競走馬カルテ

2・3歳重賞の出走馬を分析・記録していくブログです。

札幌記念(GⅡ) 出走馬カルテ

 

こんにちは。

 

9歳となりまだ現役を続けているダービー馬マカヒキを含めるとGⅠ馬は5頭。メンツは揃いましたね。

 

また、ジャックドールとパンサラッサの激突も見どころの一つ。ジャックが4連勝でOPに昇格し、パンサが中山記念を勝った頃、サークル内では早くから「この2頭が対戦したらどうなるんだろう?」と言う話題が出始めていました。逃げ争い、行くのはどっちだ?

 

他にも金子真人HDの4頭出しなど話題に事欠かなそうな今年の札幌記念。夏の大一番として盛り上がりそうです。

 

さて、このブログは2・3歳戦に力を入れていてこのカテゴリーは全頭紹介の形式で進めて行こうと考えているのですが、古馬戦に関しては有力馬数頭を扱うに留めようと思っています。札幌記念は人気所、注目所をチョイスして取り上げようと思います。

 

現時点では以下の馬を扱う予定でいます。注意すべき馬がいれば追加していきます。レースは21日の日曜日ですので、徐々に更新していき土曜日までに更新を完了するつもりです。

 

・ソダシ

 

ヴィクトリアMを予想するにあたり、前週に行われたNHKマイルCとよく比較されます。走破タイムが必ずヴィクトリアMの方が速くなるのでNHKマイルCのそれと比較して今年はどのくらいの時計になるかを推し測るためです。しかし、レース後の検証をしている記事を私は見たことがありません。今年はどうだったのでしょうか?結果は今年もヴィクトリアMの方が速かったのですが、そのタイム差はわずか0.1秒に過ぎません。これはかなり物足りないと言って良いでしょう。過去10年で両レースとも良馬場だったのは9回ありました。今年のタイム差0.1秒はこれらの中で最低のタイム差です。だいたい0.5~1.0秒以上は差がつくのが普通なので今年の走破時計では威張れません。3歳世代が飛び抜けていた可能性もあるのですが、3歳GⅠと同等レベルの評価はあまり感心出来ないところ。評価微妙としておきます。

 

ソダシは昨年の覇者で今年は連覇を目指すことになります。昨年の優勝以降GⅠばかりを4走しています。昨秋こそ大敗が続きましたが、今年に入っての2走は3着、1着と復調を印象付けました。どうも気性的な変化があったようで馬が落ち着いてきたという話を良く耳にしました。昨秋の大敗2戦が気性難が原因とされていますので気性の変化が好走の要因と言えるかもしれません。

 

また、チャンピオンズC後に挑んだフェブラリーS出走の際に距離が短縮する事、ワンターンで走れる事はこの馬にはプラスであるという事も話しています。確かに近2走の好走はどちらも府中のマイルGⅠです。この条件がこの馬のベストである可能性は高そうで、気性難持ちの本場が最もリズム良く走れる条件なのかもしれません。

 

だとすると、コーナー4つのコース、距離延長と適性条件から乖離してくる札幌記念は本質的にどうなんでしょうか?昨年勝っているとは言えは3歳馬で52kだった事は大きかったでしょう。斤量の恩恵がなくなる古馬戦では本質的な適性が求められるものです。昨年は後のブリダーズC馬を押さえての優勝でしたが、恩恵の無くなる今年も昨年並みのパフォーマンスを発揮するのでしょうか?また、昨年はモマれずにリズム良く先行出来たことも勝因と言えますが、今年はジャック・パンサといったハイペで行ける逃げ専がいます。昨年の様なレース運びはやっぱり難しいでしょう。

 

気性の成長、滞在効果などこの馬に有利な点もまだあるので有力馬の1頭で良いと思うのですが、頭からドカンと行けるような条件、状況ではないかもしれません。

 

 

・ジャックドール【8/17更新】

 

5連勝の勢いで挑んだGⅠ大阪杯。このレースで何が何でも行きたいと逃げ宣言をしていたのは実はアフリカンゴールド。そのアフリカンがあいにく15番枠だったのでハナはジャックが死守しました。が、押して押してアフリカンが外から飛んで来たのでジャックもそれに付き合うはめになり、2F目は10.3秒と中距離としてはかなり速いラップを踏むことになりました。結果的にこの序盤の争いが結果に影響したのでしょう。後述しますが1000m通過58.8秒はこの馬には速く、終いの粘りが欠けました。低グレードのレースならそれでも粘るのでしょうが頂上決戦のGⅠでは致命傷となりました。

 

なお、5連勝が左回りだったので右回りが懸念されましたが、レース前の話ではその可能性は低いだろうと思われます。厩舎では2000mと言う距離に拘りはあっても回りの左右は特に意識していなかったようです。鞍上サイドも内回り条件が脚質的に向いていると考えていて、右回りを特に意識する風はありませんでした。その言の通りなれば札幌2000mもやれる条件となります。むしろ直線平坦になるので大阪杯よりも粘りが増してくるかもしれません。

 

5連勝時はスローに分類されるレースばかりでしたがOPに昇格してからは59秒前半で逃げていますので、かったるいペースのタメ逃げタイプではありません。若干速いぐらいのペースで行ける馬です。それでもスローに分類されるのは後半に加速して後傾ラップを踏んでいるからです。レコードを記録した金鯱賞では59.3秒→57.9秒でまとめています。この内容なら逃げ馬として強いと評価しておく必要があります。サークル内では差せる逃げ馬みたいな感じで言われています。速いペースで行ってもバテるような馬ではないという事です。

 

ただ、上記の事から大阪杯がジャックにはオーバーペースであったことが理解できると思います。初GⅠが5着なら立派な成績でしたが、これではさすがに。もう少しジャック自身のペースで行ければ良いのですが。しかしながら、不幸なことに今のGⅠ戦線には同型のタレントが非常に充実しています。タイトルホルダーの様な強い逃げ馬、パンサラッサのような個性的な逃げ馬など。これらと競合していかなくてはいけないジャックは生まれた時代が悪かったかもしれません。2・3番手でも強い競馬が出来るように変わって行く方が今後のタメになりますね。昔は番手の競馬から好走していますから、自在性のある先行馬にシフトしていく必要に今後迫られてくるでしょう。

 

スタートがとにかく上手いのでそれだけ1・2馬身のリードが楽に取れてしまえます。発馬後の2・3完歩ならパンサよりは上でしょう。そこからどう乗るのか?が今回の課題となります。譲らないのか、譲るのか?ここが今年の最大の焦点になり、レースの流れを決定付けるところです。この中間の話ではハナにはこだわらないような発言も既に出ていますので控える競馬は既に視野に入っているようです。逃げならが差すと形容されるように先行して終いに良い脚を使う事は可能なので、これが上手く行けば。逃げ一辺倒から脱却し、脚質転換が成功すれば秋競馬の主役を担う存在にまで昇華出来るかもしれません。

 

・パンサラッサ【8/18更新】

 

パンサが宝塚記念で作ったペースは33.9秒-57.6秒と超速く、いうまでもなく宝塚記念史上最速ペースです。その逃げっぷりから往年の逃げ馬とよく比較されますが、98年の勝ち馬サイレンススズカと比較したらどうでしょうか?サイレンスは34.6秒-58.6秒でしたので今年は1.0秒も速かったことになります。史上最強の逃げ馬と呼ばれるサイレンスと比較することでパンサのペースが如何に速いかが知れます。宝塚記念だけでなくどんなレースでも57秒台で逃げるのがこの馬の特徴と言っていいでしょう。パンサは中山記念が57.6秒、福島記念も57.3秒ととにかく57秒台で行くのがこの馬の基本です。上述したジャックドールと比較してもかなり速い。超速ペースで行くのがこの馬のスタイルです。

 

このように、驚異的な粘りを武器に後続を疲弊させる消耗戦を作り出します。地力の弱い馬ではついて行くだけで精一杯となるでしょう。また、同型に競りかけられてもへっちゃらでパンサがバテる事はありせん。福島記念ではコントラチェックに、中山記念ではトーラスジェミニに絡まれるのですがそれでも引かないし怯みません。競り込まれてもパンサが疲弊することは無く、いつも絡んだ方が潰れています。

 

ただ、ロケットスタートを決めるような発馬の速さはなく、宝塚記念もタイトルホルダーの方がゲートは速かったぐらいです。この時に限らずレースはいつもそんな感じでゴリ押ししてハナを強引に奪う序盤の入り方をしています。もっとポンとダッシュが付くならより強い馬になれると思うのですが。

 

とにかく、逃げ馬としてキャラが際立っています。強力な同型がいたところでパンサが手控える事はまず考えられません。今回もハナを取るのはこちらでしょうし、展開のカギを握ります。

 

ですが、こういった全力疾走の競馬には限界があって強引な逃げが通用するのも2000mまで。それを超えるとさすがに粘りが失われるようです。宝塚記念は参戦こそしましたが2200mは陣営も厳しいと考えていて、距離の壁をはっきりと認識していました。なので勝ちを意識した参戦ではなく、自分の競馬をしてどこまで頑張れるか?と言うような控えめな姿勢で宝塚記念に挑んでいます。実際、4コーナーではタイトルホルダーに持ったまま並びかけられて失速。それだけならまだしもいつものような粘りも見られず馬群に飲み込まれて行きました。このように距離こそが前走の敗因です。この敗戦だけで見限る事は出来ません。札幌記念の2000mなら見直しの必要があるでしょう。

 

しかしながら、その2000mですらちょっと長いかもしれません。パンサが本当に強いのは1800mなのではないでしょうか?勝利を手にしたGⅠもGⅡも1800mでしたし、この距離なら本格化前のラジNIKE(GⅢ)でも2着があります。逆に、2000mとなると福島記念の勝利がありますがローカルGⅢで相手は弱く、スーパーGⅡでその再現を期待するにはレースの質に違いがあります。1800mならスピードで圧倒してしまうシーンも想像できるのですが、1F長いと何かに追いつかれるかもしれません。2・3着の相手評価までが妥当なところでしょうか?

 

なお、これは私見ですが。1000mを57秒台で逃げるような馬は数年に1頭ぐらいの確立で存在します。古くはツインターボ、最近ですとマルターズアポジーなどがそうでしょう。ですが、これらの馬の晩年はみじめなものです。タイムトライアルのような全力疾走ばかりするのですから馬が痛むのも早いのだと思います。どの馬もピークは短かった印象です。競走生活の後半は大逃げを演じるまではするのですが、失速するのが速く粘り気が無くなっています。つまり、この手のタイプは見切りのタイミングが重要です。この先何年も警戒していく事はないと思われます。それが今回とは限らないのですが、今後注意しながら付き合っていきたいところです。

 

・グローリーヴェイズ【8/18更新】

 

この馬が出走していたドバイシーマCにはシャフリヤール、オーソリティ、ユーバーレーベン、グローリーヴェイズ、ステラヴェローチェと5頭の日本馬が出走していました。逃げてペースを作ったオーソ、そのペースに乗じて勝ったシャフリ以外の3陣営が揃って口にしたのがペースが遅すぎたという嘆き。公式なラップが発表されていないので正確には分からないのですが、動画で確認したところ1000mを64~65秒ぐらいで通過しています。これはさすがに遅いですね。上がりの競馬になっていたのでしょう。この流れならフロントポジションで競馬をしていた馬が有利になります。次に触れるユーバーなんかもそうですが、脚を余して負けた組が多かったようです。とりわけこのグローリーは消耗戦などタフなレースで強い馬なので上がりの競馬に対応出来なかったのだと思われます。8着と着は悪いですがあまり気にする必要はないかもしれません。

 

2歳でデビューして既に7歳馬ですから加齢による能力減がそろそろ心配です。ただ、この馬は年間で多くても4走までしか走っていないので、全体キャリアもまだ19戦と数を使っていません。足掛け6年と経過年数は長いですがある程度のフレッシュさを保持しています。ドバイ、香港ばかり走っていますので国内レース参戦が最近は少ないので近況を測りかねるのですが調べた限り能力落ちの様な話はなく、馬は今も充実しているようです。

 

ただ、やはり20000mはこの馬の領域ではないでしょう。2400mをメインに使っていて、3年前の天皇賞春で2着するなどはっきりとした長距離適性を残しています。香港で2勝2着1回のパーフェクトな成績を残しますが、2勝は2400mで2着が2000mでした。こなす範囲ではあるのでしょうがベスト距離でないのは明白です。

 

しかし、それでも軽視できない要素が2点あります。平坦コースであることと、展開の利が見込めそうなことです。関東馬ながら直線平坦の京都でばかり走っていたのは有名な話ですし、海外志向が強くなったのも京都競馬場の工事期間かが始まってからです。出来るだけ坂コースを避けて国内外のレースを選んで出走しています。札幌の平坦コースはこの馬にプラスになります。また、展開面に関しては強力な逃げ馬が複数いて前掛かりな展開が見込めます。恐らく逃げるであろうパンサラッサが作り出すペースは消耗戦になるのが常ですから、上がりの時計がかかる展開はこの馬には向いています。4コーナー付近から鍔迫り合いの様な勝負になるならそれを後目にまとめて差し切るような事はあるかもしれません。

 

・ユーバーレーベン【8/20更新】

 

遠征前の京都記念が5着。アクシデントで仕上げきれなかった昨秋の不振を脱していてかなり良い状態で挑んだレースだったのですが、掲示板の際を死守しただけで物足りない内容です。はっきりとした敗因は拾えていないのですが見た感じ先行策が裏目に出た感じです。中団後方から末脚で勝負するタイプが行ったら味が無かったというところでしょうか?また、スローでよーいドンの競馬もこの馬には合わなかった印象です。長い脚を使えるタイプなので瞬発力勝負は性に合わないと思われます。

 

前走のドバイもスローで脚を余して負けていますが、外から追い込んできておっと思わせる伸びを見せていました。この馬本来の脚はちゃんと使えていて、騎乗していたレーン騎手もその末脚を評価しています。これならしっかりと復調していると判断して大丈夫でしょう。なお、前走のドバイは輸送で体を減らしてしまい現地での調整は難しかったとのこと。その状態で5着と走った事からも陣営に悲観の色はありません。

 

昨年の今頃になりますが脚の腱に炎症が出来て秋華賞にはなんとか間に合ったという状態で、案の定惨敗を喫しました。以降もイマイチな競馬が続いています。ですが、JC6着、京都記念5着、ドバイシーマC5着と格式の高いところでまぁまぁの競馬は続けていて、状態や展開、海外輸送など敗因はしっかりしています。そこを考慮すれば、上位の力は常に示していたと解釈する事も出来るでしょう。やっぱり強い馬なんだと思います。遠征の疲れをしっかりと取り立て直しが出来ているなら、展開1つで勝ち負けに持ち込む事はまだ出来るのではないでしょうか?

 

札幌記念の条件ですが、この馬には合っていると思います。サンプルは少ないですが札幌2歳S2着、フラワーC3着と1周条件の重賞で好走しています。コーナー区間で速い脚を使えるのでマクる競馬で進出して来れます。また、タフで地力が問われるレースの方が力を出せるタイプですから、今回の組み合わせも都合がいいでしょう。レースはしやすいと思います。また、当地はソダシとも差の無い競馬をした舞台なので洋芝も特に問題はないでしょう。今回は結構やれる条件と言う感じがしています。

 

管理している手塚調教師はレーベンをマイネル軍団史上の最強馬にしたいとのことで思い入れが強く、今年は大きいところを目指しています。秋のローテは未定ですがここをステップにGⅠ獲りに動いて行きたいところでしょう。

 

・ウィンマリリン【8/20更新】

 

昨年のオルカマーがピークで以降は調整に苦しんでいます。肘が腫れやすく、カマー後、エ杯後にガタっと来て、続戦して勝負出来る馬ではなくなっています。今は間隔を空けて使うしかない状況で仕上げもなかなか難しいようです。ただ、大阪杯を使った後は悪くなることが無く、前走の宝塚記念では近走の中では良い仕上がりに持ってこれたという話でした。実際、ラスト1Fぐらいまでは頑張れていてエフフォーリアとはハナ差の7着と復調気配は見せています。この春は脚元の不安が軽減しているようなので徐々に上向きとのこと。前走以上の状態には整うと思われ、今回はもう少しやれて良いかもしれません。

 

特徴としては立ち回りの上手さで勝負するタイプなので札幌2000mの様な条件は向いています。力関係は微妙ですが、有力馬のいずれかにミスがあればつけ込むぐらいの力は持っている馬です。紛れるようなら注意が必要かもしれません。

 

ただ、道悪はNGが出ていますので当日の馬場状況は取捨の鍵になるでしょう。反面、阪神に持っていくと馬体を減らす事が度々あったので輸送の無い滞在競馬は良いと思います。脚に不安のある馬なので1戦必勝とは言い過ぎですが、状態が安定していて仕上げが良い所は勝負してくるはずです。手塚調教師も「年に1度は必ず走る」「噛み合うと凄い強い」と話します。勝てるなら勝ちたいところでしょう。なお、秋はエ杯を目標にしていてそこがラストになるようです。

 

・ハヤヤッコ【8/20更新】

 

3年前に勝ったレパードSは10番人気でした。その時は本命でしたね。それ以降は当然ダート路線で来たわけですがそこで頭打ちとなり3走前から芝路線に転向しています。芝でダメだった馬がダートに転向して成功する例はいくらでもありますが、その逆となると珍しいですね。転向初戦の日経賞もそこそこ走っていましたが、前走函館記念で芝重賞制覇となりました。

 

ただ、この馬は恵まれています。日経賞稍重天皇賞春が稍重函館記念が重と芝を走るようになってからずっと道悪競馬ばかり。芝に変わったことでスピード不足が懸念されるところですが悉くそれを回避していました。かなりの運を持ち合わせているようです。厩舎サイドも時計がかかればと言う事はいつも言っています。函館記念はただでさえ時計のかかる洋芝を重馬場で走れたのですから、これ以上の条件はもうないでしょう。あいにくレース当日は晴れ模様。土曜の競馬は道悪を残していますが、乾いていく馬場はこの馬の好走確立をどんどん下げて行く事になるンおだと思います。相手強化の上、馬場の恩恵に見放されては厳しい戦いを覚悟せねばなりません。

 

馬場状況は棚上げしておくとして、力関係的にもやはり差があるように思います。春にGⅠの天皇賞を使いましたが15着、勝ったタイトルホルダーから4.9秒も離されています。距離も長かったようですが得意の道悪でこの成績は頂けません。GⅠ級との力差を感じない訳にはいかないでしょう。そもそも厩舎サイドも芝の大きいところを狙っている訳ではないようで、天皇賞春も日経賞を走ってしまったがために出走したようなもので、戦前からどうもこうも無いという雰囲気でした。

 

ソダシがそうであるように洋芝適性の強い一族なのでここは使いますが、勝ち負けを意識出来るような話は出てこないはずです。北海道の洋芝を無欲に走るだけでしょう。函館記念を勝ったこと、白毛対決など話題は存分に振りまきました。それでこの馬の役割は終わっているのかもしれません。

 

・予想のようなもの

 

ジャック陣営は出たなり判断で柔軟にと考えでいるようです。逃げへの執着は捨てています。やはり、十中八九パンサが逃げるでしょう。同厩の同型ユニコーンライオンも行かせるつもりがないようなので。だとすると以下の事が考えられます。

 

「パンサを追いかける馬は自滅する」

 

パンサを追いかけて競り潰せた馬ってタイトルホルダーしかいないんです。福島記念中山記念、ドバイとパンサを追いかけた馬は皆潰れていて宝塚記念ではあのディープボンドですら堪えきれず最後に差されて4着に沈みました。それだけパンサが作り出す57秒台は危険な領域なのです。

 

となると、番手に控えたジャックの乗り方は逆に難しくなります。これを追うソダシも巻き込まれる可能性があるでしょう。1番人気の宿命ですし、脚質的にも行かない訳には行きませんから。簡単につぶせる相手ではないので、パンサを追いかけることでソダシも、ジャックも疲弊して終いの脚に影響が出るかもしれません。そうい訳で先行馬が力尽きるシーンを想定しました。狙いは差し、追込みから。

 

◎は⑥グローリーヴェイズ。距離は短いですけど平坦コースのハイペースはこの馬向きの条件でもあります。消耗戦の強さは現役屈指だと思うので展開を味方につければまとめて負かすシーンも。状態もとても良いようですし、鉄砲走ばかりしているので休み明けとかも関係ありません。状態も良いようで馬はデキています。

 

⑭ユーバーレーベンも展開が向きそうなので◎と同等の評価を考えていたのですが、どういう訳か手塚調教師は⑨ウインマリリンの方に色気がある感じなのでレーベンの評価を一枚落としました。ただ、申したように展開もコースも良いので最後は必ず詰めてくるはずです。▲評価で期待します。

 

〇はその⑨ウインマリリン。絶好調だったオールカマー以降では今回が最も状態が良いようで、かなり良い頃に戻っているようです。適度な先行力があり、相手なりに運べる馬なので展開に合わせて迫って来れると見ています。まだ稍重ですけど、朝の含水量は良馬場まであと少しと言う数値です。天気も良いので限りなく良馬場に近づくだろうと考えています。

 

⑩ソダシ③パンサラッサ④ジャックドールはまとめて△評価の押さえ。これらのデキも問題ないので展開のアヤが噛み合えばと言う感じでいます。あと1頭選ぶとしたら⑯アンティシペイトがいいでしょう。力差はありますが②①①と3戦パーフェクトの札幌コースなら。厩舎でも良馬場ならこちらが上に来ると考えていますので。

 

買い目は公表しませんが◎から手広いのと◎〇▲の箱買いぐらいと思います。馬連、ワイド、3連複辺りで。

 

【おまけで九州の方も】

 

この秋はスプリンターズSの特集もするつもりなので、サマースプリントは積極的に参加しています。でも、どうせみるならちょっとだけと言う姿勢で馬券は複勝しか買っていません。ただ、函館SSがナムラクレア(1着)、CBC賞がアネゴハダ(3着)、アイビスSDがシシンティ(2着)となんとか全戦全勝でここまで来ています。私、良い感じです。今回はこの3頭が激突するので面白いんですけど、どれにするかは難しいですね。

 

狙いは49kの据え置き②アネゴハダにします。

 

同じなのは斤量だけでなく、コースも1枠2番と言う枠番も一緒です。つまり、CBC賞とほぼ同一の状況です。なら、出走馬もCBC賞組が多いですから結果がスライドすれば今回も良いところでしょう。

 

1k軽かったCBC賞勝ちのテイエムスパーダとは今度はこちらが2k軽くなります。増減差は4kにもなるのですからこれだけで逆転可能な計算です。加えて当時より力のいる馬場に変化していてパワータイプのアネゴ向きな条件になっています。また、馬体はピカピカで前走以上の状態でデキも抜群のようですからこれを狙うことにしました。

 

でも、北九州記念の目的はGⅠへの情報収集と分析なので馬券はやっぱりちょっとだけにしておきます。アネゴの複勝と⑯ナムラクレアとのワイド1点だけ。

 

ただ、アネゴの馬主岡氏の所有馬ゴライコウが土曜の競馬でまたしても今村騎手に大差をつけられて2着でした。今村騎手はこの勝負服の天敵かもしれません。これに共感された方は⑥ザイツィンガーも買っといた方がいいかもですね。私は買いませんけど。