競走馬カルテ

2・3歳重賞の出走馬を分析・記録していくブログです。

ホープフルステークス(GⅠ) 出走馬カルテ①

 

こんにちは。

 

>GⅠ昇格以降は1・2・3・4・8番人気の馬しか馬券絡みをしていません。数字合わせで予想すれば出走数がいくらあってもこの5頭のチョイスで完全的中間違いなし。

 

これは昨年のメインページで話した内容をコピペしたものです。なんとなく覚えてらっしゃる方もいるでしょうが、昨年の結果がこの予言通りに決まっていた事を把握している人はいないでしょう。

 

1着:キラーアビリティ(2番人気)
2着:ジャスティンパレス(4番人気)
3着:ラーグルフ(8番人気)

 

ほら、この通り。8番人気のラーグルフとか凄いと思いませんか?5頭で箱買いしておけば3連複は10点で7,680円、3連単なら60点で27,610円。儲けを十分確保できる配当でした。機会がなかったのでしませんでしたが、レース後すぐに自慢したくて堪らなかったのです。こんな予想をしなくてもちゃんと全券種で当たりましたが、昨年はこの予言が的中した事の方がうれしかったですね。さて、今年はどんな結果になるのでしょう?

 

なお、フルゲート18頭に対し19頭だが、既に回避馬が出ているので全馬出走可能になっています。今年は珍しく中距離重賞の東京スポーツ杯2歳S京都2歳Sの上位馬がほとんど出走して来ました。まずはレース毎に更新していく事にして、2勝馬、1勝馬の順で更新していきます。レースは28日(水)なので前日の27日(火)には更新を完了します。ページが長くなるようなら1ページ10000文字を目安に2枚、3枚と増やしていきます。

 

予想案は各ページの最下部にある専用ページにまとめてあります。ブログカードを貼っておきますのでそちらをご覧ください。

 

12/26追記:ページ上段の前説部分は同じものを転用しています。①②の行き来はページにブログカードを貼っておきますのでそちらから移動されて下さい▼

 

東京スポーツ杯2歳S(GⅡ)

 

勝ち時計の1:45.8はコントレイルのレコードには及ばないが、ダノンザキッド、イクイノックスの近2年と比べれば全然速く、過去10年では2番目に速い好時計。それだけにペースは35.2秒-58.9秒と流れていて、ラスト3Fは徐々に失速していく消耗戦。ラスト1Fの失速も大きく全体的にしんどい展開であったようだ。隊列は先行集団と後方集団の2つのグループが距離を取って進んでいたが、1~3着は後方集団の馬が占めた。これら3頭が使った上がりは33.8秒から34.0秒だったがタイトなペースでこれだけの末脚を使えていたのは地力の高さを示していると思われ上位馬の脚力は総じて高い。ただ、先行馬に不利な展開ながらほぼ逃げる競馬をしていた4着ドゥラエレーデの走りは驚異的である。決勝点では馬体を併せて入線していて強靭な心肺機能を感じさせる。一番強い競馬をした馬である事は間違いない事実であろう。

 

ホープフルSがGⅠに昇格してからの東京スポーツ杯2歳S組は相性が良く、コントレイル、ダノンザキッドと2年連続で優勝馬を輩出した。GⅠ昇格以降の成績は【2・0・1・6】となっている。昨年は出走馬ゼロだったが今年は1・3・4・5着の掲示板確保馬が出走してくるので2年ぶりに躍進が期待出来る。なお、面白いデータがある。17年~20年の4年間に出走した9頭で東スポ杯2歳Sで着が悪かった馬が着の良かった馬を逆転した例は1例も無い。今年を例に取れば、3着ハーツハーツコンが優勝したガストリックを逆転することは無く、4着ドゥラエレーデがハーツを逆転する事はないということ。東スポ杯2歳Sの結果はそのままスライドしていて、序列が変化する事はなかった。東スポ杯2歳Sの結果は厳格的に受け止めた方がいいのかもしれない。

 

1着:ガストリック

新馬戦ではメンバー的に抜けていたが、重賞レベルではそう抜けた存在とはまだ言えない。中の上か、上の下ぐらいの評価が妥当だと思われる

・10kの大型馬で使った効果はかなり見込める。終いのキレもより増す事を想定しておきたい。

・折り合いや追ってからの反応など操縦性に特に問題はないが、スタートを出遅れていたので今度はちゃんと出て欲しい。

 

上記が東京スポーツ杯2歳S出走時のカルテ。

 

新馬戦と同じ直線勝負の競馬で東スポ杯2歳Sを勝った。今回も出遅れたが新馬戦ほどではなく、後方集団の先頭ぐらいには位置取っていた。以降は目立つポジション移動はなく、折り合いをつけて馬なり追走。3コーナー付近になると1~3着馬が同じ位置取りとなっていた。2・3着馬が早めに動いて外に進出したのに対し、こちらは追い出しを遅らせていた。直線ではガラガラのインコースからロス無く抜けて来た。使った上がりは2着馬と変わらない2位上がり。最後は同じ脚色となったのでクビだけ耐える事が出来た。勝てた前提として立ち回りが完璧であったことが上げられる。スタートのロスもペース速めの消耗戦で相殺されていた。その上で勝因を上げるならやはり2・3着馬のロスに助けられた面がある。この馬自身のパフォーマンスも良いものだったが、着差もクビで差のない競馬だったことを踏まえるとやはり通ったコースの差が大きかった。これらと勝負付けを済ませて来たとは言えないだろう。まだ候補馬の1頭に過ぎないと思う。これで府中1800m2連勝だが中山2000mでどう乗るか?2戦とも上がり2Fぐらいの競馬をしているだけで使っている脚はそう長くない。操縦性は良いので器用に走れる可能性は感じるが、常に出遅れている馬なので今回の条件でそれをやると厳しくなる。この時期から春先にかけて中山コースはイン前競馬になりやすい。今までと同じ走りでは通用しないのではないか?条件が変わる事でプラスになる材料は現時点では多くない。新味を見せる必要がある。

 

2着:ハーツコンチェルト

新馬戦で8馬身差の大楽勝。これは相手が弱かったから。この着差は過大評価に繋がるのでそこは気を付けた方が良い。

・このペースの2000mで上がり33.9秒なら脚はかなりと見積れる。

・向こう正面でポジション調整をするなどレースに合わせて動けている点も自在性のある証拠。

・大型馬でまだ緩さを残していそうな造りをしていたので叩いた効果はかなり大きいと思う。

 

上記が東京スポーツ杯2歳S出走時のカルテ。

 

東京スポーツ杯は1番人気を裏切る3着。敗因は出遅れによるもの。スタートで小さくないロスを背負い込むレースとなった。序盤はそのまま待機策だったが、3コーナーで中段まで押し上げていた。だが、これも敗因。結果論だがインがガラガラだったので外を回さっずにインから脚を使っていれば前を捉えられていた可能性は高い。使った上がりは33.8秒の最速。このペースでこれだけの脚を使えるなら新馬戦より末脚の精度は向上していたと見て良い。この末脚でイン突きをかましていればもっとやれていたはずだ。1番人気だったからか松山騎手の焦りを感じさせる内容だったと思う。見直しの余地を多分に残した3着だったと言えそうだ。中京、府中と左回りで直線の長いコースで走っていて今回の様な条件は初めてになる。ただ、この馬はこなせそうな下地を感じる。騎手の導き通りに動ける自在性があり、コーナリングも速いので機動力ある走りは出来ると思う。東スポ杯2歳Sでは速さ負けしたようなところもあるので距離が延びるのも悪くないはず。終いはしっかりと脚を使える馬なのでゴール前はそこそこ来ていると思う。

 

4着:ドゥラエレーデ

・芝戦だと直線で脚を加速させる事が出来ていない。バテて止まったわけでもないのの、決め手のある馬に差されて負ける。

・砂への転向初戦を凄い内容で勝ち上がる。ハイペースのキツいレースを持ったままで突き放した様は力強い。能力そのものはやはり高い。

・レースセンスも良く、立ち回りも上手いので走りの印象も良い。

・東京スポ杯2歳Sでは早めの競馬をした馬でも速い脚が求められてしまうのでやはり差されてしまうように思う。

 

上記が東京スポーツ杯2歳出走時のカルテ。

 

2番手の馬がコーナリングで前に出る事もあったが向こう正面でハナを奪っていたのはこの馬。自分のペースをリズム良く進んで、他馬が来ても怯む感じはない。早いペースを積極的に運び、直線に入るところから追い始め、長い直線をずっと追い通し。かなりしんどい競馬をして0.2秒差の4着は実にエライ。ギアチャンジの無いワンペースな馬なので早めに吹かして脚を使い切る競馬。この馬の個性からしたらベストな乗り方であろう。ただ、馬の力を極限まで引き出すムーア騎手の功績も大きかったと思う。馬が力以上に走った感じは否めない。鞍上が変わるので戦力ダウンとしたいところ。だが、新たな鞍上にムルザバエフ騎を迎えた。19年からずっとドイツのリーディングでトップに君臨している方。日本人騎手よりは確実に乗れる方であろう。この方が鞍上なら東スポ杯2歳Sのパフォーマンスを維持する可能性は小さくない。そう仮定すると、GⅠ挑戦も無謀には思えない。条件がこの馬向きに好転するからだ。中山コースはこの馬にとってプラスになる。実際、1周条件の札幌では良い走りをしていて、重賞勝ち馬のドゥーラ相手に良く走っていた。スタートは安定して速いし、先行センスも高い。気性に難しい所も無く、立ち回りも上手い。直線が短いから決め手勝負も回避出来るし、コース的に上がりもかかる。この条件なら立ち回りで勝負できる。先手必勝の走りが確立して来たので今なら粘り込みの可能性は小さくないと思う。東スポ杯2歳Sで先着された馬よりは適性で上をいくのではないか?なお、蛇足だがムルザバエフ騎手はカザフスタン生まれの方なので容姿に欧州人ぽさはなく、見た目はアジア人とに近いと思った。

 

5着:フェイト

・新潟1800mの新馬戦は軽く促したのとヨレそうなところを矯正したぐらいでほぼ馬なりで勝った。

・ペースは流れていて負荷の大きく、上がりのかかるレースだった。この展開でこれだけの脚を使えていれば良いし、脚力もありそう。

・余力たっぷりだったから走破時計も上がりももっと速いものを記録できると思う。

 

上記が東京スポーツ杯2歳S出走時のカルテ。

 

東スポ杯2歳Sの道中は1~3着馬に交じって離れた後方集団で追走していた。この馬も上位に顔を出していないといけない。展開はハマッていたし、追い出しもスムーズで立ち回りに不利は無かった。が、この馬だけ伸び脚を欠いて止まってしまった。5着と掲示板には来たが力差が出た負け方。それに、キツいペースで逃げていた4着馬すら交わせていないのは情けない。新潟1800mの新馬戦で使った上がり(34.5秒)と同タイム上がりだった点も少々物足りない。現状は使える脚に限界がありそうだ。厩舎の話でも完成度が低く、良くなるのはこれからと言うこと。ただ、厩舎内の期待が高いリアルスティール産駒。この馬にはリアルスティールの現役時を担当していた人がついている。これも期待の表れであり、素材的には前走だけで見限れない。とは言え、今の状態では強調材料に欠けそうで前走からの上積みは欲しい。今回の成否は成長次第になる。

 

京都2歳S(GⅢ)

 

レースが行われた日はBコース変わりの初日でイン前バイアスが強く働いていたようだ。勝ち馬は逃げ切り、2・3着馬はインから伸びてきている。勝って当たり前みたいな感じだった1番人気グランヴィノスの敗因は馬場であったのだろう。外目から差しに来ていたので伸びを欠いた感じで負けた。ただ、だからと言って上位馬達が弱かったとは言い難い。60.4秒-60.1秒と前後半差のないバランスよいペース配分。程よいペースから後半に加速したレース内容は悪くない。それなりに地力は問われていたと思う。阪神競馬場で行われた過去2年よりも1秒から2秒弱速い勝ち時計も良い印象を与える。

 

勝ち馬グリューネグリーンは逃げ切りなので特に言う事もないが、ラスト5Fから徐々に加速して最後は良く凌いでいた。ただ、ラスト3Fは失速していたので止まりかけていた。アタマ差まで詰められていたので最後に残せたのは馬場の恩恵が少なからずあったからだと思う。また、2・3着馬にも曰くが付く内容。最終コーナーで2着トップナイフが内から3着ヴェルテンベルクを外に弾いている。コーナー部分でもあったのでこれでかなりの距離差が生まれてしまった。ヴェルテンはそこからよく盛り返して来ていたが脚を余して1馬身1/4差負けた。接触が無ければこの馬も勝ち馬グリューネと際どい走りをしていたのかもしれない。11番人気であったがこの馬も差のない評価が必要だろう。この3頭の序列評価はとても難しいと思う。

 

なお、京都2歳S東スポ杯2歳Sと同じでホープフルSで序列が逆転した事が無いのだが、今年の内容からするとそうとも言い切れない感じは強い。ちなみに過去10年の成績は【1・0・0・4】と相性の良いレースとは言えない。本番のコース形態を踏まえるとこちらの方に分があっていい気はするのだが。GⅠを意識した馬が集まる東スポ杯2歳S組は出走馬のレベルがそもそも高く、隙間重賞的な意味合いが強い京都2歳Sにはそう言う馬の出走は少ない。出走していた馬の能力はシビアに判断した方が良いのかもしれない。

 

1着:グリューネグリーン

新馬戦は上がりの競馬を好走し、未勝利戦は上がりがかかる展開を押し切った。どんなパターンでも好走に持ち込めるのは競馬センスが高いからであろう。

・立ち回りや折り合いなど特に問題点も無く、終いにしっかりと反応出来るので凡走がなさそうなタイプのように思う。

 

上記が京都2歳S出走時のカルテ。

 

3走目で初めて逃げた。スタートが良かった訳ではなかったが、ペースが遅いと見るやすぐさまハナを取りにいった。序盤のポジションセンスは本当に上手い。1~2コナーの中間で最下位入線馬が果敢にせめて来て前に出られるがコーナリングでハナを奪い返していた。以降も3コーナー付近まで絡まれており、この馬も楽な逃げ態勢と言う訳ではなかった。それでもラスト5Fから徐々にペース上げていき、消耗戦に持ち込んだ強い内容である。最終コーナーで今度は4着馬が攻めて来たがこれも直線でつき離して一端は完全に抜け出している。最後は失速して2着馬に詰められたが、プレッシャーの多い中逃げ切った内容は評価出来る。持続性は高そうだったし、大きくバテなかった心肺機能も高いように思えた。2戦目までに見せていたセンスの良さは京都2歳Sでも十分感じられた。2・3着馬も差のない競馬だったので再戦すれば結果は変わりそうだが、逃げない競馬もして来た馬でどんな流れにも対応出来る。今回も乗り方一つ。初対戦の馬も多いので力関係次第だが、再度の好走は全然あると思う。

 

2着:トップナイフ

・レースを使く度にスタートや行きっぷりが良化していった。故に臨戦過多だが、昆厩舎の管理馬なのでこれを問題視する事は出来ない。

・ラストに加速するギアは無い感じ。ワンペースの競馬を常にしている。より速い上がりを記録する馬がいれば負けるし、いなければ好走を果たすといったところ。

・緩急の有るレースよりも、タイトな持続戦で良さが出るタイプと見ていい。

 

上記が京都2歳S出走時のカルテ。

 

決め手に弱い馬なので最後に差し切れなかったのはそんなところも影響したかもしれない。ワンペースなタイプなので持続戦には強いが、京都2歳Sの様な消耗戦でも強さを見せる。やはり、加速は出来なくても減速もしないということだろう。出走したほとんどの馬がバテていたのでこの馬の上がりでも最速を記録する事になった。一定のペースで走りきれる良さが出た感じ。そう言う意味では展開は味方したのだろう。瞬発力の重要性が高まる、府中や京都なら分からないが、中山や京都2歳Sの様な内回り1周条件なら確実に力を出し切れるのではないか?ホープフルSの条件も合っていると思う。ここまで先行策で脚を使い切る競馬をして来たが、中段に控える競馬で結果を出せたのも良い。前走で6走目であったがそれでもまだ上積みがあると厩舎は話していて、レースを使いながら馬を仕上げる昆厩舎の良さが出ている。デビュー5ケ月で7走目なのでさすがに前走以上と言う事はないと思うが、変わり身ならまだあるかもしれない。馬もタフであるようなので状態維持ぐらいで出走させて来れると思う。ホープフルSにはまだこれと言った必勝ローテも無いので、この馬の臨戦過程を不安材料としない方が良さそう。

 

3着:ヴェルテンベルク

・2戦とも上がりは最速で脚力上位の走りを見せている。

・スタートがもっさりしていて発馬は良くない。二の脚でポジション調整出来るので立ち回りは上手い。

・現状は機動力も少々弱い。力がつききっていない感じで動ききれていないように思う。

・素質がありそうな感じはあるが現状では粗さも目立つ。良くなるのはこれからだろう。

 

上記が京都2歳S出走時のカルテ。

 

小倉で未勝利を勝ってから京都2歳Sまでの約3ケ月、この間に馬は急成長を遂げたとのこと。確かに序盤の行きっぷりは良くなっていたし、程よい前進気勢も出ていて未勝利時に物足りなかった面が改善されていた。騎手の指示にも従えていて操作性も高まっていたように思う。ラスト5F標前から動かして行ったので使っている脚も長く、最終コーナーで致命的な不利を挽回して最後に詰めて来た内容は底知れない感じがある。11番人気で世間の評価はとても低かったが、これだけの不利があり脚を余した3着馬にフロック性は見いだせない。前走からの変わり身が大きく、地力の高いところを見せたと思う。同厩に今年の菊花賞2着馬がいるのだが、それと比較しても同等かそれ以上の馬になると厩舎の評価は非常に高い。賞金加算も出来なかった所詮1勝馬ではあるが、大半が同じようなメンバーだしそう気にならない。とにかくノビシロの大きい馬であるようだから、前走以上の走りをされても驚けない。不利なく、スムーズに回ってこれたらいいところはありそうだ。

 

◆2勝馬

 

キングズレイン

 

①函館1800mの新馬戦、洋芝の重馬場で3着②札幌1800mの未勝利戦、洋芝の良馬場で辛勝③府中1800mの百日草特別、高速馬場の良馬場で完勝。①よりも②の方が走りが良くなっており、②より③の方がさらにレース運びが良くなっている。時計が速くなる環境になるにつれパフォーマンスがはっきりと向上している。発馬やポジショニングが目に見えて良くなっていて、追ってからの反応も1戦毎に俊敏になっていった。着差も同様に大きくなっている。使いながらよくなって来たとも言えるが、これだけ変化がはっきりしていると時計勝負、スピード勝負の方が向いているタイプと考えて良いと思う。少なくとも百日草特別の結果からはそう読み取る事が出来る。このレースが1800mから2000mに変更になった過去9ケ年の中で勝ち時計(1:59.7)は断トツで最速であったし、これはエフフォーリアが勝った2年前よりもずっと速い。それに2歳馬が2000mを2分を切って走っただけでも普通にエライ。ラストは流す感じの余裕もあったし、持続戦で強い内容であった。コーナー4つの1周条件も洋芝戦2戦で対応は出来ていたし、ちゃんと動いてくれるだろう。暮れの中山は馬場がタフになるので時計はかかるかもしれないが、遅い分には許容範囲であろうし、北海道のコースよりはずっとマシ。発馬良く、ポジショニングが安定しいるし、馬群の中でも平常心で回ってこれる。ホープフルSはやれる条件と見て良い。相手関係以外に不安材料はナシになる。内枠でも引いたら面白いのではないか?

 

シーウィザード

・瞬時にトップスピードに乗れる馬であるようで行き脚がついてからの脚が良い。

・勝負所の7F目では13.5秒→12.2秒と一気に加速している。瞬発力は相当に高い。

・逃げていたので分かりずらいが決め手は優秀そうである。持続戦や高速馬場への対応等は未知だがその瞬発力は侮れない。

 

上記が新潟2歳S出走時のカルテ。

 

3着だった新潟2歳Sは勝ち馬が2歳GⅠで14着だったが、4着馬は5着だった。このレースは戦前からレベルが低いという前提で話ているが、瞬発力・切れ味だけの勝負になっているので弱い馬向けのレースだったという事が言える。4着だったバグラダスはその後持続戦でタフな底力が求められるレースでパフォーマンスを上げている。このことから、新潟2歳Sは弱い馬に有利な展開でバグラの様な力のある馬が力を発揮出来なかったと仮定する事が出来る。つまり、上位馬は強くないという結論を導く事になる。本馬は新潟2歳S後に中山2000mの芙蓉Sを完勝しているが、この勝利こそがこの仮説を証明している。65.1秒通過の超スローでラスト3F勝負の上がりの競馬になっていた。距離は違えど新潟2歳Sと同じく地力の問われない展開を好走したに過ぎない。これでは印象が良くならない。実際、12月初めに行われた同条件の葉牡丹賞の勝ち時計は芙蓉Sより実に5.3秒も速い。馬場状況は秋開催だった芙蓉Sの方が圧倒的に有利なはずなのでこれだけ時計が遅いのはダメと思う。芙蓉Sでは超スローの流れを3番手で運んでいて、展開は向いていたし、このペースならもっと速い上がりを記録すべきだし、強い馬なら突き抜けていないといけない。それがクビ差の辛勝だと評価の対象には出来ないだろう。新潟2歳Sでもペース的にはもっと上がりを高速化出来たはずであり、この馬の末脚は安定しているがそこまで圧倒的な脚は使っていないという分析になる。成績表は非常に綺麗な馬だが、なにかと恵まれてここまで来た印象が強く、地力の高さを証明してきたわけではない。そう言うレースをしてないだけの可能性もあるので、これだけでこの馬を弱いと決めつけるのはさすがに暴論になるのだが強さが証明されていないのでGⅠで他と比べた時に強調材料がなくなってしまう。強さがあるならカルテを改めるのでここでしっかり見せて欲しい。

 

ホープフルSの予想案はこちら▼