競走馬カルテ

2・3歳重賞の出走馬を分析・記録していくブログです。

スプリンターズステークス(GⅠ) 出走馬カルテ②

こんにちは。

 

定期的に二桁人気が激走するGⅠレースですね。この10年で1勝2着3回3着4回と結構な頻度で人気薄がやって来ます。特にこの半数が近4年に集中しているので今年も警戒を怠れません。来る前提で予め目星をつけておく方がいいかもしれません。

 

近4年でやって来た二桁人気馬は

 

18年2着ラブカンプー(②②)

13年3着ラインスピリット(③④)

20年3着アウィルアウェイ(⑯⑯)

21年3着シヴァージ(⑤⑤)

 

と、ほとんどが先行馬でした。直線最後方から追い込んだアウィルアウェイの20年は当時もブログで指摘しましたがラチ沿いがボロボロだった年でしたから例外的に捉えて構いません。そもそもスプリンターズSは先行有利のイン前競馬になりがちです。後方待機から追い込めたのはレッドファルクスやグランアレグリアなどGⅠ馬に限定された脚質だと言えます。穴馬も前を行く馬か、内に潜んでいるケースばかりです。

 

どうしてそうなるかと言えば、この時期の中山競馬場の馬場状況が良いからでしょう。1年を通して時計が最も速くなるのがこの時期なのでスプリンターズSも1分7秒台前半の速い決着が普通です。時計の出やすい馬場はイン前競馬が定石ですから人気薄の脚質もこれに該当する馬が必然的に多くなるのだと思います。

 

たった3頭だけのチョイスで大的中だったオールカマーを見て今年もそうなるのかな?と私は思いました。どれも人気薄だった1~3着馬は皆ラチ添いを通って来た馬ばかりです。あのデアリングタクトですら外から詰める事が出来なかったのです。

 

さらに、このカマー週からB→Cのコース変更がありました。イン前有利の傾向は殊更に顕著です。そして、スプリンターズSのコースはオールカマーと同じ外回りコース。向こう正面からゴールまで同一のコースを利用します。短距離と長距離で性質はまるで違いますが、コースから受ける影響は変わらないでしょう。天気の影響がなければ同様の事象が発生するのではないでしょうか?

 

よって、スプリンターズSは枠や脚質を意識した予想が良いと思います。

 

レースは10月2日(日)になりますので、1日(土)までに各馬の更新を完了します。なお、ページが長くなるようなら途中から2枚・3枚と分けるかもしれません。1ページ10000文字を目安に更新していきます。その際、予想コーナーは最終ページに更新すことに致します。

 

9/27追記:前走レースが限られているので馬名順ではなく、前走別に分けて更新していくようにします。下記変更済みです。

9/30追記:ページ上段の前説部分は同じものを転用しています。①②の行き来はページにブログカードを貼っておきますのでそちらから移動されて下さい▼

 

 

セントウルS

 

16年高松宮記念ビッグアーサーが記録した1:06.7を大幅に更新する1:06.2のレコードが記録されました。昨年の勝ち馬レシステンシアより1.0秒も速いのですからやはり相当な高速馬場だったという事になります。馬場がこういう状況になると前を行く馬、インを行く馬が断然有利です。外を回して他より長い距離を走ってしてしまうと最後までスピードが落ちない馬場で伸びきる余力を失くしてしまいます。2・3番人気が負けた理由はこれで説明がつきます。結果、2着に人気薄が紛れ込む事になりました。

 

また、2~4F目の連続する3ハロンで10秒台を刻みながらハイペースで逃げたシャンデリアムーンが7着と比較的残れていたことからも馬場バイアスの強さが感じられるところです。勝ったメイケイエールは4枠5番の発馬から内目を進み直線だけ外へと言う競馬でロスが無い。2着ファストフォースは8枠12番でしたがダッシュをつけて1F通過ぐらいには2番手をキープ出来たので枠の不利を早期に解消した事が好走に繋がります。3着馬もラチ沿いから抜け出しており、馬場の傾向に即して走った馬だけが上位に入る事が出来たのです。

 

ただ、前の止まらないレースを5番手追走だったメイケイが外から差し切り2馬身半も圧勝した事はやはり驚いておくべきでしょう。前半32.5秒で流れたレースを32.9秒の上がりで差し切るんですからこれはバケモノです。レース上がりを1.5秒も上回り、2位上がりを0.9秒も上回った末脚は5・6枚は抜けていた印象です。毎度このように走ってくれるならしばらくはこの馬の天下が続きそうだなと思います。

 

メイケイエール(1着)

 

まともに走ったらこんなにも強いのかと思わせるセントウルSの勝利。ハイペースでも圧倒的に強いし、折り合いを欠いても押し切ってしまう凄い馬。1200mぐらいなら無呼吸で走りきれてしまうのでしょう。心肺機能は強靭でスピードも一級品です。この馬の強さを上げればキリがないので能力的な話を長々とする必要はないと思います。その能力をしっかりと出せるかどうかが肝心な馬なのでこの点の確認をした方が良いと思います。今年の4戦はまともなレース振りが目立つのでもう大丈夫なのかもしれませんがメンタル面の変化の過程を近4走から見ていこうと思います。

 

シルクロードS高松宮記念の頃は馬具の効果が大きかったと言われていて物理的な方法で気性面が矯正されていました。その効果が大きかったようで2戦とも良い走りが出来ていたと思います。3走目の京王杯SCの頃にになると馬自身に変化が見え始めて気性の改善がされつつあるという感じになっていました。が、その京王杯SCでは久しぶりに折り合いを欠く様が見られており池添騎手はなだめるのに苦労しています。これは1Fの距離延長によるものか、はたまた関東への輸送が影響してのものかはわかりません。ただ、条件次第で暴れ出す可能性を示したのではないか?とも思えます。

 

ひと夏越して復帰したセントウルSでは心身両面で大幅に成長を遂げたようで厩舎からは暴れる可能性はかなり低くなったという力強い話が出ています。確かにこのレースは今までで一番コントロールが利いていたと思います。スタートはもっさりしていたので促して出して行く競馬が出来ており、こういう事が普通に出来るようになった点は凄いと思います。その後ポジションを取れたところで控えるのですがこの際も非常にスムーズでした。緩急をつけてレースが出来ていた姿はこれまで見た事がありません。このレースを見ると気性面が成長したのは本当と見て良いと思います。

 

今年4戦を振り返って徐々にレース振りが安定きたのが分かります。折り合いを欠いたレースもありましたが、3歳時に比べれば可愛いものです。仮に折り合いを欠いたとしても地力で何とか出来ますのでレース中に破綻を来す事はもうないかもしれません。少々怖い面もありますが、期待して印を回しても良いかもなぁと思います。

 

ただ、気性面以外の不安材料が無い訳ではありません。初めての左回りとなったシルクロードSの時の話ですが、左回りの方が絶対に走ると厩舎は話していました。右回りはコーナーで左に張る面があるのだそうです。それでも十分な実績があるので気にする程でもないかもですが。身体面の成長が大きかったようなので解消されている可能性もあります。が、この点は今回のレースを見てからでないと判断出来ないので右回りでパフォーマンスを落とす可能性は頭に入れておく方がよさそうに思います。また、今年唯一折り合いを欠いたのが府中の京王杯SCだったので輸送は大丈夫だろうか?というのも考えられます。何がこの馬のヤル気スイッチを押してしまうのかが分からりませんので余計に心配です。今は眠りについた凶暴性が目を覚まさないといいのですが。今回が走り慣れた中京GⅠだったら絶対的な存在になりえると思うのですが、中山GⅠではまだ確認しておきたい点が少々残っているのが実情の様に思います。

 

ファストフォース(2着)

 

セントウルS2着と好走したことでかなりはっきりしたのですが、この馬はすんなりと逃げるか、2・3番手に行ければまだまだやれるという事です。1200mで馬券になった時はそう言う競馬が出来た時だけです。今年はオーシャンSで復帰して以降9・9・12・10着と大敗続きでしたが理想の競馬が出来なかった事が敗因と考えて良いでしょう。この路線の上級クラスでは初速が速い馬はいくらでもいるのでこの馬がどんなに頑張ってもそう言う競馬に持ち込む事が出来ません。では、なぜセントウルSですんなりと2番手を取れたかと言うと強力な同型がいなかったからです。

 

ここで基本性能を確認しておくと理解力が深まると思います。まず、序盤の行きっぷりが良くないのでスタートはいつもゴリ押しして先行態勢を採ろうとします。しかし、シュっと出てすんなりと先行出来るスピード馬は多いのでこの馬がどんなに押し込んでも良いポジションを取れない事が殆どです。それで必然的に番手が下がってしまいます。そこから巻き返しが出来る馬なら良いのですが、この馬はラストに速い脚を引き出せるタイプではありません。その為に番手を上げられないままになります。こうなったら最悪で、最後は馬の方が先に諦めてしまい直線でだらしなく失速してしまうのです。これがこの馬の大敗メカニズムとなります。

 

よって、枠とか力関係とかそういうものは一切関係がありません。この馬にとって重要なのは同型が何頭いるか?この馬より速い馬がどのくらいいるのか?といったところです。これらの条件が適えばセントウルSの様に最後まで競馬を止める事はありません。また、今年テイエムスパーダに塗り替えられてしまいましたが、元日本レコードホルダー(1:06.0)なのでセントウルSの様なレコード決着に対応出来る下地も持っています。条件、状況次第でこういう競馬が出来てしまうので安易に格下評価を下せるような馬ではまだありません。今回の組み合わせを見渡すとテンに速いのはそのテイエムぐらい。主張が適えば2・3番手の位置を早い段階で取る事が出来るかもしれません。そうなれば馬場の傾向も味方しますのでこの馬が穴をあける可能性は残されていると思います。

 

ただ、この馬もサマーシリーズを3戦していますので上がり目はあまりないのではないかと思われます。昨年スプリンターズSに出走した時はCBC賞北九州記念の2走だけでしたがそれでも上積みは無いと話していました。今年は1戦多く使っていますので前走以上の状態にもって来るのは難しそうです。理想の形に持ち込めたとしても、そこからは状態次第ということになるでしょう。

 

サンライズオネスト(3着)【除外】

 

除外対象なので出走の場合更新予定。

 

ラヴィングアンサー(9着)

 

戦績が示す通り、年齢が示す通り特にいう事はありません。強いて言えば、今年は枠が良いですね。馬込みを気にするタイプなので2枠3番の内目を引いた昨年はかなり落ち込んでおりましたから、7枠14番を引き当てた今年は競馬がしやすいだろうと思います。怖がりな気性や脚質的に大外ブン回しの競馬しか出来ないのでスプリンターズSの傾向には合致しません。無欲に追い込んでどこまで来れるかというころですが、高速馬場のGⅠでは前もそう簡単に止まらないでしょう。ケツからケツの競馬になる可能性は高いと思います。

 

安田記念

 

シュネルマイスター(2着)

 

サンデーRは安田記念優勝のグランアレグリアをこのレースに直行させて優勝しています。今回はそれに近い形でしょう。しかし、このクラブは前哨戦のセントウルSを今年の安田記念を優勝したソングラインを使って5着と負けています。安田記念から1200m戦を使うローテは勝利の方程式とは言えません。シュネマがアレグリアの様なパフォーマンスを発揮出来るかはまだ未知数です。まずは1200mに対応出来るかどうかを見極める必要があります。

 

アレグリアにしろ、ソングにしろ初の1200m戦ではテンが速いため後方に置かれていた点で共通しています。2頭が経験したテン3Fはいずれも32秒台でした。安田記念馬でも経験のないスピードに乗せて行く事は出来ません。今年はテイエムスパーダが逃げると仮定すると3F通過は同じ32秒台が想定されます。今回のシュネマもある程度後方に置かれると見るべきでしょう。であれば、後半3Fで如何に挽回出来るかが鍵になります。

 

シュネマの近3走(国内戦)の上がりは毎日王冠で33.0、マイルCSで32.9、安田記念で32.9秒。常に高速上がりを使っていますのでこれなら十分通用しそうな感じです。でも、私は上がりの速さだけで論じる問題ではないと思っています。実際、安田記念で同タイム上がりを記録していたソングはセントウルSで詰め切れていません。いつもよりポジションが後方になっているのでいつも以上の末脚を繰り出さないと1200mには対応出来ないのだと思います。

 

では、どのような素養があれば1200m戦に通用するのでしょうか?それはアレグリアスプリンターズSを見れば一目瞭然なのですが一瞬でトップスピードに持ってこれる瞬発力だと思います。マイル戦より2Fも短いので助走区間が無い事が問題なのです。徐々に加速してトップスピードに至るようではMAXなった頃には先頭の馬はゴールしてしまいます。そうならないために一瞬で他馬よりも速いギアチェンジが必要なのです。

 

ただ、シュネマは府中でばかり走っているので長い直線を追って追ってというレースばかりしています。これだと一瞬の脚が如何ほどなのかが分かりにくいですね。そこでこの馬と2度づつ接戦経験があった、ソングとアレグリアに再登場してもらいます。それぞれのレース振りから薄っすらと見えてくるものがあります。

 

・対ソングライン

 

NHKマイルCをハナで勝ち、安田記念をクビで負けています。この2レースはいつもソングが前にいてシュネルがこれを追いかける形です。2頭とも直線で追って追って交わすかか交わされるかの勝負を演じていました。追い比べになるのでいつも接戦になります。しかし、一瞬の脚があれば態勢はすぐに入れ替わるものです。つまり、どちらもそう言う脚を使えないということでしょう。2頭の末脚の性質はほぼ等しいと見て良いと思います。

 

・対グランアレグリア

 

安田記念で差されて負けて、マイルCSでも差されて負けています。2つのレースを見ればわかるのですが、アレグリアはいつもグンと加速して前にいるシュネマを一瞬で交わして行きました。着差も1/2馬身、3/4馬身とソングと違い完全に交わされています。アレグリアの瞬発力の凄さは現役時に嫌と言うほど見せられましたが、シュネマの末脚がその域にはいるとはちょっと思えません。違いをまざまざと見せつけられたと言って良いと思います。瞬時に加速出来る性能はアレグリアの比ではありません。

 

以上の比較からシュネマの末脚はソングに近いものだろうと思われます。そのソングがセントウルSで詰め切れなかったように、如何に速い上がりを使ったとしてもその見た目はジワジワとしたものになるのではないかと思います。少なくとも2年前のアレグリアの再現を安易に期待すべきではないと思います。現役屈指のマイラーと言う評価をいじるつもりはありませんが路線違いの今回は評価を高める必要性は感じません。

 

それ以外について簡単に確認しておきます。春のドバイ遠征は調整ミスで失敗。安田記念は帰国後の調整で万全という状態ではありませんでした。勝ちが遠のいていますがデキに問題があったので気にする必要はないでしょう。春GⅠからの直行を毛嫌いする時代は終わっているのでここでも力を発揮する事は可能ですが、既に発表されているようにこの先のマイルCSが目標です。スプリンターズSはステップ的な意味合いが大きい模様で、手塚調教師の話からはどうしても取りたいレースと言う印象は受けませんでした。マイルCSへの余力は残しているでしょうし、場合によってはその後に香港なんかも視野に入るかもしれません。ここでびっしり仕上げて来るのはちょっと考えづらいですね。

 

ナランフレグ(9着)

 

高松宮記念を制した春の覇者。その為に以降のレース選択は難しくなりました。サマーシリーズ第1戦函館SS辺りを考えていたのですがGⅠ馬になった事で斤量的に厳しくなってしまいました。別定でこれですからハンデ戦はそれ以上に使えません。適当な番組がかなり少なくなりました。それでサウスポーだから左回りのこれにしとこうか?みたいに使ったのが安田記念だったのです。芝のマイル戦は未経験でしたので適性的には厳しいのですが斤量的には妥当と考えたようです。その割には0.4秒差に頑張っていました。サクラバクシンオーもそんなものでしたからこれは健闘と見て良いでしょう。ですが、後方待機から使えた末脚は上がり順で7番目。スプリント戦では常に上位でしたから距離延長で末脚の威力は落ちいたという事になります。距離はやはり長かった模様です。今回は適性距離に戻る1戦なので改めてこの馬の強さを発揮してくれるでしょう。

 

かつてはサウスポーとして有名でした。右回りだと追い出してからの反応が微妙だったので左回りを中心に使われていました。それが馬の成長が進み右回りでも脚を使えるようになります。春に使ったオーシャンSの頃には右も左ももう関係ないという認識にまで昇華しています。今回も脚だけはしっかりと使ってくれると思います。

 

大外一気型なので1枠2番の高松宮記念はさすがに厳しいと見ていたのですが、インの狭いところを差し切った走りには驚きました。かねてより左回りのGⅠを最大目標としていただけにあの騎乗には執念の様なものを感じました。見事な勝負だったと思います。ただ、それだけに圧倒的に強かったとは言えません。高松宮記念の当日は道悪がインから乾いていった特殊なコース状況でした。外目を進んでいた馬が力を出し切れなかったレースです。通ったコースを踏まえれば4着だったメイケイエールの方が示した力は上であったでしょう。ディフェンディングなチャンピオンとして迎える状況ではないと思います。

 

また、末脚だけは確実な馬ですが展開に恵まれる必要があるのは陣営も認めている事です。地力だけでGⅠをねじ伏せられるような力は有していません。想定される展開がこの馬に合うかどうかで印の比重を決めるべきだと思います。馬の状態は今年ずっと良いようで遅まきながらピークを迎えた感じです。ハマッてくれれば確実に脚は伸ばして来るでしょう。そのデキの良さを生かして頑張って欲しいところです。

 

ダイアトニック(14着)

 

2年前のスプリンターズS後に骨折して昨年は1戦しか使えませんでした。年明けの京都金杯でようやくきっかけを掴み、阪急杯を制して再び軌道に乗りかけます。が、高松宮記念安田記念と大敗を繰り返しています。高松宮記念に関しては、入れ込みが激しくスタートを出遅れて最後方。大して詰め切れないまま14着に。安田記念函館SSを使おうとしていましたがかなりの斤量を背負ことになるので仕方なく出走したもの。絶好調の時は走れた距離でしたが今はマイルがはっきりと長いそうで12着。2戦の大敗は敗因がしっかりとしているので、本来は見直すべきなのでしょう。ですが、やはり成績に安定感が無くなっているので強気に推せる話は出来ません。

 

20年の高松宮記念では不利が無ければ勝ちもあったという3着でしたが、この頃は馬がとても充実していた時期でした。この当日と比較するとやはり物足りない感じがどうしてもしてしまいます。また、相手もこの時とはすっかり変わっているので現在のメンバーを相手にした時の力差が判然としません。状態自体は骨折前よりも良くなっているという話なので侮れないのですが、根拠立てて印を回す材料に乏しいと言わざるを得ません。現在地が良く解らないのでとりあえず印を回しておくべきなのかもしれませんが、そんな余裕があるかどうか?この手のケースは厩舎側も「状態は良い」とか、「力は出せる仕上がりだ」みたいな事を言ってくると思うんですけど、これは自信があったり、勝算があっての言い回しではありません。厩舎の言うことだけで取捨を判断するのも難しいですね。

 

◆その他


トゥラヴェスーラ

 

4着だった高松宮記念でしたが、レース中に鼻出血を発症していたそうです。ゴール前に抜け出した所で勢いが弱くなってしまったのはその為かもしれません。アクシデントが無ければひょっとしていたのではないでしょうか?それ以来のレースになっているのも鼻出血の再発がないよう間隔を十分に取りたかったのだそうです。過去2度の長期休養があった馬ですが復帰戦はOP特別4着、京王杯SC2着といきなりから走れています。半年ぐらいの休みならちゃんと動いてくれるだろうと思います。厩舎もしっかりと仕上げてくるでしょう。

 

勝負に勝っている訳ではありませんが近3走のパフォーマンスはどれも優秀です。

 

・21年京王杯SC
1着:ラウダシオン(②②)
2着:トゥラヴェスーラ(⑬⑭)
3着:カイザーミノル(④③)

 

・22年阪急杯
1着:ダイアトニック(③③)
2着:トゥラヴェスーラ(⑫⑫)
3着:サンライズオネスト(③③)

 

・22年高松宮記念
1着:ナランフレグ(⑮⑭)
2着:ロータスランド(⑦⑧)
3着:キルロード(③③)
4着:トゥラヴェスーラ(⑫⑪)

 

ご覧の様に前残りのレースを1頭だけ後方から追い込めている様が分かります。脚力がずば抜けている証拠で展開不問の末脚は凄まじい威力です。OP特別でも物足りない時期がありましたが、年を重ねることに強くなっている印象で地力強化が目立ちます。これだけ末脚が安定していますので展開次第で十分に勝ち負けに加われるのではないでしょうか?中山コースの経験は1度しかありませんがしっかりと走れていますし、コースを問わず力を発揮出来るので問題にはならなと思われます。

 

キャラ的にはナランフレグと同じタイプと見て良いでしょう。高松宮記念も鼻出血がなけれ最後にもう一伸び出来ていた可能性は否定できませんし、0.1秒差なら力差は全然感じません。そんなフレグとは直接対決は多くないすが過去に負かした事があり1勝1敗の五分の対戦成績です。いずれも着差は僅かで、馬場やコース取りなど些細な理由で着が入れ替わっているに過ぎません。本当に力差はないんだと思います。フレグに出来る事はトゥラヴェにも出来る。2頭はそんな関係性です。そんな2頭の土曜夕方のオズはフレグが4番人気で16倍前後、トゥラヴェが10番人気で40倍前後。どちらがお得かは言うまでもありません。でも、まぁ2頭とも脚質的にはキツいレースになるので枠や展開次第になってしまうのは残念なところなのですが。

 

マリアズハート

 

中山1200mか新潟1000mしか走らない馬なのでアイビスSDを叩いてスプリンターズSを目標とするのはこの馬らしい臨戦過程です。重賞競走で目立った成績は残せていませんが不利が無ければそんなにひどい走りはしていません。今年で言えばオーシャンSの7着は1番枠がアダとなり直線で前が詰まっていました。進路が取れてからはビュンと加速して差を詰めています。アイビスSDも6番枠で枠に恵まれずにいましたが終いの脚はしっかりとしており外枠だったらもっと上の着もあり得たと思われます。これらを見てると得意な条件ならそこそこ走って来るなと言う印象を受けます。大外枠に入りましたので評価を高くは出来ませんが、枠に泣いて来た馬なのでこの馬には良いような気もします。ただ、GⅠを大外から突っ込んで来れるような力のあるところはここまでないのでさすがにちょっと厳しそうです。OP特別とか、オフ期のGⅢ程度なら買いようもありますがGⅠでは通用の根拠に乏しいと言わざるを得ません。どうやら次走も決まっているようなのでここは経験を積む場として、狙うのは次が良さそうです。終い勝負に徹して何頭交わせるかといったところでしょう。

 

ワールドウインズ【除外】

 

除外対象なので出走確定の場合更新します。

 

各馬の分析はここまでです。北九州記念セントウルS出走馬のカルテは下記のページに記載しております▼

 

 

予想のようなもの

 

こんにちは。

 

ちょっとおかしいですね。ずっと晴れ間で馬場が悪化する要因は無いはずなのに発表のあった金曜日以降のクッション値は9.5→9.0→8.9と数値が低下しています。だから時計もバカみたいに速いものは出ていないですね。

 

土曜と本日のここまでのレースを見る限りイン前の有利さは先週と変化がないので大丈夫だと思いますが。でも、時計に自信の無いタイプに好走要因が生まれているかもしれません。

 

果たしてどうなりますでしょうか?

 

まず、1番人気⑬メイケイエールですかこれは▲とします。リカバー出来たようなので杞憂に終わっている感じはするのですが先週の調教を失敗したと厩舎は話しています。いつ?どこで?ヤル気スイッチが入るか分からない馬に不安材料(輸送、右回り)が1つ増えてしまったのは嫌なところ。ただ、本当に強いですし、今の彼女なら多少折り合いを欠いたとしても地力で来てしまうと思います。から、やっぱり入着は揺るがないでしょう。

 

でも、初志貫徹で◎は⑨ナムラクレアとします。3歳だったメイケイの実績とクレアの今の実績を比較すればクレアの実績の方が上だと思います。そのメイケイが3歳で4着ならこの馬の3着以上でいいんじゃないの?と単純に思いました。それだけのパフォーマンスも見せていまし、状態もグングン上向いています。関東のコースは初めてですが夏に日本縦断ローテ(函館→小倉)を慣行した馬なので輸送は大丈夫と見ています。勝ち負けだと思っているのですが、さぁどうでしょうか?

 

そして〇に①テイエムスパーダを抜粋!と言いたいところですが、これが4番人気ですか?これは青天の霹靂でした。中山と小倉のコース形態は似ているので序盤の運びは小倉で好走したものを期待出来ると思ったのと、阪神に勝ち鞍があるので坂も問題ないと見ました。しかし、言うまでもなく今の馬場状況が最大の根拠です。本日の3R2歳未勝利が1200m戦で行われましたが9番人気が5馬身差の逃げ切り勝ちをしています。先行有利は明らかでその恩恵を最も受けるのはこの馬だと思います。行くだけ行って欲しいものです。

 

その他の△には②ジャンダルム④ダイアトニック⑥ナランフレグ⑩タイセイビジョン⑪トゥラヴェスーラの5頭で。

 

②ジャンダは得意の2走目、得意の中山、陣営が希望していた内枠と条件が揃いました。④ダイアは結局判らなかったのですが、理想の内枠を引いてそれに乗るのが岩田騎手なので、馬自身ではなくその他の要素を重視して印を回すことにしました。

 

追込み系の3頭はどれが来るかわかりません。⑪トゥラヴェ陣営もイン突きを狙っているのですが、よそも同じ事を考えているだろうと⑥フラグと⑩タイセイの出方を警戒しています。枠を考えれば⑥フラグが有利ですが隊列を想定したらそうとも言い切れないかな?と思いました。テンが最も遅いのも⑥フラグなので前にいる⑩タイセイ⑪トゥラヴェが有利って事もあり得ます。3頭とも状態が良いので全て押さえさえる事にします。

 

買い方は◎から〇▲△への馬連7点。スパーダの残り目に期待して〇から◎▲のワイド2点。3連複はクレアの1本軸で◎から全印をカバーして21点。