競走馬カルテ

2・3歳重賞の出走馬を分析・記録していくブログです。

関屋記念/小倉記念/札幌記念のメモ的な話

 

こんにちは。

 

8月2週目は関屋記念小倉記念があり、状況を見てどちらの重賞をやるか決めるつもりでおります。出来るだけ当てやすい方の重賞をやろうと思っています。ただ、どちらも難しいなぁと登録を見て思いました。週末にいきなり検討しても無理だろうなと思ったので、今週はちょっとづつ両重賞の注意事項やデータなどを勉強しておこうかなと思いました。メモ程度の記事になりますがそれらを公開しておこうと思います。ちなみに現時点ではどちらの重賞をやるかはまだ決まっていません。

 

また、3週目に行われる札幌記念は夏の大一番的な重賞ですから、こちらも簡単な記事をこのページで更新しようと思います。

 

札幌記念(GⅡ)について

 

名ばかりのGⅡ戦

 

札幌記念には昔から超一線級の参戦が後を絶ちません。そう言う馬が別定ではなく定量で走れてしまうのでレース内容や結果もGⅠ戦とほとんど変わりません。短い直線ながらも最後は脚力勝負となり強い馬に有利なレースになることが多く、地力の序列通りに結果は決まります。それがこのレースの特徴です。スーパーGⅡなどと呼ぶのは勝手ですが、GⅠ戦として捉えてしまう方が予想に隙は生じないのではないかと思います。

 

馬券の対象となる馬も限られます。「その時点でGⅠ馬であること」もしくは「後にGⅠを勝つ馬」という条件で過去10年をチェックすると馬券になった30頭中20頭はこれに該当します。そして秋GⅠのステップ競走として機能し始めたり、凱旋門賞のステップレースの色合いを強めた近年はその傾向が著しく顕著です。近5年で馬券になった15頭中の13頭が上記に該当しています。例外的に走った2例は同じ馬でサングレーザーが18年1着、19年2着と走ったのみです。サングレーザーもGⅠ実績の豊富な準GⅠ馬みたいな馬ですからやはりGⅠ級の馬だけ買っておけばよいみたいな認識になりますね。

 

今年参戦のGⅠ級には札幌のコースレイアウトに適さないタイプが多く、特にシャフリヤールに関してはこの条件でどうなの?的な風潮をチラホラと目にします。でも、上述したように地力勝負になってしまうのがこのレースの特徴です。こういう馬こそ結果を出してしまうのが札幌記念とも言えるのでしょう。例えば、こういう条件に実績がなかったフィエールマンも同じような見方が当時されていました。それでも脚を使って3着に浮上して馬券圏から消えませんでした。五指に余る有力馬が出走しますので、こういうところから軽視したくなるのかもしれませんが良く考えたいところです。

 

時計速し

 

今年の札幌開催は時計が速いですね。先週日曜に行われた2歳OPのコスモス賞の勝ち時計が1:48.8とあまりの好時計に驚きました。2歳馬なら1分50秒台を切れるかどうかという条件でして、何戦かした馬が札幌2歳Sでようやく1分49秒台を記録するのが標準的です。今年のコスモス賞は昨年の札幌2歳Sを勝ったドゥーラの1:50.0を大きく上回っていますから凄く速いと思います。

 

ただ、そのドゥーラが同じ条件のクイーンSを1:46.7の時計で走っていますからこれは純粋に時計の出やすいコンディションだと考えるのが良いと思います。パワータイプが幅を利かせやすいコースではありますが、パワー一辺倒であるよりも時計勝負にも強い事が重要な要素となりそうです。

 

また、札幌記念にはスピードに優位性のある馬が活躍しやすい土壌があります。ハープスター、ソダシなど桜花賞馬が活躍していたり、ノームコア→ペルシアンナイト→ラッキーライラックで決まった20年はマイルGⅠ馬で1~3着を独占しています。上述サングレーザーもマイルよりな馬でしたし、近年最強マイラーと言って良いモーリスなんかも2着と走っています。マイラーでも不利にならないのが札幌記念の特徴の1つと言えるのかもしれません。このように洋芝をこなすパワーも必要ですが、スピードも兼ね備えている馬が有利であると言えるのです。

 

時計の出やすい馬場コンディションがこの特徴をさらに後押ししたらやはりシャフリヤールには有利でしょう。毎日杯のスパーレコードは驚異的でしたし、(翌年には更新されましたが)ダービーもレコードで優勝。速さが問われる条件で強いところがあります。

 

また、昨年の覇者ジャックドールは前走が安田記念5着。そのスピードはマイルGⅠでもそこそこ通用してしまいました。負けたとは言え速さの裏付けを得られたと考えればむしろ買いやすくなったと思います。

 

モレイラ騎手&ダノンベルーガ

 

モレイラ騎手がやって来ます。引退騒動も出ていましたがガセだったようでご本人がそれを否定しています。触れる機会がなかったのでスルーでしたがモレイラ騎手はフェブラリーS週にも来日してましたし、秋にも短期を取得する方向。今年は日本との関係性が強いようでうれしい限りです。JRA免許取得に失敗してから疎遠となっていましたが、久々にモレイラ騎手でフィーバー出来そうです。また、レーン騎手やクリスチャン騎手がこの秋に来日することが出来ません。モレイラ騎手の存在感も増すことでしょう。その活躍がとても楽しみです。

 

さて、モレイラ騎手は札幌記念でダノンベルーガに騎乗します。確か6月中だったと思うのですがこの頃からダノンベルーガがモレイラ騎手で調整されているという話を耳にしていました。なので私は随分前から楽しみにしていたのですが、公式な発表はギリギリでしたね。最終登録の前後にようやくと言う感じでした。ここにヒントがあるかもしれません。推察するに仕上げが間に合わず出走そのものが微妙だったのかもしれません。

 

もう既にチラホラと言われていますが状態が上がってこないようですね。その筋の情報通からは先週の段階で「7分」と言う言葉が出ていました。「秋に向けて」とか、「次につなげて」みたいなことを堀調教師も言っていますから、先を見据えてということや、モレイラ騎手が乗れるなら使っておこうみたいな消極的な印象を受けます。

 

なお、ダノンと言えば川田騎手ですが川田騎手はプログノーシスに騎乗します。ダノンよりノーシスを選んだということは多少はあると思いますけど、この件に関しては堀調教師の意向が強いと思われます。以前から川田騎手とベルーガの相性に疑問を持っていたようで、秋にはそれが不満となって漏れ伝わっています。モレイラ騎手が乗ってくれるとなれば関係者も説得しやすいのでドバイ遠征を機に乗り替わりが実現したのだと見て良いと思います。それ故にベールガ=モレイラと言うイメージを定着させる必要があるのではないでしょうか?だからこその札幌記念出走だと考えると辻褄はわりとあってきます。勝負駆けの可能性は大きくなさそうですね。

 

以上のことから、モレイラ騎手の秋の免許で秋GⅠと言うシナリオが出来上がっているように感じられます。札幌記念はそのためのステップ。だとすると今回は積極的な評価が難しいかもしれませんね。地力でどこまで?と言う扱いになりそうですが、上述したように札幌記念は名ばかりのGⅡで実質GⅠです。状態を整える事が出来なかったとなるとGⅠではマイナス査定にせざるを得ません。モレイラ騎手がどこまで馬を動かせるか?と言うところでしょうか?

 

小倉記念(GⅢ)について

 

・サマー2000とハンデの関係

 

サマー2000シリーズ札幌記念を除き、全てハンデ戦で行われています。13年~20年の10年間において、これらの重賞で1着~3着だった馬が背負っていて斤量の平均は

 

七夕賞:55.7k
函館記念:55.4k
小倉記念:55.0k
新潟記念:55.3k

 

でした。平均斤量は軒並み55k台だったと言う事が導き出される訳ですが、この平均斤量が比較的重かった七夕賞函館記念と、そうでなかった小倉記念新潟記念とに分かれたのは必然性があるのではないかと思います。

 

速さを競うアイビスSD時に毎年言われる事ですが、時計が速い=軽斤量有利みたいな法則があります。背負っている斤量が軽い方が速く走れるのは物理的な問題であるからです。

 

七夕賞函館記念はパワータイプの馬が有利な重賞ですから時計もかかり、だから斤量の重い馬が目立つという傾向となり、高速馬場になりやすい小倉やキレキレの馬が活躍しやすい新潟では時計の速い決着になりやすいので軽ハンデの馬が好走しやすいという下地があるのだと思われます。

 

特に平均斤量が最も低かった小倉記念では近年そう言う傾向を強めています。もう少し詳しく見てみます。

 

・高速馬場と軽ハンデの関係

 

近年の夏の小倉はとにかく時計が速く、度々日本レコードが記録されるようになりました。それが目立つようになったのが近3年です。なので、良馬場で行われた20年と22年の小倉記念では勝ち時計が1分57秒中盤の時計の速い決着となりました。この時の上位入線馬の斤量が

 

20年(1:57.5):53.0k→55.0k→54.0k

22年(1:57.4):54.0k→56.5k→54.0k

 

と、なっています。このように比較的に軽いハンデの馬が上位に。驚異的な日本レコードを記録したCBC賞テイエムナントカも49kの軽ハンデだったように、時計の速さと斤量の軽さは比例していると言えるでしょう。

 

ちなみに稍重で行われた21年(1:59.7)でも53.0k→55.0k→53.0kと軽ハンデの馬が上位を独占しています。高速設定に作られた馬場では道悪になっても相対的に軽い馬に有利と言う事が言えるのかもしれません。

 

この傾向は別な視点からでも説得力のある根拠を見つける事が出来ます。この近3年以前では57k以上の馬は普通に馬券になれていました。13年~19年の7年間では3勝2着2回3着2回と言う成績。ハンデが重い事が不利ではなかったのです。それが途端に走れなくなっているのは不自然です。この観点からも時計の出やすい馬場とハンデの軽さに関連性は感じられ無関係とは思えなくなります。

 

そして、今年はこの傾向がより顕著となるかもしれません。7月から連続開催されていた昨年とは違い、今年は2月以来の小倉開催でその開幕週。馬場状況は絶好でしょう。昨年以上に時計の出やすい可能性もありますから斤量の重い軽いはより重要なファクターとなるかもしれません。

 

・53k~54k→54k~55k

 

過去10年で複勝率の良い斤量は20.0%の53kと23.3%の54kです。この辺が好走ゾーンと言えそうです。ですが、今年からら古馬の負担重量は1k増となっていて、ハンデ戦でも同様の考えのもとハンデが決められています。相対的な斤量増がなされていますから今年でいったら54k~55kを課せられた馬が良いと思われます。

 

今年は54kが2頭、55kが2頭となっています。適性や近走成績を踏まえますと可能性があるのは54kならククナ、55kならテーオーシリウスといったところでしょうか?

 

なお、次に複勝率が良いのは55kを差し置いて56kの16.7%でした。上位2斤量とそれほど変わらない複勝率です。今年でいったら57kになりますね。→カレンルシェルブル、スカーフェイス

 

昨年の勝者マリアエレーナの56.5kはどっち付かずのハンデとなりましたが、斤量概念が変わった今年のハンデ重賞愛知杯で同じ56.5kで3着と走っています。この馬自身は問題ないでしょう。

 

最後に軽いハンデということで言えば、エニシノウタの50.0kとゴールドエクリプスの51kが目立っています。昨年の基準でいえば49k、50kと言うことになります。これはさすがに軽すぎだと思われ、力差を逆に感じさせます。小倉記念においてもこの10年の最軽量入着馬は17年1着タツゴウゲキの52k。これ以下の好走例は皆無です。

 

関屋記念(GⅢ)について

 

中京記念組中心

 

サマーマイルシリーズのレースなので同シリーズの中京記念組の成績がよく、【3・5・2・38】と一番馬券になっています。同じ左回りなので適性的にも近しいものがありますから結果も出やすいのでしょう。近3年は阪神マイルや小倉1700mとイレギュラーな年が続きましたがそれでも20年に2着、21年に1着と好走馬は出ています。やはり相性は良いですね。中京記念組の取捨がまずは第一関門と言ったところでしょうか?今回は1着セルバーグ、2着ディヴィーナ、8着メイショウシンタケ、10着ミッキーブリランテの4頭になります。

 

中京記念ハンデ戦でしたから斤量の増減が取捨のヒントになりそうです。馬券になった10頭の中に斤量増で馬券絡みした馬は18年2着ワントゥワン(+2k)の1頭しかいません。ハンデに恵まれたタイプの好走例は微々たるものです。優勝したセルバは今回3k増になり、さらにその重賞を勝ってしまったことで賞金別定の関屋記念では他馬より1k重い58kを背負うことになります。斤量に恵まれて好走した馬にこの条件はちょっと厳しく感じられます。

 

同じ事は2着だったディヴィーナにも言えるのですが、こちらの場合は唯一例ワントゥワンと同じ牝馬です。例外的に扱っても良いかもしれませんね。それにワントゥは2k増でしたがディヴィーナは1k増ですからまだましです。ちなみワントゥも当時の鞍上はデムーロ騎手でした。何かの縁かもしれません。

 

ただ、関屋記念の逃げ馬の正存率は50%(1着2回2着2回3着1回)で軽視は禁物です。この点に注目すると、中京記念を逃げ切り勝ちしたセルバーグにも可能性が残されていそうです。今回逃げれるかはわかりませんが△ぐらいはつけておいた方がいいのかもしれませんね。

 

・GⅠ組

 

その他にこれと言って強調するような前哨戦はないのですが、NHKマイルC、ヴィクトリアM、安田記念など府中のマイルGⅠを一括りにすると【2・2・4・17】と目立った指標が出来上がります。前走GⅠ組の複勝率は32.0%と高く、ハズレも多い中京記念組の20.8%を大きく上回ります。該当馬がいればここから入っていくのも手かもしれません。今年はヴィクトリアMから6着ロータスランド(0.6秒差)、14着ララクリスティーヌ(0.8秒差)の2頭が参戦。前者は一昨年の覇者にしてその年のマイルチャンピオン、後者はGⅠで6番人気の支持を受けた逸材と2頭とも面白い存在になるでしょう。

 

ロータスは6歳になりましたが加齢による能力減の様な話は出て来ていません。ただ、高松宮記念を使うようになった昨年あたりからは距離適性が短くなって来ているようで前走時には今は1200~1400辺りがベストと言う認識を厩舎は示しています。優勝した一昨年とは別馬になっている可能性はありそうです。

 

ララの方もベストは1400mと言う成績ですがこちらは馬が充実期を迎えているので克服する可能性がまだあります。また、サウスポー的な色合いが強く新潟コースも【2・1・0・0】と得意としています。狙うならこちかもしれないですね。

 

ただ、2頭ともヴィクトリアMでは上述ディヴィーナに完敗の内容でしたからそこは気になる材料かもしれません。

 

ルメール騎手

 

暑いの嫌いなルメール騎手は夏は涼しい北海道に専従します。余程の事が無い限り北の大地から動きません。ただ例外的に夏の新潟重賞にスポット参戦する事があります。こういう場合は余程の事として特別扱いする必要があります。通年免許を取得した15年以降で参戦した夏の新潟重賞は6度あるのですがその成績は

 

関屋記念:16年3着マジックタイム(1番人気)、19年1着ミッキーグローリー(1番人気)、22年4着スカイグルーヴ(4番人気)

 

新潟2歳S:21年2着アライバル(1番人気)

 

新潟記念:19年10着レイエンダ(1番人気)、20年10着ワーケア(1番人気)

 

と、1勝2着1回3着1回で優秀です。新潟記念の2敗は気になりますが、それらを含めても全て上位人気の有力馬。こういう馬でないとルメール騎手は本州にやって来ません。勝てるからやって来てると捉えるべきでしょう。

 

そんなルメール騎手が今年はエターナルタイムに騎乗する為に新潟にやってきます。エターナルはまだ3勝クラスを勝ち上がったばかりな上に初重賞挑戦と言う馬ですが、この程度の実績の馬の為にわざわざやってくるなんていかにも意味深だと思います。

 

また、東京新聞杯3着時にルメール騎手が騎乗していた同クラブのプレサージュリフトも出走を予定しています。が、これは除外対象。オークス5着の実績で出走すれば人気を背負うことになる有力馬の1頭になるべきところ。それでもエターナルを引っ込めてまでプレサージュを出走させる事はないようです。クラブ側の意図も透けて見えるような気がして来ます。この馬は要注意かもしれません。

 

なお、このエターナルの母はルメール騎手が騎乗して16年に3着したマジックタイムです。ちょっと因縁めいてもいますね。

 

なお、今となっては有名な話ですが、夏の新潟参戦時にノーザンF陣営はルメール騎手に合わせて有力馬を調整してきます。出てくればほぼ勝ち負けと言う使われ方になると思われるので全てのレースでルメール騎手には注意が必要です。実際、数週間前からそう言う話はちらほらと出ていましてイクイノックスの妹もルメール騎手の予定に合わせて調整されていたようです。

 

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