競走馬カルテ

2・3歳重賞の出走馬を分析・記録していくブログです。

天皇賞(春)(GⅠ) 出走馬カルテ②

こんにちは。

 

こちらのページは、

 

 

の、続きになります。↑では阪神大賞典組8頭を扱っています。こちらでは日経賞組など残りの10頭を紹介していきます。

 

予想案は各ページの最下部にある専用ページにまとめてあります。ブログカードを貼っておきますのでそちらをご覧ください。

 

日経賞

 

極端な不良馬場で行われたので時計的な評価は難しいですし、道悪の巧拙で力を出せた馬、そうでない馬などいると思います。今年の日経賞は評価が難しいです。ただ、ことタイトルホルダーに関しては昨年以上に走っていたという解釈をして良いでしょう。勝ち時計は2:36.8と遅いですが、稍重だった昨年より1.4秒遅いだけのものでした。2~3秒は遅くても良いぐらいなので今年の勝ち時計は悪くないと思います。また、2着馬も昨年と同じボッケリーニでしたが着差はクビから8馬身差と大幅に拡大しています。タイトルのパフォは昨年よりも上だったと見る事は可能で、その昨年が天皇賞(春)に繋がった以上今年も同様の結果をを想定して良いように思います。

 

1着:タイトルホルダー

 

宝塚記念を勝った時の実況が「空前絶後阪神三冠っ!」と言うものでした。空前絶後は言い過ぎだろうと思いましたが、阪神で中長距離GⅠを3つも勝った事は事実です。なので、阪神だから最強みたいな感じになっています。本当のところはどうなんですかね?これは私も良く解らないです。

 

勝負所の機動力が飛びぬけて良いので内回りで走れる阪神や中山で良いというのは確かにあると思います。ただ、この馬の機動力は坂の下りからスパートをかけられる京都コースでさらに良いと思います。京都ならより強いという感じもしています。一方、直線が長くなるので差し馬がタイトルとの差を詰めやすいというのはありますし、瞬発力の必要性が高まりますので決め手勝負で差されやすくなるというのもあると思います。実際、大箱府中では2戦2敗なので。これが弱点と言う可能性もなくはないでしょう。まぁ、是々非々ですね。京都コースの適性は賭け要素になりますね。正解は結果を待つしかありません。

 

前走に関しては、本番を見据えた叩き台と言う体ではありましたが、不本意だった昨秋の悪いイメージを払拭させたいという気持ちも強かったようです。なので、中間は丹念に乗り込み、クビ差だった前年よりも仕上げを上げていました。雲泥の差と言うぐらいに馬は作られていました。それが8馬身差となって現れたのだと思われます。斤量も昨年より2kも重い59kでの出走でしたがそれをものともしない凄い走りだったと思います。あの結果を見るとGⅠ並みに仕上がっていたのではないか?と疑いたくなります。

 

それでも本番で良くなる余地を残していましたので前走よりも1つ上の状態にもって来れていると思います。また、この馬は1度使えばさらに良くなる馬でもあります。セントライト記念13着から菊花賞優勝、昨年の日経賞はタイム差無しの辛勝から天皇賞(春)で圧勝と2走目で大幅にパフォーマンスを上げてきます。日経賞以下と言う事はまず考えられないですね。今年も3走目に宝塚記念があるならこの時に仕上げを強化していたツケが出ているかもしれません。が、2走目のここは大丈夫だと思います。

 

他に課題があるとしたら現4歳世代との力関係ですね。これが一番の焦点かもしれません。日経賞では1コ下の菊花賞馬アスクビクターモアがいましたがそれが不本意な走りでしたからその力関係が測れませんでした。また、有馬記念ではタイトルの方が本調子でなかったので先着された4歳世代との力差は分かりにくかった。以上の事から、今年は力の序列が曖昧なまま天皇賞(春)で激突する事になります。それに根本的な問題として5歳世代のクラシック三冠よりも、4歳世代のそれの方がレースパフォーマンスが高いというのがあります。世代間の力差は4歳世代の方がやや有利です。皐月賞馬は引退し、ダービー馬は4歳最強馬に完敗の連続です。菊花賞馬たる本馬が最後の砦となりますが、この馬も4歳世代の強烈な突き上げに屈してしまうのでしょうか?5歳世代の意地を見せて欲しいものです。

 

3着:ディアスティマ

 

天皇賞(春)には2年前に出走していて5着に健闘していました。ただ、その後夏のOP特別を勝った後に脚部不安で長期の休養を余技無くされました。普通なら復帰は難しいという状況だったそうなので復帰出来て良かったと思います。復帰後の京都大賞典ステイヤーズSはスローで逃げた事で馬が力んで走ってしまった事が敗因として上げられています。なので、日経賞はタイトルホルダーが良いいペースで引っ張ってくれたのでこの馬にはレースがしやすかったという事でしょう。自分のリズムで走れればハイグレードのレースでも大きくは崩れません。

 

ただ、タイトルとはつかず離れずの2番手だったので、離されてしまった約9馬身は力差をより明確にしてしまいました。タイトル逆転はもう不可能でしょう。実際の話、レース前の段階でアスクビクターも含めてGⅠ馬2頭には敵わないと陣営も力差を自覚していました。本馬が走った2年前よりも相手は強いですから当時の5着を死守するのも難しいかもしれません。自分の力を出し切った上で有力馬の凡走を待たねばなりません。地力で勝ち負けしてくるイメージは持ちづらいですね。

 

9着:アスクビクターモア

 

日経賞の結果は問わなくても良いと思うんですよね。だから、騎手を交代する必要もないと思うのですが。でも、これも仕方ないかもしれません。まだクラシックを走っていた頃の田辺騎手はアスクビクターよりも、東スポ杯2歳Sで2着だったアサヒ(現3勝クラス)の方に気があってそちらを優先していましたから。アスクビクターがディープインパクト記念で皐月賞の権利を獲っても騎乗を保留していたぐらいです。もともとはそこまで評価していなかったのですからこういう事になっても因果応報のような気もします。

 

さて、日経賞です。いろいろと不利が重なってしまいました。まず、出遅れてしまったのはゲートが開く前に突進してしまったからだそうです。また、ここまで脚元の良くない道悪も初めてだったので戸惑っていたという話です。最後方を追走するというのも初めてでした。いつもの平常心を保てなかったと田辺騎手はレース後に話しています。また、陣営もレース前からダーメージを残さないでレースを終えたい意向を持っていましたので道中は無理なく、ソロっと乗って来た感じで、勝つ気を感じさせない立ち回りでした。まぁ、ヤラずでしょう。力を出していないのは明白で評価を落とす必要もないと思います。仕上げの程も7~8分程度でしたから、日経賞でダメージがないのなら想定通りの上積みがあるはずなのでGⅠ仕様にちゃんと仕上げっていると思います。

 

日経賞の結果は無視して天皇賞(春)への適性や相手関係を確認しておく方が重要ですね。菊花賞をレコード勝ちした馬で菊花賞馬の先輩タイトルホルダーより2秒以上速い時計で優勝しています。長距離適性に問題はないのでしょう。ただ、レコード決着だけにスタミナよりも、持続性や強靭な心肺機能の高さで押し切ったという感じもします。本質的なステイヤーとの感覚はそれほど強くないのではないかと思います。その菊花賞もハナ差でギリギリ凌いだものでこの馬だけが走れたスーパーな時計と言う訳でもありません。当時2着のボルドグフーシュにしてみれば逆転出来ない差とは感じていないでしょう。さらに1F延長してその辺がどう出るでしょうか?最後は止まっていただけに、今度は差されてしまうかもしれません。

 

このように適性面については微妙な気もします。ですが、それでも今回のメンバーでこの馬を交わせる馬はそういないと思います。この馬の強さはその心臓面の強さにあります。菊花賞を猛烈な前傾ラップで乗り切っているように心臓の強さだけなら今回のメンバーでは多分1番だと思います。キツいペースを先行して後続の追撃を凌ぐストロングスタイルがこの馬の強さです。昨年のダービーもその強靭さを発揮して4着に好走しています。この時は1・2着馬が次元の違う強さだったので勝てませんでしたがその前年だったら十分勝てていたという内容です。やはり力は上に見積もる必要があります。

 

先行したい馬が結構いますのでペースが流れてくれればこの馬にとってはレースがしやすく、力を発揮しやすい展開が想定されます。これなら凡走と言う事も考えられません。確かに、直線が長くなり、瞬発力のある馬が活躍しやすい舞台なので何かに差される可能性は否定出来ません。が、それで差されたとしてもGⅠ級の何頭かに限られる話であり、数は知れています。GⅡやGⅢで入着程度の馬にこの馬を交わす事は出来ないでしょう。適性面を考慮して印の種類に悩んだとしても、印を回すことを躊躇う必要はないと思います。

 

ダイヤモンドS

 

トーセンジョーダン産駒の初重賞制覇か?と期待して1番人気のシルブロンの単複を買って期待していたのですが3着まででした。天皇賞(春)にも顔を出してほしかったのに残念です。

 

さて、そんな今年のダイヤモンドSですがレコード決着となかなかの結果を残しいます。B級ステイヤー御用達の重賞なので【0・1・1・16】と天皇賞(春)との関係性はあまり高くありません。でも、その前の10年では1頭も馬券にならなかったので、それと比べれば近年は頑張っています。レコード決着の年ならチャンスがあるかも?とも思ったのですが、勝ち馬の出走はなく、13番人気だった2着馬と8着馬のみ出走となると過度な期待を持つのは難しいですね。

 

2着:ヒュミドール

 

7歳の騙馬でキャリアは豊富です。ここまで1番人気になった事がありません。ここまでの4勝中の3勝は9・10・12番人気と人気薄での好走です。ダイヤモンドSも13番人気で2着。こういう馬は嫌ですね。いつ走られるのかが分かりません。とは言え、そう言う事が起こるのも隙間重賞のGⅢや夏冬の閑散期のレースと相場は決まっています。例年よりも充実したメンバーが集まった今年の天皇賞(春)でさすがに出番はないと思います。

 

好走条件はバテ比べの体力勝負。持久力に強いタイプでハードな展開やタフな馬場状況を起因とした消耗戦が得意です。逆に苦手分野は時計勝負だったり、スロー展開からの上がりの競馬。瞬発力の性能も弱いのでこういうレースで決め手を発揮する事はありません。今の京都コースに一番いてはいけないタイプと言えるでしょう。

 

中距離重賞にも節操無く出走しているので特別ステイヤーと言う訳ではありませんが、ダイヤモンドSは今年に限らず2年前にも出走していて5着でした。ちなみにこの時の3番人気がこの馬のキャリアで最も支持を得ていた人気でした。それ以外にもステイヤーズS5着などもあって持久力を生かせたり、上がりが速くならない長距離戦での成績は割と安定しています。そう言う意味では3000mを超えるGⅠに出るなとは言えません。苦手な条件でも自身の存在意義を全うするために頑張るのでしょう。

 

これといった良い話はないのでこの辺までにしておきます。

 

8着:トーセンカンビーナ

 

失念していましたが、この馬も京都の天皇賞(春)を走っていましたね、すみません。その時は5着で昨年は10着でした。このことからも分かりますが脚質的な問題もあり、阪神よりも京都の方が良いというタイプです。京都が再開されるまで現役でいたかいがありそうです。

 

4歳時までは順調でこのレースでも7番人気5着と健闘しました。が、5歳時に3走、6歳時に3走と近年は順調に使い込めなくなっています。1年前後の休養が2回もあるので思うような成績は残せなくなってしまいました。ダイヤモンドSも昨年の天皇賞(春)以来のレース。脚元の不安で休養が長引いていました。なので、トーンは高いものではなく、まずは使ってからというムード。計画的な叩き台ではないのでそこからどこまで調子を上げてこれるかになります。

 

でも、仮に状態が良い頃に戻ったとしてもやはり厳しいでしょう。7歳のこの年になるまで出遅れ癖やテンに遅い立ち回りなど最後方待機の競馬振りに変化が全くありません。ガチンコ勝負のGⅠで力の足りない馬が採って良い戦法ではありません。後方からの末脚勝負なので最速上がりとかは記録するかもしれません。が、最速上がりを記録したのも4歳時の阪神大賞典が最後でそれ以降の11戦では末脚の威力も低下しているのが実情です。今の本馬の末脚ではタイトルホルダーやアスクビクターモアといった強力な先行馬の影すら踏めないと思います。

 

この馬もこれといった良い話はないのでこの辺までにしておきます。

 

その他

 

エンドロール(3勝クラス在籍中)

 

今回初めて触れる馬なので私も良く解りません。特徴的なとこを箇条書きで整理しておきます。

 

・未勝利を勝ちあがるのに11戦も要した馬。前走で2勝クラスを勝ったばかりの非OP馬。
・3月~6月の春先にしか馬券にならないようで、それ例外の時期ははほぼ圏外。
∟3歳時:5月の未勝利、6月の1勝特別を連勝。4歳時:3月の2勝特別2着、4月の2勝特別勝利。
・主戦場は関東の2400m~2500m戦。長距離馬と言う事で良いが3000mは初経験。
美浦の永野猛蔵騎手がずっと騎乗している主戦騎手。全ての勝利を挙げている。天皇賞(春)も騎乗する。

 

能力は普通に足りていないと思います。2勝クラスを勝った程度で古馬GⅠなんか普通は使わないでしょう。ズバリ参加賞ですね。背景にはピンとくるものがあります。これは馬主からのプレゼントの様なものでしょう。本馬は個人馬主による所有馬です。天皇賞(春)への出走は永野騎手への感謝の気持ちとだと思います。大舞台で経験を積んで欲しいとかの。人間関係的には素晴らしい話だと思います。でも、力は足りていないと思うので取捨で迷う必要はないですね。

 

ただ、この永野騎手は琴線に触れるところがあると思います。私も出走馬を分析するので多くのレースを見ていますが、彼の騎乗を度々目にしています。騎乗馬に恵まれている訳ではないですけど結構上手いなぁと思う事もしばしばでした。気になっている若手騎手の1人です。応援馬券は買えませんが、3年目の若武者には頑張ってもらいたいと思います。

 

シルヴァーソニック(レッドSTH1着)

 

ステイヤーズSの私の本命馬ですね。その時の理由は能力的なものよりも「12月は社台Fの勝負月間」であることと、「長距離レースの多いオーストラリアの騎手が騎乗」している事でした。昨年の天皇賞(春)で落馬負傷以来の休み明けでしたが、賞金除外で出走出来なかったア共杯を使うつもりで仕上げて状態の良さは確認出来ていました。ので、具体的な理由はありませんでしたがこれが本命で良いだろうと思いました。

 

でも、社台Fはそれ以降も調子が良くて絶好調ですよね。理由は忘れてしまいましたけど、実際ノーザンFは社台Fの突き上げを食らっているそうです。黄色地に黒縦縞の勝負服はこの先も活躍していくと思われます。また、レーン騎手の長距離の手綱さばきも素晴らしかった。厩舎もそこに魅力を感じていて彼が乗っていれば大丈夫と全権委任でお願いしているほどです。サウジのGⅢも優勝してしまいましたから本当に上手くこのシルヴァーを乗りこなしています。

 

ただ、近2走は能力的な問題を棚上げしても大丈夫なレースでした。ステイヤーズSはB級ステイヤーしか集まらないレベルの低い組み合わせですから本当の強さは無くても良いのです。

 

そして、サウジにも同様の事が言えます。創設間もないレースなので全世界的な認知が遅れているようで、ドバイの様に本当に強い馬がなかなか集まりません。実際、サウジCで好走した日本馬のほとんどがドバイWCで大幅に成績を下降さました。日本勢はそこを見越して昨年から多くの馬がサウジに渡っているのです。GⅢ程度の馬でも連れて行ってしまえばそこそこ稼げるぐらいに考えているのだそうです。

 

シルヴァーもそう言う馬の1頭と言うことになるでしょう。本馬が勝ったレッドシーターフHで負かした馬にタイトルホルダーやアスクビクターモアに勝てる馬なんていないと思います。天皇賞(春)とは比べられないレベルと言えるでしょう。ですので、シルヴァーの2連勝はGⅠ級の力を保証するものとは言えません。ここはあくまで試金石と言う感じ。勢いでどこまでやれるかと言う扱いで妥当だと思います。

 

なお、今回の展望としては半々だと思います。まず、状態面ですがこれは良いと思います。7歳馬ですが晩成タイプで充実期が遅れてやってきました。近2走の勝利がその証。遠征帰りで調整は難しいかもしれませんが、年齢の割には活気があるのでそれなりに走ってくれると思います。

 

ただ、京都コースの適性は微妙だと思います。4歳時までに3走経験がありますが2着2回3着1回と好走止まりです。これはこの馬の個性に裏打ちされたものだと考えられます。バテ合いの我慢比べのようなレースの方が向くタイプだからです。厩舎の評価もタフな阪神3200mの方が向いているという考えです。上がりが速く、末脚勝負になりやすい京都コースはこの馬向きと言えないかもしれません。バテる事は考えられないんですけど、決め手が求められた時に対応出来るかが鍵となると思います。

 

結局、足りていない適性をレーン騎手がどうカバーできるか?って話になってきます。レーン騎手もGⅠとなるとゴリゴリの人気馬は回って来ません。結果が出ているのはシルヴァーの様な中途半端な人気な時が多い。この人が乗っているというだけある程度の警戒が必要なので今回ばかりは厄介です。

 

 

ディープモンスター(金鯱賞5着)

 

馬群が密集して内で進路を無くす馬が何頭かいた金鯱賞でしたがこの馬もそんな1頭。直線で包まれて身動きが出来ない状況がしばらく続きました。追えたのはラスト100mを切ったぐらい。そこからジワジワ伸びて5着に押し上げて来ました。スパっとした切れ味がないので瞬発的な加速が求められると着を上げる事が出来ないですね。この展開では仕方ありません。それでも0.5秒差の5着なら走った方。スムーズだったら際どかったという評価はして良いと思います。

 

ただ、天皇賞(春)を目標に金鯱賞を使った訳でもありません。出れるなら大阪杯でと言うことだったと思います。タイトルホルダーが勝った菊花賞で5着でしたから長距離の適性が無いとはいえませんけどこれも素質で走ったんだと思います。昨夏の北海道の2600m戦では直線でフラフラしながら2着に上がるのが精一杯と言うレースをしています。これを見ると距離をこなせるスタミナがあるようには思えません。以降の3戦で2000mに拘った使われ方をしているように厩舎としてはこのぐらいが一番合っていると金鯱賞では話しています。ここは出れるなら使ってみようか?程度の出走だと考えて良いと思います。

 

3歳時に連勝ですみれSを勝ったことで素質馬みたいな扱いを受けましたが皐月賞もダービーも良いところがありませんでした。成長の遅い馬でこの頃はまだ線が細く、牝馬みたいな馬体をしていたのであまり負荷をかけた調教を課すことが出来ませんでした。昨夏ぐらいにようやく+10kと目方が増えたのでこのぐらいから軌道に乗って来ます。OP・リステッドを3走して1勝2着2回と凡走無しに駆け上がって来ました。金鯱賞でも格好はつけていましたからOP級の実力は確かにあるように思います。

 

とは言え、菊花賞以降にもジャックドールやマテンロウウレオなどと対戦し強い馬相手にはしっかりと負けて来たのでやはり重賞級、GⅠ級と言う強さにはまだ至っていないように思います。あとこの馬はあまり末脚が際立つ事がありません。伸びがジワジワしていて、立ち回りで勝負している事も多い。外回りの末脚勝負で良いイメージは持てないですね。距離にしろ、コースにしろ、現状の能力にしろ、評価高く扱えるレースではないように思います。

 

マテンロウレオ(大阪杯4着)

 

京都記念でドウデュースに圧倒的に負けて挑んだ大阪杯では、「あんな馬がいたらさすがに敵わない」けど「あそこまで強い馬はいないでしょ?」とまんざらでもない感じでした。実際、4着と走りましたからあながち間違いではありません。レース後の横山典騎手はやりたい競馬は出来たからと結果に納得いっていました。でも、ドウデュース級はいなくても、やはりGⅠ馬には敵いませんでしたね。阪神2000mは最も走れる条件であり、結果は理想の競馬が出来て得たもの。完敗と言うしかないですね。GⅠ級と言う評価に至る事はありません。

 

そして、こんなレースになんで出走してきたのか?多分、あまり深く考えていないと思います。好走ゾーンが狭くなって来ているのでこの先の選択肢を広げる結果にでもなればぐらいの考えだと思います。相手関係も大阪杯のメンバー少々上回っているのではないかと思えますから、条件も相手もこの馬に適しているはずはないですね。

 

頼みの綱はサクラローレルイングランディーレゴールドシップの3頭で春の盾を3勝している横山典騎手だけ。変幻自在な競馬で好走でもあればいいのですが。でも、ひょっとしたらって思った事があります。息子2頭が有力馬で激突する天皇賞(春)を間近で見たいとか思ったんじゃないですかね?お父さんは?関係者に駄々を言ってこの馬を使ってもらったとかそんな事はないですかね?私が父親だったらちょっと考えたかもしれません。

 

天皇賞(春)(GⅠ)の予想案はこちら▼