競走馬カルテ

2・3歳重賞の出走馬を分析・記録していくブログです。

きさらぎ賞(GⅢ) 出走馬カルテ

 

こんにちは。

 

年明けの3歳重賞はシンザン記念が7頭で枠連が成立せず、京成杯も9頭の少頭数。きさらぎ賞も最終登録前に把握出来たのは8頭。これでも2週前の段階からだいぶ増えた数です。でも、他のレースと両睨みしている馬もいますのでさらに減るかもしれません。最終的にゲートに何頭の馬が集まるのやら。きさらぎ賞は例年少頭数で行われる事が多いのですが、やはり次週に共同通信杯が行われるのが大きいですね。本当に強い馬はそちらに回るのが普通ですのできさらぎ賞に質量が整わないのも仕方ないのかもしれません。

 

そして、メンバー構成も微妙な感じです。2勝馬が2頭いるので質的には良い方だと思うのですけど、ダートの未勝利を勝ち上がった馬が2頭もいますし、牝馬の出走もあるようです。クオリティの面でも物足りない感じが否めません。しかし、だからと言って適当に買えば当たるレースでもないかもしれません。少頭数の割に1番人気の成績は微妙な感じで【2・2・2・4】と馬券に絡まない事も少なくないからです。頭数が揃わない事が殆どですから二桁人気の激走はありませんけど、6馬人気以下の伏兵が3勝2着1回3着3回とまぁまぁ頑張っています。

 

ルージュバックが勝った15年(三連複420円)、サトノダイヤモンドが勝った16年(三連複430円)、ラーゴムが勝った21年(三連複670円)の様にガッチガチに決まってしまうレースでもありますが、伏兵も好走しやすいレースでもあるのです。物足りないレースであっても馬券的な妙味は追及すべきかもしれません。

 

きさらぎ賞は5(日)に行われます。前日の4日(土)には更新を完了します。

 

予想案はページの最下部にある専用ページにまとめてあります。ブログカードを貼っておきますのでそちらをご覧ください。

 

オープンファイア

 

中京2000Mで新馬勝ちし、アイビーS(府中1800m)で3着。成績は良いがまだ馬がズブくて動けていない。現状は父譲りの瞬発力だけで勝負しているに過ぎない。まず、スタートが下手で全戦で出遅れている。前進気勢がないので進んで行く力が弱い。だから常に後方追走を余儀なくされていて、直線勝負の競馬を2戦続けた。2戦とも道中追い通しなのだが、番手を前に持っていく事は出来なかった。自在性も機動力も無い。新馬戦では39.4-66.6の超スローで13秒台後半の低速ラップが3連発もしていたのに道中で動けなかった。それでもデビュー勝ちで来たのは相手がかなり弱かったからだと思う。9月初旬のレースだったので出走馬は既に2走、3走と済ませているがダートで勝ち上がった馬が1頭いるだけで、2・3着馬も含めて芝を勝ち上がれた馬はいない。数少ないディープインパクト産駒という事で話題にはなったが、現状の姿は競走馬として好ましいものではない。とにかくポジショニングが出来ないので、このままでは早晩行き詰る。前走から3ケ月経っているので発馬も改善していないとダメだし、道中の行きっぷりに自主性が出てこないとこの先の重賞戦線で厳しくなって来るだろう。でも、こういう馬だけにラストの脚には見どころがある。新馬戦の上がりは10秒台も刻まれていたので普通の馬にはさせないレースだったし、アイビーSも1頭だけ桁違いの末脚を使っている。この長所は武器になる。ここまでのレース内容だと勝ち負けは厳しい印象を受けるが、この時期の重賞ならその末脚だけで入着まで持ってこれることもありうる。この末脚を効率よく勝利に結びつけるためにも変わり身がある事が望ましい。

 

クールミラボー

 

昨年暮れにデビューして阪神ダ1800mを2戦して2着、1着。負けた新馬戦は勝ち馬が別格な感じで2馬身半の完敗だったが3着には7馬身差をつけていた。ゼロ勝クラスでは力が全然上と言う印象で2戦目であっさりと勝ち上がった。ダート馬にしては一瞬の切れ味がある印象で瞬発力の高い走りを見せている。新馬戦の7F→8Fの1F区間だけでで1.3秒も急加速して先頭に並びかけていたし、2戦目も馬群をこじ開けてから鞭一発で俊敏な反応をみせあっという間に3馬身も抜けてしまう。このキレ味は芝でも通用するかもしれない。反面、道中の追走面は弱い。常に促しながらと言う感じで推進力のない走りに見える。13秒区間の多いレースだったので、もっと楽に追走出来ていい状況。芝戦の道中で12秒台の連続ラップを持続させられるかどうかは微妙な感じ。ただ、推進力が無いのは力のいるダートだからの可能性もある。軽い芝の方が追走が楽になることもあるかもしれないのであまり決めつけられないところ。いずれにせよ、直線で良い脚を使う可能性は大いにあると思うので、離されすぎずに流れに乗れていれば入着の可能性はちょっとある。

 

アドバンスファラオ【回避】

 

ダ1400mが主戦場と言う戦績だが、ダ1150mで勝ち上がった馬なのでクラスが上がってからは1400mでも長いという感じ。加えて近2走はレースの流れにも乗れなくなっており、レース動画にもほとんど映らなくなってしまった。いかにも外国産の早熟馬と言う印象。早くも賞味期限切れかもしれない。何故に登録なんてする?って思ったらやっぱり森秀厩舎。相川らず意味不明な登録をしてくる。頭数が少ないので登録だけなんてこともよくあるので最終的には出走してこないかもしれない。仮に出走して来てもどうもこうもない。なお、芝は新潟のダリア賞で1度だけ使っていて先行策から4角を先頭で回りちゃんと走れていた。芝スタートの経験も何度かあり、そこでダッシュ良く先行出来ていた。芝そのものはこなせるとは思うけど。

 

シェイクユアハート

 

適度な間隔で3戦を消化している。全戦で2000mを使われていて距離適性のありそうな馬である。阪神でデビューして、中京の未勝利で勝ち上がっている。新馬戦はスロー競馬を外々追走で脚を使えずに1.4秒差の完敗。瞬発力で負けた感じだった。中京の前走1勝クラスも決め手で劣った負け方をしているのでラストに速い上がりを使えない可能性がある。反面、勝ち上がった2走前の未勝利は1000m59.4秒の速めの流れでレースは消耗戦となっていた。レース上がりが36.8秒も要したタフな展開で最速上がり(36.3秒)を駆使して2馬身抜けている。厳しい展開で良さが出るタイプのようで他馬が苦しい流れで一つ上の末脚を使える。とは言え、重賞ではこのぐらいのペースでも上がりは速くなるので決め手で劣ってしま可能性が高い。2000mにこだわった使われ方をしているが、ともすればこの距離でも短いように思う。今回のメンバーだから無視して良い馬でもないのだが狙って買うなら長距離番組が増える春先にかけてかもしれない。

 

トーアライデン【回避】

 

小倉1800mを新馬勝ち。37.9秒-63.0秒のスローに落としてまんまと逃げ切った。11番人気だった。9月頭に行われたこのレースからはダートで勝ち上がった馬はいるが、芝を5・6戦消化しながら勝ち切れないような馬ばかり。相手関係がとても微妙。1・2番人気が揃ってトンだレースだったし、この馬へのマークがかなり薄かった模様。これだけ遅いペースで行きながらラストの失速は大きく、地力上位で勝ち上がったとは言えない。これはフロックであろう。それを証明するのが次戦の気菊賞。新馬よりも1秒ぐらい遅いペースで逃げながら京成杯3着セブンマジシャンと1.0秒差の完敗だった(4着)。重賞級を相手にすると力差が如実となる。また、3戦目にダ1600mのカトレア賞を使ったが距離が忙しくなっているので逃げる事も出来ずに3番手追走となる。逃げれなくても競馬が破綻することは無かったが、前を行く馬を交わすのに手間取っているので追いかける競馬は向かない印象を受けた。新馬戦でも失速していたし、ラストに速い脚を使えるタイプではないと思われる。控えた競馬には魅力がなさそう。逃げてどこまでの競馬をした方が着が上になるタイプだと思う。しかし、同等ぐらいの馬となら競り合って渋太いところがある。新馬戦では差し返していたし、2走目ももう少し頑張れば3着には残れそうだった。出走馬のレベルが微妙な今回のメンバーだったら逃げ粘りの可能性を全否定することが出来ない。ゴール前で3着のラインを何頭かで叩き合っていれば粘り腰を発揮する可能性は頭に入れておくべきか?

 

トーセントラム

・函館・札幌の夏の北海道で5戦して勝ち上がれなかった。純粋に力で負けて来た印象で、重賞好走馬や素質馬相手に圧倒的に負けて来た。

・6戦目の新潟で初勝利を挙げるがここでは33.0秒の切れ味を発揮して最速上がりを駆使して勝ち上がる。北海道時に見られなかった走りから、洋芝が合わなかっただけの可能性が高い。

 

上記がデイリー杯2歳S出走時のカルテ。

 

8戦目だったデイリー杯2歳S8着後も休む事なく淡々と使われていて、ここは年明け3戦目であり、トータル12戦目のレース。もう動物虐待の域ではないだろうか?でも、まぁ馬は良く頑張っている。中央場所で走るようになった昨秋以降のレースは常に上位上がりを記録するようになっていて、2走前のジュニアCではクラスが上がって初めて掲示板に載る結果を出せた。とはいえ、ジュニアCを勝ったクルゼイロドスルとはデイリー杯2歳Sでも戦っていてその時のタイム差0.9秒がジュニアCでは1.0秒と若干大きくなっていた。力差が詰まったという見方は出来ないので力不足な印象を拭う必要はない。と言うか、完全にゲートを出れなくなってしまった。5走前の萩Sから出遅れるようになり以降の全戦で小さくない出遅れをしている。また、そのまま出たなりの追走しかしないので、最後方か後方2番手と言うのがお決まりのポジションになっている。馬群からかなり離されたところでいつも走っているので、最速上がりを駆使しても差し届くはずがない。それにこんな競馬をしているのだがら上位上がりを記録するのも当たり前の話で、末脚が優秀と言う評価をする気にはなれない。同じ競馬をしている限り上位に顔を出す事はないだろう。奇跡的にゲートを出たとしても脚を溜めきれないだろうから、上位上がりを記録する事もなくなりそうである。

 

ノーブルライジン

 

ここまで3戦を消化して中京→阪神→中京の2000mを使われ、4着、1着、4着という成績。全戦で出遅れており常態化している。3戦を見る限り改善の兆しが見えず、ゲートがとにかく下手。最後方がマイポジションとなっている。前走ではクビを上げて折り合いを欠く仕草を見せているので道中でリカバーしていけないのかもしれない。その替わり最後はちゃんと脚を使ってくれて、直線ではおっと思うような切れ味を見せる。だから掲示板には堅実に顔を出して来る。ただ、その脚も一瞬で短い。最後は脚色が同じになってしまう。負けた2戦は詰め切れなかったし、勝利を挙げた未勝利戦もなんとか差せたという感じ。圧倒的な脚力の持ち主と言う事はなく、使える脚は並よりちょっと良いぐらい。この末脚で出遅れ最後方のレースは基本的につらい。地力で勝ち切る姿を期待するのは難しく、展開の助けは絶対的に必要だろう。GⅢなら相手次第で印を回せるが、それ以上グレードが上がると脚は足りてないと思う。もう少しポジショニングを改善出来れば良いのだが。なお、同条件前走の勝ち馬フリームファクシ、3着馬シェイクユアハートとはここで再戦となる。

 

フリームファクシ

 

気性が前向き過ぎるようで前進気勢が強い。使う度に折り合いが悪くなって来ている。全戦で手綱を取る川田騎手も競馬を教えながらの競馬をしている感じで、慎重に道中を運んでいる。現状は気性的な弱点を抱えていると言えるだろう。しかし、そんな競馬で3戦2勝2着1回の連対率はパーフェクト。掛かりながらでこれだけの成績を残すのは能力がそれだけ高いという事になる。前走の1勝クラスの2着馬がダノンの馬であったが川田騎手が手綱を取っていたのは本馬であった。やはりそういう馬なのだと思う。関係者の評価は高そうだ。また、負けた新馬戦も勝ち馬はGⅠで1番人気で5着だった馬だし、京都2歳Sの勝ち馬は3着に退けていて、4着以下は5馬身も離されていた。敗戦したレースの中身も非常に濃い。力持ちという評価で良さそうだ。折り合いを欠いていても追い出してからちゃんと反応するし、シッカリとした脚を使えているので評価を引くくする必要もない。デビューから2000mに拘って使われていて府中・阪神・中京と特徴の異なる舞台で結果を残している点は評価出来るところで対応力がある証拠。GⅠに駒を進めることになれば現状の気性は減点材料となるが、少頭数のGⅢなら能力だけでどうにか出来る相手関係。当日のテンション次第ではあるが、仮に掛かっても今回のメンバーなら3着内には来れる。粗削りだが楽しみのある1頭。折り合って競馬が出来るようになればより迫力のある末脚を使えるように思うので気性の成長を見せて欲しいところだ。

 

レミージュ

 

今年も牝馬が勝ったシンザン記念はマイル重賞のため桜花賞路線みたいなところもあるから牝馬の活躍が目立つ。でも、本馬のようにこの時期に中距離重賞を使ってくる牝馬はとても珍しい。きさらぎ賞の過去10年でも4頭しか出走が無く、馬券になったのは15年優勝ルージュバックだけ。特に距離が延長されていた中京で行われた近2年には牝馬の出走は皆無。どういう結果を残すのか興味深いところだ。

 

本馬は8月の小倉でデビューしたが、離された後方を馬なりで追走しただけで勝負所でも特に動かずワンペースの競馬で回ってきたのみで見どころがない。初出走で動けなかったのか、横山典騎手が動かさなかったのかは分からないが見るに堪えないレースでこれは度外視。その後3ケ月空けて福島1800mの未勝利を勝ち、阪神2000mのエリカ賞を連勝中。ただ、8番人気、11番人気での勝利。前走の単勝配当は17,060円だった。スローの上がりの競馬を外々追走からマクリ切った未勝利戦の勝ち方はまぁまぁだったが、エリカ賞に関しては展開を味方にしてのも。テンに競り合いがあったので序盤の2F目までは速かったが以降はペースを落として逃げ態勢。2番手の馬も競りかけず共存の道を選択した事で3・4F目でたっぷりと息を入れられた。後半が2.9秒も加速する上がりの競馬に持ち込めたのでイッタイッタの競馬で終わった。走破時計は標準だし、ラスト1000mを58.9秒で走っているので内容的には悪くないが、この展開で上位人気馬が力を発揮出来なかったというのはある(11・2・9番人気の決着)。強烈なパフォーマンスを発揮しての連勝ではない。重賞で勝ち負けを期待して良い存在とは思えない。入着の可能性は展開や相手関係によるだろう。

 

ロゼル

 

コンスタントに上位に顔を出し4戦目の前走で勝ち上がった。スタートが上手くないので後方から進める形が板についている。また、道中ちょっとズブいところがあるようだ。新馬戦では促していないとポジションキープ出来なかった。そのせいもあり終いの脚もかったるくなってしまった。だから2戦目からは急かして動くことがなくなり中団~後方辺りで脚を溜める競馬をするようになっている。その結果、全戦で最速上がりを使うようになり2・2・1着と成績を上げている。リズム重視で運ぶ方が馬には良いのだろう。ただ、こういう脚質なので後方から差し切れない競馬を続けてしまっていた。3戦目まで1800mに拘っていたが、結局スピード負けしている感じになってしまった。ので、4戦目に2200mに延長して勝ち上がった。追走面が楽になった事で中団ポジションを取ることが出来て、見るからにレース振りが変化している。結果、いつも通りに追い出すだけで4角射程圏の競馬が可能になった。距離が伸びても使える末脚に陰りはなく、ここで差し切って初勝利を上げる。このような経緯なのできさらぎ賞の2000mへの短縮はあまり歓迎出来ない材料かもしれない。ベストパフォーマンスを期待するなら距離が長くなる京都新聞杯とか、青葉賞というイメージ。それでも1800mよりは走りやすいだろうから上位に迫る脚を引き出すことは可能だと思う。ポジションが極端に後ろにならなければチャンスはありそうだ。

 

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