競走馬カルテ

2・3歳重賞の出走馬を分析・記録していくブログです。

ローズステークス(GⅡ) 出走馬カルテ

 

こんにちは。

 

来年4月にリニュアルオープンとなる京都競馬場。代替された中京競馬場でのレースもこれが最後となります。この中京競馬場で行われた過去2年を見比べてみると驚くほど同じレースが展開されています。

 

・20年(リアアメリア)

12.6-10.8-12.3-12.7-12.5-12.4-12.1-11.6-11.3-11.6=1:59.9(良)

・21年(アンドヴァラナウト)

13.1-10.9-12.3-12.7-12.2-12.0-12.2-11.6-11.3-11.7=2:00.0(良)

 

2F目が10秒台に加速しているところや、上がり3F区間のラップ構成なんか本当にそっくりです。その他のハロンタイムもほぼ同じ。これだけ類似していれば走破タイムも同じようなものになるので0.1秒の誤差しかありませんでした。

 

レースの展開的には今年もこういう感じになるのかもしれません。脚質的な類似性までは見いだせないのですが、最後に速い上がりが求められる瞬発力勝負の様相を呈しています。上がりの速い馬、脚力に秀でた馬等に注意が必要そうです。

 

さて、紫苑Sと違いローズSにはオークスに出走していた馬は7着アートハウスと16着パーソナルハイの2頭しかいません。紫苑Sでは4着までをオークス出走馬が占めていましたがローズSオークス不出走馬(夏の上がり馬)中心となるようです。これらをしっかりと精査していきたいと思います。

 

ローズSは18日(日)なので前日の17日(土)までに更新を完了します。

 

・アートハウス

阪神2000mの新馬戦で見せた末脚は良い。この条件で33.9秒は凄い。新馬戦なら尚更。

・レコード決着だった同条件のエリカ賞での負け方からするとタイトな流れは向いていないかもしれない。地力勝負だとキツイのだろうか?

・3戦目の忘れな草賞で脚質に幅が出た。先行していた馬が中団に控える競馬で結果を出した。溜められた時の末脚はやはり見どころがある。この末脚を武器にした方が良い所がありそうだ。

 

上記がオークス出走時までのカルテ。

 

2番人気だったオークス。一番良いスタートだったがニシノラブウインクが主張していったので3番手に控えた。前とは距離を取っており悪くないポジション。その位置取りや逃げ馬との差は全く変わらないまま1周回ってきた。勝負所でも自ら前を潰しにいくことはなく、追い出したのは直線に入ってからでじっくりとタメていた。馬場の真ん中を手応え良く来ていたがそこからが伸びず、差し・追い込み馬に交わされてしまう。7着の入線で結局逃げたニシノをクビ差交わしただけで物足りなさが残る。ここまで4戦しているが、勝った2勝と負けた2敗には共通点がある。スローの上がりの競馬で強いようで2勝はいずれもそう言うレース。2勝ともラスト3Fが11秒台に加速した上がりの競馬を最速の上がりを記録して圧勝している。逆に負けた2敗はどちらも持続戦。エリカ賞は2歳レコードが記録したレースでタイトなラップが続いたもの。オークスは5F~11Fまで加速ラップを続けた息の入らない展開。こういうタフな展開では脚を擦り減らしてしまうのかもしれない。勝ったレースと負けたレースが非対称になっておりわかりやすい。まだ完成した感じは無いので今後の成長次第で変化するであろうが、現状のカルテではそう言う事になる。だとすると、上記で触れたようにローズSはこの馬の好走パターンと合致する。無論ペース次第でそうなるとは限らないが走っても不思議はない条件のようだ。

 

ただ、騎乗していた川田騎手、管理者の中内田調教師は別な理由を敗因に上げている。共同記者会見ではどちらかと言えば辛口で状態面に自身がなかったようだ。上積みが思ったよりなかったり、走りのバランスが良くないとかで泣いていた。レース後談では記者会見で言った通りの競馬になってしまったと川田騎手は話している。この話からすると初戦の方が良いタイプなのかもしれない。負けた2敗はいつも2戦目だ。そういうことなら休みの明けの今回はやはり走り頃と言うことになるのだが。

 

 

・パーソナルハイ

・スロー展開でも、忙しい流れでもバテない。ただ、マイルよりはゆったり進める中距離の方があっていると思う。

・控える競馬ではラストに脚を使えない。体力がありそうなので前目の位置取りで我慢比べのレースの方が合いそうだ。

・おそらくサウスポー。右回りと左回りだと走りのスムーズさが違う。その点は戦績にも表れている。

・マイペースで逃げれた時の粘りは強い。基本的に逃げた方が良く、逃げないにしても早めの競馬で脚を使い切れる競馬が良さそう。

 

上記がオークス出走時までのカルテ。

 

逃げる可能性もあったオークスでは速い馬がいて2番手。ただ、3コーナーぐらいまで逃げ馬とは5~6馬身の差をおいて追走していたので考えようによっては逃げていたのと変わらない。本馬にとっては理想的な競馬だったはずなのだがかなり派手に負けた。3~4角で前との差を詰めて行き、直線入り口の手応えも良い感じに見えた。が、追い出した途端に失速。鞭を入れた瞬間に逆噴射した感じ。見る見る下がって16着。他の先行馬と比べても見栄えが悪い。明らかに走らなさすぎで、これは状態面に問題があったと思わざるを得ない。春はフラワーC桜花賞フローラSオークスとかなりの臨戦過多。しかも、どうしてもオークスに出したいからと各レースは仕上げを高めて使っていたから、さすがにガス欠だったのだと思う。厩舎談では使い込んでいく度に馬が成長しているとか、状態はむしろ上がっているなど話していたがやはり厳しかったのではなかろうか?展開やコース形態はこの馬の適性に合う条件だっただけに残念な結果。なお、吉田豊騎手の話では距離も少々長かったようだ。今回に関しては、やはり状態面が第一になると思う。使い詰めだっただけに夏の休養でどかまでリセット出来たかが鍵ではないだろうか?力を出せる状態に馬が戻っていることが重要だろう。なお、ローズSの条件はこの馬の適条件。未勝利戦で圧勝している。逃げた方がこの馬には良いと思うが同型が結構いる。初速は速くなく、主張してハナを奪うタイプだけに序盤の立ち回りも懸案事項になる。

 

▲上記がオークス出走馬で、夏の上がり馬などのオークス不出走馬は下記になります▼

 

・ヴァンルーラー【9/13更新】

・上がりが速くなると置かれる傾向がある。キレすぎるレースよりはタフな展開の方が力をだせそう。

・ラストに速い脚を使えないので交わせるのはバテて止まっている馬だけと言う事が殆ど。控えても味が無い。

・好走しているのは先行している時だけで早めに脚を使い切るレースをした方が着に来る可能性は高い。速い脚が無いのはどこにいても変わらないので序盤が忙しくなると先行態勢を取るのに苦労する。

 

先行するつもりがあったフローラSは大外枠で上手に先行態勢をとれなかった。中団に控えて直線へ。コース取りも良く、手応えも良かったが追って伸びない。ジワジワと伸びたが前との差を詰める脚は引き出せなかった。これまでもそうだが後半に速い脚を使う事が出来ない。この馬の個性通りのレース振りだった。その点も考慮されて陣営も戦前から前々の位置から自分のリズムで進めた方が良いと話していた。然して、その言葉の通りに次走の三木特別(阪神1800)で先行する。好枠から好発進して3番手を追走。直線中ほどで抜け出しハナ差の2着と好走した。タイトな展開の持続戦でレース内容は良く、紫苑S3着等がある力量馬ミスフィガロ(次走で勝ちあがる)を退けた点も評価出来る。やはりこういう競馬が良さそうだ。これだけ走れるなら3歳秋のトライアルで通用の余地がある。ただ、ハロンタイムが速くなるとついて行けないところがあり置かれる事がこれまでも多々あって、そう言う面はこのレースでも出ていた。序盤が速かったので追って追ってようやく3番手をキープ出来た感じ。もっと楽にスピードに乗れるようでないと。これは上がりの競馬が不得手な点にも通じる原因であり、瞬間的なスピード性能が劣っている。先行するにしてもゆったり行ける長距離とか、時計のかかる馬場の方が好走するシーンは増えそうに思う。レコードの出る開幕間もない馬場でどうだろうか?また、もし今回が傾向の通りの上がりの競馬になるなら、先行しても速い上がりは使えないので強くは推せない。

 

・エグランタイン【9/13更新】

 

4戦目までの全戦で1.8~2.0秒のタイム差で負けていた馬が5戦目で超激変。15番人気で勝利を上げた。背景にあったのは馬体重であろう。440kでデビューして4戦目まで増える事無く422kまで減らしていた。が、8k増えた5戦目からは使うごと馬体は増え続け、1着、2着、1着と着実に走るようになった。馬体面の充実は競馬振りにも現れている。4戦目まではダッシュもつかず、流れにも乗れないまま最後方付近で追走一杯の走り。向こう正面で鞭を入れられることも度々だった。基本的に競走になっていなかった。それが5戦目からいきなり先行出来るようになり勝ち負けに加われるようになった。この4・5走目の間にそれほど間隔は無いので、これだけの変化はさすがに気づけないだろう。15番人気もしょうがない。ここまでの急変はなかなかないレベル。馬券を買った人は実に気の毒だ。ただ、勝てなかった時も折り合いや気性の難しいところは見せていなかった。動けなかっただけで騎手の指示には素直に従っていて乗りやすそうな馬ではあった。また、道中追い通しになることがほとんどだったが最後まで馬は伸びていたことから体力面も相当高いのではないかと思う。実際、勝ちあがった未勝利戦はハイペの消耗戦を凌いでのものでフィジカル面は評価材料に出来る。成績が安定するようになってからの走りは優等生で危なげなく、かつてが嘘のように競馬センスのある走りをしている。1勝目が消耗戦、2勝目が後傾持続戦、2着に負けた前々走はスローの上がりの競馬で勝ち馬に上手く乗られてしまった感じ。現状の好走パターンはタフ展開な持続戦にありそうで、このことからもフィジカル面の高さがうかがえる。能力的には通用しそうな感じである。ただ、これはローズSのレース特性からはズレて来るかもしれない。上がりの競馬にどこまで対応出来るだろうか?安定した競馬が出来るようになっているので今なら上のクラスでも十分通用するので長い目で気にかけておく方が良い。

 

・サリエラ【9/13更新】

 

11月に新馬勝ち(府中1800m)してフラワーC出走のプランもあったが整わずに回避。2戦目は6月の府中戦(2000m)となった。古馬混合レースでも人気に応えて勝ちあがり現在2戦2勝。サラキア、サリオスの下になるシルクRの素質馬。2戦の内容を簡単に確認すると、

 

新馬戦(府中1800)

新馬戦の勝ち方からして圧巻。主張することなく出たなりで先頭に立ってしまう。スピードが違い過ぎていて、後続のほとんどが手綱を動かして追走で一杯になっているのにこの馬は持ったままで全然無理をしていない。本馬のスピードについてこれないのだ。ただ、1頭だけ強い馬がいて勝負所から絡まれた。しかし、その馬が激しく追っていたのにこちらは馬なりで付き合ってしまう。手応えからして全然違う。鞭を入れたら一瞬で置き去り3馬身差。1頭だけ古馬が混じっているようなレースで力が違っていた。持続性の確認出来るレースラップで評価は普通に高いのだが、それを楽に記録したところが底しれない。

 

・2戦目(古馬1勝クラス府中2000)

出負け気味のスタートで後方3番手。走りは少し力んでいるようにも見えるがスピード感のある追走で走りの質は相変わらず良かった。直線に入っても後方3番手のまま。追い出してからグーンと伸びるような感じはなく、モタついた感じで物足りなく映った。休み明けの影響を強く感じで馬が動ききれていない感じ。最後の1Fで0.8秒も失速したから間に合ったという所はある。しかし、物足りなく映ったのは目の錯覚かもしれない。逃げ馬が33.8秒で上がり2着に粘ったレース。前とはかなり差があった直線入り口後方3番手の位置からそれを差し切ったのだから凄い。しかも、その2着馬は減量騎手で本馬より3kも軽い49kだった。そもそも稍重で32.9秒の末脚は異次元領域。やはりモノが違うと表現しておく方が良い。

 

と、逃げ切り勝ちに、追込み勝ちと真逆のレースで勝ちあがっている点は奥深いところ。また、この馬は初戦から勝ちに来ない国枝厩舎の管理馬であり、デビュー戦も、休み明けだった2走目も負けて不思議ないところ。素質だけで無敗を続けた可能性が高い。強敵不在のレースなら主役にもなりえる。不安材料があるとすれば体が422kと大きくないところ。中京への輸送で馬体減は心配。また、モマれた時にキャリア不足を露呈したりなんてことも頭には入れておきたい。が、それも重箱の隅をつついただけかもしれないが。今回はトップクラス不在なのでこのぐらい走るなら主役を担っても良さそう。

 

・セントカメリア【9/15更新】

 

デビュー後マイルを3戦して勝ち上がれず、2000mを走るようになってから1・1・2着と波に乗った。ただ、行きたがる所が目立ち、マイルを使っていたはそのためだと思う。こういう馬が距離延長して成績を安定差せたのは理解に苦しむ。中距離を走るようになった現在でも前進気勢が強く前向きな面が気になる。考えられるのは気分よく行かせた方が良いと言うことだろう。テンの速いマイルでは行きたくてもイケないが、中距離なら楽に1・2番手の競馬が出来て、このスタイルで好走を続けている。とにかく力んで走っているのだが、力を出し切るという点では現状はこの距離とこの乗り方が合っている印象。掛かり気味に先行して勝ちきれるのだから基礎能力が高いというのは言える。ただ、そう言う走りで通用するのは条件戦までで、出走馬のレベルが上がるにつれて厳しくなって来る。この馬が本当に強くなるのは折り合いを覚えてからになるのでは?3歳馬同士なら重賞でもとは思うが、積極的には狙いずらい感じになる。なお、中京2000mは2戦2勝で相性は良い。しかし、いずれも重馬場での結果。良馬場だった新潟の前走月岡特別では切れ味鋭い決め手を発揮したラーグルフに差し切られた。良馬場だとキレ負けする可能性が高くなりそうだ。実際、速い上がりを使って好走した事は無いので弱点である可能性がある。切れ味勝負や上がりの速い競馬では何かにやられるかもしれない。タフな展開で後続の末脚を封じる乗り方をした方が現状のこの馬には良いと思う。

 

・ヒヅルジョウ【9/15更新】

 

勝ちあがるのに5戦を要したがこの5戦目から逃げた方が良いという感じになっている。スンナリと逃げれた時は2勝3着1回で複勝率は100%。ただ、逃げ馬として強烈な個性を発揮している訳ではなく、先行力で他を圧倒していると言う感じではない。7馬身差、2馬身差と逃げ切った時はいずれも完璧に後続を封じてきたが、ラップ構成から目を引くような強さはなかった。その程度のペースでこれだけ負けた相手が弱いのだと思う。また、いずれの逃げもラストの失速は小さくないので持続力の高さも感じない。展開次第でと言う評価はしておいた方が良いが、いたって普通の逃げ馬だろう。強調出来るような存在には感じない。面白いのは控えた競馬でも良い競馬が出来そうな末脚を見せている点。2走前のスイトピーSが出負けして後方から進めることになったのだが、この時に3位上がり(33.7秒)を使い0.3秒差まで詰めて来た。2走目だった未勝利の時にも最後方から最速上がりを記録して追い込んでいた。溜めた時の末脚が悪くない。わざと出負けろとは言えないが、少々控えたポジションから脚を使う競馬を覚えれば面白そうなところがある。今の様な逃げでは早晩息詰まるので、早めに脚質の幅を拡げておいた方が良いと思うのだが。なお、気性難で逃げている訳ではないので折り合い面はちゃんとしている。ここまで様々な位置で競馬をして来たが気難しいシーンは見せた事がない。

 

ブルトンクール【9/16更新】

・スタートからダッシュが付くので全てのレースでレースの流れに乗れている。

・持ち時計に見るべき所がなく、末脚に速さも感じない。全体的にスピード面に弱いところを感じる。

・ソツなく立ち回れる馬だが、強調出来るパーツはなく平凡な印象が強い。

 

上記がフェアリーS出走時までのカルテ。

 

1月のフェアリーSと3月のアネモネSの走破タイムが同じ。以前から時計的な要素に良い所がなかったが結局自分の時計しか走れないのかもしれない。アネモネSは出負けが響いて中団後ろで控える競馬。後半にピリッとした脚を使えない馬だから11着の結果も仕方がない。末脚に魅力が無い事を再認識させてしまった。ここまでの2勝がいずれも逃げ切り勝ちなのもこういう個性を裏付けている。脚の無い馬なら前に行って頑張るしか他に手が無い。古馬と混じった6月の遊楽部特別で逃げて2勝目。レース内容は悪くないが、時計のかかる函館の洋芝があっていた感はある。時計のかかるコンディションで粘りを増した印象。7番人気でマークが薄く、単騎で行けていたなど恵まれた面もあっただろう。強調出来る内容ではなかった。前走逃げ切り勝ちと言う馬が今回は多いので、同型との兼ね合いは鍵になる。ゲートは速い方なので極端な外枠でなければハナを取る事は可能だろう。仮に2・3番手に控えたとしても脚が無いので前の馬を交わせるかどうかは分からない。やっぱり行けるなら行ってしまった方が良いと思う。ただ、ローズSが例年のような上がり3Fの決め手比べになるならこの馬に出番はないだろう。

 

・ベリーヴィーナス【9/16更新】

 

5戦して2度の大敗がある。直線で派手に止まっているので他の3走と比べて明らかに走れていない。気になるところ。単純に状態面に問題があっただけかもしれないが、この2走には共通点がある。右回りであること、馬体重が10k以上増えていたことの2点。中京で行われる今回は左回りなので原因が前者だとしたら問題にならない。左回りの走りは安定している。後者に関しては、前走から中4週だからこれも問題にならなそう。初めて間隔を詰めて使うので馬体重に大きな変動は考えづらい。どちらかに理由があったとしても今回はあてはまらないのでここは好走可能になってくる。ただ、肝心の能力面に関して目を引くようなポイントはない。未勝利勝ちの内容は悪くはないのだが、他と比べて特別扱い出来るようなパフォーマンスにはなっていない。2歳戦や3歳初期のレースなら気を付けましょうみたいな事は言えるが、3歳の秋でこの内容だけを評価するのは無理がある。発馬は安定しており、先行力も標準並み。条件戦なら印はまわせるが、他の2勝馬を差し置いてまでこの馬の評価を上げる材料は今はない。来たら申し訳ないが、秋のトライアルでこの実績は評価のしようがない。

 

・マイシンフォニー【9/16更新】

・ポジションが定まってから距離を問わず必ず行きたがる。折り合いがスムーズだったらもっと強い競馬が出来る余地がある。

・折り合いを考えたら短距離の方が良いがポジショニングを考慮すると忙しい。中距離の方がレースの流れに乗れて成績も良い。

・折り合いを欠く割に終いの脚はしっかりしている。その末脚が圧倒的と言う事はないが、並みの馬となら力上位の脚力を確認出来る。瞬発力もある方だろう。

・気持ちが強いからなのか馬群の中でもひるまず、狭い所も突いて来れる。

 

上記がフローラSまでのカルテ。

 

フィリーズrv、フローラSと春のトライアルはともに4着。短距離のフィリーズrvはさすがに折り合えていたが、2000mのフローラSでは最初のコーナーでかなり掛かってしまった。この気性難が大成を妨げている。フローラSでは序盤に折り合いを欠いたせいでラストの伸びが失われてしまった。3着はあるかと言う走りだっただけにもったいない。レース後に武豊騎手もその点を嘆いていた。未勝利脱出に4戦も要したのもその為で、全戦で行きたがる素振りが目立っている。その後、フローラSから3ケ月空けて札幌で2戦している。前進気勢は相変わらず強そうではあったが、幸い折り合いを欠くことなく勝負所まで行けるようになっていた。気性の成長はあったようで、どうにか我慢出来ていた。ただ、まだ怪しい所があるようで武豊騎手は後方待機で折り合い重視。ポジションを獲りに行く行動に移れないでいた。この思考になった時の武豊騎手は絶対に動かないのでしばらくは後方待機で折り合い重視の競馬を続けていくと思われる。ただ、前走はその結果の2着。ここ出走のヒヅルジョウに逃げ切られてしまった。末脚の精度は高い方だが、全てを飲み込めるほど強烈な末脚を使った事は無い。余程の展開ハマりでない限り、今後も差して届かずのシーンは増えそうだ。なお、復帰初戦だった2走前に馬体重を一気に26kも増やしている。そのせいで7着と伸びを欠いたが、-2kで使った前走では上がり最速を記録してしっかりと伸びた。この前走を見ると成長分として見て良さそう。身体面の成長は大きいようだ。後はメンタル面。両面が噛み合えば上に行ける馬である事は間違いないので、1日でも早くその日が来る事を願う。

 

・ミナモトフェイス【9/17更新】

 

2歳8月にデビューして3歳7月の未勝利戦で勝ち上がった。中間に9ケ月の休養を挟む。その復帰戦で馬体を10kも減らしており、順調さや成長度と言った好調を示すバロメーターが宜しくない。3着だった新馬戦の内容が非常に良かっただけに残念な印象。強くなりきれていない素質馬と言う感じ。復帰後は5→3→1着と着実に成績を上げて来ただけにまだ上がありそうである。未勝利勝ちした前走の内容も悪くない。タイトなラップを続けて中距離戦のラップとしては締まっていて上がり3Fもオール11秒台で乗り切れていた。テン、中、終いのバランスが良いレースで印象が良い。また、この時に差して負かしたチェルノボーグはこのクラスの超安定勢力(次走で勝ちあがっている)。負かした相手も上等だった。実績不足で高い評価は難しいが未知の魅力は感じれる。道中の運び方は上手く、センスある走りを常にしていて良い競馬振り。速い上がりを記録した事が無いので伸び脚はジワジワだがその代りバテない。最後は必ず詰めて来れる。ローズSはラストが速くなるのでこの馬の末脚では少々キツいのだが、道悪とかで上がりが高速化しなければ通用しても。

 

・メモリーレゾン【9/17更新】

 

常に上がり最速と言うタイプで末脚で勝負する差し馬。小倉の1200mを2度使い勝ちあがったが、レースの流れに対応していたとは言い難く、末脚だけで好走していた感じ。距離は明らかに忙しかった。マイル、1800mと距離を伸ばしながら使われているが、距離延長とともにゆったり進めるようになり脚が余計に溜まっている感じ。末脚は安定していて最後に詰めて来るのは確実。函館の特別戦だった前走は10番手前後で立ち回って差し切った。その際に3~4コーナーでの動きは少々鈍く映った。コーナー部分で器用に立ち回れなかった感じ。直線だけの競馬で函館を良く差し切れたと思う。中京コースもコーナーはタイトだが、直線が約410mもあるので前走よりは良い条件になる。ラストに速い脚を求められる近2年のレース傾向にも合っている。初距離はどうかもローズSは好走条件に合致していると考えて良さそう。ただ、中京で4着だった3走目の負け方が気になった。このレースの上がり3Fは11.5-11.4-11.5と失速率が極めて小さかった上がりの競馬。本馬も上がり最速を記録していたが、先行していた馬も速い脚を使えていたので届かなかったのだ。つまり、展開に逆行してまで差し切れる破壊力を持っている訳ではない。2勝目、3勝目はラスト1Fで失速しているレースだったのでハマッたと言うのもある。見た目に鮮烈な末脚だがなんでもかんでも飲み込めるような代物ではないということだろう。ポジションが後方になりがちな馬なのでクラスが上がったり、相手が強くなってきたら差して届かずのシーンは増えてくると考えておきたい。想定される展開や馬場状況で評価を左右した方が良いだろう。

 

・ラリュエル【9/17更新】

・ポンとゲートを出れるのでハナでも行けそうなほどゲートが上手い。そのまますんなり先行態勢を取れるので序盤戦を楽に立ち回れる。

・体が小さく非力な感じもするが、意外とパワータイプの様で馬場の荒れ目をスピードを落とさず走れている。

・進路が狭くなったクイーンCでは抜け出してから再び加速するのに手間取っていた感。スパっとした脚は使えないかもしれない。

 

上記はチューリップ賞出走時のカルテ。

 

チューリップ賞ではいつもより控える形で進めていた。勝負所の押し上げはイイ感じだったが上位に迫る末脚を引き出せなかった。決め手不足を露呈した格好。レース後半に速い脚を使えないタイプのようだ。この敗戦を踏まえたのか、次走で逃げ切り勝ちをする。元々スタートセンスの良い馬でだったので簡単に脚質転換出来た。レース中盤からピッチを上げてタイトな後傾戦を展開。決め手勝負にならないよう自らレースを支配して完勝した。直線は完全に後続を振り切っていて1勝クラスでは明らかな力上位。レース内容は悪くないのでちゃんと評価しておいた方が良い。実際、2着はここ出走のエグランタインで次走あっさり。レベルの低い1戦ではなかった。兄ステイフーリッシュもそうだが、このような持続戦や体力勝負で力を発揮するのだと思う。ただ、瞬発力勝負になりやすいローズSとは適性がズレて来るので今回は強く推す事が出来ない。それに同型がかなりいるので兼ね合いも鍵だろう。2・3番手や控えた競馬もしていた馬なので逃げにはこだわらないと思うが、そうなると決め手勝負に付き合うことになる。そならないようにするには立ち回りに一工夫必要。枠も枠だけに乗り方は難しく、選択肢は限られる。

 

なお、+6kで使った前走の馬体重は438kだった新馬戦よりも小さい430k。間隔を空けても馬体的な成長がないのは気になった。が、ステイフーリッシュも馬体が増えて来たのは4歳になってからで3歳時はよく減っていた。こういう血統なのだろうと気にしない事にした。

 

・ルージュリナージュ

 

暴走していると言う事ではないがほぼ全てのレースで行きたがるので手綱は離せない。前へ行こうという意欲が強いので好きにさせたら行ってしまいそう。だから操縦性も悪い。こんな競馬ばかりなのに【2・1・1・2】と成績は安定していて、近4走は確実に勝ち負けに加わっている。能力そのものが高い証拠と言える。もっと楽に走れていればクラシックには乗れていたのではないか?と思える。気性面の成長具合はポイントだろう。近3走が全て道悪競馬で、それ以外のレースにもタフなレースが多い。体力は豊富そうで消耗戦になればかなり信頼出来る。台風が接近しており、荒天になれば浮上の可能性はどんどん高くなるだろう。反面、上がりの競馬の経験がほとんどない。スピード的な素養やキレる脚の有無などが戦績からは分からない。良馬場の場合に必要な根拠は今のところないので判断は難しい。折り合いに難のある馬なのでキレる末脚も期待しづらい。当日の天気次第で評価を決めようと思う。

 

・ロマンシングブルー【回避】

 

・予想のようなもの

 

こんにちは。

 

馬場の心配をするなら明日のセントライト記念の方がよほど深刻な状況になるでしょう。雨は西からやってきていますが、今は中山競馬場の方がじゃんじゃん降っています。本日の中京競馬場は1Rぐらいには一時的に降りましたがそれも断続的で、雨雲レーダーで判断するとローズSまでは降ったりやんだりを繰り返す程度。これぐらいのの雨なら良いコンディションをキープ出来ると考えました。

 

よって、例年通りのスロー競馬からの決め手勝負に今年もなると考えて上がり重視の取予想をしています。

 

◎は⑧アートハウスにします。タイトな持続戦よりはスローの上がりの競馬が良いタイプ。ロースSの傾向に合致しています。例年通りの流れなら先行して末脚を伸ばす事が出来るでしょう。距離ベストな上にリフレッシュされて状態面はとても良い。春の臨過程から推測すると多分2走目より初戦の方が走れると思います。普通に回って来れば勝ち負けと見ています。

 

〇は素質馬⑥サリエラ。ここも通過点かもしれません。ただ、良馬場希望が出ているので天気次第。この時間だとリスクを解消出来ません。道悪になるとキャリア不足が露呈するきっかけにもなります。ここは慎重な扱いで。ただ、能力的にあっさりもありと思うので重い印で期待しています。

 

⑨エグランタインを▲にしてこの馬の上昇度に期待しました。決め手勝負に対応出来るかの不安があるのですが、今回のメンバーに決め手優秀と言えるような馬は案外少ないのでこの馬の末脚ぐらいでも通用して良いと思います。

 

△に①セントカメリア④パーソナルハイ⑤ラリュエル⑦メモリーレゾン⑭ルージュリナージュ。この中で勝負度合いが特に高いのが①カメリア⑦レゾンの2頭。この辺には調整を入れた方がいいなと考えています。

 

買い方はまず◎の単勝。他は◎から手広く、馬連。◎▲のワイドが7.7倍からついているので1点だけ追加しておきます。3連複は◎-〇▲-〇▲△のフォーメション11点。荒れるレースなのでここは点数を押さえました。合計19点です。