競走馬カルテ

2・3歳重賞の出走馬を分析・記録していくブログです。

セントライト記念(GⅡ) 出走馬カルテ

 

こんにちは。

 

関東の菊花賞トライアルです。いざ菊花賞となると神戸新聞杯組には劣勢なのが現状ですが、昨年はタイトルホルダーがセントライト記念組経由で菊花賞を優勝しました。15年にもキタサンブラックセントライト記念組として本番を制しています。レースのイメージからちょっと地味なのですが、このように時々現役最強馬が出て来るのがこのレースであったりもします。あまりナメない方がいいですね。

 

さて、目立ったローテションとしてはやはり日本ダービーです。【6・5・4・20】と複勝率42.9%でこの組が主流になります。昨年はタイトホルダーを含めてダービー組は全滅でしたが今年もこの組の取捨から入りたいと思います。続くのが、現在2連勝中のラジオNIKKEI賞組でしょうか?【2・1・1・10】で複勝率28.6%となっています。馬券になった4例中の2例が勝ち馬でしたが、残りの2例は6着馬、12着馬が巻き返しています。着順は関係ないみたいです。

 

中山の外回りコースはお結び型のコースとして有名ですが、これを1周回る条件はこの2200mだけです。3コーナーがあるのかないのかあいまいなので三角形みたいになっています。三角形の頂点から最終コーナーまでが緩いカーブになっているので後方からでも勢いをつけやすくなっています。先行は普通に有利ですが、後方待機からでも勢いをつけやすいのでマクリも決まりやすいですから注意が必要です。

 

セントライト記念は19日(月)です。前日の18日(日)までに更新を完了します。

 

 

・アスクビクターモア(ダービー3着)

・コーナーで上手く加速が出来るので持ったままで直線に向いて来れる。それを可能にする先行力も機動力も高いので1周コースの条件は最適。

・直線の長い府中だと差されるが、直線の短い中山だと立ち回りの上手さで誤魔化せる。直線の長さが問題なだけで左回りに不安はない。

・レース条件が上がるにつれ上位上がりが記録出来なくなっている。末脚勝負は分が悪い。ラストの上がりにも限界がありそうで速くても34秒台がせいぜい。

・力んで走るタイプのようなので距離が延長されるとどうか?

 

ダービーの立ち回りは驚異的である。レースレコードが更新されたこのレースは超ハイペース。1000m毎の通過タイムは58.9秒-58.3秒。最初の58.9秒も十分速いが次の1000mでさらに加速している。逃げたデシエルトが作り出したペースはかなりしんどい。2~3馬身程度の差を維持して2番手を行っていたこの馬の負荷も相当に大きかったはず。この流れで3着に残せたのだから地力の高さを認めざるを得ない。そもそもこのレースは先行総崩れのレースである。本馬を除けば8着オニャンコポンまでの全てが10番手以降を追走していた後方待機組。あからさまな追い込み競馬だった。2番手を行っていた馬が馬券になって良いレースではない。驚くべき持続性能であり、スピード&スタミナの両面兼備の実力馬。立ち回りの上手さで勝負して来た戦績なので、ここまでの能力の高さは見込めなかった。評価を大幅に上方修正しなくてはいけない。元々府中より中山と言うキャラクター。器用さ、機動力で勝負できる馬なのでセントライト記念はこの馬の好走ゾーン。能力面、適性面で他馬を上回る。叩き台で完調手前であろうが有力馬として扱うしかない。なお、春期に田辺騎手が懸念していた事があり、それは真面目過ぎて常に全力疾走で走ってしまう事だった。その辺の気性がもう少し改善されるとさらに強くなって来る。精神面の成長も確認しておきたい。その田辺騎手はセントライト記念2勝、オールカマー1勝、AJC杯2勝。お結び型の中山2200mのツボは十分わきまえている。

 

・オニャンコポン(ダービー8着)

・重厚なレースよりは軽い流れで脚をためる方が好走出来ている。使える脚は短い。

・2歳時は先行馬だったが、3歳から待機策の競馬に変化している。結果、持続戦でも脚が使えるようになってきた。

ホープフルSではタイトな展開に対応出来なかったが、後傾持続戦だった皐月賞の展開で脚を伸ばせた点は成長の証。2歳時よりも馬は強くなっている。

 

6着だった皐月賞では皐月賞馬ジオグリフと同じ上がりを使っていた。ダービーではそのジオと11番手でずっと横並びでレースをしていた。それで使えた末脚はジオが34.9秒、ポンが35.0秒。末脚の性能はやはり同じようなものになる。上がりタイムの0.1秒分だけ負けたので着差ハナで結果にも差がない。GⅠ2走を比較分析すると、何気に皐月賞馬と互角のような気になってくる。しかし、実態はどうであろうか?ポンの皐月賞接触の不利がありそれが無ければもう少し上の着もっただろうと思われる。また、ダービーでも不利があり、今度は進路がなく追い出しが遅れてしまった。インから差していこうとしたが前が開かず、外へ外へと切り替えている。大外強襲でドウデュースは勝ったが、ポンの進路は結局ドウと同じコースまで進路変更しなければなかった。インをそのままスムーズに突けていたら上がりはより速いものを記録出来ていたし、ジオに負ける事もなかっただろう。春二冠は不利があっての結果でジオをポンより上位としきれない。実は、皐月賞馬とは互角以上なのかもしれない。ダービー4着までとは力差が大きいが、そこから3馬身差だった5着とは際どかっただろう。不利が無ければ掲示板に載れていた馬だと思われる。持続力より瞬発力の方に優れている馬だと見込んで少々馬鹿にしていたが、皐月・ダービーとレベルの高い持続戦で好走していることから能力評価を見直す必要がある。ここに入っても上位の扱いが良さそうだ。

 

・セイウンハーデス(ダービー11着)

・位置的アドヴァンテージを行かして直線早め先頭から粘り込むのが馬券パターン。それだけにスタートから先行するセンスは高い。

・11秒台に加速すると激しく手が動くタイプで、スピードの持続性能はかなり弱い。強制的にスピードを上げる必要がある。なので、勝負所で置かれてしまう事も度々。

・道悪でも走りの質は落ちないので、ラップが高速化しない道悪はこの馬には都合が良い。

 

ダービーは勝ち馬ドウデュースから遅れること2.0秒。11着だった。1枠から好発進して5・6番手のラチ沿い。序盤の立ち回りは相変わらず上手い。1000m通過ぐらいまでは何とか食らいついていたが、そこからさらにレースは速くなったので段々と怪しくなってくる。向こう正面では手が動き始め、欅の向こうではかなり押し込んでポジションをキープしようと一杯々々で追走していた。直線に入る前には鞭はもう抜かれている。そして、ラスト2F標を位過ぎた頃にゲームセット。このペースを先行すれば普通はこうなる(やはりアスクビクターモアの走りは異常なのである)。本馬は勝負所に入る前から燃料切れの兆候が現れていて先行馬の中ではいち早く脱落した。それらと比べると地力の無さが目立つ。これまでも速いラップが刻まれるところで手が動いていたので、持続性に弱いところはもともとあった。こういう展開はこの馬の適性外のものである。低条件なら良いが出走馬のレベルが上がるとこういう事は度々起こるはず。重賞競走では評価を高くできない。ただ、相手は大幅に弱まるので展開次第では再浮上の余地はまだ考えなければならない。先行力や立ち回りで勝負できる中山替わりもプラスに出る。高速ラップが出現しない道悪になるならさらに良い。強く推奨できる馬ではないが、プリンシパルS1着、毎日杯4着の実績からも条件が整った時には再考を。標準的な競馬センスは持っているので。

 

▲上記3頭がダービー出走馬。下記はラジオNIKKEI賞出走馬になります▼

 

・ショウナンマグマ(ラジNIK2着)【9/16更新】

 

気難しい馬で問題児。だからポカが目立つ。とにかく馬群の中で我慢が出来ない。きさらぎ賞の11着、プリンシパルSの11着の敗因はこういう理由。きさらぎ賞では外に逃避して1頭だけ外ラチ沿いを走っている。この時に主催者から平地競走注意の警告が出ている。プリンシパルSでは騎手に抗いまともに操縦出来ず、3コーナーからズルズル下がって終了。この2Rはいずれも内枠だったことも幸いした。モマれるとこうなる。2勝目を上げた3月の中山1800m戦も4番枠だったのだがこの時はスタートから気合をつけて逃げることで包まれるのを回避した。結果、自分のリズムで走ることに成功して折り合いもスムーズ。緩急をつけたペースでレースを支配していた。直線では後続を千切り8馬身差の圧勝。力を出し切れれば来れぐらいに強い。これを再現したのラジオNIKKEI賞。真ん中の枠だったがこの時も主張してハナへ。かなり押し込んで強引に先頭に立っていた。こうなったら本当に強いので58.8秒のハイペースで行って2着に残してしまう。53kで軽量の恩恵はあったが、重賞好走馬がゴロゴロいた中での結果だけに評価して良い。このように自分のリズムで競馬が出来た時は要注意である。なお、「自分のリズムで」「モマれない」事が絶対条件なので外枠からなら逃げなくても競馬は出来ている。重要なのはまずは枠。内目に入ったら死に物狂いでいく事になるだろう。ボーンディスウェイと0.1秒差の競馬をしたこともあり、トライアルなら力量は足りている。ただ、基本的に前進気勢が強いので力む分だけ距離延長は不安材料となる。好走歴も1800mまでなので2200mは課題となりそうだ。

 

・ボーンディスウェイ(ラジNIK6着)【9/17更新】

・レース後半に使える脚は短い。追い比べになると分が悪いだろう。有利な位置から早めの競馬で。

・2歳:勝負所で少々ズブい→3歳:機敏に動けるようになってきた。

・タイトな展開で我慢比べの競馬をすると結構イケる。心配機能は高い。

 

上記が皐月賞出走時のカルテ。

 

皐月賞の後、使えるレースはいろいろあって考えたそうだがラジオIKKEI賞を目標に休養を挟むことにした。それだけに前走の仕上げは良く、勝ちを意識して準備されていた。このラジオNIKKEI賞でデビュー以来初めて1番人気の支持を受ける。が、チグハグなレース運びで6着に破れてしまった。敗因は騎手の下手乗りだと思う。やはり序盤で先行ポジションをキープ出来なかったのが痛い。先行集団の後ろ6番手を追走していたが、差し競馬になってしまったのは良くなかった。また、この位置ぐらいの待機策ならダメな馬ではないのだが、さすがに4コーナーの大外周りは厳しいだろう。あっさりマクりきれていればそれでも良いのだが、ラストの脚は弱いのでそう言う事は重賞だとなかなか難しい。コーナリングで大きなロスを背負ってしまったので、先行していた馬やインをソツなく回った勝ち馬との差は直線で一気に開いてしまった。その差を逆転出来るような脚は持っていない。ジワジワ伸びるに留まってしまった。前走の流れでインに潜り込む事は確かに難しかったけど、そう言う運びをせざるを得なかった点で騎手の責任は重い。失速せずに直線も伸びてはいたからロス無い競馬が出来ていればもっとやれていたはずである。能力落ちの様な感じは出ていなかったので、これは見直した方が良いだろう。アスクビクターとの力差は大きそうだが、その他に引け目を感じる必要性は感じない。弥生賞DI記念ではそのアスクビクターと0.1秒差の3着だったのだからこの馬を2番手評価する解釈もありだと思う。上手く立ち回れればまだ怖い馬。

 

ベジャール(ラジNIK12着)【9/17更新】

・仕上げ途上で使った新馬戦から間隔を空けたことで、馬は一気によくなった。

・騎手の指示には従順で思うように動いてくれる。

・気性的な問題はなく、折り合って進める事が出来る。結果、脚を溜める事が出来るので、末脚はしっかりとしている。ただ、少々キレ味不足の印象も。

 

ブービー人気だった毎日杯。2着の結果をフロックだとは言わないが、道悪で力を出し切れなかった人気馬がいた結果でもあって、地力の高さを証明したとはいえなかったはず。ラジオNIKKEI賞はこの成績が反映されたトップハンデ。ちょっとかわいそうだった。馬はまだ完成途上で「腰が緩い」と厩舎では成長待ちの段階。この状態で56kは背負わされ過ぎだったと思う。また、この斤量でショウナンマグマのハイペースに付き合ってしまった。3番手追走ではかなりしんどかっただろう。勝負所の手応えには差があったし、最終コーナーを回る際にモマれて番手を下げてしまった。そこから挽回する事は出来ずに終了。見た感じ小回りコースも忙しかった印象を残した。なお、12着は負け過ぎだが直線は流して競馬をしていないので、着のイメージは鵜呑みにしない方が良い。本来は賢い馬で立ち回りは上手い。先行してもそこそこ頑張れるが、控えて脚を温存すれば最後はしっかりとした末脚を発揮出来る。強力にプッシュするほどの力量はまだ確認出来ていないのだが、トップクラス不在のレースなら他と大きな差は無いように思う。未勝利勝ちが府中で、毎日杯は外回り。良績は大箱コースに週中している。コーナーの緩い中山外回りなら見直す価値はあるのでは?

 

▲ここまでがラジオNIKKEI賞出走馬。下記はそれ以外になります▼

 

・ガイアフォース【9/17更新】

 

ここまで4戦して【2・2・0・0】。2歳9月の新馬戦2着後に半年の休養を挟んでいるのでクラシックには乗れなかった。負けた2戦の相手はダービー馬とローズS出走のセントカメリア。弱い相手に負けた訳ではない。未勝利勝ちが4馬身差、前走の国東特別が7馬身差と勝つときは圧勝ばかり。脚質は先行で2・3番手ぐらいを折り合い良く進めて安定感ある走り。ここまで最速上がりが2度、2位上がりが2度と常に上位の末脚を繰り出している。前付けして上位上がりを記録出来るのだから文句の付けようがない。こういう馬は3歳同士の重賞なら確実に通用する。なお、前走は1:56.8の驚異的なレコードタイム。ただ、これは例の小倉の開幕週。異常な高速馬場での記録は鵜呑みには出来ない。しかし、前半58.0秒のハイペースで行きながら後半にほぼ失速せずに走り切れたこの馬の持続性能は凄く高い。この能力は認めておくべきだ。こんなパフォーマンスをされたら7馬身も離されて当然である。春の実績馬が相手になるので未知数な面はあるが、普通に侮れない。

 

・キングズパレス【9/18】

 

全戦で後方待機。2走前までは常に10番手以降で競馬を進めて最後方と言うレースも。前走の通過順も6・7番手になっているが8頭立てのレースなので後方2番手からの競馬でいつも通り。だから、差して届かず良く負けた。2000mぐらいまでだとスピードのある馬に先に抜け出されてしまう。スピード負けの可能性が低まる2200mと2400mで勝利しているのは納得。前進気勢が弱いようでゲートを出てから出たなりでポジションが下がる。ポジショニングへの執着がまるでない。その分ラストの脚には破壊力がある。ラスト5Fぐらいから動き出すこともあるので脚も長い。前走(府中2400m)は6.2秒も後傾した超スロー戦で前にいた馬が圧倒的に有利なレースだったが、これを直線入り口後方2番手から差し切った。上がりの競馬で他の馬の末脚も速くこの馬の差し脚でも突き抜けるまでは出来なかったがそれでも普通は届かない競馬を良く差した。中山戦でも好走歴はあり、当該条件には勝ち鞍もある。相手は格段に強化されるのでこのメンバー相手に届くかどうは何とも言えないが、最後は必ず伸びるので際どい所までは来てくれると思っている。

 

・サイモンバロン【9/18更新】

 

新馬戦を除く他6戦は上がり最速か2位上がり。それでも簡単に勝てなかったのは、位置取りや展開が噛み合っていないから。差して届かないシーンが多い。スタートは悪く、ダッシュも良くないのでレースの流れに乗れないため後方からの競馬になりやすい。最終コーナーまでに射程圏まで押し上げてくる事もしないので直線勝負競馬ばかりしている。使える脚がそう長くはないのでマクって動くような事ができないのだと思われる。だから直線の長い新潟や府中でばかりで走っているのだろう。昇級戦だった前走の1勝クラスも2着とはいえ勝ち馬は3馬身差とはるか前にいた。結局、脚が持続しないから最後まで詰め切れない。ラストの2F程度で全てを飲み込めるような末脚ではないだろう。この馬の脚力するともう少し展開に即したポジションや流れに乗って競馬をしないとクラスが上がるにつれ厳しくなる。ここは3ケ月振りになるので大幅な成長で脚力UPみたいな事でもあれば話は変わるが、そうでもなければあまり期待できない。

 

マテンロウスカイ【9/18更新】

 

2歳の新馬戦(8/29)を5馬身差で圧勝。その後の活躍が期待されたが2勝目(8/21)を上げるのにまるまる1年かかってしまった。その間に5戦したが3着以下を記録した事はない。初の重賞チャレンジになるが、重賞で人気になった馬や好走した馬と互角以上に走っていたので通用しても全然不思議ではない。先行、中団、後方、マクリなど脚質自在でついに前走は逃げ切り勝ちをした。ポジションに拘りがなく、出たなりのその時々でレースの流れに乗っている。この自在性は素晴らしい。こうれだけ自由に動ける馬なので折り合い等に問題はなく、騎手の指示通りに動く。変幻自在の鞍上と手が合っているだろう。ただ、差し切れずに僅差で負けている事も多いのでそれは騎手のせいだと思う。勝てなかったというよりは、横山典騎手が勝たせてやれなかったという表現がちょうど良いだろう。馬は悪くない。追い出しのサインには機敏に反応するし、終いをちゃんと伸ばして来れる。上がりも常に3位以内。とにかく素直で真面目に走る。初距離、初コースになるが器用な馬だからそれがハードルになるとは思えない。大きく崩れるシーンは想定しづらい。不安があるとしたら状態面か?もう勝たないと秋がマズいと言うことで前走で勝ちに行っていた。しかも、5・6・7・8の月イチ出走で既に使い込まれている。関東初見参なので輸送もあるし、前走以上の状態が整うかは微妙な感じがしないでもない。

 

・ラーグルフ【9/18更新】

・立ち回りが上手く器用な競馬が出来るので、ソツなくロスなく運んだほうが差し脚を有効的に使う事が出来る。

・未勝利勝ちがスロペで上がり最速の差し切り、1勝クラス勝ちがハイペで上がり最速の差し切り。両極端のペースで最速上がりを記録した点は評価が高い。どんな流れでも末脚をしっかりと引き出せる馬。

・他馬を地力の高さでねじ伏せている感じはまだないが、追い比べに持ち込めたらそう劣らないだろう。

 

上記が皐月賞出走時のカルテ。

 

2歳GⅠホープフルSの3着馬。これと同条件だった弥生賞DI記念と皐月賞では良い所が無く力差を感じさせた。内々をロス無く立ち回って脚を温存出来たのがホープフルSの好走理由で、春の2走はそう言う立ち回りが出来なかった事が直接的な敗因である。もともと標準級の良い馬ぐらいが妥当な評価でトップクラス相手に外をまわして差せる程の脚力はない。皐月賞後に休養に入り8月初旬の月岡特別を快勝するのだが、ホープフルSの時のように2番枠からラチ沿いをソツなく乗って差し切り勝ちを演じた。正直この時の相手ならもう少し外を回しても横綱相撲の競馬で勝ちきれたと思うが、この馬らしさを再確認出来るよいレース振りだった。それに末脚の性能は春より良くなっているように感じた。上がり33.7秒とメンバー中1頭だけ飛び抜けた末脚を使っている。遥か後方をポツンしていた6着馬が33秒台を記録しているが、レースの流れに乗っていた馬に33秒台の末脚を使えた馬はいない。2勝クラスで力上位の脚を見せているのは評価を高く出来る。この月岡特別は叩き台の目的で使った復帰戦で仕上げて使った訳ではない。今回は使っている強味を加味することが出来る。地力強化も確認出来ているので休み明けの皐月賞組になら逆襲出来るかもしれない。

 

・ロンギングエーオ【9/18更新】

・初めて馬券圏内に走ったのは2400m戦で、中距離では先行しても控えても良い脚を使えない。末脚に魅力が無い。

・スタミナタイプでジワジワと止まらないが、スピードや加速力がないので置かれてしまう。高速馬場の良馬場では11秒台の持続ラップに対応出来ないだろう。

 

上記が青葉賞出走時のカルテ。

 

失速率が低く、前が止まらなかった青葉賞はこの馬の個性通りに負けた感じ。速い脚を使えないので前との差を詰める事が出来ず伸び負けている。この馬に11秒台の持続ラップは乗り切れない。こういうタイプが時計の速くならないローカルの長距離戦で結果を出すのは納得の行く話。福島2600mの1勝特別で2勝目を上げた。ジワジワバテないスタミナタイプなのでこのぐらいの距離も良かった。ラスト3Fは失速していく消耗ラップで前が止まる展開。これなら本馬の脚でも十分届く。レース条件、展開などこの馬の適性にかなりマッチしていた。ただ、ペースを考えれば上がりはもう少し速くなってもいいのになぁと思う。レースそのものに立派さはなく、評価を上げる根拠にはなりえない。道悪競馬にでもなって、上がりがかかる展開にでもならない限り出番はないだろう。ここまでの経歴からすると行く先はやはり鈍足ステイヤーという感じ。もし年末年始のマラソンレースに駒を進める事が出来るならその時に再考したい。

 

・ローシャムパーク

 

4馬身差、7馬身差と圧勝の連続で只今2連勝中。しかも、いずれも直線ノーステッキ。前走に至っては最後は流していたほどだった。力が違い過ぎていて何も言えない。2戦目までに2着を2回続けたが、この時までは待機策から展開に合わせて末脚勝負の競馬だった。不利などもあり勝ちあがれなかったが圧倒的な脚は使っていた。元々の素質もたかそうであった。その後に3ケ月の休養を取るがこれで馬が覚醒した感じ。あからさまに変わっていたのは前進気勢が強く出ていたこと。それほどスローでもないのに行きたがっている。と言うか、スピードを持て余している感じ。ルメール騎手もそのスピードを殺さないように乗っていて、近2走はどちらも向こう正面で先頭に立ってしまう。見るからに粗削りだがそれでこれだけ強いのだからこれは堪らない。ハナに立ってからも折り合いを欠いている風には見えないので、この馬にはこれが普通なのだろう。ラップを見ると2戦ともゴール前では失速ラップになっているのだが、これも本馬が最後まで本気で追わないからだろう。本気出したらどこまで伸びていたのであろうか?そういう魅力しかこの馬には感じられない。

 

・予想のようなのもの

 

こんにちは。

 

今日の天気は良いですね。雨は昨夜の11時以降は降っておらず、朝から晴れています。昨日の勢いで雨が降り続いたら予測不能な馬場状況になっていたので頭を悩ますことになっていたと思います。

 

じゃぶじゃぶの不良馬場だった昨年の神戸新聞杯は10頭中の8番人気モンテディオが馬券になっていました。モンテのような超ズブい馬でも馬券になれてしまいます(前のブログではちゃんと押えて的中していましたが)。こんな馬場になっていたら普通の重馬場巧者でも取りこぼしが発生します。そうなると超人気薄まで手を回さなくてはならなくなるので非常に厄介でした。

 

この先の天気を確認すると多少の雨雲は中山競馬場の空を覆うかもしれませんが、局所的な大雨が降ることはないと思います。だとしたら馬場も回復に向かうでしょう。これなら普通の重馬場予想で良くなるので警戒しすぎなくてもよいかな?と思っています。

 

ちなみに今朝7時の中山競馬場のクッション値は8.4です。これは北海道の洋芝よりちょっと堅いぐらいです。函館・札幌の良馬場のクッション値は大体7.5~7.7ぐらいなのでそれよりも時計は出る計算になります。

 

以上を踏まえてセントライト記念の予想はこんな感じになりました。

 

◎は①ローシャムパークとしました。2連勝の内容に魅力を感じます。道悪のハービンジャー産駒と言うのも良いですね。この馬の前走は稍重で行われた中山2000mの特別戦でしたがその翌日に行われたのが皐月賞でした。この皐月賞はアスクビクターが逃げていたのでローシャムとほぼ同じレース運びです。アスクビクターの方が0.2秒しか速くありませんでした。しかも、皐月賞は良馬場でしたから馬場差を考えれば逆転可能な計算です。さらに、ローシャムは遊びながらでしたから追えばまだ時計は詰まったでしょう。この内容なら叩き台のアスクビクターよりは前に来れそうです。

 

〇に⑨ガイアフォース。この馬も前走圧勝した1頭。レコード持ちの馬なので道悪はどうだろう?と思ったのですが厩舎はむしろ歓迎ムード。タフな条件に相当自信を持っているようです。もう1頭⑪キングズパレスも〇とします。未勝利勝ちが稍重の当該条件だったのも良い。道悪で外差し競馬にでもなれば破壊力ある末脚が炸裂するかも。

 

◎〇の3頭はいずれも権利(3位内)は獲れると考えています。果たしてこのうちの何頭が権利を奪取するのでしょうか?

 

叩き台の⑦アスクビクターモアは実績から▲以下には落とせません。ただ、気性面の成長が感じられるという事で春に懸念されていた前向きさが解消されたかもしれません。だとしたら、やっぱりこの馬が一番強いでしょう。

 

△に④ラーグルフ③マテンロウスカイ⑥オニャンコポン。この中では本番よりもこちらと言う⑥ポンには注意が必要。菊花賞は今回の結果次第となっていますので先を見据えた感じはないですね。いきなり仕上げてきています。

 

買い目は◎〇▲の馬連を箱買いして6点。◎〇のワイドを箱買いして3点。3連複は◎〇-◎〇▲-◎〇▲△の22点。ローズSは完璧に当たりましたけど、今日はそんな感じじゃないですね。ワイドを少し厚く買って、その他は控えめな投資額にしています。