競走馬カルテ

2・3歳重賞の出走馬を分析・記録していくブログです。

毎日杯(GⅢ) 出走馬カルテ

 

こんにちは。

 

皐月賞アルアイン、ダービー馬キズナ&シャフリヤールが勝ち馬に名を連ねています。クラシック勝ち馬に拘らなければ後のGⅠ馬が他に何頭も名前が出て来ます。毎日杯も出世レースですね。ここをステップにダービーを狙う馬が近年はだいぶ増えてきました。なので、桜花賞路線から外れているフラワーCの様な空き巣重賞的な性格はなく、ここを目安にスタンバイしている素質馬が出走する事が珍しくありません。世代の中心になるような馬が度々表れる重要なレースと言えます。

 

ですが、混迷牡馬路線の影響はこの毎日杯にも影を落としているようで見るからにこれは強いだろう!的な馬がいるようには思えませんでした。2勝馬やノーザンF産の素質馬の出走はありますが、その中からこれが抜けていると言い切れるほどの馬は見当たりませんでした。何頭もの素質馬による混戦模様と言う感じです。毎日杯の1番人気は絶対的な信頼感がありこの10年で馬券から漏れたのは1頭だけですが、今年は確立10%の年に該当する恐れがあるように思います。今年は難しいかもしれません。

 

毎日杯は25日(土)に行われます。前日の24日(金)には更新を完了します。出走予定のある馬から優先的にカルテを作成していきます。

 

予想案はページの最下部にある専用ページにまとめてあります。ブログカードを貼っておきますのでそちらをご覧ください。

 

アドマイヤイル

 

年明けデビューで1月の中京2000mで2着。10番手前後の中団を追走していたが、ゲートを出てスタンド前から勝ち馬と併走する形で1周回り、3~4角でコチラが先に仕掛けた。それで差されたのだから仕方ない。こちらもアドマイヤのノーザンF産だが、相手もミッキーのノーザンF産。馬は互角の立ち回りだったが相手の決め手が一枚上だった。追い負けたのは騎手の腕の差もあったかも。レースはスローの決め手勝負になっているので時計も遅く内容的には薄いが、上がりの競馬をこの番手からよく差し込んでいる。この馬の弾け方も悪くはなかった。ので、次戦(中京2200)であっさりと勝ち上がる。ただ、直線で鞭を入れたら大きく切れ込んで若さを見せていたのは気になる材料。そのせいもあり、クビ差の辛勝だった。良い決め手を使う馬だがまだ課題もありそうだ。2走の内容は共にスローの上がりの競馬なのでレースが流れて同じ脚を使えるかは未知数。しかし、この馬のキレ方を見ると距離は短い方がいいような気もする。2000m、2200mと走ったが1800mの方がより切れ味を発揮するのではないかと思う。中団外から差して来る馬なのでワンターンコースの方がレースもしやすいだろう。条件変わりがプラスになる可能性があり、パフォーマンスを上げてくるかもしれない。若さを見せた前走からも変わり見の余地も大きいだろう。成長次第でまだまだやれそうな印象がある。好走しても不思議はない。

 

エマヌエーレ

 

リバティアイランドが勝った新馬戦で逃げていたのがこの馬で3着に粘っていた。リバティ程ではなかったが本馬も32.5秒と速い上がりを記録していた。2着馬も既に2勝馬であるようにレベルの高い1戦でこの馬も次走で勝ち上がっている。同じ新潟マイルの未勝利戦で3番手から押し切り3馬身差の圧勝。時計も2秒近く詰めていた。ここまでは順風で良い馬だと思ったがクラスが上がりもたついている。1勝クラスの特別戦を4走して前走のつばき賞2着が最高着順。人気も10番人気まで下がっている。内容の良かった新潟未勝利より明らかに走れていないのでファンの支持も離れてしまった。敗因として考えられるのは控えて競馬をしていたことが上げられる。久しぶりに馬券になった前走が逃げて好走したことからそのような考えが成り立つ。しかし、十分な決め手を新潟の2戦で見せていてラストの脚もあるはずなので敗因がこれだけとは考えられない。根本的な原因は坂ではないかと思う。坂で勢いが止まったり、登ってから再び伸びたりというレースばかりである。斜度が2番目にキツい中京戦の止まり方は特にひどかった。阪神で2着だった前走は坂前で引き離せていたので2着死守となったが、同じ条件の4走前は同列にいた馬と競って坂のところで伸び負けている。平坦の新潟2走の伸び方と比べると原因を坂に求めるのが最もしっくりくる。だとするると、阪神コースは条件的に良いとは言えない。阪神1800mは3回目になるので走り慣れている利点はあるが、相手強化や同型の有無で坂を攻略できるかが決まると思う。理想は単騎逃げから坂前で3馬身以上のリードがあればという感じ。そう言う競馬が出来るだろうか?

 

オメガリッチマン

・1200mから始めた馬だが1200m~2000mの範囲でいろんな距離を試行錯誤中。ここはマイルのジュニアCからの連闘。距離適性は分かりにくい。さすがに1200mと言う馬ではないので1600m~2000mの間に弾力を持たせて解釈しておくしかない。

・前進気勢が弱く、後方からの競馬になりがち。機動力も無いので勝負所で射程圏に持ってくる事が出来ない。その上、使える脚も短い。

・未勝利を勝った時のように気合をつけて前付けしていかないと勝機は訪れないだろう。

 

上記が京成杯出走時のカルテ。

 

京成杯が最低人気で2着。好走の原因は距離適性の伴わなかった先行馬がスローペースでも総崩れした事によるのだが、この馬が走った要因は騎手変更だったと思う。敗れた3戦で騎乗していたのは横山親子で脚も無いのに後方待機策を採っていた。減量騎手の松本騎手だけが馬を動かせていたのは不思議だったが、松本騎手はハイペースを4番手の積極策で押し切っている。やろうと思えばこういう乗り方が出来る馬で先入観の無い石川騎手にはそれが出来たということだと思う。手前ミソだが、この騎手変更に違和感と言うか、可能性を感じたので△を回して的中する事が出来た。事実、レースの位置取りはこの馬の命運を分けていて、本馬と同じ3位上がりを記録した4着馬は位置取りが後ろだったためこの着に来れていない。先行総崩れのレースではあったがペースそのものはスローなので前にいる馬が有利になるのは当たり前な話である。いつもより積極的な競馬が出来た事が好走の要因で、それを可能にしたのが騎手変更だったように思う。ただ、レース内容はこの馬の強さを証明するものにはなっていない。1・3着馬の様にこの程度のペースなら34秒台の末脚を使っていないと脚があるとは言い難い。35.0秒の末脚で賞金加算が出来たのは、1番人気に不利があり、そのきっかけがこの馬の進路妨害によるもので、それが無ければ2着は無かったかもしれず、地力で勝ち取ったとは言えない。一部を除く出走馬のレベルにも疑問が残るし、京成杯2着はこの馬の地力を保証するものにはならないだろう。毎日杯のメンバーも京成杯程に楽ではなく、決め手勝負に弱味のある馬の外回りコースも歓迎材料にはならない。賞金はあっても格上の存在とは言えないと思う。積極的な競馬をしてそれでどこまでやれるだろうか?

 

キングズレイン

・道悪や洋芝でも走れていたが中央場所の時計の速い馬場の方が走りの質が良い。

百日草特別が1800mから2000mに変更になった過去9ケ年の中で勝ち時計(1:59.7)は断トツで最速であったし、これはエフフォーリアが勝った2年前よりもずっと速い。

・発馬良く、ポジショニングが安定しいるし、馬群の中でも平常心で回ってこれる。気性や立ち回りに気になるところはなく、その点でも優秀。

 

上記がホープフルS出走時のカルテ。

 

ホープフルSで3着。6番人気だった。それまで好位、中位で競馬をしていた馬がこの時は後方4番手の競馬。どんなポジションでも競馬が出来る自在性は馬が賢い証拠。イン前決着のレースをこの競馬で入着するのだから凄い。4角は11番手で前とはかなり差があった。展開に逆行したレース運びでこの結果は能力面が高くないとちょっと出来ない。動き出したのもラスト5Fを通過してから。1000mも脚を使っているのに最後はまだ余していた感じ。かつ、最終コーナーで膨らんだ馬を交わすのにさらに外を回していて、距離ロスも物凄く大きい。それでも3着に届くのだから末脚の航行距離は実に長い。3着に上がるまでに交わした馬には京成杯3着馬や、共同通信杯の覇者などが含まれるので、この馬の強さが浮き彫りになった感じ。力がちょっと抜けているのではないかと思える。前回のカルテで指摘したように、時計勝負になるにつれパフォーマンスが良くなった馬。時計の出やすい馬場の方が走りが良くなるはずで、毎日杯は時計勝負になる事もあるので回避したDI記念よりも条件的には向いている気がする。回避した影響があるかないかが鍵になるが、そこに問題が無ければ普通に回って来れれば勝ち負け出来そう。なお、前走時の話では馬は本格化はまだ先で手塚調教師曰く本当に良くなるのは来年、つまり今年になってからと言う話であった。成長速度としては菊花賞あたりがピークではないかと言うことらしい。

 

セレンディピティ

・加速区間中に徐々にポジションを上げていけるのだから他馬とは機動力が何枚も上。持続性能は相当高い。

・持ったままで4角で先頭に並びかけ、追い出したら4馬身差の圧勝。鞭も使わずにこの内容は圧巻。時計勝負のレースでこの内容は素晴らしい。

 

上記がホープフルS出走時のカルテ。

 

未勝利勝ち後に挑んだホープフルSが8着。スタートをもっさりと出たので好位に行けず、中団の内で溜めていた。多少の接触はあったがスムーズに外には出せた方。そこからの追い比べで劣ったので力負けは認めざるを得ない。多頭数でレース運びが上手くいかなかった感じでモマれ弱さは気になった。が、中2週で使った7頭立ての若駒Sでも負けてしまう。さすがにスムーズに立ち回ってはいたが、直線での追い比べで劣る。近2走の敗戦を見ると決め手勝負で負けているよころはある。2戦とも上がりの競馬となっているので瞬発力で劣っている感じが強い。差し脚で勝負する馬ではないのかもしれない。未勝利勝ちが長く良い脚を使った持続戦だったのでもう少しタイトな展開を早め早めの進出で押し切るような乗り方の方が向いているのだろう。決め手も重要な要素となる外回りの重賞だと地力で差して来るイメージは持ちづらい。レースの流れに左右されるのは完成度の無いが故であろう。もう少し時間がかかるのかもしれない。なお、この馬を担当しているのは過去にGⅠ馬3頭に携わっていて、皐月賞天皇賞秋・マイルCSスプリンターズSを勝っている。これらの3頭と比較してもポテンシャルは劣らないとのこと。素質は確かのようなので長い目で見ておく方が良い。ここも流れ次第ではあるのでまだ軽視しない方が良いと思う。

 

ドクタードリトル

 

新馬勝ち後の3戦は善戦止まりだが悪い印象は受けない。現状は適条件を探しながらいろいろな条件を走っている感じ。ここまでの内容から言えそうなのは、まず道悪はド下手だと思う。2走前の中京2200では重心の高い走りで楽に追走出来ている感じはなく、勝負所の加速では置かれそうにもなっている。良いキレ味がある馬なので道悪だと脚を使い切れずに負けてしまう。また、内回り条件と外回り条件の比較からコーナーで上手く加速出来ていなようで機動力も弱いように思う。新馬と前走で走った阪神1800mは上手い事脚を引き出せているのでワンターンで直線が長いコースの方が決め脚を発揮しやすいのではないかと思う。既に触れたが切れる脚には見どころがある。最速上がりも度々記録しているし、33秒台の末脚も使える。新馬戦では10秒台まで加速した区間で後方から差を詰め来れていたので瞬発的な性能はかなり高いと感じた。スローの決め手比べなら出番はやってくると思う。脚質はまだ定まっていない感じだが、五分のスタートから出たなりで位置取りを決め手いる現状。前進気勢は強くないので中団から後方に陣取り脚を溜める感じが多い。天気、展開が向けば印は回しても良さそう。

 

ドットクルー

 

1800mを2勝しているが福島の新馬戦と前走のアルメリア賞の勝ち時計が十秒も違う珍記録を持つ。新馬戦の通過は69.2秒でみんな歩いているようだった。このレースは何の参考にもならない。2戦目以降からの変遷を確認していきたい。以降の3戦は1600~2000mの範囲の全ての距離を走り、コースも全て違い、全て違う条件を走っているが、大きく崩れることはなかった。また、先行、差し、追い込みとどんな競馬もこなしてみせる万能タイプ。自在性も機動力もあるのでゴール前は必ず勝負争いに加わって来る。競馬振りに安定感があるのが魅力的である。3・4走目を比較すると控えて差し脚を使う競馬の方が向いているようだ。3走目はマクって早めに動いた分だけで差されてしまったが、4走目は最後方から持ったままで押し上げて来て差し切っている。2走目のマイル戦も中団インからいい決め手を発揮して3着争いを演じていた。決め脚を使う競馬の方が成績が良くなっている。なお、4走目のアルメリア賞の内容はなかなか素晴らしい。勝ち時計は昨年アルメリア賞-毎日杯を連勝したピースオブエイトより速い勝ち時計で駆けており、過去10年で2番目に速い好時計。発馬後は2・3番手の好位で競馬をしていたが、1000m58.5秒の速いペースに合わせて徐々に下がり最後方まで下がっていた自在性は見事。ハイペにも関わらずラスト3Fが加速した展開をこのポジションから差し切るのだから中身が濃い。競馬振りに注文はつかないし、ここは勝って同条件。十分やれそうな馬である。

 

ノッキングポイント

・2着馬も、4着馬も次戦であっさりと勝ち、3着馬も数戦して既に勝ちあがった。レベルの高い1戦を圧勝。

・鞍上が軽く促しただけで馬なりのまま先頭に接近し、追い出してから楽に加速。11.4-11.2-11.1の加速ラップを鞭を使わずに抜け出すのだから凄い。

・昨年同じ新馬戦を勝ったのがコマンドライン。パフォーマンスはほぼ同等であり、時計も0.1秒速いだけ。意外と微妙だったりするのかも。

 

上記がサウジRC出走時のカルテ。

 

圧倒的な1番人気だったサウジRCで4着。グラニットが大逃げかましたレースで2番手以降は3秒前後も離されている。記録上ではハイペの消耗戦となっているが、2番手以降は超スローの低レベル戦。そんなレースをこの馬は出遅れた。結果的にこの時点でアウトだった。上がりの競馬は位置取りの有利不利が出やすいポジションゲーム。この時は分からなかったが、勝ったドルチェモアは2歳の年度表彰を受けた無敗のGⅠ馬。そんな馬を相手に後方待機で勝てる訳なかった。使った上がりもドルチェに劣っていたし、展開や出遅れの不利は認めても完敗と言う内容だった。2歳戦をこれで切り上げて、1月から出直しとなり、2戦してリステッド6着、条件戦1着という現状。格の高いレースで着が悪いのは印象として良くない。中山のジュニアCと府中の1勝クラスを見比べると、この馬は機動力がないので3~4角の押し上げが弱い。すぅーっと上がっていけないのか器用さが求められる中山だと勝負所で置かれてしまう。また、追い出してビュっと加速出来るタイプでもないようで、追って追って末脚をMAXにするタイプのようだ。中山だとスピードに乗り切れないまま負けたという印象。条件やコースに左右されてしまうのは弱点になる。このことからも阪神外回りは好走条件と考えられる。マイルのアーリントンCでもいい気もするが、キレる脚が弱いようなので1Fでも距離が長い毎日杯の方が適しているとも考えられる。輸送に問題が無ければ好走注意にはなりそう。なお、サウジRCで出遅れた馬だが近2走は問題なく五分に出て5・6番手辺りがマイポジション。序盤の立ち回りは安定してきた。タイトな展開を追走出来ていて、走破時計も悪くない。2歳時より良くなっているのは確かだと思う。

 

フェイト

・勝ち上がった新馬戦は上がりのかかるレースだったが、それでこれだけの脚を使えていれば脚力は評価の対象とする事が出来る。

・勝ち時計は遅いが、余力たっぷりだったので本気で追えば時計はもっと詰められていたと思われる。

東スポ杯2歳Sは1~3着馬と同じような位置で運べていたがこの馬だけが脱落してしまう。力差を感じさせる負け方だった。一線級と混じると脚力的に強気になれない。

・成長はまだ先と言う評価。この1戦だけで見限れない。

 

上記がホープフルS出走時のカルテ。

 

ホープフルSは15着。3・4番手のインポケットを追走。イン前決着のレースでこの立ち回りは最高だったが、4コーナー前で加速した1・2着馬の動きにまるで抗せず、先行馬ではいち早く手が動いていた。ラスト300mでは力尽きていて流すだけ。勝ち筋に乗った競馬が出来ていただけに完全に力不足。もしくは距離が長い。厩舎の話からすると恐らく巧者。3歳になったらマイルを走っているかもとこの時点で語っていたので2000mのGⅠは適性違いと言えそうだ。約1ケ月後の府中1800mのセントポーリア賞を走りベラジオオペラの4着。距離短縮、相手弱化で順当に巻き返した。勝ち馬は別格的だったが2着とはタイム差なしで走れており、1勝馬同士ならそう弱くはない。失速率の小さい上がりの競馬で位置取りの分だけ着が下になっただけ。レース振りも悪くはなかった。ただ、2歳時に走った東スポ杯2歳S5着よりも2秒近くも遅い走破時計。スロー展開だから好走出来たという可能性もある。ペースが流れて地力を問われた時に同様に走れるかどうか?この内容だと1800mもまだベストと言い切れない。ここも課題のあるレースとなりそうだ。

 

シェイクユアハート【回避】

・負けているレースは決め手で劣っていた。ラストに速い上がりを使えない可能性も高い。

・勝ち上がったレースはタフな流れの消耗戦。レース上がり36.8秒のレースに対して本馬の脚は36.3秒。体力勝負や我慢比べのレースで良さが出ている。

・2000mにこだわった使われ方をしているが、ともすればこの距離でも短いように思う。長距離を使う方がこの馬の良さは出そう。

 

上記がきさらぎ賞出走時のカルテ。

 

きさらぎ賞6着。これまでも指摘した通り、きさらぎ賞は1・2着馬以外は1勝クラスでも微妙なメンバー。3着以下の各馬が次走でそれを証明している。3着馬&4着馬は若葉S(8頭立て)で6着、8着。5着馬がチューリップ賞16着。7着馬が1勝平場で12着。競走中止した1頭を除いた全ての馬が全く通用していない。本馬も然るべきだろう。重賞に出て良い馬とは言えない。個性的には決め手勝負よりも、消耗戦で強いタイプなので良馬場の重賞では通用の目途が立ちにくい。スタートからハナに立ち、道中で3番手に押さえる立ち回りはこの馬の個性としては良かったが、ラストに速い上がりを使えずにズルズル下がり負けている。この辺は前走のカルテ通り。とは言え、レース上がり34.3秒程度の速さに抗しきれないようでは問題外の話となる。決め手の重要度が増す阪神1800mだと条件クラスでも厳しいのではないか?と思う。不良ぐらいの道悪にならないと掲示板も厳しいと思う。また、距離適性も微妙。この馬の持続力では2000mでも短そう。もっと体力勝負が出来る距離で走る方が良く、1Fでも2Fでも長い方が良いと思う。評価以前に適性のズレが大きいと思うのだが。

 

シーズンリッチ

・スタート下手で、出して行くと行きたがり、脚を小出しすると末も甘くなる。乗り方が難しい。

・未勝利勝ち時の2着馬はきさらぎ賞で離された4着。間接比較からも評価は低い。レベル的には条件クラスの可能性が高い。

 

上記が共同通信杯出走時のカルテ。

 

共同通信杯6着。一連の3歳重賞で最もメンバーが濃かったこのレースでこの着に走れたなら頑張った。タイム差も0.5秒差と小さい。このぐらい走れてしまうと今回はマークが必要になって来そう。好走の要因はこの馬にしてみればスタートが抜群に良かったこと。と言っても、五分に出た程度なのだがスタートで下手を打つタイプだったので五分に出れた事がこの馬には大きい。スタートから2・3番手の位置が取れたので力を出し切る事が出来たと思う。それだけに6着差は実力差を感じさせてしまうが、皐月賞を目指す馬が一息入れている時期なので前走ほどに強力なメンバーは揃わない。同じぐらいのスタートを毎日杯でも切れれば前走以上の着に走る事は出来るかもしれない。ただ、先行すると行きたがる面が出るのは相変わらずで乗り方は難しいまま。この気性の為に目を引くような決め手を発揮出来ないでいる。超切れ味勝負となった新潟の新馬戦を除くと、3戦で使った本馬の上がりは34.4秒、34.3秒、34.2秒でいつもだいたいこのゾーン。奇しくもこの3戦は全て府中1800mなのでこの上がりがデフォルトなのだろう。今回も決め手勝負の舞台だし、33秒台の脚を使えそうな馬が何頭かいる。末脚の精度を上げてこないと入着までは厳しいのかもしれない。

 

ダブルジョーク

 

新馬戦が2.5秒差、2戦目が2.4秒差の大敗だった。使いながら馬を仕上げていたのだと思うが、1400m、1600mの流れに乗る事が出来なかったので距離の問題もあったと思う。いずれにせよ、2戦目まではヤラずの競馬で全く動けていない。3走目から1800mに伸ばす事でレースの立ち回りが向上。流れが遅くなったことでポジションを取れるようになり、差して2着、先行して勝ち上がりと一気に走りが良くなった。ただ、いずれもペースが超遅いもので時計的な価値はほとんどない。勝ち上がった前走は65.0秒で先行したのにアタマ差まで詰められていたのも物足りない。走れるようになったとはいえ、その内容もかなり薄いもの。評価出来るような材料は見受けられないし、条件戦でも壁があるように思う。 奇想天外な昆×横山典コンビなのでウラでもありそうな感じもするが、馬はまだまだ動けていないので普通に見れば厳しいと言わざるを得ない。

 

フルメタルボディー

 

2歳7月の新潟1400mの新馬戦でデビュー勝ちしているがまだ3戦とキャリアは浅い。砂芝問わず全て馬券になっており凡走はない。短距離向けの良い前進気勢があり、いずれも逃げ馬の後ろにつける3・4番手の先行策。ゲートも速く、序盤の立ち回りは安定して上手い。クラスが上がった近走はそのポジションから前を交わせずに3着までと言う成績で終いは甘くなってしまう。全戦で前残りの競馬となっているので、展開的にはどれもハマっていたが最後の決め脚を繰り出せない。脚を溜めきれていない印象。どのレースも走りがワンペースになっていてギアが上がらない。無難な立ち回りで成績も悪くないが、現状は力で負けている。レース振りが安定しているので巻き返しの余地も薄い。展開に恵まれたい先行馬と言う感じ。地力で強い競馬が出来る馬ではなさそう。距離については未知数だが1400mを2戦して、前走でようやくマイルと言う臨戦過程。これとレース内容を加味して分析すると距離が伸びてパフォーマンスが上がるようには思えない。正月競馬以来になるので成長の余地は大きそうだが、それでどこまで馬が変わるかによるだろう。

 

マイネルモリー

 

2歳戦の開幕週から使い出されて、1600mを中心に6戦目で勝ち上がる。新馬戦の3着以外は勝ち上がるまで全て2着と馬券から漏れる事無く好走は続けていた。こういう成績を残せる馬なので道中の立ち回りに気になるような点はない。序盤の行きっぷりが少々弱いのが気になるぐらいで折り合いやGOサインが出てからの反応は良い。控える競馬が主だが脚質も自在でペースに併せたポジショニングが可能。2戦目から勝ち上がるまでの5戦は全て接戦で常に馬体を併せて入線している。ちょっとした事で負け続けてしまったが、走りの質は総じて高い。なので、昇級緒戦のこぶし賞でも通用してしまいいきなり3着と馬券圏内の走りを見せた。が、どういう訳か前走で2400mのゆきやなぎ賞に出走。ここで初めて圏外となってしまった。それでも5着と掲示板は死守しているので条件クラスの適鞍なら上位常連でイケるクチ。キャリアが多いので強い馬ともそれなりに走っていて、その中には桜花賞の権利を獲ったムーンプローブやモズメイメイなどがいて、これらとも接戦していた。クラシック一冠目が目前に迫ったこの時期の重賞なら強敵と言える馬は少ない。同等程度の馬と走るならこの馬も上位に顔を出せる馬だと思える。瞬発戦、持続戦、消耗戦とどんな展開でも好走しているので展開にも左右されないだろう。道悪もこなしている。馬柱の見栄えはあまり良いとは言えないが、不安材料が極めて少ない。一発注意の存在になりそう。

 

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