競走馬カルテ

2・3歳重賞の出走馬を分析・記録していくブログです。

大阪杯(GⅠ) 出走馬カルテ②

 

こんにちは。

 

こちらのページは、

 

 

の、続きになります。ヴェルトライゼンデ、キラーアビリティ、マテンロウレオ、ダノンザキッド、ポタジェ、 マリアエレーナ、ジェラルディーナ、ジャックドール、スターズオンアースは↑のページに公開しています。

 

こちらのページではノースブリッジ、ヒシイグアス、ヒンドゥタイムズ、ラーグルフ、モズベッロ、ワンダフルタウン、ノースザワールドについて触れて行きます。

 

予想案は各ページの最下部にある専用ページにまとめてあります。ブログカードを貼っておきますのでそちらをご覧ください。

 

ノースブリッジ

 

2歳の暮れか3歳始めぐらいに入厩してから一度も放牧に出されていないそうですね。もう2年以上のトレセン暮らし。美浦を出るのはレースの時だけ。今時珍しい調整方法です。それで良くなっているのですから分からないものですね。だからこそ思うのですが、競馬場で1泊する関西遠征は大丈夫なのだろうか?と言う気がします。人間でも初めてのお泊りはドキドキするものです。いつもと違う環境で夜を過ごすのはこの馬に変な影響を与えないのでしょうか?初の関西遠征は鍵となりそうです。

 

中距離馬としては前進気勢が強めに出ていて折り合いをつけるのが難しい所がありました。優勝したエプソムCでは岩田騎手ががっちりと抑え込んでいたのが印象的です。だから、先行しないとモロいタイプのはずでした。それに変化があったのは3走前の毎日王冠。出遅れて後方を追走していたのですがなぜか折り合いはピタリ。それ以降は控えても競馬が出来るようになり終いの脚が前よりも使えるようになってきたと思います。前走のAJC杯はそれで成功した感じ。中団よりの4・5番手辺りで折り合いをつけられる競馬をしていました。良い方に馬が変化していると思います。

 

普段からビッグマウスな方なので鵜呑みには出来ませんが、主戦の岩田騎手はこの馬にかなり惚れ込んでいてGⅠでも通用する力があるという事を毎日王冠の頃から主張しています。実際、重賞2勝の実績ですから確かにそれなりに強い馬だったのでしょう。昨秋の天皇賞(秋)ではよーいドンの競馬で劣った感があったので府中の決め手比べだと厳しそうですが、立ち回りで勝負できる内回り条件なら乗り方一つだったりします。枠、展開に恵まれれば入着ぐらいはあるのかもしれません。絶対的な軸馬として扱うほどの根拠には乏しいですが、相手候補ぐらいなら評価出来てしまうので軽視が出来る馬ではないですね。

 

ヒシイグアス

 

堀厩舎ではダノンベルーガやタスティエーラなどは厩舎の期待が高く、威勢の良い話も耳にするのですが、イグアスにはそこまでの熱量を感じたことがないですね。順調さを欠く馬なので腫れ物にでも触れるように大事に大事に調整されています。順調さを欠くと言えば、昨年の宝塚記念熱中症になり生死を彷徨うような深刻な状況に陥ったのだそうです。無事に復帰出来てよかった。

 

そんな状態から立て直された中山記念はこれまでよりはだいぶ順調に調整が出来た感じでした。休みが長かったので馬もフレッシュになっていて、前哨戦として良い状態に仕上げる事が出来ていたそうです。何より強調出来るのは次を見据えてレースを使えたことでしょう。ここまで順調に使えるのはGⅠを走るようになってからだと初めてじゃないでしょうか?オツリを残した状態で中山記念を勝てたこともムードをよくします。こういう過程の中で調整されていますから良い状態で本番に向かう事が出来るでしょう。

 

GⅠ競走の成績は4走して2着2回で掲示板を下回ったことがありません。GⅠでも力は足りています。7歳馬ですが休養期間が長いので使い減りもないとのこと。中山コースが得意なタイプで立ち回りは上手く、こういう条件で強いところがあります。昨年の大阪杯宝塚記念はどちらも5枠10番でしたがスタンド前で先行し、インに潜って、それから控えるという味な立ち回りを見せて好走に繋げていました。阪神でも器用さを発揮していました。阪神内回りの適性も非常に高い。大阪杯はこの馬の好走カテゴリーです。

 

特別イイ話はないですが、能力面、適性面、状態面のどれをとっても平均点は高い方。メンバーは昨年よりも強くなっている感じがしますが、この馬も有力馬の1頭だと思います。

 

ヒンドゥタイムズ

 

小倉大賞典を勝って大阪杯に挑むのは昨年3着のアリーヴォと同じですね。シルクの勝負服も同じです。そう言う所に変な怖さを感じます。この馬も今は調子が良いので2年連続の好走があったりするのでしょうか?

 

さて、ヒンドゥについてですが21年12月に走った中日新聞杯後に去勢されていて、昨年8月の小倉記念から騙馬になっています。一時良くない時期もあったのですが術後は馬に堅さが見られなくなり、力んで走る事も無くなったので虚去勢効果が大きいと厩舎は語っています。確かに、騙馬になってからの走りは良くなっていると思います。手応え良く直線を向きしっかりと末脚を伸ばせています。それ以前より馬は明らかに動けているのでしばらくは凡走せずに走れるのではないでしょうか?こういうタイミングでGⅠに出れるのは良いと思います。

 

ただ、脚はそんなに長くないですね。外回りコースの京都大賞典で4着、後方3番手から追い込んだチャレンジC6着など長く脚を使う状況で最後に止まっています。この2戦はどちらも阪神でしたので坂で止まっている印象も。逆に好走した2走は小倉の重賞2走と平坦コースでしっかりと伸びていたので余計にそう思います。また、小倉記念2着がホー騎手で、小倉大賞典1着がムルザバエフ騎手で短免の外国人騎手に上手く動かされていて力以上に走ったなと言う印象もあります。

 

去勢後の4走から勘案すると脚力のレベルはGⅠに入るとパワー不足に感じます。これまで戦ってきた相手と比べると相手はかなり強くなりますから強気に推せる材料は乏しいですね。状態の良さを活かしてどこまでというところだと思いますが・・・

 

ラーグルフ

 

キラーアビリティ、マテンロウレオと同様に3歳春を早めに切り上げて休養に。復帰以降は好走を続け、この馬もGⅠの舞台に再び戻ってくる事ができました。ラーグルフの場合はキラー、マテンロウよりも1戦早く皐月賞で切り上げて夏の新潟から復帰しています。馬券から漏れたのは適性が少々ずれていたセントライト記念の5着ぐらい。条件戦を順調に勝ち上がり、中山金杯で重賞初勝利、格上相手の中山記念も2着と成績は高値で安定しています。前述の2頭とも差は無いかもしれません。

 

2着だった中山記念はシュネルマイスター、スタニングローズ、ソーヴァリアント、ダノンザキッドなどが走らなさ過ぎただけという感じが凄いするのですが、ラーグルフのレース振りはそれまで見せた事のない力強い走りだったと思います。中山金杯や3着だったホープフルSのようにソツのない立ち回りで勝負するタイプだと思っていたのですが、外目の後方待機からマクって動いて長く脚を使った走りはとても良かったと思います。このレース振りには少々驚きました。求められる適性が中山とは違う新潟、府中で勝ち上がって来たことに違和感を感じていたのですが、そこをもっと追及しておくべきだったと反省しています。末脚勝負でもそこそこやれるような馬にバージョンアップしていたのでしょう。脚力は高くなっているなと思います。レース中の選択肢が増えたことで今はどんな競馬でも出来そうです。

 

今年の立ち上がりはあまり順調とは言えなかったみたいです。牧場から爪を痛めて帰厩してきたので中山金杯は満足の行く状態ではなかったとのこと。それでも勝てた事がこの馬の充実度を物語るのでしょう。この1戦を使えたことで中山記念ではさらに状態が上がり2着と好走する事になりました。全体的に上り調子でレースを使えています。3走目の今回はさらに上の状態に仕上げられるのではないかと思います。デキだけは有力馬に劣らないでしょう。

 

中山記念のメンバーは陣営には強く映ったようでして、善戦してくれれば嬉しいぐらいのトーンでした。その先にGⅠを見据えていたような感じはなく、力不足と感じていたのでしょう。このことから推察するに、身近な人間が感じている以上に馬が良くなっているのだと思われます。年明けの2走は厩舎の思惑を超えて快進撃を続けています。ここまで来たら適条件と考えられる阪神2000mのGⅠを使わない手はありません。ムードが良い中でGⅠを使えているので実力以上に走ってしまう事もあっていいのでしょう。有力馬の何頭かがヘグればこの馬に出番がやってくるかもしれません。

 

モズベッロ

 

22年は全休でした。中山記念を叩いてどこまで状態があがったでしょうか?ただ、休養前も雨が降らないとどうにもならないという厩舎評でしたから完調だったとしても厳しい力関係です。良馬場では厳しいままでしょう。

 

ワンダフルタウン

 

この馬も1年以上の長期休養から復帰した馬ですね。復帰後4走しましたが復調しきれていない感じでまだまだ動けていないですね。GⅢでも厳しいのにGⅠともなると・・・

 

ノースザワールド

 

タイトルホルダーが勝った菊花賞に出走して17着でした。それ以来の重賞挑戦となります。菊花賞以降は条件クラスで凡走なく頑張って来ましたが、3勝クラスで壁にあたりOP昇格までに8戦もかかってしまいました。この間にジャスティンカフェ、イズジョーノキセキ、ピンハイ、アールドヴィーヴル、リューベックと言った重賞級と接戦してきました。ここがGⅢなら印のいる馬でしょう。でも、先行タイプの大外枠も印象がよくないですし、3勝クラス時代は前で運んで決め手負けを続けた馬ですからGⅠ級相手に対抗できるようには思えないのですが・・・

 

 

 

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