競走馬カルテ

2・3歳重賞の出走馬を分析・記録していくブログです。

フィリーズレビュー(GⅡ) 出走馬カルテ

 

こんにちは。

 

牝馬路線の王道は阪神マイルの3重賞であり、フィリーズrvは別路線と言う見方が必要です。1400mで行われる事から短距離適性の強い馬が集まります。マイルが微妙に長いという馬はこちらから本番を目指すことになり、ともすれば本番よりも適性距離のこのこちらで勝負する陣営がいるのもこのレースの特徴です。阪神マイルの王道路線には強い馬が集結しますが、フィリーズrvは比較的与しやすいメンバー構成になるので余計にそういう感じになっています。そういう馬は毎年必ずいるので今年も勝負気配の高い馬に注意が必要です。

 

また、阪神1400mは多頭数になると外目を追走する馬に不利となり、内枠有利なレースになりがちです。フィリーズrvは常にフルゲートで行われるレースなので特にこの傾向が強くなります。実際、3枠が4連勝中で4枠が3年連続2着と極端なデータになっています。3・4と言う数字に限らず内枠の馬、インで器用に立ち回れる馬、狭い所を突いて来れる差し馬等が馬券の対象となりやすいレースです。

 

距離適性、枠番、脚質とどんなレースでも基本的な検討要素ではありますがこのレースはそれが特に重要です。桜花賞への意気込みとかはあまり出てこないと思うので基本事項を徹底して馬を取捨していきましょう。

 

フィリーズrvは12日(日)に行われます。前日の11日(土)には更新を完了します。

 

予想案はページの最下部にある専用ページにまとめてあります。ブログカードを貼っておきますのでそちらをご覧ください。

 

イティネラートル

・4戦2勝で勝ち鞍はいずれも逃げ切りだった。どちらもマイペースに落としてレース後半は上がりの競馬に持ち込んでの勝利。

・自分のペースで行けないとモロさがある。

・勝利した2勝の内容には強調出来る材料がない。

 

上記が阪神JF出走時のカルテ。

 

2勝はいずれも逃げ切り勝ちでハナを取れないとモロい。ただ、ハナに立てば良いという感じもしていない。逃げて2勝の内容は標準的なペースより1~2秒は遅いもので、上がりの競馬に持ち込んで最後に突き放す勝ち方。ミドルやハイのペースで行くと終いまで脚を残せない可能性もありそう。ハナに立つに越したことはないのだろうが、如何に自分のペースに持ち込めるかが鍵だと思う。逆にペースが楽だったら2・3番手でもやれるかもしれない。厩舎的には1200~1400ベストと言う評価。出走していた阪神JFもお試し感を強く出していた。マイルの距離に加えて、ハイペの流れからラスト300mぐらいに力尽きていた。ある意味厩舎評通りの結果。その頃からフィリーズrv辺りが目標になると話ていたのでここは勝負度合いが高いはず。2勝目を上げた阪神1400mなので条件的にも良い。それでも自分のペースで競馬が出来るかがが重要だと思うので、同型の有無、想定されるペースや展開などで取捨出来ると思っている。

 

サラサハウプリティ

・上がりの時計に限界がありそう。洋芝なら決め脚に昇華出来るが、馬場の速い中央場所では末脚が際立たない。

・追走もスムーズで、レース振りに悪目立ちするところはない。現状は立ち回りで勝負している印象が強い。

 

上記がファンタジーS出走時のカルテ。

 

近2走はファンタジーS、つわぶき賞と1400m戦を連戦している。0.6秒差5着、0.3秒6着とそれほど負けてはいない。敗因は菱田騎手が控えすぎてしまっている。スタートはいつも良いのに、ファンタジーSが後方2番手、つわぶき賞が中団8番手。そのポジションから差せるなら良いが、他馬と比べて伸び脚が際立たたない。でも、だったら前で競馬をすれば良いというタイプでもなさそうなので乗り方は難しくなる。厩舎内では馬群を割って伸びて来れる勝負根性に期待しているところがある。菱田騎手も常にそれを狙っているという感じのようだ。だとするとこのレースで適性ナシとは言えなくなる。フィリーズrvはそう言うイン突きの馬が毎年勝ち負けするレース。この馬のスタイルがハマる可能性がある。実はファンタジーSもそれを狙った競馬でこの時は捌けなかっただけで脚を余して負けていた。今回もそうなる可能性はあるが、馬群に怯まない馬なので内枠を引けば面白そうな所がある。外目を追走しても脚は堪らないのでイチかバチかのイン狙いなら出番の可能性は否定できない。

 

ジューンオレンジ

 

5戦中3戦で出遅れていて、それで負けているようなところがある。その為に、キャリアの割に能力を測り切れない。ただ、出遅れなかった3・4走目から推し量ると1400mもギリギリ長いという気がする。3走目の1400m戦は手応え良く最終コーナーを回って来たのに伸びが止まり、逃げ馬の上がりすら上回れず、突き放され、3着馬にハナまで詰め寄られた2着。これで距離適性を判断したのか4走目で1200mに短縮し、これを勝ち上がった。ラチ沿いでロス無く進めて、直線入り口射程圏。手応えには終始余裕があった。力強く差し切り初勝利となった。1200mと1400mではレース運びに違いがある。また、出遅れたレースではあったが1600mも1度使っていて如何にも距離が長いという末脚だった。まだはっきりとは言えないが、短距離馬と言うことで良いのではないかと思う。1400mの今回は距離が微妙に長い可能性があるので、出来るだけロス無く立ち回りたいところ。そうすればかろうじて一脚使えるだろう。適性より長い条件で外からまとめて差す脚はないと思う。馬番の内外は大きな判断材料になるのではないか?

 

シングザットソング

 

全戦で出遅れているがその全戦で最速上がりを記録している残念な馬。新馬戦は何とか勝ったが、ポジション取りが出来ていないのでスムーズな進路を取れなかった。もみくちゃになりながら良く勝てたなぁと思う。以降も特別戦を連戦したがスタートでとにかく下手を打つので昇級してからはいつも最後方。2走前はイン突きが決まらず5着、前走は外から一気に脚を使って3着。後方から脚を使うので上がりが最速になるのは当たり前だが3戦全てで33秒台はなかなかの末脚。レース上がりよりかなり速い脚を使えているので脚力そのものは高いのだと思われる。だから本当にもったいない。末脚だけなら重賞でも通用しそうなところがある。狭い所にも躊躇なく突っ込んで行ける根性があるので進路があればどこからでもやって来そう。この末脚を如何に有効に使うかは鞍上次第。これまでは直線の長いコースだったので様になったが内回り1400mだと乗り方が難しくなりそう。ただ、フィリーズrvは前傾戦になりやすいので展開がハマる可能性も小さくない。流れが向けば突き抜けることもありそう。

 

テンノメッセージ【除外】

 

3戦を消化して全て1400mを走ってきた。近2走が阪神1400mで今回の条件は走り慣れている。2・1・3着の成績で安定して上位に来ている。負けた2戦も逃げ馬に楽をさせ過ぎて前残りされた新馬戦と、直線で捌き遅れてしまった万両賞で力負けしたというレースは今のところない。勝利を挙げた2走目の内容もとても良く、タイトなペースで逃げて後続を突き放している。34.6-58.0のペースで行ってラスト3Fを失速なしで走れているから持続性も高そうだ。この時の勝ち時計はフィリーズrvでも勝ち負け可能なもの。前走も負けはしたが牡馬重賞で好走を続けているペースセッティングと遜色ない走りが出来ており、力的な目途も立つ。スタートが良いので常に3番手以内の競馬が出来ていて、終いもしっかりと脚を使えているから取りこぼしは少ない。前走を見るとモマれて力が削がれるようなタイプでもない。全体的な印象は良く、牝馬同士の重賞なら十分足りていると思われる。重めの印でも検討可能だと思う。適は抽選だけか?

 

トラベログ

 

11月の福島1200mでデビュー勝ちをして、1月の菜の花賞(中山1600m)も6番人気で逃げ切った。無敗馬。発馬が良く、スタートのアドヴァンテージを生かして先行するスタイル。1200mだと他も速いので促しながら2番手だったが、マイル戦の前走はスタートダッシュだけでハナを取れている。テンのスピードに見どころがある。新馬戦では直線入り口で両脇を挟まれてしまい馬がテンパり操縦不能になったが、立て直してからグングン伸びて差し切った。良い勝負根性がある。菜の花賞は距離延長で楽にハナにたてたマイぺ逃げ。新馬戦で見せたような粗さは見せず、スムーズに直線を向き、リードを保ったまま逃げ切る。ただ、菜の花賞に関してはレース内容が薄い。36.2-60.8の通過はかなり遅いし、それでいながら最後の失速率も大きい。勝ち時計1:36.0も前週に行われたフェアリーSより3秒近くも遅いもの。マイル戦として評価を高くするのは難しい。1200mから始めた馬だし、最後の失速率を見るとマイルは長いかな?と言う印象が残る。なので、中間距離の1400mに的を絞ったのは悪くない。ここまでの2戦を見ると、スロー競馬を前残りしたという戦績になっているので地力が高さは感じれない。持続戦に対応出来る下地は示されていない。負けていない事を最大限評価しても試金石という扱いが妥当になる。

 

ハートループ【回避】

 

中京1600mで新馬勝ち。五分のスタートから好位を取ろうと促していたら、スピードに乗ってしまい1F過ぎたあたりでハナにたってしまう。無理してハナを主張したとか、馬がその気になってしまったとかではないと思う。馬の二の脚が速かったということだろう。3~4角では3馬身は離して逃げていた単騎の楽な逃げ。ペースも落とせていたのでコントロールが利いている感じはある。気性的な問題点は見られない。直線で抜け出せていたが、ペース、ラップを考慮するとラストの伸びに秀逸なところはないように思う。2・3着馬には詰められていたし、終い部分を見ると普通の馬の可能性も。ただ、2着馬は1番人気だったし、3着馬は次走勝ち上がりと相手が弱かったという事ではない。レース内容に強調点がないので推し切れないが、2走目の変わり身次第な感じはある。スタートしてからの行きっぷりが良くなるようなら二の脚があるので1400mの流れにも対応出来るだろう。まだ評価しきれない部分が多いので今回はの判断は迷う。

 

ブトンドール

・他馬が促しながら先行していくなか持ったままで先行していける。序盤の立ち回りは上手く競馬センスの高さを感じる。

・洋芝の道悪しか経験がなく、中央場所の良馬場に課題があったが重賞で上がり最速を記録する末脚を繰り出した。時計の速い決着にも対応可能な下地が出来た。

函館2歳Sから待機策を採るようになり板についてきた。完全に末脚だけで勝負できる馬になっている。ファンタジーSの末脚は1頭だけ飛び抜けたもので破壊力があった。

 

上記が阪神JF出走時のカルテ。

 

阪神JF10着。マイルは何とかこなせる程度で阪神JFの条件は厳しかった。過去と比べて1・2を争うほどに速かったハイペースは距離適性の足りていな馬にはしんどかったと思う。好スタートを決めながら後方まで下げた鞍上の乗り方は良かったが脚は堪らなかった。また、他より余計な距離を走ることになる14番枠も良くなかったであろう。ロスの大きい立ち回りになってしまった。直線で追っても伸びて来る感じもなく、バテた馬を何頭か交わしただけだった。何かに恵まれたい馬が何も恵まれなかったのだから、10着の成績はある意味力を出し切った結果と言わざるを得ない。3歳の使い出しが1400mになるのは当然。この条件は好内容2着のファンタジーSと同じ条件。巻き返し注意の存在になる。今回に限っては、良い点、悪い点がそれぞれにある。良い点はフィリーズrvにありがちな本番よりもここ狙いの馬に該当しやすい。いきなり勝負仕上げも考えられる。悪い点は脚質と乗り方。近2走は外からの直線一気が定着している。阪神1400mでこの乗り方は基本NG。同条件のファンタジーSでは通用したが出走馬が集まりにくい2歳時とは違い、桜花賞への権利取りがかかるフィリーズrvは常にフルゲートと言うレース。故に大外強襲はロスが大きく決まりにくい。枠やレースでの立ち回りには注意がいる。

 

ポリーフォリア

 

タスティエーラが勝った新馬戦の7着馬。好スタートからハナを切り、スタートセンスの良さを見せた。が、そのタスティにビタ付けされて常に圧をかけられる。直線入り口ではリードをなくし後続にも交わされてしまう。厳しいレースだった。それでもぱったり止まっらなかったのはエライ。ちなみに、その後出走のない4着馬以外の2~6着馬はみな勝ち上がっているレベルの高いメンバー構成。本馬も全然弱くなかったし、既に2勝馬でこの新馬戦では出世している方。また、どうも1800mも長かったようだ。この後2連勝するのだが1600m、1400mと距離を縮めながら好走を続けている。スタートセンスの良さは変わらずに、未勝利が逃げ切り、1勝クラスが2番手から押し切り。ゲートがとにかく上手いので開いた途端にポンと出る。前走は二の脚も十分速かった。スピードを生かした先行力は安定感があり、マイルぐらいまでなら持続力もあるようだ。2勝の比較から1400mと1600mのどちらが良いかは何とも言えないが、稍重だった1勝クラスの内容を見るとスピードだけでなく、パワーもあるようだ。その両方がより活きて来るのは1400mの方で、こちらの方が向いている可能性がある。ここまで1番人気の支持を得たことが無く、常に過小評価されているがそんな弱い馬ではない。今回の課題も阪神への輸送ぐらいで、不安材料はこれぐらい。輸送のないアネモネSだったら権利は獲れるのではないか?と思える。

 

ムーンプローブ

・発馬が安定した近2走は楽に先行ポジションを確保して高いレースセンスを発揮している。

・レースが加速する勝負所でも持ったままでスムーズに上がってこれる。直線に入る頃にはいつでも抜け出せるような体制を確実に取れていて立ち回りはとても上手い。

・反面、追ってからの伸び脚は物足りなさを感じる。ゴール前では詰められてしまうので辛勝の連続。

 

上記が阪神JF出走時のカルテ。

 

阪神JF17着。このレースの先行集団を形成したのは4頭の2勝馬でこの馬もその1頭。逃げたサンティーテソーロ以外は崩れており、この馬がいち早く失速していった。外枠が良くなかったというのもあるし、ペースも早かったのでいろいろ噛み合わなかった。阪神マイルを2勝の実績で、持ち時計もある馬だったが、ペースは勝った時よりも1秒~2秒半は速く、自分のリズムでいけなかった感じ。力以上に負けた印象はある。馬は元気だったと厩舎は話していたが中1週の競馬も良くなかったのかも?負けた理由はいくらでも出てくるので見直せる。ただ、2勝している条件のチューリップ賞ではなく、1400mのコチラを選択したのは違和感が残る。こちらの方が権利が獲れるということだろうか?1400mは初出走になるが適性は高いと思う。スタートが安定して速く、レースセンスがある馬なのでペースにはまず乗れるだろう。勝負所の機動力もあるので内回り条件も最適。むしろマイルでは終いの伸びが物足りなかったので、外回りコースの決め手勝負よりは短い直線をいち早く抜けだせるこの条件の方がハマるのではないか?と思う。案外やれそうかも。

 

リバーラ

・器用な走りや操縦性の良さなど印象点はかなり高い。

・初戦が後方まで下がる待機策、2走目は先行策。脚質に自在性がある。騎手の指示通りに動けているので2歳馬にしては信用性が高い。

・ラストにしっかりとした脚を使えるが脚力が特別高いという感じはない。

 

上記が阪神JF出走時のカルテ。

 

 

阪神JF18着。5馬身差の最下で圧倒的に負けた。ファンタジーSを逃げ切った馬だが、阪神JFでは内に速い馬が何頭もいたので出たなりのポジションで徐々に進出していく形。レース運びとしては良かったと思うし、4コーナーでは先頭に並びかけていた。ただ、4コーナーでトモが流れてしまいバランスが悪くなっている。石橋騎手の話ではこれで気持ちがキレてしまったらしい。直線は追う事もせずに他の馬の邪魔にならないように徐々に後退していくだけだった。アクシデント負けになるので度外視する必要がある。また、レース当日はテンションも高かったとのこと。美浦の2歳牝馬が短い期間に長距離輸送を2度したのが良くなかったのだろう。以上のことから、阪神JFの敗因は精神的なものに敗因がある。なお、厩舎評では1200~1400ベストとのこと。距離も長かったようだ。実際、ファンタジーSまでのレース振りは良かったし、適性面も相手関係も好転する。精神面や状態次第で好走可能としておきたい。

 

ルーフ

 

中山、府中、阪神、小倉と4場で4走して2勝3着2回と複勝圏は100%を維持している。現在連勝中である。2走目に1400mを走ったが、他は1200mを走っている短距離馬。スタートは安定しているが、脚質はまだ定まっていない感じ。ただ、どんなポジションからでもいい脚を確実に使ってくる。後方からの追い込み→先行2・3番手→逃げ切り勝ち→中位から徐々に進出して差し切り勝ち、という4走のレース運び。行ってもいいし、控えて決め脚も使える。どんなレース運びになってもコントロールが利く賢い馬と言う印象。操縦性が相当高いのだと思う。1400m(府中)の経験は1度だけだが対応出来そうな根拠はある。突き放された上に差されてしまった3着を見ると距離が長いかな?と言う感じは受けるが、時計的には十分。新馬戦で負けたスピードオブライトの京王杯2歳S3着時の走破時計より0.1秒速く走破しているからだ。京王杯2歳Sとこの未勝利には類似点が多く、ラップの造りもかなり近い構成になっていた。それでスピードオブより速い時計を出せたのだから大したものである。しかも、良馬場の京王杯2歳Sに対し、この馬の未勝利は稍重なのだから十分に価値があり、そう言う時計で走れているなら距離はこなしていると考えても良いとともう。直線の短い阪神内回りなら府中よりレースは運びやすいはずで、行って粘り込むのも良いし、立ち回りで勝負して一脚使って抜け出すことも出来る。距離適性が微妙だとしても牝馬同士の重賞なら十分に対応出来ると思う。通用しても良いかもしれない。

 

以下は2週前の段階で出走予定を把握出来なかった馬でカルテの作成が済んでいません。数が多いので出走可能な馬から更新し、その他はアネモネSや条件戦などとダブル登録している馬もいるので出走馬が確定する9日(木)の夕刻以降の更新となります。

 

▼賞金上位馬

 

エコロアイ

 

馬券になったのはダート戦のみ、芝は掲示板圏外。馬券になったのは1200mまでで1400mは交流重賞の5着まで。この馬の馬柱を見ただけで無印でいいやって気なる成績。キャラとしてはゲートの速い逃げ馬。スタートをポンと飛び出してハナを取る。ただ、非常識なスピードで飛ばしていくようなタイプではなく、至って普通のペースで逃げる。後続が来なければ粘れるが、その程度のペースで差してこれない相手関係は推して知るべし。ほとんどのレースでどんどん差されて着を落とす。直線入り口は手応えがありそうな感じで中ほどまで頑張る時もあるが、追い出してから余力があったことはない。この馬に直線400mは長すぎる。このままの競馬を続けてもこの先良い事はないのではないか?控えた競馬をしたら違った側面を見せるのかもしれないが、だとしても直線で勝ち負けに加われるような脚力があるようには思えない。得意のダ1200mとかならもう少し角度を変えて検証してみる気になるが、この条件だと出走そのものに疑問が残る。出走馬に強力な重賞級がいるわけではないが、それでも相手が強いと思う。

 

ジョリダム

 

前走までの6戦が門別所属。力のある道営馬は大井や川崎等の南関に転籍する例が少なくないが、馬主はJRAで何頭も馬を走らせている村田牧場なのでこの馬はJRAに転籍してきた。今回は中央馬としてのデビュー戦となる。ただ、この馬はダートよりも芝の方が走りが良い。ダートは4戦してきたが新馬戦の1勝のみで【1・1・1・1】と言う成績。決め手の無いタイプのようで叩き合いで負けてしまう。芝は8月に招待レースのコスモス賞を逃げ切り勝ちし、盛岡で行われたJBC当日の2歳OP戦の様なレース(芝1600m)で2着に走っている。行きっぷりがダートとは全然違っていて芝の方が楽に好位が取れている。走りの質が芝の方が良い。また、近2走はマイル戦を走っているが距離が長い印象を残しているから1400mぐらいが丁度よい可能性もある。芝の1400mは当面のベスト条件かもしれない。適性はありそうなので全く無いとはまだ言えない気がする。今年のメンバーはそこまで強くなさそうなので出走馬が確定して相手関係を確認したうえで再度検討したい。ただ、やはり力関係を保証出来る馬でもないようだ。コスモス賞で負かした中央馬はそこまで強力でもないし、クイーンCに出走して11着だった地方馬メイドイットマムとは門別時代に2戦していずれも完敗している。条件クラスまでと言う可能性も大きい。

 

ミスヨコハマ【回避】

・内々をロスなく立ち回れており器用にインを突く競馬を続けている。ただ、インをセコク回っている割には終いの脚が少々弱く、外から来る馬にいつも差されてしまう。

・待機策から末脚勝負にシフトしていてそれも板についてきていたが、赤松賞では再び先行策から抜け出した。行ったり、控えたりと自在性が非常に高い。

・待機策で末脚に磨きがかかったからか、赤松賞では2番手から3位上がりを記録した。終いの脚がしっかりとしてきたのは印象が高くなる。

 

上記が阪神JF出走時のカルテ。

 

前走の阪神JFでようやく2kの馬体増。6月に使い始めて赤松賞までの6戦は馬体がずっと460kだった。3ケ月振りで馬体がどれだけ成長したかも検討材料になるだろう。その阪神JFではリバティアイランドの真後ろ10番手を追走していたが、追い出してからは止まらなかっただけでほとんど加速出来ずに9着。展開的には流れは向いていただけに力差を痛感させた。デビューから使い詰めていたのでそのツケが出た感じ。リフレッシュされていれば重賞でも好走出来る下地があるので見直せる1頭。1200mからスタートした馬なので1400mへの短縮も対応可能な馬であろう。ただ、この馬もフィリーズrvには出走しないかもしれない。厩舎的にはマイルぐらいの距離で控えて差し脚を武器に成功させたい考えがある。なので、アネモネSにダブル登録している。美浦の馬でもあるし、アネモネSに出走出来るならわざわざ遠征してくることもないだろう。トライアルに出走する賞金は足りているのでそちらに回る公算が大きい。それでも、こちらに回るようなら相手関係上有利の判断が働いたことになるのでその際は勝負気配が高いと考えて良い。

 

▼抽選対象など

 

イコノスタシス

・サンデーRの期待も当初より高く、常に鞍上にはトップジョッキーを配置してきた。

新馬戦では瞬発戦に対応、2・3戦目には道悪競馬をそれなりにこなし、前走は持続戦で強い競馬。様々なレース内容を経験していて、ここまでの平均点は結構高い。

・4戦中馬券になった2戦が逃げ切り。圏外になった2戦がスタートで失敗。ゲートに関しては良いのか悪いのか良く分からない。

 

上記がフェアリーS出走時のカルテ。

 

フェアリーS8着。敗因はハイペースを積極的に行ったからだと思う。追い込み決着のレースでこれは仕方がない。未勝利勝ちの内容が良いので敗因のあるフェアリーSだけで見限る必要はないと思う。ただ、同じように積極策から3着に粘った馬もいるので、それと比べると物足りないという点はある。どんなレースでも能力だけで圧倒出来るような存在ではないということだと思う。好走するにはレースの流れに適した競馬をしなくてはいけない。2走前に逃げ切り勝ちをしたからか前進気勢が強めに出ていたように思う。これだけ速い流れでも自ら前を追いかけてしまったところがあり、気性面も少し良くなかったかもしれない。この気性なら1400mに短縮されるのは吉と出るのでは?持続性はあるし、この距離の方が競馬はしやすい印象がある。姉は昨年の勝ち馬なのでこの距離でこその可能性は否定できない。美浦からの輸送で変な影響がなければ走れて良いと思う。

 

トウシンカーリン

 

阪神と中京のダ1400mを2戦していて1着、6着という成績。走破時計はどちらも1:26.8だった。2戦目の1勝クラスでは3F通過で新馬戦より1.0秒速い流れだったので使えた上がりも0.9秒遅くなっている。新馬勝ちの内容がスローで時計的に物足りなかったので評価しにくかったのだが、2走目の内容がそれを証明してしまった。速さが求められた事でパフォーマンスが低下してしている。同じ時計でしか走れていないように能力的に限界がありそうに思う。新馬戦では自ら動いて前を捕まえに行く強い勝ち方だったが、それもペースが遅かった事で可能であったのだと思う。相手も強くなったことで順当に着が下がったと見て良いと思う。2戦とも芝スタートでこの区間ダッシュが利いていたので芝がまるでダメと言う事はないと思うが、前傾ラップになりやすいフィリーズrvでは3Fの通過がさらに2秒は速くなる。これだけ速くなるとこの馬に脚が溜められるようには思えない。能力的な数値が高くないので乗り方を変えても大きな変化はないと思うし、劇的な変わり身を見せないと厳しいのではないか?

 

ニシノトキメキ

・スタートが速く、先行争いには必ず加わって来る。

・33.3秒の通過は2歳戦としては速く、小倉2歳Sでも十分通用する速力。この流れを自ら作り、失速率を小さくして逃げ切った内容は良い。

 

上記が小倉2歳S出走時のカルテ。

 

小倉2歳Sは未勝利勝ちした時とほぼ同じペースで推移していたのだが、逃げ馬と馬体を合せて進めた事で馬が疲れてしまったかもしれない。また、未勝利勝ち時は楽に突き放せたが、相手が強くなった事で今度は後続に楽に捕まってしまった。相手強化で順当に負けたということになる。その後、この馬が逃げたり先行したりすることは無かった。しかし、控えた事で使える末脚が向上した訳ではなく、先行してたことろより少し速いだけ。2戦目以降は上がりが3位以内に入った事もないので、本来は末脚で勝負して良い馬ではない。2走前の様にラストの失速率が大きくなる時は入着があるが、それも相手関係に拠るのだろう。ここまでの5戦全てが1200mだったので1400mでどんな競馬をするかは未知数なのだが、フィリーズrvのペースはこの馬がここまで経験してきた流れとほぼ同じなので、レース内容もたいして変わらないのではないだろうか?

 

プウスカンドゥール

 

中京の1400mを連戦している。新馬戦1着、紅梅S8着と言う成績。スタートが上手くなく、いずれも出遅れている。紅梅Sの出遅れは特にひどかった。勝ち馬とはスタート後すぐに4・5馬身ぐらいの差がついてしまった。使った上がりは勝ち馬と全くの同タイムであり、タイム差1.0秒はスタートのロスの分とほぼ同等と考えられる。そう単純な話でもないが、せめて五分に出てればあるいわ?ということは言える。それほど上等と言う訳でもないのだが、終いの脚はちゃんと引き出せるので紛れるぐらいの脚なら使えるかもしれない。新馬戦はもう少しまともに出れていて中団後ろぐらいで運べていた。このぐらいの位置で競馬が出来れば全くないとは言えない。ただ、時計は2秒近く詰める必要があり、ペースも速くなるのでタイトな流れで同じような脚を使えるかはまだ未知数。前走で下手を打ち過ぎているので3走目の重賞挑戦はどうしても課題が多くなってしまう。積極的に押さえられる状況ではないので評価が難しい。

 

マルモリディライト

 

1200mの未勝利(札幌)をマイル戦並みのペースでやっとこさ勝ったような馬である。上のクラスでやれる根拠はもともとなかった。こんな内容のレースで負けるような馬もそもそも弱く、2着馬は半年以上経ったが未だ未勝利。勝ち上がれたのだからこの2着馬よりは幸せだったと思う。いろいろあるのだが基本的なことを言うとスピードをゴールまで持続させる力がない。道中も11秒台で加速する箇所があればその度に手応えが怪しくなってしまう。このスピード性能では3F33秒台の流れにはまず乗れないだろう。ここまでにフィリーズrvに出走するブトンドール、ジョリダム、ムーンプローブ、シングザットソングなどに完敗という力関係で勝負付けは付いてしまっている。他にもこの馬の弱さを証明する話はいくらでも出てくるのだが、あまり言ってもあれなのでこの辺にしておきたい。とにかく、かなり無理がある参戦だと思う。

 

ランフリーバンクス

 

突然走らなくなった馬なのでちょっとよく分からない。ドルチェモアの新馬戦で2着だったし、未勝利勝ちは3馬身差の圧勝で1頭だけ末脚がずば抜けてよかった強い内容。これで弱いはずはないのだが。実際、同条件の白菊賞では1番人気の支持を受けていた。しかし、直線で追い出したら反応が無く馬は加速しなかった。この時は上で触れたマルモリディライトにすら先着されてしまうほど。馬が競馬を止めている。この白菊賞の勝ち時計は本馬の未勝利勝ちの時計よりも遅いほどなので、やはりこの馬が弱い訳ではないと思うのだが。ほんと急に馬が悪くなって訳が分からない。2ケ月の間隔を取ってエルフィンSに出走するが、出遅れて後方から追走したが直線で弾ける感じがまるでない。ここでも馬に走る気は感じられない。ノーザンF生産馬で藤田氏の所有馬。モノが悪いという事は考えられない。まともならGⅠでも活躍出来そうな馬だと思うのだがどうしてこうなる?馬が走るのを止めてしまっているのでもうどうしようもない。これをどうすれば改善するのかと言う話になるので動向を観察するしかない状況。昨年の桜花賞2着馬もそうだが武幸厩舎には急に走らなくなるこういう馬が多い。なぜなんだろう?

 

チューリップ賞(GⅡ)の予想案はこちら▼