競走馬カルテ

2・3歳重賞の出走馬を分析・記録していくブログです。

神戸新聞杯(GⅡ) 出走馬カルテ

こんにちは。

 

ダービー馬がいなければ皐月賞馬が、皐月賞馬がいなければダービー馬が中心を担ってきた神戸新聞杯。そのどちらもいない時には春2冠で2着した馬がその穴を埋めてきました。だから配当面は穏当で見るレースになるのが殆どでした。ですが、今年はこれらにあてはまる馬が1頭もいません。これは泥臭いレースになりますよ。

 

秋のトライアルらしくこのレースにも前走ダービー組有利【9・6・2・30】のようなデータはあります。が、それは春のクラッシクで結果を残して来た馬が作り上げて来たデータです。それらがいない今年のメンバーにこれをあてはめてよいものでしょうか?データが少々破綻しているように思います。

 

また、ローズS同様このレースも近2年は中京競馬場で行われています。ローズSにははっきりとした傾向が現れていましたが、一昨年が良馬場、昨年が不良馬場だった神戸新聞杯にそれを見出す事は出来ないでしょう。

 

このように今年の神戸新聞杯は何を予想の手がかりにして良いのかが判然としません。だから、各馬のチェックが余計大事になります。まずは馬を把握して、当日のコースコンディションに合った馬をチョイスするのが良いですね。

 

それではいつものようにまずはダービー出走馬、春の実績馬から確認していきます。夏の上がり馬は後半にチェックしていく事にします。

 

神戸新聞杯は25日(日)になります。前日の24日(土)までに更新を完了します。

 

プラダリア(ダービー5着)

・中距離だとスピードのある馬を差し切れず2着止まりだった。2400mに延長して7馬身差の圧勝。ステイヤーと言う事でよさそう。

・長距離だと先行する事が出来る上、末脚の威力が際立つ。ハイペースで先行しても末脚の威力が落ちない。心配機能も高そうだ。

・オンオフの切り替えが上手い。常に折り合える馬で操縦性は非常に高い。どんなレースでも力を出し切れる馬。

・完成途上でまだ上があるという話。

 

上記はダービー出走時のカルテ。

 

現3歳世代で力が抜けている1~4着馬には3馬身も離されてしまったが、掲示板に載る5着。一度前に出られた皐月賞馬を差し返してそれを死守した。逃げたデシエルトや番手のアスクビクターモアとは距離を取っての追走だったがそれでも5番手を維持した競馬。このラインにいた馬は軒並み力尽きていることからもこの馬にかなりの地力を認める事が出来る。6着以下には威張れるレースぶりであった。臨戦過程の厳しい青葉賞経由だった点も考慮すると評価をさらに上げる事が出来るだろう。また、青葉賞も過去最速のペースで流れたハイペースだった。これをダービーと同じ5番手追走から抜け出し快勝している。このようにキツいペースを先行してもラストの脚が衰えない。脚力の高さもさることながら、その心配機能は強靭だ。惜しむらくは序盤のダッシュが鈍いこと。発馬後に促して強制的にこのポジションを維持している時がある。もう少しすーっと楽に先行出来るようになれば一段上のパフォーマンスを発揮出来るだろう。ひと夏越した成長でそこが確認出来ると良いのだが。スタミナ面は言わずもながだが、ある程度のスピード能力も確認出来る強いステイヤーである。本番のみならず、来春辺りまで楽しめそうだ。本番を意識していれば叩き台であろうが不安材料はそれぐらい。

 

ジャスティンパレス(ダービー9着)

・立ち回りの馬い馬だが勝利したレースは少頭数な上、スローの上がりの競馬ばかりでレース内容は質感が薄い。

・タイトなコース設定より、広い大箱コースの方が向いている。ゆったり運べるコースが良い。

・持続性能が高いようには現状見えず、長く脚を使う必要のあるレースは厳しいだろう。

 

上記はダービー出走時のカルテ。

 

久々だった皐月賞はレースの流れに乗れていなかったが、ダービーではこの馬らしいレースセンスの高さを再び見る事が出来た。ポジションや立ちまりは悪くなく、不利もなく回って来れたので力を出し切ったダービー9着。それだけにプラダリアとの力差は明確になる。プラダを目の前にして運んでいたがこれを交わす事は出来なかった。ラスト300mで伸びが止まりそこからはジリジリ。距離適性の可能性もあるが、適性や性能的なものが原因だと考えられる。元々脚は長くないし、持続性の担保もほとんど無かった。長い直線で伸び負けているのはその証。ダービーの展開もこの馬には厳しかっただろう。神戸新聞杯の条件もダービーとあまり変わらないので、レースの流れに変化がないと逆転は難しいと言わざるを得ない。この程度の相手なら通用しても良いが、末脚の性質を踏まえると位置取りは改善した方が良い。中位ぐらいから脚比べをしてもこの馬以上の脚持ちは少なくない。レースセンスや立ち回りの上手さで対抗するようにしないと結果は安定しないのではなかろうか?もう少し前付けした方が良いと思う。

 

・ビーアストニッシド(ダービー10着)

・前進気勢が強く、気性的に乗り難しい。ハナに立ち闘志に火をつける事で力出し切る競馬で好走を続けた。粘り強い。

・マイペースで行っても2000mだとラストのラップは減速して伸びていない。距離はこの辺が限界っぽい。

スプリングSは道中に12.5秒のハロンタイムを3連発させていてコントロール性が高まっていた。暴走する感じはなくなりつつある。

 

上記はダービ出走時のカルテ。

 

気性的な理由で逃げていた馬だったが3歳になるとそう言う面がなくなってきている。ペースをコントロール出来るようになっていて自分のリズムで走れるようになってきた。そう言う競馬が出来た時の粘り強さには定評がある。が、トップクラスが集まるとこの馬並みの逃げ馬が多数現れるようになり、皐月賞では逃げれずにマモれて力を出せなかった。その点を踏まえたのかダービーは逃げへの拘りを捨てリズム重視で乗るようにと厩舎から指示が出ていた。絡まれることなく3番手追走の走りは悪くなかった。今なら番手でも折り合って進む事が出来るであろう。反面、ラストに脚を使える馬ではないので決め手勝負は分が悪い。頑張ってはいたがダービーではどんどん差されて10着。展開も厳しかったし、選択肢の無いこの馬には仕方のない結果。神戸新聞杯は春二冠ほど逃げ馬の数が多くないので主張すればイケる組み合わせ。自分のペースで行けばダービー程負ける事はないので前進可能と言う見立てで良いだろう。ただ、距離はやはり長い印象がある。この馬の気性、脚質、体力等を考慮すると一番良いのは1800mだと思う。ダービーから1F短くなるのは良いが2200mもドンと来いと言える距離ではない。最後の粘りに影響が出そうな感じはする。過去の発言からもそう思う。しかし、スプリングS以来の岩田康騎手に手綱が戻るので今回は魅力がある。クセの強い馬でこの鞍上が調教から競馬を教え込んできたという経緯がある。ビーアストの力を出し切ってくれるはずでこの点は面白い。

 

・アスクワイルドモア(ダービー12着)

・レースセンスがない。ズブいのでレースの流れに乗る事が出来ないでいつも遅れる。後方マイポジションな馬。

・機動力も無いのでマクる競馬も出来ない。失速率が高く前が止まる展開でないと差しは決まらない。

・速い脚がなく、未だ34秒台も記録出来ずにいる。35秒台で決まるレースでないと出番がない。上がりの速い流れで差を詰めることはなさそうだ。

 

当時の日本レコードで京都新聞杯を制した馬。だが、これは超ドはまりしたレース。速い上がりの無いこの馬にレース上がりが35.6秒もかかった流れはうってつけだった。基本ズブい馬でレースの流れに乗るにも苦労するタイプ。最後方付近がマイポジション。高速馬場で上がりの速い競馬だと出番はない。そんな馬がダービーで8番手を追走していた点は凄く良かった。京都新聞杯で超速い流れを体験したので馬がピリッとした感じだった。ダービーは初めて流れに乗ったレース運びが出来た。その点は評価してあげたい。しかし、同列にいたジャスティンパレス、セイウンハーデスらと比較すればラストに使った末脚には隔たりが大きい。35秒台の上がりなら使える馬なのでもう少し脚を使えても良かったはずが追ってもまるで伸びず36.2秒も要してしまった。ポジションを取れた事はとても意義のあることだが、その結果末脚の威力が無くなってしまったと言う事が言える。最後に脚が使えないなら以前の後方マイポジションに戻すしかなくなるだろう。そうなると重賞クラスでは今後も苦戦を続けることになる。展開の助けなくして好走はあり得ない。良馬場のレースを地力で勝ちに行ける性能はないだろう。ただ、体力のある馬なのでとにかく上がりがかかればかかる程よいタイプ。タフな展開に強い。例えば、超不良馬場だった昨年の神戸新聞杯だったら高い確度で馬券になれるだろう。悪天候はこの馬のパフォーマンスを上げる材料だ。そういう時には評価を上方修正する必要がある。

 

▲上記までがダービー出走馬。▼からは春に重賞競走に出走していた馬になります。

 

ヴェローナシチー【9/22更新】

・序盤の行きっぷりが悪く、促しても進まず。後方マイポジションな馬。

・レース中盤から動いて行くタイプで使っている脚は長く渋太い。地力で前を捕まえに動いていけるのでこの脚質でも2・3着を外さない。

・器用な馬で馬群の中をスイスイと進んで行ける。狭い所にもひるまずに突っ込める。立ち回りにロスが少ない。

 

上記が京都新聞杯出走時のカルテ。

 

京都新聞杯でアスクワイルドの2着だったが展開的にはこちらの方が全然強かった。いつも通りの後方追走。レース中間の1100mぐらいからエンジン点火。3~4角でマクり切り直線先頭で完全に抜け出す。地力で動いての競馬振りは圧倒的だった。ラチ沿いから抜けて来たアスクワイルドにラスト1Fぐらいで並びかけられ競り潰されてしまったが、負けて強しの2着。この次走の白百合Sも同じような競馬ぶり。後方3番手からラスト5Fで動き出す。直線では勝ち馬に並びかけるところまで来ていた。が、相手に上手く乗られた感じで逃げ切りを許してしまう。次走でラジオNIKKEI賞を勝つフェーングロッテンで相手も強かったということ。ただ、この馬の位置取りからだとこれが精一杯なのだと思う。どのレースでも同じだが、他馬よりもかなり早く動き出すのでゴール前で伸びが鈍ってしまう。その為、あと数完歩足りない感じになりがちだ。ポジショニングへの執着が無いので改善の余地が無い。今回もこのスタイルは変わらないだろう。脚の長さに関しては世代屈指なのに残念な馬だ。突き抜けまでのイメージは持てない。ただ、このスタイルの競馬を馬がよく理解しているので確実に動いてくれるはずだ。近2走はロスの大きい大外回しの競馬をしているが、ラチ沿いをすくい上げたあり、馬群を切り分けて進出する器用な脚もある。基本的にはどこからでも追い込める馬。また、スローでもハイでも流れに左右されない安定感もある。とにかくその末脚は必ず発動するので他頭数を捌ければ最後はそこそこ来ている事と思う。2・3着なら計算の立つ馬。なお、2000mだった前走の動きを見ると少々忙しく映った。距離延長はプラスだろう。

 

・サトノヘリオス【9/22更新】

・かつては前進気勢が強かったので行きたがる感じがあったが、気性の成長に伴い控える競馬が出来るようになってきた。

・脚が長くない感じで末脚勝負は出来れば避けたい。立ち回りで勝負できる1周条件は合っている。

・トップクラスとのガチンコ勝負では力不足だが、標準以上の能力はあるのでGⅠ後に人気を落とした際に妙味がある。

 

上記が皐月賞時のカルテ。

 

イクイノックス、サークルオブライフを抑えて新馬戦で1番人気だった馬。元々の期待は低くない。2歳時は前進気勢の強さが目立ったり、クビを上手く使えていなかったり粗削りな印象だったが3歳になりそう言う所は解消されている。今はレースの流れに合わせた競馬が出来るようになりコントロール性は高まっている。馬券漏れした2戦はともにGⅠ。トップクラスに伍する力を持ち合わせていないようだ。ホープフルSも、皐月賞も外々の追走で、最終コーナーも外に回す競馬で失速している。脚力が低いわけではないがGⅠ級を相手に外から圧倒出来るほどの脚はない。反面、エリカ賞スプリングSラジオNIKKEI賞は内枠を生かしてインから脚を溜める競馬で好走している。厩舎もこの点をこの馬の好走パターンと見込んでいて小回り1周コースが得意と考えている。よって、この馬にとって枠は非常に重要な要素だ。実際、好走している時は1~3枠が多い。多頭数になると4・5枠でもインに潜り込めない事があるので大丈夫とは言えない。とにかく内枠からロスなくソツなく乗ることで力を出せるのである。そう言う意味では直線の長い中京コースはこの馬には広すぎるかもしれない。脚は長くないので一脚ぐらいで勝負を決められる小回り・内回りの方が良いのは間違いない。長い直線をどう攻略するかがポイントになるだろう。2200mは初距離になるが問題ないと思う。1800m重賞で2度の3着があるがこの距離だと脚を使い切れていない。2000mぐらいが一番ピンとくるが、2200mなら1800mよりは良い条件だと思われる。

 

・ジュンブロッサム【9/23更新】

・上がりの競馬よりは持続力が問われる展開の方が向いている。2歳レコードを記録している馬でスピードを持続させる能力は高い。

・上がり3Fがいつも大体同じ。34秒後半ぐらいが限界であるようだ。そのため、決め手勝負よりも早めの競馬で脚を使い切る競馬が現状は向いている。

 

上記がアーリントンC出走時のカルテ。

 

中距離中心だったが初めてマイルを使ったアーリントンCが転機となった。テンが速いので置かれてしまい直線入り口でも最後方だった。しかし、上がり最速の脚を使って4着まで詰めて来る。この時に使った末脚がこれまでに使ったことのないものだった。それ以前に記録していた上がりは34.4~34.7秒の間に収まっていて使える脚はいつも同じだった。上がりの速さに限界があるのだろうと思っていたのだがアーリントンCで33.3秒の末脚を使う。これだけならたまたまだが、それ以降も常に速い上がりを記録するようになった。2走前には遂に32秒台まで上がりを高速化させた。アーリントンCを境に末脚の性能が変化したようだ。忙しい距離を使ったことでピリっとしたのかもしれない。これに伴い先行して粘り込むスタイルから控えて末脚を引き出すスタイルに変わっている。また、もともと瞬発力より持続性に優れていたので前走の様に持続力の問われるレースも難なく対応出来る。1:44.1は新潟1800mのコースレコード。かつての武器と新しく手に入れた新必殺技が上手くかみ合ってきた。別馬に進化したと言える。今の本馬なら様々なレースに対応出来るだろう。弱点が少なくなりつつある。なお、距離適性については分からないが控える競馬が板について来たので初距離でも対応は出来ると思われる。

 

・ボルドグフーシュ【9/23更新】

・スタートも良くないし、前進気勢も弱いので後方マイポジションな。気性的なステイヤーと言う感じ。

・直線入り口最後方と言う事がほとんど。地力で勝ちに行けるタイプでは無いのでハマり待ちの要素は強い。

・最後が甘くなっているので脚も長くない印象。

 

上記が京都新聞杯出走時のカルテ。

 

京都新聞杯の3着馬だがこの馬のキャラも1・2着馬と通じるところがある。本馬も序盤からかなりズブイ。これら3頭が上位に来るのだから京都新聞杯は相当なハマりレースだったということだろう。ただ、この馬のズブさは上記2頭より深刻で道中でポジションを押し上げる事も出来ない。ので、ほぼ直線だけの競馬になりがちである。京都新聞杯も、前走の一宮特別でも直線入り口は最後方。追い出してからの反応が遅いため3~4角でマクる事が出来ない。ペースアップした途端に流れに置かれてしまう。だから最後方のままな直線を向かえてしまうのだ。直線でもエンジンはなかなか点火しない。伸びて来るのは前が失速するラスト1Fぐらいから。速い脚を繰り出して差し切っている訳ではない。前が止まる展開にならないと着入りする事は難しい。せめてもう少し自分で動いて直線入り口で射程圏に入れてくれないとこの先の成績は安定しないのではないかと思う。とにかく展開の助けが必要だ。だから本質的には2200mでも忙しいと思う。より追走が楽になる菊花賞に出走するならその時にはもう少し良い評価が出来そうなのだが。

 

・レヴァンジル【9/23更新】

・中距離だと一瞬の脚に弱さが感じられた。持続性のあるレースの方が向いていた印象で、タフな展開が良いと思う。

・スタミナ的割合が高くなるレースが良いので長距離馬と言うことになるのだろう。

・距離を問わず負けている時は差されていることが多い。早めに先頭に立つ競馬よりは目標の馬をめがけて脚を引き出す乗り方がよそう。

・レースセンスは良いが脚力的には並みぐらい。

 

上記が青葉賞出走時のカルテ。

 

サンデーRとしてはダービーの権利を取れると期待していたが、管理している堀厩舎的にはそこまでの評価はされていなかったようだ。その青葉賞はこの馬の特性を生かした乗り方で非常に上手かったと思う。ペースは速かったのだが不利も無く力は出し切れた結果と見れる。地力の問われる展開で現状の力差が出たと見て良さそう。すぐ後ろにいた勝ち馬プラダリアとは直線で同じ様な位置から追い出されているが圧倒的に負けている。せめて2番手で進めた2着馬は交わしておかないと頂けない。1番人気の支持を受けていたがそれに見合う力は持っていなかったようだ。この馬と接戦を繰り返していたポッドボレットは京都新聞杯12着、青葉賞と同条件のジューンS10着とその後圧倒的に負けている。1月・2月の寒い時期に長距離戦で成績を安定させていたがこの頃は皐月賞を目指す時期で本当に強い馬は中距離戦を行くもの。長距離戦が空き巣状態であった時期でこの時に示したパフォーマンスは本当の能力差は反映しているとは言えないのだと思う。ダービーを目指すトライアルで強敵相手に普通に負けたというのが本当のところだろう。従順でレースセンスのある馬ではあるが夏の休養で地力が強化されている事が必要になる。

 

▲春の実績馬はここまで。▼はダービー以降の上がり馬になります。


・アイキャンドウイ【9/23更新】

 

とても良い子。いつも一生懸命走っている。スタートが上手いので枠に関わらず必ず先行出来ている。道中に不利も無くここまでの全戦で力は出し切れていると見て良い。未勝利を勝ち上がるまでに2着3着を繰り返しながら馬券率100%を維持して来た。ただ、直線で勝ち負けだった事はなく頑張って諦めずに走ったから2・3着を死守したと言う内容。努力は認めても地力を評価するには至らない。最終コーナーではいつも圏内にいるが良馬場だと勝負所で11秒台に加速するのでここで激しく手が動いてしまう。そして、この馬があがいている間に勝ち馬との差が致命的に開いてしまうのだ。直線では余力がなくなっていることが多いからそこから詰めれたことも無い。未勝利を3馬身差で勝てたのは福島の時計のかかるコンディションが味方してのも。他のレースで11秒台に加速している区間を12秒台で追走出来たのでこの馬の持続力でも何とかなったという感じ。勝負所のタイトな流れに抗しきれる力は持っていないということ。それを証明したのが昇級初戦の前走。高速馬場だった頃の小倉戦でラスト1000mから11秒台が連続した持続戦。この流れでいつも以上に負けてしまい、馬券からも初めて漏れた。この性能だと重賞で通用する目途を立てる事が出来ない。良い子なので気が引けるのだが、頑張りや努力でどうこうなるレベルに思えない。条件戦を相手次第で入着という成績を今後続けるのだと考えている。

 

・コントゥラット【9/23更新】

 

競馬になっていなかった新馬戦から間隔を取って変わり身を見せる。3着・1着と未勝利戦を2戦で勝ちあがった。その2戦がどちらも中京2200mの当該条件。走り慣れたコースの重賞チャレンジは不気味。発馬からポジションを取るまでの序盤の立ち回りは上手く、ラチ沿いの良い所を追走し脚も溜められていた。比較的に前の位置から2戦連続で最速上がりを記録している。ペースから判断しても末脚の質感は悪くない。狭いところを突けたり、体当たりされても怯まないなどハートの強さも感じる。順調に使われていればも上のクラスにいれた馬だと思う。ただ、キャリア3戦、未勝利を勝ったばかり、半年ぶりの1戦と不安材料の方が目立つので。春のトライアルならまだしも、秋のトライアルだとさすがに推しきれない。素質はあるみたいなので印の都合がつけば押さえても良いと思う。

 

・サンセットクラウド【9/24更新】

 

9戦目の前走で勝ちあがった。全体的に持ち時計がなく、好時計での好走が無い。スピード的素養が弱いようだ。中距離で勝ちあがれずに距離を伸ばしたところ、2400m2着、2600mで1着と長距離で成績を安定させている。スタミナで勝負するステイヤーと言う事になるのだと思う。ただ、得意なだけで長距離2戦の内容も見るべき所は無い。2戦ともペースの割に失速率が大きい展開でそれを根性で頑張ったという感じ。地力を示して強かったという印象は持てなかった。一応、全戦のレースを確認したがこれと言った強味も無く、脚質もその時々で違う。結局距離以外の好走ゾーンが分からない。人気は常にあった馬だがそんな走りをしているようには見えなかった。有力馬の多くがコケれば無いとは言えないが、地力だけで権利を獲れる馬ではないだろう。

 

・パラレルヴィジョン【9/24更新】

 

中山2000mでデビュー勝ち。1000mを59.1秒で通過しているハイペース。先行馬は総崩れで差し、追い込みが直線で殺到した。こういうレースのラスト3Fは失速率の大きい消耗戦になるものだが加速ラップが記録されている。本馬がラスト1Fで突き抜けたことでラップが落ち込まずに優秀なラップ構成が記録されたのだ。レース内容を自ら引き上げたものでレベルは高い。また、ハイペをいち早く動き出しているのでゴール前で差されてもいいような運びだったが逆に突き放している。中身も非常に濃い。しかも、これは新馬戦ではなく、既走馬相手の未勝利戦なのだから驚く。1頭だけ別次元だった。2ケ月空けて府中2000mの1勝クラスを使うが、これもハイペースのレース。春の府中開催終盤の時期に33.8-58.0のペースは超速い。マイル戦並みの猛ラップ。これだけ前傾していれば普通は上がりがかかる展開になるものだがこの馬は33.5秒の高速上がりを記録して直線最後方から差し切った。末脚のスケールが桁違いである。3馬身差の圧勝でこのクラスも簡単に突破してしまう。ここまでの2戦はともにタフな展開だったがこの馬だけスローペースを走っているような感じがする。走りのリズムや心肺機能が並みの馬と格段に違うのであろう。脚力も相当高く見積もる事が出来る。それでも、見た感じまだ動ききれていないようにも思われ仕上げ途上な印象も受ける。まだまだ上がありそうで上積みも大きそう。既に重賞の評価もされていて、3歳同士の重賞なら通用して不思議ない。

 

・ミスターホワイト【9/24更新】

・全戦で共通しているのはスロー競馬を先行して後続を引き離すスタイル。各戦のパフォーマンスはいいので軽視はしづらい。

・勝った時は圧勝しており、負けた時もそれ以下にはかなりの着差をつけている。この馬に先着した馬はそれなりに強い。

・馬群の中でテンパるとこがる。モマれ弱そうな印象を受ける。

・芝の良馬場の経験がまだ無いのでスピードが全面に出た時に対応出来るかが鍵。

 

上記が青葉賞出走時のカルテ。

 

ダートで勝ちあがれず、芝の稍重で初勝利した馬。良馬場のレースでは京都新聞杯11着、国東特別4着と破れている。この2戦は高速馬場であったのでレコード決着だった点で共通している。そんなハイペースのレースを2・3番手で先行して直線入り口では押し上げている。結果は出ていないがこの2走の走りから芝はこなしていると見るべきだと思う。確かにスピードを最後まで持続させる力は劣っているように見えるが、マイルドな展開だったらもう少し走れるかもしれない。当然、道悪になるならもっとやれて良いだろう。ちなみに負け過ぎな印象の強い京都新聞杯だがこれはマモれ弱いこの馬の特徴が出てのも。直線で被され、進路が狭くなったところで競馬を止めている。この敗戦は多めに見てあげた方が良い。ただ、距離は少し長い印象も受ける。条件的にはオーバースペックの感じがしないでもない。今回は馬場が悪くなった時に検討するぐらいで良いのではないか?戦績ほど悪い印象は受けない。

 

・メイショウラナキラ【9/24更新】

・ここまで結構強い馬と走っていながら4着以下が無く成績は安定している。

・ヨーイドンの追い比べになるとジワジワになってしまうのでラストの脚には見どころがない。

・行きたがる素振りが随所に出るので乗り方が難しそうなタイプ。

・逃げ切り勝ち(1勝クラス)した内容は良く、60.6秒のペースからレースを後傾させて4馬身差の内容は良い。

 

上記が京都新聞杯出走時のカルテ。

 

行きたがる気性難。控えても味が無い末脚。この2点を快勝するために逃げ馬となり2勝目を上げた。しかし、マイル戦でも速いだろうというペースだった京都新聞杯は度が過ぎていた。バテるのも早く鞍上のアクションは3コーナー過ぎからほとんどなかった。馬の評価以前の問題で呆れた。これ以後、2ケ月空けてこの夏に札幌で3戦している。この中間で馬の成長がかなりあったように思う。復帰戦は+20kで馬体が大きくなっていた。また、2・3番手で折り合えるようになっていて気性の改善も見れた。前走こそ逃げたがこれは行く馬がいなかったのでコーナワークでハナに立ってしまっただけ。主張していた訳ではないし、ペースを上手くコントロール出来ていたので印象は良い。もう逃げにこだわることはないと思われる。ただ、気性が安定していたのは滞在効果かもしれない。輸送のある競馬でどんな立ち振る舞いになるかは今一度確認したいと思う。また、決め脚の無さは相変わらずなので脚のある馬に差されてしまうのはかつてのまま。直ぐに勝ちあがれるような目途は立っていないように感じる。近走は早めの競馬で脚を使い切っている事からもこれ以上の立ち回りは難しいだろう。2勝クラスでこれなのでGⅡ戦で強く推せる材料はない。有力馬が2・3頭ヘグらないと着も難しいだろう。距離が伸びて良いという走りもしていない。今は菊花賞を諦めずにいるのかもしれないが菊後に長距離戦に出走している馬ではないだろう。

 

・ヤマニンゼスト【9/24更新】

 

ハロンタイムが11秒台になるといろいろと厳しい。スタート後の2F目は大体11秒台になるものだがこの馬にはこれも厳しいようでほとんどのレースで二の脚がない。その為、ポジションは後方がちになる。勝負所でもこれは同じでラスト3F区間では激しく手が動いてしまう。この馬のポジションからだと1周条件でマクる必要があるのだが11秒台が連続する流れではそれが出来ない。札幌1800mを2走前に勝っているがこの時はラストが12秒台で推移したことで何とかなった。が、同じ条件の前走は11秒台に突入したためそれが出来なかった。マクる必要のない直線の長いコースやワンターンの方がこの馬の末脚を上手く引き出せるだろう。勝ち鞍があるように中京コースは悪くない。ただ、結局は速い脚が使えないので重賞だと前との差を詰め切れないまま終わる公算が高い。出来るだけ上がりはかかった方が望ましい。また、近走は今年デビューした鷲頭騎手が連続騎乗していたが減量特典を生かして好走していたのは否めない。今回はルーキーからレジェンドに乗り替わる。それでパフォーマンスは上がるのかもしれないが、それに応える能力をこの馬が備えているとは思えない。強烈なストロングポイントがある訳でもなく、上位の末脚も使えているが常識的な範疇。大勢を逆転できるような末脚はここまで見せていない。地力で動く事は出来ないだろうから苦戦必至ではなかろうか?

 

・リカンカブール【9/24更新】

・未勝利勝ちの内容が良い。捌きの問題で前と差が開いてしまったが最後の1Fだけで前残りの展開を逆転した。脚力は相当高い。

・レースセンス良し、操縦性良し。とにかく立ち回りが上手い。

・2戦のキャリアなので能力比較は難しいが評価低くする必要は感じない。

 

上記が京都新聞杯出走時のカルテ。

 

追い込み競馬となった京都新聞杯を4角3番手の競馬から4着。展開に逆行した走りでとても最低人気の馬とは思えない。未勝利勝ちも先行有利な展開を中段待機から差し切っていた。この馬にはそう言う強さがある。末脚の高そうな所は見せていたのでもともとの脚力も高い。京都新聞杯のペースを先行してもある程度の末脚を使えていたのはその為だろう。持続性の強いこの末脚は前走の足立山特別(小倉2000m)でより際立っていた。開催時期からすれば走破時計1:57.6はかなり優秀な好時計。1週前の小倉記念より0.2秒遅かっただけである。こういう時計がでるのだがから前半からハイペース。1000m通過57.5秒で強烈な前傾ラップ。ラストは消耗戦となるところ。しかし、ラスト3Fは11.9-12.2-11.7とラスト1Fで再加速している。これは先行馬がラスト2F目で止まったところを先頭に立ったこの馬が最後のラップを吊り上げてしまったからである。本当なら消耗戦になるところを上がりの競馬に変えてしまったのだから恐れ入ります。この馬の走りがレースレベルを高めてしまった。こういう馬は間違いなく強い。これだけタイトなペースでも末脚の威力が落ちないのだから先行馬としてかなり強力である。このことからも京都新聞杯4着がフロックではなかったと言える。なお、ハイペでばかり強いが、それ以前の走りではスローでも折り合えていたし気性的な危うさは感じない。スタートしてからの立ち回りも上手く、騎手の思うように動ける賢い馬と言う印象。出世が遅れたので戦績は地味に映るが夏の上がり馬とはこういうもの。通用しそうな感じはする。

 

予想の様なもの

 

こんにちは。

 

まず、予想に必要そうな要素を箇条書きで整理したいと思います。

 

①馬場が堅い

 

今朝の中京競馬場のクッション値は9.7。馬場は良い状況です。9.5だった土曜の競馬ですが、力差の大きい2歳戦では外から差して入着してくる馬もいましたが力が拮抗している3歳以上の番組ではイッタイッタの先行組が上位を独占しています。天気よいので馬場はレースまでにさらに硬化されると思います。土曜以上に前を行く馬、インを行く馬が有利になると考えられます。

 

京都新聞杯の再現

 

同条件だった京都新聞杯に出走していた馬が多く再戦構図になっています。この時の1~3着馬のキャラを確認すれば一目瞭然ですが超追込み競馬となりました。逃げたメイショウラナキアがアホみたいなペースで飛ばしたので上がりのかかる展開となったからです。実は京都新聞杯も開幕週の開幕日だったので馬場状況が本日と同じような状況下で行われていたのです。それを意識したラナキアが飛ばした結果があのような暴走ラップを生み、馬場状況とは真逆の結果を招く事となりました。このラナキアが今回も参戦していますのでこの馬が同じようなペースで行けば京都新聞杯の結果が再現される可能性はありそうです。

 

③ラナキアの変化

 

しかし、そのラナキアの近走は折り合い重視のレースをしていますので、現在の本馬が京都新聞杯の轍を踏むとは思えません。また、管理する南井調教師は来年定年を迎えます。クラシックに出走出来るチャンスはもう菊花賞しかありません。それを適えるためにラナキアは厩舎の期待を背負って夏から使われています。出来れば権利を取りたいと考えています。こういう目論見がある馬です。京都新聞杯の様なペースで行けば勝負にならないことを陣営も良く理解しているでしょう。そんなことをすれば権利どころの話ではなくなります。京都新聞杯のようなハイペはちょっと考えられません。


以上の①②③から今年の神戸新聞杯は常識的な程よいペースで展開されるでしょう。かつ、馬場は時計が出るコンディションですから一定のスピードが維持されそれが最後まで持続されると思います。馬場の恩恵もあるのでこれに適した「先行して強い馬」「インを行ける差し馬」を中心に馬券を組むことにします。

 

◎は朝の時点で10番人気の①リカンカブール。枠、馬場、脚質の観点から自然とこの馬に食指が動いてしまいました。上記カルテでも触れているように展開に逆行出来る強さを兼ね備えていて、どんな展開になっても力を発揮する事が出来ます。時計勝負も強いと思われ、持続性に秀でた優秀な馬だと考えています。強かった前走も仕上げは不十分な状況で上積みはかなり大きいのだとか。だから、厩舎側も差があるとは考えていません。

 

○に⑪パラレルヴィジョン。権利獲っても菊花賞に行く気があるのか微妙なのですがルメール騎手はそうしたいと考えているようです。キャリア不足は否めませんが、たった2戦のパフォーマンスは有力馬と互角以上だと思います。位置取りは考えて欲しいところですが、タイトな展開からでも速い上がりが使えた馬なので今日の様な馬場も合っていると思います。

 

▲に⑤ヴェローナシチー。本命のつもりでしたが馬場状況から追込み系のこの馬の評価を下げることにしました。ただ、この馬は機動力に優れた馬で馬群の中をスルスルと縫い分けて差を詰める事が出来ます。赤枠を引いていますの外枠の同型よりはチャンスがあると思います。

 

△で②ボルドグフーシュ③ビーアストニッシド⑨サトノヘリオス⑩レヴァンジル⑭プラダリアまでが圏内と考えます。

 

強さは認めてもプラダの今回は如何にも叩き台と言う感じ。枠も外目になったので押さえまでとします。②ボルドの人気は理解しがたいのですがいつもの様に大外回しの競馬だと来ないと思います。でも、1枠2番を生かしてラチ沿いからのイン突きが出来れば入着出来ても良いと考えます。フルゲートに近い頭数なのでインが開く可能性は高いと考えています。

 

買い方は◎リカンの単複2点。そして、各印へワイドを7点。馬連は◎〇▲を箱で3点のみ。三連複は◎〇-◎〇▲-◎〇▲△の16点。合計で26点。

 

先週のローズSセントライト記念が完璧的中だったので気持ちの面で余裕があります。だから今週は大冒険する事にしました。

 

 

そして、裏にオールカマーがありますから今日はおまけの予想があります。

 

オールカマーは同距離エリザベス女王杯のステップレース的な色合いが強まっています。昨年はだから牝馬がいいですよと話したところその通りになり見事的中しましたね。

 

その時にも推した③ウィンキートスが今年は7番人気で昨年より美味しい。インの好枠も引いています。今年もこれでも良いのですがさらにインに入っている②ジェラルディーナを狙いたいと思います。近走で勝ちきれなかったのは鞍上の消極的な騎乗のせいみたいな感じになっているようで、積極的に乗れる横山武騎手への乗り替わりは鞍上強化なのだとか。これに54kで出走出来る三冠牝馬⑧デアリングタクトを加えた牝馬3頭で行きたいと思います。

 

頭まで狙うのはちょっと怖いので⑤ディーナの複勝を本線とします。③⑤⑧の馬連、ワイドを箱で3点×2で6点と3連複1点で。

 

牡馬にも良さげ馬が多いので簡単に牝馬同士で決まらないと思うのですが、こちらは全てを精査している訳ではないので。あまり突っ込まない方が良いと思ってこれだけにしときます。