競走馬カルテ

2・3歳重賞の出走馬を分析・記録していくブログです。

エリザベス女王杯(GⅠ) 出走馬カルテ②

こんにちは。

 

昨年は10→7→9番人気の決着でした。今になっても理解し難い結果だっなぁと思います。出来れば今年は普通に決まって欲しいですね。

 

昨年の結果は馬場状況が要因だと思われます。当時は連続開催の6週目のレースだったのでインコースの痛みが目立っていました。加えてレースそのものが58.0秒通過のハイペースであったので余計に先行馬が疲れっちゃったみたいになっていました。それで外差しが誘発されアカイイトが大外からマクり一閃となったのでしょう。重馬場のレースとかでよくありますねこういうことが。これと同じ理屈と考えられます。だから要因としては馬場とペースの2つということになるでしょう。それを今年に当てはめてそれぞれ考えてみます。

 

まず、ペースに関して。逃げ馬としてキャラが立っている馬が2頭登録しています。シャムロックヒルとローザノワールです。シャムロックは昨年の逃げ馬で大波乱の一因となった馬そのものです。この馬がいるだけで昨年の様なペースになりうる可能性を秘めています。それに輪をかけそうなのがローザノの存在となります。中距離でガンガン行くようなタイプではないですが最低人気ながらあわや3着という激走を見せたヴィクトリアMでは58.0秒のペースで1000mを通過しているので行こうと思えば行くスピードがあります。さらに競り込まれて2頭の逃げ争いとなった前走府中牝馬Sでは57.9秒とさらに速いペースで飛ばし、簡単に引かない馬でもあるようです。以上の事から昨年以上の乱ペースもあり得るかもしれません。ただ、シャムロックは現在除外候補なのでそうならない場合もあります。

 

続いて、馬場に関して。エ杯自体がその前年より2秒近く時計がかかっていたので馬場が悪くなっていたのは間違いないでしょう。では、今年はどうでしょうか?前週に行われたファンタジーSの勝ち時計がだいたい昨年と同じ時計で決着しました。ファンタジーSもエ杯同様に昨年は一昨年より1.0秒近く遅いものになっていました。その昨年と近しい時計という事は今年も時計が徐々にかかり始めていると考えていいのかもしれません。馬場差が前週からさらに大きくなることもあるでしょう。また、芝も4コーナー辺りは薄っすらとハゲ初めています。レース当日にはもっとハゲていることもありそうです。どうやら昨年並みな馬場コンディションに近づいてきているようです。なお、マイルCS週までは現行のAコース使用なので馬場状況が良化することは考えられません。

 

以上のことから、人気はともかくレースの決まり手が昨年みたいになる可能性は今年も高いのではないかと思います。だとすると、外国馬はちょっと厄介な存在になりますね。今年の愛オークス馬マジカルラグーンが来日済みですが、欧州の馬なら自然とパワータイプでしょう。消耗戦がいかにもあっていそうです。3歳馬で斤量も軽い。結構やれそうな状況になるのではないでしょうか?なお、外国馬の事は良くわかりませんからカルテの作成はございません。悪しからずご了承ください。

 

エ杯は13日(日)なので前日の12日(土)に更新を完了します。ページが長くなるようなら1ページ10000文字を目安に2枚、3枚と増やしていきます。更新順は整理しやすいので年齢毎にまとめていくことにします。なお、カルテ分析は3歳戦までの方針なので古馬戦は割愛しています。

 

予想案は各ページの最下部にある専用ページにまとめてあります。ブログカードを貼っておきますのでそちらをご覧ください。

 

11/10追記:ページ上段の前説部分は同じものを転用しています。①②の行き来はページにブログカードを貼っておきますのでそちらから移動されて下さい▼

 

◆5歳

 

5歳世代の過去10年の成績は【2・2・1・48】となっています。3・4歳世代と比較して率をグンと下げています。晩成タイプの遅咲きがここで大輪を咲かすのはなかなか難しいようです。ただ、今年は18頭中10頭が5歳馬なので今年の主力がここにいます。データだけで軽視と言う訳にはいかないでしょう。あまり積極的に評価出来ない年齢ですが、それっぽい馬はそれなりに評価するしかありません。なお、馬券になった5例に共通する傾向は見られませんでした。1頭づつを吟味して取捨していく他ないですね。

 

アカイイト

 

エリザベス女王杯はリピート走が頻繁に起こるレースとして知られています。10番人気での優勝でしたが馬券圏の入着馬で今年出走するのは馬はこの馬だけ。今年も人気は無いかもしれませんが、今年こそ十分注意しなければなりません。ちなみに、管理する中竹厩舎は昨年3着クラヴェルとの2頭出しだったのですが担当レベルの話ではクラヴェルよりはアカイイトの方が強いだろうという感覚を持っていたそうです。そうは言っても、そのクラヴェが9番人気でしたから言われたところで食指を動かすのは難しかったです。ほんと厄介なレースでした。

 

さて、私は当然昨年の勝利をフロックと見ていたのですが次走の有馬記念が7着と走ったことからやっぱり力のある馬だったんだなぁと認識を改めたことを覚えています。年明けの金鯱賞でも3着と走っていて上級レースでもそこそこ走れたことから今は力のある馬と認めている次第です。そんな馬の近走が10着、8着、10着と急に汚れ始めました。ここまで負け続ける馬ではないと思うので近3走の敗因や状況を洗い出して行こうと思います。

 

大阪杯10着

今年に限らず大阪杯はイン前競馬になりやすく、前残りやイン差しの馬で決まるもの。この馬は後方から外をマクる競馬。基本的に阪神内回りでこの乗り方はNGです。エ杯はそれで勝てましたがトップ牝馬がいなかった限定戦であったこと、展開ドハマりであったことなど奇跡的にかみ合ってのも。大阪杯の敗戦はそれを再認識させたということでしょう。大阪杯がこの馬の本当の姿なのかもしれません。

 

・ヴィクトリアM8着

マイル自体はこなせるという事でしたが、上がりがタフになった時にパフォーマンスが上がるタイプなので春の府中の高速馬場はこの馬に向いていませんでした。それでも33.1秒の末脚で14番手から8着まで上げてきており力は出せていたでしょう。外回しの競馬ではこれが限界でした。この馬のポジションから勝ち負けしようとしたら物理的に31秒台の末脚を使わなければいけないのでどうしようもないですね。適性違いと言う認識になります。

 

・府中牝馬S10着

牝馬にしては珍しいですが叩き良化型の馬。休み明けは入れ込みやいので一度使う事で走りの質も変化します。よって、この時は明確な叩き台でした。ちなみに、ここでも良い脚を使っているように府中では33秒台の脚を確実に使って来ます。ただ、位置取りが悪すぎるのでその末脚で府中を攻略するのは難しいと言わざるを得ません。前走や前年がそうであるようにそもそも府中は向いていない。全くの度外視で大丈夫です。

 

と、大敗続きの3戦を簡単に分析してみました。敗因はしっかりとしています。馬が弱いとか、能力落ちなどが理由で負けている訳ではないという事で良いと思います。ただ、勝ち切れない理由もはっきりとしました。やはり極端な脚質がこの馬から安定性を奪っていると言っていいでしょう。大阪杯の稿で触れたように昨年の勝利も展開が向いたからこその結果です。馬場が悪くなっていた事もタフさが身上のこの馬にはあっていました。レースに限らず地力で勝ち切れる能力そのものが足りていないという事になります。せめて中段ぐらいに位置してインを突く競馬が出来てこないと今年も狙いづらいと思います。

 

馬場状況は昨年の状況に近づいていますし、メンバー的に展開が速くなる可能性もあります。昨年と同じ状況が揃いつつあるのが怖いところ。馬自体の能力に陰りはないようですから再度ドハマリする事もあり得ない事ではありません。しかしながら今年は相手が違います。昨年より大幅に強化されています。特に3歳勢力の力は本物でどのレースと比べても現4歳世代より上のパフォーマンスを発揮しています(秋華賞、西宮Sなど)。出走馬のレベルが同じではりませんから、昨年よりも厳しい戦いです。扱いとしては3着狙いぐらいが妥当の様に思います。

 

イズジョーノキセキ

 

12番人気で大波乱を演出してくれた府中牝馬Sの▲馬ですね。大的中に貢献してくれました。

 

昨年の5着馬です。当時は3勝クラスでの格上挑戦。当初は翌週の自己条件に使う予定でした。それがゲート割れだったので出れるなら出ておこうかと言う参戦でした。全くの記念出走だっと言えるでしょう。しかも、距離は1800mぐらがベストだからと厩舎もその気の無い参戦でした。それがなんと5着と掲示板に載る激走を果たします。こんな馬でも掲示板だったのかと改めて昨年の掲示板を確認すると10→7→9→11→12番人気で穴馬から大穴馬で占められていました。今更ながらにとんでもないGⅠでしたね。しかし、この5着は厩舎の自信を深めることとなりました。5着と言っても2着とはクビクビハナの大接戦でしたからその気持ちも分かります。これで来年もう1度チャレンジしようとなり、エ杯に向けて頑張って来た1年でした。

 

しかし、なかなか自己条件を勝ち上がれず4戦目にようやく勝ち上がりました。これが6月の出来事。使い詰めだったことからここで休養を入れることに。ただ、出走馬が集まらなかったので昨年は出走できましたが今年はそう言う状況にありません。ゲートインするには賞金加算が絶対に必要でした。なので休み明ながらメイチ気味の勝負態勢で府中牝馬Sを使っています。結果、見事に優勝し、優先出走権まで手に。堂々と念願の舞台に向かうこととなりました。かなり仕上げていたので上積み幅は大きくならなそうですが、叩き2戦目なのでより走れる態勢にはなっていると思います。また、乗り慣れた岩田騎手の騎乗停止は痛手でしたがルメール騎手をすぐさま確保。厩舎のヤル気は未だ健在です。このレースの為にやって来た馬なので後先考えずのメイチ態勢が濃厚。昨年の再現、前走の再現と注意が必要な1頭です。

 

ただ、昨年の話ではあくまでベストは1800m。エ杯以降の全てが1800m戦だったことも、確実に勝てるところでという意図の表れだと思います。本当に適性があるなら2200mなどより長い距離を自信を持って使っていたはずです。やれない条件では無論ありませんが、府中牝馬Sの様に良いパフォーマンスを発揮出来る条件とは言えないかもしれません。距離に自信のない馬は得てしてインコースをソツなく回ってくるものです。そうなって来るとインの名手岩田騎手でないことも少し影響するかな?と思います。ルメール騎手になることが必ずしも最善ではない気もしてきます。

 

また、この府中牝馬Sオールカマーの様に1~3着馬がラチ沿いの経済コースを走っていた縦列競馬でした。こういうレースは本番と直結しにくいものです。別定GⅡを上がり最速で差し切っていますからフロックと言う事はないですけど、外に回していたら結果は違っていたかもしれません。

 

以上のことから、評価を下げる必要まではありませんが地力で勝ち負け出来るような条件や相手関係ではないと思います。乗り方を工夫したり、ベストを尽くしたり、展開や枠に恵まれたりといろいろと噛み合う必要性を感じます。印は回すことにはなりそうですが、どれぐらいの評価で扱うかは条件が出揃ってからの方が良いように思います。

 

ウインキートス/ウインマイティー/ウインマリリン

 

ウイン軍団が3頭出しです。これらはまとめて整理してみたいと思います。前走はいずれも牡馬混合GⅡを3着していて牝馬GⅠなら好走可能な実績を残していると言えるでしょう。また、この3頭は前々で運ぶ脚質や立ち回りの上手さで勝負するタイプであることなど、好走パターンも非常に良く似ています。どの馬も器用なのでインをそつなく乗って脚を温存し、直線で伸びて来る事がほとんどです。その為出来るだけイン枠を引き当てる事がまずは重要になってきます。さすがに3頭もいれば1頭ぐらいは絶好枠に入ることになると思う(入りませんでしたが・・・)のでこの中から好走馬が出ても不思議はないと思います。それでは各馬毎にチェックしていきます

 

キートスの重賞勝ちは21年の目黒記念。その他近2年のオールカマーで2着、3着、今年の目黒記念でも3着。好走しているレースは同じレースばかりと言うのがヒントかもしれません。同じ条件なら同じようなパフォーマンスを発揮します。昨年大敗のエ杯の条件はこの馬向きではないのかもしれません。また、好走した重賞が全て関東圏のレースであることも偶然ではないのでしょう。もともとテンションが高くなりやすいので3頭の中では一番の性悪娘と言う感じです。だから輸送がネックになりやすいのだと思います。輸送競馬は極力避けていて、関西圏の競馬は昨年のエリザベス女王杯が初めてで、以降も走っていません。また、昨年の調整時に馬場入りをゴネていて馬が妙に煮詰まっていたそうです。それが輸送でさらに煮詰まってしまいこの時の敗因とされています。普段は大人しいそうなのですが前走のオールカマー時の調整でも馬場入りをゴネていたそうなので根本的な改善に至ってはいないようです。枠も重要なのですがこの馬の場合気勢面にも注意を払う必要があります。中間の調整をしっかりと確認しておくべきでしょう。ウリとしては長距離馬なので距離は合った方が良いとのこと。2200mは最適条件と言えそうです。3頭の中では最も距離適性のある馬です。

 

マイティーの重賞勝ちは22年のマーメイドS。その他は3歳時にオークス3着、前走の京都大賞典で3着となっています。オークス以降ずっと調子を落としていて、自分から競馬を止めてしまい最後まで走り切るという事がなかなか出来なかったそうです。復調のきっかけは調整方法を替えたこと。ポリとプールを併用するようになってから馬が変わってきてスクむことがなくなり良い状態を保てるようになってきたそうです。3頭の中では最も状態面が安定している馬と言えそうです。そう言う調子の良さは前走でも出ていました。器用さを売りにしている馬なので京都大賞典の様な外回り条件で脚が使えるとは思いませんでした。条件を選ばずに好走出来るようになっていることがこの馬の調子の良さを物語っていると思います。唯一の関西馬なので輸送の心配もなく、秋2走目で馬も走り頃でしょう。オークス以降は強い馬との対戦が無いので古馬になってからの力関係が判然としない難しさはありますが、不安材料は3頭の中では一番少ない馬だと思います。

 

マリリンの重賞勝ちはフローラS日経賞オールカマーとGⅡ3勝。実績では3頭の中で抜けている感じです。実際、クラブ側の期待も一番高い馬のようで、キートスと走った昨年のエ杯時には能力はマリリンの方が上とウイン関係者は話しています。やはりウインの大将格はこのマリリンだと思います。3歳時からGⅠを勝てる馬と関係者の評価は一様に高いものでした。思えば、3歳時は夏の放牧でアクシデントがあり秋華賞は状態を整えられず。4歳時にはオールカマー快勝後に肘が腫れてしまい満足な調整が出来ず。どういう訳かこの時期になると調整が上手くいかなくなります。今年はどうなんでしょうか?この1年は大した問題もなく来ています。アクシデントらしきものもありません。ただ、昨年に痛めた箇所は再発する可能性もあるので思い切った調整がなかなかできずにいました。大阪杯宝塚記念と徐々に使いながらようやく札幌記念で復調の兆しを見せた次第です。関係者も焦らず徐々に立ち上げていたようでして、厩舎サイドからは1年に1度走れれば良いみたいなことを言っていたり、宝塚記念時にはウインの関係者が松岡騎手にエ杯でピークになるようにやってくれと先を見こした指示を出しています。時間がある人はレース動画を確認して頂きたいのですが、実際、レース振りも徐々に良くなって来ています。勝負所で追走一杯だった大阪杯、直線半ばまで粘っていた宝塚記念、しぶとく伸びて3着入賞の札幌記念。徐々にでしたがゴールまでの粘り腰が強化されています。この走りの変化が計画されたものだとしたらここは目一杯の仕上げで挑み、勝負を賭けてくるのは明白です。札幌記念でも完調しきれていませんでしたから、そこからどこまで上げられるかが肝になって来ます。調整面のチェックが重要です。なお、3頭の中ではこの馬が最も立ち回りが上手いと思います。これまでも内枠でなくても素早く先行して最初のコーナ―までにインに潜り込めています。この馬の場合、真ん中前後ぐらいの枠なら大した問題にならないでしょう。

 

クリノプレミアム

 

ヴィクトリアM出走時に左回りのマイルはベストと調教師は話していましたが15番人気で勝った中山牝馬Sや2着だった福島牝馬Sを見るとそんな事はないですね。むしろ右回りの方が今は走りが安定しています。距離も1800mをこなせていますのでダメと言う感じもありません。中山・福島の牝馬Sでは長い脚を使えていますので阪神の内回りもやれて良いと思います。地味な印象なのでGⅠでは厳しいだろうと思うのですが、昨年優勝のアカイイトもこんな感じで優勝しているのでこの手の馬は今消しにくくなっています。

 

何かヒントはないものか?といろいろ探したところ、ヴィクトリアMと京成杯AHの上がりが全く同じ事に気が付きました。両レースの上がりは34.1秒と言う点で同じです。コースは違いますが9月の中山は高速馬場になるので府中と同一視する事は辛うじて可能だと思います。走破タイムも0.5秒しか変わっていませんので本馬が発揮したパフォーマンスはほぼ同一なものでしょう。しかし、結果まで同じではありません。GⅢでは先行して3着に入着し0.1秒差で駆けています。GⅠでは先行して1.0秒差の16着と大敗。厩舎ではヴィクトリアMの敗因をGⅠで相手が強かったという事になっています。この2走の比較はそれを裏付けるものと言って良いでしょう。同じパフォーマンスで結果がこうも違うのは出走馬のレベルが全然違うからに他なりません。2200mのレースなのでまた違ったパフォーマンスを発揮するのかもしれませんが、GⅠ級の評価をする必要はないでしょう。普通に厳しいのではないでしょうか?

 

デアリングタクト

 

オールカマーは特殊なレースだったので力を出し切れなかった有力馬が多数いたレースでした。だから悲観する内容ではないとも思うのですが、松山騎手はかなりショックだったみたいですね。いつもの様な脚が使えなかったのが堪えたようです。ただ、これは単純に休み明けだからかな?と私は思っています。古馬になってからは休み明けだと動ききれていないような気がしていて、3歳時に見せた圧倒的な強さを見せれなくなっている感じです。その代わり2走目で変わり身を見せるようになっています。金鯱賞2着→QEⅡ世C3着、ヴィクトリアM6着→宝塚記念3着と格の低いレースでは取りこぼしますが、強敵揃いのGⅠでパフォーマンスを上げてきています。ぶっつけだった3歳時の秋華賞ももっと圧勝するのかと思っていたらそこまでではありませんでした。今にして思えば、秋華賞の後に使ったJCは凄かったですからこの頃から既に叩き良化型だったのかもしれません。オールカマーの負け方はだらしないものでしたが、それで評価を落とす必要はないのではないでしょうか?ここは変わり身を期待すべきところでしょう。

 

問題は1年以上の休養から復帰した状態面の方だと思います。3歳時の走りが凄かったですからデアリングの今の姿に物足りなさを感じる人は多いと思います。それは杉山調教師も同じであったようです。復帰戦のヴィクトリアMの調整中にはもう終わってしまったかもしれないと思ったそうです。走りがこじんまりしていて、かつての迫力ある走りが出来なかったからそう感じたのだとか。しかし、一度使ったことで宝塚記念の頃には四肢の可動域が大きくなりストライドそのものが良くなって来ました。そして、ひと夏こしたらさらに良化が進み、オールカマー出走時には春とは別馬との評価で復調気配に著しいものがありました。関係者の話を総合すると状態はかなり戻ってきていると考えて良さそうです。上述したように2走目の方がよい可能性が高いので前走以上の態勢も整うでしょう。今回は復帰後一番の状態に持ってこれるだろうと思います。それで全盛時に及ぶのかは分かりませんが正直これだけ戻っていれば好勝負は間違いないと考えています。

 

テルツェット

 

この馬は面白いですね。クイーンSを連覇していますがその勝ち時計が2年とも1:47.8という。でも、今年は札幌でしたけど昨年は五輪による変則開催だったので函館開催でした。似たようなコースですけど微妙な違いはあるので全く同タイムでと言うのはかなり稀な珍事だと思います。

 

さて、エリザベス女王杯には昨年も出走しています。クイーンCからの臨戦も同じです。4番人気と上位の評価を得ていましたが結果は11着。タイム差は0.9秒で結構しっかりと負けています。インから上手く乗っていたのですが残り1Fぐらいで伸びが止まってしまいました。この時の敗因は距離と斤量とのことでした。力尽きて負けた姿は確かにそんな感じが致します。だとしたら勝ち負け出来る条件と言う事にはなりません。昨年のままでは厳しい戦いが待つだけでしょう。この1年で馬の成長や変化が欲しいところです。この点を整理していくと様々な面で馬の変化が確認出来ます。1つづ確認していきましょう。

 

まず斤量面の問題は解消されたと見て良いでしょう。昨年負けた56kの斤量で前走クイーンCを優勝しています。GⅢで相手が弱かったからと言うのもあるでしょうが昨年になかった実績がある点で昨年よりマシな競馬出来る材料となります。

 

また、春のヴィクトリアMも2年続けての出走だったのですが、昨年は他馬と同じ脚しか使えなかったものが、今年は32.9秒の最速上がりを使えるようになっています。これも地力強化の側面として良いでしょう。

 

そして、連覇を飾ったクイーンSのレース振りにも変化がありました。テンに行けない馬なので昨年は後方から追い込んだ勝利でしたが、今年は内々の中位で脚をタメ馬群を切り分けて優勝しています。ポジションを取れて競馬が出来たことも競馬振りの変化です。

 

昨年と同じレースを走ることが多かったので比較しやすかったのですが、このように昨年と比べてレース振りや内容が良い方向に変化しています。厩舎曰く、体質が強化されたことで馬は確実に成長しているとの話です。レース振りに進化の跡が残るのも馬そのものに良い変化があったからでしょう。距離に関してはやってみないと分かりませんが昨年から前進可能な状況であることは確かなことだと思います。注意が必要そうです。

 

ただ、残念ながら元値はGⅠ級にないのかもしれません。ヴィクトリアMに騎乗していたレーン騎手は本馬を良い馬であると前置きしつつもGⅠを勝てる感じはしないと指摘しています。この発言からすると地力でどうのこうのと言う馬ではないようです。距離適性も不確定なので紛れて3着ぐらいが妥当な評価かもしれません。

 

ホウオウエミーズ

 

レースの当日は雨予報なんですね。予報では午前中からレース頃までしっかりと降るような%になっています。だとしたらこの馬が波乱を演出するかもしれません。ただでさえ道悪が得意というのはあるのですが、降雨中のレースの成績は【4・1・0・2】と言う成績です。逆にレース中に降っていないと【1・3・0・10】と極端に成績が下がります。なので雨予報が出ていた前走の新潟牝馬Sは厩舎も大歓迎していました。あいにくレースの頃に雨はやんでいたのですが。よって、雨降り馬場以外で上げた唯一の勝利がこの新潟牝馬Sということになります。つまり、新潟牝馬S以前は雨が降っていないレースでは未勝利だったという事です。ここまで極端な馬っていますかね?私は聞いた事がありません。きっと雨が降っている事で何かがかわるのでしょう。その方が集中して走れるとか、他馬が嫌がる分だけ有利になるとか。まぁ、いずれにせよレース中の天気で買う買わないを決めればよい馬です。地力は普通に足りていませんが、雨さえ降れば何か起こるかもしれません。

 

臨戦過程の面から話をすると、エ杯を目標にして新潟牝馬Sを使った訳ではありません。無論雨が降りそうだったからレースを使ったとかもありません。馬の状態がシンプルに上昇していたのでそのタイミングで適鞍を探したらこのレースになったという事です。状態面だけは良い状態を整えてくるでしょう。力のいる馬場は大歓迎というクチなので時計がかかるようになればなるだけ好走確立が上がります。新潟牝馬Sはエ杯を目指す牝馬の為に2年前に創設されたレースです。故に距離も本番と同距離。それまでは2000mまでの経験しかありませんでしたから、模擬レースを勝てたことの意味は非常に大きいと思います。以上、力関係を除けば、条件・状態などはかなりフィットしています。後は本当に天気だけ。レース中に雨が降るようだったら100円ぐらいでも買っておくと面白いかもしれません。

 

ルビーカサブランカ

 

1月の愛知杯で重賞勝ちして以降、牝馬の限定GⅢばかりを4戦して6・5・7・4着とイマイチな成績を残しています。それでもトップハンデだったマーメイドS以外は0.2秒以内に走り僅差の競馬を続けています。3勝クラスを勝ち上がるのに時間がかかりましたが、戦って来た相手はそれなりに強く昨年の1・3・4着馬と共に走りこれらの間を割る3着に好走したこともあります。昨年のレースに出走していたらこの馬も馬券候補だったかもしれません。

 

スタミナに自信を持っているステイヤーで実は天皇賞春の出走も視野に入れていました。そう言う馬なので1800m中心の牝馬限定重賞ではスピードで足りなかったり、忙しかったりと適性面で厳しいところがありました。僅差ながら勝ちあがれなかった理由はこういう事情があります。GⅠとは言え、2200mで行われる牝馬限定戦はこの馬の最も望む条件です。また、コーナー4つのコースが得意で器用な立ち回り、機動力を生かせる阪神内回りは打ってつけの条件です。と言うか、3勝クラスを勝った時が阪神2200mですからコース適性もばっちりというタイプです。これだけ条件が揃うとさすがにナシとは言えないですね。上で触れたように昨年だったら好走していた可能性もある訳なので全くの軽視と言うのは危険かもしれません。印に余裕があるなら押えておくほうがいいのかも。

 

◆6歳以上

 

ローザノワール

 

この馬のヴィクトリアMもそうですが大逃げして粘るというレースが今年は多いですね。そう言う競馬になると後続も乗り方が難しくなりますので予想外の事も起こります。あまりレースを壊さないで欲しいです。

 

同型がいる時はこだわらないという事もありますがそうでなければ必ず行きます。行けば奇跡が起こることもあると厩舎は考えています。これはヴィクトリアMの結果から得た教訓ではなくそれ以前から話していたものです。よって、やる事は1つしかありません。同型シャムロックヒルが賞金足らずでゲートインしていませんからこの組み合わせで行かないという選択肢はありません。行くだけ行って天命を待つのみでしょう。

 

ただ、逃げ馬と言ってもテンに速くなく、ゲートから飛び出していくという感じではありません。毎度手綱をしごいて強引にハナに立ちます。特に前走の府中牝馬Sはそこから本当に行くの?と思うほどスタートが後手になっています。それでも行く姿勢を見せていて、どんな時でも自分の競馬を諦めません。押して押してとにかく押し通してハナを奪います。逃げ馬ならどれだけ楽にそのポジションを取れるかにかかっているのですが、序盤にこれだけ力を使ってしまうのは見た目の印象も良くありません。これで良く粘るなぁとは思うのですがそれも距離が短いからかもしれません。この距離でどうだろう?と言う感じは致します。雨が降って、道悪を味方にしてみたいな事はありそうですが、そこに期待して印を回す余裕は作れないというのが本音です。展開の鍵を握る存在としか言えないですね。

 

◆除外候補

 

コトブキテティス
サンテローズ
シャムロックヒル
ソフトフルート
フィオリキアリ

 

エリザベス女王杯(GⅠ)の予想案はこちら▼

 

 

 

エリザベス女王杯(GⅠ) 出走馬カルテ①

 

こんにちは。

 

昨年は10→7→9番人気の決着でした。今になっても理解し難い結果だっなぁと思います。出来れば今年は普通に決まって欲しいですね。

 

昨年の結果は馬場状況が要因だと思われます。当時は連続開催の6週目のレースだったのでインコースの痛みが目立っていました。加えてレースそのものが58.0秒通過のハイペースであったので余計に先行馬が疲れっちゃったみたいになっていました。それで外差しが誘発されアカイイトが大外からマクり一閃となったのでしょう。重馬場のレースとかでよくありますねこういうことが。これと同じ理屈と考えられます。だから要因としては馬場とペースの2つということになるでしょう。それを今年に当てはめてそれぞれ考えてみます。

 

まず、ペースに関して。逃げ馬としてキャラが立っている馬が2頭登録しています。シャムロックヒルとローザノワールです。シャムロックは昨年の逃げ馬で大波乱の一因となった馬そのものです。この馬がいるだけで昨年の様なペースになりうる可能性を秘めています。それに輪をかけそうなのがローザノの存在となります。中距離でガンガン行くようなタイプではないですが最低人気ながらあわや3着という激走を見せたヴィクトリアMでは58.0秒のペースで1000mを通過しているので行こうと思えば行くスピードがあります。さらに競り込まれて2頭の逃げ争いとなった前走府中牝馬Sでは57.9秒とさらに速いペースで飛ばし、簡単に引かない馬でもあるようです。以上の事から昨年以上の乱ペースもあり得るかもしれません。ただ、シャムロックは現在除外候補なのでそうならない場合もあります。

 

続いて、馬場に関して。エ杯自体がその前年より2秒近く時計がかかっていたので馬場が悪くなっていたのは間違いないでしょう。では、今年はどうでしょうか?前週に行われたファンタジーSの勝ち時計がだいたい昨年と同じ時計で決着しました。ファンタジーSもエ杯同様に昨年は一昨年より1.0秒近く遅いものになっていました。その昨年と近しい時計という事は今年も時計が徐々にかかり始めていると考えていいのかもしれません。馬場差が前週からさらに大きくなることもあるでしょう。また、芝も4コーナー辺りは薄っすらとハゲ初めています。レース当日にはもっとハゲていることもありそうです。どうやら昨年並みな馬場コンディションに近づいてきているようです。なお、マイルCS週までは現行のAコース使用なので馬場状況が良化することは考えられません。

 

以上のことから、人気はともかくレースの決まり手が昨年みたいになる可能性は今年も高いのではないかと思います。だとすると、外国馬はちょっと厄介な存在になりますね。今年の愛オークス馬マジカルラグーンが来日済みですが、欧州の馬なら自然とパワータイプでしょう。消耗戦がいかにもあっていそうです。3歳馬で斤量も軽い。結構やれそうな状況になるのではないでしょうか?なお、外国馬の事は良くわかりませんからカルテの作成はございません。悪しからずご了承ください。

 

エ杯は13日(日)なので前日の12日(土)に更新を完了します。ページが長くなるようなら1ページ10000文字を目安に2枚、3枚と増やしていきます。更新順は整理しやすいので年齢毎にまとめていくことにします。なお、カルテ分析は3歳戦までの方針なので古馬戦は割愛しています。

 

予想案は各ページの最下部にある専用ページにまとめてあります。ブログカードを貼っておきますのでそちらをご覧ください。

 

◆3歳

 

3歳世代の過去10年の成績は【2・4・2・27】となっています。優勝馬は13年メイショウマンボ、17年モズカッチャンの2頭です。この成績は5歳世代より優秀で古馬に交じっても普通に勝負になっていると見て良いでしょう。

 

ただ、天皇賞秋で3歳馬の連覇となり、スプリンターズSも浜中騎手がちゃんと乗っていればナムラクレアは勝ち負けに加われていたのでこれも3歳馬の連覇の可能性は大きかった思います。もう「今年の3歳世代は強い」みたいに扱うのではなく、3歳馬の方が圧倒的に強いという流れになりつつあります。競走馬の進化が進み早期完結しているように思えてなりません。

 

特に天皇賞秋の内容には驚きます。レース上がり36.7秒に対してイクイノックス、ダノンベルーガの2頭の3歳馬だけが32秒台を記録しました。パンサラサだけが違うレースをしていたというのもありますが、この上がりでその脚使う?と言うような衝撃です。もう別な生物の様な気がします。このエ杯でもその流れに逆らうべきではないのかもしれません。

 

秋華賞回顧

 

簡単に秋華賞を振り返っておきます。今年はアカイトリノムスメが勝った前年と比べて2.6秒も速い勝ち時計となりました。その勝ち時計は1:58.6。比べることが適切かわかりませんけどこれはキタサンブラックが勝った大阪杯より0.3秒速いものになります。今の3歳世代のパフォーマンスは古馬並みかそれ以上と言う事が多いですが秋華賞もそういうレースになっています。

 

これだけの好時計が出ていますので各所の通過タイムはどれも速く、タイトに締まった持続戦となりました。阪神内回り条件らしくラスト5Fからレースは加速を初めゴール前に0.3秒失速しただけのほぼ加速ラップになっています。一息付けるようなラップの緩い箇所もなく、淡々と速い流れが連続した内容です。こういうレースは地力の高い馬に有利で力のない馬から脱落していきます。先行していた組は例外なく伸びを欠き、後方に控えていた馬も伸びきれた馬はほとんどいません。つまり、最後まで脚を使えたのは1~3着の3頭だけだったということになります。その他の馬は脚を溜めきれずゴールまで持たなかったと見て良いでしょう。これだけレースレベルが高いのでオークスの1~3着馬しか馬券にならなかったのも納得の内容です。

 

なお、秋華賞はフルゲート16頭でしたが、エリザベス女王杯はそれが18頭になります。同じ内回りのレースではありますが、出走数が2頭増えることでスムーズに回れていた馬が今度もスムーズに立ち回れるとは限りません。この点はご注意下さい。

 

スタニングローズ

 

「前受けして総合力が問われる展開に持ち込めばチャンスあり」とはこの馬の担当者の言葉です。上記の回顧で触れたとおり、秋華賞はこの馬にとって理想的なレースとなった事が最大の勝因と言えます。この点は秋華賞出走時のカルテで触れた通りでもあります。地力が問われる展開で強味を発揮する馬なのでオークスの様な長めの距離の方が適していると見ていたのですが、2000mでもこれだけシビアな展開になったことでこの馬の力を出し切る事ができました。

 

こういコメントが出る馬の弱点は決め手勝負に強くないということです。厩舎もそこは弱点と捉えています。ですが、阪神内回り条件を走っているうちはそう言うレースにはなりにくいですから引き続きこの馬の走りを期待する事が出来ます。距離も2200mと延長しますのでよりタフさが問われる条件に変わります。これは望むところでしょう。凄い脚で3着に追い込んできた二冠馬スターズオンアースはいませんから3歳勢力ではやはりこれが最有力候補になります。

 

紫苑Sを余力残しで使ったことで秋華賞の上がり目はかなり大きかったようです。雰囲気や反応などが一段と良くなったとの事でした。叩き良化型の馬なので今回もさらに良くなってくるかもしれません。ただ、この厩舎は使い過ぎで調子を落としてしまった2歳時を教訓にして3歳になってからは十分な間隔を取りレースを使うようにしていました。秋の始動戦をローズSではなく紫苑Sにしたのも出来るだけ間隔を空けたい意図からで1週早いレースを選択していました。今回は中3週と短間隔のレースとなりますからこの点はこれまでの方針とズレてきます。馬に違和感がないかを中間の調整で確認しておくべきだと思います。

 

ナミュール

 

結局、世代GⅠを勝つことはできませんでした。それでも一連の走りからこの馬の力が高いことは今更言うまでもありません。「希望は1着同着」と厩舎内でもスタニングローズと遜色ない評価で、本音ベースではナミュールの方が強いというのがあったようです。古馬になってっも無事に走ってくれるならGⅠ獲りのチャンスはこれからいくらでもあると思います。

 

秋華賞はスタニングに上手く乗られてしまったという感じで2着。スタートで内のスタニングと外のアートハウスに挟まれてしまったのでポジション取りに失敗してしまいます。それでも9番手、10番手の中段でレースを進められていましたが結果を見るともう一列前でレース出来ていれば結果は違っていたかもしれません。

 

秋華賞オークスからぶっつけにしたのはいくつか理由があります。休み明け初戦の方が強い競馬を見せていたというのがまず1つ。また、馬体が増えない悩みを抱えていたので使い込むよりは初戦の方が良いといのがもう1つ。これらの考えにより休み明けがベストの条件とされました。だとすると、2戦目で大丈夫か?という話になって来ます。でも、それはもう大丈夫だと思います。夏の休養で馬体が増えて来たのがその理由です。調教師は「空気でとけちゃうんですよ」なんて冗談を話ていましたが、春までは繊細な牝馬で体重維持に苦労していました。その為、調教も思うように負荷をかけられず仕上げも難しかったのだそうです。しかし、この点が改善されたことで秋華賞では強い調教を課すことが出来るようになりました。成長曲線がようやくこの馬の能力に追いついて来た状況です。こうなって来ると叩いた上積みが期待出来る馬になったのではないか?と思えます。前走以上の状態で挑む事も可能でしょう。

 

条件的な話をしておくと、秋華賞でも走れているように同じ内回り条件なので特に問題はありません。末脚が際立つタイプなので外回りや府中が合いそうなイメージですが、この馬は一瞬でトップスピードに到達できる瞬発力に秀でたタイプです。この手の馬は内回りでも問題無く脚を使う事が出来ます。問題があるとしたら距離の方になると思われます。2400mのオークスでも長いかもと言われていましたし、実際伸び負けて3着と言う結果でした。1・2着馬とは距離適性で差が出ているなという負け方です。2000mぐらいが最適な気がします。延長条件でさらに強いかはなんとも言えません。1Fぐらいなら何とかなるかもしれませんが、それはつまりこなせる範囲と言う表現と同じ意味合いでイコールベストと言う事はではありません。今回はチャレンジ条件と言う気がします。

 

ピンハイ

 

この馬が勝った西宮Sは秋華賞の1つ前の10Rに行われています。本馬の他に秋華賞を除外されたルージュラテール、パーソナルハイも出走していました。結論から言えばこれを勝ったピンハイは相当強いという事です。まずはレースラップを確認しましょう。

 

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パソハイが出走していたので1000m通過は58.8秒とハイペース。しかし、どういう訳かレース上がりは33.7秒と上がりの競馬でもある。このようにテン良し、中良し、終い良しのハイレベル戦です。中途半端な強さでは通用しないレースだったと言えるでしょう。このレースも弱い馬から脱落していきました。こういうレースを勝っただけでも評価十分なのですが、ピンはこのレースを離れた後方3番手で追走していました。ラスト3Fには10.7秒という速いラップが刻まれているので先行馬達も普通に伸びているレースです。後方の馬がおいそれと勝って良いものではありません。これを先行して2着したノースザワールドは3勝クラスの超安定株。ずっと連対を外していないような強い馬です。直線で抜け出していたのですが外からピンの伸びること伸びること。33.0秒の末脚をこのペースで繰り出せるのですから脚力の高さは一目瞭然です。1馬身1/4抜けきって完勝しました。展開に逆行した強さでこの馬の能力も偽りないものです。13番人気でチューリップ賞を2着した時にはフロックだろうと思いましたが、桜花賞5着、オークス4着と掲示板を常に確保した力はやはり伊達ではありません。重賞級の評価はもう揺らがないでしょう。

 

ちなみに、西宮Sの前年の勝ち馬はピンと同じく秋華賞を除外されていたジェラルディーナでした。その勝ち時計はピンよりも1.8秒遅れ。2秒近くも遅いものでした。少なく見積もっても3歳秋の時点でディーナよりも全然強いという事で良いと思います。このようにいろんなところに目を向けると3歳世代の強さがいろんなところで目立っています。やはり3歳馬に逆らうべき時代ではないのかもしれません。

 

ナミュールと同じでこの馬も春は馬体重の維持に苦しんだ馬でした。オークスで4戦目でしたが常に馬体を減らし続けて402kの出走でした。厩舎も何とかして400k台はキープしたいと調整に苦しんでいました。そんな中でのハイパフォーマンスはこの馬の地力の高さをより鮮明にするものでしょう。馬格があればと思うと残念です。だから秋華賞へ直行のローテを組んだのだと思います。ゲートイン出来なかったことはさぞ無念だったことでしょう。そんな本馬の西宮Sの馬体重はプラスの12k。一応は馬体を戻す事が出来たようです。それでも420kだった新馬戦当時よりもまだ8kも軽い。成長が足りているような感じはまだないですね。今回も前走馬体重を維持出来ているかが鍵となりそうです。ただ、春のオークスと違い今回は輸送の無い地元競馬なのでオークスより悲観するような状況にはありません。現状の状態で古馬GⅠにどこまで通用するかと言う事になりますが、西宮Sの結果・内容が示すように現状でも十分通用するだろうと思われます。

 

なお、条件クラスからエ杯で入着した馬に12年3着ピクシープリンセス(1000万平場勝ち)、13年2着のラキシス(鳴滝特別勝ち)の2例があります。ですが9年前と10年前の実績で近年は皆無と言って良い状況です。やはり古馬GⅠを条件戦から好走するのはハードルとして高いと言わざるないですね。ただ、この2頭は現在で言う2勝クラスの馬でした。だったら3勝クラス勝ちのこの馬ならやってやれない事はないのかも?またしても人気が落ちるなら勿怪の幸いです。

 

ライラック

 

関西圏のレースでは力を発揮出来ないでいましたが秋華賞ではちゃんと動けていましたね。ポツンと最後方を追走していましたがラスト3Fから動きだし大外を伸びてこようとしていました。スターズオンアースに次ぐ上がり2位の末脚を記録しています。これなら輸送が影響したという事はないでしょう。エ杯も美浦からの輸送になりますがこの馬の力は発揮出来ると考えて良さそうです。それだけに秋華賞10着の結果は力負けと言う事で良いと思います。上述した秋華賞の回顧で後方から伸びて来た馬はほとんどいないとしましたが、この馬も最後まで伸びきれた訳ではありません。坂で脚色が鈍り止まったしまいました。脚を溜める競馬をしていましたが地力の問われる展開で思うような脚を脚を使う事が出来なかったのでしょう。体力的な弱点を露呈した結果と言う事になります。ここまでの敗戦には全て明確な敗因が存在しましたがこれは完全に力負け。この馬にとって秋華賞のレベルは高すぎたようです。

 

紫苑Sを使って馬はかなり良い状況であったそうで厩舎も仕上がりには自信を持っていただけにこの結果は残酷です。この馬の脚質では地力で勝ち切るほどの破壊力は無いようです。レースグレードを下げるか、枠や展開に恵まれる必要があります。秋華賞も1枠2番で必要以上に下げたというのはあり、本当はもっと流れに合わせたポジションで競馬をしたかったそうです。だったらまずは枠に恵まれたいところ。それが適った上でこの馬向きの流れになる事を祈るのみとなります。

 

◆4歳

 

4歳世代の過去10年の成績は【6・3・7・50】となっています。他世代を圧倒する成績を納めエリザベス女王杯の主役を担う世代と言って良いでしょう。ですが、今年はアンドヴァラナウト、ジェラルディーナのたった2頭の布陣です。この2頭で強力で勢いのある3歳世代に対抗できるでしょうか?

 

この2頭はどちらもサンデーRの馬ですがいずれも主戦騎手は福永騎手でした。ディーナは前走から乗り替わり今回はクリスチャン騎手に、アンドヴァもムーア騎手を配してきました。このクラブはかつてのレジェンド外しを率先していたところですからこういう動きは早いですね。結果、エリザベス女王杯の騎乗馬がなくなりました。福永騎手の冷遇が既に始まっているようです。まぁ、ご本人も騎手以外の道を模索し始めているようですが。

 

アンドヴァラナウト

 

馬の調子はとてもよかったようで府中牝馬Sのレース前は「無理に下げずに好意から早め先頭」なら勝ち負けと厩舎では話していました。が、福永騎手はそうしません。1枠1番から良いスタートを決めましたがポジションを取りに行く素振りも見せず出たなりで後方で脚を溜めています。先行馬のこの馬は末脚で勝負するタイプではありませんから、どうしてそれで勝てると思ったのでしょうか?何とか3着は死守しましたが4着馬にはクビ差に迫られています。この馬の力を出し切れたとはちょっと思えない消極的な騎乗だったと思います。ので、さすがに乗り替わっていますね。私も本命だったので冷や冷やさせられました。

 

馬は晩成タイプであるようで勝ち上がりは3歳4月と遅く秋華賞にはなんとか間に合ったという感じでした。でも、秋華賞も3着と走りはしましたが、レース前から本格化は来年の今頃みたいな感じでした。この頃は素質だけで走っていたのでしょう。そこで休養をとり、来るべき大成の日を待つこととなりました。しかし、4歳になった今でも思うような結果が出ているとは言えません。むしろ大敗も度々するようになり成績はすっかりムラになっています。これが陣営が思い描いたこの馬の本当の姿なのでしょうか?

 

この馬のヒントは1月に11着と大敗した愛知杯にありました。ローズS勝ち、秋華賞3着と2000mのレースでも好走しましたが、愛知杯の敗因を厩舎は距離適性としています。3歳馬同士なら能力で距離適性を誤魔化せますが古馬になったらそうもいきません。2000mは本質的に長いとの話で、加えてベストはワンターンコースの1600m~1800mとしています。そう言えばローズSを勝った時に福永騎手はコーナー4つのコースで勝てた事を非常に喜んでいました。それもこういう理由があったからなのでしょう。厩舎サイドにしてみればこの馬の原点をこの愛知杯で再認識したのでしょう。以降はこの条件に合致したレースばかりを使っています(阪神牝馬S2着、ヴィクトリアM14着、府中牝馬S3着)。GⅠを除けば確かにそこそこに走れています。

 

だとするとエリザベス女王杯はストライクゾーンからかなり逸れた条件になります。それに、ヴィクトリアMに出走していた時にはGⅠを勝つならここしかない!って息巻いていたほどなので。これらを鵜呑みにすれば今回は普通にダメなんじゃないでしょうか?距離も、コースもナンデ出て来たの?というぐらいズレています。条件的には厳しいものと捉えて良さそうです。

 

注意しておくとしたら、本格化は来年と言われていた成長が今ようやく見え始めていることと、鞍上がムーア騎手に乗り替わることです。これらが絶妙な化学変化を起こす可能性はあるかもしれません。夏を越してトモがパンとしてきたそうで、それに連動するように走りのフォームも格段によくなったとのこと。馬そのもに大きな変化があるのは間違いのないことでしょう。距離やコースの適性もそれで変化してくることはあり得ます。今までと違った走りが出来るかもしれません。それを可能にするのがムーア騎手への乗り替わり。先入観の無いジョッキーが乗る事で自然と2200向きの乗り方をしてくると思われます。馬もこれまでと違っていますのでその乗り方を受け入れてしまうこともあるかもしれません。この点に関しては未知数なのでやってみない事にはわかり様がないのですが、そんな事が無いとも言えないので取捨は慎重に判断したいと思います。

 

ジェラルディーナ

 

母は史上4番目の三冠牝馬ジェンティルドンナですから当初から期待は小さくありませんでした。ただ、クラシックに成長が間に合わなかったので3歳春は棒に振ることに。夏に3連勝と勢いがついていざGⅠとなりましたが秋華賞を除外。また、元主戦騎手だった福永騎手は大阪杯でもチャンスがあると期待していたのですが、その大阪杯も賞金除外。なかなかGⅠに出走する事が適いませんでした。前走でオールカマーを勝利してようやくそれが適います。エリザベス女王杯で初GⅠ出走となりました。

 

昨年の暮れぐらいから重賞を勝てる馬ということが関係者の間で共通認識となっています。今年に入るとその認識はもっと上まで行けそうな馬というものに変わります。その考えはこの馬の臨戦過程に良く表れています。ここまで牝馬限定重賞に出走することがなく、牡馬混合の中長距離ばかりに出走しています(阪神牝馬特別大阪杯除外のため仕方なく使ったレースなので度外視)。出れば勝ち負けの牝馬GⅢはいくらでもあったのに、大きいところを意識して牡馬混合の厳しいレースにぶつけていきました。目先のタイトルよりもGⅠで通用する経験値を重視したからです。あえていばらの道を行き、ようやくここにたどり着きました。初GⅠながら力の入るところです。

 

この馬の場合は上記のアンドヴァラナウトとは正反対で1800mでは忙しいそうです。さらにワンターンコースも良くないとの認識を早い時期から持っています。また、聞いている話を総合すると2000mぐらいがベストの様な感じもしますが、短いよりは長い方が良いと京都記念(6着)や、オールカマー(1着)など長めの距離を躊躇なく使って来ます。アンドヴァよりもエ杯向きな適性を示していると言えます。同じ2200mのオールカマー勝ちの実績からも悪い事はないはずです。やれる条件と見てまず間違いないでしょう。

 

ただ、オールカマーは非常に淡泊なレースで、時計もちょっと遅いかなと思います。有力馬が力を出しづらいレースでもあり、例えばデアリングタクト(6着)をガチンコ勝負で競り潰したという内容でもありません。これを強さの根拠とは出来ないと思います。評価を下げる必要もありませんが今回は試金石的な意味合いが強くなるのではないかと考えています。

 

 

エリザベス女王杯(GⅠ)の予想案はこちら▼

 

デイリー杯2歳ステークス(GⅡ) 出走馬カルテ

 

こんにちは。

 

朝日杯FSにおけるデイリー杯2歳S組の過去10年の成績は【1・3・2・18】です。重賞競走の割に良い成績とは言えません。サウジRC(旧いちょうS)が重賞化されて食い扶持を奪われている格好です。しかし、近2年は阪神開催だったので本番と同条件で行われました。その結果関連性が高くなっています。20年の勝ち馬レッドベルオーブが3着、21年の勝ち馬セリフォスが2着と確実に圏内に突入してくることとなりました。やはり、勝って同条件は有利に働くようです。よって、今年も暮れのGⅠに向けて見逃せないレースとなります。本番での入着馬がきっと潜んでいることでしょう。

 

レースは12日(土)になります。前日11日(金)には更新を完了致します。

 

アドバンスファラオ

 

ここまで4戦しているが2走前に芝のダリア賞を使った以外はダート戦を走っている。ただ、走りそのものは芝の方がよく、ダリア賞ではスムーズに先行していたし、前走の芝スタート部分でハナに立つなど芝上の方が良いポジショニングが出来ている。ただ、距離をこなすスタミナ面に問題がありそうで砂芝問わず現状は1400mでも距離が長い。ここまで1400m戦を3走しているが直線での追い比べに見どころがない。前走もスロペを3頭併せで先行していたがこの馬だけが脱落している。実際、勝ち上がりは福島1150mであった。この距離でも追って伸びていた訳ではないので、競走馬としてそもそも弱い印象。マイル戦をこなせるとは思えない。また、2着だった新馬戦で10番人気だった馬に3馬身差で負けたのだが、前走のヤマボウシ賞でも先着を許ししている。このレースには今回対戦するエミサキホコルも出走していたがこれにも3馬身負けている。対戦成績から見てもいろんな馬に対して圧倒的に負けている。褒めるものが全く無いので困る。出走意図は不明だが1週前の段階で名前も出ていなかったので急なエントリーと言う印象が強い。登録しだけで出走そのものも無いのではないか?と思う。仮に出て来てもさすがに1点もイラナイと思うのだが。

 

エミサキホコル

 

芝を2戦して勝ち上がれなかった。ダートに転向して1着、4着とこちらではまずまずの成績。芝2戦ではスタートを決めて、ポジションを取ったり、レースの流れに乗ったりと全くダメと言う感じはない。実際、ダートの2戦でも芝スタートで先行出来ている。ただ、芝では勝負所からの伸びが無く、追い出しても加速出来ていなかった。ダートの2戦では上がり順で2位、3位と上位上がりを記録しているので脚が無いわけでもない。これはトモに力がついていからだろう。この手のタイプは十八九でこのパターン。前脚の掻き込みが重要なダートは前輪駆動な走りでも良いが、芝戦では後脚のダッシュ力の方が重要になる。トモに肉が付き切っていないと追い出してからのダッシュ力に影響が出る。身体的な成長が見えてこないと三度厳しい結果が予想される。前走で10kと馬体を増やしているがこれは減っていたものが戻ったもの。デビューから+2kしか増えていない。約1ケ月振りとなるが馬体の成長がある事が前提になるのでは?

 

オールパルフェ

 

6月の府中1600mでデビュー。サウジRCで1番人気だったノッキングポイントの2着。その後、10月の中山1600mまで間隔を空けて初勝利を上げる。この2戦は逃げる戦法を採っている。ロケットスタートで飛び出していくタイプではなく、二の脚を利かせて主張してハナに立つ感じ。2戦とも36秒ぐらいのスロー逃げでラスト3Fを上がりの競馬で後続を突き放すスタイル。リズム良く、折り合いはついていた。それでも前進気勢はやや強めに出ているので、現状は逃げた方が良さの出るタイプということだと思う。ここまでは単騎のマイペースで行けているので展開勝ちみたいなところがある。2走のペースを踏まえるともっと速い上がりを記録しても良いのではないかと思えるので地力の高さはまだ感じられない。競り込まれたり、ハイペで行った時に粘れるかはまだ未知数であり、あまり大きくは見積もれない。もう少し様子を見た方が良い気がする。同型馬の有無が取捨の鍵だろう。

 

クルゼイロドスル

 

7月の新潟1600mでデビュー。アルテミスS2着のリバティアイランドの2着。その後10月の府中1600mまで間隔を空けて初勝利を上げる。リバティアイランドの切れ味だけが目立ったレースだが、この馬も2番手から32.4秒を使った。とは言え、レース上がりが32.0秒なのでどの馬の上がりも速い。超スローの展開だったので3着馬も逃げ馬で基本的にはイッタイッタの競馬である。リバティの末脚だけが抜けていただけでこの馬のそれは標準的な上がりでしかなかった。これだけでは評価を高める事が出来なかったが、未勝利勝ちの内容に価値はあった。3F通過が3秒以上速い流れで道中の負荷が大きくなったレースでも33.8秒の高速上がりを記録しているのがまずよい。ペース・展開を問わず速い上がりを記録出来る末脚がある事が分かったのは収穫。この時は出負けして後方集団からのスタート。徐々にポジションを押し上げてと言うレース運びなので他馬よりも多く脚を使っていたことも踏まえると強い内容でもあった。サウジRCより0.1秒遅く、アルテミスSより0.3秒速い走破時計を記録した。府中のマイル重賞と比べて遜色ない時計で走れている点も優秀であろう。ファインニードル産駒なのでスピードがあるのかもしれない。新馬戦は先行して雪崩れ込む競馬、2戦目では長く脚を使って決め手を発揮したレース。レース振りにも幅がある。前走の出遅れも原因はデムーロ騎手によるものなので度外視出来そう。新馬戦では好発だった。ゲートを出てからの二の脚もあるので本来はポジション取りに苦労するタイプではないと思う。気性面の問題も現状は見えない。2戦の平均点は高目で良い。今回に関しては不安材料は無く、パワーバランスだけが問題となる。

 

ジョウショーホープ【回避】

新馬勝ちのレースはスロー展開の割にラストの失速が大きい。もう少し速い上がりを使えてないと評価は高く出来ない。普通の馬の可能性。

・1500mのクローバー賞を3着とそれなりに走ったが時計は物足りないもの。勝った馬も道営馬でレベルは疑わしく、好意的な気持ちにはなれない。

・短距離中心で使われているので1800mへの延長は課題だが1500mはこなしたので距離限界は保留にしておく。

 

上記が札幌2歳S出走時のカルテ。

 

札幌2歳Sで4着。大外枠だったので先行を争いに行く事はなく最初から控える競馬をするつもりだったようだ。3コーナーまで終始3番手。ここから仕掛けて行くのだが他と同じ脚色でマクれない。4コーナーまでに番手を1つも上げれないまま直線を向いた。機動力の無い走りで後半に良い脚は使えていない印象。直線だけの競馬で4着まで追い上げてきたがスピードが鈍った馬を交わしただけと言う感じ。先行していた2着馬の上がりも上回れていないので末脚で勝負して良い馬ではないと思う。近2戦は洋芝戦なので上がりはかかって問題ないが、その前の中京、新潟は速い上がりを使えて良い舞台。そこで34秒台すら記録出来ていないとなると上がりに限界があるタイプと言うことか?洋芝では5着、4着と成績が安定していたことからも上がりがかかる展開が向いている可能性は高い。初経験となるマイル戦で優秀な決め手を発揮する分析は現状では出来ない。3戦目までは先行策を採っていた馬なので早めの競馬で粘れればと言う事になりそう。

 

ショウナンアレクサ

 

マイル戦を新潟・中京で使って2着・1着。岩田康騎手が騎乗して序盤から強引に動かしてポジションをキープしていたが、3戦目の岩田望騎手の時はすんなりと先行態勢を取れている。どちらが本当の姿か分からないが騎手の誘導次第で馬の立ち回りに違いが出ている。今回は望騎手の続戦なので序盤はスムーズに立ち回るのではないかと思う。3戦の競馬を見るとよーいんドンの競馬で勝ち切れていない印象。新馬戦でもそれなりに対応して速い脚は使っていたが勝ち切れていない。前走も馬群一塊で進んだスロー戦を最後方の馬がまとめて差し切ってしまった典型的な瞬発戦。ラスト2F目が10.7秒まで加速した高い瞬発力を求められたレースだった。本馬も脚は使ったが他の馬も同様に速い上がりを使っているので脚色が一緒になってしまい抜け出せなかった。対照的に未勝利勝ちはマイル戦にしては珍しくラスト4Fからの持続戦となり長く脚を使い押し切っている。持続力に良い所はありそうだ。ただ、本当に強い馬は持続力と瞬発力を兼備するもの。そう言う意味では普通の馬と言う事になる。相手なりな評価が妥当。将来的にはわからないがここではメンバー次第で好走可能ではある。周りに合わせた競馬ではなく自分で競馬を作るつもりで競馬をした方が現状は良い結果につながると思う。

 

ショーモン

 

札幌1500mを2戦して2着・1着。この条件はだいたい1分31秒台が標準的。2戦とも1分30秒台で走れているので時計的には合格点。新馬戦は1枠1番であったがゲートをくぐり、ぶっ壊してといろいろやって外枠発走。しかし、一番良いスタートを決めて、逃げ馬と馬体を併せて先行していった。この2頭がそのまま1・2着になっている。3着は5馬身も離れていた。ハナ差の2着だったが3着以下とは力は違っていたか完成度が上という印象。駐立不良のペナルティで調教再審査となり次走は1ケ月程空いたが同条件で勝ち上がった。2戦目も逃げ馬に絡んでいく競馬でまたしてもこの2頭が1・2着。レース振りに変化はなかった。ただ、今度はキッチリと抜け出しており4馬身差の圧勝。2戦目は初戦よりペースが2秒近く速くなっていたのでラストは失速率の大きい消耗戦となっていた。キツい展開で逃げ馬は力尽きたがこの馬はへこたれる事無く後続を突き放し完勝した。スピード性能、持続力共に高いものを持っているようだ。ただ、気性の悪さは結構目立つ。前進気勢が強いので放すとぶっ飛んで行ってしまいそうな危うさを感じる。その気になってしまうと口を割るシーンもあり、制御が難しい現状かもしれない。まだ、粗削りな面が多々あり能力だけで走っている感じ。それでも2走の内容は良いので弱いという事はなく、無視の出来ない存在ではあると思う。洋芝経験だけなので中央場所のコースが課題となりそうだが、阪神は時計がかかり始めているので今回はあまり問題にならないかもしれない。

 

シルヴァーデューク

・1800mを2戦して勝ち上がったが中距離馬としては前進気勢がやや強い。マイルへの短縮は適していると思われる。

・ゲートの出も良く、スッと好位に取り付けるスピードがある。競馬センスは高い。

・仕掛けてからビュっと反応する瞬発力はいつも良いのだが、末脚の威力や航行距離はそう長くない印象。

 

上記がサウジRC出走時のカルテ。

 

サウジRCで3着。2着馬の大逃げで後続は仕掛けが難しくなったレース。なので、1~3着馬は1~3番手を追走していて結果としては前残りの競馬。レース振りは単調だった。ただ、勝ち時計1:33.4は優秀。このレースで1分33秒台で走破した馬には14年クラリティスカイ、17年ダノンプレミアム、19年のサリオスといる。後に皆マイルGⅠ馬となっている。1分34秒台以降でGⅠ勝ちした馬はグランアレグリア1頭しかいなかったことからも、1分33秒台走破はGⅠ級の指標とする事が出来る。勝ったドルチェモアは有力なGⅠ候補となりそう。こういうレースで3着と走った本馬も評価も高くして良いと思う。上がり順は4位であったがレース上がり35.6秒のレースで33.9秒の末脚は悪くない。地力はそれなりに高いと感じる。ただ、やはり純粋な脚比べとなるとこの馬以上の脚持ちは多い。勝ち馬の直ぐうしろにいたが一瞬で突き放されていたように瞬発力の性能が勝ち馬に劣る。ジワジワと伸びて1番人気ノッキングポイントの追撃を退けるまでが精いっぱいだった。決め手で負ける印象は2戦目までと変わらない。やはり早めに抜け出す競馬で我慢比べの競馬の方が良いと思う。積極的に行きたい。

 

ダノンタッチダウン

 

中京1600mを新馬勝ち。ホープフルSを勝ち最優秀2歳牡馬に輝いたダノンザキッドの下になる。取引額2億6400万円の高額馬。ジャスタウェイからロードカナロアに変わっている。デビュー前はスプリンターズSに出走したダイアトニックにくらいついていて中々動いていた。厩舎の期待はとても大きく新馬からしっかりと乗りこまれていた。ただ、まだまだ緩さを残す馬体で完成は先と言う状況。状態は6分、7分ぐらいであったようだ。そんな感じはレースでも出ていた。好発進のスタートだったが行きっぷりが良くなく、気合をつけながらだった。好位を取れず徐々に番手は下がり後ろから数えた方が早かった。コーナリングも上手いという感じはなかったのでまだまだ完成途上という走り。それでも出走馬の中でただ1頭だけ末脚を33秒台まで加速させていた点が非凡なところ。2・3着馬は2・3番手の先行馬だったので展開に逆行しながらねじ伏せた内容。力上位の勝ち方は披露していた。このように能力だけで勝ったという感じは強く、新馬戦だから勝てたと言う所はあるだろう。レースレベルが上がると取りこぼす要素は結構あるなという感じはする。素質上位と評価する必要はあるが、うっかり負けみたいな可能性も否定できない。完成度の高さで前に来る馬はいても良さそう。力がある事は間違いないので2戦目でどこまで変わって来るかが重要になる。緩々だった前走から上積みは大きくなりそうなだけにより強い競馬を発揮して欲しい。

 

トーセントラム

 

函館でデビューして2着。その後、札幌開催の7週をほぼフル稼働して4戦した。ここまでして勝ち上がる事が出来ず、10月の新潟で勝ち上がり。6戦目の勝利だった。萩S6着を挟んでの重賞挑戦となる。未勝利脱出時までは好走を続け掲示板は死守していたがOP特別で掲示板を外してしまう。これも7頭立ての6着なので実質はブービー。勝ち切れなかった馬だけにクラスが上がって壁に当たった感じになっている。

 

まず、北海道の5戦を総括しておくと主に1800mを中心に走っていた。結論を言えば、純粋に弱くて負けていた感じ。2着3回とそこそこ走れているが、ドゥーラ、ブラストウェーブ、トップナイフ等強い馬と戦うと圧倒的に負けていて出走馬のレベルが上がると全然弱い。気性に問題があるとか、立ち回りが下手とかではなくとにかく追って伸びない。加速も弱く、勝負所で機動力を発揮する事はまず難しい。相手次第で競走成績は悪くなかったが、基本的に力不足な負け方を続けた。

 

そんな馬が新潟マイルを走って印象を一変する走りを見せる。中位で控えて末脚勝負で勝ち切ってしまう。直線では包まれてしまい今日もダメかという感じだったが狭い所をこじ開けて抜けて来た。最速上がりの33.0秒と言う末脚は今までの姿からは想像もつかないもの。こういう脚を使えたという事は単純に北海道の洋芝が合わなかっただけということになる。陣営の采配ミスだったのではないか?上がりはとにかく極上だった。そしてブービー負けだった萩Sも実は悪くない内容である。鞍上の菅原騎手は何を思ったのか10馬身は離れていた後方ポツン。これはさすがに勝負以前の問題だ。後傾持続したレースで長く良い脚を使っているし、ここでも最速上がりを記録した。この時の勝ち馬は北海道で2.2秒もタイム差をつけられたトップナイフ。そのタイム差は0.7秒差まで詰まっていた。乗り方が違えば差はもっと詰まっていただろう。

 

以上のことから近2走の競馬は悪くない。切れ味勝負の馬と言う可能性が高まっているのでマイル戦に戻るのもプラスに出るだろう。中央場所なら軽視しない方が良い。臨戦過多なので状態面の不安はあるが穴なら十分に期待出来るのではなかろうか?

 

デイドリームビーチ

・それほど速いペースではないが後方をポツンと追走していた。距離が忙しいのかもしれないが34.9秒のペースについて行けないようでは競走馬として情けない。中央場所の良馬場で大丈夫なのだろうか?

・失速率が大きい消耗戦で前が止まったところを大外マクリで差し切った。この内容はかなりハマっている。

・基礎的な事がまだまだ出来ていなかったという印象。

 

上記が京王杯2歳S出走時のカルテ。

 

京王杯2歳Sを殿負け。ここは連闘になるが2歳のこの時期に重賞を連闘をするのは珍しい。新馬戦の内容をかなりネガティブに評価をしたが、それが全て現実のものとなった。1枠1番の好枠だったがスタートから出負けする。最初から前に行く気はなかったようでそのまま後方に下がる。騎手はそれぐらいでついていけると思っていたようで序盤から急かすことは無かった。しかし、やはり中央場所のスピード競馬に対応出来ずどんどん置かれていってかなり離れた後方ポツンとなる。さすがに手綱を動かさざるをえず向こう流しはほぼ追い通し。それでも全く前との差はつまらないままだった。直線に向いてもエンジンが点火することはなく、ワンペースな追走で雪崩れ込んだだけ。ペースがタイトだったのでバテた馬は何頭か出たのだがそれすら交わせないままゴールする。この内容でよく芝重賞を連闘するものだ。スピード要素がまるでなく、これでは条件戦でも厳しそう。マイルになるのでペースは多少緩むから追走面は楽になるだろうが、それでどうにかなるようには思えない。評価はゼロ以下と言う感じになってしまう。

 

フォーサイドナイン

 

9月の中山1800mでデビューして3着。2F目が1F目より遅くなるという珍しい競馬。それだけにスローな競馬になっていて、1~4番手の馬が順番を入れ替えながら4着までを独占したイッタイッタ。本馬は勝ち馬と並んだ2・3番手の追走であったが相手が上がり最速で振り切ったのに対し、こちらは伸び脚が並み。仕上げの問題かもしれないが末脚の性能で劣って負けてしまった。かったるいペースだったのでもう少し速い上がりを記録して欲しかった。次走に阪神1800mを使って勝ち上がる。2歳戦にしては速いペースで進行しラストは失速率が大きくなる上がりのかかる展開。ラチ沿い中位で脚をタメインを突いて完勝する。新馬戦で記録出来なかった最速上がりをここで記録。叩いた効果かもしれないが、トビの大きな馬なので1周コースからワンターンコースに変わったのも良かったように思う。ハードなレースを突き抜けているので評価は出来るが5頭立てのレースなので最速だった上がりや相手関係など鵜呑みにして良いものかどうかは分からない。2戦を通して立ち回りは上手く、競馬センスは標準並みにあるので悪い馬ではない。ただ、目立ったパフォーマンスも無いので評価を上げきれない。もう少し様子を見てからでないと強弱は決められない。

 

デイリー杯2歳Sの予想案はこちら▼

 

11月の予想案【8戦4的中・回収率45.1%】

・このページは11月の予想案を1つのページにまとめたものです。

・新しい予想案を上から順に上書きしていきます。

 

ジャパンカップ(GⅠ)

 

こんにちは。

 

逃げるのは⑨ユニコーンライオンで間違いないでしょう。単騎濃厚な組み合わせでもありますし。このユニコーン宝塚記念で2着に粘った時の1000m通過が60.0秒ジャスト。逃げた近2走もこれを境に1秒以内で前後しています。逃げ馬としては普通のペースです。また、厩舎からは今回も距離が長いとの話は出ています。距離に自信の無い馬なら少しでも力を温存したいと考えてしまう事もあるでしょう。単騎ならそう言う事をすることも可能です。

 

このように想定すると今年はペースが速くならないだろうと思います。ユニコーンのペースならGⅠではスローと言ってもいいでしょう。だとすると、レースはポジションゲームとなり前にいたり、インでロス無く脚を溜められた馬に有利に働くだろうと考えました。

 

以上のことから、内枠に入っている日本馬③ヴェルトライゼンデを本命にします。前走のオールカマーは偏った馬場バイアスでの敗戦でしたが、それ以前に外厩の調整も良くなかったそうで完璧には仕上げ切れなかったとのこです。それもあって上積みがとても大きくなりました。また、鳴尾記念での感触はレーン騎手の評価をとても高くしたそうです。本当なら本番もヴェルトに乗りたいとも考えていたのだとか。この本番とは宝塚記念の事ですね。レーン騎手はヒシイグアスで2着でしたがそれ以上の馬と感じたのでしょう。今回の来日で最も楽しみにしている1頭の様な気がします。そんなレーン騎手からは「グッドコンディション」の言葉が出ていてとてもポジティヴな感触が伝わっています。また、鳴尾記念が2枠2番でしたが、今回は2枠3番とほぼ同じ。勝った時と同じイメージで競馬をしてくれるのではないでしょうか?騎手とのマッチングが非常に高いのも本命の理由になります。後は力関係だけでしょう。日本馬だけなら3着は十分に狙えますから外国馬の出方次第です。

 

対抗にはレースへの本気度が間違いなく一番の⑮シャフリヤールとします。先行タイプの馬が少々外目に入ってしまいましたので一枚下げることにしました。ただ、今回のペースは勝ったドバイシーマCと同じようなペース・展開になると思うのでこの馬には力を出し切れる流れだと思います。前走はキレ負け、追い負けと終いの脚に見どころ無く敗れていますが天皇賞(秋)はもともと叩き台として使っていた1戦。厩舎側に悲観の色はなし。思惑通りの上積みでここはメイチ仕上げです。終いの伸びも格段に変わってくるでしょう。

 

3番手の▲は⑭ダノンベルーガ。55kなら2400mもこなせて良いと考えます。出走を決めるのがギリギリでしたがこれはいつものこと。堀調教師がGOサインを出していることから穿った見方は不要と思います。ただ、そんな堀調教師にも不安材料があるそうです。それは鞍上の川田騎手です。乗り方に少々不満があるようです。きっと外国人ジョッキーを乗せたかったのでしょう。そのぐらいの不安要素なら何とかなると思います。やはり3歳馬は無視をする事が出来ません。

 

外国馬は上記で触れた展開想定から内枠の馬から脚質を考慮して①シムカミルと⑤グランドグローリーの2頭をチョイスしました。外国馬4頭の中では人気のない2頭になっちゃいましたがそんなことは知りません。だって馬の事よく分かりませんから。この2頭に日本馬の⑥ヴェラアズール⑧デアリングタクト⑰ユーバーレーベンを加えた5頭が△です。

 

買い方は◎の単複2点。◎〇▲の馬連・ワイドを箱で3点づつ×2で6点。◎から△へワイド5点。3連複は◎〇-◎〇▲-◎〇▲△のフォーメションで16点。全部で29点になります。

 

<印一覧>

◎:③ヴェルトライゼンデ
〇:⑮シャフリヤール
▲:⑭ダノンベルーガ
△:①シムカミル⑤グランドグローリー⑥ヴェラアズール⑧デアリングタクト⑰ユーバーレーベン

 

京都2歳ステークス(GⅢ)

 

こんにちは。

 

大魔神が久しぶりに手に入れたGⅠ級の好素材⑥グランヴィノスが大本命◎。佐々木氏もかなり期待しています。勝ってもホープフルSなど2歳GⅠに向かう考えがなく、賞金加算をして春に備えるプランがもう出来上がっています。厩舎サイドも通過点と言う認識です。川田騎手も2週連続で調教をつける熱の入れようでこの馬への拘りが強そうです。ダノンの2歳勢も順調に来ているのにそれでもこの馬を手放したくないのでしょう。この馬に携わる関係者の期待は総じて高く、負けることなど微塵も考えていない様子です。また、ここは勝って同条件なので経験値としても普通に有利。その前走で負かした相手も軒並み勝ち上がっているレベルの高い1戦でした。それを鞭も使わずに圧勝した本馬の能力は測りきれません。2戦目でパフォーマンスは上がるでしょうから普通に走れば3着以内にいてくれそうです。

 

対抗には外差し出来る馬を選びました。外目の枠から差し脚がしっかりとしていた⑩コスモサガルマータ⑪アイルシャイン⑭ロードプレイヤーの3頭を選び横並びで〇にします。⑩コスモは出来がメチャクチャ良いそうで、ムーア騎手の感触もまんざらではない様子。⑪アイルも状態が良く不利だらけだった新馬戦からどれだけパフォーマンスを上げるかに注目しています。⑭ロードの2戦は府中なのでコース形態が変わる事が懸案ですが、中山2000mの自己条件と悩んでいたくらいなのでこの条件に不安も無いのでしょう。

 

それ以下の△は手広く②シュタールヴィント③サイブレーカー④トップナイフ⑤エゾダイモン⑨ヴェルテンベルクと5頭を押さえます。点数が多いですが上がり目の目えない組み合わせなので仕方ないと諦めました。絶対軸がいるので手広く拾っといた方が良いとの考えです。

 

買い方は◎から〇へ馬連3点。◎から△へワイド5点。○3頭のワイドを箱で3点。3連複は◎-○-○△のフォーメションで18点。以上29点になります。

 

<印一覧>

◎:⑥グランヴィノス
〇:⑩コスモサガルマータ⑪アイルシャイン⑭ロードプレイヤー
△:②シュタールヴィント③サイブレーカー④トップナイフ⑤エゾダイモン⑨ヴェルテンベルク

 

 

マイルチャンピオンシップ(GⅠ)

 

こんにちは。

 

上位人気馬のほとんどが春から秋にかけての府中のマイル重賞を走っています。それらを時計順に並べると富士S→ヴィクトリアM→NHKマイルC&安田記念となり、これらのタイム差は0.2秒~0.3秒しかなく時計面に大きな違いがありません。それだけ力が拮抗していることを物語っているのでしょう。だから人気も割れています。

 

条件が阪神マイルに変わりますのでその適性で扱う馬を決めれば良いのですが、また困ったことにほとんどの馬が優秀な阪神マイル実績があります。2歳の府中重賞好走馬が阪神の2歳GⅠで結果を出しているように、この2つのコースの連動性はもともと高いのでこうもなりましょう。

 

これでは印の取捨選択が難しく、格式の高いレースの結果順に評価していくか、好みの問題で決めるしかありません。が、ありがたいことに今週も道悪競馬となりました。少しでも理路整然と取捨したいならこのファクターに頼るしかありません。その結果、◎に⑪ソウルラッシュ、〇に④シュネルマイスター、▲に⑮ダノンスコーピオンとしました。

 

道悪を3連勝で重賞まで勝ってしまった⑪ソウルは今日の条件を一番喜んでいる馬でしょう。そんな馬が一番時計の速かった富士Sで勝ちに等しい2着。これは充実度の表れだと思います。この枠なら捌きやすいでしょうから安田記念のようなこともありません。④シュネルは道悪の経験が全くありませんが陣営は血統的にこなして当然みたいな感じで全く気にしていません。それなら完璧な調整過程&実績から高めの評価で良いだろうという結論です。枠が内の分だけ⑪ソウルより下としましたがこちらが頭にくることは十分にあると考えています。⑮ダスコは本当は本命でしたが道悪になったので3番手まで下げることにしました。良馬場だったら勝ち負けだったと思います。そのぐらい出来が良いとのことです。

 

4番手として⑩セリフォスに☆マークをつけます。こちらは鞍上レーン騎手を重視しました。調教で乗った感触が良かったようで自分が上手く乗れればチャンスはあると考えています。この方の感触がポジティヴだった時は好走する事が結構あって、オークス2着のスタニングローズの時がそうでした。今回もその時と同じぐらいの感触の様に思うのでこれは期待したいと思います。道悪もダメじゃないと思うとの事で不安材料になっていなかったので人気が落ちたところで狙ってみようと思います。

 

今回はこの4頭で勝負する事にします。買い方は◎の単複2点。◎〇▲の馬連を箱で3点。◎〇▲☆のワイドを箱で6点。◎〇▲☆の3連複を箱で4点。以上の15点です。

 

投稿前の原稿では押さえの△には③ダノンザキッド⑤サリオス⑥ソダシ⑬エアロロノア⑭ホウオウアマゾンの5頭がいたのですが、そうすると買い目が33点になってしまうので今の自分には多いなぁと思ったのでやめることにしました。私は買いませんが、参考までに追記しておきます。

 

東京スポーツ杯2歳ステークス(GⅡ)

 

こんにちは。

 

今年も素質馬っぽい馬が揃った印象で出走している馬はどれも将来的に楽しみです。そんな中1番人気に支持されているのが⑧ハーツコンチェルトで現在2.0倍でちょっと抜けたオッズになっています。この馬の新馬戦にみんなが魅了されたようです。厩舎も凡走はイメージしていないそうです。他の馬に比べると完成度が高いので普通に走ればかなり有利な存在でありそうです。ただ、このレースは将来を占うレースなので狙うならこの先の大きいところで活躍しそうな馬を選びたいと思います。⑧ハーツがそうじゃないと言うつもりはないのですが、完成度はなくても未知数に溢れた素質馬から入っていきたいと思います。

 

狙うのは⑤フェイトと⑥ダノンザタイガー。この2頭を本線に組みたいと思います。⑤フェイトの新馬戦も強い内容で、前走で使った末脚は⑧ハーツよりも価値が大きかったと思います。それでも緩さを多分に残しているのが現状でまだまだよくなる余地があるとの事です。一度使った効果も出ているので前走以上が確実なら勝ち負けの圏内に数えて良いと思います。⑥ダノンの川田騎手は先週のデ杯2歳Sを2着したタッチダウンよりも今回のザタイガーの方に魅力を感じているようです。牡馬クラシックに縁のない国枝調教師もこの馬で大きいところを狙っているのでここで最低でも賞金加算をしておきたい腹積もり。3戦目で馬もだいぶ良くなってきているそうで今回はあまり心配していないようです。

 

この2頭をダブル本命◎にして人気の⑧ハーツは▲までとします。

 

4番手で狙ってみたいのが⑪タイセイクラージュでこれに☆マークをつけます。前走は出遅れて不本意な競馬でしたので度外視して良いでしょう。今回と同条件だった新馬勝ちの内容を重視しようと思います。控えて乗ってっも味が無い事が前走で分かりましたので勝ち上がった時のように積極策で乗っていれば後続の末脚不発で入着の可能性が出て来ることもあるでしょう。なお、管理する矢作調教師は⑤フェイトと2頭出しですがワンツー決着もあると考えています。

 

他は②シルトホルン③ガストリック⑦ドゥラエレーデの3頭までを△で押さえておこうと思います。

 

買い方は◎2頭の単勝2点。◎〇▲の馬連を箱で3点。◎〇のワイドを厚目に1点。◎から☆へワイド1点×2で2点。3連複は◎◎-◎◎▲-◎◎▲☆△のフォーメションで13点。今回は21点になります。

 

エリザベス女王杯(GⅠ)

 

こんにちは。

 

2Rには雨が降りだして4Rには稍重となり、一気に重馬場まで悪化しました。でも、その雨も既に止んでいて雨雲レーダーでは今後阪神競馬場の上空を雨雲が覆う事はなさそうです。これ以上の悪化がないのはいいですね。

 

今年の情勢を重視して3歳馬から入ることにします。本命◎は⑪ナミュールオークス以外は2歳GⅠからずっと本命にしているのでこの馬の勝利は私の悲願でもあります。厩舎でも今度はこちらを勝たせたいという感じが強く出ています。カルテで指摘しましたがやはり上積みがあるそうです。叩いた効果が出るのはこれが初めてとのことで厩舎も盛り上がっています。キレ味で勝負するタイプなのでこの天気は大幅にマイナスになると思います。だから本命を諦めようとしていたのですが私には出来ませんでした。総合力でこなしてくれと願っています。

 

対抗〇も同厩舎の⑩スタニングローズ。秋華賞後に⑪ナミュールと一緒にしがらきに放牧に出たのですが帰厩はこちらの方が早かったそうです。それだけ疲れがなかったのでしょう。前走メイチでしたが今回もわずかながら上積みがあり、前走より良い状態で出走出来ます。距離もOK、道悪もOKとタフな条件で強さを発揮する本馬に良い状況も整いました。古馬との力関係以外には不安材料がありません。本当はこの馬から入るのが最も適切だと分かっています。ただ、⑪ナミュールと違いこの馬にはずっと△しかつけてこなかったので。勝ったから本命みたいなタイミングは節操がないし、そう言う時に限って予想は外れます。自分の経験値から本命を止めることにしました。

 

▲に⑬ウインマリリン。実は今年こそは本命だ!と息巻いていたのですがあいにくの天気。道悪は絶対NGな馬なので雨が降り続くようなら消そうと思っていましたが雨は上がったようなので3番手に残すことにします。これ以上の悪化がないなら洋芝をこなしたパワーで馬が何とかすべきです。悲願とはそういうもの。過去2年とはデキが全く違い、ようやく力を発揮出来るところまで戻ってきました。なんとか頑張って欲しいと思います。

 

△で③ピンハイ④デアリングタクト⑤マジカルラグーン⑭アカイイト⑱ジェラルディーナの5頭を押さえます。

 

そして、最後に今日は裏本命を設けたいと思います。◉の特別印で⑥ホウオウエミーズ。現在最低人気です。この馬はただの道悪巧者ではありません。比較的に馬場の良いところを選んで好走する普通の道悪巧者ではないからです。馬場が掘れてしまったところをスイスイと動けてしまう極上の道悪巧者なのです。そう言う馬が真っ先に馬場が悪化するイン枠を引いているのがもう最高。各馬が外を回る競馬をしてもこの馬はそのままインを突いてくると思います。これでかなりの距離アドバンテージを得られます。力差はあるでしょうがその差をコース取りが相殺してしまうのではないかと考えました。馬自体も良化傾向であり、このタイミングでこういう状況のGⅠを走れることに運があります。エミーズは一世一代の激走チャンスを得ているのではないでしょうか?ワイド中心に狙ってみたいと思います。


買い方は◎〇▲の馬連・ワイドを箱で3点づつ×2で6点。◎から△へワイド5点。3連複は◎○の2頭軸流しで▲△◉へ8点。そして、◉の単複2点と◉から◎〇▲△へワイド8点。合計で29点になります。

 

全く関係ないですが、昔自分のアシスタントをしていた部下が絵美っていったなぁと今不意に思い出しました。ホウオウエミーズが来てくれたら久しぶりに報連相してみようと思います。

 

◆デイリー2歳S(GⅢ)

 

こんにちは。


素質優先と言う事で言えば②ダノンタッチダウン中心で良いのでしょう。6・7分で使った新馬戦よりは出来ていますが今回もあまり仕上げていないように思います。馬を作り過ぎないようにとの配慮がなされています。2歳GⅠ馬の兄ダノンザキッドにそっくりとも言いますが、2歳時の緩さは父ロードカナロアにもそっくりだと言います。兄も父も管理したた安田隆厩舎の話ですから説得力があります。兄が強く出ているなら2歳戦でも十分やれます。ですが、晩成だった父に似ているなら本当に良くなるのは来年の今時分かもしれません。いずれにせよ、今回も素質頼みな感じなので〇の対抗評価に留めようと思います。勝って朝日杯FSみなたいな考えはあるようですが、それなら2着の賞金加算でも十分なのでこの辺で落ち着いてくれないかなぁと希望しています。

 

本命は⑧クルゼイロドスルにします。やはり現時点で確実に動いてくれる方を優先したいと思います。府中マイルのの未勝利勝ちは同時期に行われた同条件重賞サウジRCより0.1秒遅く、アルテミスSより0.3秒速い走破時計。根拠の少ない2歳戦では十分すぎる根拠だと思います。ファインニードルの初年度産駒なのでゴドルフィンの期待も高く、それはダノンに負けないところでしょう。

 

▲に①ショーモンを取り上げます。前走は調教再審査があったので調教をやり切れなかったそうですが、それでも好時計で4馬身差の圧勝。これは強さの表れでしょう。確固とした逃げ馬がいますが逃げ馬を競り潰す競馬がスタンスなのでレースもしやすいと思います。調教がとにかく良かったようなので前走以上の強さを期待して良いみたいです。

 

△には③フォーサイドナイン④トーセントラム⑥シルヴァーデューク⑦ショウナンアレクサ⑩オールパルフェと3連複要員として⑤⑨以外は全馬押さます。

 

買い方は◎の単勝1点。◎〇▲の馬連・ワイドを箱で3点づつ×2で6点。◎から△へワイド5点。3連複は◎〇-◎〇▲-◎〇▲△のフォーメションで16点。全部で28点になります。

 

<印一覧>

◎:⑧クルゼイロドスル
〇:②ダノンタッチダウン
▲:①ショーモン
△:③フォーサイドナイン④トーセントラム⑥シルヴァーデューク⑦ショウナンアレクサ⑩オールパルフェ

 

 

ファンタジーS(GⅢ)

 

こんにちは。

 

京王杯2歳Sとダブル登録していた5頭全てがそちらに回りました。5頭はみんな美浦の馬なので理解できない事はないのですが拍子抜けしてしまいました。17頭想定でいましたが12頭立てなら少頭数の部類。これなら枠の有利不利はそんなにないと思います。

 

1・2番人気は池添学厩舎の2頭で厩舎ではワンツー決着もあるとかなり自信を持っているようです。でも、⑤ブトンドールが勝った函館2歳S組のその後を見ると良い印象は持てないですし、⑪アロマデローサの鞍上福永騎手に今信頼を置くのは怖いと思うので人気2頭から入るのはちょっと嫌だなぁと思いました。これらは相手候補に回して違う馬から入ることにしました。

 

本命には朝の時点で8番人気だった④トゥーテイルズを抜粋します。カルテではもっと追える騎手の方が良いと指摘しましたが、厩舎でも前任者の騎乗に不満があり同じような考えを持っているそうです。その考えの一環が鞍上がクリスチャン騎手の起用。これなら大幅な鞍上強化です。よくよく見ればノーザンF産の金子ブランドでプロフィール的にも悪くない。3着ぐらいなら行けそうです。

 

続いて、こちらも人気はありませんが⑥レッドヒルシューズ(5番人気)。初戦の内容はかなり物足りないものでしたが、それは仕上げ途上で使っていたからだそうです。ので、2戦目の上積みがとにかく大きいとのこと。だったら、これも◎の本命印で扱おうと思います。調教では2勝クラスや3勝クラスの古馬を煽っているそうで確かに上積みは大きそうです。物足りなかった新馬戦からパフォーマンスを大幅に上げてくれそうです。

 

▲には⑩バレリーナ。函館より小倉の2歳Sの方がレベルが上だと思うので最先着のこの馬を上位に取ります。勝ち馬が別格だったので2着でしたがレース内容はこの馬が一番良く、本来はこの馬の勝つ競馬だったと思います。その小倉2歳Sが連闘でしたから調整期間をしっかりと取れた今回は前走以上のパフォーマンスを期待出来ます。川田騎手を器用して勝負気配が高いのも見逃せません。

 

押さえの△には③クインズエルサ⑤ブトンドール⑨サラサハウプリティ⑪アロマデローサ⑫シルフィードレーヴの5頭。

 

買い方は◎2頭の複勝2点。◎◎▲の馬連・ワイドを箱で3点づつの6点。◎から△へワイド5点×2で10点。3連複は潔く◎◎の2頭軸で▲△へ6点。合計24点です。◎が3着に入れば御の字と言う考えです。

 

<印一覧>

◎:④トゥーテイルズ⑥レッドヒルシューズ
▲:⑩バレリーナ
△:③クインズエルサ⑤ブトンドール⑨サラサハウプリティ⑪アロマデローサ⑫シルフィードレーヴ

 

 

京王杯2歳S(GⅡ)

 

こんにちは。

 

フルゲート18頭となりました。私はカルテを捌くのにかなり苦労しました。馬達もそれは同じでしょう。この多頭数をどう捌くか?ゴチャつく事もあるでしょうし、スムーズに捌けない馬も出てくるかもしれません。モマれない外枠の馬や内枠でも器用さが目立っていた馬に印を回していきたいと思います。

 

◎にはデータを考慮して2歳Sの勝ち馬⑱ロンドンプランにします。と言うか、安心して買える馬ってこれぐらいでしょう。前走の末脚がとにかく圧倒的で力が抜けている印象を受けました。あれだけ脚力があるならインでセコセコ乗るよりは外からまとめて面倒を見た方が良いと思います。大外枠もプラスに働く公算が高いのではないでしょうか?。関係者の評価ではもっと上を目指せる器と期待は高くなっています。松山騎手も距離は長い方が良いとのことでマイルぐらいまではこなす見立てのようです。GⅠを見据えているのでオツリは残していそうですが、大きいところを狙うならこんなところでと言う感じも強くなっているようです。だったら無様な競馬はしないでしょう。

 

他の人気処では⑭ヤクシマや④ペースセッティングなども自身がありそうな雰囲気でした。でも、ここまでのレース振りや条件から高めの評価をするまでの根拠は見つけられませんでした。ルメール騎手の⑨エナジーチャイムもテンションが高くなっているそうでトーンが下降気味です。これらはまとめて△までにします。

 

変わりに一発期待出来そうな②アンタノバラード⑩オオバンブルマイ⑮ノーブルランの3頭を▲にして狙ってみようと思います。勝ち負けはともかく3着ぐらいなら面白いと思いました。なお、ここからどれかを〇印にしったかったのですが選びきれなかったので横並びとしています。

 

買い方は◎の単複2点。◎から▲にワイド3点。◎から▲△へ馬連6点。◎から▲△へ3連複1頭軸流し15点。合計26点で本線は◎の単複2点と▲へのワイド3点です。

 

<印一覧>

◎:⑱ロンドンプラン

▲:②アンタノバラード⑩オオバンブルマイ⑮ノーブルラン

△:④ペースセッティング⑨エナジーチャイム⑭ヤクシマ

 

ファンタジーステークス(GⅢ) 出走馬カルテ

 

こんにちは。


京王杯2歳Sと両睨みの馬が5頭いるのでどうなるか分からないのですが、登録17頭は多いですね。ファンタジーSはあまり頭数の集まらない事が多く、10頭前後で行われる場合が殆どです。力差が大きい2歳戦なので能力や脚力の高い馬が外から圧倒することも出来るのですが、フルゲートに近い頭数だとそういう訳にはいかないかもしれません。

 

春に行われる同じ条件のフィリーズrvはほぼ毎年フルゲート18頭で行われますが、これに近いレースに今年のファンタジーSはなる可能性が高いと思います。内回りの阪神1400mは内々を行く馬、インを差す馬じゃないと3着以内には入れないという事を今年のフィリーズrv時に力説しましたが結果その通りになりました。こういう傾向を今年のファンタジーSでは重視すべきかもしれません。

 

キャリアの少ない2歳馬なので個性・適性はまだ判然としませんが、出来るだけポジショニングの上手い馬を選び、枠番により優劣を決めるのが有効だと今回は考えます。

 

ファンタジーSは11月5日(土)に行われます。前日の4日(金)に更新を完了致します。また、京王杯2歳Sの稿で触れておりますようにダブル登録の馬が5頭いますのでこれらは出走レースが確定してからの更新と致します。

 

アロマデローサ

 

小倉1200m→中京のききょうSを連勝して2戦2勝。この2戦の2着馬はいずれもクインズエルサで着差、タイム差は全く同じだった。クインズもファンタジーSに出走し三度目の対戦となるが、2頭の力関係ははっきりとしている。デビュー戦の勝ち時計は例年なら標準的だが日本レコードが更新されたCBC賞の翌週のレースなので馬場状況を踏まえると速くはない。時計の裏付けには出来ない。発馬良く、二の脚もあり、逃げる事も出来そうな3番手を行っていた。2F目でラップが速くなりそうなところで先行争いを避けてさらに控えて5・6番手。勝負所ではスムーズに動かせていた。直線は外に進路を取り馬場の真ん中を伸びる。インから差して来た2着クインズを退けて快勝。ききょうSでもスタートが良く、楽なポジショニングが出来ている。今回も5番手ぐらいから相手に合わせて追い出したという感じ。2着クインズは今度は前にいたが馬体を合せた追い比べを制して0.2秒差抜けた。勝ち時計は2歳のコースレコードを記録しており、新馬戦で担保出来なかった時計面の課題を払拭した。2戦ともに危なげなく立ち回りは上手い。馬群の中でも平常心でいられる、騎手のGOサインにもちゃんと反応出来る。阪神1400mの多頭数にもちゃんと対応出来るのではないか?現時点では特に問題はない。ただ、もう少し距離が合った方が良いと思う。2戦の走りを見るとちょっと忙しく映る。直線でも抜け出す時に少しモタつくので末脚も圧倒的なものにならない。追走が楽になるマイルの方が向いている可能性を感じる。緩急のある流れの方が末脚も力強くなるのではないだろうか?人気が高騰しそうにないマイル初戦を狙ってみると面白いと思う。

 

クインズエルサ

 

アロマデローサ以外に先着を許していないほぼパーフェクトな成績を残している。スタートも、二の脚もあるのだが、気を抜くようなところがあり新馬戦では道中で置かれ気味になってしまい、それで負けた感じ。だから、以降のレースは追い通しになっている。自発的にスピードに乗っていけるようになればもっと良いと思うので、現状はもったいない感じ。それでも上位上がりはしっかりと使えているので地力そのものはある。ただ、これだけ追ってもギアが上がる感じが無いので決め手に優秀な感じはなく、走りがワンペースで奥が無い。でも、阪神1400mならこういう走りで良いので評価を低くすることはない。これだけ追ってもバテずに伸びてこれるのだからラストが消耗戦になるレースは合っている。レコード走の2着でスピードも足りており、強制的であってもポジショニングは出来ている。この後の事はあまり良い感じがしないが、ここでは入着級の評価が妥当と思われる。

 

コスモフーレイ

 

札幌の1500mを2戦して9着→1着。初戦は出負け気味のスタートから後方へ。道中は馬なり追走で動く事は無く、直線に入るまで丹内騎手は何もしていない。馬も動ききれていない感じが強い。このレース振りを見ると仕上げ切らずに出走していたようだ。2戦目で一変していたことらも初戦は度外視で良いと思う。2戦目はハイペについて行けず離された後方追走。ペースが緩んだところで差を詰めて、内から突き抜けた。差を詰める時の動きや、勝負所の反応等は新馬戦とは別馬の様だった。機動力のある走りで器用な馬。悪い印象はない。3走目に中山マイルのサフラン賞3着。初めて好位をキープして回って来れた。内枠を生かした器用な立ち回りは未勝利勝ち同様。レース運びはやはり上手い。直線もラチ沿いの狭いところを抜けてきて根性のある走り。ただ、もっと伸びて来れそうだったが坂で脚色が鈍ってしまい差されて負けた。洋芝をこなしてきたので非力さは感じないが、坂コースに疑問符がついてしまった。これは課題となりそう。3着死守なら悪くはないが阪神の坂をどう攻略するだろうか?また、全体的にテンが遅く、丹内騎手はスタートから常に気合をつけて運んでいる。これだと1400mは忙しくなる可能性が高いだろう。もう少し序盤の運び方が向上して来ればよいのだが。上手く流れに乗れるだろうか?

 

サツマノオンナ

 

小倉1200mを2戦して連勝。新馬戦が1.0秒差、ひまわり賞が0.5秒差。どちらも圧勝の内容であるがこれらはいずれも九州産馬の限定戦。レース振りも良く、時計もそれなりであったが出走馬のレベルは疑わしいと言わざるを得ない。九州産のレースは限られているのでひまわり賞新馬戦の再戦みたいな同じ馬の組み合わせだった。それ以外の出走は交流レースでやって来た地方馬と初出走だった馬が加わったぐらい。JRAのレースで勝ち上がっていた馬は本馬を含めて3頭しかいなかった。何というか、もう悲観的な話しか出てこない。言える事はこの馬が九州産馬で一番強いということぐらい。3走目に中京のききょうSを使うのだが1.5秒差、10頭立ての8着だった。それまで1・2番手で競馬が出来ていたが流れについて行けなかったようで後方を追走する。それでも道中は離され過ぎずについていけていたが、各馬が追い出しを開始すると離される一方で力差が大きい。そんなレースでも直線でただ1頭だけ交わす事が出来た。が、それもひまわり賞で2着だった馬。もうなんか悲しくなってしまう。1200mではラップの構成、勝ち時計から全く通用しない感じはしないのでこの距離の条件戦をコツコツと走っていれば良いこともあると思う。

 

サラサハウプリティ

 

札幌1500mを新馬勝ち。一番良いスタートを決めたが行きたい馬に行かせて5番手で折り合う。スムーズな追走で推進力のありそうな良い走りをしていた。レースの当日は外差し馬場であったようで各馬が内を空けて直線を向くなか本馬は荒れた内を突く。グングン加速して外差しして来た2着馬の追撃も振り切った。このコース取りで最速上がりは評価の対象になる。勝ち時計も水準級で悪い印象は無い。だから上のクラスでもある程度通用した。中山のサフラン賞で2着する。同じ札幌1500mで勝ちあがったコスモフーレイを差して1馬身半差をつけていた。ただ、ペースは遅かったのでもうちょっと速い上がりを使ってくれると評価を高める事が出来るのだが。逃げ切った勝ち馬の上がりも上回れていないのはちょっと物足りなく映る。しっかりと動けているので現状で凡走はなさそうだが脚力上等と言う感じではない。現状は立ち回りで勝負している印象が強い。ただ、今回の条件ならそれでも良いと思う。抜けた評価にはしきれないが相手なりには走りそう。

 

シルフィードレーヴ

・3頭による先行争いで厳しい展開。結果的に先行崩れのレースとなったが、そこから抜け出して勝ち切った内容は強い。

・ペースや勝ち時計は他のレースと比べてそん色ないもの。時計的な価値は良い方である。

新馬戦は10番人気の勝利で、2着馬も14番人気。フロック臭いが2着馬はフロックでも、本馬は力で勝ち切った内容でマグれではない。

 

上記が小倉2歳S出走時のカルテ。

 

小倉2歳Sで3着。10番人気だった新馬勝ちがフロックでなかった事を証明。小倉2歳Sでも11番人気だったがファンは力を読み違えている。小倉2歳Sも展開ハマりとは言えないレースである程度の力はこれで認められるだろう。その小倉2歳Sでは大外枠だったので最初から行く気を見せず後方待機で末脚勝負に賭けている。新馬戦では激しい先行争いを制していたが、真逆のスタイルで結果をだした。脚質のレパートリーが多い。位置取りは異なったが走りの質は落ちず、力強くスピードに乗って良い走りだった。別格だった勝ち馬とは脚の差が歴然としていたがこの馬も2位上がりで急追している。加速ラップで前が止まらない展開を大外マクりで追い込んだ内容はとても素晴らしい。どんなレースでも出来るとなると欠点らしいものはなくなって来る。レースや枠に合わせた競馬をその都度チョイス出来るのは2歳馬には大きな強味になるだろう。2着バレリーナとはここで再戦となるが力差はほとんどない。枠や展開が味方した方が前に来るのではないか?前走の乗り方から距離に融通性はありそうだが、この点はやってみないと分からない。

 

トゥーテイルズ

 

6月の中京マイル戦でデビューして6着だった。道中は上手に立ち回っていたが直線の追い比べで脚が無く追い負けてしまう。これは仕上がりの問題だと思う。追い出されて全然動けていなかった。3ケ月の充電期間を経て、同じ中京マイルを使い上がり最速で初勝利を上げる。追い出しの反応は良くなっていてしかりと伸びた。ただ、4k減の今村騎手だったの地力で勝ったとはまだ言い切れない。レースも2着馬に差し返されて危なかった。あまり良い勝ち方ではないと思う。次走に阪神1400mのりんどう賞を使うが4着まで。控えた競馬で脚を余した感じで負けてしまう。今村騎手の続戦だったがもっと追える騎手に変えた方が良いと思う。2戦目も差し返されていたし、りんどう賞も3着はあったろうという内容。どちらのレースも脚は残っていたので力を出し切っていないという印象が強い。また、本馬もピリっとした脚に欠けるところがある。3戦全てが上がりの競馬だったので瞬発力勝負で良いところがない。全戦を通じて立ち回りの上手い印象を残しているので初勝利を上げた時のように先行態勢から脚を使い切る競馬の方が勝ち負けの可能性は上がる気がする。今回はクリスチャン騎手に乗り替わるので大幅にパフォーマンスを上げる余地がある。まだ本当の姿をまだ見せていない可能性がありそうなので実は強かったという事態には備えておきたい。

 

バレリーナ

・3馬身半の圧勝だったがペースや時計などは特別凄くない。相手も弱かった印象でレース内容から評価出来る点はない。

・この馬も全力疾走したかと言えばそんなことも無く、本気を出すことなく遊びながら勝ったという印象を受ける。逃げてゴールまでは追っただけ。鞭を使うことも無かった。

・目に見えない部分に評価材料が多そうだ。

 

上記が小倉2歳S出走時のカルテ。

 

新馬戦を勝って小倉2歳Sの連闘策は当初の予定通りだったという。結果2着で陣営の思惑通りの成果があった。スタートは相変わらず上手く、新馬戦より1秒近く速いペースにも楽に対応している。前週に逃げ切り勝ちをしていた馬だったが3・4番手に控える競馬が出来ており、相手に合わせた競馬が出来た点も収穫である。直線で一端は抜け出していた。加速ラップになっていたレースなのでこのレース運びは完璧で本当ならこの馬が勝つレースだった。相手が悪かったとしか言いようがなく、負けて強しで良い。1・3着馬が追い込み競馬であったことからも前で頑張ったのは偉かった。レース振りは安定しているので脚質的に特に注文はつかない。小倉2歳Sのレース振りから持続性もそれなりに担保出来るので1400mに対応出来る下地はあると思う。坂コースが未経験なのでこれがダメと言う可能性はあるが、体幹のしっかりとした走りをしていて追ってブレる事が無いから多分大丈夫だと思う。西村騎手→団野騎手と来てここで川田騎手。ここは勝ちに来ている。

ブトンドール

・同日の未勝利と同タイムで新馬戦を勝っている。既走馬と同じ時計で走れたのは優秀。

・他馬が促しながら先行していくなか持ったままで先行していける。序盤の立ち回りは上手く競馬センスの高さを感じる。

 

上記が函館2歳S出走時のカルテ。

 

追い不足で使った新馬戦を勝った事で中1週の函館2歳Sでの上積みは大きかったという。勝負所の反応は確かに新馬戦よりも鋭くなっていて良くなっていた。その函館2歳Sは洋芝の稍重だったので非常にタフな競馬になった。この状況で34.5秒は速かったと思うし、失速率の大きな消耗戦となっている。8枠だったので序盤から無理せず後方待機策だったがこれがまず勝因である。それだけに展開はかなりハマっていただろ。逃げていた馬がゴール前で止まりかけていたから差しが届いたというのはある。消耗の激しいレースを制した事で評価出来るのはタフネスな体力面ぐらい。新馬戦も稍重だったこの馬自身良馬場の経験がない。今回に関しては未知な面が大きい。また、このレースは2着馬を筆頭に以降のレースで良い所がない。出走馬のレベルに疑問が残る。条件が大きく変わることもあり、中央場所で買ってみようと思える材料はほとんど見つからない。スピードの持続性が求められる1400mで通用するかはやってみないとわからないところ。弱いと決めつける訳ではないが評価は難しい。

 

ミカッテヨンデイイ

・未勝利の分際で勝ったフェニックス賞のレース内容は良い。この時期に33秒台の上がりを使える馬は多くない。前年のナムラクレアに匹敵する内容。

・中2週間隔で今回が4走目になりローテションは少々厳しい。馬体が大きくないので状態の維持出来ているかは重要だと思う。

 

上記が小倉2歳S出走時のカルテ。

 

小倉2歳Sでは3番人気の支持を集めていたが振るわず10着。直接的な敗因は伸びないインを突いてしまったことだが、そこを走してしまったのは今村騎手のせいだろう。五分のスタートから控えて後方3番手。勝負所や直線での走りを見る限り動けていない訳ではなかったが、荒れたインで伸び脚を欠いてしまう。フェニックス賞の様な伸び脚を見せる事はなかった。1~3着馬がひしめいていたアウトコースの勝ち筋に割って入れるスペースは確かになかったが、本馬の後ろを行っていた勝ち馬と、目の前にいた3着馬はそこに狙いを定めていち早く動いていた。その中間にいた本馬もその気があれば行けたポジションだ。1年目の騎手と、ベテラン騎手の差が大きかったという印象。また、馬の動作を見ると後半に一気に脚を使うスタイルは合っていなかったように思う。勝負所の加速が1・3着馬と比べてかなり見劣っている。過去3走は2・1・1位と上位の上がりを使えていたが、ビュっとキレる様な瞬時に加速出来るタイプではなさそである。徐々にペースアップしていく方が良い脚を引き出せるかもしれない。レースの流れに合わせたポジショニングも出来る馬なので乗り方次第で巻き返しの余地はあるだろう。それ以外では馬体が維持出来ているかは不安材料になる。400kそこそこの小さい馬が使い詰めだっだのは前走時も気になった。この2ケ月できちんとリフレッシュ出来ているかは重要だと思う。ここまでは小倉滞在だったが、今回は美浦からの輸送になる。その影響の有無も鍵になりそう。良い状態でゲートイン出来るかは当たり前の話だがこの馬の場合は特に重要になる。

 

リバーラ

 

福島1200mの新馬戦で3着し、新潟1200mへ転戦して勝ち上がる。2戦とも狭いところを器用に立ち回って抜け出してきており、器用な走りや操縦性など印象点はかなり高い。初戦は出遅れたことで後方まで下がる待機策。前走が発馬を決めて先行策と脚質に自在性がある。騎手の指示通りに動けているのでレースに合わせてポジションが調整出来そうである。福島は開始後半の雨降り馬場、新潟は稍重と馬場コンディションに恵まれていないので時計面に目を引くようなところはないので正当な評価はしきれない。また、ラストにしっかりとした脚は使えるが脚力が特別高いという感じもない。現状では並以上の評価は出来ない。ただ、強調材料に欠けるだけでが、減点材料も全く無い。立ち回り次第で好走する可能性も無くはないと思う。1F延長して強いかどうかは分からないが、器用に立ち回れる馬なので内回り条件になるのはプラスに働くと思う。ロス無く立ち回ればそう崩れないのでは?

 

レッドヒルシューズ

 

秋の阪神開催の開幕日に行われたマイル戦でデビュー勝ちした。新馬戦にしては珍しくフルゲートとなっていた。この馬は11番枠で開催初日を思えば有難くない枠だった。スタートを決めて飛び出し早めに3番手の良いポジションを取れた事が最大の要因だと思う。37.7秒の通過でペースが遅かったことからレース中盤には後方から一気に進出してくる馬が複数いて出入りの激しい競馬となた。その際の本馬は外から交わされていく際も慌てたり、かかったりする事も無く冷静にレースに集中出来ていた。外から交わして行った馬が先頭に立ち、最後に失速するという事態になり、直線ではゴチャつく展開となってしまった。ただ、この馬は外目の追走だったことでスムーズに追い出し態勢を取れていた。鞍上の好騎乗で不利の無いまま追い出せたのが良かった。ゴール前は4頭によるクビハナハナの大接戦。これを制して勝ち上がった。着差が着差だけに、絶妙なタイミングで追い出せていた鞍上酒井騎手のファインプレーだったと思う。序盤の立ち回りも含めて、騎手の功績がとてっも大きい勝利だった。反面、これだけ完璧に立ち回った内容がこんなものか?と言う感じが強い。開幕週のスローペースをスムーズに先行していたのだからもっと強力な脚を使えていても良いと思うし、走破時計も物足りない。勝ち切った点は非常にエライのだがインパクトはなく、評価を高める材料には乏しい。開幕日の阪神マイルでこのペースなら33秒前半の速い脚を使っていて欲しかった。追ってからはジワジワで秀でた脚があるようには思えなかった。ゴチャついて踏み遅れた3・4着馬がスムーズだったら結果は違っていただろう。そういう意味では恵まれていた感が強い。

 

京王杯2歳SとのW登録馬

5頭全てが京王杯2歳Sへ。

 

 

ファンタジーSの予想案はこちら▼

 

京王杯2歳ステークス(GⅡ) 出走馬カルテ

 

こんにちは。

 

函館2歳Sの勝ち馬、小倉2歳Sの勝ち馬が活躍するレースです。良レースの好走馬も含めると函館2歳S組は【2・2・1・4】、小倉2歳S組は【3・1・2・4】と若干小倉組の方が優勢ですが、出てくればどちらでも良いのだと思います。2歳S組が活躍しやすいレースと言う認識をまずは持っておきましょう。今年は函館2歳Sの勝ち馬ブトンドールがファンタジーSへ回りましたが、こちらには小倉2歳Sの勝ち馬ロンドンプランが出走します。

 

データを確認すると両2歳S組で馬券になれたのは3着以内だった馬がほとんどで、例外は小倉2歳S7着から優勝した14年セカンドテーブルの1例だけ。勝ち馬であるロンドンは有資格の馬として扱って大丈夫そうです。

 

なお、裏に牝馬限定の同距離重賞ファンタジーSが組まれていますのでどちらにも登録しているという牝馬がが5頭います。現時点でどの馬がどちらにと言うのはわからないので京王杯2歳Sでは牝馬欄は後回しと致します。2重賞の出走メンバーが確定してから該当馬を更新する事にします。

 

レースは11月5日(土)になりますので4日(金)に更新を完了します。

 

アスクドリームモア

新馬戦にしてはよく動けているので立ち回りの印象は良いが、時計面、展開面などから検証すると高い評価をする気にはなれない。

・失速率の大きいレースで本馬自身最後は止まりかけている。最後まで持続させる力が弱い。

 

上記が函館2歳S出走時のカルテ。

 

連闘だった函館2歳Sで9着。ハイペースで先行馬には不利な流れ。ラスト1Fで前後が入れ替わる追い込み競馬となっていた。序盤は中段に控えていが3F目から一気に先頭集団に並びかける強引な競馬で運び方が良くなかった。直線に入るところで手応えが無く脱落。レース中にしっかりと動けた点は良かったと思うが、懸念していた持続性の弱さを証明する形で負けたとも言える。2戦目の上積みが大きかったとは思えず地力の高さは未だ感じられない。3ケ月空けてもみじS3着と巻き返した格好だが、少頭数で勝ち馬には3馬身以上離されたもので強かったかと言うとそんな感じはない。ペース的には標準級の流れを2・3番手の積極策から粘り込んだもの。前にいた馬は競り潰したが出遅れた勝ち馬に軽くひねられている。その他の馬は似たり寄ったりで相手関係に恵まれた3着と言う感じでインパクトの無い内容。やはりどうもラストの脚が弱い。新馬戦こそ上がり最速であったがこれは道悪が影響した我慢比べだったからで目を見はるような末脚は使えていない。良馬場の近2走ではレース上がりすら上回れていない。やはり持続力に弱点がある。今後もスピード要素が高いレースでは終いまで脚を残せないのではないだろうか?この馬の前提としてあるのがトレーニングセールの出身馬であること。完成度は他馬よりは上であり、それでこの内容は頂けない。成長力の無さを指摘しておきたい。相手関係に恵まれるなら別な話だが、道悪の際に気にかける程度でもう良い気がする。

 

アンタノバラード

 

7月に福島1800mを2戦して勝ちあがれず、9月の中山でマイルに短縮して初勝利を上げた。ただ、負けた2戦の内容はそれほど悪くはない。いずれも3着だったし相手次第では1800mでもいつか勝てたのではないか?と思う。すんなりと先行していけるセンスはあるし、折り合いもつくタイプの様に思う。勝負所での詰め方も良いし、力強い走りはしていた。それでも逃げ馬を交わせた事はなく、最後が甘くなってしまうのでやはり距離は長いということなのだろう。中山マイルの未勝利脱出はそれを証明した形。距離短縮によりポジションが少し控えめになっていたが、行こうとすれば行けそうな前進気勢はありマイルにもフィットした走りをしている。上がり最速もここで初めて記録した。加えて、加速ラップのラスト3Fを外から差し切った内容は強く、地力でねじ伏せた勝利。1800mで使えなかった脚をこの距離で使えるようになっていた事は距離適性の高さを感じさせる。3戦の内容はどれも印象が良く、レース振りが良い。操縦性が高いので乗り方に注文が付くようには思えず、動きたい時にちゃんと動いていける。2歳戦にしては信頼性の高い馬だと思う。重賞チャレンジになるので力関係次第だが印象はかなり良い。問題は高速馬場への適性と1400mへの対応だろう。福島スタートの馬であるし、道悪のレースも多いので時計の裏付けがない。時計の速いレースは試金石となる。距離に関しては中距離でもそこそこ走れてしまう馬なので1400mまで短縮しても良いものだろうか?と言う感じが少々する。良い馬ではあるが今回は課題がそれなりにある。

 

オオバンブルマイ

 

中京1400mを新馬勝ち。好発を決め逃げ争いに加わりそうなところを3番手でタメを利かせた。内枠だったのでラチ沿いインポケットを追走出来たのが勝因。前を交わすのに手間取り抜け出すのにモタついた感じだったが最後は力強く伸びて快勝。減量騎手の3k減であった事や枠が良かったなど恵まれた点も目につく。ただ、このレースは2歳戦にしてはかなり締まったタイトな競馬。先行馬は軒並みくずれ2・3着には中位後位の馬が上がっている。この流れを先行して抜け出し後続を抑え込んだ走りは評価出来ない事もない。京王杯2歳Sは1400m戦にしては瞬発力勝負になるので、ワンペースな走りだった前走から違う適性が求められる事もある。その場合にどう反応するであろうか?阪神の1400重賞の方が良さそうな気はするが牡馬なのでそうもいかない。走りの質は良く、左回りの同距離勝ちなど良い材料もあるが、斤量差がなくなる事も含めまだ不明確な点もある。悪い馬ではないので馬券候補に数えて良い馬だと思うが、馬券の中心にするだけの根拠には乏しい。

 

ショッキングブルー【除外】

 

4走目の前走で勝ちあがる。3戦目まで1200mを走っていた。新馬戦こそ1・2番手の競馬が出来ていたが2・3走目から全く行けなくなってしまい、後方追走で精一杯と言う感じになった。レース振りが急に悪くなっているので体調面に何か問題があったのではないだろうか?3走目までの走りに一貫性が無いので評価のしようがない。この馬は勝ち上がった前走のみで評価したい。ここで1400m(府中)と距離を伸ばしている。行きっぷりの悪さは変わらなかった。スタートから押しまくっているがそれでも中段を取るのがやっと。気を抜くと置かれてしまうので最終的には10番手に下がっている。3~4コーナーでは前とかなり差が開いていた。見た目のズブさは全戦で共通している。ただ、それまでと違ったのは追いまくった結果脚が加速したこと。上がり2位の末脚を引き出す事が出来た。直線では外に持ち出して3頭併せの追い比べでグイグイ来た。接戦はゴールまで続き、クビ差だけ出て辛勝した。減量騎手が騎乗していたので恩恵はあったが1k減の永野騎手だったのでそれも微々たるもの。この勝負根性は素直にエライと思う。特筆すべき点はラスト3Fが全て11.7秒でまとまっていたこと。失速ゼロのレースを乗り切った点は評価が高い。前が止まっていた訳でもないのに後方から良く差し込んだ。ゲートからずっと追い通しの競馬だったのに、良くここまで脚を使えるものだと感心する。ポジショニングが出来ない馬なので安定感を求める事は出来ないが、タフな競馬や叩き合いで強さを発揮してきそうである。競走成績の見栄えは悪いが力のない馬と言う事ではなさそう。今回に関しては、外枠に入ったらこのズブさでは立ち回れないだろうから消しで良いと思う。しかし、内枠に入った場合は渋い脚でインを突いてくれる事はあるかもしれない。

 

スピードオブライト

 

9月の中山1200mで新馬勝ち。外枠からダッシュを決めて先行態勢。逃げ争いから一歩引いた3番手を追走していく。手応えばっちりで直線を迎え、もったままで逃げ馬を交わしラスト1Fで追い出して完勝。勝ち時計はかなり遅い。良馬場発表でも雨降り馬場で時計はかかっていたようだ。3F35.3秒はちょっと速いマイル戦ぐらいのペースなのでこの距離ではかなりのスロペ。先行してても余力はあったはずなのでもう少し突き抜けて欲しい感じはする。でも、2着馬も、3着馬も既に勝ちあがっているので相手も強かったならこんなものか?それなりに評価しておくべきかもしれない。目立った強味は特にないので評価しづらい。3F目からのラスト4Fが加速ラップとなっているので持続性能も悪くないから1F程度の延長はこなせるだろう。

 

デイドリームビーチ

 

7月の福島1200mを新馬勝ちする。出負けもしていたが、全くダッシュがつかず完全に置かれていた。先行集団からかなり離れた後方をポツンと追走している。これで良く間に合ったと思う。特別速い流れでもないので34.9秒のペースについて行けないのは競走馬として情けない。これで中央場所のコースで大丈夫だろうか?失速率大きい消耗戦で先行集団のスピードが落ちたところで前との差が詰まり始め、それらが止まったところを大外マクリで差し切った。かなり展開がハマッている。ただ、全体的に動ききれていないので仕上げは甘かったかもしれない。コーナリングも雑だったし、基礎的な事がまだまだ出来ていなかったという印象。2戦目の変わり身や上積み次第でもう少しマシなレースをする可能性はある。しかし、レースから3ケ月経過したが上位馬に芝戦を勝ちあがった馬はまだいない。相手が相当弱かったという事は言えるので、だから勝てたという点も忘れてはいけないだろう。かなり推しづらい。

 

ノーブルラン

 

府中で2戦、新潟で1戦と左回り1400mを3戦し前走で勝ち上がる。成績は【1・0・2・0】。凡走と言えるものはないが、府中での2敗はスタートの出負けでポジションが後方になっていたのが敗因。スロー展開で前を交わし切れずに負けている。2戦目は中1週だったので新馬戦と同じメンバーで走っていたのだが、新馬戦でクビ差だった馬に1馬身1/4と着差を大きくして負けてしまった。2戦目の上積み幅で負けたということだろう。だからなのか3戦目は3ケ月の間隔を空けてしっかりと仕上げられたのだと思う。その成果なのだと思うが、出負け癖があったゲートも上手くないったし、道中もしっかりと動けるようになっていた。中段に控えて勝負所で自ら動いて行く自在性を見せている。直線に入って早々に先頭を交わし、3馬身差の圧勝を飾る。ペースもシッカリ流れていたので地力は問われる展開だった。評価して良さそう。少なくとも標準並みな走りは出来ていた。突出したものは特にみられなかったが、横並びの一線にはいるだろうと思われる。ただ、左回りばかりを走っていたので身体的な特徴でもあるのかもしれない。この点は事前に把握する必要がある。

 

フロムダスク

 

小倉1200mを新馬勝ち。好スタートからスンナリとハナ。ほぼ単騎で行けていたのでレース自体は楽だった。2着馬に一度マクられていたがコーナリングで先頭を奪い返し、直線でリードを拡げて押し切る。重馬場であったこと、開催最終週であったなどで時計はかなり遅い。ペース・展開から言えば、スロー競馬のイッタイッタの結果だったので内容的に良い評価は与えられない。重馬場をこなすパワーがあったという事以外はよく解らない。次走に中山のカンナS(1200m)を使うが10頭立ての10着。このレースも重馬場だったので走れる条件だったはずだが、出遅れてしまって後手後手に。鞍上松岡騎手のリカバーがとても雑でラチ沿いから差を詰めていくが行くとこ行くとこで前が詰まり、手綱を引いたり、位置を下げたりとチグハグなレース運び。1200mでこれだけ不利が重ねれば致命傷である。最後は馬が騎手に抵抗する感じにも見え、直線で一伸びもしないままどん尻でゴールを迎える。さすがに度外視で良いと思うが、強いのか?弱いのか?実態が解らないままのレースとなる。距離適性も見えないので扱いが非常に難しい。1つ言えることは松岡騎手から戸崎騎手に変わるので鞍上強化になるので前走の様な事はないだろう。トップジョッキーを手配するぐらいだから陣営の期待の高さを感じなくもない。根拠立てて取捨出来ないので怖かったら押さえるしかなさそう。

 

ブーケファロス

・短距離中心の臨戦過程。ただ、気性を見ると短距離をやっていくような馬には見えない。前進気勢の無い走りなので距離延長は大丈夫そう。

・末脚の威力は高く、距離を延長してもその精度が落ちなかった点で印象が良い。安定して末脚を繰り出せるタイプ。

ダリア賞は狭い所に入り追いづらい不利があってのも。スムーズだったら際どい勝負だった。

 

上記がサウジRC出走時のカルテ。

 

距離延長で初のマイル戦だったサウジRCは1.0秒差6着。見た目の印象では伸びを欠いての敗戦で距離延長が原因の様に見える。それもあるのかもしれないが、この馬自身はこれまでで一番速い上がりを記録している。2着馬の大逃げでペースが速かったため3F通過は34.8秒。これは1200~1400を走って来た本馬の過去3走とほぼ同じ速さ。それで過去最速の脚を使えているという事はこの馬自身は力を出し切れている。それで通用しなかったのは純粋に力負けと言うことだろう。サウジRCよりは相手が強くなっているということもないので今回は通用しても良いかもしれないが重賞だと上位の評価はしにくくなった。3着だったダリア賞の勝ち馬はアルテミスSで全く通用していないので、本馬の結果も力通りの結果なのもしれない。以前の距離に戻すことになるが走りを見ていると短距離は忙しい印象がある。実際、短距離で置かれていた馬がマイルでは4番手を追走していたのだからがしレースがやすかったのだろう。1400mに戻したからと条件が良くなるとは良い切れない。レースの流れに乗れない場合もありそうなので、展開の助けは合った方が良い。

 

ペースセッティング

 

福島1200mでデビュー。圧倒的な支持を受けていたが出負けして後手後手の競馬。アタマ差の2着に取りこぼしてしまた。リカバーするのにレース中ずっと促していたし、外を回るロスの大きい競馬。三浦騎手の乗り方は雑だった。脚もたまらず上がり順も3位止まりと物足りない内容。能力だけで2着したという競馬だった。2ケ月間を空けて小倉1200mを勝ち上がった。この日のメインレースが小倉2歳S。勝ち時計1:07.9はその小倉2歳Sより0.2秒速い好時計。2・3F目で10秒台が記録された前傾戦の内容は2歳重賞というより古馬北九州記念に近い猛ラップ。しかも、このラップ構成の基準となったのは逃げ切り勝ちしたこの馬である。シンプルに速くて強かった。こんなペースでいかれてしまうと並みの2歳馬がついて来れるはずはなく、2番手以降の先行集団はほとんど潰れてしまった。直線入り口では持ったままで後続を突き放しラスト100mは流して勝った。ほとんど失速しないまま3馬身差の圧勝。スタートも良かったし、二の脚も速かった。普通に評価して良いだろう。ただ、スピードだけで圧倒してしまったのでレース振りに遊びが無い。スピード以外に強調出来る点は案外少ないのではないだろうか?コース変わり、距離延長で同じ競馬が出来るなら勝ち負けだが、そういう風にはなかなかならないものだ。条件変わりにどう対応するだろうか?

 

ミシェラドラータ

新馬戦の2着は展開に逆行した内容で優秀。未勝利勝ちも2.2秒も失速したハイペを自ら動いて前を競り潰し、展開ハマりの追い込み勢を1馬身抑え込んだ内容で優秀。

・器用な脚も使えて、操縦性も高く、地力はありそうに思う。

・未勝利を勝ち上がるまでの2戦のパフォーマンスは良かったが、以降はパフォーマンスを低下させている。上積みらしいものが見られない。

・近2走で道営馬相手に敗戦を続けている。これでは重賞でプッシュするのは難しい。

 

上記がサウジRC出走時のカルテ。

 

サウジRCは当初中段を追走していたがレースが動き出した3~4角でも動かず後方3番手まで下げていた。直線勝負に賭けていた。その結果が入線順で下から3番目。つまり、1頭も交わせていないということ。コーナリングで番手は自然と上がり、一瞬は伸びかけたがそこから加速することは無く、交わした馬に差し返されて直線入り口の番手と入線順に変化がなかった。厳密に言えば、バテた馬を1頭交わしているが些末な問題である。着差も大きく、言い訳出来ないくらいに完璧な力負け。短距離を使っていた馬だが追って味があるとの評価だったのでマイルぐらいが良いだろうとの考えがあったそうだ。しかし、このクラスに入るとその末脚も並以下になってしまう。既に6戦を消化しており、レースでのパフォーマンスも低下しているのが目立つ。条件戦ならまだしも、重賞では評価ゼロが妥当な現状。清水久厩舎は能力に関係なく重賞を使いたがるので、このレースも特に理由があって参戦している訳ではないと思う。

 

ヤクシマ

 

小倉1200mの新馬戦を勝ち、アロマデローサ、クインズエルサが1・2着したききょうSで3着と走る。7月の小倉の良馬場で1:10.1は超低速と言って良いが、レコード決着のききょうSに対応したことからスピード能力がないという事はない。どうももっさりとした気性のようで前進気勢の弱い走り。短距離馬と言う感じはしない。新馬戦では出負けもあったが、後方からの競馬。そこから惰性をつけて徐々にスピードアップしながら4コーナー射程圏。直線でも脚色は衰えず差し切った。勢いがついてからの走りには見どころがあった。未だ1頭の勝ち馬も出ていな弱い面々が相手だったが、この馬の力は全然違っていた印象である。だから中央場所のOP特別でもある程度は通用している。そのききょうSでもダッシュがつかず後方3番手から進める。随所で気合を入れられるが前との差をつめに行こうとしない。気性がかなりのんびりしている。直線で追い出されてからももたもたしてしまうので前との差は中々つまらなかった。比較的直線の長い中京だから間に合ったという感じでトップスピードに至るには長めの助走区間を必要とするようだ。直線がさらに長くなる府中に変わる事は良いことだろう。ただ、ギアの上がらない馬なので馬群の中から抜け出して来るシーンは想像できない。ノンストップでスピードに乗せるタイプの様だからフルゲートでは乗り方やコース取りは難しくなりそう。気性的にも1400mは忙しい印象が強いのでマイル以上の中距離でも良いと思うぐらい。デイリー杯2歳Sとか、東京スポーツ杯2歳Sとかの方がレースはしやすいと思うのだが。そんなに悪い馬ではないので申し少し自発性があれば良いのだが。

 

ロッソランパンテ

・8番人気で新馬戦を勝ったがレースレベルは本当に低いものだった。スローペースなのに消耗戦となっていて出走全馬のレベルが疑わしい。

・厳しい流れでもないのに直線では苦しくなってヨレている。地力があるようには思えない。

・スタートも悪く、スピード競馬に対応出来る下地は感じられなかった。

 

上記が函館2歳S出走時のカルテ。

 

近3走の成績は函館2歳Sビリ→サフラン賞ビリ→1勝クラスがブービーである。ブービーだった前走も最下位は地方からの招待馬で9馬身差も負けた馬。JRA勢では最下位で実質的なビリ。根本的な原因は力がないからと言う事で片付くが、加えて気性難で折り合いを欠く事がほとんど。1200mだった函館2歳Sでもクビを上げていたほど。秋になり多少良くなってはいるが前走でも折り合いを欠くシーンはあった。気性的にはあまり変わっていない。新馬戦が8番人気での勝利でそもそもの評価も高いものではなかった。強調材料と言えば、新馬戦と条件戦だった前走が今回と同じ府中の1400mだったごとぐらい。この馬以上のコース経験者は今回のメンバーにいないことは強味ではある。それでどうにかなるものでもないのだが。

 

ロンドンプラン

・小倉1200mでデビューした馬は9頭いるが1戦目の走破時計はこの馬のもが最速である。持ち時計が一番有利な馬。

・33.7秒の3F通過は新馬戦にしては速く、ラスト3Fは11秒台でまとめられていて失速率は引い。これを3番手から押し切った走りは優秀である。

・余裕を感じさせるレース運びで2馬身差の完勝。上積み、変わり身が期待出来そうである。

 

上記が小倉2歳S出走時のカルテ。

 

小倉2歳Sは大出遅れから優勝してしまう。レースはハイペースになりやすいので追い込み馬の活躍も目立つレースだが、3F通過33.2秒は超速いという訳でもない。展開が味方したとは言い難い。ラスト3Fも11.7-11.6-11.6と失速なしの加速ラップ。先行していた馬もそれなりに伸びていたラップ構成になっている。どう考えても最後方ポツンの馬が勝てるレースではない。脚力の高さで全てをねじ伏せてしまったという内容でこれは超素晴らしい。2位上がりを1.1秒も上回る33.1秒の末脚は強烈な印象を残した。力が何枚も上だったという事になってしまう。前日は重馬場だったので馬場が悪化していたため外差しがききやすかったと言うのはあるのだが、2・3着馬も外差しの馬だったのだからやはりこの馬の末脚が一番立派だったという事になる。スピードもあり、脚力も高いとなるとレースグレードが上がってもコンスタントな走りを期待出来る。前走時の話では本質的には距離はもう少しあった方が良いということだったので1400mも問題なさそう。むしろ適距離の可能性もあり、前走以上の走りを披露されても驚けない。もう出遅れないとは言えないが、新馬戦では一番良いスタートを決めていた馬で先行して強い競馬もしていた。そう気にする必要はないかもしれない。むしろ、前でも後ろからでも競馬が出来る自在性を示したことになるのでどんなスタートでもそれなりにリカバーしてくるだろう。

 

ファンタジーSとのW登録馬

 

エナジーチャイム

 

7月の新潟の1600mで新馬勝ち。本馬は宝塚記念後に1月以上の休養を取っていたルメール騎手の復帰に合わせて調整が進められていたノーザンFの素質馬である。レースは好発進して3頭の逃げ争いから主張してハナを奪う。それでペースが激流となる事はなく36.4秒-61.1秒のスローで逃げた。程よい前進気勢で上手く折り合えって進めていた。リズム良く運び、絡んでくる馬もいないマイペースのタメ逃げ。直線に入っても急かすことなく持ったまま加速していく。2着馬の追い出しに合わせてラスト2Fぐらいから追い出されそこから一気に加速した。2着馬と併せ馬でゴールまで叩き合ったが抜かせずアタマ差凌いでいる。この2着馬もショウナンの期待馬で初戦から勝ち負けの態勢が採られており強い馬であった。実際、次戦であっさり勝ち上がっている。そう言う馬に競り勝った点は評価して良いところで3着以下は6馬身も離れていた。逃げても33.7秒の末脚で上がれており、やはりそこそこの脚を使う。着差がわずかだったり、逃げ切りだったりと見た目ではわかりづらいがかなり強い競馬だったと思われる。評価を高くして良いだろう。シルクRは本馬を含めて2頭出しだがどちらも逃げ切り勝ちした馬になっている。これをどう采配をして来るかが注目だ。レース内容からするとコチラが行く事はないだろう。控える競馬を教えながらになるのではないか?なお、デビュー前はテンションが高いところがあると慎重に調整されていた経緯もあるので当日の気配は確認した方が良い。

 

サイモンオリーブ

 

府中マイル戦を10番人気で3着に好走。発馬が良いのでポンと2・3番手に。2歳新馬としては流れは速く、その上ラストの失速率も小さい。タイトな持続戦を前付けして辛抱した内容は好感がもてる。ワンペースの走りをする馬でバテずに最後までジワジワと伸びていた。未勝利時も同様に良いスタートを決めていて逃げ切り勝ちをしている。良い先行力があり、安定して良い位置取りをキープ出来る。次戦に中京1400mを使われて勝ちあがった。ここでも直線に入り後続を引き離す事が出来ない。ただ、加速出来ないだけで失速している訳でも無い。新馬戦のラスト2Fが11.9-119で、未勝利勝ち時のラスト2Fが11.8-11.8。これはつまり直線走路で失速していないということである。2戦ともペースが温かったわけではないのでこの持続性のはこの馬長所と行って良いと思う。しかも、府中、中京と400m越えの長い直線を粘っているのだから評価は高い。(阪神内回りの直線は356.5mとなっている。近2走よりはこの馬の粘り強さが生きやすいコース設定と言える。今回も失速せずに走るのであろうが直線の短い阪神なら良いところはある。※ファンタジーS出走のつもりで分析していました)走りの質から見ると緩急のあるマイル戦より、ワンペースな1400m向きな印象は強い。

 

シェーンプリマー

 

3週前の府中1400mを新馬勝ち。ここは中2週で同条件となる。スタートを決め手、ロケットダッシュ。1頭だけ飛び出してハナを奪う。しかし、道中はかなりスローに落としてマイル戦でも遅いぐらいの36.9秒で3Fを通過した。2番手だった2着馬が折り合いを欠くシーンがあり控えていたのでこの馬は単騎となり終始マイペースで進められた。直線に入っても2馬身ぐらいの差をキープして残り400mぐらいから追い出した。走りのピッチが速いので多い出すと瞬時に加速出来る。だからスタートも抜群に速かったのだろう。上がり33.7秒で走り切ってしまう。減量騎手で1k軽かったのもプラスになっただろう。完勝は完勝だが、レースの中身が薄過ぎて評価を上げるのは難しい。単純な上がりだけの競馬になっているし、ポジションのアドバンテージを生かし切ったに過ぎない。ペースを考えればもっと突き放しても良いと思うので重賞級と言う感じはしない。逃げ馬としての強さもあまり感じる事は出来なかった。叩いた変わり身でどこまで走れるかと言うことになるが、新馬戦のレベルが低すぎるのでかなり大きい変わり身が必要となる。そこまで劇的に変わるとはとても思えないが。

 


マーブルマカロン

 

中山のダート1200mを新馬勝ち。好スタートを決め手逃げ切り勝ち。2着馬とは終始馬体を合せた雁行状態でレースを進めて、この2頭のイッタイッタの競馬だった。3着は8馬身も離されていた。スピードに任せて押し切ったという感じである。ペースも速かったのでレースのレベルは悪くないし、スピード能力の高さは示していたと思う。2着馬を抜かせなかったのもエライ。勝負根性もあるようだ。ただ、最後の失速は大きいので距離延長には疑問が残る。もう少し楽な運び方をしないと距離は持たないのではないか?芝スタートでスピードに乗せていたから芝がダメと言う事は言えないがそれだけで良いという事もない。失速率の大きいラップ構成に高い持続性は感じないし、より速いスピードラップをさらに持続させて行くことは果たして出来るのだろうか?悪くないレース内容だったが中身に奥が無い感じだったので、仮にこれがダ1400mの重賞だったとしてもあまり高い評価は出来ないと思う。

 

ミスヨコハマ

新馬戦では不器用さが目立つレースであったが、中1週で使った未勝利戦では変わり身がありスタートからレースの流れにのり、競馬センスを感じさせた。

・速い流れを雁行状態で先行して厳しい展開だったが、前の馬を競り潰し後続の追撃を封じて勝ち上がる。しんどいレース内容だったが体力の高そうな走りだった。

 

上記が函館2歳S出走時のカルテ。

 

先行して未勝利を脱出した馬だが、近2走は控える競馬をしている。内々をロスなく立ち回り器用さが目立つ。2戦ともインを突く競馬で好走を続けている。函館2歳S5着、すずらん賞3着と成績としては悪くない。ただ、インをセコク回っている割には終いの脚が少々弱く、外から来る馬にいつも差されて負けてしまう。使える脚も短い印象で控えすぎがアダとなっているとも言える。もう少しポジションを取って進めないとちょっと厳しいのではないか?そう言う馬の府中コースはあまり歓迎出来るものではない。長い直線で短い脚をどう使うかは難しいだろう。また、器用さがウリみたいなところがあるがそれも府中では生かし切れない能力である。府中コースは未経験なのでまた違った走りをするのかもしれないが、ここまでの走りからはW登録していたファンタジーSの方が評価のしようがある。凡走の無いタイプだと思うが今回の条件で期待を高くするのはちょっと難しい。

 

 

京王杯2歳Sの予想案はこちら▼

 

 

天皇賞・秋(GⅠ) 出走馬カルテ②

 

こんにちは。

 

こんなに難しい天皇賞秋は久しぶりですね。アーモンドアイから買っておけば間違いない年が2年続いて、昨年はエフフォーリア、コントレイル、グランアレグリアでガッチガチだった三強競馬。飛び抜けた馬が限られていたので馬券を外す方が難しいという感じでした。しかし、今年は高いレベルで拮抗した組み合わせ。力関係がはっきりとしていない3歳トップクラスが何頭もいるので余計に難しい。どれが勝ってもおかしくない面々で7・8番人気がGⅠ馬なんてこともありそうです。人気薄のGⅠ馬が勝っても当然良いわけなので実に難しい。こんなレースを3連単で当てようなんて人には頭が下がります。

 

また、今年の中距離路線は本当に面白いと思います。札幌記念ではジャックドールとパンサラッサの強力な2頭の逃げ馬が話題となりました。ジャックは控える競馬に転換出来たので無理に付き合う事はもうないでしょうが、今度は復帰したバビットがオールカマーを逃げて4着と好走。今年程逃げ馬揃いの年は記憶にないですね。札幌記念がそうだであったように逃げ争いだぁ~と盛り上がった時に限ってペースが落ち着いてしまう事が多々ありますが、だからと言ってこのメンバーでスローペースなんてことは無いと思います。どの馬が行くかはわかりませんが中身の締まったシビアな展開が予想されます。自力の無い馬には到底対応出来ないレースとなるでしょう。

 

天皇賞・秋は30日(日)なので前日の29日(土)に更新を完了します。ページが長くなるようなら1ページ10000文字を目安に2枚、3枚と増やしていきます。更新順は整理しやすいので年齢毎にまとめていくことにします。なお、カルテ分析は3歳戦までのつもりなので古馬戦はそこを割愛しています。

 

予想案はページ最下部にある専用ページにまとめてあります。ブログカードを貼っておきますのでそちらをご覧ください。

 

10/28追記:ページ上段の前説部分は同じものを転用しています。①②の行き来はページにブログカードを貼っておきますのでそちらから移動されて下さい▼

 

◆5歳

 

5歳世代の過去10年の成績は【6・3・4・39】と馬券のシェア数は4歳世代と同数ですが、勝利数はその倍となっています。やっぱり天皇賞(秋の)花形は5歳世代です。ただ、コントレイルがターフを去った現在の5歳世代はいかにもタレント不足です。昨年の今頃に現4歳世代に煽られまくりでしたから力関係の面からもあまり良い感じがしません。劣勢な感じは否めませんがこの世代の挽回はありますでしょうか?先輩の維持を見せて欲しいと思います。

 

アブレイズ

 

牝馬の限定戦ながらGⅡで0.2秒差5着、GⅠは0.6秒差7着でしたが上がり最速を記録。イメージの割には良く走れているなと思います。ここが牝馬限定のGⅠだったら無視するのは危険でしょう。ただ、2走目のフラワーC以降の14戦中13戦で牝馬限定重賞を走っていて、牡馬と走ったのは新馬戦とOP特別のメイS(21年1着)のみ。牡馬と走った時は2戦2勝のパーフェクト!みたいな事は言えますが、さすがにシャレにもなりません。牡馬一線級とは全くの初対戦になりますのでやはりハードルが高いと思います。牝馬路線でもムラのある成績なので根拠立てて推奨するのは不可能です。強調して言うほどのことがありません。強いて言えば、馬体重は調子のバロメーターとする事が出来ます。1年前に走った府中牝馬Sを502kで負けたことからこの体重で重いと言う認識になり、以降は490k前後が好調の目安となりました。確かにこのゾーンの時は良い走りをしています。前走の府中牝馬Sは498kでまぁまぁ走っていましたが、休み明けの2走目で馬体が絞れて来れば上積みでかしと取っていいでしょう。それで入着でもあれば良い方だたと思います。

 

バビット

 

昨年の中山記念以来だったオールカマーを4着と好走。ダッシュ力のある逃げ脚は健在で先頭に立つまでがスムーズでした。パンサラッサにはうっとおしい存在となるでしょう。とは言え、久しぶりのレースで陣営も期待が高かったこともなくまずは使ってからと言うムード。叩いてGⅠへと言う雰囲気はありませんでした。

 

逃げて頑張た馬に悪い点などありませんが、自分の競馬に徹したら後続が来なかったというだけで地力の高さを改めて示した訳ではないと思います。オールカマーは1~3着全てがラチ沿いの縦列にいた馬で好走するには走るレーンが限られていたレースです。この馬もその例に漏れずラチ沿いをマイぺで行けていたことが大きかったでしょう。外を回した有力馬が力を出し切れなかったレースなので、オールカマーそのものが強さを担保するものではありません。また、例年と比較してもこの馬の2:13.2の走破タイムはかなり物足りないものです。2分11秒台後半が良し悪しの目安になるのでこれと比べるとかなり遅いと思います。そもそもこの馬は持ち時計の無い馬でして3歳時に走ったレースはどれも時計は遅く上がりのかかるものばかりです。このスピード性能で天皇賞(秋)はさすがに厳しいでしょう。基本スペックから言って適性外のレースなのではないでしょうか?2走目の上積みは大きそうですが、それでも多くを望めるようには思えません。展開の鍵を握る馬と言う評価以上のものはないですね。

 

パンサラッサ

 

宝塚記念の頃の話ですが、秋は海外遠征を視野に入れていて「もう日本では走らないだろう」という事だったのですが白紙になったようですね。可能性を追及しての話なら日本で走った方が可能性があるということだと思うので、出て来るからにはマジ勝負という事でしょう。侮れない1頭です。これまで57秒台で逃げていた馬が札幌記念では59.5秒とペースを落として逃げていたのでちょっと驚きました。時計のかかる洋芝だったのでペースが落ち着いてしまったのかもしれません。それでも消耗戦を仕掛けて我慢比べに徹するこの馬本来の競馬は出来ていました。タイム差無しの2着で自分の形に持ち込むと相変わらず強い。それが改めてわかりました。天皇賞(秋)ではどのくらいのペースで行くのでしょうか?

 

前走の札幌記念には同厩の同型ユニコーンライオンが出走していました。この馬が一番良いスタートを切ってハナに立ったのですが、遅れてやってきたパンサに道を譲り控えに回ります。後日談ですが、ユニコーンの次走京都大賞典の時にはあの時行っておけばよかったねと後悔しているようでした。しかし、それだけ厩舎がパンサを優先していると言うことです。逃げへの拘りが強い事を印象付けます。ただ、逃げ馬のクセにテンが遅いのがこの馬の難点です。札幌記念ではユニコーンのみならずジャックドールよりもスタートが遅かった。この辺に進化があるともう一歩上のステージに行けるので何となく残念な感じです。

 

今回の同型はバビット。テンの速さではパンサは絶対に敵わないと思います。さすがにバビットがお先にどうぞなんて事を言うわけないので激しい逃げ争いは避けられないと思います。ただ、それでもこの馬は行くでしょう。福島記念も、中山記念もパンサに絡んでくる馬はいましたが、それでこの馬の逃げが疲弊した事はなく、最後まで先頭を譲りませんでした。タイトルホルダー、ジャックドール相手にひかなかった馬が格下相手に引けるわけがありません。問題はどこでハナに立つかだけでしょう。57秒台まで飛ばしていける馬なのでその領域までは躊躇しないと思います。それでどこまで粘れるかによります。

 

ポタジェ

 

毎日王冠は57.9秒のハイペースでした。天皇賞(秋)もそう言うペースになる可能性があるので上位馬が出走していれば面白かったかもしれません。本馬はその毎日王冠で6着と伸びを欠いていました。しかし、叩き台の意図は明確でしたし、1頭だけ背負っていた58kも負担になったことでしょう。叩いた変わり身と、定量戦で斤量差が無くなる事で状況や条件は好転します。毎日王冠の結果にこだわらない適正な評価が必要です。

 

また、ディープインパクト産駒にしては瞬発力やキレ味が弱いので開幕週の馬場も歓迎と言うクチではありませんでした。開催が進んだことで馬場状況もフィットしてくるかもしれません。前走よりも力を出せる状況にあるのは間違いないと思います。

 

春に大阪杯を勝ちGⅠ馬となりましたが、関係者からすればその勝利は驚きの結果であったようです。レース前も入着ぐらいならと勝てるとまでは考えていませんでした。勝った事で馬の評価が変わることもなく、大阪杯はマグれだったからと宝塚記念でも連勝を期待するような雰囲気は微塵もありませんでした。だとすると、間違って手に入れてしまった肩書により今後は出走するレースが限られてきますので、苦戦が続く事になるかもしれません。今回はまさにそう言う状況と言えそうです。

 

天皇賞(秋)には昨年も出走していて0.8秒差の6着。ただ、昨年は明らかに相手が強かったですが、今年はその辺が微妙です。人気の中心である3歳馬が思ったほど走らなかった場合は昨年以上に走れることもありえます。そして、展開的にも今年の方が向いているでしょう。例年の様な決め手優先のレースになるとこの馬の個性では厳しいと思うのですが、キャラの立った逃げ馬が複数いる事から上がりの勝負を回避できる公算は高いと考えられます。大阪杯を勝った時の様な、上がりのかかる展開で我慢比べの競馬ならこの馬の渋太さが生かせるかもしれません。毎日王冠で57秒台のペースを先行していた経験もプラスになると思います。

 

厩舎がいうようにGⅠで頭から狙える馬ではありませんが、条件や環境がフィットするなら大阪杯の様な事も起こります。穴でイイならまだ利用価値がある馬ではないでしょうか?

 

◆6歳以上

 

6・7・8歳馬が1頭づつ出走しています。これらをまとめると過去10年の成績は【0・0・1・55】となり、馬券になったのは13年3着のエイシンフラッシュです。これも随分前の記録なので、今の天皇(秋)は3~5歳の若い世代で成り立っていると考えて良いでしょう。今年の高齢馬はどこまでやってくれるでしょうか?

 

ちなみに勝ち馬の最高年齢は98年の勝ち馬で我が愛しのオフサイドトラップによるものです。旧馬齢で8歳(現7歳)でした。単勝馬券を握りしめていた私はこの勝利を今も忘れられません。

 

カデナ

 

さすがに話すことがないですね。2年前にはピークを超えたかもと言われていましたし、良い脚が一瞬と言うタイプなので直線の長いコースは良くないという事も若い頃から言われていたことです。能力、適性の面から評価をするのは不可能で、査定不可になります。

 

カラテ

 

2月の中山記念を最後に高橋祥厩舎から辻野厩舎に転厩しています。この時の伝達事項としてこの馬の中距離適性について申し送りされていたことがあります。それは今後マイルが忙しくなるとか、行く行くは中距離の方が適してくるかもしれないと言うことでした。2000mへの転身は急な話ではなかったという事です。

 

実際、新潟記念では中段の前目の良いポジション(7番手)で追走していました。マイルではズブくなっていたので位置取りが後ろになりがちでしたが、中距離になり追走が楽になっていたんだろうと思われます。それで折り合いが難しくなることもありませんでした。そのポジションから2位上がりを記録して優勝したのですが、1・3位の上がりを記録した馬は最後方付近にいた馬達でしたので、このポジションからこれだけの末脚を使えたことに価値を見出す事が出来そうです。新潟記念のレース振りは悪くありません。これをマグれのフロック走としてしまうのは間違っていると思います。

 

また、大トビの馬だからと言うのは高橋祥厩舎時代から言われていた事なので広々としたワンターンコースが向いているとされています。厩舎解散前に中距離の中山記念を使っていましたがコーナー4つのコースは本当は使いたくなかったそうです(解散前なので適性度外視で使ったということ)。この考えは辻野厩舎でも概ね同意されています。これが大阪杯だったら使ってこなかったかもしれません。相手関係はシビアですが、府中の2000mは今のカラテにはベストな条件と考えておくべきでしょう。展開がハマればの条件付きですが、この馬の末脚が漁夫の利を得るを事もあるかもなぁとちょっと思っています。

 

因みに、前走に新潟記念を勝った馬が天皇賞(秋)を優勝した前例が1例だけあります。それは98年の勝ち馬で我が愛しのオフサイドトラップによるものです。単勝馬券を握りしめていた私はこの勝利を何度でも思い出すことが出来るのでした。なお、オフサイドの頃の新潟記念はまだ右回りでした。

 

レッドガラン

 

今年重賞2勝で7歳になり本格化した感じです。その転機となったのが距離延長です。昨年末までマイルを中心に使われていて、距離の長い所は意識的に避けてきました。それが、1月の京都金杯、ニューイヤーSのどちらも除外になってしまったのでお試し間隔で中山金杯を使う事に。そうしたら結構強いじゃんと言う事になり、春には新潟大賞典も勝ってしまうという。禍転じて福となすみたいな感じになりました。それに味を占めたのか、もう少し長くてもいけるんじゃないの?みたいになって前走で京都大賞典を使うことになりました。これで結果を出したらJCも視野に入れたいと話していましたが、さらなる距離延長に二匹目のどじょうはいませんでした。それで天皇賞(秋)となったんでしょうけど中2週のチャレンジになるので馬にとってこれが良いとは限らないかもしれません。適性を考えたらこれでいいんでしょうけど、急なローテ変更に良い印象は持てません。そもそも能力的に評価出来る馬でもありません。2勝した重賞も厳冬期や裏街道のGⅢでメンバーレベルは推して知るべしです。一線級を相手に出した結果ではないので評価を上げる事は出来ません。また、夏の札幌記念で負けた当時の1・2着や、その他のGⅠ馬相手に圧倒的に負けています。ここで善戦でもしていてくれればもう少し良い事を言えたでしょうが、1.0秒差の完敗ですからさすがに厳しいと言わざるを得ません。

 

 

天皇賞・秋の予想案はこちら▼