し評価にしておくのが良いと思う。

 

ハヤテノフクノスケ

 

京都2000mを2戦して2・1着。初戦が④③③②、2走目が④③③①とほぼ同じ立ち回りが出来ているように、競馬センスが高い。初戦はインのラチ沿いから、2走目は外からねじ伏せてと勝負処も器用に回って来る。初戦から良く動けていたが、2走目で力強さが増していて、順調に馬が強くなっている。新馬戦は勝ち馬の強烈な決め手に屈してしまったが、次戦のGⅠで5着した様な素質馬なので仕方なく、2戦目で5馬身差圧勝しているように、この馬も十分強かった。ラスト4Fで長い脚を求められた新馬戦でも見せ場を作り、2走目ではラスト3Fが加速ラップになるような瞬発力勝負で一方的な脚を披露している。持続戦でも、瞬発力勝負でも強く、こういう条件で器用に立ち回れる。コーナー4つの1周条件でやる限り、この馬に隙はない。重賞でも十分やれるだろう。少頭数ながら良い内容で勝ち上がって来た馬が何頭かいるのでそれらとの力差次第であるが、この馬も上位評価が良い。京都の経験しかないので、輸送や中山の坂などハードルはあるが、クリア出来れば勝ち負けも。

 

レイデラルース

 

中距離戦を4戦。ぐっと来るところが無いまま負けた新馬戦は度外視したとして、以降の3戦は3・1・3着とそれなりな成績。ただ、どことなく走りが不器用で集中力がないというか、力強さがないというか。迫力の無い走り。まだ競馬を理解していない感じもあるし、首を上手く使えていないし、追っての反応も良くない。心身共に未完成な印象で現状は評価しづらい。ペースに関わらず勝負処で手が激しく動く。自ら進んでいく走りは出来ないようで、騎手が押し込んでいく必要がある。これだと重賞の勝負処は捌けない。決め手があるタイプでもないので粘り込むしか入着の可能性はないが、この立ち回りだと直線でセーフティを取ることは出来ないと思う。相手強化の重賞では自在に動けないと後手後手に回る原因になり、思うような競馬は出来ないだろう。

 

アスクナイスショー

 

府中2000m4着→中山2000m1着。発馬からポジショニングまでの序盤の立ち回りは上手い。府中では中団、中山では先団とコースによって位置取りを調整出来ていて、鞍上の思うようなところで競馬が出来る賢い馬。道中もスムーズに追走していて、問題点は特にみられない。ただ、時計的な要素や持続性、瞬発力などがどれも平凡。使える脚も短い印象で府中でも中山でも突き抜けが甘い。ペースに見合った末脚は使えておらず、特に前走は61.6秒通過のスローでもラストが消耗戦になるような低レベル戦であり、この馬の使った上がり36.4秒もかなり物足りない。先行策から早め先頭だった馬のパフォーマンスだからこれより上の走りがあるようには思えない。中3週のレースだし、能力を底上げするような成長も期待薄。重賞では厳しそう。

 

アーバンシック

 

札幌1800m、百日草特別(府中2000m)を2連勝。札幌戦ではラストに0.1秒失速しただけのほぼ加速ラップを、百日草特別ではラスト5Fから加速し始めた長区間に渡る加速ラップを差し切っている。その末脚は後半の加速が速ければ速い程強さを増す感じ。持続性の高さ、使える脚の長さと末脚性能がとにかく秀でている。特に百日草特別は能力がないと出来ない競馬でその強さは間違いないレベル。ただ、その末脚も瞬時に引き出せるものではないようで、そこが昨年のソールオリエンスと違うところ。札幌戦では勝負処でこの馬だけ手が激しく動いていた。ビュンと加速する瞬発力が足りていない可能性がある。百日草特別の上がり3Fは33.2秒とキレているが、ここまで加速させるのに十分な助走区間を取れていた。良く言えば追えば追うほど伸びるが、ヨーイドンのダッシュ力は鈍い。ペースが速くても、遅くても末脚は確実に使えるが、その末脚を瞬時に引き出せるかが鍵となりそう。また、それが出来ないとダメな理由がこの馬にはある。スタートの悪さは致命的なレベル。ゲートが開いたことを確認してからよいしょって出る感じ。ここまでの2戦は少頭数であったことで捌けたし、相手が弱かったことで間に合ったところがある。中山2000mのフルゲートであり、結構素質馬が集まった1戦であるから、末脚の属性や出遅れ癖など本馬の欠点は取りこぼしの要因となりうる。せめてスタートだけでも五分に出て、良い位置取りをとりたいところ。なお、器用さ、追走力、時計面、折り合いと言ったその他の諸要素は問題はなく、力を出し切れるなら勝ち負けの力はある。

 

キャントウェイト

 

新潟内回りの2000mを新馬勝ち、今回と同じ条件の芙蓉S2着。器用さの求められる条件で好走を続け、立ち回りの上手さを生かしている感じ。2戦とも時計はとても遅く、持続性を問われなかった楽な展開。スローを前残りしただけと言う内容でもある。使っている末脚もペースの割には遅いもので物足りない。内回り条件を上手に走れる器用さ以外に評価出来るものが無く、地力・能力の高さを証明するような走りはしていない。また、2戦目で折り合いの難しさを見せている。スタンド前から向こう正面中程ぐらいまで欠いており、鞍上に逆らうシーンすらあった。間隔が開いたし休み明けの方が気性はまともにかもしれないが、気性面には注意がいる。評価材料に乏しく、不安材料は大きく。手を出しづらいところ。

 

グローリーアテイン

 

府中1800mを新馬勝ち。サンデー、キャロット、シルクと言ったノーザン系クラブや、社台Rの複数出しと、素質馬揃いの1戦。また、JC当日に行われたのでジョッキーも一流揃い。この豪華な新馬戦を3番人気で戸崎騎手が騎乗した本馬が制した。しかしながらレースは単調なもの。スロ―展開で道中の位置取りが勝敗を左右したポジションゲーム。地力が求められた内容ではなく、勝負付けを済ませて勝ち上がったというものではない。1000m64.2秒から上がりの速い競馬。本馬の上がり33.5秒がレース最速の上がりとなったが、ペースを踏まえると物凄い脚を使ったという印象はなく、6番手だった位置利が大きい。逃げた2着馬の勝ちパターンを崩して勝った点はエライが評価を高く出来る材料は意外と少ない。勝ち時計も遅く平凡。この馬自身に特に悪い点はなく、発馬、ポジショニング、折り合い、追っての反応、切れ味などパーツ毎に見れば良い馬ではあった。馬券の中心に出来るほどの根拠はないが、印ぐらいはいるのだろう。能力面の評価は京成杯の結果・内容で判断することとなり、真価の問われる1戦。

 

コスモブッドレア

 

6月の早い時期に使われ、7月の2戦目に勝ち上がり。3戦目は暮れの中山戦まで待機していた。府中マイルで使われ始めたが、1Fづつ距離を延長していて前走で中山2000mを経験し、葉牡丹賞4着。どの距離でも崩れていないので厳密な距離適性はわからないが、中距離に問題が無い事は確か。2走目の未勝利はかなり恵まれて勝ったが、前走の葉牡丹賞で時計も詰めれているし、差が無く走れているので1勝馬同士なら差のなない力関係。ポジションを取れる先行馬であり、コーナー4つのコースも上手に対応している。立ち回りの上手さを生かせる条件は向いている。勝負処や最終コーナーも手を動かすことなく周って来れる機動力があるのも良い。ただ、直線を向いてから使える末脚が殆どなく、残念なところ。新馬戦も前走も直線入口で交わせそうな感じから前の馬を交わす事が出来ず、むしろ突き放されて伸び負けている。決め手が弱く、直線で加速するようなところもない。2走目の未勝利で逃げ切りしているように、リードを保って交わされないように頑張る競馬じゃないと厳しい印象。

 

ドゥレイクパセージ

 

8月の札幌1800mの新馬戦を逃げ切って、9月中山の芙蓉Sを逃げ粘って3着。主張して逃げている訳ではなく、発馬良くポンと出てしまうので楽に先頭に立ててしまい、コーナリングでハナに固定されちゃう感じ。これならハナに行った方が良いという動きは騎手もするが、主張してまで行く感じではない。また、快速馬がスピードを生かして先行しているというものでもなく、むしろ速力不足な印象もある。スローに落として逃げている割に後半の加速は物足りないし、勝負処でのペースUPも鈍い。2戦とも後続を振り切るのに難儀している。走破時計はどちらも遅く物足りない。現状はスローのため逃げしているだけで、持続性の欠片も見せない。スピード的な強さが感じられないのは、先行馬としてマズく、評価は厳しめになってしまう。もう少し速さのあるところを見せてくれないと。

 

ニシノフィアンス

 

中山1800mを新馬勝ち。逃げ切り勝ち。競り合って、ハナを奪うまでは標準的な速さだったが、先頭に立ってから13秒台を連発させてペースを極端に落とすことに成功。良馬場で4F通過51.2秒と超遅く、自身に有利なペースメイクは上手く行った。ただ、それ以外は平凡。5F目からペースを速め、ラスト1000mを60.3秒でまとめているが、超スロー戦からの持続性としてはかなり物足りない。60秒を切れないあたり普通の馬と言う感じ。比較的時計の出やすかった暮れの中山で1:51.5は超遅く、評価の対象とはならない。終いに伸びも欠いており、2着以下に詰められている。これを凌げたのも減量騎手の1k減が利いた感じで。全体的に強さを感じられることはない。2戦目の上積みが相当大きいとか、よほど展開が向かないと普通に厳しいことになる。

 

マイネルフランツ

 

1・3走目に中山2000mを走ったがいずれもトロヴァトーレ(DI記念へ)に完敗。2走ともトロヴァをマークして進むも、勝負処の手応えに差があり、完全に力で負けていた。重賞級とは力差を感じさせる。ただ、この3走目が葉牡丹賞で、今回2~5着馬が出走しているが、その中では2着だった本馬の内容が一番良かったと言える。3~5着馬はスローを2・3番手の一塊で併走していた展開利のあった先行馬。これらを中団から差し切った内容は3~5着馬よりも濃い。天敵トロヴァが不在なら、葉牡丹賞組では威張れる力関係である。走破時計も2歳GⅠと比較してそう悪くなく、これぐらい走れていれば京成杯で上位に来れても。なお、勝ち上がりを決めたのは2走目の府中2000mだったが、レース中3分の2ぐらは折り合いを欠いてかかっていた。それで押し切るのだから凄いと言えば、凄いこと。並みの馬よりは力がありそうである。中山なら折り合えるようだし、コース経験、適性もあるので、意外と軽視できない。積極的な推し材料まではないが、混戦になったり、マギれが生じたりすると、入着の余地があるように思う。

 

ロジルーラー

・使える脚が短い印象で決め手優秀と言う感じは受けない。

・福島の3~4コーナーでも追い通しでなんとかマクれたと言う感じで、機動力も弱いように感じる。

・クラスが上がって苦労しそうな印象の方が強い。

 

上記が札幌2歳S出走時のカルテ。

 

近2走は発馬よろしく、レースの流れに乗って、折り合いも付いている。レース中に気になるところはない。それだけに勝負処から勝ち負けに加われないレース振りは弱さの現れと受け取るしかない。札幌2歳Sでは中団の外目を追走したが、3~4角で動けずに終了。道中の位置取り=着順と言う内容で、雪崩れ込んだだけ。前走葉牡丹賞は内枠を生かしてインポケ3番手。普通なら絶好位で、展開も向いていた。が、抜け出せないまま、バテた逃げ馬を交わしただけ。近2走を見ると、道中の動きや立ち回りは良くても、後半に使う末脚が無い。この点は新馬戦の頃から変らないこの馬個性。良くて他馬と同程度の末脚で、終いに脚を伸ばした事はここまでない。これだけ決め手がないと重賞ではどうにもならない。もう控えて乗るのはNGだろう。発馬はいいのだから、先行馬として強さを磨いていく方が良いと思う。陣営の戦略次第。先行策や逃げをほのめかすようなら、その時に注意すれば良く、恵まれる要素でもあるなら印を回せばよいだろう。もし、これまでと同じ競馬をするなら厳しい結果になるだろう。

 

ロードヴェスパー

 

8月下旬に使われ始め、月イチ出走で10月の3走目に勝ち上がる。新潟・中山・府中の中距離を3走していて、5→3→1着と使われながら成績を上げてきた。特徴としては使える脚が短いこと。長く良い脚を使えるタイプではない。上がりが速くなりやすい新潟・府中のスローペースで34秒台しか使えない馬。末脚で勝負するタイプとは言えないと思う。2走目の中山2000mを見ると、インを器用に動けていて、3~4角の動きも上手い。現状はこういうコースを立ち回りで勝負する方が向いているように思われる。それでも3着と負けたように、決め手に良い処はない。追いだされてからの反応は良いが、グンと加速出来るのも一瞬。なので、あまり控えて乗らない方が良く、勝った時の様に直線早め先頭で叩き合いに持ち込む方が着は良くなる。そういう競馬が出来るなら印ぐらいは回しても。なお、430k台と馬体が小さく、成長の余地が大きい。3ケ月振りの1戦なので成長次第で上記の限りではなくなる。前走より強くなっている可能性もあるので注意が必要。

 

京成杯(GⅢ)の予想案はこちら▼

 

シンザン記念(GⅢ) 出走馬カルテ 2024【修正あり】

 

こんにちは。

 

フェアリーSほどではないですが、このシンザン記念も堅く収まらない重賞です。中京で行われた近3年分も含んでの事ですが、1番人気の入着は18年1着アーモンドアイが最後で現在5年連続圏外を継続中。また、7番人気以下の伏兵もこの10年で7度(2勝2着4回3着1回)と結構な割合で来ています。中波乱傾向のあるやや難重賞です。だから、馬連配当も結構つくんですよね。3桁配当は10年前と昨年の2年だけ。アーモンドアイが勝った時でさえ、2620円もついています。

 

伏兵で入着した7頭中、中京開催で来たのは3着に1度だけ。激走したのはほとんどが京都の時で、しかも全て連対していますから、京都に戻る今年からまた難度が高くなるのかもしれません。こちらの重賞も馬連要注意になります。

 

なお、中京開催だった近3年では毎年前走1400mの距離延長組が連対しましたが、京都で行われた14~20年の7年間では前走1400mからの入着馬はなく、16年3着シゲルノコギリザメが前走1200m(500万条件勝ち)から参戦していただけです。京都に戻る事で距離延長組の好走可能性が低くなるケースは考えられるでしょう。同距離組、距離短縮組を中心と考えて良いかもしれません。

 

シンザン記念は8日(月)に行われます。前日の7日(日)には更新を完了します。

 

予想案は各ページの最下部にある専用ページにまとめてあります。ブログカードを貼っておきますのでそちらをご覧ください。

 

▼文章が別馬のものになっていましたので、修正しています。

ケーブパール

 

京都1400mで新馬勝ち。新馬戦にしてはテン、ナカ速く、ペースが速い。序盤から出たなりの競馬をして後方追走だったこの馬に展開は向いていた。人気を背負った馬が先行して失速したところで追い込みが決まった。ペースは速いと言っても勝ち時計は標準よりやや遅いぐらいで、展開ハマりで勝った馬の評価を補填するような材料がない。2ケ月経過して次戦を済ませた馬は多いが、ほとんどが負けており、下位入線馬が砂で1頭勝ち上がっただけ。相手も恵まれた印象。なので、次戦の白菊賞で伸びを欠き負けている。スローの前残りした馬を交わせ無かったのはまだしも、さらに後方の馬に交わされてしまったのはいただけず、それなりの脚は使ったが末脚は際立たない。控える競馬で後半に脚を使う事には長けているようだが、レースなりな脚しか使えず、態勢を覆すような脚は使えていない。この馬以上の脚を使える馬は少なくないと思う。展開が味方にした上で、相手次第という感じ。特別な事情があれば考慮もするし、この中間に大きな成長でもあれば見直しもするが、それが無ければ強調する様な馬には感じなかった。

 

アルトゥーム

 

12月の中京1400mで新馬勝ち。3F36.6秒通過でマイル戦でもスローに入る遅い流れで勝ち時計も遅い。最後は上位2頭の物凄い死闘。ラスト3Fは11.9-11.2-10.9の猛烈な加速ラップ。ラスト1Fで10秒台のラップはほとんど見る事のないキレ味。3着以下とは快速と各駅ぐらいの見た目の違いで、突き放される一方だった。使った上がり33.4秒はインパクトのあるものではないが、ラスト2Fぐらいから見せたキレ味は極上だった。スロー展開だったので、タイトなペースの時にこのようなキレ味を発揮出来るかは分からないが、切れ味鋭い瞬発力は目を引いた。そういう展開になるなら面白い存在になる。レース中は中団で流れに乗れていたが、気合をつけながらと言う感じで前進気勢の強さは感じない。1F延長で苦労するようには思えない。ペースもマイル戦並みのものだったので、今回もレースの流れには普通に乗って来ると思う。さすがにこの新馬戦程のスローにはならないと思うので、ペースが上がった際に置かれずについて行くことや、脚を溜められるかが課題になる。

 

ウォーターリヒト

 

4走目の前走で勝ち上がり。全戦で2000mに出走している。2・3走目で4k減を器用して早期の勝ち上がりを目論んだようだがそれが裏目に出た感じ。幸騎手に変った途端にすぐ勝てた。3走目までは控えすぎて負けていたが、勝ち上がった前走はペースが緩んだ区間で位置取りを押し上げ、勝負処では逃げ馬に並びかけ抜け出し、叩き合いを凌いで勝利している。負けていた頃も直線で差を詰める末脚は使えていた。脚を余して負けていただけで、乗り方次第でもっと早く勝てていただろう。序盤に位置を取れるようなレースセンスはないが、流れに合わせて位置取りを調整出来る自在性があるのでレースの流れには乗れる馬。ただ、それも中距離での話。テンが速くなるマイル戦だとこの馬には忙しい印象。また、ここまでは前半より後半に時計がかかるレースが多く、消耗戦の経験ばかり。序盤のスピードがラストまで持続するマイル戦で末脚を繰り出せるだろうか?持ち時計も無いので速力不足の印象もある。マイルを走って良さが出るようにはちょっと思えない。

 

エコロブルーム

 

きさらぎ賞勝ちなどOP3勝のラーゴムの下になる。10月デビューで府中マイルを2戦して3・1着。初戦は重馬場、2走目はスローのため持ち時計に見るべき所はないが、軽く促して、追われることなく勝っており、本気で追えばもっと時計は詰められていたと思う。この勝ち方からまだまだ上がありそうな感じはするる。鞭も使わずに11.0-11.1で走った上がりも優秀。4馬身差で未勝利クラスでは力が全然違っていた。初戦も直線で進路が無く、追い出しが遅れた分負けたが、その際も瞬時に加速して前を追っており、GOサインが出てからの反応は抜群に速い。スタートも良く、先行ポジションを楽に取れるセンスも好印象。レースから受ける印象は総じて良い。相手次第で勝ち負けが期待出来そうな良い馬。京都までの輸送に問題が無ければ上位に顔を出して来そう。

 

キャプテンシー【除外】

 

GⅠ馬アドマイヤリードの2番仔。4戦目の前走で勝ちあがったが連対率100%を維持している。新馬戦は札幌1800mを使われ2番手で進めるも、1角手前から2角過ぎまで折り合いを欠いていた。13秒台の連続ラップに堪えかねていた感じ。手応え良く最終コーナーで逃げ馬に並びかけたが、4馬身と突き放されて力負け。このレースを見ると心身ともに中距離が長い印象。以降は1500m、1600mとマイル中心に使われていく。この距離だと他も速いので差しポジションで折り合える。負けても新馬戦程の着差はなく、接戦に持ち込めている。マイル適性があるのは確かだろう。ただ、前進気勢が強い割にスタートがもっさりしていて3走目はそれで負けた感じ。序盤から促して先行ポジションを獲る必要がある。先行しても終いの脚はしっかりと使える(全戦で上位上がりを記録)ので、先行ポジションをちゃんと取ることが重要そう。阪神マイルの前走の勝ち時計は優秀で翌週行われた朝日杯FSと全くの同タイム(1:33.8)。これを逃げて記録しているのだから大したものである。タイトなペースで逃げて、ラスト3F区間に10秒台まで加速したのはエラく、凄い。スピードを持続させる力と、瞬発力の両方を兼備する良い馬。まだ目を引くような圧倒的なパフォーマンスはないが、ポテンシャルは随所に感じられるので重賞に入ってもそこそこ通用しそうな印象は受ける。

 

シトラール

 

ルージュバック、ポタジェと言ったGⅠ級兄弟の下になる。6月の府中開催にルメール騎手鞍上でデビューしているようにノーザンF系の素質馬の扱いを受けている。2戦目までは1800mを使っていたが善戦止まりだった。いずれも直線の叩き合いに持ち込んでいるが、脚が上がるのはいつもこの馬の方。距離が長いようで最後は毎度甘くなる。よって、3走目の前走でマイルに短縮して勝ち上がっている。意外だったのはマイルで位置取りが良かったこと。中距離では中団待機だったが、この距離で先行策で走れたのは適性の高さか。最速上がりを記録した末脚は抜けて素晴らしいものではなかったが、まぁまぁのペースを先行して33.5秒なら悪くない。追い出しが遅れたというのもあり、2・3着馬も弱くなかったので圧勝までは出来ていないが、包まれていた際も持ったままで待機出来ていたし、余力は感じられ、鞭を抜かずに交わせたレース内容は悪くなかった。時計、着差やレースの見た目も地味だったが、まだ上がありそうな感じは残しており、マイル慣れすればパフォ向上の余地はありそう。抜けた評価までは出来ないが、候補には入れた方が良いと思われる。

 

ショーマンフリート

 

9月の中山マイルを新馬勝ち。速い馬が数頭いたことと、外枠だったことで位置取り争いで少し遅れて中団ぐらいになりそうと思えた。ここで画像から漏れたのでどのように動いたかが分からないのだが、次にこの馬が画像に映った際には2番手の馬に並びかけていた。どうやって来たの?という感じ。このワープからすると相当速い二の脚を持っている。2F目以降も速かったので逃げ馬と距離を取った3番手を追走。道中はモレイラ騎手の手綱はピクリとも動かない。自然とスピードに乗れる推進力ある走りは見た目にほも惚れ惚れする。勝負処からも持ったままで先頭に並びかけ、前の馬を交わす際に手綱を激しく動かしたが、鞭まで抜く事はなかった。坂を登ってからは手綱を押さえて流し気味の入線。2馬身半差で楽勝だった。しかも、ラスト2Fは11.6-10.9の加速ラップだから凄い。これだけ速いラップを楽に叩き出せるのだからスピード能力が段違いである。中間に少々緩んだが、テン、終いに10秒台を2度も含むレース。緩急の大きい展開にも対応出来ているのは良く、折り合い面は全く問題がないし、コントロール性もある証拠。新馬戦の内容からつける注文はない。坂を登る時に手綱を動かしていたのが気になったが、直線平坦の京都なら心配も無用。余力を残して勝っているので時計も詰まるはず。上位の一角だろう。

 

ゼルトザーム

・函ダ1000mを新馬勝ち。1000mをほぼ全力疾走したようなレースだったが追えばもっと伸びそうなところもあり、距離が伸びても大丈夫そう。

ヘニーヒューズ産駒なので芝を如何に効力するかが鍵になるのだろう。

函館2歳S勝ちは最終週の力のいる馬場がこの馬に向いており、重馬場だったコンディションもプラスだった。にも関わらず、芝のペースについて行けず置かれ気味。

・ダート戦で見せたような機動力もなく、全体的にスピードの乗りも悪い。厩舎の認識もダート馬で芝適性は見込めない。

 

上記が京王杯2歳S出走時のカルテ。

 

ブービー11着だった京王杯2歳Sを見ると高速馬場は全くダメ。スタートが良く、序盤こそ好位をとったがそのポジションをキープする事が出来ず、レースが進むにつれ番手は下がっていく。気合をつけてキープしようにもスピードに乗っていく感じがなかった。直線も同じようなもので入れらた鞭も虚しい。加速せずに、雪崩れ込んだだけ。函館2歳Sこそ勝ったが、洋芝の道悪がこの馬に向いただけで、厩舎評価もダートでこそ。浜中騎手も良馬場の芝は厳しいという見立て。その後に交流重賞を2戦したようにダートこそこの馬の適性。とは言え、兵庫GJP(1400m)が0.8秒差3着、全日本2歳優駿(1600m)が4.5秒差8着とタイム差を大きくして負けている。勝負処は良く動けていて、立ち回りは良いのだが、直線で伸びを欠く。この負け方は距離だろう。そもそもダ1000mをスピード負けせに勝ったような馬で根が短距離馬なのだと思う。1400mのレースを見ていると1200mぐらいが限界の様に感じる。今回は芝適性以前に距離適性の方が厳しく感じられる。

 

タイキヴァンクール

・1400mの近2走で2・1着と距離短縮してパフォーマンスを上げている。前進気勢のある馬なので1400mの方が向いているように思う。

・10月の復帰時に馬体を大幅に増やし、500kを超えた大型馬に。走りも力強くなり、脚も威力を増している。

・重馬場だった2走前と良馬場だった前走で走破時計がほとんど変らないのは気になる。パワータイプの道悪巧者かもしれない。

 

上記が朝日杯FS出走時のカルテ。

 

朝日杯FSが11着。外差し馬場をイン突きしたので伸びを欠いた感じ。手応え良く、直線を向けていて、勝負処までのレース運びは良かった。上位3頭とは力差を感じるが、外伸びした4着以下とはそう差は無く、タイム差もわずか。通ったコースが違えば着順も違っていた可能性はありそう。前進気勢の強い馬で1400mで走りが良いので、距離延長の重賞挑戦に懐疑的な所があったが、レースでは中団から後方とむしろ置かれていたぐらいで、折り合いを欠いたり、脚が溜められなかったりなどは無く良かった。この走りならマイルでもやれそうで、収穫のある1戦ではあった。GⅠから相手が弱まるなら好走の可能性は上がりそう。ただ、朝日杯FS自体が1勝馬の集まりだったので、相手関係はそう変わらないかもしれない。今回も強気になれるまでの材料はなく、他馬よりロスの無い立ち回りをしてレースを有利に進める必要はあると思う。押さえる価値のある馬とは思うが、主軸での狙いまでは立たない。なお、パワータイプの大型馬なので厩舎からは道悪希望の声が出ていた。天気・馬場次第で評価を調整すると面白いかもしれない。

 

タイセイレスポンス

 

札幌1800mでデビューするも、直線でばったりと止まってしまい、如何にも距離が長いという感じの負け方をしている。以降は距離を縮めて、近2走は1400mを連戦している。中距離の新馬戦でも折り合えていたし、距離短縮してからも走りはスムーズ。気性的な問題点は見られず。また、4走中3走が道悪で、良馬場のレースは前走が始めて。良馬場のタイトな展開にも楽に先行出来、時計もここで十分詰まっている。道悪での走りがとても力強いのでパワータイプの印象も、時計の速い持続戦でも特に問題はなかった。昇級した近2走で勝ち切れていないが、2走前はスロー競馬を出遅れて3着、前走は差し有利の展開で3番手追走で2着と、展開に逆行したレースを強いられており、中身は濃い。展開向けば好走のある馬だと思われる。見た感じ1400mという印象も受けないので1F延長が障害になるとは思えない。ただ、キレ味のあるタイプにも見えないので、決め手勝負になると厳しい印象も。早めの競馬をした際の残り目なら可能性があるかもしれない。

 

テイエムリステット

 

新馬戦で芝を使って全くだめで、砂で3・1着と言う成績。使われながら段々と動けるようになっている。追ってもまるで伸びなかった芝だが、前走の芝スタート部分で二の脚を使えていて、当時とは馬が変っている感じもする。だからもう一度芝を試そうとなったのかもしれない。その可能性にBETするのはリスキーだが、本質的な適性はまだわからないので走られてしまうこともあるのかも。ダート戦に限れば、2戦とも最速の脚を使えていて、重馬場だった2走目に36.4秒とかなり速い脚を使えていて、決め手はある。前走も着差は僅かで辛勝に映るが、狭い所で動けず、こじ開けて抜け出したものなので根性のあるところも見せている。出負け続きだったスタートも前走でまともな発馬が出来て来たので、この馬なりの進化は確認出来て、マイナスなイメージも徐々に減ってきた。今の状態なら新馬戦の様などんくさい競馬にはならないと思われる。消耗戦で強い体力型なので、時計の速い決着に対応出来るかが鍵。

 

デルシエロ

 

1400m~1800mと幅広い範囲で使われている。近2走の1400m戦を見ると、追走は忙しく、エンジン点火に時間を要していて、忙しい印象。また、2走目の1800m戦では手応えの割にグンと来るとこが無く、雪崩れ込んだだけになってしまい、距離が長かった印象。結局、新馬勝ちした1600mが一番フィットしている感じ。位置取りも、追っての反応もこの距離が一番良かった。その時の勝ち時計も良く、0.1秒差の接戦で降した2着馬も次戦で勝ち上がっている。この距離で走れば、1勝馬同士なら差のない走りが期待出来そう。ただ、確実に出遅れる馬でスタートは安定して悪い。抜けた存在ではないので、スタートのロスは小さくなく、同等の相手と走ればその分だけ隙になる。4着以下の無い成績でいつもそこそこ走れているが、出負けの分だけ落としているレースもあるので、積極的に買える馬ではない。また、400k台を何とかキープしている小柄な馬な上、使いすぎな印象。9月からの月イチ出走で今回で5走目になり、上がり目を期待するのは難しいかもしれない。

 

ナイトスラッガー

 

京都マイル2着→中京マイル1着。新馬戦では直線で前の馬がヨレて切り替えるロス、前走は包まれて抜け出しが遅れる不利と、先行馬なのに不利を受けやすい。それでいて2着時はタイム差無し、前走が3馬身半差の圧勝とパフォーマンスが良い。不利を受けても直ぐにトップスピードに速力を上げられる点が凄い。先行出来るセンスも良いし、折り合いにも難がない。また、操縦性は良く、勝負所からの動きも良い。競馬センスは総じて高い。時計も前走で大幅に詰め、及第点な勝ち時計。普通に良い馬で、減点材料、不安材料共になく、印象はかなり良い。自己条件なら勝ち負けだが、ここも相手次第だろう。2戦ともスムーズだったらより上の走りをしていたと思われ、もっと強い馬の可能性がある。強さを隠したまま挑戦してくるので不気味な存在。連闘で朝日杯FSに登録したが、自重してここに備えたのも好感。侮れない1頭。

 

ノボリショウリュウ

 

12月の阪神開催でデビューして1400mで新馬勝ち。2歳戦にしてはペースの速い流れを2番手追走。直線では手応え良く、逃げ馬を交わし、一旦は完全に抜け出している。本馬以外の先行馬は総崩れしており、差し・追い込みが2着以下を占めるなか、半馬身差で振り切っている。角田河騎手の1k減が最後に効いた感じもあるが、同斤でも2・3着は合った走りで悪くない。最後も大きく失速したわけではないので、持続性のあるところは見せたと思う。また、ハナ争いをしての結果でもあるのでモマれても力を発揮しそうな忍耐強さも感じられる。同距離のレースなら高い評価も可能なパフォーマンスだった。1Fの延長をどうこなすかと言う所になるが、このレース振りからはスピードの勝っているワンペース型に映るのでマイルへの適性は未知数。ハイペだったので折り合いに難しいところはなかったが、前進気勢の強さは見て取れる。この時よりは1秒半ぐらいスローになるのでそれでも平常心を保てればやれそうだが、その辺はやってみないと分からない。良い内容で勝ち上がってきているので怖いところはある。

 

ノーブルロジャー

 

府中マイルを新馬勝ち。一番良いスタートを決め、2番手を楽に追走。逃げ馬と最後までマッチレース。3着以下は4馬身差で2頭が抜けていたレース。ラスト2Fまで馬なりで、促しただけで10.7秒までキレている。良い瞬発力を持っているようだ。ただ、ペースも38.1-63.4秒と中距離戦でもドスローな部類に入る低レベル戦で、競り合っていた2着馬は次戦でタイム差を大きくして負けている。1:36.8の勝ち時計も遅く、見た目ほどの強さは発揮していない。ペースを踏まえれば33.3秒の末脚も物足りなく感じる。もう少し直線で脚を伸ばせても良かったように思う。重い印を回せるほどのパフォーマンスとは言えず、もう少し様子を見てからでないと地力の程は測れない。立ち回りは良く、本気で追っていれば時計は詰まっていただろうから、まだ上がありそうな感じもあるのだが、どうだろうか?

 

バレルターン

 

マイルを2戦して阪神で2着、京都で1着。走破時計はいずれも1:34.5だった。新馬戦は出遅れて、挽回しようと動かしていったらかかる。序盤に2Fぐらいはかかり通しだったよう。勝った前走も行きたがる素振りがあり、前進気勢は強い。新馬戦のハナ差負けは折り合いを欠いた分だと思われる。3着以下は4馬身と着差を大きくしいるので力そのものは上ではある。ただ、勝った前走も突き抜けは甘く、直線で末脚がグンと上がることはなく、走りはどこかワンペース。完全に抜け出していたところ2着馬に詰め寄られている。2戦を見ると、マイル向きの気性ではないように思われ、脚を溜めずに走っている印象。現状はスピード任せな競馬になっている。決め手のある馬の恰好の的になりそうな走りになってしまうように思う。地力は高そうだが現状は気性がネックとなりそう。

 

フェリーニ

 

新馬戦(京都1400)は1番人気の支持を受けたが振るわなかった。スタートを決めながらも好位をキープ出来ずに追い通し。重馬場で追走に苦労していた感じ。直線でも一瞬動けただけで後はズブズブ。道悪は全くダメなのだろう。良馬場の未勝利(京都1600)は逃げ切り勝ちしていて、行きっぷりからして全然違う。走りがまるで違うので馬場状況にはシビアな馬のよう。ただ、勝った前走についてはあまり良い内容とは言えない。2・3着した1・2番人気が意識しあって、5番人気だった本馬の逃げは甘く見られていたよう。36.1-61.2秒のペースで上がり34.9秒は物足りないもので、後半の加速が弱く勝ち時計も1:36.1と低調。これで突き抜けて3・4馬身でも差が開いていれば評価のしょうもあったが、一杯に粘り込んでの内容だと平凡にしか見えない。持続性が足りていないように感じる。また、、500kを越す大型馬だがどこかこじんまりとした走りでスケール感がない。見た目より小さく見えて印象は高くならない。

 

メイショウサチダケ

・発馬上手くスタートダッシュで1・2馬身抜けてしまい、そのまま逃げ切り。単騎でリズム良く行けたので、展開に恵まれていたのは否めない。

・先行力とか、立ち回りの上手さはあるが、勝ち時計が遅いので地力の程はまだ分からない。

・最後は流し気味で力を出し切らずに勝っているので、まだ上がありそうな感じもあるが、評価は難しくなってしまう。

 

上記がデイリー杯2歳S出走時のカルテ。

 

デイリー杯2歳S5着。3~5着馬は同タイム入線しており、アタマハナと3着までもう少しだった。3頭併せの逃げ争いを引いてイン3番手と控える形を一旦は取ったが、前を行く2頭が力不足で3F通過したぐらいでハナを奪っている。スローになりそうなところでこの馬が先手をとったので、ミドルな流れになり、この馬の走りがレースの中身を締まったものにした。勝ち馬ジャンタルマンタルにはあっさりとやられたが、それ以外は直線で振り切っていて、渋太く粘る。力を出し切っての走りでレース内容は悪くなかった。ただ、直線でグンと加速することはなく、ワンペースな走りになってしまった。決め手発揮とまではいかなかった。1400mを勝ち上がった馬だけに距離は1F長い印象も。勝ったジャンタルとの力差は明白であり、このクラスが相手になると、マイルで勝負するのは厳しい印象。条件戦ならこなせても、重賞だと地力勝負でちょっとキツイかも。展開に恵まれたい。

 

ラーンザロープス

 

札幌1500mを2戦して2・1着で勝ちが立っている。初戦は立ち回り良く、スムーズな競馬で好走したが2走目から折り合いの難しいところを見せた。逃げ馬のすぐ後ろにつけたところで首を上げて反抗し、そのまま1Fぐらいは折り合いを欠いて追走。これで良く勝てたという感じ。3走目の中山のサフラン賞でもレース序盤に危なっかしい面を見せたので、鞍上は控えて後方ポツンしている。段々と乗り難しい馬になってきた印象。それでも、それなりの脚は繰り出していて、この2走で最速上がりを記録している。気性の不安だけで軽視のデキない力を秘めている。サフラン賞は位置取りが極端になり過ぎたので負けたが0.3秒差には詰めていて、位置取りが少しでも改善されれば入着してくるのかも。鞍上がどう乗るかにかかっている。ここまでの全戦で横山典騎手が騎乗しているが、前走を見るともう教育モードになっているので、今回も勝ちを意識した競馬はしてこないかもしれない。馬の気分に任せて乗って、終いの脚を引き出すしか今は出来ないのではないかと思われる。前走から3ケ月経つので気性面が改善されているといいのだが。なお、消耗戦で脚が使える馬なので持久戦になれば強味が発揮されるが、持ち時計がなく、速い上がりを使った事がないので、スロー戦でどういう脚を見せるかは未知数である。

 

シンザン記念(GⅢ)の予想案はこちら▼

フェアリーステークス(GⅢ) 出走馬カルテ 2024

 

こんにちは。



昨年優勝したキタウイングは11番人気でした。二桁人気の入着はこれが6年ぶりだったのですが、フェアリーSとはもともとこういう重賞でして、12年~17年間の6年間は毎年二桁人気が1・2着になっていました。私も忘れていましたが、昨年こそがこのレースの本当の姿なのでしょう。

 

しかも、来たら必ず2着以上なのですから堪ったものではありません。かつ、1番人気もこの10年で2勝2着1回とほとんど走れていませんので、波乱傾向超高め。こんなレース、もうワイドでしか買えません。ただ、ワイド万馬券も夢ではないのがこのレース。緩い馬券でも配当妙味はたっぷりです。

 

フェアリーSは7日(日)に行われます。前日の6日(土)には更新を完了します。

 

予想案は各ページの最下部にある専用ページにまとめてあります。ブログカードを貼っておきますのでそちらをご覧ください。

 

イフェイオン

 

京都マイルを2戦して3・1着。初戦は行きっぷりが悪く、中団11番手からの競馬となって差し損ねる。とは言え、スロー展開で2・3番手の馬が1・2着した前残りの競馬で直線短い内回りを良く差して来たと思う。追ってからの反応は良く、良い脚を使えていた。中3週の2戦目では物足りなかった行きっぷりは良くなっていて、5番手の外目を追走。前進気勢が強くなっていたのは気になったが、持ったままで外から先頭に並びかけるほど余裕のある追走が出来ていた。直線の追い比べも楽に制して、2馬身差完勝。レース振りは悪くない。2戦とも最速上がりを使っているが、新馬戦が34.2秒、未勝利が34.3秒。前目の位置取りから同等の上がりを使えたのは良く、位置取りに左右されない末脚は頼もしい。新馬戦では狭い所を起用に走れていたし、馬群に怯む事も無く、追っての反応も良いので現状は気になる点がほとんどない。1:33.3の勝ち時計も優秀。上のクラスでも通用する素材の様に思われる。

 

エリカリーシャン

新馬を逃げ切り勝ちしているが、後続の人気馬にアクシデントがあり、勝負所でのマークが薄くなっていたように思われ、フロック視したい。

・1000mを62.2秒のマイぺ逃げからまとめた上がりはり34.9秒と物足りない。追って味が無い印象。

・気性面に悪いところはなさそうだったが、前進気勢は弱く感じ、マイルは忙しいかもしれない。

 

上記がアルテミスS出走時のカルテ。

 

アルテミスS7着。新馬戦を逃げ切り勝ちした馬だが、この時は出遅れて最後方。道中でリカバーすることもなく、脚を溜めて直線勝負に徹した。一応3位上がりを記録したが、スパっとした脚にはならず、バテた馬を交わしただけの入線。脚を溜めていた割に末脚も平凡。新馬戦の上がりも物足りなかったし、レース後半に速い脚を繰り出せるタイプではない模様。こういう馬に府中コースはきつかったかもしれない。新潟の新馬戦も後続のアクシデントに助けられたところがあり、本来は直線の長いコースに向いていないのではなかろうか?新馬戦ではスタート良く飛び出していたので、そう言う競馬が出来れば中山替わりがプラスに働く事があっていいかも。ただ、名門国枝厩舎の中での評価はかなり低く、あまり見込む必要はないのかもしれない。

 

カイトグート【回避】

 

自分の力だけはしっかりと走る馬で、それ以上がない。2・3走目に中山2000mを走っているが、走破時計は2:01.3と全く同じ。2走目が3着、3走目が6着と着を落としているのは相手関係によるもの。また、2~4走目の上がりが35.4秒、35.3秒、35.3秒とほぼ均一。4走目は中山の1800mで、2・3走目の2000m戦よりペースが1秒近くも遅く、かつ1F短縮された距離で追走中の余力は2・3走目よりあったはずだが、それでも同じような上がりしか使えていない。それ以上の脚を使う事ができないのだろう。画一的な末脚しか持っていない。その4走目で勝ち上がっているのだが、手応え抜群で抜け出してセーフティリードを取りながら伸びを欠き、クビ差まで詰められている。楽勝モードから辛勝になってしまったのもそれ以上の脚を使えないからに他ならない。時計や上がりの数字面で客観的評価が可能な馬である。その数字からすると、突出した記録もないので、重賞級の地力を感じる事は出来ない。発馬の上手い先行馬なので前々で運んでどこまで粘れるかと言う所だが、使える脚は同じだし、入着の可能性は相手関係や展開による。なお、距離のマイルは恐らくベスト距離。最下位に負けた新馬戦が新潟の1400mで、ここでは発馬良く、中団で流れには乗れていた。2000mで勝ち上がれず、1F短縮して勝利したように本質的には中距離は長く、マイルぐらいが走り頃だと思われる。距離短縮で良さが出る可能性はあるのかも。

 

カレンナオトメ

・雑な立ち回りで行くとこ、行くとこで不利があったが、それだけに良く動けていた。操縦性は高い。機動力も自在性あるので、レースの幅は広そう。

・終いの脚はしっかりとしていて末脚には良い所がある。

 

上記が函館2歳S出走時のカルテ。

 

2走目に未勝利のまま函館2歳Sにチャレンジして5着。後方から良い脚使って良い所を見せた。機動力のある走りで、良い印象を残した。これなら勝ち上がるのも時間の問題と思われたが、月イチ出走で走り続けて初勝利は11月までずれ込んでいた。6走目の勝ち上がり。負け続けていた時も良く動けていて上位には良く顔を出し、掲示板下の成績はない。近走では中団ぐらいで溜められるようになっていて末脚は毎度確実に使ってくる。基本的に良く動けていて、立ち回りはいつも上手だった。函館2歳S以降に1500m、1600mと距離を伸ばしたが、好走止まり。マイル付近の距離だと決め手が甘くなっている印象で、前走で1400mに短縮し、ようやく差し切れた。この戦績を見るとマイルよりも短い距離の方が決め手を発揮出来るのかもしれない。マイル戦だと大事に乗り過ぎているところがあり、それで差し損ねていた感じ。距離適性を意識して立ち回りが消極的になっていたのかもしれない。中山マイルは走り慣れており、今回も器用に乗って来るとは思うが、1F延長がプラスにはならないかもしれない。そこそこ来たとしても、届かないシーンは十分考えられる。展開の助けは欲しい。

 

キャットファイト

・3戦全戦でペースの流れた内容でそこで使っている末脚も良く、スピード勝負で強い。2連勝の内容も中身が濃く、評価を高く出来る。

・ただ、スピードが勝っている印象で、レースの序盤に必ず行きたがり前進気勢は強いよう。この辺が改善されればもっと攻めたレースも出来ると思う。

・チェルヴィニア、ボンドガール、コラソンビートらが競った新馬戦の6着馬だが、これらと比較して末脚はジワジワしており、このクラスになると瞬発力に差を感じる。

 

上記が阪神JF出走時のカルテ。

 

阪神JF10着。一番良いスタートを決めたのでそのまま行くのかと思ったが、外から速い馬が次々やってきて、あっという間に飲み込まれ、ちょっと控えたすきに中団10番手。スピードが勝っているので、瞬発力勝負や末脚で挽回するタイプではなく、この乗り方だと致命的。直線ではほとんど加速出来ず、前も交わせず、後続にも交わされていいところが全くないまま終了となる。アスター賞を凄いレコードで勝っているのだから、レコード決着した阪神JFは向いていたはずだったのに。行きたがっているので押さえたところもあるが、これも毎度の事で序盤はいつもこんな感じで、あそこまで押さえる必要があったのだろうか?良いペースの流れだったのでそのまま馬まかせに行かせた方が折り合えたように思う。いずれにしても乗り方がお粗末。力を出さずに負けているので、レコードの反動もないだろうから見直さないといけない。ちなみに、大野騎手はこれでクビになっている。もう前走のようなことは起きないだろう。今回は坂井瑠騎手が騎乗。同じゴドルフィンのレモンポップの主戦を器用して来たあたりに、馬主側の気持ちが斟酌出来、阪神JFでの悔しさが良く伝わって来る。アスター賞勝ちの舞台で鬱憤を晴らしたいのだと思われる。

 

キャプテンネキ

・スピードが勝っている印象で、2戦とも同じ立ち回りでレース振りに奥がない。

・1400m2連勝の馬だけにワンペースな走り。マイルに伸びて良い感じはしない。

・タフな競馬で強さを発揮している点は評価して良いと思う。スピードを持続させる能力は標準以上。

 

上記がファンタジーS出走時のカルテ。

 

ファンタジーS6着。2戦2勝だった時は2番手の競馬が出来ていたが、それまで経験のないハイペースで前には行けず、6番手から。直線に入る頃には前との差は大きくなっていて、それまで持ったままで上がって来れた勝負処で手が激しく動いていた。レコードまで0.1秒差に迫ったハイレベル戦に対応出来なかった印象。タフな競馬で強味があるので最後も詰めて来れたが、位置取りが後ろ過ぎた感じ。無理して前で運んでいれば1つ2つ上の着順には頑張れていたかもしれない。このペースでもバテてはいないので、持久力、持続力は良いものがある。反面、直線での加速がないのもこれまで通りで、走りはワンペース。末脚に優位性が無いので差しポジションでの競馬は避けるべき。前で運んで粘れればというところ。あとは1Fの延長がどう出るか?距離を誤魔化せる中山マイルなら、叩き合いに持ち込めればあるいわ。

 

ジークルーネ

 

悲運の名馬スキルヴィングの下になる。ただ、妹は短距離戦でデビューした。府中の1400mを新馬勝ち。発馬良く、先行集団の一角。徐々に引いて4番手で直線を向いてきた。道中は前進気勢が強めに出てた印象で、前進気勢の無かった兄とは大違い。それでも手応え良く最終コーナーを回ってきて、追い出してからの加速も良い。逃げ馬が11.3-11.3の失速無しで突き放しており、これを交わすのに手間取ったが、鞭が入ってから力強く伸びて差し切っている。ペースはマイル戦でもスローに入るようなもので、このペースで折り合えていたらマイルの流れでも大丈夫だろう。フェアリーSではこれよりも速い展開になるだろうから、むしろレースはしやすくなる。ただ、レースの内容としては平凡で、積極的な評価までするのは難しい。また、力んで走っている感じが強いのでもう少しリラックスして走らないと脚は溜まらないから、距離延長が良いとも限らない。兄の活躍から身体的にはこなすと思うが、精神的に対応出来るかはまだ分からない。前走がガス抜きとなり、リラックスして追走出来ると良いと思う。なお、新馬戦で手綱を取ったルメール騎手はこの馬に拘らなかった模様。今回はアルテミスS3着の↓に騎乗予定。

 

ティールブルー

・追い出してからの反応は申し分なく、スッと加速し、5馬身以上は合った差を簡単に詰める。結構なキレもの。32.9秒の上がり最速で2馬身半も突き抜けてしまう。

・気難しい面もなく、折り合いスムーズ。発馬も上手く、レースの流れに乗って追走面にも問題は見られなかった。

・時計は物足りないが、ペースが遅かったのでしょうがない。走りに余裕があったので時計は普通に詰まると思う。

 

上記がアルテミスS出走時のカルテ。

 

アルテミスS3着。スタートから促して出していき、3番手の積極策。新潟の新馬戦では出たなりで中団に控えていたが、先行策を採っても馬に異変は見られず、スムーズな競馬が出来たのは良い。デビュー数戦で自在性を見せる馬の気性や操縦性は大体高く、良い馬の証拠。直線に向いて早々に先頭に立った形だが、持ったままで動けていたし、追ってからの反応はあいかわらず良く、レース振りの印象は良い。こういう競馬で目標になり、1・2着馬の決め手に屈したが、勝ち馬の能力は抜けているし、3着馬も暮れのGⅠ4着馬なので悲観する必要がない。控えれば決め手のある末脚も使えるので、乗り方が違えば結果も少しは違っていただろう。新潟、府中と似たようなコース形状のレースを2走しただけなので、中山のトリッキーマイルをどう乗りこなすかが課題だが、自在性を証明したコントロール性の高い馬なので、上手く対応するに違いない。右回りが余程ダメとかでない限り、有力視する必要があるだろう。

 

ティンク

 

7月の福島で1800mを2戦して2・1着。間を空けて9月中山の芙蓉S(2000m)を4着とここまでは中距離馬の戦績。いずれのレースもスロー競馬を前残りしているだけでこれといった強味は見えない。また、ペースが遅いわりに、脚が溜まっているという事も無く、勝負処での手応えもそれほど良くなく、グーンと進出するような機動力は見られない。持続性が弱いからか直線での余力はいつもなく、加速して前を捕まえに行く動きが弱い。突き抜けは甘く、いつも叩き合いの末の結果で勝つか負けるかは相手次第。勝った時も辛勝で、負けた時はいつも決め手負け。常に上位に来ているが、相手なりにしか走れていないのが現状。このまま昇級しても力差はどんどん露になるのではないかと思う。前走でマイルを使っているが距離適性の問題ではなく、ひとえに地力の弱さに根本的な原因がある。ので、レースの流れには乗れていたが相変わらず直線で脚を使えないし、加速する他馬に比べて速力が上がらないため着を落としながら雪崩れ込むしか出来なかった。結局、ラストに速い脚を使えないから、直線で如何にリードを確保出来るかにかかっていて、それで後続を凌ぐしか現状は手がない。だが、マイルだと周りの馬も速いのでこの馬の先行力ではそのような理想的な競馬そのものが困難でもある。馬に劇的な変化でもあれば考慮するのだが。今は自己条件の中距離を地道に使っていくべきだと思う。

 

テリオスサラ

 

2000mから使われ始め、1Fづつ短縮しながら3戦している。3・1・2着と全戦で好走しているのでどの距離が一番良いというのは言い難いが、スローの決め手勝負の展開よりも、タイトな流れの持続戦や時計勝負で強いというのは言えると思う。超スロー戦で上がりの競馬になった際は末脚が際立たず、他馬と脚色が同じになってしまい、前の馬との差を埋められなかった。2・3戦目では59秒台のまぁまぁ速い持続戦で展開したが、先行して叩き合いの末勝ちを納めたり、後のGⅠ2着馬に粘着し独走を許さなかった。タイトな持続戦で強味が発揮されており、実に渋太い先行馬。距離を問わずにこの個性を発揮しているのも好感の持てるところ。中山マイルなら決め手勝負になる度合は少ないし、この馬の良さを発揮しやすい条件だと思われる。極端なスロー戦になればわからないが、例年ぐらいのペースで流れれば残り目は注意した方がいい。

 

ニシノコイゴコロ【回避】シンザン記念

 

3戦目に勝ち上がり、ここまで5戦している。末脚をしっかりと使える馬で、上がりのかかる消耗戦でも、スロー展開から高速上がりが求められるレースでも良い脚を引き出せる。展開に左右されない末脚性能は良い。が、二の脚が弱いので序盤に確実に置かれてしまう。馬体の完成度によるものだと思うが、序盤から踏み出していく事が出来ない。成長が伴って来れば解消するだろうが、急成長でもない限り、この状況はしばらく続くと思われる。昇級してからはこれが原因で負けている。2走前は出遅れた分だけ脚が尽きるのが早く、前で楽していた馬の余力に敵わなかった。前走は1枠でラチ添いの進路を他馬に奪われていたので大外回しの競馬になって流れに乗り切れず。直線長いコースだと末脚勝負である程度挽回出来るが、前走のように中山コースだとそうもいかない。この週にジュニアC・フェアリーSシンザン記念と同時登録しているが、牡馬相手でも直線勝負で対応出来る京都のシンザン記念の方がより良いと思う。ただ、どのレースに出てきたとしても、好位が取れない現状で重賞は少々厳しい。いくら末脚が良くてもよほどハマッてくれないと。

 

ニシノティアモ

 

新潟マイル3着、府中マイル1着と言う成績。新馬戦は直線で進路を失くし、追い出しが遅れた分の負けで、前走は順当勝ち。発馬良く、好位を取れて序盤の立ち回りは安定して上手い。まだぎこちない走りをしているが、スムーズに流れに乗れて折り合いはスムーズ。末脚もしっかりと使えていて、追っての反応も悪くない。ただ、持ち時計があるとは言えず、前走の勝ち時計1:35.0はちょっと物足りない。特別目立つ部分もないので、標準的な印象で評価材料に乏しい。未勝利なら力は上だが、昇級初戦の重賞だと強気に推せる材料は見つけられなかった。悪くない馬だとは思うが。馬体は430kと小柄なので成長の余地が大きいのではないかと思うが。どこまで変ってこれるか?

 

マスクオールウィン

 

伝説の新馬戦の4着馬。好発馬を決めて、チェルヴィニアの後ろ、ボンドガールの前に位置する2番手で追走。直線入り口ではチェルヴィニアに並びかけ、ラスト1Fまでは接戦の様相も、そこから突き放され、遅れて仕掛けたボンドにもあっさり。最後はコラソンビートに差されて。地力の問われる展開で重賞級と力差を感じさせた。とは言え、この馬の走りも十分評価できるレベル。前走で2勝目を上げているように並みの馬よりは力がある。ただ、マイルを走ったのはこれっきり。その後1200mを中心に短距離を使われ、この距離で2勝している。1400mもダリア賞で走ったが再びコラソンの決め手に屈して3着。現状はスピード任せに運んで競り落とす競馬が向いている。1200mでもスムーズに先行出来る速力があるので、短距離に好走が集中している感じ。落としているレースを見ると差しに回ると良くないようで、叩き合っても交わせないシーンが目立つ。ワンペースに走って、直線で先頭に並びかけるぐらい強気に運んだほうが良さそう。決め手勝負になると強気になれない。1400m以下だと3着以下の無い成績なので、速力を生かせる短距離の方が向いている感じは強い。今回は新馬戦程相手が強くないので、その時ぐらいの走りが出来ればマイルでもやれるのかもしれないが、適性が高いとは思えない。

 

メイショウヨゾラ

 

府中マイルでデビューして5着。相手も強かった印象だが、ラチ添いで進路が取れず、ラスト1Fしか追えていないので、脚を余して負けている。追い出してからは切れ味鋭く前を追ったが間に合わなかった。だからだと思うが、次戦1800mではスタンド前でハナに立ち、そのまま逃げ切った。レースでの立ち回りは上手で、スムーズに先行出来るセンスの高い馬。終いもシッカリとしているので、自分の力は出し切れる。勝ち上がった前走はペースの割にラスト1Fの失速が大きく、完全に抜け出しながら、2着馬に詰められている。この失速を見ると、1F長かったかもしれない。マイルの新馬戦では加速ラップの速い上がりに対応出来ていたので、この距離で走る事はこの馬にプラスに働きそう。キレすぎる必要のない中山も良いのではないか?

 

メジャーデビュー

 

5走目の前走で勝ち上がる。ラスト1Fに1.4秒も失速して先頭の馬が逆噴射中だったこと、鞍上が追えるマーカンド騎手だったことで差し切れたが、本来はラストに加速出来る馬ではない。4走目まで減量騎手を器用していたが、前との差は大きくなる一方で斤量差だけでどうにかなる馬ではなく、常に着差を大きくして負けていた。とにかく追い比べで良いところがない。ダ1000mから使い出したような馬で根本的に速力不足で、距離も長い。2・3走目で芝を使ったが、追走が忙しくなっていて、速いラップを刻めない。ダ戦よりレース内容が悪い。好走パターンの様なものもなく、一生懸命走って、少しでも着を上げるしかないと言うタイプ。条件戦でも直ぐ勝ち上がるのは難しいと思う。芝のマイル重賞にどうして出ようと思ったのだろうか?

 

ラヴスコール

・好発進から先行態勢と序盤の立ち回りは合格点。

・後半は持ったままで勝負所まで進出していて力強い。

・GOサインから一気に弾けた反応は良い。洋芝戦では珍しい加速ラップを最速上がりで差し切っているのも印象を良くする。

 

上記がアルテミスS出走時のカルテ。

 

アルテミスS6着。出負けしたので後方2番手で追走し、そのまま直線まで動かさず、直線勝負でキレ負けたという内容。新馬戦では序盤に行きたがる素振りを見せていたので、後方追走とは言え、距離延長で折り合えた点は良かっただろう。反面、使った末脚はこのメンバーでは物足りない。良い反応を見せて、直線もしっかりと伸びていたが高速馬場で素質馬相手にはキレが足りない感じ。札幌の洋芝で加速ラップを踏める馬なので、末脚自体はシッカリとしているが、上がりが速くなりすぎると末脚が際立たない気がする。上がりがかかる中山マイルの方が良さが出るように感じる。相手も強く、コース適性で負けた感も強いので、見直せる余地が結構ある馬。軽視はしづらい。

 

フェアリーS(GⅢ)の予想案はこちら▼