競走馬カルテ

2・3歳重賞の出走馬を分析・記録していくブログです。

ラジオNIKKEI賞(GⅢ) 出走馬カルテ

 

こんにちは。

 

ハンデ戦なんであまりやりたくありませんが、勝てば菊花賞秋華賞へ出走可能になる3歳重賞。ちゃんと見ておかなければいけません。

 

そう言えばこのレースは世界的な逃げ馬パンサラッサがバビットに逃げ負けたというレースでしたね。今となっては考えられない力関係でした。他にも2年目にノースブリッジが3着、昨年がフェーングロッテンが優勝と古馬重賞の常連が出世の足掛かりにしています。もっと遡ればフィエールマンもここで2着した後に菊花賞を勝っています。昔は夏の一発屋的なレースでしたが意外と侮れない重賞になってきました。

 

GⅠが終わったばかりで気が抜けていますが将来の的中の為にここでしっかり各馬の力量を分析しておきたいと思います。

 

今年は20頭の登録がありましたが2勝馬や重賞で賞金加算が出来ている1勝馬などでフルゲートの16頭がほぼ埋まります。現時点では抽選で出走できる賞金400万の1勝馬は1頭だけ。そう言う意味ではレベルの高いレースとなるのかもしれません。

 

ラジオNIKKEI賞は7月2日(日)に行われます。前日の1日(土)には更新を完了致します。

 

予想案は各ページの最下部にある専用ページにまとめてあります。ブログカードを貼っておきますのでそちらをご覧ください。

 

OP馬

 

アイスグリーン

・持続力タイプで瞬発力勝負になりやすいマイルは適性がズレている。

・厩舎評では良い脚を長く使うそう。

・自在性があるのでそれがコーナー4つの1周条件で機動力となって現れる。直線も短くなるので決め手勝負も回避出来る。

・2歳時は強い負荷をかけずに仕上げていたので成長の余地が大きい。

 

上記がスプリングS出走時のカルテ。

 

スプリングSは道悪が堪えて動けなかったそう。機動力の有るタイプで3~4角でマクれる馬が上がて行けなかった。多少渋っても動ける馬だが極端な道悪はNGのようだ。次走は良馬場の白百合Sで直ぐに巻き返した。クビ差の2着だった。3番手から積極的に進めていたが手応えの割にはスパっと伸びない。デビューの頃からキレ脚勝負や決め手勝負に弱く、直線で抜けだすのに手間取るタイプ。上がりが速くなりやすい京都や府中は合わないタイプであろう。直線に入ってからのヨーイドンは向いていない。2勝がいずれも小倉の中距離戦であることからもコーナー4つのコースを立ち回りや機動力で勝負する方が良い。直線に入っても追って追ってと言うタイプなので3~4角で勢いをつけて直線を向く方が残り目の可能性は上がる。福島1800mは絶好の条件だろう。白百合Sの勝ち馬とは再戦となるが負けた事で斤量差1kを貰えた。適条件であることも含めると逆転は可能だと思われる。

 

アグラシアド

 

使い始めは行きっぷりがイマイチだったので勝ち上がるのに4戦を要した。それでも末脚はしっかりと使える馬だった。新馬戦ではダービー4着馬、皐月賞5着馬と互角の末脚をつかっていた。3戦目あたりから行きっぷりが良くなり、レースの流れに乗れるようになり、差しが届くようになってきた。それ以降もレースぶりは安定しており、昇級しながらも末脚の優位性を保っている。3着だったリステッド・スイートピーSも馬群に包まれ追い出しが遅れただけで勝ち馬とは同等の立ち回りで力負けではない。この勝ち馬とは再戦になるが前走を負けた事で斤量差1kを貰えた。逆転は可能だと思われる。コースや馬場状況に捕らわれない万能的な末脚を持つ。不良馬場でも、高速上がりが求められるレースでも上位の上がりを確実に発揮している。機動力もあるので福島1800mも十分こなせるだろう。ただ、使える脚はそう長くないような感じもある。長く脚を使って直線先頭というシーンが何度があったか伸び負けたり、差し返しをくらったりしている。追えばいつまでも伸びると言う訳ではなさそう。脚の使いどころが鍵になるのかもしれない。

 

ウヴァロヴァイト

・レース振りは優等生。スタートも良く、二の脚もあるので楽に好位ポジションを取れる。

・折り合い面に難は無く、操縦性も良い。馬群の中でもスムーズに走る。

・追ってからもちゃんと反応するので終いは確実に来ると考えて良い。

・単純な上がりの競馬だと瞬発力勝負で弱さを見せる事がある。未勝利時に加速ラップを差し切っているように地力勝負の方が強い。

 

上記がクイーンC出走時のカルテ。

 

10着だったクイーンCの敗因は直線でぶつけられてそれで戦意喪失みたいになったらしい。3番手で流れに乗っていただけに残念。ただ、相手も少し強かった印象。2ケ月半の間隔をあけて立て直されてオークストライアルのスイートピーSを完勝した。五分の発馬から出たなりで外めの中団を追走。道中の立ち回りは相変わらず上手い。レースは開催2週目でイン前有利な馬場状況。かつ、61.2秒のスローペースで失速率の低い上がりの競馬。中団から外差しを決めた内容は優秀。追い出しを遅らせる余裕も見せていたので着差以上に強い評価が必要かもしれない。ただ、内容的に遜色のない3着馬と再戦となり、勝ってしまったことで1k重い斤量を背負うのは有難くなく、相手が有利となってしまうだろう。同じ結果になるかは分からない。府中マイルを3戦して流れには乗れていたがスイートピーSの勝ち方を見るとこの馬には忙しかったのかもしれない。追走が楽になった事で立ち回りも楽になっていた印象。札幌1800mでデビューした馬だし本質的にこのぐらいの距離が良い可能性がある。コーナー4つの条件でも上手く走れる器用さはあり、マイルでも先行出来るセンスとスピードがある。馬群の中でも怯まないので多頭数でも不安材料にならないだろう。開幕週の福島1800mに条件的な不安材料はないと思う。

 

エルトンバローズ

 

ここまで6戦。明らかに距離の長かった2200m以外はオール連対。2着3回の1800mで勝ち上がれず、現在マイル2連勝中。必ず強い馬が1頭いただけで1800mでも十分よい競馬は出来ていた。が、結局追い比べで負けているので距離が微妙に長いのかと言う感じはどうしても出てしまう。マイルに短縮して連勝中なのもそんな感じを強くする。先行集団を見やる中段ぐらいがマイポジションでレースの流れにはちゃんと乗れる。勝負所の反応も良いことから勝ち負けの争いには確実に顔を出せている。ただ、いずれの距離でもスパっと切れないので決め手勝負では弱そうな感じはする。決め手の問われやすいワンターンの外回り戦ばかりの戦績なので余計決め手の弱さが目についてしまう。こういう馬は立ち回りで勝負した方が良いのかも。良い位置で競馬が出来る馬だし直線も短い福島1800mに潜在的な適性を感じなくもない。何となく足りなかった部分をコース形態が補うのかもしれない。

 

オメガリッチマン

・末脚上等と言うタイプではないので勝負所である程度の位置にいる必要がある。機動力が無いので後方追走では厳しい。出来るだけ前付けしていく方が良い。

・1200m~2000mと走っているが戦績から判断すると距離は長くない方が良さそうである。1800mぐらいが一番良いような感じ。

・3着馬を進路妨害して浮上した京成杯2着はフロック性が高い。出走馬のレベルも疑問が残る。

・石川騎手は外に張る馬なので馬群の中で競馬をするように心がけている。その為、進路が詰まって追い切れない不利を受けやすい。

 

上記が京都新聞杯出走時のカルテ。

 

京都新聞杯6着。1~4着は全て先行していた馬だった。63.8秒通過のスロー展開なので前残りな決着となっている。本馬も向こう正面で動いて3・4角では3番手まで押し上げていた。鞍上の判断は正しい。直線に向いても前を行く集団が着順を変えて入線しているのでこの馬も勝ち筋に乗っていたのだから本来なら掲示板は死守すべきところ。この馬だけが遅れを取った内容は力負け。ただ、ラスト1Fで伸びが止まっているので2000mまでの馬なのかもしれない。距離短縮に巻き返しの余地を残す。道中で見せた自在性は良かったと思う。立ち回りは年明けの頃からするとかなり上手くなっている。伸びが止まるまではラストが加速する展開に対応出来ていたので適性距離で走れればそう変な競馬にはならないと思う。勝ち負け級の評価を下せるほどのストロングポイントはないが、このメンバーぐらいなら雪崩れ込む事は出来そうなので安易に評価は落とせない。ただ、京都の様な広々としたコースでは出なかったが右回りだと外に張るクセがあるので小回り福島を攻略できるかが鍵となりそう。

 

ラニット

・失速率の大きい消耗戦で好走して来たクチでキレる脚が使えない。ヨーイドンの競馬は回避したい。

・積極策をするようになっているがその走りも安定してきた。発馬も上手くなっていて中距離なら楽に先手が取れそう。

・2000mは長かったようで1800mぐらいがベストっぽい。1Fの短縮で粘りが増す可能性がある。

・道悪をハイペで逃げて4着似粘ったスプリングSは評価したい。キツイペースで後続を疲弊させる強い逃げ方になって来た。

 

上記が皐月賞出走時のカルテ。

 

皐月賞は13着。逃げることに執着が強いので出鞭を入れてハナを奪う。2F目には10秒台を刻むほど。序盤からかなり速いペースを刻んでいった。1000mの通過は58.5秒。馬場状況からすればかなり厳しいペースである。途中でペースを落としたいところだったが向こう正面で掛かったタッチウッドに競り込まれたのが厳しくそのまま行ってしまった。7F通過時点でリードを失い、最終コーナーでは先頭を奪われていた。重馬場のGⅠでは明らかなオーバーペース。大敗もやむないものである。それでもパタリと止まらなかったので馬は良く頑張った。距離も長かったし、見せ場を作れたのはエラかったと思う。使い詰めのミルファームなのでダービーを使ってからラジニケだろうと思っていたが、ダービーを自重したのは英断の様に感じる。相手が大幅に弱まる適距離のGⅢは譲れない1戦だろう。勝負度合は高いはず。負けっぱなしの戦績なのでハンデ55kに収まった。これは恵まれた感じで他馬と比べて有利に映る。スプリングSの頃から逃げの精度は上がっていてキツイペースを演出して消耗戦に持ち込んでいる。ラジニケで58秒台の展開は珍しくなく、かつ逃げ馬の生存率は近10年で60%。この馬向けのレースと言える。クラシック激走の疲れが無ければだが、この馬の競馬をすれば入着の可能性は高い。

 

コレペティトール

・馬群を抜け出してから一瞬で加速出来る瞬発性能は良い。勝った2戦もラスト3Fの決め手勝負になっているので決め手勝負に強い印象がある。

・一瞬の脚は速いが抜け出してから他馬と同じ脚色になる。使っている末脚は短い印象を受ける。短い脚をどう使うかが課題となりそう。

・中距離だとポジションを取れるが折り合いを欠き、マイルだと折り合いは付くが位置取りが下がる。どちらに適性があるかまだ分からない。

 

上記が共同通信杯出走時のカルテ。

 

レベルの高かった共同通信杯で7着。0.6秒差なら良く走り、ダービー馬との差も僅かだった。同じ条件で勝ち上がった未勝利時には行きたがる素振りが強かったがこの時は折り合いがスムーズで中団やや後ろで上手く立ち回れていた。この馬なりの成長は感じられた。ただ、末脚のスケールは迫力に欠けGⅠ級との差は感じ差せた。3・4着馬とは差のないところから追い出したのに突き放されているので使える脚はやっぱり短い。ここは力負けだったと言わざるを得ない。ただ、共同通信杯と比べれば相手は格段に弱まるのでメンバー的には上位評価可能な存在かもしれない。今回は4ケ月振りである。成長次第で有力馬の1頭に数える事は可能。コーナー4つの1周条件は初めてになるので適性面は測りかねるが脚の短い馬なので末脚勝負の度合いが薄まる小回り条件はプラスになりえる。上がりが速くならない福島も悪くないのかもしれない。脚は短いがバテるタイプでもなさそうなので前目のポジションで競馬を運べれば無くはない。

 

シルトホルン

・デビューから北海道で2戦したが洋芝が合わなかったようで、府中の高速馬場で勝ち上がる。中央場所のコースの方が適性が良いのかもしれない。

・府中戦を楽勝しており時計も優秀だが、最後は流していたので時計はもっと詰めれれていた可能性もある。

・発馬の上手い先行馬だが最後の失速は大きい。相手が強くなるにしたがって末の甘さが目立っていて決め脚を繰り出す事が出来ない。

 

上記がスプリングS出走時のカルテ。

 

未勝利を脱出してから1勝クラスを勝ち上がるのに6戦も要した。共同通信杯スプリングSと走ったが力は足りておらず、条件戦でも恵まれないと好走までと言うタイプ。能力面からマークの必要性は薄い。共同通信杯ではドゥラエレーデの、スプリングSではグラニットの2番手を行くが鈴を付けに行く事も出来ずに突き放されている。同型と比較しても力不足は否めない。最後は必ず失速するタイプなので相手が強いところではだいだい差される。展開に恵まれても好走止まりまで。ただ、道悪や時計のかかるコンディションは向いていないところがある。好走が府中の良馬場に集中しているのも偶然ではない。非力な所があるようだ。開幕週の競馬はこの馬に向いているかもしれない。ハンデも54kなら穴の資格ぐらいあるかも?ただ、それでもグラニットとは再戦となるし、一線級がいないとは言え重賞ではやはり強気に推せない。

 

シーウィザード

・ここまでの好走はスローの上がりの競馬でのもの。タイトな展開や持続性能に関しては担保がない。地力の問われる展開に対応出来るかが課題になる。

・中山2000mの芙蓉Sの勝ち時計が2:04.4。この時計ですら辛勝だった馬。1秒も、2秒も速いホープフルS京成杯は純粋に通用しなかっただけとなる。弱い。

・前で運んでもダメ、末脚勝負をしてもダメ。万策尽きた感。

・新潟2歳S3着と走ったマイルで良い所が出れば。

 

上記がNZT出走時のカルテ。

 

2走前のスプリングSから急にゲートが悪くなり出遅れるようになった。近2走はケツからいって1位、2位の末脚を駆使するようになった。が、大勢を覆すような圧倒的な末脚にはならない。位置取りの不利を挽回出来ないようならゲートをしっかりと出れないと勝負に参加することもままならない。2ケ月あけているので改善されていると良いのだが。持ち時計に弱い馬で時計のかかる馬場の方が良いと厩舎も話している。開幕週向けの馬とは言えなそう。道悪で上位の末脚を使えているのでここは一雨欲しい。とは言え、GⅠも含めて重賞戦線を渡り歩いてきた馬。一連の成績を鵜呑みにせざるを得ない。力が足りていないのは明白。他と比べて55kも恩恵になっていないと思う。54kでイケたらまだ考慮も出来たが。スローの上がりの競馬や瞬発力勝負で良さがあったが、地力の問われる展開での好走は1度もない。グラニットが作り出すペースはこの馬には厳しそうだ。

 

スズカハービン

 

道悪は2勝2着2回の連対100%。他の5戦は良馬場で掲示板にも載れず着差も大きい。こんな分かりやすい馬がいるのか?と言うぐらい、道悪と良馬場では走りが違う。道悪なら道中自在に動けるし、持ったままでマクってイケる。末脚も追えば追うほど伸びる感じで力強い。良馬場ではそう言う所は見られず直線で追っても伸びずに後方儘尽きる。馬力型なのだろう。道悪競馬が近走に集中しているので馬が急激に良くなった可能性もあるのだが、良馬場に戻った前走の白百合Sでは以前と同じ良馬場の走りで8頭立ての6着だった。その前走は-12kだったので調子が無かった可能性もあるのだが前との差を詰められそうな感じが少しもなかったので体調が良くても変わらないのかなぁと思う。とにかく馬場状況で行きっぷりが全然違う。今回は開幕週だし馬場の痛みもないのだから良馬場だったら無理して印を回さなくても良さそう。なお、テンにいけない馬なのでレースは大体後ろから。最後方追走も珍しくない。開幕週は前の止まらない展開になりやすいので脚質的にも普通に厳しいだろう。

 

セオ

 

勝ち上がるのに5戦と時間がかかったが使いながら良くなってきた馬で昇級しても力は通用していて2勝目は早かった。距離が長かったすみれSでは止まったが白百合Sではゴール前まで粘り3着に好走。リステッドでもパフォーマンスは落ちていない。クラシック級とは力差を感じさせていたが今回の出走馬とも接戦を繰り返しているように一線級のいない組み合わせなら力は通用する。近走では逃げて好走をしているが基本的には脚質は自在。控えて上位に迫る末脚を使えているし、逃げている時もオーバーペースと言うことは無く、脚を溜めながら直線で一伸び出来る。しっかりとした二の脚があるのでレースに合わせて位置取りを選べる。折り合いも良く、操縦性も良いので全体的な印象は良い。こういう馬なのでグラニットの逃げに絡んでいくことはないと思う。強いて言えば、ゴール前での決め手は少々弱い。京都で行われた白百合Sの様に決め手が活きるコース形態も良くないと思う。その点今回は走り慣れている1周条件の福島はレースがしやすいだろう。決め手の必要性が薄まるコースなので条件的に悪くない。レースの流れには確実に乗ってくるので展開次第で好走出来そうだ。

 

バルサムノート

 

前走の白百合Sは良く勝てたなぁと思うほど破天荒な勝ち方。直線では内にヨレまくって真っすぐ走る事が出来ない。大外にいた馬が内の馬を押圧しながら寄って行き最終的にはインから2・3頭目まで切れ込んでいる。騎手も馬も共に制裁を受けた酷い勝ち方だった。西村騎手は最初から右鞭を入れたり、手綱を外に大きく引っ張ってヨレないように努力していたがそれでも御せなかった。鞍上にはお疲れ様と言いたい。その西村騎手に言わせると、馬が苦しがって踏ん張れなかったということ。厩舎の話を合わせて考えるとどうも距離が長いらしい。テンからペースは流れていたので追走で余力がなくなり、本質的な距離適性が問われてしまったのかもしれない。実際、マイルの方が走りの質は良い。1800mで2勝を上げているが新馬戦も騎手の腕で2着馬を競り落とした印象で辛勝だった。2000mを1度使っているがこの時は直線の伸びが止まっているので距離が長くない方が良いのは本当だと思う。小回りなら1Fぐらいは誤魔化せるがトップハンデ57kを課せられたことからそう楽でない。白百合Sも本当だったら2着アイスグリーンが勝っていた競馬。本馬の不利を受けて直線では追いづらくなるシーン。この勝ち方でハンデ差1k増は重い感じがする。上記の内容で白百合Sを勝った事はこの馬自身が力がある証拠でもあるが、戦績を総合的に判断すれば抜けた存在とまでは言えなそう。仮に勝ったとしてもこの馬が圧倒的な強さを見せていることはないと思う。

 

マイネルモーント

 

4戦して2勝2着2回と言うほぼ完璧な成績で現在連勝中。2戦目までは最後方近辺で運んでいたので差し切れなかったが、3戦目から先行集団の後ろに付けられるようになり差し脚が決まり始めた。全戦で破壊力ある末脚を繰り出す。スローの上がりの速い競馬の経験が多いのだが展開に逆行してゴール前で詰めて来る。脚力はかなり高いものがありそうだ。コーナー4つの1周条件での立ち回りも非常に上手く3~4角の勝負所でグーンと上がってこれる機動力も素晴らしい。また、前走の府中1800mの勝ち方も非常に優秀。1000m58.6秒のタイトな展開だったが後半もペースが緩まない展開を6番手と言う比較的前めのポジションから差し切った内容は評価出来る。持続性にも見どころがある。これだけ速いペースだけに時計も速い。同条件のスイートピーSより2秒以上、同距離の白百合Sより0.5秒も時計が速い。今回の主流ローテとなったリステッド2競走より中身が濃いので評価は高くなる。この内容で走れているのに55kで走れるのはかなり恵まれていると思う。上がりの速いレースでも、上がりがかかるレースでも性能に差が出ない万能的な末脚はこの馬の魅力と言えそうだ。直線平坦な新潟やコーナー4つの中山でも強い競馬をしている訳だから福島も問題ないだろう。脚力、機動力、持続性、スピードと評価対象となる各パーツの性能はどれも良い。斤量の恩恵もあるとなると有力な1頭かもしれない。気になる点があるとすれば折り合い。後方で競馬をしている頃は大丈夫だったが前付けした3戦目で行きたがる素振りが多少あり、前走も前進気勢が強そうな感じはあった。気性面に若干不安材料を残しているかもしれない。が、それでも強い競馬ぶりなので折り合ったらとんでもなく強いなんてこともあるのかも。

 

レーベンスティー

 

4戦して2勝2着2回と言う成績。勝つときは圧勝で3馬身半、5馬身と一方的に強い。負けた際もその着差はクビ差、頭差といずれもタイム差はゼロ。この2敗の3着以下は5馬身差、7馬身差と力は常に示している。新馬戦の敗因は皐月賞馬とマッチレースの末によるもので力は示していたし、1勝クラスの敗因は不良馬場と言う特殊な環境下で66.1秒通過の特殊な展開にで逃げ切りを許した。逃げ馬を可愛がり過ぎた鞍上の油断騎乗のような感じ。弱くて負けたというのはない。府中1800mの前走のラスト3Fは33.0秒と究極的な上がりで11.6-10.8-10.9とラスト2Fで10秒台を刻んだとんでもないもの。夏の新潟でもあるまいし府中でこれだけキレる脚を使える馬はあまり見たことが無い。追える人(レーン)が乗ればこれだけ伸びると言う証。また、負けたとは言え不良馬場でも最速上がりを記録するような馬。天気や馬場状況の制約を受けない末脚性能は抜群に素晴らしい。そもそも2・3番手で競馬をする先行馬が全戦で最速上がりで駆けているのだから取りこぼす理由は基本的にない。末脚の速さなら皐月賞馬にも劣らなかった。気性的に気になるところもないので普通に走れば普通に勝ち負けになってしまうだろう。

 

ラジニケの性格上、1勝クラスを勝ち上がったばかりの馬がこんな斤量を背負わされることはない。重賞やOPで走った事もない馬なら重くても55kが上限であのフィエールマンですら54kだった。この馬の課せられた56kは異例なハンデ設定である。この馬の走りがハンデキャッパーを唸らせたのだろう。専門家がこいつとんでもねぇと言っているようなものである。とんでもないことになりそうだ。

 

 

抽選対象

 

ウイニングライブ


エマヌエーレ

・リバティアイランドが勝った新馬戦で逃げていたのがこの馬で3着に粘った。2着馬も既に2勝馬であるようにレベルの高い1戦。本馬も次走で勝ち上がっている。

・控えて競馬をして結果が出ない。逃げたり先行した方が成績が安定する。

・坂コースに不安あり。坂で勢いが止まったり、登ってから再び伸びたりというレースばかり。新潟2走で好走しているように直線平坦があっていそう。

 

上記が毎日杯出走時のカルテ。

 

毎日杯5着。先行崩れの差し決着したレースで3番手追走から掲示板に残せた点は評価したいところ。陣営は2走前に逃げて好走出来たのでその形が理想としていたがハナでなくても力は出せた。自分のリズムで先行出来ればそこそこやれるのだろう。敗因は展開負けであったり、決め手不足というものが上げられるが、この馬は坂コースで少々弱く毎日杯も坂部分でもたついた。ただ、そこからグダグダになることは無く坂を上り切ってから粘り腰を発揮している。あるかないかも分からない福島の坂ならもっとやれて良い。坂の無い新潟コースでは二冠牝馬相手に32.5秒の末脚を使い粘り込んでいる。条件が整えば案外やれてよいような。重賞5着馬の54kの斤量は有利だし前進可能な根拠はある。穴の魅力がありそうだ。グラニットを相手にハナを主張する事はないと思うので外枠からスムーズに先行して粘れれば面白そう。


ダイシンヤマト

 

1月デビューで6戦消化は臨戦過多。休みなしの7戦目で上がり目は期待出来ない。1勝クラスで好走止まりと言う馬。4戦目に8着と負けた以外は大崩れなく走れている。勝ち切れないのはスタートが下手な事が主な要因。位置取りを悪くして前が詰まったり、届かなかったりと言うレースがほとんど。最終コーナーまでじっとしていて直線勝負がこの馬のスタイル。まぁまぁの末脚は使っている。ここまではマイルオンリーなのでワンターンコースでの経験しかない。コーナー4つの1周条件は初めてだがこの馬の脚質パターンからするとこれを攻略できる根拠は出て来ない。福島の直線は短い。自分のスタイルを貫いたら届かないだろ。前残りしやすいレースでもあるし条件的には厳しい。ハンデは最軽量の53kだがそれだけで好走を望むのはさすがに難しい。最初にして最後の重賞出走とならないように秋に向けて力をつけて欲しい。


ヨリキリ
ラファドゥラ

 

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