競走馬カルテ

2・3歳重賞の出走馬を分析・記録していくブログです。

ファルコンステークス(GⅢ) 出走馬カルテ

 

こんにちは。

 

近5年のレースを見てみたのですが、比較的差し決着になる事が多いようです。そんな中先行して結果を残した馬もいます。4角5番手以内から押し切れた先行馬は6頭しかいないのですけど、この中にはミスターメロディ、ラウダシオン、グレナディアガーズと言ったGⅠ馬が3頭。他の3頭中2頭も重賞好走馬でした。ファルコンSは序盤に33秒台の速いペースで流れる事が殆どです。だから差し決着になりやすいんですけど、そのキツイ流れを先行して乗り切ろうとすると能力に秀でた馬しか好走が許されないようです。脚質に応じた能力査定が重要になってくると思います。

 

ファルコンSは18日(土)に行われます。前日の17日(金)には更新を完了します。事前に把握出来た出走予定馬が少なかったのでカルテの作成がが完了しているものから更新していき、最終登録後に出走が分かったものは出来次第更新していきます。

 

予想案はページの最下部にある専用ページにまとめてあります。ブログカードを貼っておきますのでそちらをご覧ください。

 

ウメムスビ

・減量騎手器用で勝ち上がった馬なので定量戦となったOPや重賞では劣ってしまう。対等の勝負だと力差が出ている感じ。

・発馬が良いので大体逃げポジション。スピードの違いで行けるので序盤の立ち回りは良い印象。ペースコントロールも出来ているので激流を生むようなタイプではない。

・2勝馬だがどんな条件でも強いという感じはなく、相手関係や馬場などの制約を今後も受けるだろうと思う。

 

上記が朝日杯FS出走時のカルテ。

 

朝日杯FSが1.6秒差、マーガレットSが1.5秒差。着はどちらもケツから数えて3番目。スタートだけは良かった馬だが、出走馬のレベルが上がるにつれてその優位性を失いつつある。スタートダッシュを決められなくなってきた。マイルで序盤が遅くなった朝日杯FSはまだポジションが取れていたが、1200m戦のマーガレットSでは行ききる事が出来ずモマれ手しまう始末。中団まで位置取りが下がってしまった。他馬の成長も進んでくる頃合いでそれに合わせてスピードやパフォーマンスが低下してしまっている。ラストに速い脚を使える馬ではないので前付けして粘る競馬しか出来ない。序盤の立ち回りでセーフティを取れないとかなり厳しくなってしまう。1F延長の1400mならもう少し楽に前に行けるかもしれないが、それで粘れるような印象は持ちづらい。朝日杯FSを見るとラスト1Fを待たずして1300mぐらいで力尽きていた。距離にも限界がありそうである。1戦しか経験はないが、道悪は上手い方だと思うので天気次第の可能性は残されているがそれも僅かなものだろう。狙い目は立たない。

 

カルロヴェローチェ

 

現在3戦2勝。セレクトセールで2200万円なので高額馬というまでではないが、ここまで騎乗していたのはルメール騎手、福永騎手のトップジョッキー。関係者の期待は高そうだ。今回は武豊騎手が手綱を取る。新馬戦で負かした馬から2頭の2歳GⅠ馬が出ている他、2着馬はアイビーSを勝ち、3着馬は次走で10馬身差の圧勝。負かした馬は超強い。そんな新馬戦は阪神1800m戦。6月の新馬戦なのでペースも時計も遅いが、先行ポジションから上がり最速で2馬身差の完勝。追い出してからの反応が良く、鞭を入れる必要もない程加速出来ていた。ただ、中距離をやるには前進気勢が強めに出ている。2000mの野路菊Sもそれが影響して負けた感じがする。厩舎はソエの影響で堅い馬場を懸念して馬が走るのを止めてしまったと話しているが、距離は長くない方が良い印象は強かった。これを考慮したのか復帰戦はマイルの白梅賞を使ってきて、これを逃げ切り勝ち。スピードに任せて押し切ってしまった。シンザン記念より0.4秒も速い走破時計は価値十分。それでもまだスピードを御せていたとは言えず、折り合っているようには見えかった。この気性からすると1400mへさらに短縮するのはプラスに働きそうである。中京コースも問題なかったのでフルコンSは条件が好転する可能性が高い。能力面は高そうだし、スピードもある。重賞でも通用しそう。ただ、馬はまだ若く、ファルコンSはほぼフルゲートになるので多頭数になってモマれた場合に大丈夫かな?と言う不安も残る。スムーズに立ち回れる枠を引ければ。

 

サウザンサニー

 

1月の中山ダ1800mでデビューしたが2.4秒差の大敗。先行はしていたが、勝負所でもう手応えが怪しく直線は追っても伸びる事がなかった。仕上げの問題かもしれないが、距離が長いということでもあると思う。1ケ月後の次走はダ1200mに大幅に距離を短縮している。これを勝ち上がることになる。時計は標準的ではあるが、ラストの失速率の大きなレースで地力はあまり感じられない。極端に速い展開ではなかったのに4角で押っ付け気味の押し上げだったし、余力たっぷりで周ってくるような力強さは感じられない。このレベルで精一杯と言う感じがする。また、この馬の本質を探るヒントはダ1800mの新馬戦にあったのではないかと思う。63.4秒のスローペースだったが、後半に時計が速くなることもなく、ラスト3F区間がオール13秒台で、もう少しで14秒台と言うラップもあったほど。いくらダート戦とは言え、このペースでこの上がりはかかりすぎ。本馬はスローを先行していて、上がりもかかったいう事なし絶好の展開だった。のだが、この程度のペースでも手応えはなかった。これは距離の問題ではないと思うし、2.4秒も負けて良い展開ではない。距離が長かったとしても競走馬としてもう少し恰好をつけるべきだ。これは単純に能力面が劣っているのだと思う。勝ち上がった前走から感じた物足りなさも新馬戦の内容を見ると納得が出来る。芝は未知数だから完全否定も出来ないが、あらゆる面でかなり劣っていると思う。

 

スプレモフレイバー

 

7戦を消化しているが、前走で1400mを走った以外は1200mばかりをやってきた。1勝クラスの安定勢力とか、決め手の無いスプリンターと言った感じである。4角を手応え良く周ってくる割に勝ち切れないし、大した持ち時計もない。距離に関しては、前走だけで判断しなくてはならないが脚を余していた様なので走れる可能性は感じたが、どうだろうか?ただ、ここにきてレース振りに変化があるのは気になった。2走前から田辺騎手が騎乗するようになり、後方待機から脚を使うスタイルが定着している。それも大外強襲な運び方ではなく、馬群をスルスル切り分けて来る器用な立ち回りで上位に迫る。このスタイルをとるようになってから末脚は最速を記録するようになり、レースの見ためが良くなっている。0.2秒差、0.3秒差とタイム差も小さい。もう一列前で運べば入着の可能性を感じる。多頭数の重賞でこの馬に印を回すのは厳しい気もするが、ファルコンS2勝の田辺騎手が連続騎乗してくれるなら面白いかもしれない。3走目の騎乗で馬の理解度も上がっているだろう。さらに良さを引き出すこともあるかもしれない。

 

タマモブラックタイ

 

小倉1200mで新馬勝ちしてから砂芝問わず1800mまでの距離を全て経験したが馬券になる事が出来ず、2走前から1200m戦に戻し2着、1着と成績を安定させた。これだけ見ると典型的な短距離馬と言う印象。1400m戦はダートで経験したが、直線で伸びかけながらも止まっっている。芝マイルの新潟2歳Sは決め手負けの恰好だったし、ダ1800mは完全に止まり進んでいく事も出来なかった。砂芝と条件が違うので難しいのだが砂そのもはしっかりと追走出来ていたし、近2走が芝の稍重で連対していることからもダートはこなせていると見て良いと思われるため、馬券になれなかったレースは結局距離で負けたということだと思う。直線に入るまでは悪くない立ち回りで走れているのだが、直線の中程では勢いがなくなってしまう。芝の1400mは未経験なのでもう少しやれるかもしれないが1200m戦ほど力強くは走れないと思う。1200mならテン良し、中良し、終い良しの三拍子揃った良い走りが出来ている。それ以外の距離は終いの部分で物足りなく、1200m程には走れていない。相手次第な可能性は残しておいた方がよいが、何かに恵まれないと地力で勝ち負けに加わるのは難しいと思う。力のいる馬場、時計のかかる馬場なら他馬が苦しむ分だけ着を上げる事は出来そうだが、開幕2週目の馬場だとそれも難しい。道悪以外に好走の可能性は残されていないように思う。葵Sには出てくるのだろうからその時に改めてと言う感じ。

 

テラステラ

 

兄キングエルメス。勝ち上がるのに4戦を要したが現在2連勝中である。全5戦中4戦は3着以内と走ったが、1500m戦だけ7着と着差を大きくして負けている。1400mは前走で勝っているがスローペースで距離を誤魔化せた可能性もあるのでベスト距離の評価までは出来ない。こなせる範囲と言う見立てが妥当そう。勝ち上がりに時間がかかったのは、出遅れ、距離が長い、展開合わずとそれぞれに敗因があった。2連勝は消耗戦を控える競馬で差し切り勝ち、スローな流れを前付けして押し切り勝ちと展開に乗じたレースで好走している。要は噛み合うか合わないか次第ということ。噛み合えばシンザン記念2着馬にも勝てるが、噛み合わないとフェアリーS2着馬にも敗れてしまう。レースの結果は展開に即した競馬が出来るか次第になる。どんなレースでも勝ち負け出来るような地力はないが状況が整えば勝てるだけの力は持っているのだろう。矢作厩舎の馬なので使いながら馬がよくなっていて、それで流れに乗った競馬が出来るようになったのかもしれない。2連勝も真逆の展開を上手に運べたように自在に立ち回れた点で印象は良い。今回も上手にレースを運べれば入着出来る可能性はありそう。

 

バグラダス

・ダートから始めた馬が芝重賞で好走。芝に変わってもスタートは決まるし、序盤のスピードも十分だった。立ち回りも上手く、良く動けていた。

・府中1400m戦では離れた4番手の差しポジションから良い脚を引き出して差し切り勝ち。

・ここまでの3戦は砂芝、コース、距離とどれも違う条件。脚質にも幅がある。どんな条件でも力を出せる万能的な馬と言う感じになって来た。

・気性的な問題点も無く、鞍上の思うままに動かせる点は2歳戦では武器になる。

 

上記が朝日杯FS出走時のカルテ。

 

朝日杯FS5着。ドルチェモア、オールパフェと行った重賞勝ち馬と同じタイミングの好スタートでこの3頭がポンと飛び出した。しばらくは並走していたがインの5番手に控えることになった。2馬身ぐらいの等しい間隔で前に勝ち馬、後ろに4着馬がいた。この1・4・5着馬が勝ち筋に乗っていたということになる。朝日杯FSはイン前バイアスが強く働いていたレースで、ラチ沿いにいたこれら3頭の縦列競馬に力のあった2・3着馬が割って入ったということ。そう言う意味ではこの馬は恵まれていたクチ。その4着馬が共同通信杯で11着に大敗しているように本馬もGⅠ5着の実績は鵜呑みに出来ないところ。ただ、直線で狭くなり、進路が無い状況が直線でしばらく続いた点は考慮しておきたい。行こうとしていたコースをドルチェに先に取られてしまったので、インに切り替えていたところ先行2頭が頑張っていたので進路が無く踏み遅れた。敗因はこの部分でスムーズに捌けなかったことによる。見ようによっては、スタートから馬体を併せて進んでいたドルチェとはほぼ同じ競馬をしてたことになる。言い過ぎかもしれないが、ドルチェとはさほど差が無く、スムーズに立ち回れていれば際どかったかもしれないし、2・3着馬のどちらかは交わせていたかもしれない。小さく見積もっても4着馬には負けなかったはず。今回は1Fの短縮となるが、朝日杯FSでの追い出しの反応を見るとマイルはギリギリと言う感じなので1400mに戻すのは悪くはならないと思う。GⅠ5着は確かに恵まれてはいたが4着馬が挑戦したGⅡ戦の様に相手が強化される訳でもないのでファルコンSのメンバーだったら引き続き評価を高くしておく方が良い。前回も指摘した事だが適距離のGⅢなら常に印が必要な馬だと思われる。

 

ペースセッティング

・未勝利勝ちの内容は小倉2歳Sより北九州記念の方に近い猛ラップ。そんなレースを逃げ切りするのだからシンプルに強い。ラスト100mは流して勝ったほど。

・レース振りに遊びが無いのでスピード以外に強調出来る点は少ないが、そのスピードで負かした相手はスプリント路線の絶対王者。その速さは推して知るべし。

・1400mに距離を伸ばし、控える競馬で連敗中。溜めて差し脚を引き出す競馬で取りこぼしている印象。

 

上記がシンザン記念出走時のカルテ。

 

シンザン記念で逃げて2着。34.8-58.1の速いペースで飛ばして行く。後続もついて行くのが精いっぱいとなり、脚が溜る馬は無く、能力高い勝ち馬ライトクオンタム以外に脚を伸ばすことが出来なかった。この馬について来た1番人気クファシルは直線で力尽きている。ラスト3Fは全て失速ラップとなっていてこの馬自身も止まっていたが、消耗戦を仕掛けてそれに耐えたという内容は純粋に強い。この馬の個性を生かすにはこれ以上はない最高の競馬だった。ただ、当時の馬場は時計の出やすい状況で前を行く馬に有利でもあった。鞍上ムルザバエフ騎手という最高の乗り手が導いた結果とも言えるし、少頭数で相手に恵まれてもいた。シンザン記念はいろいろなモノが最高にかみ合っている。これ以上の状況・条件を揃えるのはなかなか難しいだろう。ファルコンSを走るにあたり、条件が好転するのは距離ぐらい。しかし、距離が短くなる分だけ速い馬も多くなり、前走の様な競馬にもちこめるだろうか?流れに併せて番手で行くのも良いが根本的にギアチェンジのない馬で決め手がない。ファルコンSが少頭数になる事は考えられず、フルゲート濃厚なレース。やはり楽なレース運びが出来るとは言えない。そして、ムルザバエフ騎手ももういない。今はクラシックやGⅠに併せて来日する短免の外国人騎手が絶妙にいない時期。より上手い騎手を宛がうのも難しそう。前走より悪くなる条件の方が多い感じがする。距離適性とスピード能力は高いが、ちょっとしたことでパフォを落とす可能性はある。今回は数いる候補の中の1頭ぐらいの評価が妥当かもしれない。

 

ミルトクレイモー

 

ドルチェモアが勝った新馬戦の3着馬だったが1500mを2戦、1400mを1戦して勝ち上がれなかった。最初のうちは完成度を生かして馬券になれてもいたが、今回と同じ条件だった3戦目は完璧な競馬をしながらも失速してしまった。最後に突き放されて負けてしまうので距離が長いという事になったのだと思う。距離を短縮することになるのだが、1200mにした途端に連勝を決めてしまう。以降も絶対王者ビッグシーザー相手に3着、4着と善戦。結局、この距離の馬と言うことなのだと思う。未勝利勝ちこそ永島騎手の4k減だったが1勝特別は定量で勝ち上がっているので力は通用している。未勝利勝ちはハイペの逃げて2馬身半、2勝目も2番手から押し切り2馬身半でレコード勝ち。圧勝と呼べる着差で勝ち上がっていてパフォーマンスは高い。距離適性の高さを十分に感じさせている。スタイルとしてはスピードを生かして押し切る競馬。1400m戦でも同じようなレースをして失速しているので、レース振りを比較すると1Fの壁は大きいように思われる。OPの2戦でもそこそこ通用しているようにこの距離なら上位に入る力関係。実際、OPの2戦はいずれも2番人気で絶対王者の次の評価を得ている。やはり1200mの馬と言う評価が色濃い。脚質としては、発馬上手く、楽に先手を取るタイプ。しかし、クラスが上がり同等のスピードを持つ馬が増えた事で簡単にはいけなくなっている。現状は番手を1列下げた3・4番手と言う運び方。それでもこの位置を楽に取れているので序盤の立ち回り安定して上手い。今回も早めの競馬で押し切りを図るしかないのだが、1400mでどうか?と言うところ。負けた当時から馬が強くなっているかもしれないのでダメと決めつける訳にはいかないが、マイラータイプの参戦もあるだけに厳しい印象は拭えない。

 

アームズレイン

 

スピードの勝っているタイプ。スタートや二の脚が速いので序盤で楽に先行態勢に入ってしまうが、そのままスピードに乗ってしまい、前進気勢が強めに出ている。速さまかせに行かせてしまうと結構強い。反面、ラスト1Fの失速は常に大きいタイプでもあり、その速さを持続させるには1400mだと長いという印象。4戦目までがダートで2勝という成績。芝は1200mのマーガレットSの1走のみ。マーガレットSは5着と負けたが出遅れて流れに乗り切れなかったのが敗因で芝適性とは関係がないと思う。ダート戦の芝スタート部分でも速さは際立っていて芝に抵抗は感じなかった。砂芝よりもやはり距離がシビアになってくると思う。マーガレットSの様に外を回るロスの大きい立ち回りだと1200mでも脚は持たない。3歳同士だと距離適性は何とかなってしまう場合も多いが、本馬の場合は現時点でも1400mでは厳しいという感じが強い。スピード任せで行って、消耗戦に持ち込むというのが勝ちのスタイルであり、それを1400mでやるのは厳しいのではないかと思う。この馬の力を発揮する形そのものがハードルになってしまいそう。

 

サトノグレイト

 

2着にやぶれた新馬戦では良い先行力を見せて逃げていたが、2戦目から行けなくなってしまう。2走目はそれで凡走した。が、3走目は諦めずに中団から差しに回ったがこれがハマって3着に。4走目の前走ではそう言う競馬に徹して差し切り勝ち。短距離の差し馬として完成した感じになった。前走も失速率が小さい流れを差し込んでいるので内容的にも悪くない。ただ、小倉の1200mなのでそう言う競馬がハマりやすいと言うのは言える。他のコースで同じように立ち回れるかは未知数だと思う。時計も遅いものなので強さの様なものもまだ見られない。1400mから初めて1200mを今走っているが1400mも距離がダメと言う感じはなかったし、控える競馬が板についてきたので距離はこなせて良いと思う。相手強化で強く推せる馬ではないため展開がハマればと言う評価しか出来ない。印に余裕があった時の穴評価と言う印象だった。

 

スーパーアグリ

 

1400mを中心に4走しているが新馬勝ち以降は勝ち切れない。良馬場の決め手勝負やスピード勝負で他馬に劣っている感じ。方や新馬勝ちが重馬場、3着だった前走が稍重と他馬が嫌がる条件で成績が良い。前走も内から捌き切れずに脚を余した入線でスムーズだったら勝っていたと言う内容。道悪でちょっと強いところがある。天気次第で評価を前後したほうが良いかもしれない。ただ、良馬場でもしっかりと走れているので道悪じゃないとダメと言う馬ではない。要するに、消耗戦やタフな展開で着が上がる体力勝負の馬なのだと思う。前掛かりなハードな展開になれば浮上の余地が大きくなるかもしれない。競馬振りは全戦で安定している。ポジションを取って先行しても良いし、中団で脚を溜める感じも良い。前走に至っては最後方追走から差し込んいた。どんな競馬も出来るタイプで操縦性は非常に高い。前走は捌けなかったが、馬群に怯む事もないので進路があればどこからでも突っ込んでこれそう。そんな悪い馬ではないので、条件さえ整えばチャンスはある1頭。

 

ハチメンロッピ

 

短距離のダート馬。差し・追いがメイン脚質の後半特化型。テンに置かれる馬なので位置取りはいつも後方から進めて、直線で最速上がりで勝ち争いに加わってくる。4戦して2勝2着1回の成績で末脚の発動率は高い。勝ち上がった府中1400mでは4馬身差の圧勝で、1勝クラスを勝ち上がった前走は中山1200mで度々目にする怒涛の追い込みを炸裂させた。直線に入ったところで10馬身ぐらいの差があったが1頭だけ次元の違う末脚でその伸びは際立っていた。馬券になったこの3走は極端な展開ハマリとは言えず、むしろ前の止まらない上がりの競馬を有無を言わせない末脚で圧倒してきた感じ。脚力はかなり高いと思われる。ただ、3走目の1度だけ惨敗の経験がある。これは流れがシビアなキツい展開で、この馬はいつもの様な待機策。本来は展開ハマりの1戦だが、なぜかこのレースで末脚が発動しなかった。これと言った敗因はレースで見られないが、強いて言えばいつもよりスタートが決まってしまったので序盤に欲を出してしまいポジションを取ろうとテンに急かしたことが良くなかったのかも。それで伸びを欠いたのかもしれない。その次走では急かすことなく後方待機に専念しているので従来の競馬をしていれば脚は使うのだと思う。芝は未経験なのでどういう結果になるかは分からないが、芝スタートの経験が多いが後方から進めるこの馬は芝部分でいつもダッシュが利いていない。ので、ちょっと判別しにくい。芝適性の見立てがないので評価は難しいが、展開がハマったらぐらいにはしておきたい。

 

メリオルヴィータ

 

芝を2戦して勝ち上がれず、ダートを使い初勝利を上げ、また芝を2戦して9着、4着と言う成績。このイメージ通りで良いと思う。芝の決め手勝負だと少々弱く、追い出してもギアが上がらない感じ。ダートで勝ち上がった時も前の馬が逆噴射気味に止まってくれたから辛うじて間に合ったというハナ差の辛勝。伸び脚は鈍かった。ラストの脚比べではほぼ負けているので重賞ではきつそう。ただ、ギアの無いワンペース型の馬に1400mは良いので、1400m戦の春菜賞でパフォーマンスを上げていた。中団待機から上がり2位の脚を使い差を詰める競馬が出来たのは収穫だった。初の短距離レースだったので好位を取れなかったことが敗因だったが、2戦目の慣れが見込める今回はポジショニングが向上するかも。この距離でそういう立ち回りが出来れば差し届く可能性は若干出て来る。33秒台の末脚は使えないのでドスロー展開だったら不要だと思うが、34秒後半の脚でなんとかなるなら出番があっても。他にも道悪とかの物理的な要因で上がりがかかればさらにイケる可能性が大きくなる。そういう場合の判断は慎重にしたい。

 

ファルコンS(GⅢ)の予想案はこちら▼