競走馬カルテ

2・3歳重賞の出走馬を分析・記録していくブログです。

大阪杯(GⅠ) 出走馬カルテ①

 


こんにちは。

 

昨年のポタジェは本当に良いタイミングでGⅠ馬になれたと思います。大阪杯はドバイ遠征の翌週になるので超GⅠ級の出走がありません。加えて、今年は長距離GⅠ路線のメンバーが充実しているのでトップクラスはさらに分散しています。大阪杯のメンバーが弱いという事ではありませんが、JCや有馬記念の様な層の厚さはないでしょう。大阪杯はこういうレースなのかもしれません。ポタジェのようにちょい足りていない馬が活躍しやすいGⅠレースと言えそうです。GⅠタイトルが欲しい馬にはチャンスが大きいレースです。

 

特に近年は秋になると古馬のGⅠタイトルが3歳馬にかすめ取られています。次があるとか、秋に頑張るとか考えない方がいいですね。今がダメならもうチャンスなんてないと思います。今年一番の大勝負をここでかけるべきでしょう。勝てるうちに勝っておくのは勝負の鉄則です。

 

大阪杯は4月2日(日)に行われます。前日の1日(土)には更新を完了します。なお、今回は手が付けやすい馬から原稿を作成しています。書き終わっているものから順不同で更新していく事に致します。また、ページが長くなるようなら1ページ10000文字を目安に2枚、3枚と増やしていきます。

 

予想案は各ページの最下部にある専用ページにまとめてあります。ブログカードを貼っておきますのでそちらをご覧ください。

 

ヴェルトライゼンデ

 

レーン騎手のお気に入り。もう2週早く来日してくれればなぁというところでしたが鞍上に川田騎手なら無問題。この方以上に馬を動かせる日本人騎手は今いないですね。阪神大賞典のボルドグフーシュの騎乗は驚きました。他にもいろいろありますが、外国人騎手と遜色ない力を持っていると思います。また、川田騎手も近年は騎乗馬の吟味をとてもシビアにしています。ヴェルトはそのそのお眼鏡にかなったのだと思います。強力な人馬だと言えそうです。

 

脚部不安で長く休養していた馬なので、復帰後は1戦1戦しっかりと仕上げて使うような戦略が組まれています。実際、鳴尾記念を勝っても宝塚記念をパス、JC3着と好走した後も有馬記念をパスと良い状態に整ってからレースを使うようにしています。この戦略は前走の日経新春杯も同様でした。何かのステップレースと言う事はなく、勝ちに行っての1戦であり、ほぼメイチな状態で日経新春杯を使っています。その為、前走以上の状態が整うかは微妙で上積み幅は小さいでしょう。ですが、この厩舎の戦略は常にその状態で馬を使うことにあります。常に必勝態勢でレースに挑みます。今回も前走並みの仕上げには持ってくるはずです。ネガティブな話が聞かれないようならそう言うつもりで期待していいと思います。きっと、今回もメイチな仕上げでしょう。

 

どこかのスポーツ新聞の記事で目にしましたが右回りが得意な馬と紹介されていましたがこれは嘘ですね。記者の取材不足か認識違いです。確かにデビュー当初は右回りで2連勝、GⅠ・GⅡで2着が1度づつありますから下手という事はありません。が、この実績を持ち出されて得意条件だから大丈夫と言われても困ります。それに陣営も左回りの方が得意と言っていますし、ダービー・JCと言った府中GⅠで3着していることからもそれは明らかです。左回りの方が走りが良いのは間違いのないことです。右回りはこなす範囲と言う認識で妥当だと思います。適性的なベスト条件ではないので足りないところを川田騎手がどう補うかにかかっています。

 

ポタジェ/ マリアエレーナ

 

金子真人HDの所有馬2頭が出走しますが共に金鯱賞を走っているので一緒に見ていきたいと思います。まず、その金鯱賞を簡単に振り返りたいと思います。

 

2番人気だったマリアエレーナの無様な敗戦は松山騎手のせいだと言われています。確かに、それもあるでしょう。あれはひどかった。しかし、行く先々でマリアの進路塞いでいたのは誰あろう金子真人HDの所有馬達(4頭出し)でした。

 

1コーナーでルビーカサブランカがマリアに被せてそのまま向こう正面まで流れます。そこでこの2頭の外につけて来たのがポタジェ。マリアが外に出せるとしたら1~2角の区間か、向こう流しの直線部分。インラチ追走のマリアは大事なところでこれらの馬に常に押し込められていました。これが直線に入るまで続くので既に勝機は失われていましたが、僅かでも脚を使えばどれだけ脚を余したかがわかります。が、そう言う事もさせてもらえません。外に出しかけたところで伸びてきたのがハヤヤッコ。マリアが行こうとしたコースを白い馬体がすぅーと伸びて行きました。こうしてマリアは最後の最後まで進路取ることが出来ずにレースを終了したのです。

 

このようにマリアは同じ馬主の馬に潰されという見方も金鯱賞の一面だと思います。馬主はこういう競馬を望んだのでしょうから悔いはないのでしょうが、本当にこれで良かったのかな?と思います。目先の1勝よりも、所有馬全てに平等にチャンスを与える姿勢は立派です。でも、あまり多くの複数出しも考えものだなと私は思いました。

 

以上のことから、マリアの金鯱賞は力負けではなく度外視出来る内容です。見直しの余地は大きいと言えます。自分の競馬が出来て6着だったポタジェに関しては力を出し切れていると見て良いでしょう。4着だった前年より2.4秒も遅い入線タイムも物足りなかったです。以下は2頭の近況を確認しておきたいと思います。

 

ポタジェは昨年の勝ち馬です。が、それ以降は掲示板にも載れずに5走しています。相手の強いGⅠ戦ならいざ知らず、GⅡ2戦がともに6着でちょっと情けないところ。そもそも、昨年の大阪杯も厩舎サイドは厳しいだろうと力が足りていない事を承知していました。GⅠ級と言う評価はそもそもありません。ポタジェ自身が1年かけてそれを証明してしまったのは残念です。

 

しかし、GⅡの毎日王冠金鯱賞はこの馬には不向きな決め手勝負になってしまっていることは見落としてはいけないと思います。叩き合いで強かったり、立ち回りで一脚使って勝ち負けに持ち込むのがこの馬のパターンです。昨年もそう言う競馬で勝ちました。直線の長い府中や、中京で上がりの競馬をやられてもこの馬の強味は発揮されません。能力負けというよりも、適性負けの様なもの。しかも、いずれも叩き台で他馬より2kも重い斤量を背負っての結果。このぐらい負けてもしょうがないじゃないか!と言う感じがあると思います。

 

馬が弱くなているなら1点もイラナイと思いますけど、あいにくこの馬は晩成だということになっています。前走時でもまだ成長の余地があると厩舎の担当者は話していました。上位人気の何頭かに失策があれば、浮上するのがこの馬と言う可能性はまだ残されているかもしれません。

 

マリアについては、昨年もどこかで触れましたが牡馬相手のGⅠでも十分やれると陣営は考えています。ので、遠征してまで中山や福島の牝馬Sを使うような事はしませんでした。それなら強い牡馬重賞にぶつけた方が良いと陣営が考えたからです。それが実って小倉記念を勝つのですから厩舎の言う通りでしょう。この馬も牝馬の域を超えています。

 

そんな本馬が牝馬限定の愛知杯に2年続けて出走しているように、中京2000mの適性が非常に高いとされています。今年の愛知杯は苦手な道悪に加えて、トップハンデの56.5kと不利が重なるレースとなって3着まででした。だからこそ、この条件の金鯱賞は力の入るレースでした。負荷を強化した調教を消化して勝ちに行った1戦でした。そのレースがあのような結果に終わったのは残念です。力を出し切ることはなかったので消耗はほとんど無かっただろうと想像するのですが、機を逸してしまった感は否めません。状態維持ぐらいで出走して来れると思いますが、一勝負終えている感は強いので重い印は打ちづらくなっています。

 

適性について確認しておきますと、馬場のよかった小倉記念を1:57.4の好時計で勝っているように時計勝負に強いのが特徴です。ですので、道悪や力のいる馬場はこの馬に向いているとは言えません。阪神の開催は桜花賞週にコース変わるので桜花賞で時計が速くなるのは恒例ですが、大阪杯まではAコースのままです。道悪競馬も続きましたし、馬場がこの馬の走りを助ける可能性は低いでしょう。近3走は明確な敗因があるので見直しの余地は大きいのですが、今回に関しては条件が良いとは言えないかもしれません。

 

キラーアビリティ/マテンロウレオ

 

この2頭は京都記念に出走していましたがマテンロウが2着、キラーが5着という結果。2頭の着順には因果関係があるので合せて確認しておきたいと思います。2頭の明暗を分けたのはエフフォーリアの失速です。それぞれ確認しておきます。

 

勝負所で後退を始めたエフフォのすぐ後ろにいたのがキラーだったのですが、その為にキラーもポジションを下げざるを得なくなりました。さぁ、ここからと言う時の不利なので致命的です。進路を修正してから伸びては来ましたが、瞬時に加速出来る性能が弱いのでそのエンジンが再点火することはありませんでした。ジワジワ差を詰めて5着が精一杯。

 

マテンロウの方はインベタの中段で脚をためていたのですが、前が壁で外にエフフォと言う隊列。そのままレースが進行していたら直線どん詰まりでまともに追う事も難しかったかもしれません。ですが、直線に入る頃には外にいたはずのエフフォがいません。あったのはマテンロウに都合の良い1頭分のスペース。これで進路を切り開く事が出来ました。2着に上がれたのはここでスムースに立ち回れた事が非常に大きかったと言えるでしょう。

 

以上のように、京都記念の結果は展開のアヤによるもので2頭の力差を証明するものではありません。2歳のホープフルSから何度も一緒に走っている2頭で勝ったり負けたりを繰り返しています。キラーとマテンロウに明確な力差はないですね。今回も枠や展開、当日の馬場状況など材料が揃った方が先着することになるでしょう。GⅠに入るとパンチ不足な印象もありますが入着の可能性がない訳ではないので引き続き注意が必要な2頭だと思います。


また、この2頭は調子の波みまで連動しているので面白いですね。どちらも3歳の春時に調子を落としていましたが、夏を挟んで完全に復調しており重賞戦線で好走を続けています。キラーは復帰戦だったア共和杯の頃から状態はよかったのですが、京都記念時には過去イチのデキにまでもって来れていました。GⅠを勝てる能力があると陣営はまだ大きいところを諦めていません。

 

マテンロウの方は飄々と適鞍を渡り合歩いている印象で大きいところ視野にした発現はほとんど聞かれません。ただ、秋に無理して菊花賞を目指さなかったことで馬は完全に軌道に乗っています。前走のドウデュースとの着差を除くと復帰後の最大着差は中山金杯の0.2秒差が最大で安定して勝ち負けに加わっています。こちらも非常に順調です。

 

ただ、ここまでほとんど差のない2頭ですがコース適性に限ってはマテンロウの方が高そうですね。キラーは同じような形態のGⅠ勝ち馬なので当然こなせる条件ですが持続性で勝負するタイプで前走の様に瞬発力や器用さを求められるところで取りこぼしが目立ちます。だから、阪神コースで結果が出ていないのでしょう。3戦した成績は【0・1・0・2】となっています。一方、マテンロウの方は同じく3戦して【2・1・0・0・】とハズレ無し。キラーになかった器用さがあるのでこの条件を常にソツなく乗って来ます。コース適性の面でマテンロウ若干有利と言えそうです。

 

ダノンザキッド

 

ホープフルSを勝ってはいましたが、2歳の頃から中山の1周条件を上手く走れていたとは言えません。ディープインパクト記念や皐月賞、そして今年も含めた中山記念2回は良い走りが出来ていません。機動力が無いので3~4角のコーナー区間で上手く加速する事が出来ません。

 

それは分かっていたんですけど、昨年夏以降の走りから馬の充実度が上がっていて、厩舎からは精神的な成長が大きく、完成形になってきた。だから大丈夫という言葉を信じてしまいました。そして、中山コースと親和性の高い香港シャンティの2000mGⅠで2着と走ったので私ももう大丈夫なんだと中山記念では期待してしまいました。が、機動力の無い走りに変わりはありませんでした。

 

ちょっと解せなかったので敗因をいろいろと探すことにしたのですが、結果的にこの馬の弱点は全く改善されていないという結論にいたりました。私が勘違いした要因は香港での好走なのですが、このコースって言うほど中山コースと同じではないんですね。香港の2000mは直線が中山コースよりも100m以上も長く、コーナーの斜度もっずっと緩やかの様に見えます。また、ザキッドの香港Cも3~4角でマクりを打ったとういう乗り方ではなく、直線に向くまで後方に待機して脚を溜めるだけタメた末脚勝負だったのです。弱点克服と根拠づけられるような立ち回りではありませんでした。

 

今年の中山記念も勝負所でどんどんマクられて行きました。それでも位置を取っていたので直線で盛り返しようもあったのですが、追っても伸びる事がありませんでした。これはもう根本的なコース適性だと思います。こういう形態だと、コーナリングだけでなく、直線での走りにも影響が出ているように思います。体を上手く使い切れていない印象です。要するに、不器用なんだと思います。このように何度も走った条件でこれですから急に馬が変わるのは不自然な話。阪神2000mが良い条件とはとても言えないと思います。

 

だから、中山記念の結果を受けてこの大阪杯に使って来るとはおもいませんでした。大阪杯のほか、ドバイや香港など海外遠征も視野に入っていて、どこに使うかは中山記念の結果次第となっていたからです。ドバイはまだしも、香港の方を選んだほうがまだ狙い目も立つのになんでだろう?ひょっとしたら安田記念へのステップかもしれませんね。遠征するより体調は維持しやすいですから。大阪杯への出走意図が確認出来れば大きな判断材料になるでしょう。

 

なお、冒頭触れたように馬は本当に良くなっています。安田隆厩舎には3・4歳にもダノンのGⅠ級がいますがこれらの総大将は今でもこのザキッドなんだそうです。この馬にもう1つGⅠをとらせようと陣営は頑張っています。それがこの大阪杯とは思えませんが、状態の良さだけは太鼓判が押されています。調教評価だけならかなり上位にくるのではないでしょうか?そういうところに怖さはあるので扱いはまだ難しいですね。

 

ジェラルディーナ

 

大阪杯には昨年も登録していましたが賞金除外で憂き目に。福永現調教師はこの馬でかなりやれると色気を持っていました。ここは1年越しの挑戦となります。有馬記念以来の1戦となりますがこのローテションは馬にとってはプラスになるでしょう。一度使うとテンションが高くなる面があるので間隔を十分にとった方が仕上げやすいタイプだと言います。これまでもそれで結果を出して来た馬ですから久々でも勝ち負けの状態に馬を作る事は可能です。ここもそう言う状態で仕上げてくると考えて良いと思います。

 

結果的に見れば晩成タイプだったと厩舎談。440kでデビューした馬が有馬記念では470kと馬体面の成長が示す通り馬はどんどん良くなっています。それに合わせて競馬振りも良い方に変化しています。操縦性、自在性などが増していてオールカマーではイン突き強襲、エ杯では大外一気とどんな展開でも末脚が炸裂するようになりました。そして、この成長曲線はまだ止まっていません。大阪杯でも前走以上の走りを期待してよさそうです。

 

昨年一年は最速が5度、2位上がりが1度、3位上がりが1度と常に上位上がり。牝馬重賞は2度走っただけで他は牡馬混合の重賞です。強敵を相手にしてにこれだけ確かな脚力を持つのは現役トップクラスの証と言えます。斉藤崇調教師も有馬記念ではかつて管理したクロノジェネシスよりも自信があると話していたほどです。その有馬記念で走ったメンバーはドバイや天皇賞(春)に分散されています。そこで3着だった本馬を格上的な存在と扱えなくもありません。大阪杯有馬記念よりも与しやすい相手関係だと言えます。

 

適性面にも問題はないでしょう。有馬記念でも器用さを発揮していましたし、勝ったエ杯も内回りでしたからこういう条件は走り慣れています。コントロールが利いているので大阪杯の様な条件も適していると言えます。近2走は後方から脚を使う競馬をしていますが今は自在性もあるのでスタートを決めれば流れに乗ったレースをしてくれると思います。2200m、2500mと好走したので距離は長くても大丈夫な感じになって来ました。が、もともとは2000mぐらいがベストの馬でしたから距離短縮も問題になりません。不安材料らしいものはありません。極端な外枠でも引かなければ大丈夫じゃないでしょうか?

 

あとは初騎乗となる岩田望騎手が馬の力を出し切ってくれることを祈るのみ。その辺はお父さんによく聞いて欲しいですね。デビューから数戦騎乗していましたし、ジェラルのお母さんを三冠馬にした方です。良いアドバイスをしてくれることでしょう。

 

ジャックドール

 

左回り中心に走っていたので昨年の秋は天皇賞(秋)でメイチ勝負。4着は残念な結果でした。宿敵パンサラッサ、強力な3歳2騎に後塵を拝する結果となってしまいました。パンサの大逃げでこの馬には乗り方が難しかったですね。いち早く動かざるを得なかった事で後続の標的になった感じでした。差し馬と言う訳でもないので末脚勝負でイクイノックス、ダノンベルーガ相手はかなりキツかった。良い内容ではありましたが展開が味方しなかった感じです。

 

その後、香港に遠征しましたが馬体を減らし、テンションが高くなっていたのでスタートも決まりませんでしたし、末脚も不発。この馬本来の競馬が出来ませんでした。まぁ、輸送の失敗と言うことだと思います。力で負けたとかではないでしょう。

 

昨年は5連勝で大阪杯に挑みましたが5着まで。その時から馬はだいぶ変わりました。まず、右回りでもそれなりに走れたこと。大阪杯はハイペースで先行したことや落鉄など悪い事が重なってのもの、香港Cは輸送の失敗と敗因ははっきりとしています。厩舎は右回りが敗因とは考えていません。札幌記念でパンサラッサをねじ伏せた事は今となっては価値も高い。昨年よりはだいぶ走り慣れたと思います。

 

そして、逃げるだけの脚質も変わっていて差す競馬でも一応の結果を残し脚質に幅が出ています。控えても競馬が出来るようになり自在性を身に着けています。変化したこの2点は昨年出走時の不安材料でしたが、この1年でそれを解消してきました。今なら昨年以上に走れるかもしれません。

 

厩舎が大事にしているのはコースや回りの左右ではなく、2000mの距離と言うこと。大阪杯もこの馬には適した条件ということになります。相手が強力になる府中GⅠで逃げ先行のスタイルだと少々キツい感じがしました。札幌記念の内容を鑑みると今は直線が短いこういう条件の方が向いているような気もします。また、昨年は中2週で挑んだのも馬には良くなかったという反省が厩舎にはあり、今は意識的に間隔を空けるようになっています。フレッシュな時の方が馬の走りも良いということなので、香港以来の久々もこの馬にはプラスに働きそうです。

 

今年の方が相手は強いかな?と言う感じもあるのですが、強力な同型パンサがいないので再び逃げる事も可能となり、レースはむしろしやすくなったと考えられます。大阪杯は力通りに決まるGⅠではなく、上手くレースを運べた馬に有利なGⅠです。自分から動いていけるジャックには向いているレースと言えるでしょう。海外遠征帰りの調整が上手く出来ていれば変な競馬にはならないと思います。

 

スターズオンアース

 

近2年の秋華賞阪神で行われました。大阪杯と同じ条件なのでスターズみたいな秋華賞好走馬が狙ってもいいGⅠではないかと思います。大阪杯に出て来たのはこの馬だけだったのは少し残念です。この馬がどんな走りを見せるのかと興味深く思っています。

 

その秋華賞は3着でしたがそれで来れるの?というレースで驚きが大きかったです。このレースはペースがマイルドだったので10番手以降を追走していた馬が全く振るわないレースでした。後方3番手だったこの馬が着に来て良いレースではありません。馬群を縫って0.1秒差まで詰めてくるのですからやはり強さが尋常ではない気がしました。骨折明けのぶっつけで良くこれだけのレースをするものだと感心します。

 

しかし、その骨折は実は大したものではなかったそうです。オークス後に両前脚の剥離骨折を公表しましたが、関係者の話ではこの骨片はレースの前から元々あったモノだったそうです。つまり、その状態で桜花賞オークスも走っていたことになります。レントゲンにちょっと映る程度の軽度のもので競走能力に影響を与えるものではなかったのだそうです。オークス後に秋華賞まで時間があったので今のうちに取り除いてしまおうかと言う経緯だったそうです。まぁ、デトックスのようなものですね。なので、骨折明けと言うネガティブなイメージを陣営は持っていかったようでして、調整は全て予定通りに進んで仕上がりは良好でした。二冠制覇した状態と遜色ないぐらいまでデキていたそうです。

 

とは言え、社台F生産馬初の三冠馬誕生に関係者は燃えていましたから好走だけでは喜べなかったでしょう。スタートの出負けは痛恨でした。その為に後方待機を余技無くされた訳ですが、本来はレースの流れに合わせたポジションニングが出来る馬。秋華賞の様な極端な競馬はもうないでしょう。忙しいマイルでも器用に立ち回れた馬であり、桜花賞の様に狭い所をこじ開けてくる根性もあります。大阪杯では秋華賞以上に上手に立ち回れると思います。距離の問題も全く無いわけで適性面、能力面に不安なところはないですね。

 

ただ、この馬の場合は能力以外なところに気になるところが多いです。まず、一線級の牡馬と初対戦になる事です。牝馬で馬券になった馬の前走は

 

ラッキーライラック(20年1着)は中山記念2着
クロノジェネシス(20年2着)は京都記念1着
レイパパレ(21年1着、22年2着)は1年目がチャレンジC勝ち、2年目が金鯱賞2着

 

と混合GⅡ・GⅢで古牡馬相手に互角以上の走りをして大阪杯の好走に繋げています。スターズの場合はこの経験がないのでどこまで通用するのかが見えにくい所があります。今更牝馬だからというのはないですが通用しそうな目途があるかないかで予想での思い切りも違ってくるのは仕方ないですね。

 

また、これは宝塚記念にも同様の事が言えるのですが阪神古馬GⅠだと強い関東馬がどういう訳か急に走らなくなります。大阪杯ですと、

 

17年サトノクラウンが3番人気6着
19年ブラストワンピースが1番人気6着
21年グランアレグリアが2番人気4着
21年サリオスが3番人気5着
22年エフフォーリア1番人気9着

 

と、これだけのメンツが揃って圏外に。これは偶然なのでしょうか?GⅠ昇格以降ですと関東馬で馬券になったのは20年ダノンキグリーの1番人気3着が1例あるだけ。人気を問わず走っていないというのはあまりに不吉なデータです。

 

これらに加え、極めつけなのが管理する高柳瑞厩舎が今年まだ未勝利であること。四半期が経過してこの成績はよほどです。3歳牝馬のリバーラや、高松宮記念でも人気だったトウシンマカオなど重賞勝ち馬でもノーチャンスでしたからちょっと深刻かもしれません。馬に問題はありませんが、それ以外の附属データや人間サイドが脚を引っ張らないといいのですけど。さて、どうなりますでしょうか?

 

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