競走馬カルテ

2・3歳重賞の出走馬を分析・記録していくブログです。

新潟2歳ステークス(GⅢ) 出走馬カルテ 2023

 

こんにちは。

 

函館、新潟、札幌、小倉と行われる夏の2歳重賞の中ではこの新潟2歳Sがもっとも当てやすいと思います。コース形態的にマギレがなく、有力馬が力を発揮しやすいからでしょう。また、キレ味勝負というわかりやすい目安もあるので比較的に馬を選びやすいですね。だから私もほとんど負けたことがないレースで、昨年は上位3頭がそのままワンツースリーしてくれました。今年も札幌、小倉の2重賞を前にしっかりと当てておきたいところです。

 

でも、今年は初出走馬の登録があるのでこれが出走してくると不確定要素になるので嫌ですね。こういう突拍子ない使い方をするのは森秀厩舎がよくしますが、今回は池添厩舎でキャロットFの社台F生産馬ですからね。何かあるんじゃないか?って考えてしまいます。

 

森秀厩舎がこういう使い方をする時って運用コストのパフォーマンスがよくなるとか、小難しいナントカ手当が付いたりと馬主側のメリットを優先したものなので予想ではイラないのですが、こちらは大手牧場絡みですから目算あっての出走と考えておく必要がありそうです。この馬に関しては情報頼みになってしまいますが、考えられるのはこの馬がそれだけ強いという場合か、出走馬のレベルが低く相手が弱いからかのどちらかだと思われます。いずれにしても下手な扱いは出来ないですね。

 

さて、どうしよう・・・

 

新潟2歳Sは27日(日)に行われます。前日の26日(土)には更新を完了します。

 

予想案は各ページの最下部にある専用ページにまとめてあります。ブログカードを貼っておきますのでそちらをご覧ください。

 

アスコリピチェーノ

 

6月の府中最終週の1400mで新馬勝ち。発馬は五分に出たが二の脚がなく徐々に後方にさがり11番手を追走。36.4秒のスローでも置かれ気味で前進気勢は弱く、追走力はない感じだった。これなら1Fの延長はプラスになるかも。最終コーナー手前までポジションが改善されることはなく後方のまま直線を迎える。インから器用に外に出しそこからは良い切れ味を発揮して差し切る。追い出してからの反応は良かったので瞬発力はあると見て良い。スロー展開をこの位置から差し切ったのは評価して良い。ラスト2Fで失速ゼロの流れを最後は流す感じで2馬身半突き抜けたのは優秀。脚力は高く力は抜けていた印象。距離延長になるが、新潟2歳Sに必要な要件は満たしていると思われる。

 

ヴァンヴィーヴ

 

府中1400m3着→福島1800m1着。距離体系の違うこの2戦の3F通過はいずれも36.2秒でペースは同じ。同質の流れで結果に大きな差が出来ていることから短距離は忙しい印象が強い。中間距離のマイルは問題なさそうだが距離が長い方が良いかもしれない。初戦は出遅れて後方追走となったが次戦ではまともになっていてレースの流れには乗れていた。ただ、2戦目は少頭数だったの位置取りは後方2番手と初戦とあまり変わっていない。序盤からガンガン攻めていくタイプではないようだ。それだけに折り合いなどは問題点は見られない。デムーロ騎手が騎乗しているので動き出しは早く、レース半ばや3コーナー手前から動いていく。それに堪える自在性も機動力もあり使える脚は長い。2歳馬にしては良く動けているので魅力的に映る。前走は鞭も使わずに5馬身差の圧勝と突き抜けている。追い出してからちゃんとした脚を使えるのは強味になりそう。その末脚はいずれも最速で見た目のスケール感は大きい。減点評価は特にない。

 

なお、3着だった新馬戦の1週後にアスコリピチェーノが同条件を新馬勝ちしている。勝ち馬ノヴァエクスプレスとアスコリの勝ち時計は全くの同タイム。序盤のペースもほぼ変わりなく類似性が高い。ヴァンヴィーヴィとアスコリの位置取りやレース運びも似通っているので比較対象として認識しておきたい。インを捌いたアスコリと、外からマクったヴァンヴィと立ち回りに違いはあるが直線勝負のレースの形は同じものである。その末脚でアスコリに0.5秒も劣ったヴァンビィの切れ味は気になる材料かもしれない。他の条件ならこの限りではないが、新潟2歳Sではどれだけキレるかがかなり重要な要素。

 

エンヤラヴフェイス

 

中京1600mで新馬勝ち。勝ち時計1:35.3は2年前のセリフォスが1:35.0で勝ち上がっていることから評価しておきたい。同条件を経験した馬が今年の登録に何頭かいるがそれらと比べても抜けて速い。時計的な価値を高く見積もれそう。レースは二の脚で先行し2番手にスンナリ。以降は折り合いに難もなく、淡々と直線を迎えた。逃げ馬をすぅっと交わせずに鞭を2・3発入れてようやくエンジン全開。上がり最速を記録して押し切り5馬身差。勝ち方の見た目は良いもの。現時点では馬券候補の評価はしておくべき。しかし、ラスト1Fの失速が大きいのは気になり、ペースを考えれば止まりすぎ。記録した最速上がりも同タイム上がりを記録した馬が他に2頭いたので突出した末脚ではなっかように思われる。このレースの3F通過37.3秒だが、上述セリフォスのそれは37.2秒とほぼ同一。そのセリフォスは2・3番手からラスト5Fでスピードを持続させラストの失速は0.2秒と軽微に留めた。が、エンヤのそれは0.9秒と落ち込みは非常に大きい。相手あってのもなのでメンバー次第で勝ち負けは可能だと思うが、GⅠ級だったセリフォスと比べるような馬ではなさそうである。

 

クリーンエア

 

新潟1600mで新馬勝ち。単勝4800円の8番人気だった。スタートよく、すんなりと2番手に行けた序盤の立ち回りはよく、以降もラチ沿いのインを3番手で行く。道中の追走も楽でポジションをキープしながら直線まで持って行けた。直線では進路がなく、ズルズルと後退。これは無いなぁというところまで下がってしまうのだがそこからまとめて差し切ってしまう。ラチ沿いから直線大外に切り替えるロスを克服しての勝利。追い出し態勢が取れたのはラスト1Fを過ぎたところ。助走区間無しに一気にキレた感じ。ラスト2F目で10.9秒まで加速していたので上がりの競馬を差し切った点で価値は高く、末脚もキレる。上がりは当然最速だったがスムーズだったらもっと速い脚を使えていたと考える方が自然。新馬戦で1:35.7(リバティアイランドより速い)なら及第点。ペースを考えても33.8秒の末脚の質感は悪くない。力を出し切ることなく勝った印象もあるので内容的にも良い。勝って同条件なのもプラスで、瞬発力、キレ味も確認出来ていることから評価を落とす材料はほとんどない。

 

ゲンヨウサイ【回避】

 

8/5の新潟1800mの新馬戦で2着。未勝利のままの格上挑戦となる。価値のある走破時計ではなかったが、圧倒的一番人気だった勝ち馬と同タイム上がりで33.4秒の最速だった。この距離でこのペースなら評価出来る末脚。ラスト2F目で10.9秒までラップが加速している上がりの競馬に対応出来た点は評価出来る。10番人気の低評価だったが勝ち馬にそう劣らないパフォーマンスだった。2馬身差と負けたが位置取りの差が出ただけなので悲観する内容にはならない。ただ、その位置取りになってしまったのは序盤のズブさでポジションが取れなかったことによる。発馬後に気合を付けていたが好位までいけず中団で追走する事になってしまった。序盤の行きっぷりが敗因と言えるので距離短縮でテンが速くなった時にどうかの不安は残る。2戦目で行きっぷりが良くなっていることが条件になってきそう。それ以外の立ち回りは特に問題ない。馬群の狭いところを割って伸びてきているので器用さも根性もある。未勝利なら直ぐに勝ち上がれそうな馬ではある。

 

ジューンテイク

 

中京1400mを新馬勝ち。出負けして中団から。気合を付けて前に取り付こうとするがジワジワした進出で前進気勢は弱そう。この程度の追走力なら短距離馬と言う感じはない。マイルへの延長は良いと思われる。レース内容はスロー展開なのにラスト1Fの失速が大きい点で物足りないもの。開幕3日目の良馬場なら時計的にも物足りない。本馬の上がりももう少し速いものを使って欲しかったというのはある。この流れなら勝負所でグーンと上がってこれないと上のクラスで即通用と言う根拠にはならない。追って追ってようやく抜け出したという感じで、スローなのに前が止まってくれた事で差せたという感じ。インパクトに乏しく、相手なりに走った結果で強調材料に乏しい。ただ、全体的にまだ動ききれていない感じもある。使った上積みは大きそうで重賞で通用するかどうかはそれ次第なところも。

 

ショウナンマヌエラ

 

中京1600mを新馬勝ち。ゲートが開いた瞬間に飛び出して1馬身ほど抜けだしていた。そのまま逃げ切りするのだが2・3番手が気合を付けて追走していたのに対し、拳を動かすこともなく持ったままでスイスイ進んでいく推進力ある走りには好感が持てる。直線に入ってから追い出して一端は後続を3馬身ぐらい話してセーフティを保つが最後に詰められて3/4馬身差。37.9-62.8と超スローに落としていたので直線はもう少し突き放して欲しい感じはあった。また、稍重で力のいる馬場に後続のキレが削がれていたようで人気馬が走り切れていなかった様にも思える。馬場適性が味方した可能性はある。この馬自身の走りに問題はなかったがフロック的なものは多少あったかもしれない。勝ち時計は1:37.9。同じ条件の良馬場で1分37秒前後がどうも標準のようなので馬場を考えれば及第点ではあると思う。それだけに終いのキレ味や時計勝負への適性を測りかねる。ただ、推進力のある走りはしていたので良馬場でさらに良い可能性もある。時計ももっと詰められそう。新潟2歳Sで好走を期待するような根拠はないので取捨は難しいのだが、無印にするだけの根拠もない。

 

シリウスコルト

 

福島1200mを新馬勝ち。単勝2700円の10番人気だった。福島の稍重だったので勝ち時計は遅く評価しづらい。35.6秒通過とマイル戦並みの序盤の流れでも押っ付けながらの追走で置かれていた感じ。忙しい印象を残したのでマイルへの延長は良いが、この新馬戦の流れと次もあまり変わらない速さになるので今回も好位は取れないかもしれない。前が残る展開を8番手から差し切っているのでこの馬自身の走りは悪くないが上がり35.1秒だと新潟マイルでキレる保証がなく、この馬の末脚が際立っていた訳でもない。レース条件の違いも大きいので好走イメージに繋がらない。時計がかかる馬場でズブいから間に合ったともとれるので高速決着は厳しそうな印象が強い。

 

なお、1番人気で3着だったカレンナオトメが未勝利のまま函館2歳Sに出走し5着と走っているので重賞でやれてしまう可能性は多少残っている。ただ、そのカレンはその後に使った未勝利でも2着と負けているのでやっぱり考え過ぎかもしれない。

 

ニシノクラウン

 

既に3戦消化した。府中1800mでデビューしたが終始行きたがり我慢させながらの中段追走。前進気勢は強めに出ていて直線に向くまで折り合いをつけられず。脚もたまらずに早めに脱落した感じ。次戦で一気に1200mまで縮めているので気性的な短距離馬と言う評価になったのだと思われる。福島1200mの2戦目はテンが速くなっているので追走面は楽になる。それでも多少行きたがっていたので良い位置で競馬をしながらも直線での加速がなく3着まで。新潟1200mの3戦目は2歳戦にしては超ハイペな流れとなったので終始リラックスした追走。後方2番手で折り合いがつく。直線最後方付近からレース上がりを大幅に上回る末脚を繰り出して飲み込んだ。折り合いが付けばこれだけの脚を使のかと言う感じ。ただ、展開自体はハマッていたので強さの根拠にはしづらい。ここまでの経緯だと緩慢なペースでは我慢が出来ず、前向きな気性を制御しきれないのだろうと思わせる。距離延長はとても歓迎出来ない。また、新潟2歳Sはスローからのキレ味勝負が定番。折り合いをつけるのは難しいだろう。

 

ヒヒーン

 

6月2週目の阪神1600mを新馬勝ち。1:36.6の勝ち時計もこの時期の2歳馬ならこんなもので1分36秒台の中盤から後半の時計が出ていればOK。8枠から好スタートが決まり先行態勢。楽に2番手を確保。外枠でなかったらハナを奪えそうな序盤の立ち回りは良く、先行力は安定していそう。逃げ馬に馬体を併せて回って来たが終始持ったままで圧をかけていた感じで力強い。直線に入ってからも楽に並びかけてラスト1Fまでかわいがっていた。追い出してからはグンと加速して後続を完封する。最後は流し気味だったので本気で追っていれば加速ラップでさらに突き抜けていただろう。末脚は33.9秒とただ一頭33秒台を記録している。レース内容的に問題はなかった。目立ったインパクトも特にないのだが、先行力、追い出してからの反応など時期を考えればしっかりと動けていたので印象は良い。間隔が空いているので仕上げ具合の確認は必用だが良い状態にあるなら自分の力は出し切れるだろう。相手次第ではあるが上位の一角かもしれない。

 

フルレゾン

→ 土曜6R(芝1600m)へ

 

もともと新馬戦に使う予定でいたそうです。ただ、関西馬には馬房制限があるので登録しても新潟競馬場に入れない可能性があったそうです。特別登録を併せて登録している馬は優先的に馬房を確保できるため新潟2歳Sに登録したと言うのが真相とのこと。つまり、そこまでして今週の新潟で使いたかったという意図によるものです。確証を期したヤリ態勢かもしれません。馬券になる可能性は高そうですね。土曜新潟6R、お勧めレースかもしれません。

 

ホルトバージ

 

中京1600m7着→新潟1800m1着。いずれも左回りだが直線で左によって行くクセがあるようなので追いづらいシーンが目立つ。新馬戦では左ムチで修正出来ていたが2戦目では酷くなっていた。現状は右回りの方が直線はスムーズかもしれない。2戦とも最速上がりを記録しているが、そのいずれもが3k減の今村騎手器用。斤量差を踏まえると末脚が際立っているとは言えない。初戦では勝ち馬エンヤラヴフェイスと同タイム上がりだったが2番手から繰り出した末脚と8番手から繰り出したそれを同一視する事は出来ない。勝ち上がった前走も上がり差0.3秒以内で同じような末脚を使った馬が4頭もおり、斤量差を踏まえるとこの馬が優秀な脚を使っているという解釈はとても出来ない。また、初戦が34.4秒、2戦目が34.3秒と上がりに限界がありそうな印象もある。斤量増の定量戦でこれ以上に末脚がキレると言うイメージは持ちにくい。勝った前走もクビ差の辛勝で力が抜けているという評価にはならい。強調材料は乏しい。

 

ただ、上述したようにヨレるので追い出すと直線でフラフラ。騎手の力量不足は大きくまともに追えていないのが実情でもある。よって、見習い騎手からベテランへの鞍上変わりがプラス材料になりそう。矯正力の強い岩田康騎手に変わる事で長い直線をシッカリと追われればパフォーマンスを飛躍的に向上させる可能性がある。

 

ルクスノア

 

中京1600mを新馬勝ち。発馬が決まり先行。インの3番手と絶好位を獲れたことが大きく、以降はレースの流れにのって折り合って進むだけだった。ペースも遅くインの絶好位で脚を存分に溜められた印象。さらに直線に入る頃に2番手を行っていた馬が外へ大きく逸走してくれたので進路がぽっかり。絶妙なタイミングで追い出せたことも運がよかった。2着に粘った逃げ馬を楽に交わしてゴール。余力もたっぷりだったようで3馬身差の圧勝となる。何もかもが上手くいった感じの勝利で鞍上の功績は大きい。操縦性や追い出しの反応も良かったと思う。ただ、中京マイルを勝ち上がった馬が何頭か登録しているが勝ち時計の1:37.0はちょっと抜けてお遅い。それだけにレース中のラップ構造も締まっていないし、実際スローのイッタイッタの決着だった。直線では目一杯に追っての内容だけに35.1秒の上がりも物足りなく感じる。同条件を1秒以上タイトな展開で34.3秒の末脚を記録したエンヤラヴフェイスと比較すると脚は使えてない印象になる。永島騎手騎乗で3kの恩恵があったのだから尚更。やはり全体的に物足りない内容に感じる。相手強化に斤量増と楽なレースは期待薄に感じられる。

 

なお、このレースの下馬評は友道厩舎(大魔神所有)の1番人気が楽勝するというムードであった。が、前述した外に逸走した2番手追走の馬のあおりを受けて外ラチ近くまで振られてしまう大きな不利。立て直して脚を伸ばすも3着までが精一杯で脚も余していた。追い出し態勢も遅れたし、コーナリングのロスだけで5~6馬身は放されてしまった。勝負所ではルクスと馬体を並べて進んでいただけに何もなければこの3着馬が優勝していたのではないだろうか?そう考えるとフロック性を含蓄しているように思う。本来いるはずのない馬が新潟2歳Sにゲートインしているのかもしれない。

 

ルージュスタニング

 

中京1600mで新馬勝ち。ゲートを決めて出たなりで2・3番手にイケていた序盤の立ち回りは良いが以降は少々ズブいところがある。道中気合を付けながらの追走で馬なりでポジションキープ出来るような前進気勢はなかった。勝負どころでもおっつけながら仕掛けていたので自主的に前を飲み込むような挙動はない。全体的に馬がまだ動ききれていない印象で仕上がっていなかったのかもしれない。それでも抜けだしてからのスピードの乗りは良く素質の片鱗は見せていた。この条件で勝ち上がった馬が今回は複数いるがどの馬も中京の坂で勢いが鈍り小さくない失速しているが、この馬だけが加速して駆けれている点に見どころがある。ラスト1Fでこの馬が先頭にたったことでレース上がりの加速ラップが成立し、レースレベルを引き上げている。勝ち時計は標準的な範囲だがその中でも速い方なので価値は十分あると考えられる。鞭を使わずに走り切っているのでまだまだ奥もありそう。全力をだすことなく素質だけで勝った感じなので使った効果は大きそうで変わり身を見込める。中京のこの条件で加速ラップを踏めているのだから平坦新潟なら末脚はよりキレるだろう。変わり身次第なところはあるが積極的な評価をして良い馬だと思う。

 

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