競走馬カルテ

2・3歳重賞の出走馬を分析・記録していくブログです。

デイリー杯2歳ステークス(GⅡ) 2023

 

こんにちは。

 

近2年ではデイリー杯2歳S阪神で行われていたので、同じ条件の朝日杯FSに直結しましたが、京都で行われていた直近10年では朝日杯Sとの関連性が薄くなっていて、馬券になった馬は3頭しかいません(1~3着が1回づつ)。今年は京都に戻りますので、本番を意識出来る馬が出て来るかが焦点になるでしょう。

 

素質馬が集まったサウジRC、アルテミスSに当初出走の予定のあった馬がこちらに回っています。ただ、それらが弱いとは限らないと思います。府中重賞も回避していなくても印を回せた良い馬だと思いました。むしろ必勝を期してこちらに回ったのかもしれません。他にも素質馬っぽいのが何頭かいますので、少頭数でも良いメンバーは揃っていると思います。朝日杯Sに繋がるようなレースを期待出来ると思います。

 

デイリー杯2歳Sは11日(土)に行われます。前日の12日(日)には更新を完了します。出走が分かっている馬から更新していき、それ以外は分かり次第追加していきます。

 

予想案は各ページの最下部にある専用ページにまとめてあります。ブログカードを貼っておきますのでそちらをご覧ください。

 


エンヤラヴフェイス

・同条件を経験した馬が今年の登録にはいるがそれらと比べると勝ち時計は抜けて速い。

・二の脚で先行し2番手から競馬をした序盤の立ち回りは良いが、終いの反応は鈍い。鞭を2・3発入れたてようやくエンジン全開となった。

・ラスト1Fの失速が大きいのは気になり、ペースを考えれば止まりすぎな感も。マイルでの持続性に疑問を残した。

 

上記が新潟2歳S出走時のカルテ。

 

新潟2歳Sは0.9秒差の7着。好発からハナも奪えそうな感じだったが、2着馬に先に取られてしまい、それで馬がヤル気を失ってしまったそう。そんな事で?とも思うが、ズルズルと後方3番手まで下がってしまった。新馬戦では外から被せていく感じの先行策だったので内枠がアダになったとか、まだ馬群の中で運ぶなど出来ないのかもしれない。ちょっと気難しい。結果、末脚で勝負する事になるのだが、手が虚しく動くだてけで加速は出来なかった。新馬戦でも前を交わすのにかなり手間取り、押し込んでようやく行く気を見せたほど。こういう面にもずる賢いところがありそうだ。もっと走れて良い馬とも思うが、扱いにくい気性で信頼性に欠ける。中間の調整で馬のメンタル面に変化の兆しがあれば考慮するが、調教だけでそれを理解するのは難しいと思う。

 

カンティアーモ

 

新潟1800mの新馬戦でレコード勝ちした牝馬アルテミスS覇者チェルヴィニアもこの条件の未勝利を勝ち上がっていて、その時計より0.5秒も速い。この2頭はどちらも木村哲厩舎で同じ牝馬。勝ち上がったのはカンティの方が早いのだから、アルテミスSを使うならこちらの方が筋だと思うのだが。厩舎内の評価でそうなったのだろうか?また、アルテミスSの2・3着馬が同じシルクの馬なのでこの馬が使い分けられた格好かもしれない。もしくは、カンティが勝てるレースを優先してこちらに回された可能性もある。ここらは情報戦。ノーザンF系牝馬の優先度がこれで見えてくると思うので、各馬の出走経緯はチェックし、整理しておく方が良さそう。

 

この馬の勝ち方はもの凄かったと思う。レコード決着なレースだけにレース内容はレベルの高い持続戦で純粋に価値が高い。また、レース振りもとても強いもの。逃げ馬が最下位になるようなペースを馬体を併せた2番手で行き、後続を10馬身近く離した大逃げ。逃げ馬が失速し、入れ替わるように後続が殺到して並ばれてしまうが、それでもこの馬は持ったままで余力十分。2着馬と馬体を併せて再び雁行状態の鍔迫り合い。3着に7馬身差をつける猛烈な伸びを見せ、その2着馬にも3/4馬身差で完封した。レコードで決まるペース、他馬が脱落していくレースを強気乗って、楽勝した内容は破天荒。強烈な印象を残した。この印象の通りならここも有力な扱いが必要になるだろう。走りを見ると、スピードが勝っている印象なので、マイルの方がレースはしやすいかもしれない。ただ、それだけに走りがワンペース。同厩チェルヴィの方が奥のありそうな感じはした。瞬発的な性能にまだ担保がない。このレースでそう言う面を見せれば言う事がなくなる。

 

クリーンエア

新馬戦は単勝4800円の8番人気の勝利だったがレースぶりは良かった。スタートセンス、ポジショニング、追走力と来ななる点は見られない。

・直線で進路を失い追い出せない。それで絶望的な差が開いてしまったが、進路を確保してから一瞬で前との差を詰める瞬発力を発揮。上がりの競馬を差し切った内容は濃い。

・勝ち時計も及第点で、ペースを考えると33.8秒の末脚の質感も悪くない。力を出し切ることなく勝った印象もあるのでまだ上がありそう。

 

上記が新潟2歳S出走時のカルテ。

 

新潟2歳Sは3着。8枠に同居していた勝ち馬アスコリピチェーノとスタートからほぼ同じような位置取りでレースを進めてきたが3~4角でこちらは馬群の中に納まってしまい、直線ではアスコリに進路を先に奪われてしまった。進路を確保するのにも手間取り追い出しが完全に遅れてしまう。アスコリとの上がり差は0.3秒差でこれは入線した時のタイム差と同じ。追い出しがスムーズだったらもっと脚を使えていたと考える事が出来るので、乗り方一つでこの馬が勝っていた可能性は十分にあると思う。この馬の2戦はいずれもこういう競馬。新馬戦でも好位で運びながら進路を取れず、直線で絶望的なところまで下がっていた。この時は馬の力で勝てたが、重賞だとそうも行かない。2戦続けて馬に不利をもたらした大野騎手の責任は重いと思う。直線でスムーズさを欠きながら勝ち負けの競馬を続けるこの馬の末脚性能は本物だろう。新潟2歳Sでも進路が取れ次第直ぐに反応していたし、ビュっと加速出来る瞬発力は相当高いと思える。進路が開かなくても馬なりで脚を溜めれているので馬も賢い。こういう末脚を使えれば今回も圏内突入を想定出来る。力差次第ではあるがこの馬自身に欠点はない。

 

ジャンタルマンタル

 

京都1800mを新馬勝ち。なんか楽に勝った。スタートも序盤のポジショニングも良かったし、ペースや勝ち時計も2歳の新馬戦なら十分評価できるもの。レースの流れに乗って、3番手から簡単に抜け出してしまった。コーナーで仕掛けてからの反応も機敏だったし、直線で鞭が入ってからグンと加速したし、勝負所の立ち回りに全く問題がない。逃げ馬を交わしてからワンサイド気味だった。手応えに余裕もあったので鞍上が後ろを確認してから追うのを止めてしまったほど。それでも2馬身半差を付けているのだから力が何枚も抜けていた印象。最後まで追われていないし、全力を出し切ることなくデビュー戦を通過した感じ。1Fの短縮条件となるが、程よい前進気勢もあったのでマイル戦でも大丈夫だと思う。コースを経験しているのも強味になりそう。初戦から良く動けていたので、不発は考えにくい。相手関係次第だが、積極的な評価も可能だと思う。

 

ジューンブレア

 

中山1200mで新馬勝ち。1倍台の断然人気に応えての勝利。時計の出やすかった秋開催だったので勝ち時計1:11.0はかなり遅いが、レースでの走りには奥のありそうな気配は感じさせていたと思う。自然と流れに乗っていけるスピードがあり、追走も滑らか。前が壁になって少々手綱を引っ張たが、その際の聞き分けもよく、折り合いや操縦性の高そうな印象も受ける。持ったままで前との差を詰めに行ける機動力も良かったと思う。2番人気の2着馬が逃げ切りしても良いような流れだったが、追い出した瞬間にもう勝負あったという手応えで着差以上の完勝だったと思う。力みの無い走りで、道中に無理しているような面も見られない。追ったのもラスト1Fだけで全力を出すことなく回って来たら、簡単に勝てたという印象。まだ上のありそうな感じがすごいある。1番枠から狭苦しい競馬になったが、トビの大きい走りなので広々としたコースの方が走りの質は上がりそうな印象を受ける。京都替わりはプラスに出そう。1200mを勝ち上がった馬なので1400m重賞なら強気に推せる馬だと思うが、マイル重賞でも印を回しても良い感じはある。前半3Fの通過が35.9秒とマイル戦並みの流れでリズム良く追走出来ていたので、この距離でも折り合いを心配する必要はないと思われる。不安材料は意外と少なく、相手関係だけかもしれない。

 

ダノンキラウェア

 

新潟マイルで新馬勝ち。NHKマイルCを勝ったスコーピオンの下になる。新馬戦はいろんな意味でインパクトが弱い。まず、ペースも勝ち時計も遅い。緩い流れでも気合を付けて3番手と言う感じなので走りにはまだズブさが感じられる。6頭立てだったが、そのうち次走を済ませた3頭は着を大きく落として負けている。37.9-63.8の流れで33秒台の脚を使えた馬が本馬を含めて2頭しかいないのだから一緒に走った相手は相当弱い。この流れ、この相手なので評価材料はこの1戦からは出てこない。強いて言えば、33.2秒のそれらしい脚を使えたことぐらい。相手が強くなる重賞でどこまでやれるだろうか?ただ、まだ動ききれていない感じも強かったので1度使った効果は大きそう。変わり身次第で評価は調整したい。

 

ナムラエイハブ

 

2歳戦が始まった6月に阪神マイルを2戦して勝ち上がれなかった。幼い面も所々にあったがよく仕上がっていたようでレース振りはそう悪くなかった。ただ、いずれも力負けのような負けかた。また、これらの勝ち馬が秋になって好走止まりであるので、これらに競り負けているこの馬の能力面にも疑問が残った。その後、一息入れて9月の阪神マイルで復帰して勝ち上がる。馬体面の成長が顕著で+16kの馬体は502kの大型馬に成長。そのせいか、全体体に力強さを感じさせ、馬そのものがバージョンアップした感じ。比較的速いペース(35.3秒)を楽に追走していて、4角では待ったままの手応で上がってきて、直線は外から簡単にマクってしまう。追い出してからはワンサイド。見た感じでは実際の着差3馬身半差以上の独走状態の様に映った。このペースで33.6秒の末脚の質感はとても良い。高速馬場だったので時計が速いのは鵜呑みに出来ないが、この状態で6月に負けた馬と再戦したら逆転出来てしまうのではないかと思える。そのぐらい強くなっていて、夏前とは馬が雲泥の違い。試金石ではあるが、この勝ち方から無視は出来ず、好走の可能性もそれなりにあるのではないかと思う。

 

フルレゾン

 

未出走馬ながら重賞の新潟2歳Sに登録するほどの逸材!と思いきや、そうではなくて別な事情。ブロック制により新潟に遠征出来る関西馬は限られていたので、特別登録をしている馬優先で馬房が割り当てられるため登録したに過ぎず、ダメなら小倉でデビューになっていたそう。そうまでして手に入れた新潟出走だったが、スティールブルー(アルテミスS3着)が勝った新馬戦で出遅れてしまった。結果は3着だった。スティールと同等の切れ味を発揮して追い込むも、同じ脚では出遅れ分は回収出来ずに負けてしまう。ので、中2週で阪神マイルを使い勝ち上がった。2走目のスタートは五分だったが、この時期の2歳戦らしからぬハイペースだったため徐々に下げて最後方から進めることになる。これがハマり、大外ブン回しで脚力の高いところを見せて差し切った。ラストの失速は大きくなっていたので展開ハマりだが、未勝利レベルで1:33.3は好時計(阪神は高速馬場だった)。それなりに価値がある。現状は良く動けているし、能力も高めに扱えそう。2戦とも上位の末脚を使えているのでクラスが上がっても対応出来そう。だが、2戦を見ると少々行きたがるところがある。我慢出来ているので問題視する必要はないと思うが、馬が一生懸命走過ぎる感じで、走りに滑らかさが無い。こういうところは相手が強くなると不安材料になってくるかもしれない。

 

メイショウサチダケ

 

9月の阪神1400mを新馬勝ち。競走中止の馬を除けば5頭立てのレースだったので微妙な感じもするが、ノーザンF産の1・2番人気を3馬身差で振り切って勝利している。次走を済ませた2着馬は既に勝ち上がっているので、相手関係に恵まれた訳ではなさそう。スタートダッシュが決まり、ゲートを出た瞬間に1・2馬身抜けてしまい、そのまま逃げ切った。単騎でリズム良く行けたので、展開が恵まれていたのは否めない。時計の出やすかったこの開催で勝ち時計1:22.9は迫力不足。最後は流し気味だたのでまだ上がありそうな感じはあったが、レースの中身から評価出来るのは、スタートしてからの先行力とか、立ち回りの上手さぐらいで地力の程はまだ分からない。底割れ間はないので評価を低くすることも出来ないが、積極的に買いたくなるような材料もなく、評価は難しくなってしまう。

 

テイエムチュララン

・2戦2勝だがどちらも九州産馬限定戦。2勝の勝ち時計はどちらも遅く、標準的なものから1秒は遅い。

・テンのスピードはあるが、ラスト3Fの失速は非常に大きく持続性に弱味がある。

・2戦とも直線ではヨレまくっていて、力強さは感じない。

 

上記が小倉2歳S出走時のカルテ。

 

九州産馬限定で2勝した馬らしく、小倉2歳Sでは一般馬相手に苦しいレースだった。レースの流れにのる事も出来ず、ケツからケツの競馬で最下位。勝負所ではかなり置かれてしまい、地方から参戦してきた地方馬の様な走りだった。力不足は明白。見送り妥当。※回避したファンタジーSの記事を転載しています。登録があるので追加していますが、福島2歳Sに回る模様。ここも回避の可能性が高いです。

 

ナムラフッカー

 

小倉2000mでデビューして8着。好スタートから先行して、ポジショニングは上手かったが、2コーナーの頃には既に手応えが怪しくなっていた。後は、位置取りキープで精一杯、中盤以降はもうついて行けない。全然動けいていないので仕上がりの問題だろう。中2週で阪神1800mに出走。ここで一変する。ハナを切って逃げ切ってしまう。4・5馬身のリードがあった楽な単騎。62.2秒の逃げで誰も追いかけてこないのだからかなり恵まれていた。その割にはラスト1Fの失速は大きく、33.9秒の上がりも物足りない。3走目も同じ条件の紫菊賞。5頭立てのレースで全馬が一塊で進んだスロー戦。当初は逃げていたが途中でハナを奪われて3番手で直線をむいている。直線では全ての馬が差のないところからのヨーイドン。瞬発力のある馬が抜け出せたといもので、レースの中身に味はない。本馬は加速も失速もなく3番手をキープして3着。瞬発力に差を感じさせたが、この点は2走目のラスト1Fの失速と辻褄があうところ。走破時計も0.3秒速くなっただけなのでこの馬自身は自分の時計で走ったのだろう。好走したレースに地力を感じれる点はなく、使える脚も速くなく、短い。強調材料に欠ける。

 

フナデ

 

新潟・小倉・阪神・京都の4場で走り、全て1800mを走っている。新馬4着、未勝利1着と2走目に勝ちあがっている。この2戦の走りにはそれなりに良い点もあるのだが、田口寛騎手の3k減が効いていたようで、昇級してからの野路菊・紫菊で着差を大きくして負けている。いずれも少頭数なので入着順は良いが、タイム差は0.7秒差、0.6秒と小さくない。2戦目から序盤に急かさない後方待機の競馬をしているが、末脚が際立ったのは3k減だった未勝利だけ。昇級してからは他馬と大して脚色が変わらない。脚を溜めての末脚なので脚力に魅力が感じられない。この程度の末脚では後方待機の意味がない。位置取りを改善しないと重賞で良いところはないだろう。今の脚質が定まって3戦経つので天井は見えていると思う。脚質を変えてくるなら今回辺り。それをして来た時に怖さがちょっとあるが、だとしても追走力も弱く、大幅な変わり身とはならないと思われ、やっぱり厳しいままか?

 

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