こんにちは。
2回目の中間発表ではトップ20位にも入っていなかったヴェラアズールがJCを勝った途端一気に標を獲得したようで18位まで順位を上げました。これでファン投票(ファン投票7位選出)による出走となります。日本最高賞金レースの勝ち馬なのでこの馬が出走除外になる事なんてないんですが有馬記念の意義に沿う形で出走できる事は大きな意味がありますね。
皐月賞馬、ダービー馬、菊花賞馬とクラシックウィナーの参戦が無いのは物足りませんが、大阪杯、天皇賞(春)、宝塚記念、天皇賞(秋)、JCと古馬王道のGⅠ勝ち馬は全て参戦しています。GⅠ馬の数7頭と豪華な顔ぶれ。最近はJCより有馬記念の方がメンバーが集まっているような感じがしませんか?本当に強い馬は凱旋門賞に行きますし、そう言う馬は帰国後はJCより有馬記念の方が調整しやすいですからこうなるのかもしれませんね。有馬記念こそ現役最強を決めるレースにふさわしい気が致します。
有馬記念は25日(日)に行われますので前日の24日(土)にカルテの更新を終了いたします。ページが長くなるようなら1ページ10000文字を目安に2枚、3枚と増やしていきます。アイウエオ順で更新していきます。
予想案は各ページの最下部にある専用ページにまとめてあります。ブログカードを貼っておきますのでそちらをご覧ください。
12/22追記:ページ上段の前説部分は同じものを転用しています。①②の行き来はページにブログカードを貼っておきますのでそちらから移動されて下さい▼
ジャスティンパレス
菊花賞はレコード決着となっています。序盤の1000mが58.7秒でこの距離では超ハイペースでした。以降の1000m毎の通過タイムは62.7秒、61.0秒となっています。中間にさすがに息が入っていますが、それでもタイトルホルダーが勝った前年と比べて各所の通過は速いですから極端な落ち込みは無かったと言えます。逃げ馬と3馬身前後の差を保って2番手を行っていたアスクビクターモアの強さは尋常ではありませんね。心肺機能の高さが物凄い。状態面を見て有馬記念を回避したのは残念ですが、これだけの競馬をしていますからやはり休んだ方がいいと思います。代わりにタイム差がほとんどなかった2・3着馬がアスクビクターの代役を努めることになりました。アイウエオ順なのでまずは3着ジャステインパレスからチェックしていきます。
上記のように、今年の菊花賞は長距離をこなす持久力(スタミナ)だけでなく、レコード決着に対応出来る持続力(スピード)も必要とされました。当然、レースのレベルは低くありません。高い総合力が求められたダービーと比較してもそれほど劣らない内容だったと思います。ジャスティンパレスはダービーでは力負けでしたし、神戸新聞杯の快勝は展開と馬場に恵まれたものであったのでこれだけのハイレベル戦に対応出来るとは考えていませんでした。そう考えたのは私だけでなく、管理する厩舎側も同じような見解であったようです。神戸新聞杯は上手くいき過ぎたものと解釈していてその勝利を半信半疑に思っていたそうです。トライアルの結果だけで強い馬と評価して良いものか戸惑っていたので、菊花賞で期待していたのは同厩のガイアフォースの方でした。ジャスティンの方はどこまでやれるだろうか?と最後まで懐疑的だったようです。その菊花賞のパフォーマンスは厩舎サイドをきっと驚かしたことでしょう。同時にこれで本馬の評価も見直され、GⅠでもやれる手応えに変わってくると思います。
そして、関係者の評価が急上昇している証拠が有馬記念の鞍上配置にしっかりと現れています。神戸新聞杯、菊花賞とどちらも好走に導いた鮫島騎手からマーカンド騎手に変更されました。カツマが上手く乗ってくれたからと厩舎は話していて、近2走の好走は鮫島騎手の功績が大きかったことを認めていました。にもかかわらず完璧に騎乗した騎手を降ろして鞍上強化図りました。関係者がマジになっている何よりの証拠だと思います。本気で勝ちに来ていると考えて良いのではないでしょう?マーカンド騎手もかなり追える騎手であることがもうわかっていますから厩舎の期待はさらに高まっていると思います。
条件的にも問題ないと思います。休み明けが理由で皐月賞は凡走しましたが、ホープフルSでは2着と走っていましたから中山コースは問題はないと思います。器用さがウリみたいなところがあるので中山の内回りコースも上手に走ってくれるのではないでしょうか?また、菊花賞で先着されたボルドグフーシュには普通に先着可能だと思います。ハイペースを後方待機だったあちらに対し、こちらは先行集団を形成していた1頭です。着差半馬身ならどちらが強いかは明白です。そして、ボルドは超ステイヤーという評価の馬で菊花賞は条件的に有利なものでした。500mの距離短縮はあちらには不利で、アドバンテージはこちらに移ります。これなら着が入れ替わっても不思議ないと思います。対古馬とは未知数ですが、イクイノックスも含めた3歳馬の中で有馬記念適性が一番高いのはこの馬かもしれません。
タイトルホルダー
凱旋門賞帰りなので状態面がポイントになりますが、昨年は凱旋網賞組が2・3着と走っていますのでそう毛嫌いする必要はないのかもしれません。でも、有馬記念の叩き台として凱旋門賞を使う馬なんていないのでメイチで使った後の1戦である事は間違いないでしょう。前走凱旋網賞組が有馬記念を勝ったのはオルフェーブル1頭しかいません(JCを挟んで有馬記念を勝った馬ならディープインパクト、ヴィクトワールピサがいます)。この10年の成績も【1・1・2・3】と言う成績で頭からは狙いづらくなっています。反面、複勝率は57.1%と高い確率で馬券にはなっています。調教技術も輸送技術も上がっていますので遠征そのものをネガティブに捉える必要はなく、2・3着の可能性はアリとして扱う必要があると思います。
ただ、今年は非常にタフな馬場状況でしたからその点は気になります。今年の凱旋門賞のコンディションはキセキ、ブラストワンピース、フィエールマンが遠征した19年に似ていたと思います。この時も日本馬にとって非常につらいコンディションでした。その19年の有馬記念ではフィエールマンが4着、キセキが5着でした。好走したとも見れるのですが、馬券に絡めなかった事実をどうとるか?ここが思案のしどころになります。19着だったドゥデュースはレース後すぐにJCを目標にすると言いながら回避していますので、やはり例年よりは疲労の蓄積が大きくなっていた可能性がありそうです。タイトルホルダーも状態面を課題とせざるを得ません。中間の話ではわりと良い感じではありそうですがレース前ならみんなそう言います。終わってから凱旋網勝の影響があってなんて言い訳を使ってくる陣営はいくらでもあるので、シビアに見極めねばなりません。
以下では、凱旋門賞以前の戦績からこの馬の能力を再確認しておきます。
7馬身差の大差をつけた天皇賞(春)がすげぇ強いなぁと思ったのですが、宝塚記念の強さはさらにすげぇなぁと思いました。このレースで逃げていたのもパンサラッサだったのですが1000m通過は57.6秒の超ハイペースで、2000mの通過タイムは1.57.3でした。分かる人にはもう分かると思うのですが、これはパンサが大逃げかました天皇賞(秋)でイクイノックスが記録した勝ち時計より速いものです。馬場差を考慮すれば実質的なタイム差はもっと大きいものでしょう。イクイノックスは遠く離れた後方集団で上がりの競馬をしていた馬でしたが、タイトルは2番手でパンサの激流にモロに付き合っていた馬です。どちらが凄いかは言うまでもありません。タイトルが宝塚記念と同じ状態で走れたらイクイノックスがタイトルを差すことはないのではないでしょうか?コース形態もどちらかと言えばタイトル向きなコースですし、普通にやったらタイトルが前に来る可能性が大きいと思われます。これと言った逃げ馬はいないので単騎可能な組み合わせ。自分好みのペースメイクが楽に出来ます。能力、条件、展開などに不安材料はないですね。
問題はタイトルが宝塚記念の時の状態にあるかどうか?これだけです。それは経過観察中なので今は何とも言えません。悪い感じではなさそうですが、充実著しかった春の状態までもって来れるかが鍵となります。が、この見極めはとても難しいものです。関係者以外に本当の事は分からないと思います。ただ可能性の話をすれば不可能な話でもないかもしれません。その根拠となるのがこの馬の成長曲線です。この馬は3歳の秋になっても目立った成長がないと厩舎は話していて、3歳春の状態にもって来れていればそれで十分と言う評価に過ぎませんでした。昨年5着だった有馬記念も菊花賞の疲労が残っていたようで本調子に至らない状態で使い敗れています。
しかし、その評価が天皇賞(春)の頃から変わって来ます。タフな競馬だった天皇賞(春)のダメージを厩舎は心配していたのですがそう言うものは一切見られず、さらに上積んで宝塚記念を使えていたそうです。どうもこの頃から馬がグングンと成長し、充実期を迎え始めたようです。成長力がとにかく凄いと厩舎は絶賛していました。天皇賞(春)の疲労も有り余る成長力で補ってしまったという感じになっていました。
このように菊花賞1着→有馬記念5着の臨戦と、天皇賞(春)1着→宝塚記念1着の臨戦では調整過程に雲泥の差が出ています。マイナス面をプラス面が大きく上回っているのが今のタイトルの状況だと思われます。緩やかだった成長曲線が春だけでピークに至ったとも思えませんのでまだ右斜め上へと伸び続けているのではないか?と思います。凱旋網勝の披露もその成長力が補ってしまう事はあり得るかもしれない、私はそう考えています。
あと、他サイトでちょっと気になった書き込みを目にしました。阪神だからGⅠを勝てたみたいに言っているコメントがあったのですが、阪神から中山に変わる事で何かが変わるんでしょうかね?この点を補足しておくと、天皇賞(春)の前哨戦を阪神大賞典ではなく、日経賞にしたのは陣営が中山の方がこの馬には適していると考えたからだそうです。阪神大賞典は勝った菊花賞と同じ舞台。それでも日経賞にしたのは適性が中山2500mの方が合っていたというのが理由です。つまり、日経賞と同じ条件の有馬記念はタイトルにとってGⅠ3勝の舞台よりも適しているという事です。勲章が無いだけでコース適性を判断するべきではないと思います。ちなみに、日経賞はハナ差の辛勝でしたがこの時はGⅠ前の叩き台でデキ7分だったそうです。日経賞の結果、内容の物足りなさは忘れて下さい。
ディープボンド
昨年の2着馬でタイトルホルダーに0.4秒先着していました。2k差重い斤量を背負っての結果でしたから今年になってここまで負ける馬とは思えなかったのですが、天皇賞春が7馬身、宝塚記念が4馬身+ハナともう一方的に負けています。天皇賞(春)はスタートで不利があり、道中もカラ馬に絡まれたりと不本意な部分もありました。が、宝塚記念は真っ向勝負した結果でしたし、タイトルを捕まえに行く競馬をして出来ず、挙句にデアリングタクトに差されて4着に落ちるという完全なる敗北です。前走の凱旋門賞も1度もタイトルの前に出る事はありませんでした。近3走のローテも同じですから上積み、変わり身などで逆転する要素もそう大きくないでしょう。春GⅠの2戦は阪神巧者のタイトルに向いた可能性もあるのですが、ボンド陣営も阪神コースが一番この馬に向いていると話していますからコース適性で負けたというのも言えません。この対戦成績を覆す根拠を見つける事は不可能で、それぐらい完璧に負けています。ボンドがタイトルを逆転するシーンを思い描く事が出来ません。
ここまでの戦績で一番は速かった上がりが3歳時のアザレア賞で記録した34.9秒。短・中距離で上がりが高速化するレースよりも、タイトな持続戦や消耗戦等でタフな展開を好みます。スタミナタイプの馬なので体力を生かしたいタイプです。コントレイルのラビットをやっていたようにレースの流れに合わせて立ち回る事が出来るので、折り合い、操縦性などは抜群です。器用さもあるのでトリッキーな中山2500mでも問題無く立ち回る事ができるでしょう。後半に速い上がりを使えない点からも程よいポジションから積極的に動いていくのが良く、上がりがかかる展開も向いています。この条件は初出走となりますが、潜在的な適性を持っていると思われます。
これは昨年の有馬記念特集の記事をコピーしたものです。中山競馬場では凡走ばかりだったのでコース適性が懸念材料となっていたのでそれを払拭するために書いたものです。結果は2着と記事の通りの適性を示し好走しています。上がりのかからないレース。器用さが活かせる条件。長ければ長い程よいステイヤーでもギリギリ走れる守備範囲の距離。タフさが要求される。これらの点で有馬記念の中山2500mはボンドの好走ゾーンに入っていて、むしろ得意条件と見ておくべきでしょう。
この馬も今年に入り成長があったのだそうです。だから今年も凱旋網賞にチャレンジしました。昨年より能力が落ちているというのは考えづらいと思います。対タイトルとの分の悪さが目立っているだけで無印に出来るような馬ではまだありません。天皇賞(春)も宝塚記念も負かしに行く競馬をしての結果なので最後に詰めの甘さが出ましたが、自分の競馬に徹すれば昨年ぐらいは走れてよいと思います。5番人気だった昨年から人気はさらに落ちそうですからこの馬は盲点になりやすい状況に置かれています。狙って面白い存在かもしれません。2・3着なら可能性はあるかもしれません。
なお、この馬も凱旋門賞帰りですから仕上げ、調整は課題になるのですが、この馬の場合それは昨年既にクリアしています。2年目なら不安材料としては小さくなります。この点がタイトルを逆転できる唯一の材料かもしれませんね。タイトルは初遠征でしたから輸送経験の差で状態面を上に持ってくる事はあるかもなぁとちょっと考えています。
ブレークアップ
3勝クラスではJCを勝ったヴェラアズールと対戦していて1勝1敗の五分の成績でした。特に有馬記念と同じ中山2500mではこちらの方が先着していました。1戦遅れでこちらも3勝クラスを勝ち上がり、1戦遅れでGⅡ制覇。ヴェラと同じ軌跡をたどってのGⅠチャレンジとなります。とは言え、ヴェラが勝ったのは天皇賞(秋)やJCの前哨戦として機能している別定戦で、アップが勝ったア共杯はGⅠの谷間に行われる隙間重賞のハンデ戦。同じ軌跡であっても同列に語っていい程のクオリティがあるとは言えません。ハンデ54kの勝利からGⅠ定量で3k増になり、GⅠ勝ち馬達と互角の勝負が出来るまでの根拠を示せているとは言えません。ア共杯で2着だったハーツイストワールはJCに出走していましたが11着に敗れていて、その時のイストワール陣営もそんなのむりむりぃ~みたいな感じでした。レベルが違い過ぎている事をさすがに自覚していたようです。故に本馬も力関係の面が担保されているとは言えないと思います。
ですが、本馬は今は成長期にあり力が付き始めているところだそうです。成長の跡はレース振りにも表れています。春までは先行して雪崩れ込むだけだったり、粘り切れずだったりと勝ち切れないレースをしていましたが、秋になってからは先行して一脚使えるようになり、決め脚を繰り出せるようになりました。2連勝もその変化が大きく影響してのものでしょう。この春秋の変化から馬が強くなっているのは本当だと思います。ア共杯は出世レース的な側面のあるレースですが、ここから飛躍するタイプは成長が遅かったり、ケガで出世が遅れたりと言うタイプに限られます。ですので、後にGⅠを勝つア共杯馬のほとんどが3歳馬か4歳馬です。成長が遅れてやってきた本馬もまだ4歳。GⅠを勝った先達と同様に扱う必要はあるかもしれません。さらに大きな成長がこの中間にあれば上昇修正が必用になります。少なくとも6歳で上がり目の乏しかった2着馬ハーツイストワールとと同じ扱いにすべきではないと思います。
レース振りが際立っていたとか、目立ったストロングポイントとかはないので評価を大きくする事は出来ないのですが、取捨は慎重にした方が良いかもしれません。後は簡単に馬について確認しておきます。
適性面については特にこの条件が強いという話は出ていませんが、2200m~2500mを主戦場として14戦連続この範囲でレースを使っています。有馬記念の距離も大丈夫でしょう。いろいろなコースを万遍無く走っていてどこでも無難な成績を残しています。中山2500mの成績も【0・1・2・0】とハズレなしです。適性面は特に問題が無く、力を出せる条件と考えて良いと思います。
ただ、先行脚質の馬なので今回のメンバーからすると展開の恩恵を期待しにくいと思います。恐らくタイトルホルダーが逃げる競馬になりますが、この馬について行った馬は天皇賞(春)でも宝塚記念でもゴール前で何かに差されて着を落としています。まともに付き合わない方が良いとは思うのですが、よーいドンの競馬をしてもGⅠ馬達の決め手に敵わないと思うので本馬は早めに踏んでいくしかないでしょう。勝ちを意識して乗るのは難しい立場に立たされると考えられます。そうなると真っ先に沈むのはこの馬と言う事になって来るのですが・・・
ポタジェ
管理する友道調教師の談話が週初めにあったのですが、曰く決め手勝負になりやすい府中よりは中山の方が向いているという事でした。大阪杯の勝ち方を見ると確かにそう思います。立ち回りで勝負するタイプなので末脚勝負や決め手勝負は避けた方がいいのでしょう。天皇賞(秋)もそんな負け方です。逃げたパンサラッサはハイペースでしたが、遥か後方を進んでいた馬群の本体はスローの上がりの競馬となっていました。この集団で走っていた馬達は速い上がりの末脚勝負になっています。本馬はスタートで接触していたのでポジショニングを失敗し、後方からの追走となっていました。直線ではほとんどの馬が33.4~6秒の上がりを使っています。ポタの使った33.4秒の末脚も周りと同じ上がりにしかならなかったので抜かしたり抜かれたりという事がほとんどありませんでした。序盤で悪くした位置取りのままゴールした感じです。上がりがかかった方がいい馬なのでこのような上がり勝負では他馬を交わす事が出来ないのです。この馬の良いところを発揮しにくいレースだったので結果は度外視としておくべきでしょう。
また、原因は他にもありそうでデキも本当ではなかったようです。叩き良化型の馬なので厩舎側は毎日王冠を使った効果に期待していたそうなのですが調教では思ったほど動ききれていなかったと漏らしていました。2走目の上積みが無かった訳ではないのですが、物足りないという感じは強かったようです。絶好調のデキに持ってこれなかったのも陣営の誤算であったと言えるでしょう。
このようにレースでのアヤ、馬の状態と敗因は明確なものがあるので巻き返しの余地の大きな1頭だと思います。
それでも、初めて走る2500mの適性には疑問が残ります。2000mを中心に走っていた馬でそれを超える距離は今年のAJC杯と宝塚記念の2200mを2度走っただけです。AJC杯の時は1Fぐらいの延長なら大丈夫と言う感触だったそうで、宝塚記念の時は特に何も話していませんでした。このぐらいの距離ならあまりシビアに考える必要はないのだと思います。とは言え、掲示板にも載れていないのですから2200mを攻略したと見る事は出来ません。ドンと来い的な距離適性を持っているとは言えないと思います。今回はさらに300mの延長となりますので条件はさらに悪くなるのではないでしょうか?有馬記念の条件もこの馬の力を出し切れる条件ではないかもしれません。内々でセコく乗って距離を誤魔化すしか好走の可能性はないと思います。ここは絶対的に内目の枠を引く必要があるでしょう。
ボッケリーニ
昨年はGⅢばかりを走り好走していましたが、今年はGⅡを中心に走り好走しました。また、昨年までは2000mを中心にレースを使われていましたが、今年に入り2000m以上のレースが中心となりました。昨年から今年にかけてとてもわかりやすいステップアップです。そして、遂に前走のJCでGⅠ初出走となりました。実際、この2年で馬は随分と成長を遂げたようで晩成だった兄ラブリーデイと同じくここに来て馬がとても良くなっています。春に目黒記念を勝ったことから厩舎サイドも兄と同じ軌跡をたどって欲しいと勢力的に馬を調整しています。だから前走のJCも2・3着は全然狙えると厩舎も一発を匂わせるほどでした。惜しむらくは大外枠を引いてしまったこと。インバイアスが強烈に発生していた展開では外目を追走しながら脚はたまらず、残り300mのところでパタリと止まってしまいました。人のヤル気と馬が好走するタイミングはなかなか噛み合わないものです。ほろ苦いGⅠデビューとなってしまいました。それだけに見直しの余地がある馬だと思います。
オールマイティーな馬でコースを問わず安定した着順で走れています。器用な先行馬なので末脚で勝負するよりも、立ち回りでアドバンテージを取る馬でしょう。それでも府中や中京など直線の長いコースでも重賞勝ちがあり、終いの脚もしっかりと伸ばす事が出来ます。いつも安定した取り口で自身の力を出し切れればそこそこに走れる馬です。普通に良い馬と言う評価をしています。器用さを生かすという意味ではJCよりも有馬記念向きなタイプなので前走よりはこの馬の力を出し切れる条件だと思われます。イン枠を引いて上手く立ち回れればマギれ込む事も出来るかもしれません。
私はJCでも期待していたのですがさすがに大外枠で消すことにしました。その時から有馬記念で改めて狙ってみようと思っていました。が、JCは出走馬のレベルが高くないからこの馬でも面白いと思ったのが始まりでした。豪華メンバーが揃った有馬記念ではその前提が崩れるので色気たっぷりに推す事はもう出来ません。条件は良いし、状態も悪くないでしょうから、自分の競馬をした際に3着ぐらいならとは言えますが、枠や展開に恵まれないならやはり厳しくなって来ると思います。ガチンコ勝負は避けるべきですね。デキるだけセコく乗り脚を溜める事で初めて可能性が発生します。その上で、有力馬の不発やアクシデントがあればと言うのがせいぜいではないでしょうか?地力勝負で狙らえる存在ではないと思います。
ボルドグフーシュ
菊花賞の回顧はジャスティンジャスパレスの方でしたので、こちらでは菊花賞組のデータを紹介しておきます。過去10年の成績は【3・1・2・7】です。これは天皇賞(秋)やJCと比較しても優秀で、勝率(23.1%)、連対率(30.8%)、複勝率(46.2%)のどれもトップの成績、しかもいずれも断トツと言って良い数値が記録されています。有間記念では最も相性が良いのが菊花賞と言う事になります。その最先着馬である本馬には期待が大きくなるところです。
同世代のライバルたちが皐月賞、ダービーを目指していた頃からこの馬は菊花賞が良いと言われていて、長距離どんと来い的な評価がされていました。スタミナ無尽蔵みたいに言われる事が多く、厩舎も速くから秋を見据えて馬を作って来ました。そう言う個性を菊花賞ではまざまざと見せつける走りでした。また、この距離でこの馬のレース振りそのものに大きな変化がありました。とにかくズブい馬なので序盤からポジションを取るような事が出来ず、勝負所でマクって動く事も出来ないのでいつも直線だけの競馬をしていました。だから中々勝ち上がれずここまで2勝しか出来ていません。そんな馬が菊花賞では後方5番手で馬群の最後方ぐらいには取り付いています。馬群から遠く離れたところをポツンする事も珍しくない馬でしたからこれは大きな進化です。また、ラスト5Fぐらいから早めに踏んで行き、加速がついて3~4コーナーでグングンとポジションを上げていきました。これも今まで見せた事のない機動力。この馬が4角射程圏の競馬が出来たのはこれが初めてです。やはり3000mの距離で行きっぷりに余裕が出たのでしょう。ステイヤーとしての適性を見せたと言って良いと思います。
しかし、走りに変化が現れたのは距離だけではないと思います。なぜなら、菊花賞の1000m通過は58.7のハイペース。いつもの本馬なら最後方ポツンをするようなペースです。それでも出して行けたのは鞍上の手腕によるものだと思います。吉田隼騎手は神戸新聞杯がテン乗りでしたがそれでクセをつかめたようで、菊花賞は勝ちを意識した積極的な競馬を心がけたそうです。それまで誰も試みてこなかった競馬を吉田隼騎手が上手く引き出したのだと思います。レース振りが追い込み一辺倒だった馬に若干の自在性が見えてきました。吉田隼騎手失くして菊花賞の好走はなかったかもしれません。ナイスファイトだったと思います。有馬記念でもこういう競馬が出来るならチャンスがあって良いと思います。
しかし、その吉田隼人騎手は有馬記念でポタジェに騎乗するため鞍上は福永騎手に変わります。これは鞍上弱化と言わざるを得ません。新味を引き出しクセを熟知した騎手が乗り替わるのは普通にマイナス査定にせざるを得ません。それに、これだけズブい馬を福永騎手が菊花賞の様に動かせるかも微妙だと思います。剛腕タイプの騎手なら良かったと思うのですが、ソフト騎乗な福永騎手にどこまでやれるかはわかりません。また、その福永騎手は有馬記念で【0・0・1・12】の成績。ジャスタウェイ、シュヴァルグラン、ラッキーライラックと騎乗しての結果は重く受け止めるべきところ。逆に、吉田隼騎手騎手はゴールドアクターで優勝経験のある騎手ですから、やはりこの乗り替わりはボルド陣営にはイタイと思います。なお、有馬ラスト騎乗になるから福永騎手にこの馬を用意したという感じは全然ないようです。乗れるなら乗せてあげたいとい温情采配の方が近いようです。これは共同記者会見でご本人が口にしたことそのものでしょう。有馬記念は乗れるだけでも特別なレースですから。これに関しては、勝負の乗り替わりということではないと思われます。
有馬記念は菊花賞から500mも短縮されるのでこの馬的には条件は悪化する事になります。決してベストなレースとは言えないでしょう。ただ、有馬記念はタフなレースになる事で有名ですからスタミナタイプのこの馬が走れない条件でもありません。乗り方一つで好走する事は可能なはずです。内枠有利のイン前競馬と言うイメージが先に来る有馬記念ですが追込み馬の活躍は近年目立っていて19年3着ワールドプレミア(⑮⑯⑯⑯)、20年2着サラキア(⑬⑬⑬⑫)と3~4コーナーで捲って来た馬が入着しています。前掛かりな展開によってこういう馬がハマってしまうことも起こっています。そうなればの条件付きではありますが、この馬の出番があってもいいでしょう。アタマは難しいと思いますが、2・3着に差し込んでくる事はあって不思議の無い事です。印を回す分にはいいのではないですか?
ラストドラフト
目黒記念ではボッケリーニの0.2秒差の5着。ア共杯がブレークアップの0.2秒差の5着。府中2500m重賞で同じ結果になっています。ちなみにこの2戦に挟まれた府中2000mのオクトーバーSでも0.2秒差でした。詰めの甘さが目立っています。今季はこの馬なりに状態が良いようで勝てないまでも僅差の競馬に持ち込めています。ただ、目黒記念もア共杯も上手く乗れば、噛み合えばと言った感じの期待度でした。この程度のメンバーでも強気に構えられる馬ではないようです。グレードの低いレースでこの程度の期待度ですからやはり力は足りていのでしょう。
また、中位・後位で控える競馬をしている割に上位上がりを記録することがほとんどありません。長い競走生活の中で最速の上がりを使えたのは昨年のAJC杯(アリストテレスが勝った時)の1度だけ。ラストに脚が使えないのに待機策を延々と続けているのは理解に苦しみます。どんなにタメても他の馬と同じような脚しか使えないので上位に顔を出せるはずがありません。コースや距離に特に問題はありませんけどこのメンバー相手に上位の脚を使うのは不可能と言わざるを得ません。バテ馬た馬を何頭交わせるかというぐらいじゃないでしょうか?道中の通過順と変わらない順位で入線出来れば好走だと思います。
有馬記念の予想案はこちら▼