競走馬カルテ

2・3歳重賞の出走馬を分析・記録していくブログです。

フィリーズレビュー(GⅡ) 出走馬カルテ 2024

 

こんにちは。

 

本番よりもこちらで勝負。トライアルあるあるですね。フィリーズrvはこの傾向が最も強いレースだと思います。今年も京王杯2歳S勝ちコラソンビート、ファンタジーSの1~3着馬など1400m重賞の好走馬がフィリーズrvに多く登録して来ます。阪神JFの負け方からコラソン辺りは、本番度外視とまで考えていないと思いますが、ファンタジーSの1~3着馬はこちらの方で勝負しそうな感じは強そうですね。

 

昨年は外差し決着のレースでしたが、例年の傾向は内差しが決まりやすいものであり、3枠と4枠が毎年セットで馬券になっていました。それ以外も1・2枠の好走があり、基本的には内枠有利な傾向です。馬群の中をタイトに周って来れる馬が良さそうです。極端な力差があれば別ですが、そうでなければ内枠の馬を優先的にチョイスしていくのが良いと思います。

 

じゃぁ、なぜ昨年は外差し決着になったかと言うと、理由は簡単です。内枠の馬が純粋に弱かったからと考えて良いでしょう。1~4枠の馬の人気は、3・5・8・10・14・16・15・17番人気となっていて、その結果も5・8・9・12・14・15・17・18着となっていました。この通り、下位人気の馬が下位を独占しています。いくら良い枠を引いても、弱い馬では好走するのは難しいですからね。程々の人気馬が内枠に入った場合は信用して良いと思います。

 

 

フィリーズrv(GⅡ)は10日(日)に行われます。更新は前日の9日(土)に完了します。

 

予想案は各ページの最下部にある専用ページにまとめてあります。ブログカードを貼っておきますのでそちらをご覧ください。


エトヴプレ

 

1200mを5戦していて、この路線の安定勢力。当初はスピード任せの競馬で差されて2着を続けたが、ペースに合わせた位置取りで競馬をするようになってから未勝利・OPを連勝。控える競馬も板について来た感じで、勝負争いには必ず加わってくる。ただ、結局のところ走りがワンペースであるため、末脚が際立たない。勝ち上がりに3戦を要したのも、末脚で劣っていたからであり、OP勝ちの2走前も消耗戦でなんとかハナだけ間に合ったという接戦、前走の4着にいたっては展開がハマっていながら差しが届かなかった。直線でグンと加速する感じがないのでOPで圧勝のシーンは想定しづらい。現状は消耗戦の我慢比べを根性で差して来る感じ。なので距離が伸びる1400mぐらいが走り頃かもしれない。テンのスピードはあるので、好位を取って粘り込めれば可能性はありそう。瞬発力はないが、一定のスピードを持続させる力はあるので、距離延長は新味を期待出来る条件だと思う。

 

オアシスドール

 

京都のダ1400mを2戦して2・1着。初戦はスピードに乗り切れない感じで、失速率が大きくそれでで2着に浮上した感じで物足りなかった。1度使ったことで素軽くなり、2走目ではハナに立ち逃げ切ったが、それでも速力不足な印象で、ペースの割に後半の伸びが無い。持ち時計も弱く平凡。速いラップを刻んだりすることが出来ず、スピードを持続させる力が弱いように見受ける。芝スタートでダッシュはついていたが、2F目以降も速さを持続させていけるかは疑問で、芝戦で大きく変わるようには思えない。迫力不足な印象が強い。なお、1つ上の兄はダートばかり使われ14戦1勝でまだ1勝クラスを勝ち上がれていない。

 

オメガウインク

 

ここまで5戦2勝。関東馬なのでで中山・府中だけという戦績。中山もよりも府中の方が走りの質が良い。府中で未勝利を勝ち上がり、2勝目も府中の春菜賞。間に赤松賞を走っているが3着とそこそこに走り、GⅠ2着ステレンポッシュと同タイムで最速上がりを記録しており、つまり位置取りの差で負けただけと言うこと。府中3戦の走りは安定して良い。方や中山では、逃げて差されて、差して届かずともどかしい。この違いはんんだろうか?右回りがダメと言う可能性もあるが、コース形態による違いとも取れる。追い出してから直ぐにビュンと切れないので、中山の新馬戦では瞬発力のある馬に一瞬で交わされているし、差して届かなかった菜の花賞はエンジンに火がついた頃には先頭はゴール前と言う感じで詰め切れない。府中でもジワジワ加速していたので、長い直線の方がこの馬の末脚をよりよく引き出せるのではないか?と思う。まだ右回りがダメと言う可能性も捨てきれないが、だったら右回りのフィリーズrvなんか使わず、1週待ってファルコンSを使うと思うので、深刻的な問題ではないのだと思う。だとすると、広々としたコースがこの馬の良さを引き出すきっかけになっているので、阪神内回りは条件的にどうなんだろうか?レース振りは特に問題点がなく、鞍上の指示通りに動けていて、馬群を捌ける器用さもある。デビュー前から厩舎の評価も良く、素材は良い。ただ、時計面で突出していたり、飛び抜けたパフォーマンスを発揮している訳ではないので、重い印を付けるまでの根拠には乏しい。△ぐらいは必要そうだが、それも相手次第という感じと、輸送をこなせればというところ。

 

カルチャーデイ

・追い出してからの反応がとても良く、一気に加速して前を捉える。瞬発的なスピードがあり、短距離でも決め手を発揮出来る。

・二の脚が良く、新馬戦の時から序盤の立ち回りが上手い。先行ポジションに楽に収まっている。先行センスが高い。

新馬戦もファンタジーSもタフな流れで差しきったり抜け出したりしているので、短距離馬としては体力のある馬で持久性がある。

ファンタジーS優勝はハイパフォーマンス。先行馬に苦しい消耗戦を前受けしていったんは完全に抜け出している。ここでも終いの反応は素晴らしかった。

 

上記が阪神JF出走時のカルテ。

 

阪神JF16着。自分の競馬に徹しての結果。2番手でレースを進め、ラスト100mぐらいまでは渋太く粘っていたが、坂の途中でパタリと止まってこの着まで一気に下がる。マイルが長かったのかもしれないし、坂がダメだったのかもしれない。また、序盤に折り合いを欠いている。マイル戦では速い流れであったが、それでもこの馬のリズムではなかった模様。気性的にもマイルでは長いという事だろう。こういう内容なのでトライアルは当然こちらになる。本番で巻き返せる余地は感じられなかったので、1400mのフィリーズrvを勝ちに来たのだろう。ただ、前走時に厩舎から阪神の坂を気にしていた話が出ており、平坦の方が良い可能性もある。ファンタジーS勝ちがハイパフォーマンスだったのでこの距離ならと言うのはあるが、平坦京都と阪神の坂コースとの違いが今回はあり、ファンタジーSと同様には扱えないかもしれない。また、ファンタジーSで負かした2・3着馬も阪神JFでは通用はしなかったが、距離が長いなりに健闘しており、タイム差僅かで接戦していることを思うと、勝ち馬だったこの馬だけがちょっとだらしない。この2・3着馬が阪神をこなしている事を鑑みると、ファンタジーSでつけた0.1秒差は無いに等しいかもしれない。

 

キャンシーエンゼル

・34.2-56.7のペースを2番手から押し切った新馬戦のスピード能力は優秀だと思う。失速率も小さく留めて、上がり2位で後続に差をつめさせなかった。

・小倉2歳S3着の内容からもスピードを持続させる能力は保証できる。

・スタートセンスも良く、前進気勢も程よい感じで、立ち回りに問題点は見られない。

・厩舎からはスピードがありすぎると評価されていて、スピード色が強い。1Fの延長は手放しで歓迎出来ない。

 

上記がファンタジーS出走時のカルテ。

 

新馬勝ち、小倉2歳S3着と1200m戦で良いパフォーマンスを見せたが、1400mに延長した近2走は良いところがない。距離延長に際し、それまで先行策だった脚質を中団待機に変えている。距離延長しても折り合いを欠くことなく、控える競馬も出来ていたが、肝心の末脚が発揮されない。激流だったファンタジーSは全くの無反応で16着に。前走の春菜賞はペースが1秒半ぐらい遅くなったので楽に追走出来て、その分末脚も余っていたが、直線で差を拡げられてしまいまたしても末脚不発の3着同着。控える競馬で結果が出ていないので末脚で勝負する馬ではないのかもしれないが、1400mを攻略出来ているとは言い難い。厩舎曰く、スピードがあり過ぎると評価されている馬なので1200mをスピード任せに走らせた方がいいように感じる。ただ、1400mで先行策を試した際に近2走とは違う走りを見せる可能性はある。近2走は直線長いコースであったが、阪神内回りなら直線も短く、先行して一脚使えれば粘り込めたりするのかも。積極的には推せないが、以前の脚質に戻した際に可能性が僅かに残っている。

 

ラソンビート

・2勝目のダリア賞、3勝目の京王杯2歳Sの勝ち時計は過去10年でいずれも最速。中段追走で大外からまとめて差し切っており、決め手優秀。

・ここまでの4戦全てが優秀な走破時計で、速い流れでもしっかりとした脚を使える末脚は評価が高い。行って良し、差してよしと競馬振りは自在。

・マイルでも十分強い内容だったが、1400mでもパフォーマンスは落ちなかった。しっかりと動けていて、立ち回りに不安な点がない

・折り合い良く、鞍上のGOサインを待てる。操縦性も良く、自在性がある。逃げ切り勝ちの経験もあり、極端な後方待機以外はどんなレースでも出来そう。

 

上記が阪神JF出走時のカルテ。

 

阪神JFは3着。結果的にアスコリピチェーノも、ステレンボッシュもコラソンの内を掬っているので、横山武騎手は外を回り過ぎた。道中も積極的でちょっと強気に乗り過ぎてしまったかもしれない。北村宏騎手、ルメール騎手と言ったベテラン騎手に若手の有望株が遊ばれてしまったようにも見える。また、5枠の馬が3・4枠の馬に経済コースを取られて負けたとも取れるので、枠が違えばまた違った乗り方も出来ていただろう。目に見える敗因は結構あるが、それでいて0.2秒差なのだからこの馬も世代のトップクラスに数えて大丈夫。力差は軽微としておきたいところだが・・・。

 

関係者の間ではやっぱり1400mがベストだろうというのが共通の見解としてあって、ベストパフォ―マンスを期待するには1F長かった。フィリーズrv出走の選択は当然で、本番を見据えたとしても通過点にしたいところ。阪神JF組ではレース内容から2・3枚抜けた相手関係。普通に考えれば未対戦馬との力関係だけだが、賞金持ちの叩き台になるなら、隙が生じる恐れは否定できない。陣営の勝負度合いをチャックするのは必須である。なお、2/20には既に栗東入りしており、桜花賞までこちらで調整される模様。

 

シカゴスティング

・先行するセンスがあるので2番手の競馬をずっとしていたが、中団で控える競馬から末脚を引き出して重賞2着と脚質の幅を広げている。

・1200mのレースが最もパフォーマンスが良かったが、1400m、マイルでもそれなりに走れるようで距離適性の幅も広い。

・決め手優秀と言う感じまではまだなく、ファンタジーSも溜めて弾けたというよりはワンペースに走り切ったという印象なので決め手勝負でどうだろうか?

 

上記が阪神JF出走時のカルテ。

 

この馬もテンションに課題があるそうで、阪神JF時の当日の気配から鮫島騎手は逃げた方が良いと腹を決めていたとのこと。スタート上手く、初速も速く、初めての逃げにも簡単に対応した。これまでも序盤の立ち回りはいつも上手く、先行センスの高い馬。気分良く逃げた結果はGⅠ5着。思っていた以上に頑張ったし、レコード決着を誘発する速い流れを演出しており、展開を味方にしたものではなく、力がないと出来ない芸当ではあった。これは評価して良い内容。直線では後続を一旦は突き放していたので強かったと思う。

 

ただ、結局は決め手負け。ワンペースな馬で直線で最加速出来ない。これまでも直線の長かった中京の新馬や京都のファンタジーSでは負けており、直線短い新潟・小倉では勝利を収めている。マイルの距離はこなしていたが、決め手のある馬に先着された負け方はこの馬のキャラ通りとも言える。なので、阪神内回りは条件として最適。距離短縮も後押しになるので、条件は好転するだろう。ただ、この時点では非力さがまだあったとのことで陣営は戦前坂を気にしており、その懸念の通り阪神JFでは坂で勢いが鈍っている。その点は今回も懸念されるところになる。間隔が空いており、中間の成長で非力さが解消されていれば良いが。事前情報で評価を変化させたい。

 

ジューンブレア

・自然と流れに乗っていけるスピードがあり、追走も滑らか。折り合いや操縦性の高そうな印象も受ける。短距離でも瞬発力を発揮でき、直線で再加速出来る。

・トビの大きい走りなので広々としたコースの方が走りの質は上がりそう。

・勝ち時計は遅いが、楽に勝った印象であり、奥の深そうな良い印象を受ける。

 

上記がデイリー杯2歳S出走時のカルテ。

 

デイリー杯2歳S7着。序盤に行きたがっていて、少々折り合いを欠いていた。それでも3番手に控えて直線に入る時の手応えは十分だったように思う。が、止まった訳ではないが、直線で加速する事が無く、伸び負けてしまった。折り合いを欠いた気性面、伸びを欠いた直線の様を見ると距離が長かったのだと思う。1200mを良い内容で勝った馬なので、やはりマイルは長かったいう感じか。条件戦ぐらいならこなしても、重賞だとちょっと厳しいのだろう。厩舎としても1200mの福島2歳Sを使う事も考えていたようで、そっちに使っていればまず勝てると話していた。この事からも短距離馬という認識で良いと思う。デイリー杯2歳Sは牡馬相手だったし、良く頑張っていたから、牝馬同士の1400mならまだ頑張れそう。新馬戦の内容や走りっぷりは良い印象を残していたし、その時騎乗していた武豊騎手の評価も良い。適条件で見直してみると面白いかも。

 

シュシュトディエス

・ラスト2Fが113-10.8と最後だけギュンと加速したレース。この区間を持ったままで先頭に立ち、ラスト1Fでさらに加速したこの馬の瞬発力は優秀だと思う。

・高速馬場だった開催で勝ち時計1:38.4はかなり遅く、どこまでアテに出来るかは分からない。

 

上記がアルテミスS出走時のカルテ。

 

アルテミスSブービー赤松賞(1勝特別)が下から3番目、黒松賞(1勝特別)が下から4番目。着差を大きくしながら負け続けている。先行しても、控えても直線でほぼ無反応なので差が開く一方。近2走は出遅れたり、折り合いを付けれなくなったりと、使う毎にチグハグさが目立ってきた。マイル畑を歩んできたが、前走で1200m戦に短縮した。この際、一応最速上がりは記録したが同タイム上がりが他に2頭いたり、その他とも脚色は基本的に一緒。勝ち負け出来るような末脚は引き出せないまま。ワンペースで走れる短距離だと瞬発力の必要性が薄れるので今回の1400mぐらいなら位置取り次第で好走出来るのかもしれない。が、決め手は無いし、出遅れが続いているので理想の競馬は難しいかも。能力的には力不足な印象で無理して可能性を追求する必要もなさそう。デビュー2週目の騎手を乗せるぐらいだから推して知るべしか。

 

ステラスプレンダー【回避】

 

中京と阪神の1400mで3戦している。中京戦は1・4着と走れているが、阪神戦では6馬身差の圧倒的な最下位。コース適性や右回りに不安でもあるのだろうか?スタートは良いが、二の脚が弱く、序盤のポジショニングが安定していない。好位にいてもそれを維持出来ずに徐々に位置取りを下げてしまう。また、追い出してからの迫力もなく、失速率の大きい消耗戦では粘っているが、上がりが速い展開だと伸びを欠いてしまう。テン悪く、終いにも良さがない。7月の新馬戦を勝っているが当時の2・3着馬は5~8戦を消化して未だ未勝利であり、パフォーマンスは低下していく一方である。新馬勝ち出来たのは相手に恵まれていた可能性が高い。OP特別のききょうSは1.6秒差、1勝特別のつわぶき賞が0.6秒差と昇級後の2戦は純粋な力負け。あれ?と思うような弱い相手にも負けており、この馬自身もちょっと弱い。コース適性以前に力不足な印象。チューリップ賞と違い素質馬ばかりが集まった一戦ではないが、それでもこのメンバーにどうすれば好走出来るのか?そのイメージは持ちにくい。

 

セシリエプラージュ

 

3戦を消化して10・1・4着。新馬戦では1枠で馬群に包まれ何もできずに負けたが、2戦目では8枠からスムーズに立ち回り叩き合いを制して勝ち上がる。後方よりに控えて徐々に進出しながら4角射程圏の競馬で競馬振りは良い印象だった。ただ、手応え良く直線を向いたが、弾けるまでは至らず、後続に詰められていた。伸びあぐねた様からマイルは若干長い印象を受ける。次戦で1400mに短縮したのも距離適性が重視されたからかもしれない。母もマイルよりは1400mだったアットザシーサイドであり、距離適性は母譲りかも。その前走は外差し馬場でインを突き、外から伸びた馬に差されてしまったが、0.1秒差の接戦で通ったコースの差と考えて良い。自己条件ではあったが、昇級しても力は通用していた。いい意味で前進気勢が強く、走る姿にはスピード感があり、それでいていつでも弾けそうな力強さを感じる。短距離の忙しい流れをリズム良く走っていて、1400mへの適性は高そうに見える。ここで権利を取り、桜花賞3着と走った母の足跡を辿れるかもしれない。

 

余計なことだが、母はここで2着と賞金加算していたが、この時代はまだ降級制度があったので、古馬になって1000万から出直していた。あぁ、懐かしいなぁと思った。

 

ドナベティ

・2戦目の1500m戦でも距離が長かった印象があり、本質的にはスプリンターと言う感じ。

・脚のある短距離馬だが、6F戦では約5Fを追い通しで末脚を伸ばしていたが、その末脚も距離には敏感で7F以上では末脚の威力を失くしている。

・自在性はある方だが、出して行くと行きたがるので2走前から始めた控えて差す競馬が現状合っているよう。

 

上記が阪神JF出走時のカルテ。

 

阪神JFは8着は健闘の部類。厩舎ではファンタジーSの内容から1400mでも距離はギリギリだったとのこと。マイル戦は明らかに距離が長かった。それでいてこの着なら馬は大いに頑張っており、大外枠から良く乗ったと思う。スタートからソロっと乗って、後方3番手、道中でインに潜り込む事に成功し、距離ロスを省いた鞍上の好騎乗。直線でインを突いたら詰まってしまい脚を余した感すらあった。距離適性の無い馬なのでこの乗り方は仕方ないし、違う乗り方をしてもこの時以上の着には来れなかったと思う。また、ファンタジーSで先着した5着シカゴスティングには0.1秒差で馬体を併せて入線しており、この2頭に力差は感じない。が、脚を余していただけにスムーズだったらやっぱりこちらの方が少し上なのかもしれない。双方適距離での再々戦だからここで白黒つくことになる。ファンタジーSの内容だけなら1400mはこなせる範囲でベストではないにしろ、前走よりは乗りやすく、今回はもっと積極的な乗り方も可能になるだろう。乗り方一つだと思う。特に近2走はイン差しで結果を出していることも吉で、フィリーズrvはインを付ける差し馬が毎年のように着に来る。枠に恵まれるようなら面白い存在になりそう。

 

バウンシーステップ

 

5戦2勝で一番負けたのが4着で大崩れがない。その4着は新馬戦で使ったマイル戦であり、伸び負けている。ので、以降は1400m専門で使われている。1・2走目でシカゴスティングと対戦し、2戦2敗の対戦成績で再戦は分が悪い感じ。ただ、いずれも僅差であり、2戦とも本馬の出遅れが敗因で、スタートセンス抜群のシカゴにアドヴァンテージを取られていた。3走目以降は改善しており、今では五分以上に出れている。いずれも僅差だったので今やれば逆転の可能性は小さくない。昇級しても力は通用していて、1勝特別を2戦して2・1着。負けた2走前も不利を受けて追い切れなかっただけであり、それでもハナクビの3着と勝ち負けの内容。GⅠ級というイメージまではないが、トライアルなら存在感を発揮出来る力量は感じる。1400m適性馬にありがちなワンペースな馬ではなく、直線で加速出来るタイプで末脚に魅力あり。常に3位以内の上がりを使っており、最速上がりの記録も多い。ので、直線長いコースの方が力を発揮していて、中京・新潟の走りが良い。前走(中京)のつわぶき賞は2馬身半差で圧勝だった。内回りの阪神1400mにも勝ち鞍はあるが、府中や外回りの京都の方が力を発揮しそうな感じはある。ここでも差し脚の生きる展開になれば出番はありそう。

 

ビーグラッド

 

ここまで3戦を消化していて、全戦で逃げている。新馬戦(1600m)1着、萩S2着(1800m)と走り、前走つわぶき賞(1400m)では1番人気の支持を裏切り1.0秒差の9着と大きく着を落としてしまった。敗因は2つ考えられ、1つ目は1400mの流れが忙しかったこと。それまでの2戦は36秒のスローで逃げれていたが、前走では34.7秒だったのでこの馬にはラップが速すぎたように思う。手応え良く直線を向いたがほぼ無反応のまま失速している。スピードは通用していたが逃げのリズムが変わった事で対応出来なかったように思う。2つ目は純粋に能力面が考えられ、ただ単に弱かっただけの可能性もある。新馬戦を随分物足りない内容で勝ったなぁと思い知らべてみたら、この新馬戦の2着以下は10着馬がダートで勝ち上がっただけで、半年経過した現在でも未勝利馬がほとんど。萩Sも勝ち馬以外は相当弱く、この馬の後塵を拝した組は微妙な馬ばかりだった。2走目までの好走歴は相手に恵まれていたり、完成度の問題で優位だっただけかもしれない。それを証明するかのようにつわぶき賞の負けっぷりはひどく、ラストの伸びが上位と別次元に見えるほど弱い。数字面にも秀でたものはなく、平凡であり、強調材料がない。

 

ポエットリー

 

ここまで4戦1勝。新馬戦から永島騎手を起用していた。初戦から減量特典を期待しているような馬なので素材的に疑問が残る。永島騎手もまだそこまでの馬を負かされることは無いので馬のポテンシャルは評価しづらい。初戦は朝日杯FSで人気が集またダノンマッキンリーの2着だが斤量差がありながら突き放されていた。勝ち上がった2走目も出走馬のレベルが著しく低下する10月の新潟でのもので、展開ハマリでクビ差勝ちと目立るつものではなかった。昇級した3走目のこうやまき賞は4着も、朝日杯FS4着馬ジューンテイクに0.6秒差と着差を大きくして負けている。強い処には大体力負けしており、やはり力差を感じる。前走のこぶし賞は0.1秒差の2着。スロー逃げの展開利があったもので高評価とはいかない。それに後方待機馬に差されてしまったのも感心出来ないとこであり、この馬には2戦続けて負けているからこれも力差なのだろう。また、この時は坂井瑠騎手に乗り替わっていて、最高に上手く乗っていただけに、永島騎手に戻ってどうか?と言うのもある。乗り替わったことでパフォは向上しただけに、鞍上弱化と言わざるを得ず、前走以上は期待しづらい。1400mは新馬戦で1度だけ経験していて、速いペースを中団で控えられていた。今ならもっと楽に追走出来るのかもしれないが、全戦を見た印象だと速いラップをガシガシ踏んでいくよりも、ゆったりめのペースをリズム良く運ぶ方が走りが良いように見える。距離短縮でプラスになるだろうか?

 

マーシーラン

 

有馬記念週の阪神1400mで新馬勝ち。開催時期を考慮すれば1:21.0の勝ち時計は好時計。テンからまぁまぁ速い流れを3番手の積極策で押し切っている。結果的には2・3番手を追走していた3頭の前残り決着も、一歩後ろに構えていたので前の2頭を差し切って勝利している。交わす時の末脚はキレ味があり、鮮やかな差し切りだった。この内容なら評価を高くしたいところだが、河原田騎手の4k減の影響も大きかったよう。最速を記録した末脚は、次走のエルフィンSでは目立つことがなく、他馬と同じ脚色になってしまっていた。マイルに延長していたので距離適性による可能性もあるが、失速せずにジワジワと来ていたのでそんな事もないと思う。定量で走った事でアドバンテージを失ったのだろう。新馬戦も斤量差が無かったら際どかったのかもしれない。新馬勝ちと同条件だが、平等な斤量で新馬戦のパフォを維持出来るかは微妙なところ。ただ、走りの質は良く、折り合いもスムーズ。操縦性のある良い馬なので印象は悪くない。鞍上が和田騎手になるので見習い騎手に引き出せなかった力を引き出してくれるかもしれない。

 

レディマリオン

 

福島・小倉の1800mを使って2・1着。この2場の同条件は親和性があるのでレース内容は全く一緒のものになっていた。2戦とも1000m通過62.9秒の流れから、どちらも1:51.4の同タイムで走破している。また、いずれも3枠から先行する形で1・2コーナーを3番手で回っている。小倉戦は稍重だったから馬場を考慮すれば同タイム決着もこの馬なりの上積みだったのかもしれない。ペース・勝ち時計から速さの問われない内容となっているので、1400m好走の根拠を見出す事は出来ない。スローを先行していただけなので、テンが2秒近くも速くなる流れに乗れるか?とか、ワンペースに流れる展開を息も入れずに走り切れるだろうか?など、未知数な事ばかり思い付く。また、秋の福島、冬の小倉に強い馬はやってこないので、それらを相手に勝ったところで評価を高くする材料は出て来ない。目を引くようなパフォーマンスを発揮していたなら考えようもあるのだが。怖い材料はムルザバエフ騎手が騎乗することぐらい。評価材料に乏しく、取捨に困る。

 

 

ロゼフレア

 

1400mばかり6戦消化している。2・2・2・1・1・4着と言う成績。僅差負けを続けたが枠の差とか、スローの前残りで届かなかったとかちょっとしたことで負けていただけで、いつも上手に走っていた。スタート良く飛び出して、ポンと好位を取ってそのまま流れに乗って行ったり、ペースが速いと中団で進めたりとペースに併せた位置取りで自在性良く1400mを走れている。自己条件の万両賞まで好走を続けたが、前走紅梅Sが4着とこれが最も着差が大きくなっている。リステッド競走で相手が強くて負けた感もある。ただ、この1戦が最もスロー(3F通過36.1)でヨーイドンの瞬発力勝負で負けたと考えるのが妥当ではないかと思う。3走目もスロー戦で負けたがこの時の着差が前走の次に大きくなっている。2勝が前傾ラップの消耗戦であり、タイトな展開で強味があるタイプのようだ。フィリーズrvは四歳牝馬特別の時代からハイペと相場は決まっていて、後傾ラップになるような事はないから、この馬向きな展開になるはず。阪神1400mも一番走っているコースで特に走り慣れている。条件が大幅に好転するので狙って面白い。立ち回り上手く、操縦性も高い。持ち時計もある方なので、力は通用すると思う。凡走のイメージは持ちづらかった。

 

フィリーズrv(GⅡ)の予想案はこちら▼