競走馬カルテ

2・3歳重賞の出走馬を分析・記録していくブログです。

スプリングステークス(GⅡ) 出走馬カルテ

 

こんにちは。

 

ディープインパクト記念が終了しましたが皐月賞はこれで決まり!みたいなレースにはならなかったように思います。牡馬路線は未だに確固とした馬は表れていない印象です。きっとこのまま本番を迎えてしまうのでしょう。レベルの高い低いは何とも言えませんが、拮抗した勢力図でどの馬にもチャンスありという皐月賞になるのだと思います。マイラーも参戦しやすい1800mのスプリングSから超有力馬が出走するとは思えませんが、差のないメンバー構成ならこのレースから本番で活躍する馬が出て来ても不思議ありません。しっかりと見極めておきたいと思います。

 

ちなみにですが、一昨年出来上がった「前走5着以下だった馬の3着以内無し」と言うデータは、昨年速くも崩れ去りました。そもそも前走5着以下の馬が占める出走数の割合は2割ぐらいだったので怪しいデータですよと昨年指摘したのですが、3着ホープフルSで13着だったサトノヘリオス(▲)が入線してその通りになりました。このように偶然出来上がってしまうデータも世の中にはあります。データの信憑性を検証するのも重要ですね。

 

スプリングSは19日(日)に行われます。前日の18日(土)には更新を完了します。出走予定の確認出来た馬からカルテを作成しています。出来上がっているものから更新していき、最終登録で確認したものは随時更新していきます。

 

予想案はページの最下部にある専用ページにまとめてあります。ブログカードを貼っておきますのでそちらをご覧ください。

 

アイスグリーン

・勝ち上がった1800m戦のように持続性が問われる展開の方が良い印象で、負けた新馬戦のようにマイルの決め手比べやスピード的要素が強まる条件は好ましくないのではないか?

・まだ馬が競馬を理解していない感じだが、レースセンスは高いように思う。

 

上記が新潟2歳S出走時のカルテ。

 

3走目だった新潟2歳Sは1番人気だったが5着まで。相変わらずレースセンスの良い立ち回り。追走面がよりスムーズになっており走りの質は良くなっていた。3走目で変わり身が確認出来る。ただ、それでも結局は決め手負け。バテて止まった訳ではなかったがラストの切れ味勝負で劣ってしまう。当時も指摘した事だが、持続力タイプで瞬発力勝負になりやすいマイルは適性がズレている。その通りの結果となった。厩舎も切れる脚よりも長く脚を使える馬と評していて、やはりこの手の重賞に使うべきではなかったと思う。ここで2月まで長い休養期間に入る。使い出しは小倉2000mのあすなろ賞でこれを勝ち2勝目。コーナー4つの条件は初めてだったので、乗り方はそれまで以前の先行策から中段待機の競馬を採った。向こう正面から動き出して2番手まで押し上げる自在性や4角手前から再度仕掛ける機動力も見どころ十分。厩舎評通り良い脚を長く使う。直線で2・3着馬に前に出られたがそれを差し返して勝った内容も良い。ラスト1000mは失速無しの長区間に及ぶ加速ラップ。これを押し切っているのだからやはり持続性が高い。2歳時は強い負荷をかけずに仕上げていたので成長の余地が大きかったのだと思う。まだ強くなる可能性はあり、これが軌道に乗ってきたら面白いのではないか?

 

ウィステリアリヴァ

 

2月の府中でデビューして府中1800mを連戦した。11番人気5着、12番人気1着という人気と結果がでたらめなら馬。ただ、逃げ切り勝ちした前走の内容は1週前に行われた共同通信杯と比較してもそう悪くない。60.5秒のペースから残り4Fを46.5秒で行けているなら弱い馬とは思えない。しかし、まだ完成途上と言う感じで動ききれていないように思う。首も上手く使えていないし、まだまだ緩そうで追い出してからの末脚にも迫力はない。この辺が人気にならない原因かもしれない。1戦毎の変わり身が大きいのかもしれないが、さすがにその辺は測りがたい。悪くないというだけで強調材料に欠けるのが現状である。良い処と言えば、馬の性格がよさそうなこと。初戦は馬群の中でもスムーズだったし、逃げた前走もコントロールが利いていた。折り合いに気になるようなところはない。もっと動けるようになってきたらそこそこ走れそうな感じはある。コース変わりがマイナスになる事はないと思うので、現状のデキで重賞のメンバー相手にどこまでやれるか?ぐらしか言いようがない。

 

オールパルフェ

・リズム良く、折り合いはついているが前進気勢はやや強めに出ている。現状は逃げた方が良さの出るタイプに見える。

デイリー杯2歳Sの勝ち方が優秀。持続性のあるペースで引っ張り、最後は瞬発力で後続にリードを取った。走りのバランスがとても良い。この勝ち時計は昨年のドウデュースより速く、GⅠでも通用する好時計。

 

上記が朝日杯FS出走時のカルテ。

 

同じ条件のデイリー杯2歳S朝日杯FS。どちらも逃げたが1着と6着と結果はリンクしなかった。朝日杯FSの各所の通過タイムはデ杯2歳Sより1.2秒速く、全体的にペースが速くなってしまい最後は消耗戦になってしまった。上がりの競馬に持ち込んでいたデ杯2歳Sとは逆の展開となったことが敗因である。勝ったドルチェモアを交わしてハナに立つまでに1Fぐらいかかっててしまい序盤に速いペースを刻んでしまった。ここまで苦労してハナに立つことは無かったのでこの馬には厳しいレースとなってしまった。それでもラスト1Fまでは先頭で0.5秒差の6着は頑張っていたと思う。相手にも拠るのだろうが、テンが35秒台までなら大丈夫、34秒台以上なら厳しいというのが一応の目安となりそうだ。ここまでの4戦は全て1600mで1800mをこなせる根拠は出てこない。マイル向きな前進気勢の強さがあるので距離延長がプラスに働くとは思えないが。良い材料はこの距離ならハナが楽に取れそうな事ぐらいだと思う。マイペースで粘り切れればと言うところ。ここはチャレンジ案件になる。スプリングS朝日杯FS出走組でクラシックを諦められないマイラーが使うレース。レースの結果で皐月賞へ向かうか、NHKマイルCにするかを決めるのだろう。果たして?

 

ラニット

・失速率の大きい消耗戦で好走して来たクチでキレる脚が使えない。ヨーイドンの競馬を回避したい。

・積極策をするようになっているがその走りも安定してきた。発馬も上手くなっていて中距離なら楽に先手が取れそう。

・マイぺで行けた時の残り目には注意したい。

 

上記が京成杯出走時のカルテ。

 

京成杯ブービーの8着。1000mを62.2秒で行けて、2・3馬身のリードを保った楽な単騎で逃げだったがダメだった。鞍上嶋田騎手曰く、途中から手応えが怪しくなったという。刻んでいたラップの加速が止まったのが7~8Fなので、この辺りで限界に近づいていたようだ。だとすると、マイルぐらいが距離の限界と言うことになってしまう。未勝利で1800mを勝っているので今回の距離はこなせる範囲ではありそう。距離が短縮するのは材料として良い。ただ、この時は2000mの京成杯よりもっと遅いペースで逃げていたもので、重賞でそこまでペースを落とせるとは思えない。あまり速いペースで逃げて行くと、この距離でもつらくなる可能性もあるかもしれない。同型や先行勢の構成次第だと思う。出来るだけ楽に行きたいが。それよりも2・3番手に控えて力を温存しながら進める方がもういいかもしれない。クラシック前のここまでくると楽に逃げるというハードルこそが厳しい。気性的に逃げている訳ではなく、決め手勝負を割けるために逃げているだけ。周りに合わせて進めても早めの競馬は出来ると思うのだが。

 

シーウィザード

・瞬時にトップスピードに乗れるので行き脚がついてからの脚が良い。それが安定した先行力となっていて、末脚を引き出す瞬発力にもなっている。

・ここまでの好走はスローの上がりの競馬でのもの。タイトな展開や持続性能に関しては担保がない。地力の問われる展開に対応出来るかが課題になる。

 

上記が京成杯出走時のカルテ。

 

京成杯7着。先行馬のほとんどが距離適性を敗因にしていたがこの馬だけは距離を敗因とはしていない。中山2000mに勝ち鞍があるので当然のことだが。レース後の談話では外差し決着になってしまったから負けたみたいなことだった。しかし、前日のレースではこの馬のコース取りが一番良くて通ったコースは正解だったはず。この理由では納得しづらい。外差し決着になったのは本馬も含めた先行組が止まったからなのでコースバイアスのせいにするの勘違い。ペースも楽だったのだから着に来ていないと行けない運び方。馬の状態もホープフルSより良かったとの事。もう敗因はこの馬の能力以外に考えられなくなった。要するに弱いということ。中山2000mの芙蓉Sの勝ち時計が2:04.4でこの時計ですら辛勝だった馬。単に時計を詰められていないだけの話でもある。1秒も、2秒も速いホープフルS京成杯は純粋に通用しなかっただけと言うしかない。時計面や能力的なものが原因となってしまったので距離を短縮したところで好走の可能性は出てこない。見直しの余地は極めて小さい。奇跡的にドスローにでもなって、その時に前めのポジションが取れていて、瞬発力勝負とかになったら可能性はあるのだが、さすがにそこまでの展開にはならないと思う。恵まれて掲示板でもあればいいところなのでは?

 

ジョウショーホープ

新馬勝ちのレースはスロー展開の割にラストの失速が大きい。もう少し速い上がりを使えてないと評価は高く出来ない。普通の馬の可能性。

・機動力の無い走りで後半に良い脚は使えていない印象。先行馬の上がりも上回れていないので末脚で勝負して良い馬ではないと思う。

 

上記が東スポ杯2歳S出走時のカルテ。

 

決め手勝負や速い上がりに不安を残していたので東スポ杯2歳Sは7着とは言え0.6秒差は頑張った方だと思う。もっと派手に負けると思っていたのでこれぐらい走られると馬鹿には出来ない。先行5番手で早めの積極先が功を奏したというのはあるが、ハイペースで先行組には楽な流れではなかった。この内容なら評価を上方修正しても良い。札幌2歳S4着も含めて1800mは十分対応出来ていると考えられる。次走にマイル戦を使っているが、この距離に戻るのは悪くない。その前走は中山1600mのひいらぎ賞。スタートから好位を取れ、徐々に押し上げ3番手でコーナーを回って来た。ゴール前の失速率が大きかったから間に合ったというのはあるが、我慢比べ的な追い比べはこの馬向きの展開でもあった。レース上がり35.0秒と時計がかかっていたことも勝因。個性通りの好走パターンと言える。スプリングSも上がりが極端に速くなる事は無く、34秒後半~35秒台が平均的な上がり。府中重賞よりは好走出来る条件になりそうだ。距離も許容範囲なので案外やれそうな下地がある。相手次第にはなるが、先行脚質なのも良いし、内枠でも引けば軽視しづらくなりそう。

 

セブンマジシャン

・コーナー4つの条件で経験値が豊富。内容も悪くない。コース適性も高そうだ。

新馬戦が2番手から上がり最速。2戦目が最後方から進めて上がり最速。真逆のレースで2勝した自在性は良い。脚質に幅があり、どんなレースも出来そうだ。

・ホープフルS6着は外目を回ったり、最終コーナーで接触があったりとロス・不利が目立った。スムーズに回れていればもう少しやれていた。

ホープフルSではスローに嫌気を出して向こう正面で口を割って行きたがっていた。折り合い面に課題を残す。

 

上記が京成杯出走時のカルテ。

 

京成杯は勝ち馬が最終コーナで膨らんで進路を切り替えるロス。立て直したところを2着馬の斜行で前に入られてしまいに手綱を引っ張るロス。2重の不利では悲惨だった。馬の手応えは良かったとの事なのでスムーズだったら勝ち馬とそう差がなかったのではないかと思う。結果は度外視で良い。ただ、京成杯の内容・結果はあまりアテにしない方が良いと思う。1000mを62.2秒のスローで、馬場の傾向からも前が残る展開。しかし、先行していた4頭中3頭が距離が長かったと話していて、こんな展開でも止まってしまった。だから外差しが決まったようなもの。より強力な中距離先行馬がいたらそれらが馬券になっていたはずで、この馬が追走していた位置取りから差しは決まらなかったと思う。実際、本馬はスローだったホープフルSで差し損ねている。相手が揃っていたら3着もあったかどうか?これは勝ったソールオリエンスも同じ。ロスや不利のあった馬が上位を占めたレースはあまり参考にすべきではない。また、折り合い面が少々不安材料となりそう。ホープフルSではスローで欠いていたし、京成杯の調教で跨ったルメール騎手もその点は感じたとのこと。コントロール出来ないほどではないが、つまらないことで消耗するのはもったいない。だから後方からの競馬になったのだと思う。もう少し自在に動かせないとこの先は楽ではなくなってくる。そう言う意味では1Fでも距離が短縮するのは良いことだろう。中山1800mは新馬勝ちしたコースでもあるし、負けたホープフルS京成杯と同じ条件の弥生賞DI記念よりは走りやすいのではないかと思う。折り合い面の不安が軽減され、スムーズに立ち回れれば勝ち負けの競馬が出来る条件だと思う。近2走は不利に泣いているので今度こそ何とかしたいところだろう。

 

 

トーセンアウローラ

 

4戦目の前走で勝ち上がり、全戦で1800mを走っている。ワンターンの新潟では気前よく行き過ぎて直線失速したが、中山・小倉の3戦は全て連対している。また、この3戦は全て丹内騎手が手綱を取っていて手が非常に合っている印象。インの4・5番手ぐらいがマイポジションでロス無く進められるレースセンスは良い。勝負所から動いて行く際の機動力も魅力的で、コーナー4つの条件がマッチしているのだと思う。また、丹内騎手もタイミング良く追い出していてこの馬の特徴を良く理解しているのだと思う。近2走は稍重、重の道悪競馬だったが、こういう条件も合っているようだ。2走前は最速上がりを記録していたし、前走は3馬身半の圧勝。他馬が苦しむような箇所で力強さを見せていて良いパフォーマンスを発揮している。体力勝負に強いパワータイプ。レース当日の天気次第では浮上の余地が大きくなる。中山1800mはセブンマジシャンが勝った新馬戦で2着しているので条件としては良い。ただ、ここまで枠に恵まれていて1勝2着2回の3走は全て赤枠。インポケットのマイポジションが容易に取れる状況だった。外枠にフラれた時にどのような立ち回りになるかが課題にはなりそうで、他頭数になった時のポジショニングも心配。器用な走りがウリなので外枠に入るとこの馬の良さが発揮しづらくなる可能性がある。出来るだけ良い枠を引きたい。また、持ち時計も無いので良馬場になった時のスピード競馬の適性も未知数。相手も強化されるので超えるべきハードルは結構多い。悪い馬ではないが、強烈な走りを披露している訳でもないので積極的な印は回せないかもしれない。天候や、馬場、枠などの諸条件がどこまで噛み合うかで印の評価は前後させた方が良い。

 

ハウゼ

 

新馬戦で使ったダートでは4.1秒の大敗を喫したが、それ以降の芝4戦は4着以下無しで走れている。新馬戦は無かった事にしまった方が良さそう。おっとりとしている馬なので馬まかせで追走しているとどんどん番手が下がってしまう。近3走に騎乗した岩田騎手、三浦騎手、バシュロ騎手は強引に馬を動かせるのでそれで2・3番手の競馬が出来ている感じ。道中も気合を入れている事が多く、前進気勢が弱い馬。勝った2勝を検証すると早めの競馬で押し切っているが最後の1Fの失速も大きい。1000m通過はいずれも62秒台で、2戦とも最後に1.0秒の失速っがある。このペースでそこまで失速するの?と言う感じがしてしまう。持続性に弱さを感じる。スプリングSのラストがここまで落ち込む事はないのでこの馬の性能では厳しいのではないかと思う。1800mもここまでの最短距離で2200mの水仙賞からの2Fは短縮しすぎかもしれない。おっとり型のこの馬にこの距離は忙しいのではないかと思う。

 

パクスオトマニカ

 

中距離で4戦2勝の成績。2戦目以降から逃げ馬になっている。新馬戦ではスロー展開を3番手追走で2着。瞬発力の差で3馬身も負けてしまう。勝ち馬とは同列でレースを運んでいたのでヨーイドンでこれだけ負けると決め手の無さが余計に目立つ。こういう負け方をした馬が早めの競馬にシフトして決め手勝負を回避するのは自然な流れ。次走から逃げるようになり未勝利戦を5馬身差で圧勝する。3走目の葉牡丹賞(中山2000m)は速いペースで行き過ぎて坂を前にして止まってしまったが、2勝目となった前走若竹賞は(1800m)でも、ビーアストニッシドが逃げ切った昨年のスプリングSより速い持続戦を展開してて勝利している。程よいペースで行ければ通用しそうな感じがある。猛烈なラップを刻んだり、心肺機能の高さで後続を疲弊させるような強い逃げ馬ではなさそうだが、自分のペースで行ければ残り目は無くはない。ただ、今回は同型がいるので単騎で行けるかは微妙なところ。行けたとしても競り合いでキツいラップを踏んでしまうかもしれないし、新馬戦の様に2・3番手の競馬をすると決め手で劣る可能性もある。今回の組み合わせだとこの馬の弱点が出やすそうな気がする。

 

ベラジオオペラ

 

阪神新馬、府中のセントポーリア賞と1800mを連勝中の無敗馬。勝ち時計は新馬稍重で、セント賞が良馬場でどらちもともに1:48.0だった。末脚は稍重だった新馬戦の方がキレていた。馬場と時計のパフォーマンスが逆転している妙な強さがある。2戦ともスタートをポンと出て楽に先行ポジションを取り押し切っていて、2戦とも33秒台の速い脚が使えていた。セント賞では2F目までハナを切っていたぐらいで序盤の立ち回りセンスも高い。2戦ともスローの上がりの競馬でレース内容は淡泊だが、共に走った2戦のメンバーは1勝クラスでは力のある馬ばかりで弱い馬を相手に連勝した訳ではない。能力的な評価は高めに見積もって良いと思う。また、初戦のレーン騎手も、2戦目の横山武騎手も道中で気合を付けているぐらいで馬はまだ本気で走っていないように思う。ズブい面は気になるが促せばちゃんと動いてくれるのでレースの流れに乗れない事はないと思う。前進気勢は弱いぐらいなので折り合い面に気になるところはない。余裕のあるレースぶりから時計もまだ詰められるだろう。2戦の内容にインパクトはないので強調材料に欠けるところもあるが、弱点らしいものはない。初の重賞挑戦でもそこそこ通用しそうな感じはある。

 

ホウオウビスケッツ

 

中山マイルで新馬勝ち、府中2000mのフリージア賞も勝ってデビュー2連勝の無敗馬。スタートをポンと出てこれでリードが取れてしまう。1完歩目が速くスタートセンスが抜群。そのまま逃げて勝っている。どちらの逃げ切りもタイトなラップを刻んで後続を疲弊させるもの。逃げ馬として強い部類。特にフリージア賞のレースは評価を高く出来る。前後半が61.6秒→57.7秒で後半1000mの持続性はレベルがとても高い。本馬を追いかけた2~4番手の馬は捉えるどころか逆に突き放されてしまい、本馬の上がりも上回れなかったほど。自身も最後は失速してしまうのだが、それ以上に後続を疲れさせてしまう。勝ち時計1:59.3も普通に優秀。スピードと心配機能の強さで勝負しているのだから強さとしては本物。マイル、2000mと走ってきて今回はその中間距離の1800m。スピード性能はより発揮しやすい条件。2勝以上の良いパフォおーマンスを発揮しそうな気がする。逃げて勝ち上がって来た馬が何頭かいるか、この馬について行くと潰れてしまうので競りかけてこないのではないかと思う。ここも逃げる前提で取り扱って大丈夫だと思う。中途半端な先行馬には厄介な存在となりそうだ。

 

ロゼル

・スタートが上手くないので後方から進めている。道中もちょっとズブいところがあるようだ。

・急かすことなくリズム重視で運ぶようになってから脚がしっかりと溜まるようになる。近3走は常に上がりを最速化している。

・1800mに拘って使っていたが生来のズブさからこの距離は忙しい。距離を延長するほどに立ち回りが向上している。きさらぎ賞が適鞍とは思えない。

 

上記がきさらぎ賞出走時のカルテ。

 

きさらぎ賞4着だがそれで評価を上げるのは躊躇いがある。きさらぎ賞は1・2着馬以外は1勝クラスでも厳しそうな面々。3着以下が3馬身と離されているように力差は大きかった。この時の1・2着馬の出走はないが、重賞好走馬や2勝馬など格上の馬が何頭もいるのだから楽ではない。組み合わせはより厳しくなっている。また、力の無さはレース振りにもしっかりと残っている。後半が前半より2.7秒も速くなった後傾戦でラスト1000m区間の持続戦に対応出来ずに負けている。上位2頭のレベルについて行く事が出来なかった様は能力差をしっかりと表している。未勝利時代は上位上がりを記録出来ていたが、上がり順で4位とクラスが上がって末脚の優位性も失っている。能力的にもやはり厳しく、この馬の脚力では皐月賞トライアルは厳しいと言わざるを得ない。皐月賞路線がひと段落すると有力馬の出走は減るのでチャンスがあるとしたらその頃ではなかろうか?もともと中距離でも距離が短い印象があり、青葉賞とか京都新聞杯辺りが適鞍だと思われる。相手弱化も伴うのでそう言う機会があれば再度検討してみたい。

 

アヴェッリーノ

 

7月31日にデビューして2月5日にやっと勝てた。芝を3戦してからダートに転向して9戦。トータル12戦目の勝ち上がり。当初は見ているこちらがつらくなるようなレース振り。スピードを競う競走を生業にするべきではない様な馬。許されるならふれあい牧場で子供を乗せているようなのが良いと思う。こんなことをさせる人間を許して欲しいと本気で思ってしまった。いつもけなげに走る頑張り屋さんです。しかし、そんな馬が変わり始めた。きっかけになったのは津村騎手が騎乗した5~7戦目の頃。それまではレースの流れに少しでも乗せようとスタートや道中で追い通しだったが、津村騎手は序盤から急かすことなく馬まかせにレースをさせていて、これで馬がリズムを覚えた感じになったのだと思う。終いだけはちゃんと動けるようになった。以降は自然と中位ぐらいで競馬が出来るようになり、掲示板に乗れるようになる。そして、前走でようやく勝利を掴む。タイム差1秒、2秒が当たり前だった馬がよくここまで来たと思う。先頭でゴールした時には本当に涙がちょちょ切れてしまった。感動的なストーリー。重賞でも頑張って欲しい。ファルコンSスプリングSに登録しているが、どちらの距離でもちゃんと走れるようになっているのでどちらに出ても違和感はない。ただ、1400mにしろ、1800mにしろ、時計は1秒半は違うので芝となるとさらにタイム差は大きくなりそう。勝った前走にしろ新馬がさらっと記録してしまうような時計でしかない。この馬に速さを求めるのは可哀想だ。

 

シルトホルン

・デビューから北海道で2戦したが洋芝が合わなかったようで、府中の高速馬場で勝ち上がる。中央場所のコースの方が適性が良いのかもしれない。

・府中戦を楽勝しており時計も優秀だが、最後は流していたので時計はもっと詰めれれていた可能性もある。重賞でも好走可能。

 

上記が東スポ杯2歳S出走時のカルテ。

 

東スポ杯2歳S8着。このレースで1つ前にいたのが7着ジョウショーホープ。この2頭で中山マイルのひいらぎ賞をワンツーすることになる。こういう所でも東スポ杯2歳Sのレベルの高さが証明されている。東スポ杯2歳Sではドゥラエレーデと競り合ってしまったためハイペースを作り出してしまった。さすがにバテてしまった。だが、ドウラエの方が厳しい運び方をしていたのに4着に頑張っていた。これに劣ってしまった事実は重く本馬がGⅠ級でない事がはっきりとしてしまった。次走のひいらぎ賞については前述したが、その次走が府中マイルの平場戦。勝ち馬ノッキングポイントに敗れてしまい、それっぽい馬には確実に負けてしまう。2着とはタイム差が無かった事からも条件戦レベルと言う気がしてしまう。また、前述のジョウショウとは2戦2敗の対戦成績。今回も厳しい戦いとなるだろう。馬の個性もだいぶはっきりとしてきた。発馬が決まる逃げ先行馬という認識。東スポ杯2歳Sでも当初ハナに経っていたのは本馬だったし、ひいらぎ賞ではスンナリとハナに立っていた。ただ、行く馬がいればハナにはこだわりを見せず、控えて先行集団の一角としてレースを進める事が出来る。しかし、相手が強くなるにしたがって末の甘さが目立っていて決め脚を繰り出す事が出来ない。逃げ粘り2着したひいらぎ賞でも最後の失速は大きかったし、こういうところがこの馬の物足りないところ。中山1800mなら立ち回りだけで勝負できるが直線で勝ち負けに加わるような脚力は感じられない。

 

ドンデンガエシ

・OP勝ちの2勝馬だがここまでのパフォーマンスはこじんまりしている。それほど優秀な末脚は持っていない印象。

・決め手の問われないレース・コースで成績が良い。決め脚比べで劣る可能性は高い。

 

上記が朝日杯FS出走時のカルテ。

 

朝日杯FS12着。その前走で逃げ切り勝ちしていた馬が後方待機。スタートも良くなかったのだが、馬に行く気もなかったようでラチ沿いを進めていた。勝負所からは手応え良くインを回り、ラチ沿いをスイスイと進出してきて良い感じ。展開もハマっていたので良いところまで来れそうな走り。のに、追わない。馬なりのまま持ったままで入線した。本当に何もしていない。鞍上は横山典騎手だった。ゲートが遅かったのはテンションが高くなったからだそうだが、レースで追わなかったのはそうした方が良かったと思ったからだそうで余人には知り得ない。追えば掲示板ぐらいはありそうな走りに見えたがそれも凡人の妄想・幻想といったところだろう。理解するのは難しい。それから2戦していてジュニアCとダートのヒヤシンスSを走ったが、9着、6着と小さくないタイム差で負けている。元々が逃げ馬だった訳ではないので中段待機の控える競馬をしているが、末脚性能はそこまでよい馬ではないので差を詰め切れないまま負けている。外回しの競馬で常にロスが大きくなっていた点は承知しておきたいが、上位の上がりを記録出来ていないのでやはり末脚で勝負するべき馬ではないのだと思う。使える脚は短いのでもう少し位置取りを改善するか、インを突くような工夫が欲しい。立ち回りで勝負して、最後に一脚使うぐらいの競馬でないとOPでは厳しい。今回も同じ競馬をするなら入着は難しいと思う。脚質を変化させる意向でもあればその時に改めて考えたい。

 

メタルスピード

 

2歳の8月下旬にデビューして4・4・3・3・1・1着という成績。ずっと戸崎騎手が手綱を取っている。スタートが上手く、ポジショニングも上手い。いつも器用に立ち回りレース振りも安定している。減量も無くコンスタントに好走して来た点は評価しておきたい。勝ち味に遅かったのは最後がどうしても甘くなってしまっていたから。先行しても、控えても一脚、二脚足りないもどかしいレースを続けていた。3走前からブリンカーも装着したが結果がすぐに出る事はなかった。そんな競馬振りに変化が合ったのが2走前。最終コーナーを回る時が力強くなっていた。余力たっぷりに直線をむけるようになり、最後までしっかりと伸びるようになった。1勝クラスの前走も横綱相撲の様に強い勝ちっぷり。ブリンカーの効果が出始めたのだろうが、能力と成長が噛み合ってきたのだと思う。デビューから半年でもう30kも馬体が大きくなっている。体重は常に増加傾向を示していたがようやく実になって来たのだろう。もともとレースの上手い馬であったが、力強さが加わった事で馬は明らかに強くなっている。上昇曲線を描きつつあると思う。ここまでほとんどマイル戦を走ってきたが、中山1800mは2走目に経験している。流れには乗れていて、勝ち負けに加われるようなレースは出来ていた。距離は大丈夫としておきたい。その時は4着だったが、今は馬が変わっているのでこの時と同じように見ない方が良いと思う。不安材料は特になく、力関係次第となる。なお、ずっと手綱を取って来た戸崎騎手はセブンマジシャンへ。

 

スプリングS(GⅡ)の予想案はこちら▼