競走馬カルテ

2・3歳重賞の出走馬を分析・記録していくブログです。

札幌2歳ステークス(GⅢ) 出走馬カルテ 2023

 

こんにちは。

 

最近は札幌2歳Sの優勝馬の活躍が目立っていますね。3年前のソダシが桜花賞優勝、2年前のジオグリフが皐月賞優勝、昨年のドゥーラもオークス3着とクラシックに直結しています。来年を見据えて今年も目が離せない2歳重賞です。

 

ところで、8枠の成績が凄いですね。複勝率50%ですよ【2・5・3・10】。上述のソダシ、ジオグリフも8枠で優勝していました。8枠有利といえばアイビスSDを思い出しますがそれとて複勝率は29.2%と3割を下回っているというのに。これだけ極端な結果が出るのも珍しいですね。

 

16年以降は8年連続で必ず馬券に絡んでいます。しかも、この8年間では2着以上に8枠の馬が必ずいたので枠連総流しで的中間違いなしと言う状況でした。枠連だから安いんだろ?と思ったのですがこれが結構配当いいんですよね。ガミったのは21年の720円だけでそれ以外は全て4桁配当。18年には7260円もついていて平均配当は2040円。これは美味しいかもしれないですね、8枠流し。どんな馬が入るかわかりませんが8枠は要注意っぽいです。

 

札幌2歳Sは9月2日(土)に行われます。前日の1日(金)には更新を終了します。出走予定馬が把握できていないので出走確認出来た馬から更新していきます。

 

予想案は各ページの最下部にある専用ページにまとめてあります。ブログカードを貼っておきますのでそちらをご覧ください。

 

カイコウ【地方馬

 

北海道競馬所属の道営馬。地元では1100m~1200mで【1・1・2・0】と言う成績。20日に行われたクローバー賞で半馬身差の2着と走っている。結論から言うと、ダートより芝の方が走りが格段に良い。クローバー賞程の好位を獲れたことは道営4走にはなかった。芝でダッシュが利いて飛び出し、外目の枠から楽に先行態勢を維持出来た内容は芝適性をはっきりと感じさせる。1500mで追走が楽になったというのはあるのかもしれないがレース振りがダートより良くなっている点は見過ごせない。3番手をキープして4角で先頭に並びかける内容で立ち回りも堂々としていた。ルメール・モレイラ両名手が騎乗した1・2番人気を退けての2着。上がりも2位だった。評価出来る点が多々あった。時計は過去10年で最も遅いが稍重で力のいる馬場だったことを踏まえるとそこまで悪い走破時計ではない。ただ、時計のかかる条件が適していた可能性はあるのでそこには注意が必要。さすがに強力に推せる根拠はないが道営馬としては良い走りをしていて軽視出来るような材料も見当たらない。もともと勝ち味に遅い所があるので勝ち切れないまでもマギれるぐらいの力は有しているかもしれない。

 

ウールデュボヌール

 

札幌2000mを新馬勝ち。稍重だったので全体的に時計が掛かっているが3・4F目が14.3秒の超低速ラップを連続させた。さすがに遅すぎる。この超スローペースを刻んだのが同馬でハナをきってレースを主導していた。よくもこれだけちんたら走れたものだと逆に驚く。これだけの低速戦なので後続の動き出しも速く、向こう正面の中間ぐらいには2・3着馬が同馬を交わして3番手に下がっている。そこからはこの3頭によるマッチレースで3~4角の勝負どころで一気にペースが上がり、急激なペースアップに対応出来ない後続は置かれ気味。直線は3頭の叩き合いで際どい勝負になる。アタマだけ差し返してゴールする事が出来た。勝ち時計2:08.3が示すように全体的にだらしのないレースで強さの根拠を見つけるのは難しい。後半1000mで5.7秒もレースを後傾させたがそれとて後半61.3秒なので持続性が高いとする事も出来ない。本当は強いのかもしれないがこのレース内容に評価出来る材料は無いのでどうしたものか?取捨が難しい。ヘンテコなペースで流れに乗り切れなかった有力馬もいたので展開勝ちの印象も強い。また、コーナリングに拙い感じが出ていたので器用さにも疑問が残った。印に余裕があれば念のために押さえる?ぐらいだろうか?

 

ガイアメンテ

 

札幌1800mを新馬勝ち。重馬場で勝ち時計は1:52.4と遅いが力のいる馬場でタフな競馬だった。時計的価値は測りかねるがパワータイプで体力面に強味を感じさせた。ただ、レースは粗削り。もっさりとしたスタートから中団ぐらいで運ぶつもりだったようだが馬が行きたがり押さえきれない感じで位置を上げていく。向こう正面中ほどで逃げていた2着馬に馬体を併せたたところでようやく折り合いあとは馬まかせ。これで勝つのだから凄いところはある。直線は2着馬とのマッチレースの様相だったがこちらは持ったままで突き抜けて2馬身差の完勝。最後にぶっ放したら突き抜けたという感じ。レースの半分はかかっていたのにこんな競馬をされたらその他の馬はかわいそう。最後は流す余裕もあり力が抜けていたのは間違いない。折り合えるようになったり、競馬を覚えたりすればパフォーマンスは自然とあがるだろう。能力は高く見積もっておいてよい。しかし、少頭数な上に相手に恵まれていた感はあったので評価の上げすぎには注意したい。レース条件は同じでもメンバーレベルは同じではないし、2歳戦は速い時計が頻発しているので時計勝負への対応も課題になる。気性難を見せ、操縦性も高いとは言えないので前途洋々という風にはまだならないかもしれない。

 

ギャンブルルーム

 

宝塚記念当日の阪神1800mを新馬勝ち。時計のかかるコンディションで突き抜けているので洋芝でもやれる可能性を感じさせる。一番良いスタートを決めながら後方2番手まで下がり、直線入り口では最後方だった。前進気勢が弱いタイプなようでもう少し行きっぷりの良さが欲しい。外差し馬場で各馬が外に進路を取るなかぽっかりあいたラチ沿いからぐいぐい伸びてしまう。後続に5馬身差を付ける圧勝。GⅠデーと言うこともあり、トップジョッキーの都合に合わせて有力馬が揃っていた1戦だったのだがそれらを相手にワンサイドな勝ち方。素質は相当かもしれない。時計のかかる馬場でただ一頭だけ33秒台を記録して、2番上がりを1.1秒も上回っているのも脚力が高い証拠。この2番上がりを記録した2着馬も次走であっさり勝ち上がっているので相手が弱かった訳でもない。この馬の素質・能力は嘘が無い感じ。道中のズブさは気になるが有力馬と言う事で良さそう。

 

コルルディ

1200mで勝ち上がったがスピード感はそれほど感じさせなかった。スローの単騎で行けた展開勝ち。

・最後も詰められていて持続性に強味がない。レース振りにも際立ったものは感じられない。

 

上記が函館2歳S出走時のカルテ。

 

函館2歳S10着。テンの遅さは新馬戦と同様だったが行き脚がつかずに後方2番手。促していたが馬が進んで行かない感じ。新馬戦でもスタートは鈍かったがそれでも逃げ切り勝ちをしていたようにここまで行けない馬ではない。重馬場で全く走れなかったと見るべきか。直線に向くまで位置取りはそのままで追い出しても加速無し。新馬戦で負かした2着馬に大きく逆転されてしまう。全く走れていないので参考外と言う事で良いかもしれない。ただ、新馬戦からびっしりと仕上げていた上にギリギリ凌げたという辛勝。能力的な評価は出来ないし、仕上げていた分上積みもほとんどなかったそう。成長の余地に疑問が残る。これが最後の重賞出走となるかもしれない。ズブさがあるので1200mよりは1800mの方がレースはしやすいかもしれないが上位争い出来るような決め手があるようには思えない。

 

セットアップ

 

函館18002着→札幌1800m1着。いずれもハナを取り好走。新馬戦は完全な勝ちパターンで直線で絶対的なセーフティを取れていた。加速ラップを差されただけに勝ち馬の決め手を褒めるしかない。少々溜めすぎていた感じもあったので次戦はタイトなペースで後続を疲弊させる強気な逃げ。最後の失速は大きくなったが後続に脚を使わせずに完封。勝ち方としては強い内容。時計的にも合格点。ゲートが上手く、出てからのダッシュも速いのでハナは楽に取れるタイプ。逃げている最中も暴走するような感じはないのでコントロールが利いていけている。この条件だし結果も出ているのでここで逃げない手はないだろう。2戦とも楽な単騎だったので絡まれたりした時に辛抱できるかは課題にはなる。同型次第で評価を調整することになる。

 

トレミニョン

 

福島1800mを新馬勝ち。63.7秒のスロー競馬で1~4着馬がそのまま前残りしたレース。本馬は前の3頭から距離を取って追走していたのでこれらを差し切った内容は悪くない。直線入り口で最内をすくって差し切った器用な走りで決め手も見せている。立ち回りは良かった。前にいた3頭中次走を済ませた2・4着馬は直ぐに勝ち上がっており、出走馬のレベルも悪くなかったもよう。スローの前残りに物足りなさはあるのかもしれないが、力が違っていた4頭のガチンコ勝負だったという味方も出来る。少なくとも相手に恵まれたという事はない。目立ったストロングポイントは特になかったが、器用に立ち回れていた点は評価出来るし、悪い印象は特にない。

 

パワーホール

 

札幌1800mを新馬勝ち。この条件を逃げ切り勝ちした馬は他にもいるがそれらに比べて時計は抜けて遅い。前半に13秒台を3連発して1000m通過64.4秒の超低速戦に持ち込んで上がりを加速ラップでまとめてまんまと逃げ切った。レースの内容は物足りないもの。ただ、勝負所のレース振りは目を引いた。直線に入るちょい前から一気にペースアップ。この区間で1.0秒も加速していて、ほぼ全ての馬がこの急激なペースアップに対応出来ずにモタついた。そこから差を拡げ4馬身差をつけたキレ味は凄い。展開勝ちは展開勝ちだがこの瞬発力は優秀なもの。脚はある方なのだろう。逃げながら脚が溜めれていた点も面白い。このペース、この時計なので持続性や地力の高さを証明するまでには至らないが良いパフォーマンスは発揮しているのでマークは外せないかもしれない。リズムよい走りが出来ていて、小気味良い前進気勢もある。折り合ってはいたが馬はもっと走りたがっているように映った。逃げるかどうかは分からないがこの調子ならペースが上がっても馬は対応出来ると思う。持続戦になっても同じような脚を使えるなら圏内と言うことになってくる。

 

マーゴットソラーレ

 

札幌1800Mを新馬勝ち。稍重馬場を1:51.0なら標準的だと思われる。スタートが決まりコーナリングでハナを奪い、そのまま逃げ切った。良いテンポで逃げれていたので厳しい展開にはならず、無理のないペースで逃げれていた。ラスト1Fで加速出来ているので実際楽だったのだろう。それだけに淡泊に映り、ストロングポイントの様なものは見受けられない。折り合って進めていたし、鞍上の指示に従い緩急もつけられていた操縦性も悪くない。強調材料はないが、目立った弱点も無い。逃げなくても競馬は出来そうなので先行してロス無く進めれば自身の力は出し切れると思われる。取捨は難しいがマギれて入着するぐらいの走りは出来るかもしれない。ただ、上がり最速を記録したとは言え、稍重馬場で後続の末脚が封じられていた可能性はある。また、2・3着馬が次戦を済ましタイム差を大きくしたり着を下げて負けている。相手に恵まれていた可能性も認識しておきたい。

 

ロジルーラー

 

府中1800m5着→福島1800m1着。初戦は1~3番手の馬がそのまま上位入線を果たすスロー競馬だったので出遅れた時点で終了。33.5秒の脚を使って追い上げるが前の馬も楽をしていたのでどの馬も上がりが速い。他馬と同程度の末脚しか使えなかったので雪崩れ込んだだけと言う結果。次戦はレースの流れに乗って勝負所から外目を追い上げ差し切ったのだが直線で弾けることがなく、2着馬にハナ差まで詰められてしまう。この2着馬も既に勝ち上がっているので仕方ない面もあるが使える脚が短い印象で決め手優秀と言う感じを受けない。2戦して最速上がりを記録することもないので末脚は際立っていない。また、福島の3~4コーナーでも追い通しでなんとかマクれたと言う感じで機動力も弱いように感じる。クラスが上がると苦労しそうな印象の方が強い。大きな変わり身でもないと重賞では厳しそう。

 

グランルーチェ

 

札幌ダ1700mで新馬勝ち。ここは連闘になる。時計は速くないが新馬戦ならこんなもので許容の範囲。1・2番人気が1・2番手で行って3・2着と前残りしたレースをこの馬自身も3・4番手から追走。スローの前残り競馬で内容的には淡泊だが、この馬の走りだけは次元が違った。発馬が決まり出たなりで先行ポジションへ。急かすこともなく序盤の立ち回りが非常に上手い。以降も手綱を緩めて追走し、拳を動かすこともなく、馬なりでポジションキープ。前を行っていた2・3着馬が仕掛けていた勝負所でもすぅーと馬体を併せて来れる機動力も良かった。直線では馬体を併せた叩き合いの様相もラスト1Fまでで、そこからこの馬だけ突き抜けて6馬身差の圧勝となる。鞭を使う事もなかった。7番人気の低評価だったが力が何枚も抜けていたと言わざるをえない。勝ち方が立派過ぎて初芝・連闘でも重賞挑戦したくなる気持ちは分かる。調教みたいな内容で勝ってしまたので連闘でも上積みは大きそう。インパクトのある内容なので臨戦過程に問題があっても取捨は慎重にした方が良いと思う。ただ、この時期のダート戦は強い馬が集まりにくく、出走馬のレベルが低いのが特徴。相手が弱かっただけの可能性もある。相手強化は不安材料として上げておきたい。

 

セントキルダ

 

4週しかなかった函館開催で3戦して勝ち上がった。ダ1000mで大敗し、芝1200mを2戦して勝ち上がった。初戦は3番手につけて最終コーナーまでキープしていたがそこからの加速はなく上がりは下から2番目でズルズルと後退した。仕上げの問題もあったかもしれないが、追い出すまではレースの流れに乗れていたのでダート適性に問題があったと見るべきか。2戦目からはタイム差なしで走れているのでやはり芝馬なのだろう。全戦で序盤の立ち回りが上手く、ダッシュが利いて先行ポジションを取ることが出来る。2戦目では逃げたし、3戦目は先行ポジションから中団後ろまで下げる味な競馬。立ち回りに自在性があり、コントロールが利いたよい走り。前走は1k減の2着馬が抜けだしていて直線で4・5馬身の差があったがラスト1Fで一気に詰めて差し切った。控えてキレる脚を引き出せたのはよく、現状はどんな競馬でも出来る。最後まで減量騎手を乗せることなく勝ち上がっているので厩舎の評価もそれなりに高いと思われる。悪い馬ではなさそう。ただ、今回は1800mへの延長。全く違うカテゴリーに転戦するのでそこは何とも言えない。操縦性が良く、自在性も高いので上手く乗れば対応するのかもしれないが中距離適性はやはり未知数。テンの速い短距離戦を難なく乗り切れる序盤の立ち回りを見ると短距離適性は小さくないと思うのだがどうだろうか?3戦消化した馬なので上がり目も高くはないと思われる。

 

 

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