競走馬カルテ

2・3歳重賞の出走馬を分析・記録していくブログです。

京都2歳ステークス(GⅢ)

 

こんにちは。

 

このレースも3年ぶりに京都で行われます。内回り2000mの条件は先に行われた秋華賞と同じ。今年の秋華賞は珍しくだらしないスローペースの展開でしたが、この展開は京都2歳Sのデフォルト的なレース構造でもあります。

 

今年の秋華賞は向こう正面でペースが緩み、ラスト3Fだけが加速した上がりの競馬。京都2歳Sが重賞化された14年から19年までの6年中5年でこういう流れでレースが展開されています。なので、秋華賞の勝ち時計2:01.1は京都2歳Sの標準的(2:01.3~01.6)な勝ち時計に近いものになっています。秋華賞の結果やレース展開を大いに参考にして良いと思います。

 

しかしながら、2着マスクトディーヴァの様な猛烈な追込みを決めるシーンは起こらないでしょう。マスクトの走りは規格外でしたから忘れた方が良いですね。京都2歳Sも上がり3Fの競馬になるのでリバティアイランドやハーパーの様に先行して、4角5番手以内にいないと3着内に来るのは厳しいレースだと思います。

 

行われた6年間で4角6番手以下から入着した馬は4頭しかいません。これらには14年3着シュバルグラン、18年3着ワールドプレミアなど後のGⅠ馬が2頭、重賞を複数勝つなど活躍した16年1着カデナなどが含まれています。このようにGⅠ級、重賞級のポテンシャルが無いと差し、追込みを決めるのは至難の業と言って差し支えありません。コーナー4つの内回りらしく、先行力や機動力、器用な立ち回りが出来る馬を優先的に扱うのが良いと思います。

 

京都2歳Sは25日(土)に行われます。前日の24日(金)には更新を完了します。出走を考えている陣営が少ないようでまだ7頭しか把握出来ていません。その他は最終登録後に更新していきます。

 

予想案は各ページの最下部にある専用ページにまとめてあります。ブログカードを貼っておきますのでそちらをご覧ください。

 

オールナット

 

京都2000mを新馬勝ち。逃げ切り勝ち。勝って同条件の重賞チャレンジ。重馬場だったので勝ち時計が遅いのは目を瞑れるが、レースは65.3秒の超ドスローで5.1秒も後傾したレース。中身の薄いものになっている。後半1000mが60.2秒で最後まで持続性が問われていない。馬群一塊に進んだレースでラスト3Fの瞬発力勝負。レース内容から地力の程は判断できない。ただ良かった点はいくつかあった。スタートも良く、ハナに立っていく動作もスムーズだった点は立ち回りの良さとして受け取れる。程よい前進気勢がありながら13秒台のラップを4連続させられる折り合いは良いと思う。勝負所でもスムーズに加速出来ており、直線に入る前からペースアップした機動力も良かった。ヨーイドンで突き抜けた瞬発力も評価の対象に出来る。2着馬も直ぐに勝ち上がっている(ここで再戦予定)のでこの馬が強くなかったという事はないと思う。レースレベルが上がった時に対応出来るかは鍵となるが、立ち回りの良さは随所で目立っていたのでそう変な競馬にはならないと思う。

 

ギャンブルルーム

・時計のかかるコンディションで突き抜けているのでパワータイプであるよう。外差し馬場をインからグイグイ伸びて5馬身差の圧勝だった。

・時計のかかる馬場でただ一頭だけ33秒台を記録、2番上がりの2着馬の上がりを1.1秒も上回っているのも脚力が高い証拠。

・前進気勢が弱いタイプなようでもう少し行きっぷりの良さが欲しい。

 

上記が札幌2歳S出走時のカルテ。

 

札幌2歳S3着。1コーナーで少々気難しさを出したが、すぐに収まった。併走の3番手だったがレースの流れに乗れていた。新馬戦では置かれ気味だったのでこの変わり身は好印象。追走力を確認出来たのは良かった。ただ、勝負所での動きには物足りなさが残った。コーナーでの加速が弱く、勝負所は追い通し。コーナー4つのコースで機動力を発揮するタイプのようには思えなかった。直線も伸びそうで伸びずに、雪崩れ込んだだけと言うものなので末脚も物足りなかった。新馬戦のように直線の長いコースでズドンと決めるタイプかもしれない。もしくは、時計のかかる馬場で強かったので、洋芝はこなせると思ったが、馬場状況が稍重だったのでここまで悪化すると良くないのかもしれない。新馬戦でも道中のズブさは気になったし、機敏に動いて行く必要のあるこういうレイアウトの適性は疑問が残る。東スポ杯2歳Sの方がこの馬には走りやすいのではないだろうか?

 

シンエンペラー

 

府中1800mを新馬勝ち。スタートをポンと出て1馬身ぐらいのリードを取ってしまう。行きたい馬に行かせて、こちらは急かすことなく3・4番手を馬なり追走している。ペースはスローであったが標準よりちょっと速いぐらい。勝ち時計の1:48.1も新馬戦なら優秀な走破タイム。こういうレースを楽に先行出来ていた点で評価は高い。所々で気合は入れられていたが、レースの流れに併せたもので、追走力に弱さは感じない。むしろ追い出してからの反応は鋭く、抜け出すときの脚はこの馬だけ目立っていた。11.9-11.1-11.0の加速ラップを楽々突き抜けて3馬身差の圧勝。まだ全力で追われていないので、時計はもっと詰められていただろうし、着差も大きくなっていたと思う。前進気勢も程よいが、スピードが勝っているという訳ではなく、溜めも作れていて終始余裕のある立ち回りだった。初戦からよく動けていたが、追い出してからクビが沈み込んでいないのでぎこちなさも少々見受けられる。現状の完成度は高いようには思えず、良くなる余地も多分に感じられた。上積みは大きそうだ。レース内容は濃く、ポテンシャルは高そうに思う。このメンバーに交じっても魅力のある1頭になる。

 

ルカランフィースト

 

府中1800mを新馬勝ち。勝ち時計1:49.3。新馬戦で1分50秒台を切れていれば悪くない。ゲートが開いた瞬間に飛び出してそのまま2番手を取り、終始キープしてレースを進める。新馬戦らしくあまり速くない流れを折り合い良く進めている。1番人気が楽逃げしているので付かず離れずの距離を保つためちょいちょい気合が入るがスンナリと動けていたのは印象が良いところ。徹底マークの運び方を貫徹出来た。ラスト3F目で13.0→11.8秒で急加速する瞬発戦となったがこれも持ったままで対応出来ているので反応も良い。以降は11.0-11.0秒の速い流れを逃げ馬とマッチレースでゴールまで叩き合う。手応えはこちらの方が上回っていた感じで、ラスト100mぐらいの鞭1発でしっかりと抜け出し3/4馬身抜け出してゴールする。完勝だと思う。この2着馬もルメール騎手を乗せたサンデーRの期待馬で次戦をモレイラ騎手であっさりと勝っているような馬。負かした相手は上等で、この馬も素質馬ということだろう(社台R)。追えば伸びそうな感じはあったのでまだ上がある走りをしていた。上積み・変わり身は期待して良い。今回の相手でも力上位の存在となりそう。京都2000mは器用さや機動力が求められる舞台だが、鞍上の指示に従順で操縦性は良く、先行出来る初速もあるのでこなせるのではないかと見ている。

 

パワーホール

・勝ち時計は遅く、スロ―を逃げ切りしただけだが、ラスト2区間で4馬身差も突き放したキレ味は凄く、瞬発力のあった点は評価の対象になる。

・折り合いはついていたがリズムよく、小気味良い前進気勢。それでいながら脚を溜めながら逃げれていたのは印象が良い。

・馬がもっと走りたがっている感じはあったので、ペースが流れても対応出来ると思う。

 

上記が札幌2歳S出走時のカルテ。

 

札幌2歳S2着。レース前は昆調教師の毒舌爆発だった。1番人気ガイアメンテ(須貝厩舎)に対し、どう考えても須貝の馬より強いだろう!みたいな話を連発していた。実際大きく先着しているので有言実行となったが、この馬自身も逃げ馬を交わせなかった2着で少々物足りなく映る。鞍上の横山典騎手は勝ち馬に騎乗していた横山武騎手を楽に行かせすぎてしまった感が強い。スローペースを単騎で3馬身ぐらいのリードを許していたのはいただけない。もう少し積極的に乗っていれば結果はマシだったように思う。また、道悪で時計のかかる展開もこの馬の脚を引っ張っていたかもしれない。敗因と思えるものがいくつかあるので、あまり評価も下げられないのだが、強調材料はあまりない。1周条件のレースでの立ち回りも相変わらず上手かったので、京都2歳Sも上手く対応はするだろう。ただ、ここまでの2戦はいずれもスローの上がりの競馬で、持続性が問われていない点で強気な評価が出来ないままになる。弱くはないと思うが、重賞2着馬にしては経験値が浅い評価になってしまう。

 

プレリュードシチー

 

オールナットが逃げ切り勝ちした新馬戦の2着馬。この馬も3番手から勝ち馬とそう変わらないポジションで競馬をしている。相手が内枠だったのにこちらが外枠だったこと、瞬発力で若干劣った事が敗因。勝ち馬に対してややズブい処があったように思う。時計的な価値が低いレースなので力差があったとは思えないが、瞬発力の違いで負けた点は否めない。中3週で府中2000mで勝ち上がる。標準的な内容ではあったが良馬場の程よいペースをスムーズに立ち回れた点は良く、勝ち時計も4秒近く詰めれている。水準級の力は確認出来る。ペースが速くなってもスムーズに5番手を取れていてレースの流れに乗れるセンスは新馬戦より良くなっていた。追い出してからの反応も良く、鞭を入れられてからしっかりと加速出来ている点も良かった。ただ、突き抜けは少々弱く、上がり最速ではあったが、ペースを踏まえると府中の良馬場だったらもう少しキレても良いように思う。レース運びは上手いが、末脚上等と言うタイプではないかもしれない。地力が高そうな点も特に見られない。悪くない馬だと思うが平凡な馬の可能性も否定できない。京都・府中と求められる適性が違うレースをこなした点は良いと思うのだが、現状はどういう条件に強味があるのかが見えない。

 

カズゴルティス

 

阪神2000mを新馬勝ち。逃げ切り勝ち。スタートをポンと出て、主張してハナを奪う。62.4-59.7の前後半。極端なスローでもなかったし、後半に凄い持続性を発揮した訳でもないので印象としては単調。クビ差まで詰めた2着馬が次戦で勝ち上がっているので、評価のしようはあるが、3番手以下が3・4馬身も離れていた楽な態勢だったので、後続が控えすぎていただけと言う印象も受ける。展開は味方していたようなので、最後に詰められていたのはやはり物足りないのかも。稍重なので時計面に優秀な点は見られないため判断が難しい。強いとも弱いとも言えず、強調出来る材料がない。強いのかもしれないが、至って普通の馬と言う可能性もある。印に余裕があれば△ぐらいはいいのかも。

 

キープカルム

 

デイリー杯2歳S優勝ジャンタルマンタルが勝った新馬戦(京都1800m)の2着馬。発馬良く、好位を取れていたが、道中で気合をつけられてポジションをキープしていた。少々ズブいところがあったようで勝ち馬とはそれで差がついた感じ。4コーナーのコーナリングも外に脹れていていたのも良くなかった。まだ動ききれていない感じで幼い点は目についた。中3週で京都2000mを使い、これを勝ち上がる。62.0-59.0のラップバランスは悪くなく、勝ち時計2:01.0も悪くない。ハナも奪えそうな感じの好スタートから2番手で最初のコーナーを回っていき、向こう正面でも3番手をキープ。レースが加速したラスト3Fにしっかり反応して、最終コーナー手前から仕掛けて先頭に並びかけるレース運びは印象が良い。新馬戦で見せた道中のズブさも見られず、2戦目で行きっぷりは良くなっていた。終始手応え良く立ち回れていて、直線でもシッカリと伸びて1馬身半差で勝利。特筆すべき程のポイントはないが、力強い走りをしていたのは良かったと思う。安定して良い位置を取れるているので、序盤の立ち回りは上手く、折り合いを欠くような仕草も見られず、目立ったマイナス材料もない。2戦とも2位上がりで先行馬にしてはラストの脚もちゃんと使えている。相手次第になるが、好走しても驚けない感じは受けた。

 

コスモエスメラルダ

 

府中2000mを新馬勝ち。1000m通過64.8秒の超スローだが、後半1000mが58.6秒の持続戦になっているので見どころはある。後半の流れは2歳新馬では楽な展開ではないが、3番手から上がり最速で抜け出しているのでエラい。ある程度の地力は認めて良さそう。ただ、まだ走りがゴツゴツしていて滑らかさがない。後半部分でも早めに鞭を入れられており、自ら動いて行く感じは弱い。前半から流れる展開になるとこの時の様な位置取りはキープ出来ないかもしれない。全体的に機敏さが感じられないので、もう少し素軽いところがあると良いのだが。2戦目の変わり身に期待したいところ。反面、タフな展開に強味がありそうなので、時計のかかり出している京都の内回りは向いているかもしれない。

 

コスモキュランダ

 

6月の早い時期にデビューしたが、全然動けずにレースにならなかった。秋まで休養に入り、馬を作り直したのだろう。9月の中山開幕週に復帰して競走馬らしくなっていた。スタートは良くないようで出遅れもしばしば。それでも急かして最初のコーナーは1・2番手ぐらいで回れる様になっている。馬も使われながら良化が見られ、4戦目の前走で勝ちあがる。走りがまともだった近3走からすると時計がかかる条件、状況の方が成績が良く、良馬場の標準的な流れでは力不足な感がある。ラストに速い脚を使えるタイプでもなさそうで、後続に並ばれたらそこから盛り返して行く力は弱そうに感じられ、決め手勝負だとあまり期待出来ない。直線で早めに抜け出していないと入着は難しいと思う。タートも安定したとは言い切れず、序盤の立ち回りも上手いとは言えないので、この区間に無理してポジションを取ろうとすると、早めに力を使う事になってしまうので重賞だと厳しくなるのではないだろうか?自分の形に持ち込むまでに力を使ってしまうタイプなので、余計に決め手が失われるのではないかと思う。

 

サトノシュトラーセ

 

東スポ杯2歳S4着ショウナンラプンタが勝った新馬戦(阪神2000m)の2着。後半1000mが58.5秒まで加速した新馬にしてはレベルの高い後傾持続戦。これを乗り切っている点で評価は高いが、勝負所から併走していた勝ち馬に2馬身半差つけられているので力負けではある。仕掛けてからの反応や、末脚の威力などで負けた感じ。この馬も強い内容だったが重賞級とは力差があるのかも。中2週で京都2000mを使い勝ち上がる。5馬身差で圧勝している。ラストも流す余裕があったから見た目のイメージは最高。直線入り口では馬なりで先頭に並びかけていたし、立ち回りそのものが際立って見えた。ただ、5頭立てのレースで1頭ごとの着差がそれぞれ大きく、力差の大きな組み合わせだったよう。複勝元返しであったように相手に恵まれてた度合は大きいように思われる。また、重馬場だったので時計的価値を問えず、展開もスローで厳しさの無いレース。直線に向くまでほぼ加速しないレースであり、際立って見えたのも展開が楽だったからだろう。レースの見た目ほど強調材料があるようには思えない。入着級の力はあるのかもしれないが、他馬より優先して評価するほどの根拠には欠けている。

 

ダノンデサイル

 

府中マイル4着→京都1800m1着。仕上げの問題だったのかもしれないが、稍重だった新馬戦では置かれ気味な追走となり、良馬場だった2戦目では2・3番手の先行ポジションと馬場状況によって行きっぷりが全然違っていた。良馬場の方が良いタイプと見ておく方が良さそう。見た感じは末脚上等と言うタイプではなく、いずれも上がりは2位止まり。クラスが上がれば末脚の優位性は失われると思う。前走の様に早めの競馬から雪崩れ込む方が良さそうな印象を受ける。ただ、スタートがそれほど上手では今のところないので序盤にポジショニングが鍵となりそう。多頭数になりそうなので、楽に位置を取ってラストの叩き合いに備えたい。ワンターンのレースを2戦しているのでコーナー4つの条件は未知数だが器用な感じはあるので懸念するほどのことは無いと思う。上位に評価出来る材料はないが、ラップや時計的なものは標準級ではあるので相手次第と言った感じ。

 

ディスペランツァ

 

小倉2000mの新馬戦で5着。スローの上がりの競馬で決め手負けと言う感じ。レースが加速した3~4角での動きが鈍く、押っ付けながら直線へ。追い比べでも決め手の無さが目立ったし、先行集団の一角にいて前残りの競馬で残れなかった点は物足りない。ラスト3Fが加速ラップになっていたので、上がりの速い競馬に対応出来なかった様に思う。次戦に阪神2000mを勝ち上がる。後方に置かれてしまったが、今度は3~4角で良い機動力を見せてマクり切った。直線入り口で先頭を交わし突き抜けるかの勢いだったが、捌き遅れで不利があった1番人気にクビ差まで詰められていて最後の甘さは気になった。2戦ともラストの脚に見どころがなく、使える脚は短い印象。本質的に末脚で勝負するタイプではないように思う。ただ、2戦とも大外枠からの発走なのでポジションが取りにくかったとこはあり、内枠から器用に乗っていればもう少し余裕のある競馬が出来ていた可能性も高い。スタートでもたつくところがあるが、道中の走りはスムーズで、力強く、操縦性も良い。目立った強さは現状ないが、評価以上に走る可能性はちょっとあり、良い枠を引いて、立ち回りで勝負した際にやれる可能性がちょっとだけあるかもしれない。ちなみに、2頭しかいない上の姉兄は全てOP馬で、いずれも2・3歳時から活躍している。血統的にもやれて良いのかも。1つ上が共同通信杯皐月賞3着のファントムシーフ。本馬の終いの甘さも兄由来か?

 

ホウオウプロサンゲ

 

新潟1800mでデビューして1番人気4着。レコード決着に対応しきれずに負けてしまう。2戦目の小倉1800mで勝ち上がり、3戦目のアイビーSが2着。アイビーSで逃げているが、2強対決だった素質馬2頭の間に割って入った。二の脚の速い先行馬で序盤のポジショニングが良い。初戦は速いペースに巻き込まれて伸びを欠いたが、好走した近2走はスローを先行して追い比べに持ち込んでいる。持続戦で強い感じはないが、標準的なペースなら立ち回りの上手さで好走する事が出来る。スローの上がりの競馬になりやすい京都2歳Sには向いた適性である。速い上がりもアイビーSで記録しているし、コーナー4つも2戦目の小倉戦で結果が出ている。相手次第だが、結構やれそうな気がする。

 

マーゴットソラーレ

・札幌1800mを新馬勝ち。折り合って進めていたし、鞍上の指示に従い緩急もつけられていた操縦性も悪くない。

・逃げなくても競馬は出来そうなので先行してロス無く進めれば自信の力は出し切れるタイプだと思われる。

・強調材料はないが、気になる弱点も無い。

 

上記が札幌2歳S出走時のカルテ。

 

札幌2歳S4着とアイビーS2着の落差が大きく、評価が難しい。札幌2歳Sは1~3番手だった馬が1~3着したレースで、本馬も4番手から4着している。勝ち筋に乗った競馬なので評価そのものは高く出来ない。勝負所でこの馬だけが激しく手を動かしており、手応えは怪しく、直線で突き放されていた内容は力負けの感。タイム差も1.5秒差で大きい。札幌2歳S稍重で、新馬戦も札幌1800mの稍重と同じ条件であったのに新馬戦より1.0秒も時計を落として入線しているのはいかがなものか?このレースだけなら重賞では厳しいと談じたくなる。しかし、アイビーSの内容は超優秀。レース史上最速の勝ち時計を記録したレースで0.1秒差の2着。しかも、速いぺースで逃げていたのがこの馬でスピード性能の高さを証明している。残り5F区間全てを加速ラップで走り切っているので持続力も高い。2歳のこの時期に2000mで2分を切って走るのだから評価は自然と高くなる。開幕週だったので馬場の恩恵も大きかったと思うが、だとしてもこの内容は侮れない。近2走の辻褄を合わせるのは難しいが、力のいる条件よりも時計の出やすい馬場の方が良いという事は言えるのだと思う。もしくは逃げて2勝の戦績なので気分良く行かした方が良い可能性も高い。逃げている時はテンポ良く走れていて終いの伸びも良い。今回もこういう競馬が出来れば。今の京都の馬場は時計がかかっているが、それでも札幌よりは走りやすい状況だと思われ、入着されても不思議はない。

 

京都2歳S(GⅢ)の予想案はこちら▼