競走馬カルテ

2・3歳重賞の出走馬を分析・記録していくブログです。

秋華賞(GⅠ) 出走馬カルテ①

 

こんにちは。

 

阪神内回りの2000mはフルゲートが16頭。京都より2頭少なくなります。そんな条件に登録22頭。賞金1500万が抽選対象となっていて8頭で4頭分の出走枠を争う事になります。

 

この結果、賞金額が最下位で1450万しかないピンハイは抽選対象にも入れず除外確定です。桜花賞5着、オークス4着の成績って17年の秋華賞馬ディアドラ(桜6着、樫4着)とほぼ同じですから入着の可能性も十分あった馬だと思うのですが。これは気の毒ですね。

 

さて、秋華賞ですがコーナー4つの1周コースなので中山競馬場の様なイン前競馬になりやすいかのイメージを持ちそうですが、さにあらず。秋華賞では必ず追込み馬が馬券に絡みます。京都版では常にこのタイプが馬券に絡み独占した年もあったほどです。阪神で行われた昨年もその点は変わらず2着ファインルージュが4コーナー10番手から追込み0.1秒差の2着に好走しています。

 

コースの形態から向いている脚質とは思えないのですがペースを問わず毎年馬券になっています。これは結局のところ秋華賞も地力の高い馬、脚力の高い馬が自然と有利で展開の不利、コース上の不利が問われないのだと思います。

 

そのような視点で過去10年の3着内馬を見渡すと一発屋だった馬ってほとんどいないですね。19年3着シゲルピンクダイヤ(▲)、20年2着マジックキャッスル(〇)の2頭は10番人気の大穴でしたが秋華賞以外のGⅠでも馬券になっていた馬で力のない馬ではありませんでした。ちなみにこの2頭の決め手もマクり、追込みでしたね。

 

荒れるイメージのある秋華賞も実は力通りに決まるGⅠレースなのでしょう。能力査定を間違わなければ当てられないレースではありません。

 

ただ、やはりこういうコースですので3~4角でポジションを上げていく必要があります。器用であること、機動力があること、コーナー部分で加速出来るなどが追い込み馬に求められる適性だと思います。府中の直線勝負だけで強い馬ではダメでしょう。その辺に注意して秋華賞の分析をしていきたいと思います。

 

秋華賞は16日(日)に行われますので、15日(土)には更新を終了します。ページが長くなるようなら1ページ10000文字を目安に2枚、3枚とページを増やしていきます。更新は整理しやすいので前走毎にまとめていくことにします。更新順はトライアル→オークス→上がり馬などのそれ以外という順とします。

 

10/12追記:ページ上段の前説部分は同じものを転用しています。①②の行き来はページにブログカードを貼っておきますのでそちらから移動されて下さい▼

 

紫苑S(GⅢ)

 

秋華賞紫苑Sが重賞化されてから傾向やデータに表れた変化が大きいので毎年過去10年ではなく、紫苑Sが重賞化された17年以降をデータ化して検証しています。今年もこれに倣い過去6年の成績とし、他の関連レースも同様に見ていく事にします。

 

紫苑S組の過去6年の成績は【2・4・0・22】です。馬券になった頭数は老舗のローズS組と同様なのですが、勝ち数・2着数で紫苑S組が大幅に上回ります。コース形態が本番と類似していること、重賞化され強い関西馬も奮って参戦していることなどが相まって秋華賞で好走馬を毎年のように出すようになっています。

 

また、アーモンドアイが勝った18年以降にオークスからの直行組が4連勝しているので、紫苑S組の活躍が落ちてきているのは否めないのですが、その代り秋華賞2着馬は3年連続紫苑S組から出ています。その重要性は今も変わっていません。

 

紫苑Sが良馬場で行われた年は過去に5年あるのですが勝ち時計から2分することが出来ます。

 

①1:58.0~1:58.3で決まった年

→18年ノームコア、19年パッシングスルー、21年ファインルージュ

 

18年はノームコアが秋華賞を回避したために紫苑Sで馬券になった馬はいませんでした。これが紫苑S組全滅の唯一の年です。その他の19年が秋華賞2着(カレンブーケドール)、21年が秋華賞2着。この時計で走った馬は来ても2着までで勝ち馬は出ていません。

 

②1:59.7~1:59.8で決まった年

→16年ビッシュ、17年ディアドラ

 

重賞化されてから最初の2年はこのタイムゾーンで決着していました。結果、16年2着馬のヴィブロス秋華賞優勝、17年優勝のディアドラが連勝で秋華賞優勝。なぜか時計の遅い年の方がパフォーマンスが良いという不思議。その理由は分からないですね。

 

では、今年の紫苑Sはどうだったかと言うと、その勝ち時計は1:59.9。タイムゾーンはオーバーしていますが0.1秒の誤差なら②の方に含めて問題ないと思います。という事は、今年は紫苑S組から優勝馬が出るということかもしれませんね。

 

ただ、時計的だけで判断すればやっぱり微妙だと思います。近年の紫苑Sと比較して時計が遅くなっている要因は後半の失速率が大きくなっているからです。1分58秒台で決まっている時はゴールまで速いラップが維持されているのですが、今年はラスト1Fが0.9秒も失速して12秒台に落ち込んでしまいました。開幕日のレースであり、ペースも標準的なので最後にここまで落ち込むのはちょっと不可解です。そう言う意味では少々物足りない感じは致します。実際、僅かではあっても勝ち時計が最も遅くなっていますから(良馬場のみで)。

 

1着:スタニングローズ

・2歳時は後方から競馬を進めていたが3歳になりポジションを取ってレースが出来るようになって来た。

・マイル重賞で決め手負けするタイプだったが、瞬発力の必要性の薄まる中距離で良さが出てきたようだ。

・1周条件のレースはフラワーCが初めてであったが器用な走りで立ち回りの上手さが目立った。

オークス2着の好走でこの馬の地力の高さがはっきりと確認出来た。軽いレースよりもタフな展開でパフォーマンスが上がる。上級条件になればなるほど強くなるタイプか?

 

上記が紫苑S出走時のカルテ。

 

2歳時に使い過ぎて失敗したのでこの陣営は3歳以降になりレースの間を出来るだけ開けるように意識している。賞金がありながら無理して桜花賞を使わなかったのはそのため。今回もローズSを使うより紫苑Sの方が1週速かったので輸送してまで紫苑Sを使っている。中4週が適しているかは解らないが考えられる最適な方法で本番を迎えることになる。身体的な成長もあったようで+14kの馬体走増。これなら叩いた効果は期待出来る。中山の中距離重賞を2勝した経験値もコースが類似している秋華賞で威張れるところであろう。適性面に不安はない。

 

ただ、紫苑Sの内容はパッとしなかった。ペースを考えればラストはもっと脚を使って欲しかった。瞬発力のあるタイプでもないのでスパッとした脚を使う事が出来ないので抜けきれなかった感じ。叩き合いになってしまうとこんなものなのかもしれない。でも、相手は権利取りメイチの馬。交わすのに手間取ったのは仕上げの差も大きかったと思う。また、大外枠から先行したので随所々々で外を回っていて他馬よりも距離を走っている。トライアルならではの辛勝とも考えられ評価を下げる必要は無さそう。実際、フラワーCを勝った時も目立ったパフォーマンスは示していない。フラワーCの内容からオークスであのような強い競馬を見せれる馬とは思えなかった。きっと、こういう馬なのであろう。本番で変わる可能性はかなりあると思う。また、タフな展開の方が強さを発揮するタイプだと思われ、紫苑SフラワーCの様な中身の軽いレースでは良さが出ないのではないか?秋華賞はタフな展開になりやすいのでこの馬向きの流れになるであろう。

 

 

2着:サウンドビバーチェ

・流れに乗れるセンスはあり、レース運びは上手い。好位、中位で運ぶタイプ。

・速い上がりを使えないようで決め手優秀と言う感じはない。勝負所でズブイ所もあ追って追って何とか間に合ったという場面も。だから上がりが速くならない道悪はかなり上手い。

・テンションの高い所があり、気難しい面があったが、チューリップ賞(4着)の頃にはそう言う面が薄れてきていた。

 

上記が紫苑S出走時のカルテ。

 

8枠からダッシュ良く行き先頭へ。ハナに立つまでのスピードが速い。元々先行していた馬で出足は速いが、重心を低くして速やかに加速した姿は恰好が良かった。気難しい馬だったが先頭に立つまでの立ち回りは良かったし、道中の走りはコントロールが利き中盤にペースを落とすなどちゃんと折り合えていた。気性がネックでマイルぐらいがベストとされていた馬がこれだけスムーズに2000mを走れるとは思わなかった。夏の間に心身の成長は大きかったという話だったがそれがレースに表れている。春にはない姿で強くなっている。これで権利も獲れ、本番への目途も立った。ただ、それで勝ちきった訳ではないのでまだ伏兵の域は出ないと思う。マイペースで行けたこと、馬場の速かった開催の開幕初日だったなど諸々恵まれているのも事実である。また、1000m通過60.8秒のペースは良好なコンディションだった馬場状況からすればスロー領域だ。このペースで行ったらラストまでしっかりと伸びて欲しいところ。ラスト1Fで0.9秒の失速は大きいと思う。精神面がクリアになってもこの失速を見るとフィジカル面で2000mはギリギリと言う印象。止まりにくい馬場状況が後押ししてこなせたと見るのが妥当ではなかろうか?秋華賞後はもう少し短い距離を走っているような気がする。紫苑SのようにGⅢ程度のメンバーならこういう事(2着)もあるが、GⅠのガチンコ勝負で強く推す気にはなれない。

 

逃げたのは紫苑Sが始めてなので本番でも逃げるとは限らない。ただ、本番も単騎で行けそうな組み合わせになりそう。この路線の逃げ馬パーソナルハイが除外確定で出走出来ない。逃げ馬候補は抽選対象に2頭いるだけでそれもどうなるか分からない。強力な逃げ馬がなく、開催2週目の馬場なら行ってしまっても良いのかもしれない。ただ、能力的にこの馬並みの先行馬が紫苑Sより多く、道中の圧は大きくなるだろう。

 

3着:ライラック

・スタートがもっさりとしているので後方から進めるレースが殆ど。中盤ぐらいから動いていける機動力があり、ラスト5Fぐらいから動いていける。脚は長い。

フェアリーSの勝利は展開の恩恵はなく、偶然のハマリではない。後の二冠馬をねじ伏せている。

・5戦2勝3敗と負け越して、GⅠ2走は案外な結果。だが、3度負けたレースの敗因はどれもはっきりとしていて、実は力を出して負けたという経験はない。

デムーロ騎手、福永騎手と騎乗経験のある騎手は破壊力が凄いとこの馬の末脚を褒めている。

 

上記が紫苑S出走時のカルテ。

 

秋華賞では鞍上が変わるのでどう乗るかは解らないが、戸崎騎手が導いた紫苑Sはスタートを決めて中段ぐらいで折り合えていた。後方マイポジ的な馬だったが位置を取れて走れたのは収穫。それでいて繰り出せる末脚に変わりがなかったのだから良い傾向。後半特化型はひとまず卒業できた。コーナーを4つ回る内回り条件は初経験であったが問題無く対応してレース振りは良かった。ラスト4・5Fぐらいから動き出して長く脚を使う馬なので、マクれるこういう条件は合っているような感じ。また、紫苑Sは開幕日のレースで、その結果からみてもあからさまなイン前競馬だった。これを外から追い詰めた末脚は評価を高くして良いところ。やはり脚力は相当高い。不利続きでピンパーな競走成績であったがまともに走ればこれぐらいの力がある事を再認識できたのも良いであろう。秋華賞でも走って不思議ない1頭。

 

京都2歳S桜花賞と輸送競馬の阪神で結果を出していない。京都2歳Sが輸送が原因だったのは確かだが、桜花賞では輸送で体調を落とすことはなかった。ただ、その桜花賞も福永騎手の諦めが早かったヤラズ走だったので、まともに走った訳ではないから大丈夫とは言い切れない。地元中山で見せる安定感まではまだ保証出来ないところ。

 

ローズS(GⅡ)

 

三冠目がエリザベス女王杯の頃からある老舗トライアルです。過去6年の成績は【0・1・5・30】となっています。中京で行われたローズSは毎年同じような展開で類似したラップ構造が構成されていると先月のローズS時に話しました。その点、今年はどうだったのでしょうか?中京開催だった3年のレースラップを比較してみます。

 

・20年(リアアメリア)


12.6-10.8-12.3-12.7-12.5-12.4-12.1-11.6-11.3-11.6=1:59.9(良)

 

・21年(アンドヴァラナウト)

13.1-10.9-12.3-12.7-12.2-12.0-12.2-11.6-11.3-11.7=2:00.0(良)


・22年(アートハウス)

12.5-10.9-12.3-12.3-12.2-12.0-11.8-11.5-11.3-11.7=1:58.5(良)


テン3F、1000m通過など今年も似たようなものが記録されました。ただ、生じた誤差は微々たるものでしたがその悉くが今年は速くなっていて、それが少しづつ積み重なった結果全体的にタイトなラップ構造になったと言えます。特に緩みの部分が今年は極めて少なく、過去3年では最も息を入れづらいレースとなったと言えるでしょう。また、ラスト3Fだけが加速した昨年、一昨年と違い、今年はラスト4Fからレースが動き出しています。単純な瞬発力勝負だった近2年とは異質な持続戦が展開されたと見るべきです。走破時計が1.4秒以上も速くなっているのもそのためです。レース上がりは34.5秒~34.6秒と近しい時計が記録されましたがその中身はまるで違っています。今年の方が地力が問われた展開と言えるので、近2年以上の評価が可能です。

 

こういう展開なので基本的には前がしんどい展開だったと言えます。この路線の代表的な逃げ馬パーソナルハイが失速したり、早めに仕掛けた4・5着馬が2・3着馬に差されたのもこの理屈で説明がつくでしょう。これらを踏まえると④④⑤③で前付けして抜け出した勝ち馬アートハウスは評価を高く出来ると思います。また、上述したように3着エグランタインは展開利を味方にしていると言えます。これに差された5着メモリーレゾン(抽選対象)は対エグラン比較で勝負付けが済んだとまでは言えません。乗り方一つで着は入れ替わるでしょう。

 

1着:アートハウス

阪神2000mの新馬戦で見せた末脚は良い。この条件で33.9秒は凄い。新馬戦なら尚更。

・レコード決着だった同条件のエリカ賞での負け方からするとタイトな流れは向いていないかもしれない。地力勝負だとキツイのだろうか?

・3戦目の忘れな草賞で脚質に幅が出た。先行していた馬が中団に控える競馬で結果を出した。溜められた時の末脚はやはり見どころがある。この末脚を武器にした方が良い所がありそうだ。

・勝った2勝は上がりの競馬で、負けた2戦がタフな展開。持続戦より、上がりの競馬の方が向いていそう。

オークスは前走からの上積みが無く、体調面が上がってこなかった事が敗因とされた。2戦目よりも初戦と言うタイプの可能性も視野に入れたい。

 

上記がローズS出走時のカルテ。

 

ローズSは好発進から好位へ。持ったままの楽な感じでポジションを取りに行く。序盤の立ち回りの上手さはさすが。最初のコーナに入る頃に馬群に包まれ、向こう正面までそれが続いた。この間に行きたがる素振りなのか、馬群を嫌う素振りなのか、手綱を引っ張るシーンがチラホラあった。少しポジションを落とし、周りに馬がいないところですぅっと落ち着く。これを見ると後者なのかもしれない。あまり包まれない方が良い可能性がありそうだ。落ち着いてからはスムーズなレース運び。この馬はスローの上がり勝負を最速上がりを使って勝ちきった馬で、負ける時はいつも持続戦というタイプだった。しかし、今年のローズSはラスト4Fから動き出した持続戦となっており、この馬本来の好走ゾーンにはならなかった。この内容のレースを勝ちきれた点は良く、新しい一面を見せたと言える。カルテを書き換える必要があるだろう。前がしんどい展開だったのでさすがに上がり最速は手放したが、この展開を前で運んで3位上がりはエラい。評価を高くして良いところ。先行しても上位の脚を使えるのだから崩れるシーンは今後も少ないだろう。

 

こういうタイプが崩れるとしたら状態面の問題か、アクシデントという事になる。不慮の事故は想定出来ないので、状態面の考察を少ししておきたい。この馬は勝って負けてを繰り返しており、2戦目でパフォーマンスを派手に落とすタイプである。オークスでも陣営は期待したような上積みが無いと嘆いてて、それが敗因とされている。春までは使ってよくなる馬ではなかった。夏の成長でそう言う面がクリア出来ていればいいのだが。秋2戦目でどういう調整が成されているかが鍵になりそうだ。秋華賞1週前では特に気になる事はなく、順調に調整されているとのことだが、果たして?当週の調整もしっかりと確認して、それで印を調整した方が良さそうだ。阪神2000mは忘れな草賞圧勝の舞台で適性はある。力も強くなった。ほんと状態次第だけである。

 

3着:エグランタイン

・4戦目までの全戦で1.8~2.0秒の間で負けていた馬が、5戦目で超激変。馬体の増加傾向に合わせて走りそのものが変化してきた。

・負けていた時も動けなかっただけで騎手の指示には素直に従い、気性はマイルドだった。動けるようになってからは操縦性も上がっている。

・追い通しの競馬でもバテる事が無い。体力面は高そうである。

・タフな展開の時の方が結果がよく、現状の好走パターンは持続戦や体力勝負といったところか?

 

上記がローズS出走時のカルテ。

 

序盤は促しながらポジションを取りに行く。楽にという感じではなかったが鞍上の指示通りに中段をキープ出来た。それ以降も楽な追走と言う様ではなく、馬は一生懸命に前を追っている感じ。こういう動き方をされると2000mの距離でも忙しいのかな?と思ったりする。未勝利時もそうであったが、追い通しの競馬でもバテる事が無い。強制的に馬を動かしても消耗する事が無いので最後に脚を伸ばしてこれる。体力のある証拠でスタミナのあるステイヤータイプの可能性がある。オークスに間に合っていればと今更ながらに思うところだ。この手のタイプに持続戦は適しているので、ローズSでも良い末脚を発揮した。決め手の差で着も最速上がりも2着馬に譲ってしまったがこの馬の力は示した。秋華賞はタフな展開になる事が多いのでこの馬の個性には合っているだろう。操縦性は良いし、狭い所もついて来れる勝負根性もある。さらなる相手強化で楽ではないが上位にミスでもあればこの馬が紛れる場合もあると思う。

 

最近ブリンカーで劇変した馬を扱う事が多かったが、この馬の場合は馬具で調整されたものではない。純粋に馬の成長によるもの。未勝利を勝てるかどうかも怪しいと言われていたそうだが、そんな馬の成長曲線が急上昇した。それは厩舎も驚きを隠せないほど。その曲線はまだ止まっていないようなので前走以上の成長を見せる事もありえる。だとしたら面白い1頭。

 

5着:メモリーレゾン

・常に上がり最速な末脚で勝負する差し馬。距離延長とともにゆったり進めるようになり脚が余計に溜まっている感じ。

・函館戦を見る限り、3~4コーナーでの動きは少々鈍く映った。コーナー部分で器用に立ち回れていない印象。中京コースなら直線だけの競馬が可能なので末脚をフルに引き出せそう。

・見た目に鮮烈な末脚だが、何でもかんでも飲み込めるような強力なものではない。後方待機が多いのでクラスが上がったり、相手が強くなったら届かないことは増えてくると考えられる。

 

上記がローズS出走時のカルテ。

 

ダッシュが鈍い馬なので後方で脚を溜める事が多いが、ローズSでは権利を意識してスタートから気合をつけてポジションを採りにいっている。中段の6番手。いつもと違う形の競馬であったが追走面に違和感が無い。やれば出来るじゃんと言う感じ。1000通過ぐらいには前との差もつまり、動き出しも早い。立ち回りは上手かったと思う。しかし、積極的な競馬のツケなのかいつもの様な末脚とはならず直線ではジワジワ伸びるに留まってしまった。上がりが3位以内に入らなかったのはこのレースが初めてだった。出して行ったら味が無くなってしまったということだろう。末脚勝負でここまで来ていたが勝ったり馬券になったりのレースはラストの失速率が大きい時ばかりで展開に乗じてのもの。脚力そのものが圧倒的という事はなく、使える脚も意外と短い。前が止まらないレースを差し切れるほどの脚量はそもそもない。前走を見る限りいつもの様な後方待機の方が使える脚は良いが、GⅠでより強力な相手ではその位置から差してこれないだろう。自力だけで勝ち負けに持ち込むのは難しいと思う。展開の助けが必要になってくる。そう言う時に備えて、脚を溜められるだけ溜めておく方が波乱は起きるだろうと思う。ただ、ローズSの時でさえ2000mはギリギリかもという話。守備範囲ではあるが適性は1600~1800mぐらいと考えているようで、ここがベストの条件と言う事でもないようだ。夏を境に芯が入り馬は成長を遂げており状態的に悪くはないが。

 

オークス(GⅠ)

 

オークスサウンドビバーチェの放馬により発送時刻が15分遅延されました。それで気持ちが切れてしまった馬がいます。また、当日は非常に熱い日だったのでその日差しに照らされ熱中症になった馬もいます。遅延の影響で力が発揮出来なかったのは1番人気サークルオブライフ、ウォーターナビレラ、ライラックなどがこれに該当します。これらの馬が力通り走っていれば結果はまた別のものであったかもしれません。ですが、今年のオークスはレベルが高く、地力を求められた展開でもありました。上位に入線した馬のパフォーマンスは高く、これらの評価を落とすには至りません。

 

最初の1000mは60.6秒と標準的な通過タイムでしたが、この5F目(12.7秒)をピークにあとはジワジワと加速し続けてこれがほぼゴールまで続きます。最後の1Fで0.1秒失速しただけで長区間に及ぶ加速ラップが展開されました。そして、ラスト5Fは58.5秒とかなり後傾しています。ペースが緩んでいた訳ではないので、このラスト5Fの速さはどの馬にもかなり堪えたと思います。とてもしんどい持続戦でした。力のない馬ではゴールまで走り切れなかったという印象です。

 

なので、走破時計も優秀なものが記録されています。近2年は2分24秒4~5秒で決まっていて、これらを標準的な走破時計とすればそれを上回る時計で駆けています。19年ラヴズオンリーユーのスーパーレコードには及びませんが、18年アーモンドアイに0.1秒劣っただけの2:23.9はかなり優秀と言えるでしょう。

 

この展開で33.7秒の末脚を発揮した勝ち馬スターズオンアースの末脚はすさまじいと思います。4・5番手の前目のポジションから直線抜け出した2着スタニングローズの持続力も凄いですし、外差し馬場を1頭だけインから伸びた3着ナミュールの底力もやっぱり高い。1~3着馬の強さは並みのレベルではないと思います。当然、状態次第ですがこの3頭の力はかなり抜けている印象です。4着以下が春のままなら逆転は考えづらいところではないでしょうか?

 

1着:スターズオンアース

・操縦性は非常によく、鞍上の指示通りに動ける。力はあるので勝つか負けるかは鞍上次第な感じ。GOサインが出てからの反応も速く追撃態勢への移行が素晴らしい。

フェアリーSクイーンSはインの狭い所をスムーズに捌けず2着惜敗を続けたが、桜花賞ではその経験が生きたような勝ち方。狭いところで脚を温存し、進路が開いてから一気に弾けた。モマれた経験が糧となっていたのだろう。

・差されて負ける事が多かったが桜花賞では逆の立場となり差し切り勝ちをする。早めに抜け出すよりも、追い出しを我慢するぐらいが乗り方として丁度良いのかかもしれない。

 

上記がオークス出走時のカルテ。

 

マイルでもポジションを取れる馬なので序盤の立ち回りは上手い馬。大外枠だったオークスもスタートを決めて先行態勢は取ろうとしていた。内の馬を見ながらポジションを調整していたら中団に収まることになった。以降は直線に入るまでその位置をキープして平常心で追走していた。終始外目を回っていたので直線でスムーズに追い出せて末脚をフルに使い切れた。ここまで馬群の中で苦労するレースばかりだったので、まともに追ったらこれだけ力強いのかという感じ。1頭だけ33秒台の上がりを使いちょっと抜けた最速上がり。レースはタイトな持続戦であったのでこれだけの上がりを使えるのは凄い。脚力の高さは相当である。体力、持続力の問われたレースで他馬も楽では無かったはずだが、この馬のパフォーマンスは抜けた存在感を感じさせた。消耗度の高いレースで強さを発揮するのだろう。桜花賞は7番人気であったので厩舎も恵まれた印象を持っていて強さに自信が無い感じだったがもうそんな事も無いだろう。世代NO1の評価は揺るがない。力を出し切れるなら三冠馬も夢では無さそうである。

 

ただ、適性面はどうなのだろうか?オークスを迎えるにあたり、桜花賞よりオークス向き、左回りの方が良い、距離延長はプラスなど話していた。鵜呑みにすればオークスは適性ドンズバなレース。今回の条件との乖離が大きく、これで秋華賞はどうなんだろう?と思えて来る。微妙な適性ズレが与える影響はあるのかもしれない。器用な馬なので内回り条件は問題ないと思うが、この条件がベストという馬との差は埋まってしまうかもしれない。また、後はレース後に骨折して全治3ケ月の診断を受けているので状態面も気になる材料となる。骨折明けでどこまで持ってこれるかは慎重に見極めたい。

 

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