競走馬カルテ

2・3歳重賞の出走馬を分析・記録していくブログです。

安田記念(GⅠ) 出走馬カルテ②

 

こんにちは。

 

こちらは、

 

の、続きになります。↑では3・4・7歳馬の9頭のカルテを作成しています。こちらのページでは5・6歳馬9頭のカルテを作成します。安田記念は6月4日(日)に行われます。前日の3日(土)には更新を完了します。

 

予想案は各ページの最下部にある専用ページにまとめてあります。ブログカードを貼っておきますのでそちらをご覧ください。

 

5歳馬

 

近年は4歳馬の勢いに押されていますがそれ以前は5歳馬がこのレースの中心でした。という事でもないですね。【3・5・3・38】という成績で勝利したのは3頭だけ。ちょっと前までは6歳以上の好走が目立つレースだったので5歳馬だけが強かった訳でもありませんでした。しかし、近年は活躍年齢が若年化してきているので5歳世代の活躍は相対的に減っていません。基本的に若い馬に有利なレースですので5歳よりは4歳ですが、6歳よりは5歳で良いと思います。

 

イルーシヴパンサー

 

昨年の一番人気だった馬ですね。後方を追走していたらスローペースにハマって8着まででした。それでも最速タイの上がりで追込み0.2秒差まで詰めてきています。今年はこんな競馬はしないでしょうから昨年以上の走りが期待出来そうです。ただ、その後の1年が強いのか弱いのかと言う感じになっちゃっています。まず、その後の3走を整理しておきたいと思います。

 

関屋記念11着

キレる脚があるので厩舎はいつも良馬場を希望しています。稍重が影響して負けた可能性もあるでしょう。が、最も大きな敗因は乗り替わりだと思われます。前任者の田辺騎手曰く乗り難しいところがあるとの事だったので木幡巧騎手が上手く力を発揮出来なかったのかもしれません。と言うか、そうならないようにと岩田望騎手に調教で感触をつかんでもらってたのですがその岩田望騎手が負傷して急な乗り替わりとなりました。木幡巧騎手にしてみれば全くのテン乗りだったのでちょっと厳しかったのかもしれません。また、状態も少し良くなかったかもしれませんね。レース後に反動が出て秋に目標としていたマイルCSなど全てを白紙に戻して長めの休養を取ることになりました。

 

京都金杯1着

完調と言う声は聞こえませんでしたがだいぶ元気を取り戻したようで厩舎のムードは良かったです。外から差して襲い掛かる事が多かったですが、インで溜めてインから差した競馬振りも良かったと思います。トップハンデ58kで勝てたことも評価が高い。良くない流れをここで立ち切れた事は大きかったですね。また、GⅠ路線を行くには賞金的に心許ない状況だったので陣営としては京都金杯か次走の東京新聞杯で賞金を加算させたい意図がありました。早期に達成できた事で後が楽になりました。

 

中山記念8着

本当は東京新聞杯を使うという話だったのですがどういう訳かまったぐ違うカテゴリーのこのレースに。どうも馬が本格化してきたのでこういうレースを使っていろいろと試したくなったのだそうです。賞金不足も解消されたのでこういう事ができたのでしょう。この経験が本番に繋がればと言う考えを持っていたようです。確かにこのレースの立ち回りは今までに見せた事のないこの馬の姿でした。先行ポジションからレースを進めて脚もたまっていた様子。勝負所からもちゃんと動けていましたし、脚も使えていました。あいにく直線で狭くなり追えなくなり詰め切れませんでしたが。騎乗していたデムーロ騎手も早めに諦めているので結果は気にする必要はないですね。こういうレースを経験できた事が馬には良かったのかもしれません。経験値を上げて来てくるもしれません。

 

このような変遷をたどって再び安田記念に戻って来ました。近2走の内容から馬はちゃんと動けるようになっていて昨秋の全休を経てしっかりと立ち直ったようです。インの狭いところで上手く立ち回れるようになっているので陣営の言うようにレースの幅は広がっている印象。充実期に入ったようなコメントも出ていることから改めて評価を高める必要があると感じます。

 

また、3歳の条件戦時代からこの馬には府中のマイルが一番適していると見立てられていて安田記念には拘りがあります。ここはしっかりと仕上げて来るはずです。相手は去年より骨っぽくなりましたし、近走の成績からもう1番人気の支持を受けることもないでしょう。しかし、この馬の力が衰えたとかはないですし、去年よりバージョンを上げています。昨年以上の結果も十分に期待出来ると思います。

 

馬場に関してですが過去の発言にはキレ味を武器にしているので良馬場の方が良いという話は出ています。本格化の兆しが見えているので多少の道悪なら克服してくれるかもしれません。が、最高のパフォーマンスを発揮するにはパンパンの馬場が最良と言うのは間違いないでしょう。週末の天気は有難くないですね。

 

ジャックドール

 

初距離のマイルで大丈夫なんだろうか?テンが速くなるんで逃げれるだろうか?っていう風になっていますよね。でも、こういう騒がれ方って何年か前に同じ事がありましたよね?それまで中距離の逃げ馬だった馬が初めてのマイルで大丈夫か?しかもGⅠレースで逃げれるか?っていうのがちょっと前にもありました。19年にフェブラリーSを勝ったインティの時です。この時も今回のジャックドールと同じ騒がれ方をしていました。でも、ちゃんと逃げ切っちゃいましたからね。武豊騎手は。今回もまた逃げ切ってしまうかもしれませんよ。砂と芝でカテゴリーは違いますけど、府中のマイルGⅠってとこは同じですから。武豊騎手も同じ事を考えているんじゃないでしょうか?

 

実際、ここは逃げれると思います。まず同型が不在な組み合わせであること。考えられるのは横山典騎手が逃げの手を打つ奇襲に出たり、メイケイエールが距離延長で御しきれなくなった時ぐらい。それとて相手の動向見てからになると思うのでゲート後すぐに主張してくることもないと思います。また、この馬のゲートセンスの高さはかなりのものであり、開いた瞬間にポンと飛び出せて行けるためハナを主張しやすいと思います。マイルだと中距離馬の二の脚では厳しいかもしれませんが、ギアを上げていければ単騎に持ち込む事は出来ると思います。そうなればインティの時のように豊逃げが炸裂します。スローに落としてとしまうこともあるので予め考えておくべき展開想定かもしれません。

 

そして、行けるなら行ってしまった方が良いですね。この馬自身は番手が利くようになっているので逃げなくても2・3番手で行く事は可能でしょう。ですが、昨秋の天皇賞(秋)が象徴していますが決め手勝負で勝ち負けに持ち込めるような脚は持っていないと思います。マイルなら尚更でしょう。大阪杯で2着に負かしたスターズオンアースがヴィクトリアMでマイル向きの瞬発力が無いために負けた事は記憶にも新しい。逃げて勝てる保証はないですけど、早めに抜け出して後続を封じる乗り方の方が着が上に来る可能性は高いと思います。

 

さて、大阪杯で念願だったGⅠ馬になれました。ただ、当時も指摘しましたが大阪杯は本当に強い馬が勝つレースではなく、一番上手に立ち回った馬が勝つレースなので大阪杯を勝ったからと言って絶対的な存在まで昇華したという事でもないでしょう。ましてや初距離GⅠになりますからここで抜けた存在にはなりえません。また、これもその時に話した事ですが府中GⅠだと直線が長く、決め手のある馬の標的になりやすい。だから直線の短いコーナー4つのコースの方が良い馬だと思います。この点については陣営も同様に考えているようです。GⅠを勝つなら大阪杯以外にないと前走時に話しています。だとすると、安田記念は勝つべきレースとは言えないのかもしれません。今回はやってみないと分からないところが多いですね。

 

仮に自分の競馬に徹したとしても府中でやっている限りやはり標的になってしまうと思います。中距離と違ってマイラーはゴールまでスピードを持続させますから簡単に振り切れないでしょうし、その切れ味もハンパではありません。逃げれるかどうかと言うよりも、マイラー相手に最後まで凌げるかと言うことで悩むべきかもしれません。

 

シュネルマイスター

 

この馬はノーザンF産のGⅠ馬にしては前哨戦を確実に使ってきますね。昨秋なんか不適距離のスプリンターズSを叩き台にしていましたし、今回も中山記念マイラーズCを使っての参戦です。使って良くなるタイプなのかもしれませんね。2走も使わなくても良かったんじゃないの?って気もするのですが4歳時に未勝利で終わった事で陣営が正念場を迎えているような感じがありました。一度叩いてGⅡ勝利って事に拘りがあったのかもしれません。

 

実際、今年の2戦は悪い流れを断ち切ろうと様々な施策を施しています。中山記念の時はイレ込み対策として厩舎装鞍をするなど気持ちが高ぶらないように注意を払って慎重にレースに挑んでいました。マイラーズCでは関東圏と同じ当日輸送が出来るように栗東滞在をしてまで勝負に挑んでいます。どうも遠征競馬に弱いらしく輸送して1泊、2泊としてしまうとテンションが上がったり、調子が落ちたりしてしまうのだそうです。

 

と、このように不完全燃焼で終わってしまった4歳時を教訓に実りのある5歳を迎えようと本気度が非常に高いのが今のシュネマ陣営です。府中のマイル戦なら失敗は許されないぐらいの必勝態勢となるでしょう。今年3走目になるので使いすぎみたいな感じもありますが、よくよく見るとそんな事も無いかもです。中山記念が+14k、マイラーズCが-14kと馬体重が大幅に増えていたので使う事でシェイプアップされたのだと思います。4歳時の4走中3走が490kだったようにこの馬はこの目方が一番良い状態なのでしょう。マイラーズCでもぴたりとそれに合わせて来ました。今回も同じぐらいの馬体重で出れ来れれば力を発揮出来ると考えて良いと思います。

 

4歳時の4敗についてはそれぞれに理由がはっきりとしています。今回は省略させてもらいますが能力が低下したという事は全く無いので勝った前走を素直に評価して良いと思います。不安材料があるならマイラーズC組(【1・0・4・32】)のレース相性ぐらいでしょう。当日輸送で競馬が出来て、得意な府中のマイル戦なら走らないイメージを持つのは難しいですね。陣営の勝負度合いも高い訳ですし。上位争いには確実に加わって来そうです。後は展開とか当日の馬場状況とかで微調整して印を決めれば良いと思います。

 

なお、ここまで良馬場のレースしかしていないので道悪適性は未知数ですが、厩舎ではドイツ血統なので重い馬場でも問題はないと過去に話していたことがあります。ただ、スピードの持続性能が高い馬で好走している時は大体時計勝負になっていますし、取りこぼしている時はそうじゃない時。良馬場の方が強いというのはあるんだとは思います。

 

ソウルラッシュ

 

マイラーズCを勝ち4連勝で挑んだ昨年に言われていた事は良馬場で大丈夫?みたいな事でした。4連勝中の3勝が道悪でのもので稍重だったマイラーズCの勝ち方も鮮やかだったことから道悪専用みたいな印象を残していたからです。安田記念では良馬場適性を証明出来ませんでしたが、その後の3戦で問題無く走れていますので今は良馬場を不安材料に上げる必用ないでしょう。むしろ今週末の天気を考慮すれば今年は恰好の舞台となります。荒天を一番喜んでいる陣営かもしれません。

 

また、良馬場でもそれなりに走ってはいますがやっぱり道悪の方がこの馬には良いと思います。富士SマイルCSマイラーズCのいずれも力強く最終コーナーを回って来るのですが手応えの割に突き抜けが甘いと感じます。道悪3連勝の頃は最速上がり連発していましたが、それ以降の4戦は富士Sの2位上がりが1度あるだけで3位以内の末脚を使えていません。良馬場でキレ負け、追い負けしているのだと思います。この馬より優秀な切れ味を持つ馬は少なくないので重賞レベルだとこの馬の末脚では善戦止まりになりますね。よって、末脚で勝るライバルのキレ味を削ぐという意味で道悪条件が逆転のきっかけになると思います。ここは千載一遇のチャンスとなりそうです。が、あいにく土曜の午前中には雨は止みそうなので日曜の回復状況次第で評価を調整した方が良いですね。

 

マイラーズCの使い方については結構勝ちに来ていたようです。2月の早い時期にトレセンに戻して時間をかけてじっくり仕上げていました。前哨戦にしてはデキが良かったですね。厩舎も勝って本番へと勝利を意識していました。今回に向けてオツリは残してはいましたから良くなる余地はあるのでしょうが、仕上げが進んでいた状態でシュネマに完敗の内容はよろしくないですね。良馬場勝負となった時逆転を見込むのは難しいかもしれません。ただ、池江厩舎は前哨戦を使って本番へと言うスタイルで足りなかったところや改善点を見出して修正してくる厩舎です。マイラーズCの反省を生かして良い状態で出走させて来る事は可能だと思います。

 

ソダシ

 

適性についての話は3週前のヴィクトリアMで十分触れていますので今回は割愛しますが、府中のマイル戦はこの馬にとってベストである事は間違いの無い事です。また、5歳初戦をGⅠ2着で走れている事から能力面の低下なども気にする必要が無くなりました。牡馬相手もマイルCS3着である程度の目途が立っていますので力を出せる状況ならこの馬も有力馬の一角と言う事で良いでしょう。

 

今回は前走以上に今浪さんの勇退話が取沙汰されています。しかし、点と点で見るのはよろしくありません。今浪さんの送別ムードは今回始まった訳ではないからです。ゴールドシップなどの担当を務めた方で厩舎の屋台骨を長く支えていましたから厩舎を上げて全面的にバックアップしています。それはソダシでGⅠを勝たせることに他なりません。だからヴィクトリアMと安田記念をセットで捉える必要があります。厩舎側からもこの2戦を全力投球すると話していました。

 

それはつまりヴィクトリアMも全力勝負だったという事を意味するものでして、ヴィクトリアMをステップにして安田記念を絶対に獲るというものではないのです。その一端を象徴していたのが前走でレーン騎手を乗せた鞍上采配です。主戦の吉田隼騎手に目立った不備があった訳でもないのですが絶対に落とせない1戦だったので最高の騎手を乗せる必要があったのです。普通に考えてもそれはそうでしょう。牡馬を相手にするよりも牝馬同士の方が勝つ可能性は高いのですから。このことからもヴィクトリアMが叩き台ではなかった事を表しています。

 

今回に関しては1度叩いた上積みぐらいはあるでしょうが、その上積み込みで安田記念に備えていた訳ではないので巻き返しの材料はそう多くはありません。

 

因みに、レーン騎手はソダシの能力の高さを絶賛していたのですが今回騎乗するセリフォスと遜色ない評価だったそうです。だとすると、中2週のソダシよりもフレッシュ度でセリフォスが有利と言う事になるでしょう。このセリフォス以外にもライバルは何頭もいますから前走より楽になるという事はちょっと考えられないですね。

 

ソングライン

 

・1315ST1着→ヴィクトリアM5着→安田記念1着

・1315ST10着→ヴィクトリアM1着→安田記念?着

 

優勝した昨年と同じローテで今年も臨戦しています。結果を出していますので上記ソダシよりは臨戦過程にマイナス面がありません。ヴィクトリアMの勝ち時計は1:32.2でありソダシが勝った昨年と同タイム。そのソダシがタイム差無しの同タイム入線していることからも能力面の低下は無かったものとして受け取って良さそうです。

 

昨秋にセントライト記念を使ったことから全体的な流れが悪くなっていました。その流れは前走時も続いていたようで絶好調と言うデキに持って来れていなかったようです。帰厩時に520k台まで目方を増やしていたようでいつも480k中盤ぐらいで走っている本馬にしては明らかな重め残り。なんとか490k台を下回る事はできましたが488kだった馬体重はこの馬の過去最高体重。絞り切れたとは言えません。この状況に陣営も本音では使った次ぐらいかな?と言うことを漏らしていたほどです。つまり、目標は安田記念の連覇だったと言うことになるのでしょう。叩き台の感覚に近かったと思います。

 

ただ、この状態で勝ててしまった事は僥倖でした。戸崎騎手のレース後談によると外に出したくても出せなかったと話しています。これが良かったのかもしれないですね。馬場がそれほど悪くならなかったことでインコースの恩恵が失われておらず結果的に内でじっくりと乗れた事がプラスになったのだと思います。重め残りでしたし、思うようなレースも出来なかったので力を出し切ることなく勝ってしまったのかなぁという印象です。能力の高さ、コース適性の高さなどを含めてこの馬の強さが浮き彫りになった勝利の様な気がします。

 

この馬も3週前に特集しているので改めて話せることはこれぐらいですね。実績のあるローテですし、上積みと言う点からも昨年以上の状態となるでしょう。ソダシにとってのマイナス材料がこの馬には全てプラスになっている点で普通に考えればこちらが有利とするのが自然です。それでも人気でソダシを下回っているのは馬場が考慮されてのもでしょう。ヴィクトリアMの時にも指摘しましたが道悪はプラスになる材料ではないそうです。3歳の頃からシュネマと接戦を繰り返しているようにこの馬も時計勝負で強いタイプです。時計のかかる道悪はこの馬の良いところを削ぐ材料になるのだと思います。

 

メイケイエール

 

馬主が中京競馬場の管理者である名古屋競馬(株)という事で武英調教師はどうしてもご当地GⅠの表彰式に馬主を立たせてあげたかったと話していました。それだけに高松宮記念はメイチに作った渾身仕上げでした。12着の結果は忸怩たる思いでしょう。

 

敗因としては枠とか立ち回りってことになるのだと思います。池添騎手曰く取ろうと思っていたところを勝ち馬に採られてしまったそうです。ファストフォースに蓋をされる格好となり前も壁。追い出しが遅れてしまいました。またそこから詰めていたのなら良かったのですが追い出し態勢に入ってからも末脚を伸ばす事がなく失速してしまいます。これに関しては馬場と言うジャッジを池添騎手はしています。道悪での好走経験がありましたが不良まで悪化してしまうとさすがに厳しかったようです。敗因はしっかりと確認できました。能力以外の理由で負けたということで良さそうです。見直すべき馬だと思います。

 

その後予定していたヴィクトリアMをフレグモーネで回避する事になり安田記念はスライド出走と言う事になります。大した故障ではないのでこれはあまり気にしなくても良いと思います。フレッシュな方が良いという理由で高松宮記念をステップ無しの直行ローテを採用していましたのでちょっとでも間隔が空いた事はむしろプラスかもしれません。前走メイチなので上積みとかは微妙な気もしますが力を発揮出来る臨戦過程だと思います。やはり不安材料となるのはマイルへの延長と言う事になりますね。

 

気性的な問題でスプリント路線を行っていた馬なので身体的にはマイルをこなせる馬ではあるでしょう。チューリップ賞勝ちやGⅠ4着など3歳時にはこの距離でもそれなりに走りました。この距離を折り合えるかどうかだけが問題になると思います。

 

コースの適性は期待して良いものです。京王杯SC勝ちがあるので府中はもちろん問題ないところですが、古馬になってからの重賞タイトルは全て左回りで上げたものです。右回りだと張るところがあるので厩舎からもサウスポー的な見解を良く耳にしています。マイルCSとかに出るよりは全然やれると思います。

 

以上のことから条件的にはやれる可能性があるという評価にしようと思います。が、やはり気性の問題をしっかりと解消してからでないと予想上都合が悪いですね。今どんな感じなのでしょうか?昨年ぐらいから気性面は成長してきたという話は出て来ていました。3歳時よりはマシに走ってくれると思います。あの頃はただの暴走でしたから。今なら流れに乗る事も出来るかもしれません。

 

そうは言ってもまだ優等生な競馬は無理だと思います。前走の高松宮記念でも行きたがって向こう正面ではクビを上げていましたから根本的な改善には至っていないでしょう。騎手のコントロールには従えるようになっているのですが、馬が一生懸命なので力んで追走してしまうのが現状なのだと思います。このぐらいなら大丈夫かな?とも思うのですが、スペシャリストが揃う古馬GⅠでは3歳戦の様にはいかないでしょう。力む分だけ力を消耗しますからロスの大きい立ち回りとなるかもしれません。安心して印を回せるほどの気性は今もまだ持ち合わせていないのではないかと感じます。

 

厩舎としても高松宮記念以外に勝てるGⅠなんてないと話していたぐらいですから、勝ち負けを見越して使っているというのは考えにくいですね。ナランフレグと同様に高松宮記念を終えたスプリンターは使いどころが難しい。重賞を6勝もしている馬ですから賞金的にも使える所が限られます。だったら安田記念でいいかもねという妥協はやっぱりあったんじゃないかなぁと思います。

 

6歳馬

 

この10年では【2・2・3・39】と言う成績ですけど、11年~20年の10年間では6歳馬が6勝、7歳馬も1勝と高齢馬が中心だったのがこの安田記念でした。時代が変わりましたね。育成技術の進歩から活躍年齢が早まっているのを受け高齢馬の能力低下も早まっているのかもしれません。出走馬が最も多くなる層なので稀に走る馬は出ていますが最後に馬券になったのも17年の

 

1着:サトノアラジン(6歳)
2着:ロゴタイプ(7歳)
3着:レッドファルクス(6歳)

 

が最後。もう6年前です。この年は高齢の馬の独占でしたがこの年を境に完全に傾向が変わっていますね。出番が確実に失くなりました。今年のメンバーも充実度や適性等から大きな望は託し難い気がします。

 

ウインカーネリアン

 

東京新聞杯を逃げ切りした馬ですがこの馬が展開の鍵を握るでしょうか?先行馬なので過去に逃げていたこともありますがマイルを中心に走るようになってからは2・3番手から競馬をする事が多い。内に速い馬がいる並びの8枠では無理していくようには思えません。そもそも、マイルCSでは枠内駐立不良で発走調教再審査の制裁を受けた前科があります。その時に出遅れているようにゲートの不安がない訳でもなさそうです。条件次第で逃げの手に出るという感じですが今回はその条件ではないように思います。仮に外から飛ばして行けばペースが速くなりそうですが力不足を認識ている陣営がそこまで強気に動くシーンは想像しづらいですね。

 

昨年夏のマイル王でその勢いに乗じてGⅠマイルCSに挑みました。元来がスローで先行して上がりの競馬で直線突き放すというスタイルです。キツイペースを先行して持続戦に持ち込む強いタイプではないですね。また、スローである事が望ましい馬だけにGⅠ級の決め手には抗しきれないだろうと半ば諦めていた感がありました。どんな流れになったとしてもこの馬がハマる可能性は極めて小さいものでしょう

 

他にもいろいろとあります。新潟の関屋記念や府中の東京新聞杯を勝ってはいますが左回りはイマイチで右回りの方が良いとの厩舎評になっています。また、ベタ爪だから極端な道悪は勘弁してほしいという事を過去に話しています。距離適性以外に強気になれる材料は乏しく、馬場、枠、展開、コース適性、相手関係などほとんどの要素がマイナスに作用しそうな今回はちょっと厳しそうです。

 

 

カフェファラオ

 

以下は昨年の安田記念で騎乗した福永元騎手のレース後の談話です。

 

「道中は良いリズムで、前向きさもあって走れていました。良い形でした。ただ芝の分、抜け出す時に隣の馬を気にするところがあって、ダートでは集中できていたのですが、芝の分、抜け出すのに時間がかかりました。芝ではどうしてもトップスピードが足りないところは感じました。東京1600mというコース形態は良いと思います。」

 

根本的な芝適性に問題がありそうですね。要するにキレ負けたということだと思います。力のいる洋芝の函館記念でも追い出して反応出来ずに負けています。この安田記念では同じ堀厩舎のサリオスが3着と結果を出していたのですが、厩舎の中ではトーンが良かったのはカフェの方でした。それだけ状態が良かったという事なのですが、それで17着なら力負けを認めても良いと思うのですが。今年も再びやって来ましたね。福永元騎手が話しているように府中のマイルコースに適性を感じているので砂芝問題は棚上げされているのかもしれません。

 

安田記念後にもう少し芝戦を走ってくれていれば慣れが見込めたりするのですが、その後は適鞍を求めてダート戦を使っています。芝への拘りを感じません。やっぱりダート馬ってこなんでしょう。賞金的にGⅠしか使えないような状況になっていますから丁度良いレースもなくてここと言う感じは否めないですね。

 

 

安田記念(GⅠ)の予想案はこちら▼