競走馬カルテ

2・3歳重賞の出走馬を分析・記録していくブログです。

ホープフルステークス(GⅠ) 出走馬カルテ② 2023

 

こんにちは。

 

こちらは、

の、続きになります。ホープフルS(GⅠ)は28日(木)に行われます。前日の27日(水)には更新を完了します。

 

予想案は各ページの最下部にある専用ページにまとめてあります。ブログカードを貼っておきますのでそちらをご覧ください

 

 

ショウナンラプンタ

・追走力が弱く、所々で気合を入れられていたし、まだ走りに集中していない感じ。前進気勢が足りない

・スローの前残りだったが、6番手から差し切った内容は悪くない。後半58.5秒の流れだったことからも持続性の高さ、脚力の高さを確認出来、価値は高い。

・レースが加速するなか2馬身半差突き抜けた勝ち方は完勝で力は違っていた。

・勝負所でも追って追って騎手が必死に促していて、自ら走っていく自主性に欠けている。騎手が動かしていく必要がまだある。

 

上記が東スポ杯4歳S出走時のカルテ。

 

東スポ杯2歳S4着。新馬戦同様に序盤の立ち回りが良くない。今回ははっきりと出遅れたし、直線向くまで最後方。鞍上の乗り方を見ていると直線勝負と決め打ちしていた感じ。急かすことなく馬まかせの追走で伸び伸びと走らせていた。ラスト3Fはメンバー中1頭だけ33秒台を記録して、末脚勝負で良いところがあった。ただ、飛び抜けて凄い脚を使った訳ではなく、次位と0.2秒しか変らず、追い出すまでのレース振りからすれば、終いはもう少しキレていないと重賞では厳しい。新馬戦ではかなり長めのロングスパートを決めているのでラスト3Fだけの競馬だと良いとこが無い感じ。そう言う意味では1周条件のコースで長く脚を使った方が良いのかもしれない。が、新馬戦でも追走力が弱く、自ら進んでいく感じがない。この条件だと鞍上の手は常に動いている感じになるだろう。機動力もある方ではなく、端的に言ってズブいのだ。東スポ杯2歳Sの末脚にキレ味が伴わなかったのも同じ理由だと思う。また、厩舎の話では口向きの関係で左回りの方が良いと言うし、トビが大きいので広々としたコースの方が合うと言う。今回は適性と個性が噛み合わない。このズブさを見ると、本馬の活躍は2400m戦が始まる年明け2月以降からかもしれない。2戦とも最速上がりを記録しているように、後半に脚を使う事には安定感があるが、その末脚を器用に引き出せないのがこの馬の弱点の様に思う。最後は伸びて来れるだろうが、その時は勝負が決している可能性が高い。

 

タリフライン

 

府中1800mで新馬勝ち。出負けして後方2番手から。道中は促しながらの追走で追走力の弱さは気になった。1000m通過62.0秒のスロペだったので、かなりのズブさだと思う。直線に向くまで位置取りはほぼ変らず、直線勝負の競馬で、自在性や機動力と言ったものは一切感じなかった。しかし、11.8-11.3-11.0の加速ラップを差し切ってしまう。脚力の高さだろう。この展開を後方から差し切った内容は見どころがある。脚の回転が速く、切れ味鋭い。デビュー戦で33.4秒の末脚を使えるのだから優秀は優秀。府中2000mだったら重い印も打ちたくなるが、中山2000mでどうだろうか?立ち回りの上手さがまるでなかったので、未知数な部分が今回は大きい。せめて追走力ぐらいは良くなってくれるといいのだが。持っているものは良さげだが評価が難しい。

 

ディスペランツァ

・ラストの脚に見どころがなく、使える脚は短い印象。本質的に末脚で勝負するタイプではないように思う。

・スタートでちょっともたつくところがあるが、以降の走りはスムーズで、力強く、操縦性も良さそう。評価以上に走る可能性はある。

・2戦とも大外枠からだったので、内枠から器用に乗れればやれる可能性もちょっとある。

 

上記が京都2歳S出走時のカルテ。

 

京都2歳Sが6着。五分の発馬から馬まかせで後方に下がり、最初のコーナーで最後方、1~2角でも行く気を見せず、向こう正面でポツン待機のデキ上がり。最後尾から5~6馬身も離れて進めていた。デムーロ騎手らしくラスト5F過ぎから徐々に動き出し、3角で最後方の並びに取り付き、ラスト3Fぐらいからマクって一気に進出してきた。直線で勢いがつき、飲み込むかの脚を見せたが、あと50mで脚が上がる。坂で止まったのかもしれないが、さすがに脚がもたなかったようにも思う。脚を長く使いすぎた。これで0.2秒差なら悪くない。位置取りを少し変えるだけでいつでもハマる感じはあった。それまでの2戦は脚が短い印象だったので、控えて乗ればかなり良い脚を使えることが分かったのは収穫になる。ラストの失速もそこまで大きくないので極端にハマったとも言えないことから、これで評価を高められそう。好時計決着したレースでこれだけやれるとホープフルSでも可能性が出てくる。勝負所の立ち回りは使いながら精度を上げてきているので良い兆候。今回も乗り方次第と言う感じ。ここまでの3戦全てで外枠を引いているので、それで勝ち切れないところもあり、内枠を引いた時に面白いかもしれない。ただ、積極的に乗った未勝利と、末脚勝負でマクって動いた京都2歳Sでの上がりはどちらも35.2秒で実は使っている脚は同じ。となると、やはり使える脚に限界はあるということ。末脚は効率的に大事に使いたい。

 

テンエースワン

 

芝でデビューして3着だったがレコード駆けの勝ち馬に1.2秒差で速い決着に対応出来ていなかった。ただ、勝ち馬が速すぎただけで走破時計は標準より少し速いぐらい。この時計で走れていれば芝は問題ないのかも。レースの流れには乗れていたので、芝の走りもちゃんとしていた。それからの2走は京都のダ1800mを走っている。2戦して1・3着。砂もまた標準級の時計で走れている。負けた前走も出遅れが響いたもので、五分出れれば2勝目も間近い印象。ただ、砂に変ってパフォーマンスが向上した感じは無いのでどっちつかず。砂芝問わず水準級の走りは出来ているようだが、目立った何かがある訳でもないので重賞では推しづらい。基本的には位置を獲れる先行馬だと思うが、スタートが上手くないので前走の様に発馬で後手を踏むことも。現状は崩れていないので、自在性はあるが重賞で後手を踏むのはよろしく無く、それを挽回するほどの地力の高さは感じられない。直線の追い比べでも突き抜けるような強さがなく、叩き合ってなんとかと言う感じで、決め手があるタイプでもなさそう。条件戦なら印はいるが、GⅠで印を回せるような根拠はなかった。

 

ニューステソーロ

 

新潟1800m3着→府中2000m1着。新馬戦では超スロー戦を2番手から進めるも、一旦は交わした逃げ馬に差し返しをくらい、後方追走だった勝ち馬にまとめて飲み込まれた。33.7秒とそれなりの上がりを使ったが、決め手勝負に弱さを見せた感じ。2戦目では最内枠からコーナリングでハナに立ち、逃げ切っている。60.3秒のまぁまぁなペースで行って後続を完封。2馬身差で逃げ切った。決め手の甘さを先手必勝で補った感じ。しかし、後半は60.8秒と前半より時計がかかっている点は物足りなく、持続性に強味を感じない。このペースで逃げ馬を交わせないようでは相手に恵まれていたように感じる。逃げ切ったという事実から力は出し切っていると思われ、それ以上があるようには現状思えない。先行していけるセンスがあるのは良いが、評価出来るのはこれぐらい。決め手弱く、持続性にも強味がないとなると、普通の馬という印象。直線短いコースに替わる事はプラスなので、それでどこまで粘れるか?となる。

 

ホルトバージ

左回りだった2戦目までは直線で左によって行くクセがあり、2戦目ではよりひどくなっていた。右回りの方がよさそう。

・2戦とも最速上がりを記録しているが、末脚が際立っていると言えるものではない。

・初戦が34.4秒、2戦目が34.3秒と上がりに限界がありそうな印象もあり、いずれも3k減の減量騎手だったので、定量戦でこれ以上に末脚がキレるイメージは持ちにくい。

・騎手の力量不足も大きく、追えていないのが実情。ベテランに替わる事でパフォーマンスを上げる余地はある。

 

上記が新潟2歳S出走時のカルテ。

 

師匠の寺島調教師は昨年も明らかな格下馬に今村騎手を乗せて出走させたが最下位だった。GⅠでこう言う親心はちょっとウザい。今年はこの馬という訳だが、本馬も新潟2歳Sが2.1秒差のブービー、 紫菊賞が5頭立ての4着、萩Sが6頭立ての5着と、昇級後はブービー入線がデフォルト。昨年の最下位からブービーで入線するなら前進と言えるが、レース名の通り希望の持てる馬に埒をあけるべきだと思う。こういう馬は出来れば除外されて欲しい。この馬の根本的な弱点はラストに使える脚がないこと。ここまでの5戦の上がりは、34.3、34.4、35.0、34.4、34.5とほぼ同一の脚しか使えていない。使える上がりに限界があるので、中盤に構えているようでは先は見えない。せめて先行策を徹底して後続が来ない事を祈るしか手がない。でも、それが出来てもさすがに厳しいだろう。中央の自己条件は勝ち上がれないと思う。

 

ミスタージーティー

 

京都2000mで新馬勝ち。矢作厩舎で最も評価の高い2歳馬。でも、レース内容の評価は半々。素質はそれなりに示していたが、粗削りな面も目立っていた。63.4秒で1000mを通過したスロー戦で、ラスト4Fから失速率の小さな持続戦。後半は58.6秒まで加速しており、2歳新馬なら中身は濃い。2着馬も次戦で勝ち上がっており、それなりのレベルを担保したレースだったと思われる。そんなレースでこの馬はスタートで出負け、最初のコーナー最後方、「手が激しく動いている」と実況される程勝負処での手応えは劣勢、直線で外に出した際にヨレて追い出しも遅れて。スムーズさはかなり欠けていた。また、かかっていた訳ではないが、口は割れていて、隙を見せたら行ってしまいそうなところもあった。序盤は逆に前進気勢の弱そうな感じもあったし、勝負処ではズブいしと、所々で馬のやる気に違いがあって、乗り難しそうな印象を受ける。立ち回りの面で合格点は難しい。それでも勝てたのはラスト100mでの切れ味が凄かったから。直線でヨレた際に出来た前との差は大きく、前の馬も0.3秒しか失速しなかったので止まっていた馬はいなかった。普通ならボロ負けの内容。しかし、立て直してからの反応が機敏で、脚の回転が速く、一瞬で前との差を詰めてきて、差し切ってしまった。ラストの脚は見どころ十分で、この条件で33.7秒の上がりを記録出来るのだから、確かに凄いところはある。ただ、この新馬戦に関しては、8頭立てだったのでクリア出来た点も否めず、この馬の立ち回りの雑さは気になる材料。フルゲート18頭ではちょっと怖い。如何にスムーズに立ち回れるかが鍵となり、新馬戦で見せた末脚の良さを上手く引き出せるかはわからない。素質は認めて良いと思うが、この粗削りな面を少しでも解消して来てもらわないと高評価にしきれない。

 

レガレイラ

 

函館1800mを新馬勝ち。出負けして後手を踏むが、道中は中団で運ぶ事が出来た。62.5秒のスローで、上がりの競馬を差し切った内容は濃く、勝ち時計1:49.8も優秀な部類。逃げ馬が2着に粘る展開で、11.4-11.5と速い上がりでまとめており、直線で3・4馬身の差があったので普通なら届かないところ。それをねじ伏せて、2馬身差をつけているのは脚力の高さ。ちょっとモノが違う内容だった。しかも、2着馬は札幌2歳Sを勝つセットアップ。新馬戦での評価はかなり高くなる。しかし、1番人気で走ったアイビーSを3着と取りこぼしてしまう。勝ったダノンエアズロックはともかく、逃げた2着馬はその後京都2歳S9着と凡走しており、これを交わせなかったのは物足りない。ただ、これは仕方ない。使った上がりは勝ち馬エアズロックと同じ32.7秒。位置取りの分だけ負けた結果。また、逃げた2着馬の逃げはスローで63.1秒のペース。逃げ馬も33.2秒で上がっており、エアズロックもこれを交わすのに手間取っていた程。11.2-10.9-11.0のラスト3の速さは究極的で、これ以上の脚を使えと言うのは物理的に難しい。0.2秒差なら悲観する内容ではない。直接的な敗因は出負けにより番手が上位2頭の後ろになってしまった事による。よって、力負けとは考えられない。2走のパフォーマンスは高く、この馬も上位評価の必要な1頭になる。問題はスタート。2戦続けて出負けているので、多頭数のレースで後手を踏むとここまでの様にスムーズにはいかなくなる。落ち着きがないのか、好奇心が強いのか、ゲートの中ではいつも右を見て、左を見て、その瞬間にゲートが開き、よそ見をしている隙に出遅れてしまう。身体はじっとして落ち着いているが、ゲートに集中してくれないとここも出負けの可能性は大きい。それが無ければ勝ち負けの可能性もあるのだが。

 

ロジルーラー

・使える脚が短い印象で決め手優秀と言う感じを受けない。2戦して最速上がりを記録することもなく、他馬と同程度の脚しか使えていない印象。末脚は際立たない。

・福島の3~4コーナーでも追い通しでなんとかマクれたと言う感じ。機動力も弱く感じる。クラスが上がって苦労しそうな印象の方が強い。

 

上記が札幌2歳S出走時のカルテ。

 

札幌2歳S7着。スタートは上手く出たが、大外枠で好位は取れず中団に。序盤スローからラスト4Fで動く展開だったが、レースの加速が始まった途端に前との差が開く。押っ付けながら勝負処を回ったが、加速出来ずに雪崩れ込むように2.0秒差。前残りの展開で番手を下げて入線したのは弱さの証明になってしまう。勝負処の弱さも、福島の未勝利同様。肝心なところでズブさが出ている。次戦は12月の中山開催初日の葉牡丹賞で5着。ここでも好初決めて3番手のインポケットを確保。1000m61.7秒からの上がりの競馬で展開は超ドハマり。だったが、直線捌けず、追い出しが遅れて脚を余す。2着とはクビクビクビなのでスムーズだったら2着は合った内容でもったいなかった。勝ち馬は別格だったが、これぐらい走れれば1勝馬同士ならいいとこがある。ラストに脚が使えないので、中団以降で控えるのでなく、先行して脚を使い切る競馬の方がレースの内容は良くなっている。発馬自体はいいので、積極的な競馬を続けていくなら相手次第で評価の対象になる。ただ、上述したようにレースの流れはこの馬に味方していたもの。内枠だったのはも良かったし、9頭立てと頭数が少なかったことも良かったろう。フルゲート確実のGⅠだとまだ不確定な要素があり、地力で勝ち負けと言う根拠も殆どないので、よほど恵まれないと。

 

除外対象

ココナツキュート

 

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