競走馬カルテ

2・3歳重賞の出走馬を分析・記録していくブログです。

紫苑ステークス(GⅢ) 出走馬カルテ

 

こんにちは。

 

久しぶりの3歳重賞です。最後の一冠を目指して3歳馬が動き出します。まずは牝馬紫苑Sから。

 

紫苑Sが重賞化されたのが16年。以降は毎年のように紫苑S組が秋華賞で勝ち負けを演じることとなりました。今では老舗トライアルのローズSを上回る活躍です。

 

しかしながら、そのトレンドも今は古く秋華賞の最強ローテはオークスから直行馬と早くも様変わりしています。

 

18年アーモンドアイ(オークス1着)
19年クロノジェネシス(オークス3着)
20年デアリングタクト(オークス1着)
21年アカイトリノムスメ(オークス2着)

 

と現在4連勝中です。今年も春の二冠馬スターズオンアースが秋華賞に直行します。もう決定的かもしれませんね。

 

以上のように、現在の紫苑S組はオークス直行馬の相手を見つけるレースとなっています。実際、秋華賞の2着馬は3年連続紫苑S組になっています。そうやって考えると、やっぱり紫苑Sは重要なレースです。

 

今年も本番を見据えてレースを見ていくべきです。頑張って秋華賞2着馬を探していきましょう!

 

ただ、1つ注意しなくてはなりません。紫苑Sのレース当日は秋の中山開幕週の開幕日です。馬場は超絶好です。この開催は一年を通して中山コースが最も高速化する開催なので、相当速い馬場が出現するかもしれません。だとすると強烈なイン前競馬となることでしょう。台風の時期にも重なるので一概には言えませんが、快晴の良馬場ともなるときっとそう言う風になるだろと思います。

 

当日のクッション値のチェックは絶対に欠かさないようにして下さい。

 

さて、最終登録を待たずに準備を進めているのですが、今年はオークス出走馬の出走が目立ちました。そこでオークスを簡単に回顧したうえでまずはオークス組から触れていくように致しました。夏の上がり馬などオークス不出走馬は後半に扱う事にします。

 

紫苑Sは10日(土)です。前日の9日(金)までに更新を完了致します。

 

オークス回顧

 

サウンドビバーチェの放馬により発送時刻が15分遅延されました。その間に集中力が切れた馬、暑さで熱中症になった馬など力を発揮出来なかった馬は結構いたようです。ですが、レースそのものは立派なもので、レベルの高いレースだったと思います。遅延被害馬は気の毒でしたが、力を出し切れた馬の評価を下げる必要はないと考えます。

 

ニシノラブウインクが大逃げし後続を離してレースを引っ張っていきましたが1000m通過は60.6秒とハイペースと言うほどではありません。ですが、この5F目の12.7秒をピークに以降は11F目まで一切ラップを落とさずにニシノは加速を続けていきました。ラストの12F目も0.1秒失速しただけ。ほぼ加速ラップのままゴールを迎えています。長区間に渡る超持続戦。それが今年のオークスです。過去10年を振り返ってもこのようなレースはありませんでした。結果的に勝ち時計も2:23.9の好時計。ラヴズオンリーユーが記録したレコードには及びませんが、三冠牝馬アーモンドアイの勝ち時計と0.1秒しか違いません。

 

このようにゴールまで失速しなかったため基本的に前が止まらない展開だったという事はご理解頂けるでしょう。上位入線馬は全て8番手以内にいた馬で占められています。だからと言って前が楽だったかと言う事ではなく、息を入れずらい展開を良くも頑張ったと評価すべきです。とてもタイトな展開で地力の問われたレースだったと思います。この流れを乗り切って結果を出した馬はを素直に評価して良さそうです。

 

紫苑Sに出走してくる馬で言えば、4・5番手の競馬から2着と走ったスタニングローズは非常に強かったと思います。10番人気の低評価でしたがフロックで結果をだせる展開ではありませんから着順通りの評価で大丈夫です。レースを主導して8着だったニシノもラスト100mまで先頭をキープしていたのですからよく頑張りました。6着ルージュエヴァイユは上がり2位の末脚で伸びてはいましたが如何せん位置取りが後ろ過ぎました。こういう馬が届く展開ではないので悲観する事はないですね。

 

なお、レース後のコメントからすると1番人気12着のサークルオブライフ、11着ライラックは遅延被害馬と考えて良さそうです。また、放馬して遅延の原因となったサウンドビバーチェの出走もあるようです。

 

・2着:スタニングローズ【9/7更新】

・2歳時は後方から競馬を進めていたが3歳になりポジションを取ってレースが出来るようになって来た。

・マイル重賞で決め手負けするタイプだったが、瞬発力の必要性の薄まる中距離で良さが出てきたようだ。

・1周条件のレースはフラワーCが初めてであったが器用な走りで立ち回りの上手さが目立った。

・相手なりには走れそうだが、GⅠで強調出来るような力はまだ確認出来ない。

 

上記がオークスまでのカルテです。

 

オークスでは抜群の発馬が決まりハナにも行けそうな好スタート。行く馬に行かせて出たなりでラチ沿いの4・5番手の絶好のポジションをキープ。淡々と流れて息の入らない展開を楽な手応えのまま回って来た。本馬以外の先行馬は失速したり、伸びを欠いたりと前が崩れるレースを持ったままで直線に向いて来た辺りが凄い。二冠馬の決め手には屈したが堂々と抜け出して強いレース振り。フラワーCまでの走りからGⅠ級の根拠は取れなかったのだが、レース内容の良いオークスの走りからトップクラスの馬として認識を改める必要がある。2歳時はマイル重賞で決め手負けするようなタイプだったが、3歳になり中距離を使い始めてからレース振りが良くなっている。瞬発力や決め手勝負のようなレースよりも、持続戦や地力の問われるタフ条件で強味が出ているのだろうと思う。当週の調教に騎乗していたレーン騎手も「パワフル」「乗りやすい」「高いレベルの馬」と評価もとても高かった。ラチ沿いを走っていた馬がスムーズに大外に回せていたところも好感で操縦性もかなり高く、レーン騎手の言うように騎手の指示通りに動ける馬であるようだ。フラワーCを勝っているというのもあるが、中山2戦は器用さ、持続力などを行かすには良い舞台である。勝ち負けを期待していい状況。あとはどういうつもりでトライアルを使うのかと言うこと。賞金的に叩き台の可能性は当然考えられる。が、ノーザンF産なので直行しようと思えばそれも出来る馬だけに、トライアルを使うとなると使い分け戦略のここ勝負という線もありうる。紫苑Sの主役的な役割なのでこの点の見極めは重要である。

 

・6着:ルージュエヴァイユ【回避】

 

・8着:ニシノラブウインク【9/7更新】

・発馬、ポジショニング、立ち回りなど総じてセンスが高い。折り合いもほぼ問題なしで、最後に一脚使う事が出来るので取りこぼしが少ない。

フェアリーS(7着)を見るとマイルの決め手比べだと弱い。反面、立ち回りの上手さを生かせるフラワーCの様な条件だと崩れにくい。

・厩舎評からすると距離に限界はありそうで、府中の2400mでは距離は長い印象。

 

上記がオークスまでのカルテです。

 

オークスでは8枠17番から果敢に出して行き先行しハナへ。パーソナルハイが競りかける事が無かったのでマイペース逃げ。最初のコーナーを回った頃には5・6馬身のリードで大逃げ気味に行ったが1000m通過は60.6秒のやや遅い流れ。本馬にしてみればここまでで十分にタメを作れたのであろう。中盤以降はラップを一度も落とすことなく、淀みない後傾持続戦に持ち込む。力勝負に持ち込みラスト100mまで先頭をキープしたのだからあっぱれである。フラワーCを使う頃には1800mでも長いと厩舎筋は語っていたが、直線入り口では完全に抜け出してリードを拡げていたほどだから距離は十分こなしていたと見るべき。さすがに最後は止まったが、ペース次第ではという走りはしていた。2000mならもう問題にはならないだろう。もともと決め手の無いタイプであったので中山コースの様な立ち回りで勝負出来るコースが向いており、府中の様な直線が長いコースはストライクゾーンから外れていた。フラワーC2着があるように中山へのコース変わりはかなりプラスになる。逃げたのはオークスが初めてなので今回も行くとは限らないが、安定した先行力がある馬なので前目に付けてレースの流れに乗る事になるだろう。開幕週の馬場を味方に出来るタイプである。ラストの脚は有力馬には敵わないので一足先に抜け出して脚を使い切る競馬が理想的。なお、地味な馬だが三浦騎手や未勝利勝ちした時の福永騎手などはこの馬の能力を評価しており、厩舎も当初から期待を高くしていたそうだ。トライアルなら馬鹿には出来ないだろう。

 

・11着:ライラック【9/7更新】

・スタートがもっさりとしているので後方から進めるレースが殆ど。中盤ぐらいから動いていける機動力があり、ラスト5Fぐらいから動いていける。脚は長い。

フェアリーSの勝利は展開の恩恵はなく、偶然のハマリではない。後の二冠馬をねじ伏せている。

 

以上がオークスまでのカルテ。

 

オークスは返し馬までは雰囲気が良く、上手くいっていたそうだ。それが発馬遅延の影響で厳しくなったと横山和騎手はレース後に話している。力を発揮出来なかったと見て良さそう。後方3番手から直線まで何もしていない内容からもレース中にあれこれ出来る選択肢は無かったのだろう思わせる。バテることなく伸びてはいたがその末脚は平凡で力尽きた馬を交わしただけだった。原因がはっきりしているのでオークスについて触れる事は特にない。補足しておくと、5戦2勝3敗と負け越しているのだが3度負けたレースの敗因はどれもはっきりとしている。2歳時の京都2歳Sでは輸送が失敗してレース前に試合終了の状態。桜花賞は出遅れた時点で福永騎手がもうダメだと諦めてしまい回って来ただけのヤラズ走。オークスは触れた通り。実はこれまで力で負けた経験はない。騎乗していたデムーロ騎手や福永騎手の調教後の評価では破壊力が凄いとこの馬の末脚に魅力を感じている。厩舎も当初より期待していた馬。京都2歳Sに使っていたがこれは2歳の牝馬が輸送をしてまで使うようなレースではない。大きいところを狙うえる器と認識していた証拠である。実際、重賞を勝っている訳でその言葉に偽りはない。その重賞ではロス無く立ち回った後の二冠馬を相手に大外ブン回しで下している。力を出せばやはりそれなりに強いのであろう。GⅠ2戦の結果から評価しづらいが、まずは力を発揮してもらう事が先決で品定めはそれからが良い。

 

・12着:サークルオブライフ【9/8更新】

・前進気勢が弱くズブイくらいなので気性的な問題を見せる事はないだろう。

・末脚は安定していて終いは確実に伸びる。脚も長く、キレる脚も使えるのだから差し馬としては最強に近い。

・上がりの競馬やキレ味だけでどうにかなるようなレースよりは、タフな展開で他が苦しいところを一つ上の脚力で伸びて来る。

・マイルだと脚を使い切る前にゴールを迎えてしまうので距離は長い方が良い。

チューリップ賞で先行したら末脚の威力が失われたので以降は控える競馬で末脚全開のスタイルに戻し、それが定着している。

 

以上はオークスまでのカルテ。

 

気難しいところの無いこの馬がゲート内でイライラしていた程なので遅延の影響は大きかったと思われる。また、発馬後すぐにぶつけられて最後方まで下がってしまう。デムーロ騎手曰く、そこからは脚が出て行かなったとのことだから余程ダメな状態になっていたのだろう。反応もまるでなかったと言うから本調子になかったのは間違いない。後方から進めただけで直線に入るまで攻めた騎乗も出来ていない。オークスの調整は本当に上手くいっていて「覚醒した」「差し切れる」など厩舎も勝てると思っていたようだった。そのぐらいに出来ていたので残念でならない。参考外。結果的に春にした3戦は全敗。いずれも敗因ははっきりしているので仕切り直しの秋となる。が、国枝厩舎のトライアルなので勝ちに来る可能性は少ないと思われる。また、ここまで末脚勝負のレースを続けているので中山2000mへの対応も課題となる。内回りの1周条件を上手く立ち回れるだろうか。軌道力はある方だが、機敏に動ける感じは春までは無かったので気になるところ。コース形状から秋華賞への試金石として目途の立つ走りが出来ればいいのだが。

 

・14着:シーグラス【9/8更新】

・のんびりした馬でスタートしてから進んでいこうという気持ちが無い。ほとんどが後方馬群で最後方も度々。

・道中でその気になるのもレースによって様々で動き出しのタイミングもバラバラ。

・ヤル気になってからの脚はまぁまぁだが、速い脚は使えないので好走は上がりのかかるレースに限られている。35秒台で決まるようなレースでないとつらい。高速馬場ではさらに厳しい。

 

以上がオークス出走時のカルテ。

 

オークスは6F目から加速ラップとなったレース。そんなレースにこの馬の出番はない。ラストに速い脚が使えないので上がりが速すぎる。いつものように後ろから行って力尽きた先行馬を2頭交わしただけの14着。遅延の影響があったのかもしれないが、この馬の個性通りの結果になっているので力は出し切っているだろう。実に弱かった。登録したら使えたという程度で野心的な挑戦でもなかった。語るような話はない。結局、末脚だけで勝負を決めきれないのだから序盤の立ち振る舞いを劇的に改善しないと今後も厳しい戦いが続きそう。上がりがかかるレースが理想なので開幕週の馬場も歓迎できない。唯一注意すべきは丹内騎手への乗り替わり。2勝2着1回と馬券になった事が3度あるがそのすべてが同騎手によるもの。ヤル気になるタイミングがレースによって違うのだが、この騎手だけがしっかりと動かせていた。この馬のツボを心得ているのだと思う。前々走は最下位、前走が16頭立ての14着と近2走はケツからケツのレースだがこの鞍上ならもう少しましな競馬が出来そうだ。道悪にでもなればさらに良いところ。

 

・中止:サウンドビバーチェ【9/8更新】

・流れに乗れるセンスはあり、レース運びは上手い。好位、中位で運ぶタイプ。

・速い上がりを使えないようで決め手優秀と言う感じはない。勝負所でズブイ所もあ追って追って何とか間に合ったという場面も。だから上がりが速くならない道悪はかなり上手い。

・テンションの高い所があり、気難しい面があったが、チューリップ賞(4着)の頃にはそう言う面が薄れてきていた。

 

以上がオークス出走時までのカルテ。

 

GⅠに多大な迷惑をもたらした遅延加害馬。だが、他馬に蹴られた事がきっかけで放馬したのでこの馬だけを責められない。デビュー以来最高の出来に仕上がったと厩舎も盛り上がっていただけにやるせないところ。そのオークスは競走除外になっているのでチューリップ賞までの走りで再評価する。決め手に見どころの有るタイプではないので、程よい所から直線で一脚使って流れ込むと言うのがチューリップ賞までの好走パターン。この手のタイプに中山2000mは向いている。上がりが速くなるレースよりも凌ぎ合いのような我慢比べのレースが向いている。決め手の優位性が低くなるこの条件は悪くはない。ジャブジャブだった昨年の神戸新聞杯と同日の未勝利を勝ち上がっているので、道悪になれば浮上のきっかけとなるだろう。ちなみに二冠馬スターズオンアースを降ろされた石橋脩騎手は気性面の分だけスターズが上だが、能力的にこの2頭の力は差が無いと話していた。力は持っているようなので注意は必要そうである。なお、オークス出走時の話では輸送と距離は不安材料とされていた。気性面にネックがあるので、そのまま不安要素となっていたようだ。距離は短縮された2000mなのでオークスの条件よりは良くなるが、初輸送は気になる。当日の気配はチェックしておくべき。

 

 

 

▲以上がオークス組に出走していた馬になります。▼下記は夏の上がり馬等のオークス不出走馬になります。

 

 

・エコルフリューゲル【9/7更新】

 

2歳時の10月にデビューして半年規模の休養を挟んで4戦目で初勝利。勝利後も間隔を空けてつかっており、近走でようやく順調に使えるようになってきた。ここまで6戦を消化している。前走は出遅れたが基本的にゲートは悪くなく、発馬後のポジショニングも出来ている。序盤の立ち回りは上手い方。末脚も全戦で3位以内の上がりを記録している。にもかかわらず成績表の見た目が悪い。これは中盤から後半にかけての走りに大きな問題がある。躍動間の無い走りで、気合をつけながらの追走で前進気勢が弱い。基本的に追ってズブく、機動力の無い走りが着を悪くしている。バテることなく最後まで伸びて来るのだがそれもジワジワ。初勝利を上げた時は馬群一塊のレースだったのでこの馬の走りでも射程圏に入れる競馬が出来たのが、縦長の展開やラスト3Fが速くなるようなレースでは前との差を詰め切れない。安定的に上位を伺うような立ち回りが出ていないのでクラスが上がるほど苦しくなるタイプ。現状のままでは厳しい。ただ、厄介なのは6戦中5戦が道悪競馬。根本的な問題としてこれがダメと言う事であると、ここまでの成績は見た目の限りではない。唯一の良馬場走は0.9秒差の8着だったが、これは休み明で動ききれなかっただけとも考えられる。2戦目の方が良い馬でこの1例だけで良馬場の走りにケチをつけられない。良馬場で激変なんて事はないだろうか?その辺がちょっと怖い。

 

エバーハンティング【9/7更新】

・中山2000mで新馬勝ちしたが、展開にかなり恵まれており、減量騎手で2着馬よりも5kも軽かった。

・2走目で同条件のミモザ賞(8着)では中段から進めていたが勝負所でのマクりが弱い。機動力のある様な走りには見えない。

・ラストの脚は弱そうなので先行して脚を使い切るような競馬の方が良さそう。

 

上記がフローラSまでのカルテです。

 

フローラS11着。これまで通りゲートは普通に出ていたが、後方3番手の待機策となった。3~4角まで動かず直線勝負の決め打ち。上がりは3位を記録したがバテた先行馬を交わしただけで下から5番目で入線。開幕週のレースで前が止まらない状況だったので仕方ないが、控えて使えたその脚はレース上がりも上回れていない。2走前のミモザ賞と同じで後半に脚を使えるタイプではなさそうである。脚がないなら積極的な競馬に活路を求める方が良い。逃げ切りした新馬勝ちした時の様に。今回はその時と同条件だし、立ち回りで勝負して最後に一脚だけ使う競馬が理想であろう。ただ、前走、前々走ともスタートが鈍くなっており、ダッシュ力は弱くなっている。楽に先行態勢をとれないとちょっと厳しくなる。3ケ月振りのレースになるので大きく成長していないと検討のテーブルには上がらない。

 

・カヨウネンカ【9/8更新】

 

2歳8月にデビューして12戦目の前走で勝ちあがる。6月最終週の前走から2ケ月振りとなるがこれが今年の10走目。前との差を詰める脚がしっかりとしていて、最後は必ず伸びて来る。デビュー3戦目までは出遅れていたが、スタートが改善され5分に出れるようになってからはひたすら2着。アヤみたいなもので負けた事も少なく、強い馬が必ずいたので勝ち運に恵まれていなかったという感じ。立ち回りは上手く、道中で動いていける自在性、勝負所でマクれる機動力など競馬は上手い。大外一気もあれば狭い馬群を縫い分けて上がってくる事もあった。後方からでも先団につけてでも対応出来ており、良馬場でも道悪でも力を発揮。距離は1400~1800mと使い勝ちあがるために試行錯誤していた感。中山、府中と適性の違うコースで走りを安定させている。万能性の高い馬でどんな条件でも持てる力は確実に使う事が出来る。戦績以上に良い印象を受ける。自己条件なら直ぐに勝てるだろう。ただ、紫苑Sの条件は初めてのコーナ4つのコースに、初めての2000mとさすがにこれまでと条件が違い過ぎるので強気には推せない。器用な走りもするので1周コースは攻略できると思うが、2000mはちょっと長いような気もする。そのキャリアから人気が無いなら穴の魅力はあるので印に余裕があれば。人気以上には走ると思う。

 

・コルベイユ【9/8更新】

・スタートの上手い馬だが短距離だと他も速いので行ききれない。中距離ぐらいで楽に先手を取れる距離が良さそう。

・未勝利戦で負かした2~4着馬はまだ勝ちあがる事が出来ず、相手に恵まれていた可能性も。

 

以上がフラワーC出走時のカルテ。

 

フラワーCでも先手は楽に取れた。やはりスタートセンスは抜群に良い。極端に遅いペースではないが、単騎で行けているので苦しい展開でもない。その割に派手に負けた。直線を向くまでは手応えもあったのだが一気に失速して見る見る着を落として10着。直線の止まり方は異常で逆噴射と言って良い。ペースや直線を向いた時の手応えからすると不自然な負け方。坂で馬が競馬を止めてしまったような感じ。未勝利勝ちが小倉、前走の1勝クラス勝ちが函館と共に平坦コースであることは偶然ではなかもしれない。フラワーC後に3ケ月の休養を挟み、特別戦で2勝目。フラワーCと同様の立ち回りだったが今度は最後まで伸びて粘り切れた。馬自身が成長していたのかもしれないし、52kの軽量が良かったのかもしれない。ただ、この好走はフラワーCの敗因を逆説的に証明しているような気がする。中山戻りで大丈夫だろうか?強調出来る材料はあまりなく、不安材料の方が目に付くので狙いづらい。ゲートが開いた瞬間に飛び出せるのでその瞬間に1~2馬身の差を作れる。展開のカギを握るのはこの馬になりそう。開幕週の恩恵を受けれるのでそれでどこまで?

 

・サンカルパ【9/9更新】

 

中距離馬としては前向きすぎるようで道中はなだめながらになる。それがラストの伸びに影響を及ぼすのか決め手負けするケースが目につく。その気性を考慮してなのか1度マイルを試している。気性的には合っていたが今度はマイラー特有の切れ味不足を露呈してさらに厳しい感じで負けた。中距離戦でもマイルでも決め手の無さは変わらない。反面、馬の行く気に負けせて逃げ切った2走前の内容が良かった。最初と最後のハロンだけ12秒台で他はオール11秒台のタイトなラップを刻んで逃げて後続を完封した。4馬身差の圧勝で力を全開すればこうも強いかと言う印象である。3歳牝馬の限定戦だったので相手は弱かったかもしれないが、現状はこういう競馬の方が良いように思う。開幕週の馬場の恩恵もあるし思い切って運べれば今度も3歳牝馬の限定戦なので悪くないんのではなかろうか?なお、未勝利勝ちは道悪競馬の消耗戦で決め手勝負を回避出来ての勝利だった。このような体力勝負も悪くない感じである。バテ負けした事は1度も無いので我慢比べは強い方だろう。同型が多いので積極的に行くのは怖いところもあるが、決め手優秀なGⅠ級が複数いるのでタメたところで追い負け必死。積極的な競馬で脚を使い切る競馬をした方が着に入る可能性は高い。

 

・ロジレット【9/9更新】

 

2歳10月にデビューして3着、1着と早い段階で勝ちあがった。が、次走は3歳の6月で7ケ月も休養しており、クラシックとは無縁のまま秋を迎えた。2歳時は行儀良いレース振りだったが、長期休養の影響で復帰後2戦で良い所が無かった。安定して先行出来る馬だが、2走前に出負けした事がきっかけで控える競馬を初めて経験する。後方から詰め切れなかったが上がり最速を初めて記録した。これで馬が脚の使い方を覚えた印象で、前走は先行ポジションから2位の上がりを記録して勝ちきった。こういう競馬が出来れば上のクラスでも通用するし、3歳馬の限定戦ならそこそこやれるかもしれない。ただ、ここまでの成績にインパクトはなく、相手なりにそこそこと言うタイプに見える。脚が使えるようになったとはいえ、強烈な末脚を発揮している訳でもない。このぐらいの脚を使える馬は今回のメンバーには何頭もいるので強調するまででもない。一気に相手が強化するのでどこまで対応出来るだろうか?悪い馬でないのは分かるが、積極的に推せる材料などは見当たらない。

 

・予想のようなもの

 

こんにちは。

 

あいにく、この投稿までの芝レースは2歳の新馬と未勝利の2Rだけなので、時計的な価値や馬場傾向を測りかねるので本当のとこではまだ未知数です。

 

良馬場発表ですが中山競馬場周辺の週中は木曜日までに雨が降っていたので水分はそれなりに含んでいるかもしれません。ダートの方では稍重スタートになっています。

 

その経過で芝のクッション値は金曜朝が9.0、土曜朝が9.2。ずっと晴れていた訳ではない状況でこの数値は堅いと思います。本日は朝から快晴なので芝はもっと硬化していくと考えていいと思います。

 

時計は速くなり、イン前有利になるだろうと想定して予想しています。

 

先行馬で狙うなら④ニシノラブウインクと⑩サンカルパの2頭が良いでしょう。今回における厩舎評もカルテとほぼ同じでしたので私としては攻めた印を回す事が出来ました。どちらも開幕日の馬場の恩恵を受ける事が出来るので2頭とも消えるという事は考えていません。2勝馬の⑩カルパは当然ですが、④ニシノも賞金的に安泰と言う金額でもないので権利を確定させたいみたいです。この2頭のダブル本命(◎)で。

 

⑫スタニングローズは順当に対抗評価の〇で。9分くらいには出来ているようです。大外枠もこの頭数なら気にしすぎる必要はないと考えます。オークス2着はフロックではないので力で圧勝のシーンもあると思います。

 

ただ、前に行きたい馬が多い上、◎2頭も強気に行くようなので前掛かりなレースにはなるでしょう。差し勢力の突っ込みもそれなりに警戒しておきたい。末脚自慢の②サークルオブライフと⑧ライラックの2頭を▲にしておきましょう。なお、国枝厩舎の②サークルはやはり本調子ではなく泣きが入っているのですが、同じ感じだったカレンブーケドールはいつも2着でした。この厩舎の泣きは信用できないので軽視しない方がよいかと。

 

印に余裕があったので⑦カヨウネンカと権利を取りたい⑪サウンドビバーチェの2頭まで押さえます。

 

買い方は◎〇3頭の馬連、ワイドを箱で3点づつ。◎2頭から▲2頭へ馬連・ワイドを2点づつの4点。

 

3連複は◎◎〇-◎◎〇-◎◎〇▲△のフォーメション13点で、以上の合計22点。

 

今週の投稿はこれだけなのでおまけ予想はありません。でも、1頭づつ選ぶとしたらセントウルSは⑤メイケイエールで大丈夫そうですね。京王杯AHの方は穴で④シャーレイポピーを。52k、馬場の恩恵を受けれる枠と脚質もいい感じです。この馬はJP産駒最初のGⅠ馬トールポピーの孫娘になります。

 

もし可能であればこの2頭のワイド1点で勝負したいですね。違うレースのクロス馬券とかあったら面白いんだけどなぁ。