競走馬カルテ

2・3歳重賞の出走馬を分析・記録していくブログです。

天皇賞(春)(GⅠ) 出走馬カルテ①

 

こんにちは。


3年ぶりに京都競馬場で行われる天皇賞(春)阪神から京都に変わることで困る馬もいるでしょうが、それは予想をする私達も同じかもしれません。京都で行われていた天皇賞(春)は結構荒れます。

 

阪神競馬場で行われたここ2年は3・1・4番人気、2・1・4番人気と人気サイドで決着しました。でも、京都時代では人気薄の激走が目立っていました。京都における近10年(11年~20年)における二桁人気が1勝2着2回3着2回とシェア率は20%とわりと来ています。また、1~3着馬の人気を合計した平均値は14.6倍であり、阪神の7.5倍の約2倍となっています。人気同士で簡単に決まるレースではないようです。なお、上記で馬券になった2桁人気馬の脚質は5頭中4頭が4角3番手以内で回ってきた先行馬によるものです。注意するなら前残りと言う感じかもしれません。

 

タイトルホルダーの復活。強い4歳世代の菊花賞好走馬がそろい踏み。これらの対決構図で今年は大丈夫だと思っていたのですが、データ的にはそんな簡単な話ではないようです。1番人気がちゃんと走って、且つ上位人気馬が順当に結果を出す、そんな人気決着はキタサンブラックが勝った17年と、レインボーラインが勝った18年のこの2年だけ。むしろその逆のケースの方が多いですね。14年~16年の3年間では1番人気がコケて、且つ2桁人気が激走するという最悪なケースが続きました。

 

新装京都で行われる久しぶりの天皇賞(春)に豪華な面々が出走予定。興味の尽きないレースになりそうですが、結果には十分な注意が必要かもしれません。

 

天皇賞(春)は30日(日)に行われます。前日の29日(土)に更新を完了します。出走馬の主だったところは阪神大賞典日経賞の前哨戦と、長距離重賞のダイヤモンドSを経由しています。これら3競走はレース毎にまとめて簡単な回顧を添えてて更新していきます。それ以外は別路線組として扱います。1枚目には阪神大賞典組の8頭で、それ以外は2枚目に更新します。

 

予想案はページの最下部にある専用ページにまとめてあります。ブログカードを貼っておきますのでそちらをご覧ください。

 

阪神大賞典(GⅡ)

 

今年は時計の遅い決着でした。この10年ではゴールドシップが勝った15年、シャケトラが勝った19年に次ぎワースト3位となっています。1000m毎に分解して通過タイムを見ていくとどのぐらい遅いかが良く解ります。

 

64.9秒+63.1秒+57.9秒=3:06.1

 

ラスト1000mだけの競馬と言う感じでこの区間に記録された57.9秒は中距離でも速い部類に入る超持続戦です。タフさではなく、後半のスピード性能を問われたレースであったようです。例年と比べると異質なレースだったと言えるでしょう。それを証明しているのが3連覇がかかっていたディープボンドの凡走です。タフさがウリのボンドにはこのようなスピード競馬は適していません。ラストもヨーイドンの競馬でしたからこれも良くなかったでしょう。今年は展開負けだったみたいです。

 

でもまぁ、古馬戦なので時計やレース内容を気にする必要はあまりないですね。2・3歳馬と違いレースの内容から能力や強さ、適性を推し測る必要がありませんので。低レベルな内容とするよりもこの展開が向いた馬と、そうでなかった馬を理解出来ていればそれで十分だと思います。各馬の適性・能力を再認識する材料とすればよいでしょう。

 

なお、1・2着馬は阪神3000mのコースレコードを記録した菊花賞でタイム差無しで走った2頭です。能力面の担保は既に確認されています。阪神大賞典の結果から違った展開でも結果を出せた事を評価する事が出来ますね。持続戦でも、瞬発力勝負でも結果を出せる万能的な強さの証明と言えるでしょう。

 

1着:ジャスティンパレス

 

神戸新聞杯を勝った頃までは厩舎サイドもこの馬の強さに自信を持てなかったそうですが、レコード決着の菊花賞を3着したことでこの馬の評価がゆるぎないものになりました。その勢いを駆って挑んだ有馬記念でしたが、降雪の影響で輸送が長引いてしまい馬が疲れてしまっていたようです。本来の力を発揮出来ませんでした。しかし、阪神大賞典菊花賞有馬記念で後塵を拝したボルドグフーシュ相手に完勝して再びこの馬の強さを見る事となりました。

 

レース内容がしょぼいのでその中に勝因を探してもあまり意味はないでしょう。前走勝ちの本当の勝因はレース外にあると思います。この馬の成長にこそ勝因があるのではないでしょうか?+16kと一見すると叩き台の様な印象を受けますが、これはそのまま成長分であるそうです。有馬記念後の放牧から帰厩した際に30k以上も馬体が増えていたそうです。それほど大きい馬ではなかったですからいい増え方だと厩舎はこの馬の成長を評価していました。馬体面に余裕が出てきたのでより負荷をかけた調整がなされるようになりました。それが成果として阪神大賞典快勝に現れたのだと思います。

 

デビュー2連勝、2歳GⅠ2着と若い頃から結果を残して来た馬ですが、成長が噛み合ってきたことで本格化の兆候が出始めています。上昇曲線を描きつつあるなら前走からの上積みも大きくなって来るでしょう。ABCマートに初GⅠ制覇の期待がかかります。関係者は超盛り上がっていると思います。

 

京都競馬場が初めてという馬は多いのでこの馬だけが不利だということはありません。が、やはり未経験のコースでどうだ?と言う想像はしておく必要があります。でも、この馬の場合は京都コースの方が強いかもしれないと考えています。まず、父ディープインパクトと言うのがいいですね。京都で行われた直近2年で勝ち馬を輩出しています。内回りの阪神ですと機動力や持続力が重要な要素になりますが、京都だと外回りコースになりますので決め手を発揮出来る瞬発力の方が有用です。決め手に鋭いディープインパクト産駒の好走が増えたのもコースのレイアウトによるものです。

 

そして、本馬にはそう言う特徴が良く出ています。神戸新聞杯阪神大賞典の様にスローの上がりの競馬で強いところがあるので瞬発力勝負は向いているのではないかと思います。ちょっと古いですけど2歳時に出走したホープフルS時のカルテを見直したところ、上がりの競馬でしか勝っていない点を物足りないと当時は評価していました。つまり、4勝全てが瞬発力勝負だったこという事です。スローの決め手勝負の方がこの馬の強味が発揮されると考えて良いでしょう。菊花賞の様なタイトな持続戦を好走したことでキャラがぶれてしまいましたけどそれで勝った訳でもないですし、瞬発力勝負でこそこの馬の強味が発揮されると考えられます。その強味を活かすには京都は走りやすい条件ではないでしょうか?

 

成長期を迎えて充実期。叩いた上積み。おそらく向いているだろうコース適性に、レース適性。鞍上もフィエールマンで連覇しているルメールマン。今回は加点材料しかないですね。凡走はイメージしづらいです。


2着:ボルドグフーシュ

 

最後方がマイポジションみたいな馬でしたが阪神大賞典ではなんと6番手のイン。先行集団に交じって競馬をしたのは驚きました。川田騎手はここまで馬を動かすのかぁと唸ってしまいました。が、そう言う事ではないかもしれませんね。スタートを決めたら流れに乗ってしまったというに過ぎないのかもしれません。最初の1000m区間はほぼ13秒台の低速ラップ。この流れで置かれてしまう馬なんてそうはいません。これを持って脚質が変わったとは言えないですね。多少の自在性が確認出来ただけと言う話だと思います。この馬の場合重要なのは負け方です。追込み一辺倒の馬が先行したら終いが甘くなったと見るべきか?それとも、スローで力を出し切れなかった展開負けと見るべきか?でしょう。多分後者だと思います。近3走のレース上がりを比べると

 

菊花賞:37.0秒

有馬記念:35.9秒

阪神大賞典:34.4秒

 

前走はそれまでの2走よりかなり上がりが速くなっていました。菊花賞有馬記念の4コーナーの動きを見て頂くと分かりやすいのですがこの2走の手応えは周りと比べてかなり上回っていて直線に入る頃には大体の馬をパス出来ていました。ですが、阪神大賞典は周りも速い脚を使っているのでこの馬の末脚だけが際立つことはなく、抜け出すのに苦労して、逃げ馬すら交わすのに手間取っています。長く脚を使う馬なのでよーいドンの競馬だと分が悪いですね。1k重かったジャスティンパレスとは同列にいましたが瞬時に突き放されてしまいました。瞬発力負けと言う見方で良いと思います。

 

また、脚も使い切れていないでしょう。ずっと最速だった末脚は3位上がりにとどまってしまいました。もう少し控えて一気に捲るべきだったかもしれませんし、周りに合わせずもっと早めに動くべきだったかもしれません。この辺はテン乗りが影響したのだと思います。川田騎手は2週連続で調教に跨っていましたがこの馬の本質まで理解出来ていなかったように思います。でも、これでこの馬の乗り方が良く解ったと思います。今回は脚を余さない騎乗をしてくれることでしょう。

 

以上の話を踏まえると、タフな展開や上がりがかかった方が良いタイプだと言えるので、京都よりは阪神向きな馬だと思います。しかし、坂の下りを利用してロングスパートしやすいコースはこの馬に向いているとも思えます。レイアウト的には京都の方がレースがしやすくなるかもしれません。外回りコースで直線も長いので末脚を存分に引き出せそうです。むしろ京都の方が向いている可能性すら感じます。コースが変わる事でプラスに働く場面は想定しておきたいですね。

 

初コースを攻略出来る可能性があるならあとは展開次第。タイトルホルダーが逃げてそこそこ流れたペースを作ってくれれば末脚爆発なんてことになると思います。が、前走同様にアフリカンが逃げたならスロー濃厚です。脚を使い切れずに取りこぼすシーンは考えられます。タイトルか、アフリカンのどちらがハナを奪うかで運命が左右されるかもしれません。

 

この馬自身は昨年夏を境にグングンと良くなっていて走りに安定感が出て来ています。末脚の機動力もそれまで以前とは比べられないぐらいに上がっています。今はずっと調子が良いのでここで変な競馬をする事はないでしょう。まだ重賞勝ちがないので阪神大賞典はタイトルが欲しいと厩舎は話していましたが、負けた事で弱点を再認識する事が出来たと思います。そこを修正出来れば巻き返して来るはですです。皐月賞とか、ダービーとかの季節から菊花賞が大本命と言うステイヤーでした。その菊花賞を落としてしまった以上天皇賞(春)こそ勝たねばなりません。後先考えないメイチ仕上げで来ると思われます。

 

3着:ブレークアップ

 

有馬記念後に厩舎が変わっています。転厩先の吉岡辰厩舎では良い馬とは認めつつもまだまだ探りながらと言う感じで本馬の本質をつかみきれていなかったようです。円満な転厩なら引き継ぎがされるものですが、ここまでの手探りだとそう言うことは無かったのかもしれません。公表されていませんが馬主との間でゴタゴタがあったという風には聞いています。まぁ、いろいろありますね。

 

なので、前走ももっと仕上げられていた可能性はあります。本来ならより高いパフォーマンスを発揮していた可能性はあったでしょう。3着以上の成績も否定は出来ないと思います。阪神大賞典を使った事で理解が進んだところもあると思います。前走よりは積極的な仕上げも可能になってくるでしょう。前走以上の状態には持ってこれると思います。

 

ただ、この転級騒ぎで評価が判然としなくなりました。今どのくらいの強さがあるのでしょう?それを伝えてくれる厩舎評が上記のように曖昧なので判断材料が乏しくなりました。有馬記念までの前厩舎評では成長期に入っていて力が付き始めているという話でした。この馬自身は4歳時よりも成長を遂げている可能性は高いと思います。ただ、その有馬記念時でもトップクラスとはまだ力差があったのでその差がどこまで縮まっているかが分かりません。タイトルホルダー、ボルドグフーシュ、ジャスティンパレスとは再戦となりますが、当時の差は縮まったのか?開いたのか?阪神大賞典を物差しにしようにもレース内容に乏しいので3着の好走を素直に評価する訳にはいきません。距離が長い方が良いタイプなのでここに出走しているのでしょうが、初めて走った3000mもあのスローだから着に来れたという可能性は考慮しなくてはいけません。今回は積極的に買いたくなる材料は出てこないでしょう。有力馬の失策待ちで着があればぐらしか言えないですね。

 

4着:アフリカンゴールド

 

久しぶりの好走となりました。やはり楽に行けるとこうなりますね。程ないところを追走していたジャスティンパレスにしろ、ボルドグフーシュにしろこんな馬はいつでも交わせますから放っておいたのでしょう。有力馬に鈴を付けに行くメリットがありませんので随分と可愛がられました。ただ、それで馬券になった訳でもないのであまり気にする必要もないと思います。

 

昨年に京都記念を逃げ勝ってからずっと強気な姿勢を示していましたがそのトーンもだいぶ下がっていました。力差を痛感していたのでしょう。とにかく行くだけとハナに立てさえすれば御の字みたいなところがあったほどです。しかし、逃げ馬のくせにテンが遅いのでハナに立てない事の方が多いというのが実情です。阪神大賞典の様な長距離戦だと楽にハナに立てることが分かったので陣営は再び可能性を見出していると考えられますが、逃げたところでその前走や日経新春杯の様に入着する事は難しいと思います。それに今度はタイトルホルダーがいますからハナに立つこと自体が至難の業となるでしょう。万が一、ハナを取れたとしてもGⅠでは前哨戦のように有力馬が構えすぎたりすることもありません。マイペースで行くのは不可能だと思います。

 

5着:ディープボンド

 

今年で6歳になりました。天皇賞(春)は3年連続の出走になります。2年連続2着でしたが今年こそ着を上げたいところです。ただ、連覇中だった阪神大賞典が5着と大幅に着を下げてしまいました。スローの決め手勝負がこの馬に適さなかったので敗因はしっかりしていますが、それでも気になる材料です。と言うのも、秋から春にかけてのローテはこの2年で全く同じ過程をたどっているのですが、その全てが前年を下回る成績を残してしまっているからです。

 

4・5歳時
凱旋門賞14着→有馬記念2着→阪神大賞典1着→天皇賞(春)2着

 

5・6歳時
凱旋門賞18着→有馬記念8着→阪神大賞典5着→天皇賞(春)?着

 

いずれも敗因は明確になっていますがこうも綺麗に成績が下降していると偶然と考えづらい感じもして来ます。加齢による能力低下をまずは考慮すべきかもしれません。もしくは、4歳世代の突き上げが強く相対的に着が下がっているのかもしれません。有馬記念も、阪神大賞典も現4歳世代の複数頭に前に入られています。加齢も伴い新世代の台頭に抗しきれなくなっている可能性は否定できないですね。

 

実際の話てとして、前走時も新興勢力がいるので力関係的にどうだろう?という不安を厩舎も漏らしていました。身内でもその点を気にしているのだと思われます。昨年の勝ち馬に加え、レコード決着だった菊花賞の1~3着馬が出走しています。メンバーは昨年よりも骨っぽくなっています。厩舎がそう考えるのも無理のない話ですね。

 

とは言え、厩舎がGⅠ勝ちを諦めた訳でもありません。叩き台の1戦を挟んでしっかりと仕上げてくるはずです。また、この6歳世代までは京都競馬場での経験があり、本馬も未勝利勝ち、京都新聞杯勝ち、菊花賞4着とこの舞台を得意にしていました。坂の下りを利用したロングスパートを決めていてコース適性は確かに高そうです。陣営もその可能性に大いに期待していて、京都のOPENを待ち望んでいました。今年こそはという意気込みはとても高いものがあります。

 

ただ、陣営が根拠にした京都実績はいずれも3歳時のものなので本当に適しているかどうかはまだ分からないと思います。経験値がある点は強味として扱えますが、弱い相手に記録した成績を鵜呑みにする事も出来ません。また、上がりのかかる展開や体力勝負の強さにこの馬の本質がありますが、逆にラストに速い脚を使えないところに弱味があり、それが理由で阪神大賞典も負けています。ここまでの競走成績の中で最速上がりを記録したのは未勝利勝ち時の35.0秒、昨年の阪神大賞典優勝時の34.6秒の2回だけでこの馬の決め脚の無さを物語っているでしょう。決め手が問われる京都に本当に適性があるのかは微妙と言う気がしてなりません。やはり阪神開催時に勝っておくべきだったなぁと思うと機会を逸して来たように思います。

 

能力そのものが落ちたという話は一切出ていないのでノーマークに出来る馬でもないですが、この馬の本質や近況等を踏まえますと積極的に印を回せる馬でもないのではないかと思われます。厩舎が期待しているように早めのロンスパを決めてどこまで粘っていられるか?と言う事になるのでしょう。

 

6着:サンレイポケット

 

天皇賞(秋)、JCで4着とGⅠで好走を続けてから随分と日が経ちこの馬も8歳の老齢期を迎えています。GⅠで扱うことなんてもうないだろうと思っていたので健気に頑張るジャンポケ産駒に頭が下がる思いです。ここも頑張って頂きたいものです。

 

かつては、左回りの2000mがベストと言う馬でしたがその個性もだいぶブレが生じているようで右回りでも、2000m以上の距離でもそこそこ走れてしまっています。そして遂に3000mの長距離戦にまで手を拡げてやはりそこそこと走ってしまいました。競走成績を見てもらうとお分かりだと思いますが、求められる適性が全く違うレースを走っているのに良くここまでコンスタントに走れるなぁと思います。今はどの条件が良いのか分からないですね。

 

阪神大賞典の出走もこのような状況を背景としています。いろいろなレースを走っても勝ち切れなくなっているので、新味を期待してチャレンジしてみたそうです。天皇賞(春)を見据えてとその前哨戦を使ったという意図ではなく、勝負度合いが高いものではありませんでした。でも、そこそこの結果を出してしまったことで、じゃぁもう1回行って見よう、という感じの出走だと思います。

 

その阪神大賞典は坂井瑠騎手が良く乗ったんだと思います。調教で跨っていたのですがその際に「3000mを走るにはハミ掛かりが良すぎる」という感触を得ていたそうです。調教で得た不安材料を上手にカバーした結果が6着という結果をもたらしたのだと思います。その坂井瑠騎手からデムーロ騎手に変わるのはあまり良い印象にならないですね。繊細な騎手から豪快な騎手になるのはこの馬の為にならないかもしれません。

 

好走したとは言え6着で掲示板にも載れていませんし、超スローだったから好走出来たという可能性も排除できません。本質的な適性を証明した状況ではありません。あくまでここもチャレンジ案件でしょう。それこそ新味が出ればそれでいいのではないでしょうか?高齢馬らしく大きな変動もなくそれなりにな状態を維持してレースを使われています。今回もそう悪いデキで出走してくる事はないでしょう。まぁ、それだけで勝ち負け出来る相手関係ではないのですが。

 

7着:アイアンバローズ

 

まず、2走前の東海Sについてから。半兄にベルモントSの勝ち馬がいたり、騎乗していた騎手もダート向きな評価をする人が多く、予てからダート戦を使うプランがありました。除外で使えませんでしたが昨秋には白山大賞典へ登録していました。あくまで計画的なダート転戦と言うことです。その東海Sは10着と大敗を喫していますがこれは1800mの距離が合わなかったという事になっていて、陣営間ではやれる手応えが合ったと語っており、今後もチャンスがあればダート戦への出走を前向きに考えるとの事です。

 

つまり、そう言う事なのでしょう。時計が求められる条件よりも、パワーやスタミナが要求される方がこの馬には適しているいう事だと思います。連続開催の後半に行われていた阪神天皇賞(春)はこの馬向きの条件でしたが、開幕間もない京都では時計が速くなるので歓迎出来ない条件になると思います。

 

そもそもスタミナ偏重型のB級ステイヤーですから京都の天皇賞(春)では最もイラナイタイプです。ラストに速い脚を使えない馬でもあるので前目で運んで押し切るしか手がありません。しかし、テンに速いタイプでもないので先手を取れないこともしばしば。2走したGⅠではポジション取りの段階でいずれも失敗しています。好走可能な条件に持ち込むこともままならない状況では厳しいと言わざるを得ません。相手も昨年より揃っていますので昨年の5着以上に走ることも難しいと思います。

 

賞金を持っているステイヤー天皇賞(春)に出ない選択肢はありませんからここに顔だしているのでしょうが、厩舎の中では交流重賞あたりでタイトルを獲れれば御の字と言う感じが強くなっています。ここで評価を高く出来るような話は出てこないのではないでしょうか?

 

11着:メロディーレーン

 

鞭を入れてもお尻を撫でるような入れ方しか出来ないから馬が反応していません。力強く叱咤する事もできなかったのでしょう。馬よりも騎手が先に疲れちゃった感じですね。女性騎手は腕力が足りないと良く言われていますが、3000m越えのレースでは体力的にも厳しいのかもしれません。さすがに前走限りで乗り替わりとなりました。見習い騎手から正規の騎手に替わりますのでその分だけ巻き返しの余地は大きくなるでしょう。

 

今年で4度目の出走となります。つまり、京都競馬場天皇賞(春)を走ったことがあるという事です。今回のメンバーではこの馬だけが経験馬と言う事になります。これが唯一の強味となります。

 

京都の時が1.7秒差、阪神の2回が2.7秒差、2.8秒差。長距離適性は認めてもGⅠでは力差もタイム差も大きい。もう随分前からGⅠでは厳しいという話が身内からも出ています。天皇賞(春)以外でも21年の宝塚記念が1.9秒差、21年の有馬記念が3.2秒差と全く通用していません。遡れば、菊花賞で0.4秒差の5着がありますが、この時は標準より3~4秒も時計の遅い決着だったのでこの馬の持ち時計でも通用してしまったのでしょう。勝負になるような根拠は関係者も感じていないと思います。

 

このページはここまでです。日経賞組など他の馬は▼でまとめておきます。

 

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