競走馬カルテ

2・3歳重賞の出走馬を分析・記録していくブログです。

新潟2歳ステークス(GⅢ) 出走馬カルテ

 

こんにちは。

 

夏の2歳ステークスは函館、新潟、札幌、小倉と4レースあるのですが、この中で最も当てやすいのがこの新潟2歳Sです。

 

左回りで直線の長い新潟競馬場は府中競馬場と同じように有力馬が力を発揮しやすい舞台で素質馬の参戦も珍しくありません。なので、1番人気の成績はよく、近4年は全て連対していて、その傾向は強まっています。

 

また、上がり最速馬【7・2・1・0】が過去10年で全て馬券になっている点も秋の府中2歳重賞と類似している点でしょう。新潟2歳Sもラスト3Fの脚比べになりやすいのが特徴です。予想は決め手に重視が良いでしょう。

 

2週前から準備しているのでまだ出走メンバー全てを把握していないのですが、その点も分析していきたいと思います。レース前日の土曜日までには更新を完了する予定です。

 

・アイスグリーン

 

阪神マイル戦でデビューして5着。ゲートやポジショニング、立ち回り等に問題はなく競馬センスはある方である。ただ、仕上げの問題かもしれないが全体的に動けていない印象。騎手の指示には反応していたが上がりの速いラストで置かれてしまう。これは仕上げの問題かもしれないが、ズブい感じが目についた。こんな初戦なので延長した1800m戦で勝ちあがったのは説得力がある。スピードや瞬発力の必要性が薄まった条件が良かったように思う。この2戦目は2歳戦にしては流れた展開で持続力の必要なレースで内容は悪くない。地力はある方だと思われる。ただ、まだ走らさられているという感じで自主性と言うか自ら進んで行く感じが薄い。瞬時にビュっと加速出来る感じも無い。まだ馬が競馬を理解していない感じ。忙しい距離のレースは現状は適していないように思う。3走目なので素軽いところを見せてくれないとマイルの距離で重い印は回しづらい。さらに上積んで欲しいところ。

 

・グラニット

 

府中マイル3着→福島1800m1着。前走は逃げ切り勝ちだった。発馬の上手な馬だがマイルではゴリゴリ押してようやく3番手と言う感じで忙しい印象。方や、1800m戦だった前走ではポンと出て楽にハナに立てていた。距離を短縮し、再びのマイルで楽に先行出来るかどうか?使っている事で馬も動けるようになっている可能性はあるので、この辺の見極めは難しい。いずれにしても安定した先行力は現状評価出来るのでレースの流れには乗って来るであろう。騎手の指示にもちゃんと反応しているので操縦性も悪くない。レースではちゃんと動いてくれそうだ。後はどれだけ地力があるかによる。あいにく勝ちあがった前走からは地力を保証出来るものはない。3馬身差の圧勝であるが、63.2秒でペースは遅く、少頭数で微妙な感じもある。2戦ともラスト1Fの失速は小さくないのは感心できないところ。現状では並の評価で妥当であると思う。

 

・サイモンオリーブ【回避】

 

デビューは府中マイル戦で10番人気で3着に好走。発馬が良いのでポンと2・3番手に。2歳新馬としては流れは速く、その上ラストの失速率も小さい。タイトな持続戦を前付けして辛抱した内容は好感もてる。ただワンペースの走りをする馬でバテずに最後までジワジワと伸びる感じ。マイル戦で決め手負けした感じなのだろう。ので、2戦目は1400mに短縮して逃げ切った。相変わらずスタートはよく楽に前に付けている。2・3番手から徐々にハナへと言う運び方。逃げていた馬がペースを落とそうとしたところで引かず強気にハナを奪う。よって、序盤からペースが緩むことはなく34.6-58.3のハイペ。この時期の2歳戦としてはキツイ流れでそれを押し通すのだからエライ。直線では2番手の馬に早々に並びかけられるが抜かせず、今回もジワジワと伸びて逆に突き放した。持続性能は高く評価出来る。が、緩急のある走りはこの2戦で見受ける事が出来ず、それが初戦の敗因にもなっている。決め手の要求度が高いマイル戦は1F長い感じを受ける。

 

・シーウィザード

 

函館1800mを新馬勝ち。逃げ切りだった。中間に13秒台を3連発した超スロー。上がりの競馬に持ち込んで後続を完封と言うレース。2着だった1番人気が大事に乗り過ぎた感じも強い。展開などいろいろ恵まれた印象。ただ、瞬時にトップスピードに乗れる馬であるようで行き脚がついてからのスピード感が良い。スタートは出遅れて一番後ろだった馬が二の脚を利かせてハナを奪うまでのスピードはなかなかだ。勝負所の7F目でも13.5秒→12.2秒と一気に加速している。瞬発力は相当に高いと考えられる。ラスト3Fも最後に0.1秒失速しただけでほぼ加速ラップで直線は完全に抜け出していた。猛追した1番人気には半馬身差まで詰められていたが、それ以外はこの馬の急激なペースアップに対応出来ずに置かれていて3着馬は5馬身も千切れていた。逃げていたので分かりずらいが決め手は優秀そうである。持続戦や高速馬場への対応等は未知だがその瞬発力は侮れない。

 

・タマモブラックタイ

 

小倉1200mを新馬勝ち。発馬を決めて徐々にスピードに乗せていき、2番手3番手と番手を上げて直線では楽に並びかけ抜け出した。レース運びは良く、新馬戦の内容としては悪くない。稍重で1:09.0の勝ち時計も合格点である。ただ、小倉2歳Sなら期待したくもなるが、マイルの新潟2歳Sでどうなんだろうか?その辺は何とも言えない。なお、この時1番人気でクビ差の2着だったネイキッド騎乗の川田騎手曰く斤量差で負けたようなモノと話ている。アンチャン騎乗の3k減が恵まれていた可能性はあるのだろう。レース内容は良かったが定量重賞になるので過信禁物。ちなみにこのネイキッドが次戦(新潟1400m)でここ出走のサイモンオリーブに同じクビ差で負けている。

 

・チカポコ

 

福島1200mを新馬勝ち。良いスタートを切って先行ポジション。が、この距離を使っていた割には前進気勢が強くなく、徐々に置かれ始めて先行集団と距離を取った追走となった。勝負所から手を動かしながら前に取り付き始めるがグーンと捲るような動きにはならなかった。直線では馬群を割って伸びて来たが、追って追ってようやく差し切ったという内容。ラップ、ペースはかなり遅いのでこのペースでもついて行くのがやっとと言う内容はあまり感心出来ない。が、この距離が忙しかったという解釈の方がピンと来る。むしろズブイ競馬で良く勝ったと考えれば力があるのではないか?とも思える。発馬の良さ、ポジショニング、折り合いや操縦性などは良かったので、距離延長でパフォーマンスを上げて来る感触はある。2戦目の上積み、変わり身といった所になるが、力拮抗の組み合わせならダメと言い切れるまでは出来ない。

 

・ウインオーディン【8/25更新】

 

新潟1800mを2戦して5着→1着。初戦は新馬戦らしいドスロー。1000mを65.9秒で通過し7.6秒も後傾。このレースの上がり最速は2頭いて32.4秒、次位の上がり3位は4頭もいて32.5秒でこれはそのままレース上がりでもある。この馬の上がりも32.5秒であり、他馬と同じ脚を使ったに過ぎない。他と比べてこの馬だけが良い脚を使った訳ではなかった。ゲートをもっさりでて他馬よりポジション修正で脚を使ってしまった。着が悪かったのはそのため。次戦は稍重だったので0.1秒しか時計を詰めていない。馬場差を考えればこんなものか?ペースも1秒程速くなったぐらいで基本的にスローの競馬。中身は初戦とほぼ同じ。発馬は五分に決まっておりそこから中団に控える競馬。レース運びは初戦から改善されている。まだ力んで走っている感じはあるが折り合い面や仕掛けてからの反応は及第点。直線入り口では後方3番手。展開的には前が止まらないもの。これを最速上がりで差し切った。飛び抜けた上がりを記録した訳ではないのだが、位置取りを考えれば脚力で圧倒したことになるので評価してよい。稍重でも33.1秒と速い上がりは使えていて、末脚の速さは確実であるようだ。当レースとの親和性は高そうである。1Fの短縮に対応出来ればやれそう。なお、ここは連闘になる。

 

・キタウイング【8/25更新】

 

福島1200mでデビューして4着。出負けしたスタートで後方から。かつ、ペースが速かったので前とはかなり差が開いてしまった。ただ、行き脚ついてからのスピード感は良かったので悪い印象にはならない。ハイペの消耗戦となり展開が向いて4着に浮上出来たと言うのはあるだろうが、スタートからほぼ追い通しで6Fを全力疾走した感じ。それでも脚を余した感があり、脚が長い印象を受けた。中6週で新潟マイルを使い勝ち上がる。発馬は五分だったが出たなりで追走したら最後方だった。生来的に前進気勢の弱い馬なのかもしれない。その分折り合いに不安な点は見られない。36.8-62.3の前有利な展開を差し切った。直線では2番手を行っていた圧倒的1番人気(1.3倍)とマッチレース。なかなか交わせなかったが追って追ってハナだけ前に出る。最後は2着馬が根負けした感じで根性のある差し脚だった。やっぱり使える脚が長い。道中の位置取りを踏まえると強い競馬。3着馬は5馬身と千切れており力上位を印象付ける。稍重で33.4秒の切れ味も素晴らしいが次位を0.7秒も上回る脚力は優秀であろう。序盤はズブさもある現状だがちゃんと動けているので最後は脚を使ってくれそうだ。なお、ここは連闘になる。

 

・スタンレー【8/26更新】

 

笠松でデビューして2戦2勝。馬主はトーセンの島川氏。生産もケイティFで馬主の自家生産馬。前走後にJRAに転入している。1戦目は5頭立ての800mを7馬身差で圧勝。2戦目は8立ての1400mを大差(2.4秒差)で超圧勝。いずれも短距離戦でつけられる着差ではない。よほどスピードに違いがあったのであろう。馬場の特性は分からないし、公式ラップも公表されていないため精密な分析は出来ないが力が違うという内容は示していた。スタートは速くないが行き脚がついてからのスピード感は感じる。前走はノーステッキでの圧勝。短距離は忙しい印象がするので1600mがマイナスにはならないと思う。圧勝の連続は相手が弱かったからだが、中央でも条件戦ぐらいなら上位の部類に入る様な気もする。正直何とも言えないが北海道や九州の2歳OPに出てくるレベルの地方馬ではないだろう。プロフィールからも中央馬として扱っておいた方がよさそうだ。期待出来るような根拠はないが、悪い印象もない。判断は難しいのでこれは情報戦になる。

 

・バグラダス【8/26更新】

 

福島ダート1150mを新馬勝ち。逃げ切りだったが何頭かの雁行状態で行っていたので楽な逃げではなかった。消耗しながらのレースでしんどいレースであったように思う。このレースは1~3着馬が抜けていたレースで勝負所ではこの3頭が後続を千切っていた。能力が抜けていたか、仕上げが良かったかのどちらかと言う感じ。ただ、2着馬は次走で2着だったし、3着馬は次走で3着と着を上げれていないところを見ると後者であったように思う。地力の高さを保証出来る根拠はない。時計は標準級なので本馬を低く評価する必要はないが、芝のマイル重賞で優遇するような材料は見いだせない。芝スタートでダッシュはついていたので芝はこなすのかもしれないが。

 

・ピンクジン

 

新馬3着、未勝利2着と使って勝ちあがれないままOPのダリア賞に格上挑戦して7着。今回も未勝利のままの挑戦となる。ただ、2戦目は前の馬がいて進路がなく下がるロス。勝負所でも同じ馬が邪魔になって追い出しが遅れる。スムーズに立ち回れていたら勝ち負けだったかも。しかし、格上挑戦のダリア賞で大敗しているように1勝馬相手では明らかにレベル落ち。そもそも新馬未勝利と2k減のアンチャン騎乗で好走したところはあるので同斤を相手にすると力差が如実になる。初戦が3位、2戦目が最速と0勝クラスでは上位の末脚を使えていたがOPでは6位と遅くなった。出走馬のレベルが上がったことでで末脚の威力も相対的に低下した。このクラスで通用する脚力は持っていないように思う。伸び方もジワジワしたものでキレる脚は使えていない。バテずに伸びては来るので道悪や上がりのかかる展開の方が良いであろう。が、それは新潟2歳Sでは望み薄。天候が悪化した時に気を付ければいいのではないか?

 

・リバティアイランド【回避】

 

出れば楽勝だったのに。回避して次走未定。

 

・ロードディフィート

 

同じ条件(府中1400m)を2戦して新馬戦2着、未勝利1着。どちらも良馬場だった。通過タイムと走破タイムを比べると、36.4-59.7=1.23.0→35.9-59.6=1.22.9とレースの中身にほとんど違いが無い。時計は0.1秒しか詰まっていない。通過番手もどちらも②②と2番手からの早めの競馬でレース運びにも変化がない。同じようなレースを2度したようなもの。1度使った事で得られる上積み・変わり身が全くと言って良い程に無い。変化があったのはスタートが良くなっていたぐらい。結果、楽に先行態勢を取れた事が勝因になったように思う。走りの内容・質にこれだけ変化が無いと疑問が残る。ここは2ケ月ぶりになるので大きな変化を見せて欲しい。1400m戦らしくワンペースな走りをする。2戦とも前の馬を交わすのに手間取っている感じで、直線でグンと加速するようなところはない。内容的には標準的なのであまり悪くは言えないがキレ脚勝負になるとどうだろうか?

 

 

・予想のようなもの【更新完了】

 

こんにちは。

 

凄い期待していた新潟2歳Sでしたが蓋を開けてみたらなんじゃこりゃ?と言うレースになってしまいました。新馬戦で31.4秒というトンデモない上がりを記録したリバティアイランドが出走予定だったので相手探しの1戦だと思っていたからです。そう考えたのは私だけでなくノーザンFサイドもリバティを避けてよそに回ったり、放牧に出したりと有力馬の出走を見合せています。

 

が、そのリバティ自身が成長を促すためとかで回避してしいました。管理している中内田調教師(当レース3勝)ももうお腹いっぱいだから見たいな事を言って出走に拘らりませんでした。

 

よって、このような手薄な出走メンバーになってしまったのです。近年で最も低レベルな2歳重賞になっているような気がしています。こんな経緯なので唯一出走しているノーザンF生産馬アイスグリーンも絶対的な存在になりえません。力関係もまだ判然としていませんし、こんなレースは非社台生産馬を積極的に狙っていいのではないでしょうか?私は⑦キタウイング⑧シーウィザード⑨ウインオーディンの3頭を狙うことにしました。

 

新潟競馬場稍重で時計がかかっているので、32~33秒の究極的なキレ味は今回必用ないでしょう。でも、キレる必要がなくても直線の脚比べと言う本質までは変わらないと思います。狙うのはあくまで決め手が秀でたそう言う馬だと思います。

 

⑦キタ⑨オーディンの2頭は連闘ですが先週の新潟で稍重でもキレていました。⑧シーウィも洋芝の北海道で瞬発力がありそうな走りを見せています。本日の馬場コンディションでも良い脚が使えるのが分かっているのですから積極的な評価をしていい3頭だと思いました。

 

ただ、力関係が判然としていないというのも変わりませんから、序列をつけずにこの3頭で◎〇▲と言う認識に留めておこうと思います。ひとまずこの3頭の馬連・ワイドを箱で3点づつ。これを本線にしようと思います。

 

△は②ロードディフィート③グラニット④スタンレー⑥タマモブラックタイ⑩アイスグリーンの5頭。これらも「このメンバーなら」と言う感触は持っているようです。

 

△の中では⑥タマモは説明しておいた方が良いでしょう。小倉1200mで良い勝ち方をしたのに小倉2歳Sではなく新潟2歳Sに回って来ました。新馬戦は血統的な理由で1200mを使いましたが、厩舎評ではトビが大きく、走りのピッチもゆったりしているので1200mの馬ではないと考えています。確かに前走は忙しそうでした。厩舎では2000mぐらいまで視野に入れているそうですからマイル戦なら問題はなさそうです。小倉1200mの勝ち馬だからと人気を落としているなら買っておきたい1頭です。

 

これらの△は3連複の相手までにして◎〇▲-◎〇▲-◎〇▲△で16点です。本線と併せて合計で22点となりました。

 

新潟2歳Sの予想案は以上です。

 

そして、今週も裏に力を入れているスプリント重賞があります。おまけでやっておきましょう。先週の北九州記念は4着で悔しい思いをしましたがいい所はついていたと思います。くじけず、懲りずに今週もちょっとだけ。

 

札幌のキーンランドC。土曜の競馬を終えて厩舎のトーンが上がっているところが何件かあります。開催後半になり外差し傾向が強まったことで枠や脚質などから「ウチの馬向き」と馬場に恩恵ありという厩舎が目につきます。主力はGⅡのセントウルSに回ったり、先週の北九州記念に出走済みなどでここは手薄で差の無い組み合わせ。何らかの恩恵があるならそう言う馬を優遇させておくのが得策かな?と考えました。

 

この馬場傾向を最も喜んでいるのが⑯トウシンマカオ陣営です。この馬の力を出し切るのにこれ以上のものはないと盛り上がっているようです。また、春まで騎乗していた戸崎騎手からは「坂が・・・」と言うコメントも出ていたので平坦コースもプラスになるでしょう。そして、3歳の軽斤量も悪くありません。結局古馬に通用しているのはこの路線だけななので斤量の恩恵はより大きいと言えそうです。この距離は初になるので置かれてモマれてなんてことも考えられたのですが大外枠ならその不安は消えますからこれを◎としました。

 

他では当レース1・2着の巧者⑭エイティーンガール、前走届きそうにないところから差し切った⑩ロードマックスなんかも外差し馬場が有利でトーンの上がっている陣営です。〇エイティーン、▲マックスとしようと思います。

 

また、サマーシリーズの一環ですから②ビリーバーの勝負意欲も低くなく、脚質的にも合致した馬です。勝てば優勝の可能性がある⑨ジュビリーヘッドもシリーズ制覇を意識。やや先行タイプですが控えた競馬にも対応可能でこの枠も悪くありません。この2頭を△としまておきます。

 

ただ、馬券になりそうな馬は他にもいるので買いすぎ注意で行きたいところです。◎の単複2点、◎〇▲の馬連を箱で3点、◎から〇▲△へワイド4点の合計9点で。