競走馬カルテ

2・3歳重賞の出走馬を分析・記録していくブログです。

東京スポーツ杯2歳ステークス(GⅡ) 2023

 

こんにちは。

 

数ある出世レースの中でもこの東京スポーツ杯2歳S組は群を抜いて出世しますね。ダービー馬は出るし、三冠馬は出るし、世界NO1の馬まで出るし。勝ち馬のその後の出世ぶりはとんでもない。そして、まさか、まさかのニシノデイジー。この馬までGⅠ馬に上り詰めてしまうとは。昨年の大障害のゴール後に「デイジー、お前もか!」と思わず口に出てしまいました。こうして遂に障害GⅠ馬まで輩出してしまった東京スポーツ杯2歳S。このレースを勝ちさえすれば未来は拓けます。今年のメンバーにはどんなGⅠ馬が潜んでいるのでしょう?

 

今はレースの2週前ぐらいなんですけど、この時点で出走が分かっている9頭中8頭が社台FかノーザンFの生産馬でして、サンデーRが3頭もエントリーさせていたり、今年の3歳GⅠ馬の弟がいたりと素質馬っぽい馬ばかり出走を検討しているようです。東京スポーツ杯2歳Sは今年も社台の運動会。将来のエリートがやはり潜んでいるようです。

 

東京スポーツ杯2歳S(GⅡ)は18日(土)に行われます。前日の17日(金)には更新を完了します。出走意図が濃厚な馬から更新していき、その他は分かり次第追加更新していきます。

 

予想案は各ページの最下部にある専用ページにまとめてあります。ブログカードを貼っておきますのでそちらをご覧ください。

 

ガイアメンテ

・時計的価値は測りかねるがパワータイプであり、体力面に強味を感じさせた。

・中団ぐらいで終止行きたがり、抑えきらない感じで逃げ馬に並びかける。レースの半分はかかっていた。気性の粗さは目立っていた。

・折り合いを欠きながら2馬身半差はこれはこれで凄い。最後は流す余裕もあったので強さのレベルが段違い。

・折り合いを覚えれば相当強くなりそうなポテンシャルは感じさせた。

 

上記が札幌2歳S出走時のカルテ。

 

1番人気だった札幌2歳Sが6着。レース後の話ではイレ込みが凄かったそう。ゲートも立ち上がって派手に出遅れた。向こう正面から動き出し、4角では射程圏に取り付いていたのはさすがだったが、62.1秒と近年稀に見るスローで1~3番手だった馬がそのまま1~3着したレースでは、最初からレースの流れに乗れていなかったこの馬には展開は厳しかった。何もかもが噛み合わず、敗因ははっきりとしている。とは言っても、新馬戦もレースの半分は引っ掛かりながらのレースで、それでも完勝だったことを思うと、ここは負け過ぎた。4・5着馬にも交わされてしまったのは情けない結果だと思う。せめて直線では上位馬との叩き合いには持ち込んでいて欲しかった。度外視でも良いが、まともな競馬が出来ないとやはり重賞では厳しい。気性面の問題は今後も脚をひっぱりそうである。スマートな競馬が出来れば強い馬だとは思うのだが。ここまでの2戦を見ると、まだ直線で加速するような競馬にはなっていない。消耗戦を体力勝負で凌ぐような競馬をしているだけなので、上がりの速くなる府中への適性が見えない。この条件に必要な材料が欠けている。その辺がどうかだが、今回は判断が難しい。

 

サークルオブジョイ

 

9月の阪神1800mを新馬勝ち。スタートをもっさりと出たので初手は後方3番手。頭数が少なかったのでそれほど不利でもなかったが、序盤の立ち回りはあまりよくなかった。3~4コーナーの勝負所から徐々に進出していくが、持ったままで先頭を射程圏。コーナーでの加速は良かったと思う。直線に入っても楽に前を交わし、完全に抜け出していたが、そこからの伸びは案外。ゆっくりめのスローペースだったのでもう少しキレる脚を使って欲しいところで、ラスト1Fの失速は大きく、2着馬に半馬身差に詰められていたのはあまり感心出来ない。完勝と言っていい内容だが、ノーザンF産のサンデーRとしては案外な内容に感じられ、現状は普通の強い馬という印象。2戦目の変わり身に期待したい。

 

シャンパンマーク

 

秋の府中開幕週に2000mでデビューして新馬勝ち。スタートで隣の馬に勢いよくぶつけられたがバランスをくずことなく好位をキープしている。体幹がしっかりしているのだろう。37.9-64.4の超スローを5番手から最速上がりで差し切っている。距離、ペースから33.1秒の末脚の質感は良い部類。道中での追走もスムーズで、追ってからの反応も良い。操縦性も高そうで、気性が気になるような素振りはない。優等生なレース運びで印象点は良い。スロー戦なので地力の高さまで保証は出来ないが、好意的な評価が出来る1頭。現状は良く動けているので、今回も力は出し切ってくれると思う。ここも相手次第。

 

シュトラウス

・不良馬場の府中マイル戦を9馬身差で圧勝。しかし、2着以下のその後を見ると相手は相当弱かった模様。課題評価禁物。

・前進気勢が強そうな感じは受けたが、折り合いに問題がありそうな気はしない。

・不良馬場なので時計的な評価が出来ないので判断は難しいが、走りの質は悪くなかった。

 

上記がサウジRC出走時のカルテ。

 

サウジRC3着。スタートで出遅れて、2F目にガツンと掛かる。これで3着と崩れなかったことに地力の高さは感じられる。折り合いもかかり通しだった訳でもなく、向こう正面中ほどでは収まっていた。勝ち馬の決め手には脱帽だったが、2着馬とはクビの僅差。序盤のロスを考慮すればやはりよく頑張っている。新馬戦でも行きたがるところは出ていたので、気性は当面の課題となる。1F延長をどうこなすか?ただ、1800mぐらいなら引っ張りきった状態でも押し切れそうな力強さは感じられる。厩舎の話でもヤバいぐらいにパワーがあるという話。GⅠならそうはいかないが、この時期の2歳重賞なら無理に押さえなくても勝ち負けに持ち込みそうな可能性は感じる。

 

なお、サウジRC→東スポ杯の連戦ローテはほとんど例がなく、16年にこの2Rを連勝したブレスジャーニーが出走したのみ。また、ノーザンF産の素質馬が2歳秋に重賞を連戦させるのはかなり異例。今回は違和感を感じる采配で、勝負掛かりの可能性が大きい。鞍上は2週前にはモレイラ騎手の騎乗が決定しているので、やはりそれっぽい。

 

シュバルツクーゲル

 

中山2000mで新馬勝ち。スタートをもっさりと出たがテンからペースが上がらなかったので最初のコーナーは2番手で回っていった。この位置をキープして直線まで行き、最終コーナー回ったところで自然と先頭に立ち押し切っている。もう少しで14秒台と言う超遅いラップを3F目に刻んで、4・5F目も13秒台を継続した超ドスロー。全馬が歩いているように見えるレースだった。後半に5.8秒も後傾したようなレースなので中身は薄い。稍重だったので仕方ないところもあるが、最速だった上がり35.0秒はペースを考慮すればやや物足りない。直線で一杯に押し込んでのものなので末脚に魅力は感じなかった。この程度の持続性と瞬発力では府中の脚比べで強気にはなれない。こんなペースでも折り合いをつけて走れていたのはある意味評価出来るところだが、それ以外に強調出来る材料がない。どこかぎこちない感じの走りでまだ動ききれていない印象も。1度使った効果は大きそうだが、上積み、変わり身は大幅なものが求められることになる。

 

ショウナンラプンタ

 

阪神2000mを新馬勝ち。スタートがドタバタしていたので若干後方から。スタンド前までにリカバーは出来たので中団4番手でレースを進めていく、ペースは62.8秒と遅かったがちょっと追走力が弱く、向こう正面では6番手と位置取りを下げている。所々で気合を入れられていたし、まだ走りに集中していない感じ。前進気勢が足りないので、この辺は上向いてきて欲しいところ。前半が時計が遅かった分、後半は後傾持続戦の様相。後半58.5秒の流れは新馬戦では楽ではなく、展開利のあった1~3番手の馬でも伸びを欠いている。この区間で追い上げ、差し切っているこの馬の持続力は評価が高い。レースが加速するなか2馬身半差の完勝は力が違っていたと思わざるを得ない。能力は持っていると判断出来る。ただ、その勝負所でも追って追って必死に促している。まだ自ら走っていく自主性に欠けているので騎手が動かしていく必要がある。もう少し機敏に動けないと府中の2歳重賞でキレ負け、追い負けとなってしまう。使った事で素軽いところが出てくると良いのだが。この点に変わり身があれば、さらに強い馬になって来ると思う。素材は良い。

 

テリオスルル

 

新潟1800m1着→サフラン賞(中山マイル)3着。サフラン賞では暴走した馬がいてハイペースで差し馬が1・2着したレース。先行していたこの馬が0.1秒差の3着に走れたのは価値が高い。当初はハナにも立とうかと言う感じの積極策だったが、暴走馬がペースを速めていたので、無理せずに遠く離れた3番手に収まる。追いかけすぎずに控えられていて鞍上の指示に従順に立ち回れていた印象。展開負けしだけで、この馬が一番強い競馬だったかもしれない。新馬戦で物足りなかった時計面も大幅に詰めれたし、収穫の大きい1戦だった。スタートから二の脚を使えるので、先行力は安定していて、新馬戦では逃げ切り勝ちをしている。立ち回りは上手な馬である。今回も前から運ぶ競馬になると思う。ただ、後半に速い脚は使えないかもしれない。逃げ切った新馬戦はペースの割には上がりは遅かったし、前走は消耗戦で凌いだ内容。現状は序盤のアドバンテージを生かし切る競馬をしているので、末脚比べで評価を上げられる材料はない。前走で持続性のあるとこをは見せれているので、簡単に止まることは無いと思うが、強烈な決め手を発揮する馬がいると屈してしまうこともありそうである。

 

ファーヴェント

 

新潟1800mで新馬勝ち。64.5秒の超ドスローの競馬を33.4秒の最速上がりで差し切っている。もう少し上がりがキレても良いかな?と言う気もするが、直線で包まれて追い出したいところで追い出せない不利もあったので脚を使い切れていない感じはあった。ラスト300mぐらいで追い出せたが、その際の反応は良かったし、鞭が入れられてからの加速も良かった。ラスト2F目が10.9秒まで加速していたがここで一気に切れているので瞬発的な性能はかなり高いと推測できる。序盤の立ち回りも良かった。スタートを決めて直ぐにダッシュが付いていて、好位を取る際の動きは合格点。このペースに気性が破綻する事も無く、レースの流れに併せて平常心で回ってこれた。時計が遅いので地力を評価しきれないところはあるが、この馬のレースぶりは良かったと思う。よく動けていたと思うので自分の力は発揮してくれるだろう。強烈な強さまでは感じられなかったが、印象は良い。

 

フォルラニーニ

 

秋の中山開催の開幕初日に行われた2000mの新馬戦で勝ち上がり。スタートからポジショニングまでの立ち振る舞い、道中の折り合いや追走力など全く問題がない。スタートを決めて2番手で進めてノーステッキで3馬身半差の快勝。62.6秒のスローペースで逃げ馬が2着に残る前残り決着でレースの中身は薄かったが、良かった点もある。ラスト3F12.0-11.6-11.1の加速ラップを鞭も抜かずに押し切ったこと。追い出してからの反応も素晴らしかった。全力を出し切ることなく勝った印象。2~4着馬が2・3走を済ませながらいまだ未勝利なので相手にはかなり恵まれていたようだが、この馬自身に弱味はなく、まだ上を目指せる感じはある。印象は悪くない。最終コーナーで脹れ気味だったので、広々とした府中に替わるのもプラスに働きそう。前走で騎乗していたサウジRC3着馬ではなく、ルメール騎手がこの馬を選んでいる点でやはり注意がいる。

 

ミカエルパシャ

 

中京2000mで新馬勝ち。五分のスタートからすんなりとハナを奪い、逃げ切った。65.2-60.2秒のドスロー戦で中身は薄い。後半に5秒も後傾したがスローのままで持続戦になっていないところは物足りない。稍重で11秒台の加速ラップを踏んだことで道悪巧者の可能性を感じる。道中の走りに気になる点はなかった。デビュー前から調教で良く動くと現場では評判が良かったが、仕上がりのは良さがレースぶりにも現れていた。レースの流れにはちゃんと乗れているし、勝負所での反応も悪くはなかった。ただ、目立って推したくなるような部分はなかったのでここは試金石。このレースは1~3番人気が、1~3番手で進み、1~3着したレース。4着以下が3馬身も離されているのである程度は力通りに決まっている。2着馬はセレクトセールで2億4千万の素質馬でこれを競り落とした点で価値はあるのかもしれない。この2着馬は次戦であっさり勝っているので負かした相手はやはり弱くない。と、思うのだが、3走目の野路菊Sを1番人気でコロっと負けていた。持続戦に対応しきれずに負けているので感心出来ない。ひょっとすると、この新馬戦の上位3頭がまるっと弱い可能性を考慮してもいいのかもしれない。

 

メイプルタピット

 

ラニ産駒。新馬戦で福島1800mの芝を使ったが道中追い通しでレースの流れにも乗れず、勝負所で加速も出来ず、雪崩れ込んだだけと言う8着に芝適性は感じない。3走目の府中ダ1600mの芝スタートでもダッシュ付かづに置かれているし、やはり芝でというタイプではないと思う。以降はダートを2戦して前走で勝ち上がっている。ダートに変れば強いという訳でもなかったが、追走力や追っての伸びは良くなっているので芝よりは適性があると見て良い。ただ、いずれにせよまだ動ける状態にはない模様。全戦でズブく、安定して好走出来る現状ではないと思う。勝った前走も2.6秒前傾していたハイペ戦で置かれていたのが功を奏しての勝利(10番人気)。展開ハマりで地力で勝ち上がった評価はしなくて良い。追い込んできた末脚も至って平凡。印を回せる要素は無かったと思う。

 

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